JP2006216248A - 電子放出素子及び電子放出素子の製造方法、並びに表示装置および電子機器 - Google Patents

電子放出素子及び電子放出素子の製造方法、並びに表示装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子放出効率を高めることができる電子放出素子および電子放出素子の製造方法、並びに表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】 第1の素子電極81は、円柱状に形成され、第2の素子電極82は、第1の素子電極81を囲うように環状に形成されている。第1の素子電極81と第2の素子電極82の間の凹部95には導電性膜85が形成され、導電性膜85には電子放出部87が、第1の素子電極81を囲うように形成されている。また、電子放出部87が形成される位置と対応する位置に突起部93が形成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子放出素子及び電子放出素子の製造方法、並びに表示装置および電子機器に関する。
従来、電子放出部を有する電子放出素子を備えた表示装置において、電子放出部から放出された電子を蛍光体に衝突させ、蛍光体を発光させることにより表示を行う。電子放出部から放出された電子は、例えば、特許文献1に記載されるように、蛍光体に対してある広がりをもって到達し、輝点を形成する。放出された電子の軌道の広がりが大きくなると、電子が蛍光体から外れ、蛍光体に衝突する電子量が少なくなるため、必要とされる輝度が得られず、表示画像の品位が低下するという問題があった。そのため、表示画像の品位を保持するための一つの方法として、素子電極間の印加電圧を上げることにより、電子の放出量を増大させ、蛍光体に衝突する電子量を確保するようにしていた。また、特許文献2に記載の電子放出素子は、基板に円形の電子放出部を形成し、該電子放出部を囲うようにさらに別の電子放出素子を環状に設けて、電子放出量を増大させることにより、電子画像表示特性を向上しようとしている。
特開2000−123763号公報 特開2002―203473号公報
しかしながら、素子電極間の印加電圧を上げると、表示装置としての消費電力を増大させてしまうという問題があった。また、特許文献2の発明は、スピント(Spindt)型であって、一般に動作電圧が高く、また、フォトリソグラフィー法で製造するので製造方法が複雑になってしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであって、電子放出効率を高めることができる電子放出素子および電子放出素子の製造方法、並びに表示装置および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板に形成された第1の素子電極と、第1の素子電極を囲うように形成された第2の素子電極と、両素子電極間に形成された導電性膜と、第1の素子電極を囲うように導電性膜の一部に形成された電子放出部とを有することを要旨とする。
これによれば、第1の素子電極を囲うようにして電子放出部が形成される。したがって、電子放出素子の長さを長くすることができるので、一定の電子の放出量を得るための印加電圧を低下することができる。さらに、電子放出部を囲うように第2の素子電極が設けられているので、例えば、第2の素子電極が第1の素子電極に対して低電位を有している場合、電子放出部から放出された電子は、素子電極間の電界方向に影響によって、第1の素子電極側に集束されて蛍光体に衝突する。よって、放出された電子の軌道の広がりを抑えて電子放出効率を高めることができる。
本発明の電子放出素子の第1の素子電極は、円柱状に形成され、第2の素子電極は、第1の素子電極を囲うように環状に形成され、第1の素子電極を囲うように円環の電子放出部が形成されてもよい。
これによれば、第1の素子電極と第2の素子電極が対向する領域にエッジが存在しない。これにより、電子放出部の形成領域の膜厚が均一となる。また、機能液を溜めやすくなり、より均一な導電性膜を形成することができる。
本発明の電子放出素子は、両素子電極間の基板上に電子放出部が形成された位置と対応する位置に突起部を設けてもよい。
これによれば、導電性膜の厚みは、段差部の上に形成された箇所で、他の箇所に比べ相対的に薄い。このため、通電処理したときに、導電性膜において段差部と対応する膜厚の薄い箇所にジュール熱が集中するので、容易に電子放出部を形成することができる。
本発明は、基板上に形成された一対の素子電極と、該素子電極間を接続する導電性膜と、該導電性膜に形成された電子放出部を有する電子放出素子の製造方法であって、基板に一方向に延びる信号配線を形成する信号配線形成工程と、基板に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、信号配線に接続された第1の素子電極を形成する第1の素子電極形成工程と、絶縁膜上であって、第1の素子電極を囲むように第2の素子電極を形成する第2の素子電極形成工程と、絶縁膜上であって、第1の素子電極と第2の素子電極の間に両素子電極を接続するための導電性膜を形成するために液滴吐出装置を用いて導電性膜の材料を含む機能液を吐出する液滴吐出工程と、導電性膜に電子放出部を形成する電子放出部形成工程とを有することを要旨とする。
これによれば、導電性膜の形成は、フォトリソグラフィ法を用いることがないので、製造工程を簡略化することができる。また、信号配線は、素子電極が形成されている下層に形成されるので、設計上の配線引き回しの自由度が増すとともに電子放出素子の高密度化を図ることができる。
本発明の電子放出素子の製造方法の第1の素子電極形成工程と第2の素子電極形成工程は、同一工程で行ってもよい。
これによれば、第1および第2の素子電極は、同じ材料が用いられ、同様の方法で形成されるので、形成工程を同一に行うことにより、製造時間を短縮させることができる。
本発明の電子放出素子の製造方法は、液滴吐出工程の前に、絶縁膜上であって、両素子電極間に突起部を形成する突起部形成工程を有してもよい。
これによれば、両素子間に突起部を形成することにより、突起部の上に形成された導電性膜の厚みは、他の箇所に比べて薄くなる。従って、通電処理したときに導電性膜の薄い箇所にジュール熱が集中するので、容易に電子放出部を形成しやすくすることができる。
本発明の表示装置は、上記のいずれかに記載の電子放出素子を備えたことを要旨とする。
これによれば、電子放出効率の高い電子放出素子を備えた表示装置を提供することができる。この場合の表示装置は、例えば、SED(表面電界ディスプレイ)等がこれに該当する。
本発明の電子機器は、上記に記載の表示装置を搭載した電子機器。
これによれば、電子放出率の高い表示装置を搭載した電子機器を提供することができる。この場合の電子機器は、例えば、上記SEDを搭載したテレビ受像機、パーソナルコンピュータの他、各種の電子製品がこれに該当する。
以下、本発明を具体化した実施形態について説明する。
まず、液滴吐出装置について説明する。図1は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置10は、基板32の所定位置に対して機能液を液滴として吐出して付着させるための装置である。基板32は、電子放出素子が複数個形成されている。
図1において、液滴吐出装置10は、吐出ヘッド15を備えたキャリッジ18と、吐出ヘッド15の位置を制御するヘッド位置制御装置11と、基板32を所定位置に吸着する吸着テーブル19と、吸着テーブル19に載置された基板32の位置を補正させる基板位置制御装置12と、吐出ヘッド15に対して基板32を主走査移動させる主走査駆動装置13と、基板32に対して吐出ヘッド15を副走査移動させる副走査駆動装置14と、基板32を液滴吐出装置10内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置16と、液滴吐出装置10の全般の制御を司るコントロール装置17で構成されている。
ヘッド位置制御装置11、基板位置制御装置12、主走査駆動装置13、副走査駆動装置14の各装置はベース30の上に設置される。また、それらの装置は必要に応じてカバー31によって覆われている。
基板供給装置16は、基板32を収容する基板収容部20と、基板32を搬送するロボット21を有している。ロボット21は、床、地面等といった設置面に置かれる基台22と、基台22に対して昇降移動する昇降軸23と、昇降軸23を中心として回転する第1アーム24と、第1アーム24に対して回転する第2アーム25と、第2アーム25の先端下面に設けられた吸着パッド26とを有する。吸着パッド26は、エアー吸引力によって基板32を吸着できる。
副走査駆動装置14によって駆動されて移動する吐出ヘッド15の軌道下にあって主走査駆動装置13の一方の脇位置に、キャッピング装置45およびクリーニング装置46が配置される。また、他方の脇位置に電子天秤47が配置されている。クリーニング装置46は吐出ヘッド15を洗浄するための装置である。電子天秤47は、吐出ヘッド15に設けられた図3で説明するノズル50から吐出される機能液の液滴重量を測定する機器である。そして、キャッピング装置45は吐出ヘッド15が待機状態にあるときノズル50の乾燥および目詰まりを防止するための装置である。
吐出ヘッド15の近傍には、その吐出ヘッド15と一体に移動するヘッド用カメラ48が配置されている。また、ベース30上に設けられた支持装置(図示せず)に支持された基板用カメラ49が基板32を撮影できる位置に配置される。
コントロール装置17は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部27と、入力装置としてのキーボード28と、表示装置としてのCRT等のディスプレイ29とを有する。
図2は、液滴吐出装置10の電気制御ブロック図である。図2において、プロセッサとして各種の演算処理を行うCPU(演算処理装置)40と、各種情報を記憶するメモリ41とを有する。
ヘッド位置制御装置11、基板位置制御装置12、主走査駆動装置13、副走査駆動装置14、吐出ヘッド15を駆動するヘッド駆動回路42の各機器は、入出力インターフェース43およびバス44を介してCPU40およびメモリ41に接続されている。さらに、基板供給装置16、入力装置28、ディスプレイ29、電子天秤47、クリーニング装置46およびキャッピング装置45の各機器も入出力インターフェース43およびバス44を介してCPU40およびメモリ41に接続されている。
メモリ41は、RAM、ROM等といった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROMといった外部記憶装置を含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置10の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域や、基板32内における吐出位置を座標データとして記憶するための記憶領域や、副走査方向Yへの基板32の副走査移動量を記憶するための記憶領域や、CPU40のためのワークエリアやテンポラリファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
CPU40は、メモリ41内に記憶されたプログラムソフトに従って、基板32の表面の所定位置に機能液を液滴吐出するための制御を行うものであり、具体的な機能実現部として、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部401と、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部402と、電子天秤47を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部403と、吐出ヘッド15によって機能液を吐出するための演算を行う吐出演算部406を有する。
吐出演算部406を詳しく分割すれば、吐出ヘッド15を液滴吐出のための初期位置へセットするための吐出開始位置演算部407と、基板32を主走査方向Xへ所定の主走査量を移動するための制御を演算する主走査制御演算部408と、吐出ヘッド15を副走査方向Yへ所定の副走査量を移動させるための制御を演算する副走査制御演算部409と、吐出ヘッド15内の複数あるノズルのうちのいずれを作動させて機能液を吐出するかを制御するための演算を行うノズル吐出制御演算部410等といった各種の機能演算部を有する。
なお、本実施形態では、上記の各機能がCPU40を用いてプログラムソフトで実現することとしたが、上記の各機能がCPUを用いない単独の電子回路によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いることも可能である。
次に、液滴吐出装置10に備えられた吐出ヘッド15について説明する。図3(a)は、吐出ヘッド15の一部破断した斜視図であり、図3(b)は、吐出ヘッド15の一部を示した側断面図である。
図3(a)において、吐出ヘッド15は、例えば、ステンレス製のノズルプレート51と、それの対向面に振動板52と、それらを互いに接合する複数の仕切部材53とを有する。ノズルプレート51と振動板52との間には、仕切部材53によって複数の機能液室54と機能液溜り部55とが形成されている。複数の機能液室54と機能液溜り部55とは通路58を介して互いに連通している。機能液室54は、仕切部材53によって区画され、均等間隔で配列して形成されている。
振動板52の適所には機能液供給孔56が形成され、この機能液供給孔56に管路64を介して機能液70を貯留する供給タンク57が接続される。供給タンク57は、機能液を機能液供給孔56へ供給する。供給された機能液70は機能液溜り部55に充満し、さらに通路58を通って機能液室54に充満する。
ノズルプレート51には、機能液室54から機能液70をジェット状に噴射するためのノズル50が設けられている。また、振動板52の機能液室54を形成する面の裏面には、該機能液室54に対応させて機能液加圧体59が取り付けられている。この機能液加圧体59は、図3(b)に示すように、圧電素子材60とこれを挟持する一対の電極61aおよび61bを有する。圧電素子材60は、電極61aおよび61bへの通電によって矢印Aで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより機能液室54の容積が増大する。すると、増大した容量分に相当する機能液70が機能液溜り部55から通路58を通って機能液室54へ流入する。
次に、圧電素子材60への通電を解除すると、該圧電素子材60と振動板52は共に元の形状へ戻る。これにより、機能液室54も元の容積に戻るため機能液室54の内部にある機能液70の圧力が上昇し、ノズル50から基板32へ向けて機能液70が液滴63となって噴射する。なお、ノズル50の周辺部には、液滴63の飛行曲がりやノズル50の孔詰まり等を防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥機能液層62が設けられている。
次に、図4を用いて液滴吐出装置10の基本動作を説明する。まず、オペレータによる電源投入によって液滴吐出装置10が作動すると、初期設定が実行される(ステップS1)。具体的には、キャリッジ18や基板供給装置16やコントロール装置17等が予め決められた初期状態にセットされる。
次に、重量測定タイミングが到来すれば(ステップS2でYES)、吐出ヘッド15を副走査駆動装置14によって電子天秤47の所まで移動させ(ステップS3)、ノズル50から吐出される機能液70の液滴63の量を電子天秤47を用いて測定させる(ステップS4)。そして、個々のノズル50の機能液70の吐出特性に合わせて、各ノズル50に対応する圧電素子材60に印加する電圧を調節させる(ステップS5)。
次に、クリーニングタイミングが到来すれば(ステップS6でYES)、吐出ヘッド15を副走査駆動装置14によってクリーニング装置46の所まで移動させ(ステップS7)、そのクリーニング装置46によって吐出ヘッド15をクリーニングさせる(ステップS8)。
重量測定タイミングやクリーニングタイミングが到来しない場合(ステップS2及びS6でNO)、あるいはそれらの処理が終了した場合には、ステップS1からステップS9へ移行する。ステップS9において、基板供給装置16により基板32が供給される。
次に、基板用カメラ49によって基板32を観察しながら基板位置制御装置12にあるθモータの出力軸を回転させることにより吸着テーブル19に固定された基板32の位置決めを行う(ステップS10)。ヘッド用カメラ48によって吐出ヘッド15の位置合わせを行い、吐出を開始する位置を演算によって決定し(ステップS11)、主走査駆動装置13および副走査駆動装置14を適宜に作動させて吐出ヘッド15を吐出開始位置へ移動させる(ステップS12)。
次に、X方向への主走査が開始され、同時に機能液70の吐出を開始させる(ステップS13)。具体的には、主走査駆動装置13を作動させることにより基板32が主走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動し、その移動途中でノズル50が吐出位置に到達したときに、ノズル吐出制御演算部410によって演算された機能液吐出信号に基づいてそのノズル50から液滴63を吐出させる。
1回の主走査が終了すると、副走査駆動装置14によって駆動された副走査方向Yへ予め決められた副走査方向Y成分だけ吐出ヘッド15を移動させる(ステップS14)。次に、主走査およびインク吐出が繰返し行われる(ステップS15でNO、ステップS13へ移行)。
以上のような吐出ヘッド15による機能液70の吐出作業が基板32の全領域に対して完了すると(ステップS15でYES)、基板32が外部に排出される(ステップS16)。その後、オペレータによって処理終了の指示がなされない限り(ステップS17でNO)、ステップS2へ戻って別の基板32に対する機能液70の吐出作業を繰り返して行う。
オペレータから作業終了の指示があると(ステップS17でYES)、吐出ヘッド15は副走査駆動装置14によってキャッピング装置45の所まで搬送させ、そのキャッピング装置45によって吐出ヘッド15に対してキャッピングする(ステップS18)。
次に、本実施形態における電子放出素子80の構成について図5を用いて説明する。図5(a)は、電子放出素子80の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のC−C断面図である。
図5(a)において、基板32に円形の第1の素子電極81が形成されている。第2の素子電極82は、第1の素子電極81を囲むように環状に形成されている。第1の素子電極81と第2の素子電極82の間には導電性膜85が形成されており、両素子電極81,82とが接続されている。導電性膜85には、円環の電子放出部87が形成されている。
基板32としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSi02を積層したガラス等、アルミナ等のセラミックス、およびSi基板等を用いることができる。
素子電極81,82としては、一般的な導体材料を用いることができる。例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属もしくは合金等を用いることができる。
導電性膜85としては、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の金属酸化物等を用いることができる。
図5(b)において、基板32の表面には、第1の信号配線88と絶縁膜91が形成されている。第1の信号配線88の一部には凸部が形成され、該凸部の上には素子電極81が形成されている。絶縁膜91は、第1の信号配線88の凸部の頂点とほぼ同じ高さになるように形成されている。絶縁膜91の上には第2の素子電極82が形成されており、第2の素子電極82と第1の信号配線88とが電気的に絶縁されるようになっている。第1の素子電極81と第2の素子電極82の間の凹部95であって、絶縁膜91の上に突起部93が設けられている。突起部93は、第1の素子電極81を囲むように円周状に形成されている。さらに、凹部95には、導電性膜85が形成され、導電性膜85の突起部93が形成されている箇所から上方に向かって線状に電子放出部87が形成されている。なお、第2の素子電極82が隣接する第2の素子電極82と連なって第2の信号配線89としての機能するようになっている。
図6は、上記電子放出素子80を備えた表示装置の一例としてのSED(表面電界ディスプレイ)100の一部断面図である。図6において、電気光学装置100は、複数個の電子放出素子80を有する基板32を固定するリアプレート101と、フェイスプレート102とを有する。リアプレート101とフェイスプレート102は、図示しないスペーサを介して封着して構成されている。フェイスプレート102は、ガラス基板103と蛍光膜104とメタルバック105等を有する。
図7は、上記電気光学装置としてのSED100を搭載した電子機器の一例としてのテレビ受像機110を示した斜視図である。図7において、テレビ受像機110のディスプレイ部111には、SED100が組み込まれている。電子機器は、この他に、例えば、パーソナルコンピュータの他、各種の電子製品が挙げられる。
なお、電子放出素子80は、SED100への適用に限定されず、電子放出素子80をコヒーレント電子源として使用する様々な機器、例えば、コヒーレント電子ビーム収束装置、電子線ホログラフィー装置、単色化型電子銃、電子顕微鏡、多数本コヒーレント電子ビーム作成装置、電子ビーム露光装置等にも適用することができる。
次に、電子放出素子80の製造方法について図8を用いて説明する。
図8(a)において、基板32を純水、および有機溶剤等を用いて洗浄した後に、第1の信号配線88を形成する。形成方法としては、Agペーストを所定の形状にスクリーン印刷し、これを加熱焼成して形成する。第1の信号配線88の凸状部分は、先にスクリーン印刷により平坦面に形成した後に、さらにスクリーン印刷して凸状となるように形成する。
次に、絶縁膜91を形成する。形成方法としては、ガラスペーストを所定位置に印刷し、これを加熱焼成して形成する。絶縁膜91は、第1の信号配線88に形成された凸状の頂部とほぼ同一の高さとなるように形成する。
図8(b)において、第1の素子電極81と第2の素子電極82を形成する。第1の素子電極81は、第1の信号配線88の凸状の部分に接続されるように形成する。第2の素子電極82は、第1の素子電極81を囲むように、凹部95を設けて形成する。
図8(c)において、凹部95に突起部93を形成する。突起部93の材料は、非導電性材料を用いる。例えば、絶縁膜91で用いた同じ材料のガラス材を用いることができる。形成方法としては、ガラスペーストを所定位置に印刷し、これを加熱焼成して形成する。突起部93は、次工程で形成される導電性膜85の厚みが、突起部93の上に形成された箇所で、他の箇所に比べて相対的に薄くなるように形成される。したがって、突起部93は、図8(c)に示すように形状が略三角形となるように形成することが望ましい。
図8(d)において、液滴吐出装置10の吐出ヘッド15から凹部95に向けて機能液70を液滴63として吐出する。機能液70としては、水または溶剤に前述した金属などの導電性材料等を分散させたものが用いられる。吐出された液滴63は、凹部95に溜められて液膜83が形成される。
図8(e)において、液膜83を加熱および焼成して導電性膜85を形成する。加熱することにより液膜83中の溶媒分が蒸発し、導電性膜85の材料分が固化して導電性膜85を形成する。このとき、導電性膜85の厚みは、突起部93の上に形成された箇所で、他の箇所に比べて相対的に薄くなっている。
図8(f)において、通電処理を行う。通電処理は、素子電極81,82の間に電圧を印加し、導電性膜85に電流を流すことによって行う。素子電極81,82の間に電圧を印加して電流を流すと、導電性膜85の厚みが薄い箇所、すなわち、突起部93が形成されている箇所に電子放出部87が形成される。これは、突起部93の上に形成された導電性膜85の膜厚が一番薄く通電断面積が一番小さくなることに起因する。通電処理時には通電断面積の一番小さな箇所がジュール熱の発生により局所的に高温となり、導電性膜85の材料である金属等が前記箇所において溶融などする。通電処理によれば導電性膜85の局所部に破壊、変形もしくは変質等の構造の変化した部位にナノメートル(nm)オーダーのギャップが形成される。なお、ナノメートル(nm)オーダーのギャップは、通電断面積の一番小さな箇所における金属溶融後の冷却過程での熱収縮によって形成される場合もある。
上記工程が終了すると、電気的特性検査等の所定の工程を経て、電子放出素子80が完成する。
したがって、本実施形態の電子放出素子及び電子放出素子の製造方法によれば以下に示す効果がある。
(1)電子放出部87を円環状に形成することにより、電子放出部87の長さを長くすることができるので、電子放出部87から放出される電子量を増加させ、電子放出効率を高めることができる。
(2)第2の素子電極は、電子放出部87を囲うように設けられているので、例えば、第2の素子電極が第1の素子電極に対して低電位を有するようにすれば、電子放出部87から放出された電子は、両素子電極81,82間の電界方向の影響によって、第1の素子電極側に集束されて蛍光体に衝突する。よって、放出された電子の軌道の広がりを抑えて電子放出効率を高めることができる。
(3)機能液70は、リング状に開口された凹部95に液滴吐出されたときに、凹部95には角部等の濡れ広がりを妨げる障害箇所がないので、液膜83がより均一に濡れ広がり、均一な導電性膜85を形成することができる。
(4)第1の信号配線88は、第1の素子電極81が形成されている下層に形成されるので、設計上の配線引き回しの自由度が増すとともに電子放出素子の高密度化を図ることができる。
(5)凹部95に突起部93を形成することにより、突起部93の上に形成された導電性膜85の厚みは、他の箇所に比べて薄いので、通電処理したときに導電性膜の薄い箇所にジュール熱が集中しやすくなり、電子放出部を形成しやすくすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
(変形例1)図8において、突起部93を形成したが、これを形成しなくてもよい。この場合でも、例えば、導電性膜85の一部に他の部分よりも薄くなるように膜厚を形成することにより、薄膜に形成された箇所に電子放出部87を形成することができる。
(変形例2)図8において、第1の素子電極81の外周部に第2の素子電極82を形成して電子放出素子80を形成したが、これに限定されない。例えば、第2の素子電極82を囲うように、さらに、第3の素子電極を形成してもよい。この場合、第2の素子電極82との間は、導電性膜を形成することにより接続し、第2の素子電極82と第3の素子電極間に電子放出部を形成させることにより、2重の電子放出部が形成される。各素子電極の印加電圧の方法については限定されないが、例えば、第2の素子電極に負の電圧を印加させ、第1および第3の素子電極に正の電圧を印加することにより、電子放出部から放出された電子は、素子電極間の電界方向の影響によって、第2の素子電極側に集束されて蛍光体に衝突する。よって、電子放出量を増大させ、放出された電子の軌道の広がりを抑えて電子放出効率を高めることができる。
(変形例3)図8において、第1の素子電極81を円形に形成し、第2の素子電極82は、第1の素子電極81を囲うように環状に形成したが、これに限定されない。例えば、多角形の素子電極を形成してもよい。この場合でも、第1の素子電極を囲うように電子放出素子を形成するので、電子放出部の長さを長くすることができる。
(変形例4)図8において、電子放出部87は、第1の素子電極81と第2の素子電極82の距離の2等分した位置に形成したが、これに限定されない。例えば、電子放出部87をさらに外側に形成してもよい。この場合、突起部93をさらに第2の素子電極82側の位置に形成する。このようにすれば、さらに長い電子放出部87を形成することができる。
(変形例5)図8において、凹部95に表面処理を施した後に、機能液70を液滴吐出してもよい。例えば、凹部95に親液処理を施した後に、機能液70を液滴吐出する。これにより、さらに液滴63の濡れ性が向上し、より均一な導電性膜85を形成することができる。
(変形例6)図8において、突起部93を円周全体に形成したが、これに限定されない。例えば、円周線上の数箇所に形成してもよい。この場合でも、通電処理したときに、前記数箇所に設けた段差部の上に亀裂が発生しやすくなり、この亀裂が熱収縮や機械的外力によって拡散し、近傍の亀裂と繋がって電子放出部を形成することができる。
液滴吐出装置の構成を示す斜視図。 本実施形態における液滴吐出装置の電気制御ブロック図。 液滴吐出ヘッドの構成を示し、(a)は斜視図であり、(b)は側断面図。 液滴吐出装置の動作を示すフローチャート。 本実施形態における電子放出素子を示し、(a)は平面図であり、(b)は側断面図。 表示装置の一例のSED(表面電界ディスプレイ)を示す側断面図。 電子機器の一例のテレビ受像機を示す斜視図。 本実施形態における電子放出素子の製造過程を模式的に示した断面図。
符号の説明
10…液滴吐出装置、15…吐出ヘッド、80…電子放出素子、81…第1の素子電極、82…第2の素子電極、85…導電性膜、87…電子放出部、88…信号配線としての第1の信号配線、89…信号配線としての第2の信号配線、91…絶縁膜、93…突起部、95…凹部、100…表示装置としてのSED(表面電界ディスプレイ)、110…電子機器としてのテレビ受像機。

Claims (8)

  1. 基板に形成された第1の素子電極と、
    前記第1の素子電極を囲うように形成された第2の素子電極と、
    前記両素子電極間に形成された前記導電性膜と、
    前記導電性膜の一部に形成された電子放出部と、を有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 請求項1に記載の電子放出素子において、
    前記第1の素子電極は、円柱状に形成され、
    前記第2の素子電極は、前記第1の素子電極を囲うように環状に形成され、
    前記第1の素子電極を囲うように円環の前記電子放出部が形成されたことを特徴とする電子放出素子。
  3. 請求項1または2に記載の電子放出素子において、
    前記両素子電極間の前記基板上に電子放出部が形成された位置と対応する位置に突起部を設けたことを特徴とする電子放出素子。
  4. 基板上に形成された一対の素子電極と、該素子電極間を接続する導電性膜と、該導電性膜に形成された電子放出部を有する電子放出素子の製造方法であって、
    前記基板に一方向に延びる信号配線を形成する信号配線形成工程と、
    前記基板に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記信号配線に接続された第1の素子電極を形成する第1の素子電極形成工程と、
    前記絶縁膜上であって、前記第1の素子電極を囲むように第2の素子電極を形成する第2の素子電極形成工程と、
    前記絶縁膜上であって、前記第1の素子電極と前記第2の素子電極の間に前記両素子電極を接続するための前記導電性膜を形成するために液滴吐出装置を用いて導電性膜の材料を含む機能液を吐出する液滴吐出工程と、
    前記導電性膜に電子放出部を形成する電子放出部形成工程と、を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  5. 請求項4に記載の電子放出素子の製造方法において、
    前記第1の素子電極形成工程と前記第2の素子電極形成工程は、同一工程で行うことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の電子放出素子の製造方法において、
    前記液滴吐出工程の前に、前記絶縁膜上であって、前記両素子電極間に突起部を形成する突起部形成工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子放出素子を備えた表示装置。
  8. 請求項6に記載の表示装置を搭載した電子機器。
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