JP2006218395A - 流動層触媒の製造方法及び製造装置 - Google Patents

流動層触媒の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い目的生成物収率を安定して得ることのできる流動層触媒を製造する方法。
【解決手段】 スラリー状の触媒原料を乾燥させて乾燥粒子とし、これを空気輸送により焼成炉に移して焼成する。本発明によれば、複数の粒子が付着した固結物の生成や、破砕されたり、亀裂が生じた粒子の生成を抑制することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、流動層反応に用いられる触媒の製造方法及び製造装置に関する。
従来より、流動層反応は有機化合物のアンモ酸化反応によるニトリル類の製造、重質油の流動接触分解による高オクタン価ガソリンの製造等、石油化学工業において広く実施されてきた。
これらの流動層反応に用いられる種々の触媒の製造方法に関しては従来より多くの方法が開発されている。有機化合物のアンモ酸化反応によるニトリル類の製造に用いられる流動層触媒を例にとると、特許文献1には約66℃以下の温度でモリブデン成分と他の原料を混合した後、約537.7℃以下で噴霧乾燥、次いで焼成する方法が記載されている。また、特許文献2にはアンチモン化合物、他の触媒活性成分含有化合物及び触媒担体原料を含むスラリーを噴霧乾燥し、次いで400〜1100℃の温度で流動焼成する方法が記載されている。特許文献3には可溶性のタングステン化合物と鉄、コバルト等及びシリカゾルを含むスラリーのpHを5以下に調整した後、噴霧乾燥、次いで400〜1000℃で焼成する方法が記載されている。特許文献4にはスラリー中の固形分濃度が40質量%以下であるスラリーを300℃以下で噴霧乾燥後250〜500℃で前焼成し、次いで650〜710℃で焼成する方法が記載されている。特許文献5には鉄等原料及びモリブデン化合物とを含むスラリーのpHを7以上に調整した後、該スラリーを噴霧乾燥し、次いで焼成する方法が記載されている。特許文献6には鉄、アンチモン及び硝酸を含むスラリーのpHを0.5〜3に調整し、加熱処理した後に噴霧乾燥、次いで焼成を行う方法が記載されている。特許文献7にはモリブデン、ビスマス、鉄及びシリカを含むスラリーを濃縮した後に噴霧乾燥、次いで焼成する方法が記載されている。
特開昭48−15783号公報 特公昭50−3756号公報 特公昭52−10431号公報 特開昭50−125984号公報 特開平2−59046号公報 特開平10−231125号公報 特開2002−306969号公報
ところで、上述したような流動層触媒の製造において、噴霧乾燥工程において得られた乾燥粒子は依然として幾分の水分を含有しており、粒子同士又は輸送装置等に付着し易い。特に、触媒に含まれる各元素の原料として硝酸塩やアンモニウム塩を用いた場合には、硝酸根やアンモニウム根も含まれることから吸湿性が高く、付着し易さは一層顕著となる。
このような乾燥粒子を一般的に行われているコンテナ等に充填して輸送する方法、ベルトコンベアやスクリューコンベアにより輸送する方法等により輸送した場合、製品触媒中には複数の触媒粒子が付着して生成した固結物が生じ易かった。
こうした触媒粒子が付着して生成された固結物は、通常の触媒粒子よりも粒径が大きく、多くの場合には形状もフレーク状やブロック状などで、本来の球形を保持していない。このような固形物をそのまま流動層反応器に投入した場合には反応器内の触媒の均一な流動が阻害される。その結果、触媒の活性や目的生成物収率が低下する、触媒の滞留により部分的に劣化が促進される、固形物が触媒補給口等の比較的内径の小さい配管を閉塞させる等の問題を生じさせていた。
こうした問題を避けるためには、反応器に投入する前に製品触媒中に含まれる大粒径の固形物をほぐしたり、篩により除去するといった作業が必要となり、工程が煩雑化する、生産性が低下するといった問題があった。
さらに、コンテナ等の容器内壁やベルト等にも付着することから製品収率が低下したり、これら輸送装置のメンテナンスが煩雑になるなどの点も問題となる。
また、噴霧乾燥工程において得られた乾燥粒子はその粒子強度が低いことから、スクリューコンベア等により輸送した場合にはその駆動部分の運動により粒子が破砕されたり、粒子に亀裂が生じることがある。
このような破砕された粒子を含む触媒を流動層反応に使用した場合には触媒の飛散が多くなる。また、亀裂が生じた粒子は強度が低下し、反応器内で破砕されやすく、同様に触媒の飛散が多くなる。このような飛散が多いと、触媒ロスが増加してより多くの触媒補給が必要となるだけでなく、飛散した粒子により配管が閉塞する等のプラント操業上のトラブルが起こり易くなる。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、高い目的生成物収率を安定して得ることのできる流動層触媒を製造する方法を提供するものである。
本発明の流動層触媒の製造方法は、スラリー状の触媒原料を乾燥させて乾燥粒子とし、これを空気輸送により焼成炉に移して焼成することを特徴とするものである。
本発明の流動層触媒の製造装置は、スラリー状の触媒原料を乾燥する乾燥機と、乾燥粒子を焼成する焼成炉と、乾燥機から焼成炉に乾燥粒子を移送する空気輸送手段とを有することを特徴とするものである。
ここで、乾燥粒子を空気輸送するに際しては、輸送空気の流速を2〜40m/sec.の範囲とすることが好ましい。
本発明は有機化合物のアンモ酸化反応によるニトリル類の製造に用いられる流動層触媒の製造に適用されることが好ましい。
本発明は下記実験式(I)又は(II)で表される流動層触媒の製造に適用されることが好ましい。
Mo10BiFe(SiO・・・(I)
(式中、Mo、Bi、Fe、O及びSiはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素及びケイ素を表す。Mはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン及び銅よりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表す。Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表す。Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表す。Aはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン及びテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表す。添字a、b、c、d、e、f、g及びhは原子比を表し、Mo=10のとき、a=0.1〜2.5、b=0.1〜15、c=2〜12、d=0.05〜5、e=0.05〜2、f=0〜10、g=上記各成分が結合して生成する金属酸化物の酸素の数、h=20〜200である。)
Fe10Sb(SiO・・・(II)
(式中、Fe、Sb、O及びSiOはそれぞれ鉄、アンチモン、酸素及びシリカを表す。Xはバナジウム、モリブデン及びタングステンからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表す。Gはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、ビスマス及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表す。Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表す。添字i、x、y、z、j及びkは原子比を表し、Fe=10のとき、i=3〜100、x=0.1〜15、y=0.1〜20、z=0〜3、j=上記各成分が結合して生成する金属酸化物の酸素の数、k=10〜200である。)
本発明によれば、複数の粒子が付着した固結物の生成や、破砕されたり、亀裂が生じた粒子の生成を抑制することができる。その結果、この触媒を用いて流動層反応を行った際、流動性の悪化により活性や目的生成物収率が低下したり、部分的に触媒の劣化が促進されるといった問題を回避することができる。また、反応使用時の触媒の飛散を抑制することができ、触媒ロスを抑制できるとともに、付着防止の為の装置のメンテナンス負担や、飛散触媒による配管の閉塞等プラント操業上のトラブルを未然に削減できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において重要なことは、乾燥工程において得られた乾燥粒子を空気輸送により、続く焼成工程に移送することである。空気により乾燥粒子を流動させ、実質的に乾燥粒子同士、あるいは乾燥粒子と装置内壁との接触がない状態で輸送することで粒子同士あるいは装置内壁への乾燥粒子の付着を抑制することができる。また、機械的な駆動部分が乾燥粒子に接することがないため、粒子が破砕されたり、亀裂の生じた粒子の生成を抑制することができる。
本発明において空気輸送とすべき範囲は、乾燥工程により生成した乾燥粒子を、これ以降の工程において熱処理を行う焼成工程までの間の、粒子を移送する区間を指す。具体的には乾燥機の乾燥室出口と焼成に用いる焼成炉との間を結ぶ区間である。
なお、ここでいう焼成工程とは、乾燥工程において得られた乾燥粒子を、200℃以上の温度で熱処理する工程を指す。
空気輸送された乾燥粒子は焼成炉の入口に設置されたサイクロン、バグフィルタ等の粒子捕集装置によって捕集した後、焼成炉に投入することが好ましい。
また、空気輸送に用いる空気輸送手段としては、乾燥機から焼成炉に乾燥粒子を移送できる機能を有するものであればよく、その形態に制限されるものではない。例えば、配管とその配管内に空気を送給するコンプレッサ等とを具備した装置が挙げられる。
また、乾燥機の乾燥室出口と焼成炉の入口に設置された粒子捕集装置を直接接続し、乾燥に用いた空気によって乾燥粒子を輸送してもよいが、乾燥に用いた粒子は水蒸気分圧が高く、結露によって乾燥粒子の付着を引き起こす可能性があるため、乾燥粒子が乾燥室を出た後で一旦粒子を捕集し、再び水蒸気分圧の低い空気により輸送することが好ましい。
本発明は、この空気輸送に係る要件を満たしていれば他の要件については特に制限はなく、例えば前述の特許文献等に記載の触媒調製法に倣えばよい。
例えば、触媒に含まれる各元素の原料については、その目的、用途等に応じて決められ、酸化物、あるいは強熱することにより容易に酸化物になり得る硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩、水酸化物、アンモニウム塩等、又はそれらの混合物を用いるのが便利である。
これらの原料は固体のまま、あるいは水や希硝酸等に溶解して溶液とした後に混合し、水性スラリーを得る。
水性スラリー調合に際しては必要に応じて硝酸やアンモニア水等を添加してpH調整を行ってもよく、また、濃縮処理や加熱処理を行ってもよい。
流動層触媒を得るためには触媒を構成する元素を含むスラリーを乾燥してできるだけ球状の乾燥粒子を得る。乾燥は、通常、噴霧乾燥により行われる。乾燥機としては、回転円盤式、ノズル式等一般的なものを用いることができる。粒径分布等流動層触媒として好ましい性状を有する触媒を得るため、乾燥の条件を適宜調節する。
この乾燥工程にて得られる乾燥粒子とは、乾燥処理を経たものを意味し、通常一般の乾燥工程で得られる乾燥状態の粒子であって、水分が完全に含まれていない粒子を指すわけではない。
得られた乾燥粒子は焼成することにより触媒としての活性を発現する。焼成温度は200〜1000℃、焼成時間は0.5〜20時間である。焼成に用いられる炉については特に制限はなく、箱型炉、ロータリーキルン、流動焼成炉等を用いることができる。乾燥粒子の付着を防ぐという観点からすれば、粒子を流動化させながら焼成するロータリーキルンや流動焼成炉を用いることが好ましく、特に均一な焼成が可能であるという点で流動焼成炉が好ましい。焼成は二回、あるいはそれ以上に分けて行うことで目的生成物収率や粒子強度等の物性が向上する場合がある。
本発明においては乾燥工程において得られた乾燥粒子を空気輸送するに際しては、輸送配管内の輸送空気の流速を2〜40m/sec.の範囲とすることが好ましい。輸送配管内の輸送空気の流速の下限はさらに好ましくは3m/sec.、上限はさらに好ましくは35m/sec.である。流速が下限よりも小さい場合には配管内で粒子の流れが滞り、粒子同士や配管内壁への付着を引き起こす場合がある。
逆に流速が上限よりも高いと、粒子同士や粒子と配管等の装置内壁との衝突により一部の粒子が破砕されたり、亀裂が生じたりする場合がある。また、触媒の組成によっては、衝撃を受けることにより触媒の構造が変化し、目的生成物収率が低下する場合がある。
なお、ここでは空気の流速は該当する箇所における輸送用空気の流量をその箇所の配管の空気流路の断面積で除した値として定義する。該当する配管の全領域において空気の流速が前述の範囲にあることが好ましい。
本発明は種々の流動層反応に用いられる触媒の製造に適用することができるが、中でも有機化合物のアンモ酸化反応によるニトリル類の製造用触媒の製造に適用されることが好ましい。該反応に供される有機化合物としてはオレフィン類、アルコール類、エーテル類、芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物等が挙げられる。具体的にはプロピレン、イソブテン、メタノール、エタノール、ターシャリーブタノール、メチルターシャリーブチルエーテル、トルエン、キシレン、ピコリン、キナルジン等を挙げることができる。特にプロピレンのアンモ酸化反応よるアクリロニトリル合成用触媒、またはメタノールのアンモ酸化反応による青酸合成用触媒の製造に適用された場合に最良の結果を得ることができる。
本発明により製造される触媒を有機化合物のアンモ酸化反応に適用する場合には、例えば、原料有機化合物/アンモニア/空気が1/0.1〜5/1〜20(モル比)の組成範囲の原料ガスを触媒層に供給する。反応温度は370〜500℃、反応圧力は常圧〜500kPaで行う。見掛け接触時間は0.1〜20秒である。酸素源としては空気を用いるのが便利であるが、これを水蒸気、窒素、炭酸ガス、飽和炭化水素等で希釈して用いてもよいし、酸素を富化して用いてもよい。
本発明により製造される触媒は下記実験式(I)又は(II)で表される組成を有する触媒の製造に用いられることが好ましい。
Mo10BiFe(SiO・・・(I)
式中、Mo、Bi、Fe、O及びSiはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、酸素及びケイ素を表し、Mはニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、マンガン及び銅よりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Dはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Eはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Aはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、カドミウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン、ゲルマニウム、スズ、イットリウム、アルミニウム、ガリウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、ホウ素、リン、アンチモン及びテルルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を表す。
添字a、b、c、d、e、f、g及びhは原子比を表し、Mo=10のとき、aの下限は好ましくは0.1、さらに好ましくは0.2、上限は好ましくは2.5さらに好ましくは2である。bの下限は好ましくは0.1、さらに好ましくは0.3、上限は好ましくは15、さらに好ましくは12である。cの下限は好ましくは2、さらに好ましくは2.5、上限は12、さらに好ましくは10である。dの下限は0.05、さらに好ましくは0.1、上限は好ましくは5、さらに好ましくは3である。eの下限は好ましくは0.05、さらに好ましくは0.07、上限は好ましくは2、さらに好ましくは1.5である。fの下限は0、上限は好ましくは10、さらに好ましくは8である。gは上記各成分が結合して生成する金属酸化物の酸素の数である。hの下限は好ましくは20、さらに好ましくは30、上限は好ましくは200、さらに好ましくは150である。
Fe10Sb(SiO・・・(II)
式中、Fe、Sb、O及びSiOはそれぞれ鉄、アンチモン、酸素及びシリカを表し、Xはバナジウム、モリブデン及びタングステンからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Gはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、ビスマス及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を表す。
添字i、x、y、z、j及びkは原子比を表し、Fe=10のとき、iの下限は好ましくは3、さらに好ましくは5、上限は好ましくは100、さらに好ましくは90である。xの下限は好ましくは0.1、さらに好ましくは0.3、上限は好ましくは15さらに好ましくは12である。yの下限は好ましくは0.1さらに好ましくは0.3、上限は好ましくは20、さらに好ましくは15である。zの下限は0、上限は好ましくは3、さらに好ましくは2である。j=上記各成分が結合して生成する金属酸化物の酸素の数である。kの下限は好ましくは10、さらに好ましくは30、上限は好ましくは200、さらに好ましくは180である。
組成がこれらの範囲外である触媒の製造に本発明を適用した場合には得られる触媒の性状が流動層触媒として好ましくなかったり、反応使用した際に目的生成物収率が低下するなど、本発明の効果が十分に発現されない場合がある。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
〈触媒の活性試験〉
代表例として、後述する実施例2、5、比較例2、5の各触媒を用いて、プロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリル合成を行って触媒の活性評価を行った。
評価条件は下記の通りである。
触媒流動部の内径が25mm、高さ400mmである流動層反応器に触媒を充填し、組成が、プロピレン/アンモニア/酸素(空気として供給)/水蒸気=1/1.1/2.2/0.5(モル比)である混合ガスをガス線速度4.5cm/sec.で送入した。反応圧力は200kPaとした。
なお、接触時間、プロピレン転化率、アクリロニトリル収率は下記の式により定義される。
接触時間(sec.)=見掛け嵩密度基準の触媒容積(ml)/反応条件に換算した供給ガス流量(ml/sec.)
プロピレン転化率=(反応で消費されたプロピレンのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数 / 供給したプロピレンのモル数)×100
〈触媒粒子の圧縮強度試験〉
実施例3、4、比較例3、4の各触媒について、マイクロメッシュ・ハイ・プレシジョン・シーブスを用いて粒径が45〜50μmの粒子を分取し、圧縮強度(g・重/粒)を測定した。測定条件は下記の通りとした。
試験装置:島津製作所製 MCTM−200
測定条件:上部加圧圧子 ダイヤモンド製500μm平面圧子
下部加圧板 SUS板
負荷速度 0.72g重/sec.
圧縮強度は各サンプルとも30個について測定し、その平均値で示した。
[実施例1]
組成が、Mo10Bi0.6Fe1.3Ni5.5Co0.5Mn0.1Ce0.3Nd0.2Li0.050.20.05Cr0.70.1Te0.05(SiO100(酸素の原子比xは他の元素の原子価により自然に決まる値である。以下、同様。)で表される触媒を以下の要領で製造した。
純水15000gにパラモリブデン酸アンモニウム4238g、パラタングステン酸アンモニウム62.7g、メタバナジン酸アンモニウム14.0g、テルル酸27.6gを溶解した(A液)。
別途、3.3%硝酸3000gに硝酸ビスマス699g、硝酸ニッケル3838g、硝酸コバルト349g、硝酸マンガン68.9g、硝酸クロム672g、硝酸カリウム48.5g、硝酸リチウム8.28gを溶解した(B液)。
攪拌しながらA液にB液を混合し、続いて純水1000gに硝酸セリウム313gと硝酸ネオジム210gを溶解した液(C液)、20質量%シリカゾル72105g、純水3000gに硝酸第二鉄1261gとクエン酸200gを溶解した液(D液)を順次混合した。得られたスラリーに15%アンモニア水を添加してpHを2.0に調整した後、99℃で1.5時間加熱処理した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、再度サイクロンで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて650℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で11m/sec.、最も速い部分で15m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は1.2%質量であった。
[実施例2]
組成が、Mo10Bi1.2Fe4.9NiCoMgCe0.8Pr0.20.2Rb0.02Cr0.60.20.3Sb4.2(SiO80で表される触媒を以下の要領で製造した。
純水15000gにパラモリブデン酸アンモニウム4214gを溶解した(E液)。
別途、3.3%硝酸5620gに硝酸ビスマス1389g、硝酸ニッケル3470g、硝酸コバルト1389g、硝酸マグネシウム612g、硝酸クロム573g、硝酸カリウム48.3g、硝酸ルビジウム7.04g、硝酸セリウム829g、硝酸プラセオジム208gを溶解した(F液)。
E液に85質量%リン酸82.6g、ホウ酸29.5g、20質量%シリカゾル57357gを順次混合した。このスラリーに15質量%アンモニア水を添加してpHを5.0に調整した後、99℃で1.5時間加熱処理した。
別途、純水5620gに硝酸第二鉄1060gとクエン酸80gを溶解した液(G液)を調製し、加熱処理後のスラリーに混合した。さらに別途調製した40%アンチモン酸鉄スラリー5645gを混合した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。バグフィルタで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、サイクロンで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて650℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で9m/sec.、最も速い部分で13m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は1.4質量%であった。
また、反応温度440℃、接触時間3.5sec.で活性試験を行ったところ、プロピレン転化率98.8%、アクリロニトリル収率83.1%であった。
なお、ここで用いたアンチモン酸鉄スラリーは次の要領で調製した。
65質量%硝酸9075gと純水5030gとを混合し、これに電解鉄粉1090gを少しずつ加えた。鉄粉が完全に溶解した後、三酸化アンチモン3129gを混合し、攪拌しつつ15質量%アンモニア水を滴下し、pHを1.8に調整した。このスラリーを攪拌しつつ98℃で3時間加熱処理した。このスラリーを噴霧乾燥機により入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した後、250℃で2時間、400℃で2時間焼成した。さらに窒素気流中850℃で3時間焼成した。焼成後、粉砕し、純水と混合して40質量%アンチモン酸鉄スラリーとした。
[実施例3]
組成が、Mo10Bi0.4Fe1.6NiCoZn0.5La0.1Ce0.30.1Cs0.05Ba0.1Zr0.1(SiO50で表される触媒を以下の要領で製造した。
40質量%シリカゾル28962gと純水28000gを混合し、ここにパラモリブデン酸アンモニウム6809gを溶解した(H液)。
別途、61%硝酸3120gと純水7800gを混合した溶液に硝酸ビスマス748g、硝酸第二鉄2493g、硝酸ニッケル4486g、硝酸コバルト1122g、硝酸亜鉛574g、硝酸バリウム101g、オキシ硝酸ジルコニウム103g、硝酸セリウム502g、硝酸ランタン167g、硝酸カリウム39.0g、硝酸セシウム37.6gを順次加えて溶解した(I液)。
H液にI液を混合し、得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、バグフィルタで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて600℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で22m/sec.、最も速い部分で26m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は0.9質量%であった。
また、流動焼成後の触媒の圧縮強度を測定したところ、10.8g・重/粒であった。
[実施例4]
組成が、Fe10Sb25Mo1.20.5CoCu0.5Te(SiO80で表される触媒を以下の要領で製造した。
63質量%硝酸13482gに銅粉末241gを溶解した。この溶液に純水13100gを添加してから溶液を60℃に加熱し、電解鉄粉1060g、テルル粉末363gを少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、ホウ酸58.7g、硝酸コバルト1104gを順次添加し、溶解した(J液)。
別途、純水12000gにパラタングステン酸アンモニウム248gを溶解した(K液)。
別途、純水2300gにパラモリブデン酸アンモニウム402g、とテルル粉末363gを縣濁させ、80℃に加熱した後、35質量%過酸化水素水1100gを滴下し、溶解した(L液)。
攪拌しながらJ液に20質量%シリカゾル45590g、三酸化アンチモン粉末6913g、K液を順次添加した。
このスラリーに15質量%アンモニア水を滴下し、pHを2.0に調整した。pH調整後のスラリーを還流下99℃で3時間加熱処理を行った。
加熱処理後のスラリーを80℃まで冷却し、L液を添加した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、再度サイクロンで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて700℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で12m/sec.、最も速い部分で16m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は1.1質量%であった。
また、流動焼成後の触媒の圧縮強度を測定したところ、12.5g・重/粒であった。
[実施例5]
組成が、Fe10Sb20Mo0.40.3Mg0.3Ni0.5Cu0.1TeLi0.1Cs0.1(SiO45で表される触媒を下記の要領で製造した。
63質量%硝酸18820gに銅粉末358gを溶解した。この溶液に純水18000gを添加してから60℃に加熱し、電解鉄粉1551g、テルル粉末108gを少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、硝酸マグネシウム217g、硝酸ニッケル410g、硝酸リチウム19.4g、硝酸セシウム54.9gを順次添加し、溶解した(M液)。
別途、純水10800gにパラタングステン酸アンモニウム221gを溶解した(N液)。
別途、純水4000gにパラモリブデン酸アンモニウム199g、テルル酸453gを溶解した(O液)。
攪拌しながらM液に20質量%シリカゾル38140g、三酸化アンチモン粉末8217g、N液を順次添加した。
このスラリーに15質量%アンモニア水を滴下し、pHを1.8に調整した。pH調整後のスラリーを還流下99℃で3時間加熱処理を行った。
加熱処理後のスラリーを80℃まで冷却し、85質量%リン酸32.5g、O液を順次添加した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。バグフィルタで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、再度バグフィルタで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて800℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で15m/sec.、最も速い部分で20m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は1.5質量%であった。
また、反応温度440℃、接触時間3.0sec.で活性試験を行ったところ、プロピレン転化率98.4%、アクリロニトリル収率82.6%であった。
[実施例6]
組成が、Fe10Sb600.2Mo0.50.50.2CuZnTe0.05Rb0.05(SiO30で表される触媒を以下の要領で製造した。
63質量%硝酸9400gに銅粉末100gを溶解した。この溶液に純水9200gを添加してから60℃に加熱し、電解鉄粉880g、テルル粉末402gを少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、硝酸カリウム8.0g、硝酸ルビジウム11.6g、硝酸亜鉛1407gを順次添加し、溶解した(P液)。
別途、純水10000gにパラタングステン酸アンモニウム206gを溶解した(Q液)。
別途、純水1080gにパラモリブデン酸アンモニウム139gとメタバナジン酸アンモニウム36.9gを縣濁させ、80℃に加熱した後35質量%過酸化水素水500gを滴下し、溶解した(R液)。
攪拌しながらP液に20質量%シリカゾル14204g、三酸化アンチモン粉末13784g、ホウ酸19.5g、Q液を順次添加した。
得られたスラリーに15質量%アンモニア水を滴下し、スラリーのpHを2.2に調整した。pH調整後のスラリーを還流下99℃で3時間加熱処理を行った。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子を空気により輸送し、再度サイクロンで捕集してロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて750℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で11m/sec.、最も速い部分で14m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は1.1質量%であった。
[実施例7]
実施例6と同一組成のスラリーを実施例6の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例6と同一の条件で噴霧乾燥し、サイクロンで捕集された乾燥粒子をロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて750℃で3時間流動焼成した。なお、乾燥粒子を空気輸送する際の配管内の流速は最も遅い部分で22m/sec.、最も速い部分で28m/sec.であった。
流動焼成後の触媒を目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は2.9質量%であった。
[比較例1]
実施例1と同一組成のスラリーを実施例1の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例1と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をコンテナに充填して輸送し、ベルトフィーダを用いてロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて650℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は5.2質量%であった。
[比較例2]
実施例2と同一組成のスラリーを実施例2の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例2と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をベルトコンベアを用いて輸送し、ロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて650℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は5.8質量%であった。
また、反応温度440℃、接触時間3.5sec.で活性試験を行ったところ、プロピレン転化率97.0%、アクリロニトリル収率80.9%であった。
[比較例3]
実施例3と同一組成のスラリーを実施例3の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例3と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をスクリューコンベアを用いて輸送し、ロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて600℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は3.3質量%であった。また、破砕された粒子や亀裂の生じた粒子が見られ、圧縮強度を測定したところ7.1g・重/粒であった。
[比較例4]
実施例4と同一組成のスラリーを実施例4の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例4と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をスクリューコンベアを用いて輸送し、ロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて700℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は3.8質量%であった。また、破砕された粒子や亀裂の生じた粒子が見られ、圧縮強度を測定したところ8.2g・重/粒であった。
[比較例5]
実施例5と同一組成のスラリーを実施例5の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例5と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をベルトコンベアを用いて輸送し、ロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて800℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は6.0質量%であった。
また、反応温度440℃、接触時間3.0sec.で活性試験を行ったところ、プロピレン転化率97.8%、アクリロニトリル収率80.1%であった。
[比較例6]
実施例6と同一組成のスラリーを実施例6の要領で調製した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で実施例6と同一の条件で噴霧乾燥した。サイクロンで捕集された乾燥粒子をコンテナに充填して輸送し、ベルトフィーダを用いてロータリーキルンに投入した。キルン中間部の内壁の温度を450℃にコントロールして2時間焼成し、続いて750℃で3時間流動焼成した。
流動焼成後の触媒中には複数の粒子が付着した固結物が見られ、目開き150μmの篩で篩別したところ、篩上に残った触媒粒子の割合は4.6質量%であった。
各触媒組成及び乾燥粒子の輸送方法を表1に、活性試験及び圧縮強度試験の結果を表2に示した。
Figure 2006218395
Figure 2006218395
表2から明らかなように、本実施例の触媒は、複数の粒子が付着した固形物の割合が少なかった。また、触媒組成が同じであるにもかかわらず、本実施例の触媒は比較例の触媒に比して、活性が高く、また、粒子強度も高いものであった。
本発明は種々の流動層触媒、特に有機化合物のアンモ酸化反応によるニトリル類の製造に用いられる流動層触媒の製造に好適である。

Claims (2)

  1. スラリー状の触媒原料を乾燥させて乾燥粒子とし、これを空気輸送により焼成炉に移して焼成することを特徴とする流動層触媒の製造方法。
  2. スラリー状の触媒原料を乾燥する乾燥機と、乾燥粒子を焼成する焼成炉と、乾燥機から焼成炉に乾燥粒子を移送する空気輸送手段とを有することを特徴とする流動層触媒の製造装置。
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