JP2006220349A - 燃焼制御装置及び燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 副マイクロコンピュータのROMに異常が無いかを確認する。ステップ3で主マイクロコンピュータから副マイクロコンピュータにチェックサムの演算を行う旨の指令を送信し、これを受けて副マイクロコンピュータでは、ROMのチェックサムを演算する。ステップ5で演算結果のデータが副マイクロコンピュータから主マイクロコンピュータに送信される。これと平行して不揮発性記憶素子に予め記憶された副側正常データを読み出し、ステップ8で副マイクロコンピュータから主マイクロコンピュータに送信された演算結果と、不揮発性記憶素子から読み出した副側正常データとを比較する。
【選択図】 図6
Description
具体的には、マイクロコンピュータ同士の通信により相互に動作を監視させ、通信が途絶えた時に一方のマイクロコンピュータが暴走していると判断する。
この観点から特許文献1に記載の制御装置を見ると、まだまだ改善すべき課題がある。即ち特許文献の構成は、マイクロコンピュータ同士の通信により相互に動作を監視させ、通信が途絶えた時に一方のマイクロコンピュータが暴走していると判断する。即ちマイクロコンピュータのCPUが暴走すると、マイクロコンピュータ間の通信を制御できなくなるので通信が途絶える。特許文献1に開示された方策は、通信の断列をキーとして異常を検知しているので、CPUの暴走を監視することはできる。
特に補助的に使用されるコンピュータのROMには燃焼装置を緊急停止させるプログラムやデータが格納される場合が多く、これらに異常があれば異常時における緊急停止が円滑に行われない可能性もあるが、補助的に使用されるコンピュータのROMに微細なエラーが生じてもCPUが暴走するとは限らず、ましてやマイクロコンピュータ同士の通信が途絶える事態にまで進展するとは限らない。
即ち本発明の燃焼制御装置では、副コンピュータ側記憶手段の所定領域の記憶内容のチェックサム等の計算値の正解値(副側正常データ)が不揮発性記憶手段に記憶されている。
そして実際に主コンピュータ又は副コンピュータによって、副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいてチェックサム等の演算を行い、実際に実行された検査用演算の結果データと不揮発性記憶手段に記憶されていた副側正常データとを比較する。本発明の燃焼制御装置では、この様にして副コンピュータの記憶装置に格納されたプログラム等をチェックする。
また本発明の燃焼制御装置では、不揮発性記憶手段が主コンピュータ側の制御領域に属するので、副コンピュータの要求性能を過度に上昇させることがない。
また検査装置が接続される以前の段階においては、不揮発性記憶手段に副側正常データを記憶しておく必要もないから、不揮発性記憶手段と主コンピュータ及び副コンピュータとの組み合わせの自由度も高い。
即ち請求項1以下に記載した燃焼制御装置では、主コンピュータと副コンピュータ及び不揮発性記憶手段が必須であり、不揮発性記憶手段に副側正常データが記憶されているから、いずれかの段階で、いずれかの方法によって不揮発性記憶手段に副側正常データを記憶させなければならない。
しかしながら、副コンピュータのプログラム等は燃焼装置ごとに異なるから、主コンピュータに副側正常データを予め記憶させて不揮発性記憶手段にこれを書き込む構成を採用すると、主コンピュータの記憶内容が副コンピュータごとに異なるものとなり、主コンピュータの互換性が低いものとなる。
また制御装置に組み込む以前に、不揮発性記憶手段に副側正常データを記憶させておく方策についても同様であり、不揮発性記憶手段の記憶内容が副コンピュータごとに異なるものとなり、互換性が低いものとなる。
さらに主コンピュータに記憶させる手段についても不揮発性記憶手段に先に記憶させる手段についても、製造工程や検査工程において、組み合わせが正しいことを判別する工程を設けなければならない。
そこで本発明では、検査装置に初期の副側正常データを記憶させることとした。また副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいて検査用演算を実行し、この検査用演算の結果データと検査装置に記憶された初期副側正常データを比較し、両者が同一であれば初期副側正常データ又は結果データを副側正常データとして不揮発性記憶手段に記憶させる構成としたので、燃焼制御装置を組み立てる際の機器の取り違えもチェックすることができる。
なお、検査用演算を実行させる指令は、検査装置から送信することが望ましい。また結果データと初期副側正常データとの比較についても検査装置が行うことが推奨される。検査用演算は副コンピュータが行うことが望ましい。即ち主コンピュータは、副コンピュータで演算されたデータを単に検査装置に橋渡しするだけの構成が推奨される。
なお、検査用演算を実行させる指令は、検査装置から送信することが望ましい。また結果データと初期主側正常データとの比較についても検査装置が行うことが推奨される。
また本発明では、主コンピュータだけでなく副コンピュータも所定の停止条件となった場合に燃料の供給の遮断動作を実行するから、いずれか一方に不具合があっても確実に燃料の供給を遮断することができる。この燃料の供給の遮断動作は、緊急的に速やかに行うのが好ましい。
即ち近年では、燃焼装置がいろいろな燃焼条件で燃焼されるから、短時間の間、燃焼量が大きくなったり、送風量が増減する場合もある。このような動作は短時間の間に復旧するので異常燃焼とは言えず、危険な状態でもない。そのため主コンピュータではこのような想定される範囲の振れでは機器が停止しない様な設定やプログラムが施される場合が多い。そのため副コンピュータにおいて異常であると判定する閾値を主コンピュータのそれよりも低い(異常であると判断され易い方向)にすると、本来停止すべきでない状態の時にも頻繁に遮断動作が実行され、使い勝手が悪くなる懸念がある。
これに対して副コンピュータについても主コンピュータと同様のプログラムを搭載する方策も考えられるが、主コンピュータと同様のプログラムを搭載すると、異常の判定基準が同一となり、主コンピュータと副コンピュータの検出処理のばらつきにより、いずれが先に異常を検出して遮断動作を行うかが判然としないという不安定な事態となり好ましくない。
加えて主コンピュータと同様のプログラムを副コンピュータに搭載する方策は、前記した副コンピュータの要求性能を下げたいという趣旨に反する。
また燃焼装置の機種に応じた異常判定条件等を備えた専用の燃焼装置を機種ごとに備える必要がある様な場合も現実的にある。この様な場合、主コンピュータはその機種に適合するハードウェアやソフトウェアが必要ではあるが、副コンピュータの停止条件を主コンピュータと比べて緩くすることにより、副コンピュータ側は汎用的に異なる機種の燃焼装置に適用できる可能性もある。
そこで本発明では、副コンピュータが緊急的な遮断動作を実行する際の停止条件を、主コンピュータが遮断動作を実行する際の停止条件に比べて緩やかにして、副コンピュータによる遮断動作を制限し、安全性の向上と、互換性の向上とを両立させた。
図1は本発明の燃焼制御装置を給湯装置の制御装置として活用した場合の回路ブロック図である。図2は、本発明の燃焼制御装置を給湯装置の制御装置として活用した場合の回路図である。図3は、本発明の制御装置によって制御される給湯装置の概念図である。図4は、図1に示す燃焼制御装置の動作の一部を示すフローチャートである。図5は、図2の各電磁弁の接続関係を示す回路図である。
また各供給路は、一本に統合されてガス供給源13に接続されているが、その間に比例弁15と元電磁弁16が介在している。なおガス電磁弁10,11,12及び元電磁弁16は、常時閉の電磁弁であり、ソレノイドへの電流供給が遮断されると閉止される。
さらにバーナ群2の近傍には、フレームロッド30とバーナセンサ31が設けられている。フレームロッド30は火炎の存在を検知するものであり、バーナセンサ31は火炎の温度を検知するものである。
また送風機9の回転数を検知する回転数検知センサー32が設けられている。
主マイクロコンピュータ35は、公知の燃焼制御装置に内蔵されている制御装置と同様の機能を果たすものであり、燃焼制御装置27の主たる制御を担う。即ちバーナ群2(図3)への着火、出湯温度や供給ガス量の調整、各電磁弁の開閉、送風機9の制御等を行う。また給湯装置1にリモコンが接続される場合には、当該リモコンと通信を行い、リモコンからの各種指令を受信し、また、リモコンに対して給湯装置1の動作状況を送信する等の処理を行う。即ち主マイクロコンピュータ35は、従来のガス給湯装置の制御装置が備える基本的な機能の全てを備えている。
逆に副マイクロコンピュータ36は、主マイクロコンピュータ35に対してリセット信号を出力することができる。リセット信号を受信した主マイクロコンピュータ35は、停止・再起動を実行する。
即ち主マイクロコンピュータ35と副マイクロコンピュータ36の双方に各センサ等の信号が並列的に入力される。
ここで電源遮断回路43は、駆動電源45から電磁弁駆動回路46に至る回路に挿入されており、元電磁弁16及びガス電磁弁10,11,12に供給されていた電圧を遮断するものである。
前記した様に元電磁弁16及びガス電磁弁10,11,12は、常時閉形式であるから、電源遮断回路43が機能して各電磁弁に供給されていた電圧が遮断されると、各電磁弁が閉じてバーナ群2へのガスの供給が停止する。
また駆動電源45からの通電が遮断されたか否かは、電圧検知回路47の信号を主マイクロコンピュータ35が確認することによって判別できる。即ち電圧検知回路47は、電磁弁駆動回路46に電力を供給されているか否かを判定する回路であり、バーナ群2に対する燃料供給の有無を間接的に知るための回路(遮断確認手段)である。
さらに各電磁弁に電流が流れているか否かは、元電磁弁監視回路61及びガス電磁弁監視回路62の信号を主マイクロコンピュータ35及び副マイクロコンピュータ36が確認することによって判別できる。
ここで主マイクロコンピュータ35側の停止信号出力端子50は、給湯装置1が正常に動作している場合にはH信号を出力し、異常状態であることを検知するとLo信号を出力する。
一方、副マイクロコンピュータ36の停止信号出力端子51は、給湯装置1が正常に動作している場合にはLoであり、異常状態であることを検知すると開放(オープン)となる。
またトランジスタ(PNP形)Q4のコレクタ端子は、トランジスタ(NPN形)Q3のベース端子に接続されている。
さらにトランジスタ(NPN形)Q3のエミッタ端子はアースされている。
即ち図1に示す回路では、ガス電磁弁10,11,12及び元電磁弁16の駆動回路に設けられたリレーRL10、RL11、RL12、RL16は、全て主マイクロコンピュータ35からの信号によって個別に開閉可能となっているが、給湯装置が正常に動作している場合には、機器駆動回路42への通電がなされているので、主マイクロコンピュータ35からの信号を受けると各リレーRL10、RL11、RL12、RL16のコイルが励磁されて接点がつながり、各電磁弁が開く。
即ち主マイクロコンピュータ35が異常や危険状態、あるいはその要因を検知すると停止信号出力端子50がLoとなり、トランジスタQ3のベースがLoとなって当該トランジスタQ3がオフとなる。そのためトランジスタQ2もオフとなって各リレーRL10、RL11、RL12、RL16に供給される電流が遮断される。
即ち駆動電源V1の供給ラインであって、前記したトランジスタQ2の下流側が並列分岐されてトランジスタ(NPN形)Q5のベース端子に接続されている。またこのトランジスタ(NPN形)Q5のコレクタ端子は主マイクロコンピュータ35の電圧検知信号接続端子52に接続されている。またトランジスタ(NPN形)Q5のコレクタ端子は抵抗を介して信号用電源53が接続されている。
トランジスタ(NPN形)Q5のエミッタ端子はアースされている。
逆に駆動電源V1の供給ラインがオフ状態となると、トランジスタ(NPN形)Q5のベースに電流が供給されず、トランジスタQ5がオフとなり、信号電圧が主マイクロコンピュータ35の電圧検知信号接続端子52に掛かる。
また、上記炎検知回路55は、バーナの近傍に配されたフレームロッド30により燃焼の有無を検出し、燃焼していると炎検知信号を出力する。さらに、上記水量検出回路56は、上記熱交換器18の上流に設けられる水量センサー29から得られる検出信号に基づいて通水流量を検出し、上記最低作動水量を超える通水があると水流検知信号を出力する。
出湯温度検知回路57は、出湯温度センサー26の信号によってカラン等から最終的に出湯される湯の温度を検出する回路である。バーナセンサー検出回路59は、バーナセンサー31の信号によって火炎の温度を検出する回路である。比例弁電流検出回路60は、比例弁に入力される電気信号を検知して、比例弁15の開度を検知する回路である。
送風機回転数検出回路58は、回転数検知センサー32の信号から送風機9の回転数を検知する回路である。
本発明では給湯装置1の制御手段として、主マイクロコンピュータ35と副マイクロコンピュータ36を用いており、そのうち主マイクロコンピュータ35が電磁弁の開閉を含む給湯装置各部の動作を制御し、副マイクロコンピュータ36は元電磁弁16とガス電磁弁10,11,12の開閉のみを制御する。
元電磁弁16及びガス電磁弁10,11,12は、給湯装置1に異常が発生した場合や危険な運転状況となった場合に閉止されるが、給湯装置1が正常に動作している場合にも勿論開閉される。
従って元電磁弁16及びガス電磁弁10,11,12が閉止される場合には、給湯装置1が正常に動作している場合と、異常がある場合とがあり、両者を分けて説明する。
本実施形態の燃焼制御装置27では、主マイクロコンピュータ35が行う給湯装置各部の制御のうち、通常の給湯運転に伴う燃焼停止の処理に関しては副マイクロコンピュータ36もその処理を分担して行うように構成されている。
本実施形態の燃焼制御装置27では、二つのマイクロコンピュータ35,36は、双方向でデータ通信を行っており、通常運転を行っている場合における燃焼停止要求についても主マイクロコンピュータ35側から副マイクロコンピュータ36側に送信される。
上記した燃焼停止処理の分担にあたり、副マイクロコンピュータ36は、上述したデータ通信によって主マイクロコンピュータ35から与えられる燃焼停止処理の実行命令を受信した時に、停止信号出力端子51から停止信号を発信する。具体的には、停止信号出力端子51を開放(オープン)し、各リレーRL10、RL11、RL12、RL16に供給される電流を遮断する。即ち副マイクロコンピュータ36によって機器駆動回路42への通電を遮断する。
本実施形態の燃焼制御装置27では、所定の停止条件が揃った場合に元電磁弁16及びガス電磁弁10,11,12を閉止する。本実施形態の燃焼制御装置27では、安全性をより高めるため、停止条件は多岐に渡り、燃焼状態が異常であったり高温の湯が出湯されている場合は勿論のこと、これらの状況が発生する要因が検知された状態でも燃焼を停止させる。
「異常」である場合とは、例えば未燃焼ガス(未燃焼燃料)の漏出とバーナの空焚きとがある。具体的には、バーナユニットに燃料が供給されているにもかかわらずバーナユニットが燃焼していない状態は未燃焼ガスの漏出があるといえる。換言すれば、元電磁弁16が開き、且つ上記ガス電磁弁10,11,12のうち少なくとも一つが開弁しているにもかかわらず炎が未検出の状態にあるときに未燃焼ガスの漏出があるといえ、異常である。
またバーナユニットに燃料が供給されており、且つバーナユニットが燃焼状態にあるにもかかわらず、熱交換器に通水がない状態にあるときは空焚きであるといえる。換言すれば、上記ガス電磁弁10,11,12のうち少なくとも一つが開弁しており、炎が検出されている状態にも係わらず通水が全くないか、あるいは通水はあっても給湯装置1の最低作動水量(MOQ)以下の通水しかない状態にあるときは空焚きであるといえ、異常である。
さらに出湯温度センサー26が90度以上という様な高温を検知した場合は火傷の危険がある。
また送風機9の回転数が上昇しない場合は、直ちに危険であるとは言えないが、一定時間この状態が続くと異常燃焼の要因となる。同様に比例弁15が全開状態になっている状態が一定時間続いたり、火炎の温度が異常である場合も危険要因の一つである。
センサー等によって検知される燃焼装置の動作状態を知るための信号については、主マイクロコンピュータ35と副マイクロコンピュータ36に並列的に入力されるので、副マイクロコンピュータ36は、直接受信した信号を活用して異常の判定を行う。
即ち本実施形態では、副マイクロコンピュータ36で行われる判断の閾値は、主マイクロコンピュータ35のそれよりもあまい。言い換えると、副マイクロコンピュータ36は、より異常や危険の程度が高い状態を検知しなければ異常や危険状態と判断しない。副マイクロコンピュータ36の判断基準は、主マイクロコンピュータ35のそれに対して、10〜30%程度緩い。
より具体的には、出湯温度センサー26が85度を検知すると主マイクロコンピュータ35は異常と判断するが、副マイクロコンピュータ36では、90度を検知した時に異常と判断する。85度では、副マイクロコンピュータ36は停止信号を発しない。
またバーナセンサ31の検出温度が800度を越える状態を150秒続くと主マイクロコンピュータ35は異常と判断して停止信号を発するが、この条件下では副マイクロコンピュータ36は停止信号を発しない。副マイクロコンピュータ36は、800度を越える状態が200秒続くと異常と判断する。
また送風機9の回転数が1000rpmの状態が10秒続くと主マイクロコンピュータ35は異常と判断するが、副マイクロコンピュータ36では、20秒続くと異常と判断する。
比例弁15の電流値等が高い状態、或いは低い状態が4秒連続して続くと主マイクロコンピュータ35は異常と判断するが、副マイクロコンピュータ36では、5秒続くと異常と判断する。
なお上記した未燃ガスの漏出がある場合は例外であり、炎検知回路55が火炎を検知しなかった場合に消火動作(遮断動作)を行う。
また各リレーRL10、RL11、RL12、RL16に供給される電流が遮断されたか否かは、電圧検知回路(遮断確認手段)47の信号によって確認される。即ち駆動電源V1の供給ラインがオン状態の時は、主マイクロコンピュータ35の電圧検知信号接続端子52がLoとなっているが、主マイクロコンピュータ35の停止信号が正常に発信され、消火動作(遮断動作)が実行されて駆動電源V1の供給ラインがオフ状態となると、信号電圧が主マイクロコンピュータ35の電圧検知信号接続端子52に掛かる。従って電圧検知信号接続端子52に所定の電圧が掛かると、駆動電源V1の供給ラインがオフとなったことが確認される。
また電磁弁監視回路61,62からの弁監視信号に基づいても消火動作が正常に行われたか否かを判断することができる。
即ち前記した様に、副マイクロコンピュータ36が異常等を検知する基準は、主マイクロコンピュータ35よりも緩いから、主マイクロコンピュータ35が正常に機能しておれば、主マイクロコンピュータ35が先に異常等を検知しているはずである。従って、副マイクロコンピュータ36が異常等を検知したのであれば、主マイクロコンピュータ35に何らかの異常があるのかも知れない。そこで本実施形態では、副マイクロコンピュータ36が異常等を検知した場合は、副マイクロコンピュータ36の指令によって主マイクロコンピュータ35を再起動することとした。
即ち本実施形態では、センサー等の信号が主マイクロコンピュータ35と副マイクロコンピュータ36に並列的に入力されるので、両者の信号は一致する。理論的には両者は完全に一致する筈であるが、実際には、アナログ/デジタル変換を行う際に僅かに誤差が生じることがある。しかしながら両者の信号が想定できる範囲を越えて相違する場合は、断線等の不具合が疑われる。そこで本実施形態では、主マイクロコンピュータ35に入力された各センサーの信号と、副マイクロコンピュータ36に入力された各センサーの信号を比較し、両者の間に一定の差異があればガス電磁弁等を閉止することとした。
即ち本実施形態に係る燃焼制御装置27では、上述した主マイクロコンピュータ35と副マイクロコンピュータ36は、ともにそれぞれが備えるインターフェイス(通信手段)によって相互に一定周期でデータを送受信しながら相手方の制御装置が異常な状態に陥っていないかを監視する。
この対策として、リセット信号の出力回数をカウントするリセット回数カウンタを設けておき、このカウンタのカウント値に基づいて、リセット信号の連続出力回数が予め定めた所定回数に到達しても主マイクロコンピュータ35からの通信が復帰しない場合には、副マイクロコンピュータ36から主マイクロコンピュータ35へのリセット信号をラッチし、主マイクロコンピュータ35の動作を停止させる方策が考えられる。
また、このような燃焼停止の処理と並行して、主マイクロコンピュータ35は、リモコンや給湯器本体に設けられる図示しない所定の報知手段を通じて副マイクロコンピュータ36の異常を報知する。例えば、表示装置によるエラー表示や、報知音出力装置による警告音の出力などによって副マイクロコンピュータ36の異常を報知する。
即ち、副マイクロコンピュータ36が各センサ等の信号に基づいて異常燃焼や高温の出湯等を検知した場合に副マイクロコンピュータ36側からリセット信号が出力され、主マイクロコンピュータ35が停止されるが、この場合は主マイクロコンピュータ35は自動的に再起動する。
副マイクロコンピュータ36が主マイクロコンピュータ35との相互通信によって主マイクロコンピュータ35の異常を検出した場合も同様であり、リセット信号が出力され、主マイクロコンピュータ35が停止され、自動的に再起動する。
しかしながら、副マイクロコンピュータ36の通信内容から、先の停止が異常停止であったことが判明した場合と、主マイクロコンピュータ35の異常を副マイクロコンピュータ36が検出して主マイクロコンピュータ35がリセットされた場合については運転オフモードとなる様に構成されている。
以下、本実施形態の燃焼制御装置27におけるROMチェック機能について説明する。
図6は、本実施形態の燃焼制御装置27における燃焼開始前のROMチェック機能を示すフローチャートである。図7は、本実施形態の燃焼制御装置27における燃焼中のROMチェック機能を示すフローチャートである。
即ちプリチェックが開始されると、ステップ3に示す様に、主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36にチェックサムの演算を行う旨の指令を送信する。
即ちステップ6では、不揮発性記憶素子70に予め記憶された副側正常データが主マイクロコンピュータ35によって読み出される。
本実施形態では、不揮発性記憶素子70は主マイクロコンピュータ35に接続されており、主マイクロコンピュータ35で不揮発性記憶素子70に予め記憶された副側正常データを読みだすので、副マイクロコンピュータ36にはこれらの機能が要求されない。そのため副マイクロコンピュータ36の性能は主マイクロコンピュータ35よりも低いもので足る。
異常処理は、機器駆動回路42(図1,図2)への通電を遮断すると共に、図示しない表示装置に異常である旨の文字や記号を表示する。また場合によっては音声やランプ、ブザーその他を併用して異常を知らせる。
なお燃焼中においては、外乱が多いことを考慮して、実際の演算結果と記憶されていた副側正常データとの相違が所定回数連続して現れた場合に異常処理を行う。
図7に示すフローチャートに沿って説明すると、燃焼中、ステップ20で主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36にチェックサムの演算を行う旨の指令を送信する。
そしてステップ22に移行して演算結果のデータが副マイクロコンピュータ36から主マイクロコンピュータ35に送信される。
即ち副マイクロコンピュータ36が、今、実際に行った副マイクロコンピュータ36のROMのチェックサムの演算結果データと、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データとを、主マイクロコンピュータ35が比較する(ステップ25)。
また実際に行ったROM81のチェックサムの演算結果と、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データとが相違するならばステップ27に移行し、カウンタの数値が3以内であるか否かを判断する。即ち実際に行ったROM81のチェックサムの演算結果と、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データとの不一致が連続3回出現したか否かを確認する。
そしてステップ25で再度、ROM81のチェックサムの演算結果と、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データとが相違する結果となれば、ステップ27からステップ28に移行し、カウンタをさらに1加算してステップ20に移行し、ROM81のチェックを繰り返す。
一方、ROM81のチェックを繰り返した結果、チェックサムの演算結果と、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データが一致した場合は、ステップ26に移行してカウンタをクリアし、元のステップ20に戻って、ROM81のチェックを繰り返す。
即ちプリチェックが開始されると、ステップ3に示す様に、主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36にチェックサムの演算を行う旨の指令を送信する。
そしてステップ6では、不揮発性記憶素子70から読み出された副側正常データが主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36に送信される。
その後は、通常の工程に従い、ステップ10でプリパージが行われ、さらにステップ11でイグナイタ等により燃焼ガスに点火される。さらにその後は、通常の燃焼制御が行われる。
異常処理は、機器駆動回路42への通電を遮断すると共に、図示しない表示装置に異常である旨の文字や記号を表示する。また場合によっては音声やランプ、ブザーその他を併用して異常を知らせる。
即ち燃焼中、ステップ20で主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36にチェックサムの演算を行う旨の指令を送信する。
さらに、ステップ22で不揮発性記憶素子70に予め記憶された副側正常データを主マイクロコンピュータ35に読み出す。そしてステップ23で副側正常データを主マイクロコンピュータ35から副マイクロコンピュータ36に送信する。
そしてステップ25で比較結果は副マイクロコンピュータ36から主マイクロコンピュータ35側に送信される。さらに両者が同一であるか否かがステップ26で判定される。同一であればステップ27へ移行してカウンタをクリアし、元のステップ20に戻って、ROM81のチェックを繰り返す。
先の実施形態と同様に、ROM81のチェックを繰り返す内、カウンタが3となった場合は、ROM81に異常が起きた可能性が高いので、ステップ30に移行し、所定の異常処理が行われる。
一方、ROM81のチェックを繰り返した結果、チェックサムの演算結果と、不揮発性記憶素子70から読み出した副側正常データが一致した場合は、ステップ27に移行してカウンタをクリアし、元のステップ20に戻って、ROM81のチェックを繰り返す。
また運転モードに関係なく、常時ROMのチェック処理を行ってもよい。例えば、カランを開く等の操作によって熱交換器18に通水されても燃焼が開始されない様な運転モード(いわゆる運転オフモード)の際にもROMのチェックを行う。
また上記した様に運転モードに関係なくROMのチェックを行う構成を採用する場合、いわゆる運転オフモードの際にROMの異常が発見された場合、すぐに表示装置等に異常の表示をするのではなく、いわゆる運転オンモードとなった時に異常の表示を行うことが推奨される。
ここで運転オンモードとは、熱交換器18に通水された時に燃焼要求の信号が出力され、燃焼が開始される運転モードを言う。また特に給湯装置では、当業者の間で運転スイッチと称されるスイッチが設けられている場合が多く、当該運転スイッチを手動で操作することによって運転モードを切り替える。例えば運転オフモードの際に運転スイッチを操作して運転オンモードに切り替える。従って、実際の態様としては、運転オフモードの際に発見されたROMの異常は、運転スイッチを操作した後に表示されることが望ましい。
本実施形態においては、出荷前の検査工程において、副側正常データを不揮発性記憶素子70に記憶させる。
具体的には、検査装置77を燃焼制御装置27に接続し、所定の検査を行うと共に副側正常データを不揮発性記憶素子70に記憶させる。
ここで検査装置77は、燃焼制御装置27とは別体の装置であり、一個のマイクロコンピュータであってMPU,RAM,ROMを備える。そしてROM又はRAMに初期副側正常データが記憶されている。ここで初期副側正常データは、副マイクロコンピュータ36のROM(副コンピュータ側記憶手段)81の全データのチェックサムに対して検査用演算を行った際の正解値である。
図10は、本実施形態の燃焼制御装置における検査工程の際に副側正常データを不揮発性記憶素子に記憶させる工程を示すフローチャートである。
この信号を受信した副マイクロコンピュータ36は、検査用演算を実行する。即ち副マイクロコンピュータ36では、プログラムを含むROM81の全データのチェックサムを演算する(ステップ3)。具体的には公知の数式に従ってチェックサムの合計を計算する。
即ち主マイクロコンピュータ35は、副マイクロコンピュータ36が実行した検査用演算の検査結果を検査装置77に橋渡し的に送信するだけであり、主マイクロコンピュータ35は、何らの演算も行わない。
そして両者が一致したならば検査装置77から主マイクロコンピュータ35に対して不揮発性記憶素子70にデータ書き込みを行わしめる旨の指令が発信される(ステップ7)。この主マイクロコンピュータ35は、この信号を受けて、前記した副マイクロコンピュータ36が実行した検査用演算の検査結果を不揮発性記憶素子70に書き込む(ステップ8)。またこれに代わって検査装置77が記憶する初期副側正常データを不揮発性記憶素子70に書き込んでもよい。
不揮発性記憶素子70に書き込まれたデータは、副側正常データとして格納及び運用される。ステップ6で両者が一致しない場合には、ステップ9へ移行し、異常処理が行われる。この時の異常処置は、例えば検査装置77の図示しない表示装置にエラーの表示を行ったり、検査装置77からエラー信号を出力する等が考えられる。
図11は、本発明の他の実施形態の燃焼制御装置及び検査装置の動作を示し、不揮発性記憶素子に対して、主側正常データを記憶させる手順を示すフローチャートである。
そしてステップ4では、主マイクロコンピュータ35から検査装置77に入力された検査用演算の検査結果と、初期主側正常データとが比較される。この比較は、検査装置77が行う。
そして両者が一致したならば検査装置77から主マイクロコンピュータ35に対して不揮発性記憶素子70にデータ書き込みを行わしめる旨の指令が発信される(ステップ5)。主マイクロコンピュータ35は、この信号を受けて、自らが実行した検査用演算の検査結果を不揮発性記憶素子70に書き込む(ステップ6)。またこれに代わって検査装置77が記憶する初期主側正常データを不揮発性記憶素子70に書き込んでもよい。
不揮発性記憶素子70に書き込まれたデータは、主側正常データとして格納及び運用される。主側正常データは、主マイクロコンピュータ35のROM80をチェックするのに活用される。
ステップ4で両者が一致しない場合には、ステップ7へ移行し、異常処理を行う。この時の異常処置は、例えば検査装置77の図示しない表示装置にエラーの表示を行ったり、検査装置77からエラー信号を出力する等が考えられる。
また上述した実施形態では、本発明をガス給湯装置に用いた場合を示したが、本発明はこれに限定されず、オイルを燃料とする給湯装置にも適用可能である。さらにまた、燃焼部を備えた燃焼装置であれば給湯装置以外(例えば暖房単機能の燃焼装置など)にも適用可能である。
10,11,12 ガス電磁弁
16 元電磁弁
27 燃焼制御装置
35 主マイクロコンピュータ
36 副マイクロコンピュータ
47 電圧検知回路(遮断確認手段)
70 不揮発性記憶素子(EEPROM)
76 検査装置接続端子
77 検査装置
80 ROM(主コンピュータ側記憶手段)
81 ROM(副コンピュータ側記憶手段)
Claims (11)
- 複数のコンピュータを備え、その内の一つ又はいくつかのコンピュータは主体となって燃焼装置を制御する主コンピュータであり、他の少なくとも一つのコンピュータは補助的な制御を行う副コンピュータであり、前記主コンピュータは内容を変更可能な不揮発性記憶手段を備えており、前記副コンピュータは、所定のデータ/及び又はプログラムが格納された副コンピュータ側記憶手段を有し、前記主コンピュータと副コンピュータのうちの少なくとも一方に、副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいて所定の検査用演算を行う検査用演算実行機能を備えており、前記不揮発性記憶手段には、副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に対して検査用演算を行った際の正解たる副側正常データが記憶され、前記主コンピュータ又は副コンピュータによって副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいて検査用演算が実行され、前記主コンピュータ又は副コンピュータによって当該検査用演算の結果データと不揮発性記憶手段に記憶された前記副側正常データとを比較することを特徴とする燃焼制御装置。
- 副コンピュータによって検査用演算が実行され、当該演算の結果データが主コンピュータに送信され、主コンピュータによって結果データと不揮発性記憶手段に記憶された副側正常データとが比較されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
- 副コンピュータによって検査用演算が実行され、主コンピュータから副コンピュータに不揮発性記憶手段に記憶された副側正常データが送信され、副コンピュータによって結果データと副側正常データとが比較されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
- 検査装置が接続可能であり、検査装置は初期副側正常データを記憶しており、副コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいて検査用演算が実行され、当該検査用演算の結果データと検査装置に記憶された初期副側正常データとを比較し、両者が同一であれば初期副側正常データ又は結果データを副側正常データとして不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 燃焼に先立って検査用演算の結果データと不揮発性記憶手段に記憶された副側正常データとを比較し、両者に所定の相違があれば所定の異常処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 燃焼の際に検査用演算の結果データと不揮発性記憶手段に記憶された副側正常データとを比較し、両者に所定の相違があれば所定の異常処理を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 主コンピュータは、所定のデータ/及び又はプログラムが格納された主コンピュータ側記憶手段を有し、検査装置が接続可能であり、当該検査装置には、主コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に対して検査用演算を行った際の正解たる初期主側正常データが記憶され、主コンピュータ側記憶手段の所定領域における記憶内容に基づいて検査用演算が実行され、当該検査用演算の結果データと検査装置に記憶された初期主側正常データとを比較し、両者が同一であれば初期主側正常データ又は結果データを主側正常データとして不揮発性記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 主コンピュータは燃焼装置の全般的制御を担うと共に燃料の供給を遮断する遮断動作を実行し、副コンピュータは前記主コンピュータから独立して燃料の供給の遮断動作の実行が可能であり、前記主コンピュータ及び副コンピュータには燃焼装置の動作状態を知るための信号が入力され、前記主コンピュータ及び副コンピュータは前記信号が所定の停止条件となった場合に燃料の供給の遮断動作を実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 副コンピュータが前記遮断動作を実行する際の停止条件は、主コンピュータが遮断動作を実行する際の停止条件に比べて緩やかであることを特徴とする請求項8に記載の燃焼制御装置。
- 副コンピュータは主コンピュータの動作を監視し、主コンピュータの動作に異常が認められた場合に主コンピュータを停止させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の燃焼制御装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の燃焼制御装置を搭載した燃焼装置。
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JP2016011807A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | アイシン精機株式会社 | 燃焼装置および燃料電池システム |
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