JP2006215924A - 位置姿勢計測方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定性と精度とが両立した位置及び姿勢の計測を行うことの可能な位置姿勢測定装置を提供すること。
【解決手段】 センサ計測値として得られた位置姿勢計測値を、指標の既知座標を用いて算出される画像座標の推定値(理論値)と、当該指標を撮像した画像中で検出された画像座標の実測値との誤差が最小となるような補正値を求め(S4040)、この補正値によって補正する(S4050)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、物体の位置及び姿勢、特に撮像装置の位置及び姿勢を計測する方法及び装置に関するものである。
近年、現実空間と仮想空間の繋ぎ目のない結合を目的とした、複合現実感に関する研究が盛んに行われている。複合現実感の提示を行う画像表示装置は、ビデオカメラなどの撮像装置によって撮影された現実空間の画像に、撮像装置の位置及び姿勢に応じて生成した仮想空間の画像(たとえばコンピュータ・グラフィックスにより描画された仮想物体や文字情報など)を重畳描画した画像を表示する装置として実現することができる。
このような画像表示装置を実現するには、現実空間中に定義した基準座標系(重畳しようとする仮想物体の位置及び姿勢を決定する基準となる現実空間中の座標系)と、撮像装置の座標系(カメラ座標系)との間の、相対的な位置及び姿勢を計測することが不可欠である。これは、仮想物体(仮想空間画像)を現実空間上の位置に合わせて描画するには、基準座標系に対する撮像装置の現実のカメラパラメータと同一のカメラパラメータを用いて仮想物体の画像を生成しなければならないからである。例えば、現実の室内のある位置に仮想物体を重畳表示する場合には、部屋に基準座標系を定義し、その基準座標系における撮像装置の位置及び姿勢を求めればよい。また、観察者が手に保持する現実の箱に何らかの仮想の模様やラベルを重畳表示する場合には、箱自身の物体座標系を基準座標系と考え、撮像装置に対する箱(基準座標系)の位置及び姿勢を求めればよい。
撮像装置の位置及び姿勢を計測する方法として、現実空間中に複数の指標(人為的なマーカや自然特徴など)を配置あるいは設定し、撮像装置によって撮像された画像内における指標の投影像の座標を検出して、指標の座標情報との関係に基づいて撮像装置の位置及び姿勢を求めることが一般的に行われている(例えば、非特許文献1)。しかし、このアプローチを用いる場合、常に指標が撮像されなくてはならないという制約がある。
一方、撮像装置に磁気センサや超音波センサなどを用いた6自由度位置姿勢センサを装着し、これによって計測した撮像装置の位置及び姿勢の誤差を、指標を撮像した画像を用いて得られる情報(画像情報)によって補正する試みがなされている(例えば、特許文献1,特許文献2)。特許文献2で開示されている方法では、撮像画像中に指標が検出された場合にはその情報に基づいてセンサ計測値の誤差が補正され、指標が検出されない場合には6自由位置姿勢センサの計測値がそのまま撮像装置の位置及び姿勢として使用される。指標の検出の有無に関わらずに撮像装置の位置及び姿勢が得られるため、複合現実感の提示を安定して行うことができる。
また、特許文献2の方法では、検出された指標の数が3点以上の場合には、撮像装置の位置及び姿勢の6自由度が画像情報に基づいて算出され、検出された指標の数が2点及び1点の場合には、センサによって計測された撮像装置の位置あるいは姿勢のいずれか(2または3自由度)のみを補正する処理が適用される。すなわち、検出された指標の数を判定基準として、撮像装置の位置及び姿勢の算出に利用するアルゴリズムを切り替えることが行われている。これにより、画像情報のみからでは撮像装置の位置及び姿勢を求められない場合(撮像された指標の数が3点に満たない場合)であっても、センサ計測値を基準としながら、その誤差を極力打ち消すような補正のなされた位置及び姿勢を取得することができる。
一方、特許文献1の方法では、検出された指標の数に関わらず、センサによって計測された撮像装置の位置あるいは姿勢のいずれかのみを画像情報に基づいて補正する処理が適用される。この補正方法では、姿勢を補正する場合には、検出された指標毎に指標上における誤差を打ち消すような回転補正値を個別に求め、それらを平均化することで姿勢計測値に対する補正値が算出される。また、位置を補正する場合には、検出された指標毎に指標上における誤差を打ち消すような平行移動補正値を個別に求め、それらを平均化することで位置計測値に対する補正値が算出される。指標の数に関わらず補正の自由度を2または3に限定するため、情報量が不十分な場合であっても安定した解を得ることができる。
加藤ら:"マーカー追跡に基づく拡張現実感システムとそのキャリブレーション",日本バーチャルリアリティ学会論文誌, vol.4, no.4, pp.607-616, 1999. J. Park, B. Jiang, and U. Neumann: "Vision-based pose computation: robust and accurate augmented reality tracking," Proc. 2nd International Workshop on Augmented Reality (IWAR'99), pp.3-12, 1999. D. G. Lowe: "Fitting parameterized three−dimensional models to images," IEEE Transactions on PAMI, vol.13, no.5, pp.441−450, 1991. 特開2003-222509号公報 特開2003-279310号公報 特開2003-344018号公報
上記特許文献2の手法では、指標が3点以上観測されている際には必ず、位置及び姿勢の6自由度を画像情報から求めるアルゴリズムが選択される。しかし実際には、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合のように、指標の数が3点以上であっても、位置及び姿勢の6自由度を安定して求めるのに十分な画像情報が入力画像中に含まれていない状況が存在する。特許文献2の手法は、このような状況下において、得られる解の精度や安定性が不十分となることがあった。
一方、上記特許文献1の手法は、精度よりも安定性を重視した手法であり、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合のような画像情報が不十分な状況下であっても、特許文献2の手法と比較して安定した計測を行うことができる。しかし、十分な画像情報が得られている場合でも一部のパラメータの補正のみしか行わないので、画像情報を最大限に生かした精度を得ることができなかった。
また、上記特許文献1の手法では、個々の指標に対する2次元的な補正値の平均を求めているだけであるので、全指標上での誤差の和を最小とするような最適な補正を行うことができなかった。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、計測対象物体の位置及び姿勢の計測を、安定性と精度とを両立しながら行うことが可能な位置姿勢測定方法及び装置を提供することを目的とする。
上述の目的は、計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、複数のパラメータを用いて算出される当特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によって達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、複数のパラメータを用いて算出される当特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、複数のパラメータを用いて算出される当特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、パラメータを用いて算出される当特徴量の推定値と、一部のパラメータに関する当推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、パラメータを用いて算出される当特徴量の推定値と、一部のパラメータに関する当推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、パラメータを用いて算出される当特徴量の推定値と、一部のパラメータに関する当推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、補正されたパラメータを含む複数のパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値のうち、姿勢を表すパラメータを固定値とし、位置を表すパラメータを、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、指標の既知の座標とを利用して補正する補正工程とを有し、補正されたパラメータと、姿勢を表すパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
また、上述の目的は、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、撮像画像から、計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、位置姿勢計測値から求められる計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの夫々を、指標検出工程で検出される指標の画像座標に関わる特徴量と、パラメータを用いて算出される当特徴量の推定値と、夫々のパラメータに関する当推定値の画像ヤコビアンとを利用して補正する補正工程とを有し、補正されたパラメータを、計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法によっても達成される。
本発明に係る位置姿勢計測装置によれば、指標の画像座標の理論値と実測値との誤差を最小とする補正値を求め、この補正値によってセンサの計測値を補正することで、従来の方法と比べて安定性と精度に優れた計測が実現できる。
以下添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、撮像装置と計測対象物体の位置及び姿勢の計測を行う。以下、本実施形態に係る位置姿勢計測装置及び位置姿勢計測方法について説明する。
図1は、本実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示している。同図に示したように、本実施形態における位置姿勢計測装置100は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部120によって構成される。そして、撮像装置130及び、撮像装置130と計測対象物体170に取り付けられた位置姿勢センサ140(140a,140b)に接続されている。
計測対象物体170上の複数の位置には、物体座標系(計測対象物体170上に定義される座標系)における位置が既知である複数個の指標Q(k=1,2,・・・,K)が配置されている。図1の例は、K=9、すなわち9個の指標Q〜Qが配置されている状況を示している。指標Qは、例えば、それぞれが異なる色を有する同一形状(図では円形)のマーカによって構成してもよいし、それぞれが異なるテクスチャ特徴を有する自然特徴等の特徴点によって構成してもよい。また、ある程度の面積を有する四角形の単色領域によって形成されるような、四角形指標を用いることも可能である。撮影画像上における投影像の画像座標が検出可能であって、かついずれの指標であるかが何らかの方法で識別可能であるような指標であれば、何れの形態であってもよい。また指標は故意に設定されたものであっても良いし、故意に設定されたものではない、自然形状のものを用いても良い。
例えばビデオカメラである撮像装置130が出力する画像(以下、これを撮影画像と呼ぶ)は、位置姿勢計測装置100に入力される。
6自由度センサである位置姿勢センサ140a及び140bは、それぞれ撮像装置130及び計測対象物体170に装着されており、基準座標系における撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢を計測する。位置姿勢センサ140が出力する計測値は、位置姿勢計測装置100に入力される。位置姿勢センサ140は、例えば、米国Polhemus社のFASTRAK等によって構成される。なお、位置姿勢センサ140によって計測される位置及び姿勢は、磁場の歪み等の影響によって誤差を含んだものとなっている。
画像入力部160は、位置姿勢装置100へ入力される撮影画像をデジタルデータに変換し、指標検出部110へと出力する。
センサ計測値入力部150は、位置姿勢センサ140(140a,140b)から夫々の計測値を入力し、位置姿勢算出部120へと出力する。
指標検出部110は、画像入力部160より撮影画像を入力し、入力した画像中に撮影されている指標Qの画像座標を検出する。例えば、指標Qの各々が異なる色を有するマーカによって構成されている場合には、撮影画像上から各々のマーカ色に対応する領域を検出し、その重心位置を指標の検出座標とする。また、指標Qの各々が異なるテクスチャ特徴を有する特徴点によって構成されている場合には、既知の情報として予め保持している各々の指標のテンプレート画像によるテンプレートマッチングを撮影画像上に施すことにより、指標の位置を検出する。また、四角形指標を用いる場合は、画像に2値化処理を施した後にラベリングを行い、4つの直線によって形成されている領域を指標候補として検出する。さらに、候補領域の中に特定のパターンがあるか否かを判定することによって誤検出を排除し、また、指標の識別子を取得する。なお、このようにして検出される四角形指標は、本明細書では、4つの頂点の個々によって形成される4つの指標であると考える。
指標検出部110は、さらに、検出された各々の指標Qknの画像座標uQknとその識別子kを位置姿勢算出部120へと出力する。ここで、n(n=1,,,N)は検出された指標夫々に対するインデックスであり、Nは検出された指標の総数を表している。
位置姿勢算出部120は、センサ計測値入力部150の出力である撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値と、指標検出部110の出力である各々の指標Qknの画像座標uQknを入力し、入力した情報に基づいて、計測対象物体170あるいは撮像装置130の位置及び姿勢の計測値の誤差を補正し、補正後の位置及び姿勢のデータを出力する。
なお、図1に示した画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部120の少なくとも一部は、独立した装置として実現しても良いし、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPUにより実行することで、その機能を実現するソフトウェアとして実現しても良い。本実施形態では、各部(画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部120)は、それぞれソフトウェアにより実現され、同一のコンピュータにインストールされているものとする。
図2は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部120の夫々の機能を、ソフトウェアを実行することで実現するためのコンピュータの基本構成を示す図である。
CPU1001は、RAM1002やROM1003に格納されたプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行うと共に、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部120の夫々のソフトウェアの実行を制御して、各部の機能を実現する。
RAM1002は、外部記憶装置1007や記憶媒体ドライブ1008からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶するエリアを備えると共に、CPU1001が各種の処理を行うために必要とするワークエリアを備える。
ROM1003は、一般にコンピュータのプログラムや設定データなどが格納されている。キーボード1004、マウス1005は入力デバイスであり、操作者はこれらを用いて、各種の指示をCPU1001に入力することができる。
表示部1006は、CRTや液晶ディスプレイなどにより構成されており、例えば、位置姿勢計測のために表示すべきメッセージ等を表示することができる。
外部記憶装置1007は、ハードディスクドライブなどの大容量情報記憶装置として機能する装置であって、ここにOS(オペレーティングシステム)やCPU1001が実行するプログラム等を保存する。また本実施形態の説明において、既知であると説明する情報はここに保存されており、必要に応じてRAM1002にロードされる。
記憶媒体ドライブ1008は、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体に記憶されているプログラムやデータをCPU1001からの指示に従って読み出して、RAM1002や外部記憶装置1007に出力する。
I/F1009は、撮像装置130を接続するためのアナログビデオポートあるいはIEEE1394等のデジタル入出力ポート、位置姿勢センサ140を接続するためのRS232CあるいはUSB等のシリアルポート、また、算出した位置及び姿勢を外部へ出力するためのイーサネット(登録商標)ポート等によって構成される。夫々が入力したデータはI/F1009を介してRAM1002に取り込まれる。画像入力部160及びセンサ計測値入力部150の機能の一部は、I/F1009によって実現される。
上述した各構成要素は、バス1010によって相互に接続される。
図3は、位置姿勢算出部120の処理手順を示すフローチャートであり、本実施形態ではCPU1001が位置姿勢算出部120の機能を実現するプログラムを実行することにより実現される。なお、以下の処理を行う前段で、同フローチャートに従ったプログラムコードは、例えば外部記憶装置1007からRAM1002に既にロードされているものとする。
ステップS3000において、位置姿勢算出部120は、検出された各々の指標Qknの画像座標uQknとその識別子kを指標抽出部110から入力する。なお、各指標の物体座標系における3次元座標x Qknは、既知の値としてRAM1002に予めロードされているものとする。
ステップS3005において、位置姿勢算出部120は、撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢のセンサによる計測値をセンサ計測値入力部150から入力する。
ステップS3010において、位置姿勢算出部120は、指標が検出されているか否かを判定する。指標が検出されていない場合はステップS3080に処理を進め、それ以外の場合はステップS3020に処理を進める。
ステップS3020において、位置姿勢算出部120は、検出された指標の総数が一つか否かを判定する.指標の総数が一つの場合はステップS3025に処理を進め、それ以外の場合はステップS3030に処理を進める。
ステップS3025において、位置姿勢算出部120は、ステップS3005で得た撮像装置130の姿勢の計測値のうちのパン及びチルト角に対して、検出されている指標上での誤差(物体座標系における指標の3次元座標x Qknと撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値から導出する投影座標の理論値uQkn*と、実際の検出座標uQknとの誤差)を打ち消すような補正を加え、ステップS3080に処理を進める。ステップS3025における補正処理としては、周知の処理を適用することが可能であるため、これ以上の説明は行わない。具体的には、例えば特許文献1(ランドマーク1点を利用したカメラの回転による補正方法(段落「0019」〜「0029」)およびランドマークを複数点利用したカメラの回転による補正方法(段落「0039」〜「0050」))に開示されている方法を用いることができる。
ステップS3030において、位置姿勢算出部120は、検出された指標の総数が二つか否かを判定する.指標の総数が二つの場合はステップS3033に処理を進め、それ以外の場合はステップS3040に処理を進める。
ステップS3033において、位置姿勢算出部120は、検出された二つの指標の画像上での距離を算出し、その値と所定の値として定められている閾値T(例えば、画像の対角線長の1/4)との比較を行う。距離が閾値T以上の場合にはステップS3035に処理を進め、それ以外の場合はステップS3025に処理を進め、上述した処理を行う。
ステップS3035において、位置姿勢算出部120は、ステップS3005で得た計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値と、撮像装置130の位置の計測値を固定値として、撮像装置130の姿勢の計測値を表す3パラメータ(パン,チルト及びロール角)に対して、検出されている全指標上での誤差の和を最小とするような補正を加え、ステップS3080に処理を進める。この処理工程の詳細は後述する。
ステップS3040において、位置姿勢算出部120は、検出された全指標(このステップが実行されるのは、検出された指標の総数が三つ以上の場合のみである)の画像座標を包含する凸包を算出する。画像上の点群に対する凸包の算出方法は画像処理の基本的事項として広く公知のものであるので、その詳細な説明は省略する。
図6,図7,及び図8は、撮像装置130によって計測対象物体170を撮影することで取得される撮影画像の一例を示している。図6に示す撮影画像600上では指標Q1,Q5,Q6,Q9が、図7の撮影画像700上では指標Q1,Q2,Q6,Q7が,図8の撮影画像800上では指標Q2,Q6,Q7が観測されており、それ以外の指標は、他の物体(本実施形態においてはユーザの手610)によって隠蔽されているものとする。
これらの撮影画像に対して指標の検出を行い、図3のフローチャートで示した位置姿勢算出部120の処理ステップを実行すると、各画像において検出される指標の数は3以上であるので、ステップS3040以降の処理が実行されることになる。図9,図10及び図11は、それぞれ撮影画像600,700,800に対してステップS3040の処理を実行した際に得られる、検出指標の成す凸包(900,1000,1100)を示している。なお、以下では、各凸包の面積をそれぞれA900,A1000,及びA1100と表記したときに、以下に述べる閾値T及び閾値Tに対して、A1100<T<A1000<T<A900という関係が満たされているものとする。
ステップS3050において、位置姿勢算出部120は、ステップS3040で算出した凸包の面積と、所定の値として定められている閾値T(例えば、撮影画像全体の面積の1/16)との比較を行う。面積が閾値T以上の場合はステップS3060に処理を進め、それ以外の場合はステップS3025へと処理を進める。図6〜図11の例では、撮影画像800についてはステップS3025へ、撮影画像700及び600についてはステップS3060へと処理が進行する。
ステップS3060において、位置姿勢算出部120は、ステップS3040で算出した凸包の面積と、所定の値として定められている閾値T(例えば、撮影画像全体の面積の1/9)との比較を行う。面積が閾値T以上の場合はステップS3070に処理を進め、それ以外の場合はステップS3035へと処理を進める。図6〜図11の例では、撮影画像700についてはステップS3035へ、撮影画像600についてはステップS3070へと処理が進行する。
ステップS3070において、位置姿勢算出部120は、検出されている全指標上での誤差の和を最小とするような撮像装置130の位置と姿勢を算出する。この処理工程の詳細は後述する。
ステップS3080において、位置姿勢算出部120は、ステップS3025、S3035及びS3070で得られた撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢を表すデータを、I/F1009を介して外部へと出力する。あるいは、これらのデータを、他のアプリケーションから利用可能な状態としてRAM1002上に格納する。
なお、ステップS3025,S3035,S3070の各工程では、撮像装置130に関する計測値のみに補正を加えているので、ステップS3080で出力される位置及び姿勢のデータは、計測対象物体170に関しては、ステップS3005で入力したセンサによる計測値そのものとなる。しかし、位置及び姿勢の出力形態はこれに限られるものではなく、逆に、撮像装置130の位置及び姿勢の計測値には補正を加えずにセンサによる計測値をそのまま出力し、計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値に補正を加えて出力しても良い。この場合は、ステップS3080において、以下に述べる座標変換処理を行った後に、変換後の位置及び姿勢を出力する。
同次座標系を用いた4×4の座標変換行列によって位置及び姿勢を表記すると、計測対象物体170の補正後の位置及び姿勢MWOは、センサ計測値として得られた撮像装置130の位置及び姿勢M# WC(以下、# はセンサによる計測値を表す記号)と、センサ計測値として得られた計測対象物体170の位置及び姿勢M# WOと、ステップS3070までの処理結果として得られた撮像装置130の補正後の位置及び姿勢MWCに基づいて、次式によって算出される。
Figure 2006215924
このとき、撮像装置130によって定義されるカメラ座標系における計測対象物体170の位置及び姿勢は、
Figure 2006215924
となる。すなわち、ステップS3070までの処理結果として得られた撮像装置130の補正後の位置及び姿勢(MWC)と、センサ計測値として得られた計測対象物体170の位置及び姿勢(M# WO)とを出力する場合と、センサ計測値として得られた撮像装置130の位置及び姿勢(M# WC)と、式1によって求められる計測対象物体170の補正後の位置及び姿勢(MWO)とを出力する場合では、計測対象物体170と撮像装置130の相対的な位置及び姿勢の関係は等価となる。したがって、本装置の出力を利用するアプリケーションが要求する形態に合わせて、出力形態を選択できるようになっていることが好ましい。
また、カメラ座標系における計測対象物体170の位置及び姿勢(MCO)を式2から算出してこれを出力しても良いし、物体座標系における撮像装置130の位置及び姿勢(MCO -1)を求めて、これを出力してもよい。
ステップS3090において、位置姿勢算出部120は、処理を終了するか否かの判定を行い、処理を終了しない場合には、ステップS3000へと処理を進める。
以上によって、撮像装置の位置及び姿勢が計測される。
次に、図4のフローチャートを用いて、上記ステップS3035における撮像装置130の姿勢算出の処理工程を説明する。以下では、算出すべき未知パラメータである撮像装置130の姿勢を、3値ベクトル
s = ωWC = [ξWC ψWC ζWC]T
によって内部的に表現している。
姿勢を3値によって表現する方法には様々なものが存在するが、ここでは、ベクトルの大きさによって回転角を、ベクトルの向きによって回転軸方向を定義するような3値のベクトルによって表現されているものとする。なお、姿勢ωは、次式、
Figure 2006215924
によって、3×3の回転行列Rによっても表現可能であり、ωとRとは、互いに一意に変換することができる。Rからωへの変換方法は公知であるので、その詳細な説明は省略する。
ステップS4000において、位置姿勢算出部120は、センサ計測値として得られた撮像装置130の姿勢を、sの初期値とする。
ステップS4010において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、その画像座標の推定値uQkn*を算出する。uQkn*の算出は、sによって定義される指標の観測方程式、すなわち、指標Qkn各々の物体座標系における座標x Qkn(既知な情報として予め保持している)から画像座標を算出する関数:
Figure 2006215924
に基づいて行われる。具体的には、観測方程式Fc()は、x Qknとsから当該指標のカメラ座標(撮像装置130の視点位置を原点として定義し、更に互いに直交する3軸を夫々X軸、Y軸、Z軸として定義した座標系)x Qknを求める次式、
Figure 2006215924
及び、カメラ座標x Qknから画像座標uQkn*を求める次式、
Figure 2006215924
によって構成されている。ここでtWC及びtWOは、撮像装置130と計測対象物体170の夫々の位置計測値(平行移動成分)を表す3次元ベクトルであり、ここでは固定値として取り扱われる。また、RWOは計測対象物体170の姿勢計測値(回転成分)を表す3×3の回転行列であり、同様に固定値として取り扱われる。また、f 及びf は、それぞれx軸方向及びy軸方向における撮像装置130の焦点距離であり、既知の値として予め保持されているものとする。
ステップS4020において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、画像座標の推定値uQkn*と実測値uQknとの誤差ΔuQknを、次式によって算出する。
Figure 2006215924
ステップS4030において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、sに関する画像ヤコビアン(すなわち、式4の観測方程式Fc()をsの各要素で偏微分した解を各要素に持つ2行×3列のヤコビ行列)Jus Qkn(=∂u/∂s)を算出する。具体的には、式6の右辺をカメラ座標x Qknの各要素で偏微分した解を各要素に持つ2行×3列のヤコビ行列Jux Qkn(=∂u/∂x)と、式5の右辺をベクトルsの各要素で偏微分した解を各要素に持つ3行×3列のヤコビ行列Jxs Qkn(=∂x/∂s)を算出し、次式によってJus Qknを算出する。
Figure 2006215924
ステップS4040において、位置姿勢算出部120は、ステップS4020及びステップS4030において算出した誤差ΔuQkn及び画像ヤコビアンJus Qknに基づいて、sの補正値Δsを算出する。具体的には、誤差ΔuQknを垂直に並べた2N次元の誤差ベクトル
Figure 2006215924
及び、画像ヤコビアンJus Qknを垂直に並べた2N行×3列の行列
Figure 2006215924
を作成し、Θの擬似逆行列Θ+を用いて、
Figure 2006215924
として算出する。このように、本実施形態では補正値Δsを、最急降下法を用いて算出している。
ステップS4050において、位置姿勢算出部120は、ステップS4040において算出した補正値Δsを用いて式12に従ってsを補正し、得られた値をsの新たな推定値とする。
Figure 2006215924
ステップS4060において、位置姿勢算出部120は、誤差ベクトルUが予め定めた閾値より小さいかどうか、あるいは、補正値Δsが予め定めた閾値より小さいかどうかといった何らかの判定基準を用いて、計算が収束しているか否かの判定を行う。収束してない場合には、補正後のsを用いて、再度ステップS4010以降の処理を行う。一方、収束していると判断した場合には、ステップS4070へと処理を進める。
ステップS4070において、位置姿勢算出部120は、ステップS4060までの処理によって得られたsを、撮像装置130の姿勢の(補正後の)推定値 ωWCとする。
以上によって、センサ計測値として得られた位置パラメータを固定して、全指標上での誤差の和を最小化するような姿勢パラメータを求めることができる。
次に、図5のフローチャートを用いて、上記ステップS3070における撮像装置130の位置及び姿勢算出の処理工程を説明する。以下では、算出すべき未知パラメータである撮像装置130の位置及び姿勢を、6値ベクトルs = [tWC T ωWC T]T = [xWC yWC zWC ξWC ψWC ζWC]Tによって内部的に表現している。
ステップS5000において、位置姿勢算出部120は、センサ計測値として得られた撮像装置130の位置及び姿勢を、sの初期値とする。
ステップS5010において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、その画像座標の推定値uQkn*を算出する。uQkn*の算出は、sによって定義される指標の観測方程式、すなわち、各指標Qknの物体座標系における座標x Qknから画像座標を算出する関数:
Figure 2006215924
に基づいて行われる。具体的には、観測方程式F’c()は、x Qknとsから当該指標のカメラ座標x Qknを求める式5、及び、カメラ座標x Qknから画像座標uQkn*を求める式6によって構成されている。ただしここでは、式5におけるtWC(撮像装置130の位置を表す)を、固定値としてではなく、sを構成するパラメータの一部として取り扱う。一方、計測対象物体170の位置tWO及び姿勢RWOに関しては、センサによる計測値をそのまま固定値として使用する。
ステップS5020において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、画像座標の推定値uQkn*と実測値uQknとの誤差ΔuQknを、式7によって算出する。
ステップS5030において、位置姿勢算出部120は、各々の指標Qknに対して、sに関する画像ヤコビアン(すなわち、式13の観測方程式F’c()をsの各要素で偏微分した解を各要素に持つ2行×6列のヤコビ行列)Jus Qkn(=∂u/∂s)を算出する。具体的には、式6の右辺をカメラ座標x Qknの各要素で偏微分した解を各要素に持つ2行×3列のヤコビ行列Jux Qkn(=∂u/∂x)と、式5の右辺をベクトルsの各要素で偏微分した解を各要素に持つ3行×6列のヤコビ行列Jxs Qkn(=∂x/∂s)を算出し、式8によってJus Qknを算出する。
ステップS5040において、位置姿勢算出部120は、ステップS5020及びステップS5030において算出した誤差ΔuQkn及び画像ヤコビアンJus Qknに基づいて、sの補正値Δsを算出する。具体的には、誤差ΔuQknを垂直に並べた2N次元の誤差ベクトルU及び、画像ヤコビアンJus Qknを垂直に並べた2N行×6列の行列Θを作成し、Θの擬似逆行列Θ+を用いて、式11によって算出する。
ステップS5050において、位置姿勢算出部120は、ステップS5040において算出した補正値Δsを用いて式12に従ってsを補正し、得られた値をsの新たな推定値とする。
ステップS5060において、位置姿勢算出部120は、誤差ベクトルUが予め定めた閾値より小さいかどうか、あるいは、補正値Δsが予め定めた閾値より小さいかどうかといった何らかの判定基準を用いて、計算が収束しているか否かの判定を行う。収束していない場合には、補正後のsを用いて、再度ステップS5010以降の処理を行う。一方、収束していると判定された場合には、ステップS5070へと処理を進める。
ステップS5070において、位置姿勢算出部120は、ステップS5060までの処理によって得られたsを、撮像装置130の補正後の位置及び姿勢の推定値とする。
なお、本実施形態では、ステップS3070の処理において、撮像装置130の位置及び姿勢を補正の対象としていたが、計測対象物体170の位置及び姿勢を補正の対象として処理を行っても良い。この場合は、算出すべき未知パラメータを、計測対象物体170の位置及び姿勢を表す6値ベクトルs = [tWO T ωWO T]T = [xWO yWO zWO ξWO ψWO ζWO]Tによって内部的に表現し、センサ計測値として得られた計測対象物体170の位置及び姿勢をsの初期値とする。また、観測方程式F’c()を構成する式5を、次式のように変形する。
Figure 2006215924
このとき、撮像装置130の位置tWC及び姿勢RWCに関しては、センサによる計測値をそのまま固定値として使用する。
また、カメラ座標系における計測対象物体170の位置及び姿勢や、物体座標系における撮像装置130の位置及び姿勢を未知のパラメータとして求めても良い。
前者の場合、算出すべき未知パラメータを、カメラ座標系における計測対象物体170の位置及び姿勢を表す6値ベクトルs = [tCO T ωCO T]T = [xCO yCO zCO ξCO ψCO ζCO]Tによって内部的に表現する。また、カメラ座標系における計測対象物体170の位置及び姿勢(M# CO)を、次式、
Figure 2006215924
によってセンサ計測値(M# WC及びM# WO)に基づいて求め、これをsの初期値とする。また、観測方程式F’c()を構成する式5を、次式のように変形する。
Figure 2006215924
一方、後者の場合は、算出すべき未知パラメータを、物体座標系における撮像装置130の位置及び姿勢を表す6値ベクトルs = [tOC T ωOC T]T = [xOC yOC zOC ξOC ψOC ζOC]Tによって内部的に表現する。また、物体座標系における撮像装置130の位置及び姿勢(M# CO)を、次式、
Figure 2006215924
によってセンサ計測値(M# WC及びM# WO)に基づいて求め、これをsの初期値とする。また、観測方程式F’c()を構成する式5を、次式のように変形する。
Figure 2006215924
以上のようにして、計測対象物体170と撮像装置130との間の相対的な位置及び姿勢の関係を未知のパラメータとして、センサによる位置及び姿勢計測値の誤差を補正することができる。
従来の位置姿勢計測装置では、指標の分布を考慮していないため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合に解が不安定になる。一方、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によれば、ステップS3033や、ステップS3040,S3050,S3060によって指標の分布範囲の大きさを考慮した手法の選択が行われるため、例えば検出された指標の数が多くても、それらが画像上の小領域に偏在しているような場合に、位置及び姿勢の6自由度を安定して求めるのに不十分であるという判定を行うことができる。そのため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合であっても適切な位置姿勢推定手法が選択され、不安定な解が得られる状況に陥る可能性が低下し、従来手法と比して安定した解を得ることができる。
また、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によれば、撮像装置の位置及び姿勢を構成する一部のパラメータのみを選択してセンサ計測値の補正を行う場合に、その制約の中で指標上での誤差の和を最小化するような補正を行うことができる。したがって、未知とするパラメータを減らすことによって撮像装置の位置及び姿勢の計測を安定化させようとする場合であっても、従来と比べて高精度な計測を行うことができる。
[第2の実施形態]
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、室内等に設定された基準座標系における任意の計測対象物体の位置及び姿勢の計測を行う。
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、撮像装置に位置姿勢センサが取り付けられておらず、三脚等によって既知の位置及び姿勢に固定して設置されていることが、第1の実施形態とは異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図12は、本実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示している。同図に示したように、本実施形態における位置姿勢計測装置1200は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1220によって構成されており、撮像装置130及び位置姿勢センサ140に接続されている。
撮像装置130は、三脚1280によって、空間中の既知の位置、姿勢に固定して設置されている。撮像装置130が出力する撮影画像は、位置姿勢計測装置1200の画像入力部160に入力される。基準座標系における撮像装置130の位置及び姿勢は、既知の値として予め保持されているものとする。
センサ計測値入力部150は、計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値を位置姿勢センサ140から入力し、位置姿勢算出部1220へと出力する。
位置姿勢算出部1220は、センサ計測値入力部150の出力である計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値と、指標検出部110の出力である各々の指標Qknの画像座標uQknを入力し、入力した情報に基づいて、計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値の誤差を補正し、補正後の位置及び姿勢のデータを出力する。
なお、図12に示した画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1220の少なくとも一部は、独立した装置として実現しても良いし、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPUにより実行することで、その機能を実現するソフトウェアとして実現しても良い。本実施形態では、各部(画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1220)は、それぞれソフトウェアにより実現され、同一のコンピュータにインストールされているものとする。ソフトウェアを実行することで、各部の機能を実現するためのコンピュータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態における位置姿勢算出部1220の処理手順は、第1の実施形態における位置姿勢算出部120の処理手順(図3のフローチャートに対応)とほぼ同一である。唯一の違いは、撮像装置130の位置及び姿勢が、計測値として与えられるのではなく、既知の値として予め保持されていることである。位置姿勢算出部1220は、撮像装置130の位置及び姿勢の既知の値を、撮像装置130の位置及び姿勢の仮の計測値とおき、第1の実施形態におけるステップS3000からステップS3070までと同一の工程によって撮像装置130の位置及び姿勢の計測値の補正を行い、この補正結果に基づいて、ステップS3080において、第1の実施形態と同様に計測対象物体170の位置及び姿勢の計測値を補正する(式1)。本実施形態では、位置姿勢算出部1220がステップS3080において出力するのは、計測対象物体170の位置及び姿勢のみである。
以上によって、計測対象物体の位置及び姿勢が計測される。このように、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によっても、指標の分布範囲の大きさを考慮した手法の選択が行われるため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合であっても適切な位置姿勢推定手法が選択され、従来手法と比して安定した解を得ることができる。
[第3の実施形態]
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、室内等の空間中における撮像装置の位置及び姿勢の計測を行う。以下、本実施形態に係る位置姿勢計測装置について説明する。
本実施形態においては撮像装置以外の計測対象物体は存在せず、本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、撮像装置の位置及び姿勢の計測のみを行うことが、第1の実施形態とは異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
図13は、本実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示している。同図に示したように、本実施形態における位置姿勢計測装置1300は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1320によって構成されており、撮像装置130及び位置姿勢センサ140に接続されている。
また、現実空間中の複数の位置には、撮像装置130によって撮影するための指標として、基準座標系における位置が既知である複数個の指標Qが配置されている。指標Qは、第1の実施形態と同様に、撮影画像上における投影像の画像座標が検出可能であって、かついずれの指標であるかが何らかの方法で識別可能であるような指標であれば、どのような形態であってもよい。
センサ計測値入力部150は、撮像装置130の位置及び姿勢の計測値を位置姿勢センサ140から入力し、位置姿勢算出部1320へと出力する。
位置姿勢算出部1320は、センサ計測値入力部150の出力である撮像装置130の位置及び姿勢の計測値と、指標検出部110の出力である各々の指標Qknの画像座標uQknを入力し、入力した情報に基づいて、撮像装置130の位置及び姿勢の計測値の誤差を補正し、補正後の位置及び姿勢のデータを出力する。
なお、図13に示した画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1320の少なくとも一部は、独立した装置として実現しても良いし、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPUにより実行することで、その機能を実現するソフトウェアとして実現しても良い。本実施形態では、各部(画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1320)は、それぞれソフトウェアにより実現され、同一のコンピュータにインストールされているものとする。ソフトウェアを実行することで、各部の機能を実現するためのコンピュータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態における位置姿勢算出部1320の処理手順は、第1の実施形態における位置姿勢算出部120の処理手順(図3のフローチャートに対応)と類似しているため、図3を参照しながら、第1の実施形態との相違点のみについて説明する。
ステップS3005において、位置姿勢算出部1320は、センサによって計測された撮像装置130の位置及び姿勢を、センサ計測値入力部150から入力する。
ステップS3025において、位置姿勢算出部1320は、ステップS3005で得た撮像装置130の姿勢計測値のうちのパン及びチルト角に対して、検出されている指標上での誤差(基準座標系における指標の3次元座標x Qknと撮像装置130の位置及び姿勢の計測値から導出する投影座標の理論値uQkn*と、実際の検出座標uQknとの誤差)を打ち消すような補正を加え、ステップS3080に処理を進める。
このような補正処理としては、周知の方法を用いることができるため、これ以上の説明は行わない。具体的には、例えば特許文献1(ランドマーク1点を利用したカメラの回転による補正方法(段落「0019」〜「0029」)およびランドマークを複数点利用したカメラの回転による補正方法(段落「0039」〜「0050」))に開示されている方法を用いることができる。
ステップS3035において、位置姿勢算出部1320は、ステップS3005で得た撮像装置130の位置計測値を固定値として、撮像装置130の姿勢計測値を表す3パラメータ(パン,チルト及びロール角)に対して、検出されている全指標上での誤差の和を最小とするような補正を加え、ステップS3080に処理を進める。この補正処理工程は、第1の実施形態におけるステップS3035の補正処理工程(図4のフローチャートに対応)と類似したものとなる。ただし、本実施形態の場合、指標の観測方程式F’’c()が、基準座標系における指標Qknの座標x Qkn(既知な情報として予め保持している)から画像座標を算出する関数となる。すなわち、観測方程式F’’c()は次式によって表される。
Figure 2006215924
具体的には、観測方程式F’’c()は、x Qknとsから当該指標のカメラ座標x Qknを求める次式、
Figure 2006215924
及び、カメラ座標x Qknから画像座標uQkn*を求める式6によって構成されており、この点のみが異なっている。ここでtWCは、撮像装置130の位置計測値を表す3次元ベクトルであり、ここでは固定値として取り扱われる。
ステップS3070において、位置姿勢算出部1320は、検出されている全指標上での誤差の和を最小とするような撮像装置130の位置と姿勢を算出する。この処理工程での具体的な処理は、例えば特許文献2に開示されているような周知技術を用いて実現することが可能であるので、ここでの説明は省略する。
ステップS3080において、位置姿勢算出部1320は、ステップS3070までの結果として得られた撮像装置130の位置及び姿勢を、I/F1009を介して外部へと出力する。あるいは、このデータを、他のアプリケーションから利用可能な状態としてRAM1002上に格納する。
以上によって、撮像装置の位置及び姿勢が計測される。このように、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によっても、指標の分布範囲の大きさを考慮した手法の選択が行われるため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合であっても適切な位置姿勢推定手法が選択され、従来手法と比して安定した解を得ることができる。
[第4の実施形態]
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、室内等の空間中における任意の計測対象物体の位置及び姿勢の計測を行う。以下、本実施形態に係る位置姿勢計測装置について説明する。本実施形態においては、撮像装置ではなく、任意の計測対象物体の位置及び姿勢を計測することが、第3の実施形態と異なっている。以下では、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
図14は、本実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示している。同図に示したように、本実施形態における位置姿勢計測装置1400は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、撮像部1430、位置姿勢計測部1440、及び位置姿勢算出部1420によって構成されており、計測対象物体1470に接続されている。
撮像部1430は、位置及び姿勢を計測したい対象である計測対象物体1470に固定して取り付けられており、指標を含む現実空間の映像を撮影する。
位置姿勢計測部1440は、撮像部1430に固定して装着されており、基準座標系における撮像部1430の位置及び姿勢を計測してセンサ計測値入力部150へと出力する。位置姿勢計測部1440は、例えば、米国Polhemus社のFASTRAK等によって構成される。
画像入力部160は、撮像部1430が撮影した撮影画像をデジタルデータに変換し、指標検出部110へと出力する。
センサ計測値入力部150は、撮像部1430の位置及び姿勢の計測値を位置姿勢計測部1440から入力し、位置姿勢算出部1420へと出力する。
位置姿勢算出部1420は、センサ計測値入力部150の出力である撮像部1430の位置及び姿勢の計測値と、指標検出部110の出力である各々の指標Qknの画像座標uQknを入力し、入力した情報に基づいて、撮像部1430の位置及び姿勢の計測値の誤差を補正する。
位置姿勢算出部1420はさらに、得られた撮像部1430の位置及び姿勢と、既知の値として予め保持している撮像部1430と計測対象物体1470との相対的な位置姿勢の関係についての情報(具体的には、計測対象物体1470上のどの位置に撮像部1430が設置されているかという情報。計測対象物体1470によって定義される物体座標系における、撮像部1430の位置及び姿勢によって表現される)から、基準座標系における計測対象物体1470の位置及び姿勢を算出し、I/F1009を介してこのデータを外部へと出力する。あるいは、このデータを、他のアプリケーションから利用可能な状態としてRAM1002上に格納する。なお、この変換工程は必ずしも必要ではなく、撮像部1430の位置及び姿勢をそのまま出力することも可能である。
なお、本実施形態では、位置姿勢計測部1440は撮像部1430の位置及び姿勢を計測していたが、位置姿勢計測部1440は計測対象物体1470の位置及び姿勢を計測するように構成されていても良い。この場合には、位置姿勢算出部1420は、既知の値として予め保持している撮像部1430と計測対象物体1470との相対的な位置姿勢の関係を用いて、計測値として得られた計測対象物体1470の位置及び姿勢から撮像部1430の位置及び姿勢を算出し、これを初期値として上記と同様な処理を実行する。
また、位置姿勢算出部1420は、ステップS3025,S3035,S3070の何れの工程においても、撮像部1430の姿勢あるいは位置及び姿勢を補正し、その後計測対象物体1470の位置及び姿勢を求めていた。しかし、ステップS3035及びS3070の工程においては、計測対象物体1470の位置及び姿勢を直接求めるような構成としても良い。
位置姿勢計測部1440が撮像部1430の位置及び姿勢を計測している場合には、位置姿勢算出部1420は、既知の値として予め保持している撮像部1430と計測対象物体1470との相対的な位置姿勢の関係を用いて、計測値として得られた撮像部1430の位置及び姿勢から計測対象物体1470の位置及び姿勢を算出し、これを初期値とする。
ステップS3035においては、計測対象物体1470の姿勢を表す3値ベクトルs = ωWO = [ξWO ψWO ζWO]Tと未知パラメータとする。また、ステップS3070においては、計測対象物体1470の位置及び姿勢を表す6値ベクトルs = [tWO T ωWO T]T = [xWO yWO zWO ξWO ψWO ζWO]Tを未知パラメータとする。そして、観測方程式F’’c()を定義するのに必要な式20を、
Figure 2006215924
に変更する。ここで、tOC 及びROCは、計測対象物体170によって定義される物体座標系における撮像部1430の姿勢を表す3×3の回転行列及び位置を表す3次元ベクトルであり、撮像部1430と計測対象物体1470との相対的な位置姿勢の関係を表す既知の値として、予め保持されているものとする。なお、ステップS3035では、tWOは固定値として設定する。
以上によって、任意の物体の位置及び姿勢が計測される。このように、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によっても、指標の分布範囲の大きさを考慮した手法の選択が行われるため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合であっても適切な位置姿勢推定手法が選択され、従来手法と比して安定した解を得ることができる。
[第5の実施形態]
本実施形態に係る位置姿勢計測装置は、室内等の空間中における撮像装置の位置及び姿勢の計測を行う。以下、本実施形態に係る位置姿勢計測装置について説明する。
図15は、本実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示している。同図に示したように、本実施形態における位置姿勢計測装置1500は、画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部1550、及び位置姿勢算出部1520によって構成されており、撮像装置130及び姿勢センサ1540に接続されている。
本実施形態においては、撮像装置130に、位置姿勢センサではなく姿勢センサが装着されている点が、第3の実施形態と異なっている。姿勢センサを用いることで、位置姿勢センサを用いる場合に存在する、センサの計測範囲以外の領域を計測できないという制約を回避することができる。以下では、第3の実施形態との相違点のみを説明する。
姿勢センサ1540は、撮像装置130に装着されており、姿勢センサ1540自身の現在の姿勢を計測してセンサ計測値入力部1550へと出力する。姿勢センサ1540は、例えばジャイロセンサをベースとしたセンサユニットであり、具体的には、株式会社トキメックのTISS-5-40や、米国InterSense社のInertiaCube2等によって構成される。これらのセンサによって計測される姿勢計測値は、真の姿勢とは異なった、誤差を有する姿勢である。ただし、これらの姿勢センサは、地球の重力方向を観測する傾斜角センサを構成要素として有しており、傾斜角方向(ピッチ角及びロール角)のドリフト誤差の蓄積をキャンセルする機能を有しているので、傾斜角方向に関してはドリフト誤差を発生しないという性質を有している。言い換えれば、方位角方向(ヨー角方向)に関しては時間の経過に伴って蓄積されるドリフト誤差を有している。
センサ計測値入力部1550は、方位ドリフト誤差補正値の更新値を位置姿勢算出部1520から入力し、姿勢センサ1540の現在の方位ドリフト誤差補正値を更新し保持する。また、姿勢センサ1540から姿勢計測値を入力し、現在の方位ドリフト誤差補正値によってこれを補正して、撮像装置130の姿勢の予測値として位置姿勢算出部1520へと出力する。
位置姿勢算出部1520は、センサ計測値入力部1550の出力である撮像装置130の姿勢の予測値と、指標検出部110の出力である各々の指標Qknの画像座標uQknを入力データとして、撮像装置130の位置及び姿勢を算出して出力する。また、位置及び姿勢の算出工程で導出される姿勢センサ1540の方位ドリフト誤差補正値の更新値を、センサ計測値入力部1550へと出力する。
なお、図15に示した画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1520の少なくとも一部は、独立した装置として実現しても良いし、夫々1つもしくは複数のコンピュータにインストールし、コンピュータのCPUにより実行することで、その機能を実現するソフトウェアとして実現しても良い。本実施形態では、各部(画像入力部160、指標検出部110、センサ計測値入力部150、及び位置姿勢算出部1520)は、それぞれソフトウェアにより実現され、同一のコンピュータにインストールされているものとする。ソフトウェアを実行することで、各部の機能を実現するためのコンピュータの基本構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図16は、撮像装置130の位置及び姿勢を示すパラメータを算出する処理のフローチャートであり、CPU1001が位置姿勢算出部1520のソフトウェアのプログラムを実行することで行われる。
ステップS15000において、位置姿勢算出部1520は、検出された各々の指標Qknの画像座標uQknとその識別子kを指標抽出部110から入力する。なお、各指標の基準座標系における3次元座標xQknは、既知の値としてRAM1002に予めロードされているものとする。
ステップS15005において、位置姿勢算出部1520は、撮像装置130の姿勢の予測値R*をセンサ計測値入力部1550から入力し、これを、撮像装置130の姿勢の初期値として設定する。また、2回目以降の処理では、1ループ前の処理において算出された撮像装置130の位置を、撮像装置130の姿勢の初期値として設定する。
ステップS15010において、位置姿勢算出部1520は、指標が検出されているか否かを判定する。指標が検出されていない場合はステップS15090に処理を進め、それ以外の場合はステップS15020に処理を進める。
ステップS15020において、位置姿勢算出部1520は、検出された指標の総数が一つか否かを判定する.指標の総数が一つの場合はステップS15025に処理を進め、それ以外の場合はステップS15030に処理を進める。
ステップS15025において、位置姿勢算出部1520は、ステップS15005で設定した初期値の平行移動成分のうちの視軸と直交する2軸方向の値を補正対象として、検出されている指標上での誤差を打ち消すような補正を加え、ステップS15090に処理を進める。ステップS15025での処理工程のとしては、周知の処理を提供することが可能であるため、これ以上の説明は行わない。具体的には、例えば特許文献1(ランドマーク1点を利用したカメラの平行移動による補正方法(段落「0030」〜「0036」)およびランドマークを複数点利用したカメラの平行移動による補正方法(段落「0051」〜「0056」)に開示されている方法を用いることができる。ただし、特許文献1では6自由度位置姿勢センサの計測値を誤差補正の対象とした場合を説明しているが、本実施形態では、前フレームで求めた位置と姿勢センサの計測値とを組み合わせたものが補正対象となる点が異なっている。
ステップS15030において、位置姿勢算出部1520は、検出された指標の総数が二つか否かを判定する.指標の総数が二つの場合はステップS15032に処理を進め、それ以外の場合はステップS15040に処理を進める。
ステップS15032において、位置姿勢算出部1520は、検出された二つの指標の画像上での距離を算出し、その値と所定の値として定められている閾値T(例えば、画像の対角線長の1/8)との比較を行う。距離が閾値T以上の場合にはステップS15034に処理を進め、それ以外の場合はステップS15025に処理を進める。
ステップS15034において、位置姿勢算出部1520は、検出された二つの指標の画像上での距離と所定の値として定められている閾値T(例えば、画像の対角線長の1/4)との比較を行う。距離が閾値T以上の場合にはステップS15038に処理を進め、それ以外の場合はステップS15036に処理を進める。
ステップS15036において、位置姿勢算出部1520は、ステップS15005で設定した初期値のうち、位置を表す3パラメータ(平行移動成分)を更新対象として(すなわち、姿勢計測値には誤差は含まれていないものと仮定して)、検出されている指標上での誤差を最小とするような補正を位置のパラメータのみに加え、ステップS15090に処理を進める。この処理工程の詳細は、例えば特許文献3(第6の実施形態)に開示されているので、ここでの説明は省略する。また、位置を表す3パラメータを未知変数とした観測方程式を構成し、画像ヤコビアンを用いた誤差最小化計算を行うことによっても、画像上での誤差を最小とするような位置の補正を行うことができる。
ステップS15038において、位置姿勢算出部1520は、ステップS15005で設定した初期値のうちの位置を表す3パラメータ(平行移動成分)と、姿勢センサ1340の方位ドリフト誤差補正値の更新値φの合計4パラメータとを、算出すべき未知パラメータとして取り扱い、検出されている指標の情報を用いてこれらを算出する。この処理工程の詳細は、例えば特許文献3(第7の実施形態)に開示されているので、ここでの説明は省略する。また、これら4パラメータを未知変数とした観測方程式を構成し、画像ヤコビアンを用いた誤差最小化計算を行うことによっても、画像上での誤差を最小とするような位置と方位ドリフト誤差補正値の更新値の算出を行うことができる。さらに、ステップS15080へと処理を進める。
ステップS15040において、位置姿勢算出部1520は、検出された全指標(このステップが実行されるのは、指標の総数が三つ以上の場合のみである)の画像座標を包含する凸包を算出する。
ステップS15050において、位置姿勢算出部1520は、S15040で算出した凸包の面積と所定の値として定められている閾値T(例えば、画像の面積の1/16)との比較を行う。面積が閾値T以上の場合はステップS15060に処理を進め、それ以外の場合はステップS15036へと処理を進め、上述した処理を行う。
ステップS15060において、位置姿勢算出部1520は、S15040で算出した凸包の面積と所定の値として定められている閾値Tとの比較を行う。面積が閾値T(例えば、画像の面積の1/9)以上の場合はステップS15070に処理を進め、それ以外の場合はステップS15038へと処理を進め、上述した処理を行う。
ステップS15070において、位置姿勢算出部1520は、検出されている全指標上での誤差の和を最小とするような撮像装置130の位置と姿勢を算出する。この算出は、例えば、撮像装置130の位置と姿勢を表す6パラメータを変数として、ステップS15005で設定した初期値を用いて、非線形方程式の反復解法によって誤差を最小化するパラメータを求めることによって実現される。すなわち、位置と姿勢を表す6パラメータを未知変数とした観測方程式を構成し、これに基づいて求められる指標投影位置の誤差と各パラメータに関する画像ヤコビアンとを用いて当該パラメータの補正値を求め、補正処理を反復的に行うことで画像上での誤差を最小とするような位置と姿勢を算出する。
位置姿勢算出部1520はさらに、ステップS15005で設定した姿勢の初期値と求められた姿勢との変化分を算出し、その方位成分を方位ドリフト誤差補正値の更新値φとする。
ステップS15080において、位置姿勢算出部1520は、ステップS15038あるいはステップS15070において得られた方位ドリフト誤差補正値の更新値φを、センサ計測値入力部処理1550へと出力する。
ステップS15090において、位置姿勢算出部1520は、ステップS15080までの結果として得られた撮像装置130の位置及び姿勢を、I/F1009を介して外部へと出力する。あるいは、これらのデータを、他のアプリケーションから利用可能な状態としてRAM1002上に格納する。
ステップS15100において、位置姿勢算出部1520は、処理を終了するか否かの判定を行い、処理を終了しない場合には、処理をステップS15000へと進める。
以上によって、撮像装置の位置及び姿勢が計測される。
本実施形態に係る位置姿勢計測装置によれば、ステップS15034やステップS15050によって指標の分布範囲の大きさを考慮した手法の選択(方位ドリフト誤差補正値の更新を行うか否かの判断)が行われるため、画像上の一部の領域に指標が偏在して観測されている場合に、方位ドリフト誤差補正値の更新を不正確に行ってしまうという状況を回避することができる。
また、本実施形態に係る位置姿勢計測装置によれば、第3の実施形態の効果に加え、ステップS15060による手法の選択によって、画像情報が不足する場合であっても姿勢センサによる傾斜角情報を信頼することで位置及び姿勢を安定して導出できるほか、画像情報が十分得られる場合であれば位置及び姿勢の推定を高精度に行えるという、通常の画像情報に基づく位置姿勢推定手法が有する利点を両立することができる。
[他の実施形態]
(変形例1)
上記の実施形態の各々では、画像上における指標の分布に基づいて、適用する補正アルゴリズムが選択される。これらの補正アルゴリズム(第1の実施形態におけるステップS3025,S3035,S3070、第2乃至第4の実施形態におけるこれらの変形、及び、第5の実施形態におけるステップS15025,S15036,S15038,S15070)は、必ずしも上記の実施形態で示したものである必要はなく、指標の分布に従って見込まれる画像情報の情報量に応じて適切に設定されたものであれば、他の補正アルゴリズムに変更することも可能である。
例えば、第1乃至第4の実施形態におけるステップS3025やS3035において、姿勢の計測値を補正するのではなく、位置の計測値を補正する構成としてもよい。この場合、ステップS3025では、例えば、特許文献1の段落「0030」〜「0036」および「0051」〜「0056」に開示されているような、1つ又は複数の指標を利用したカメラの平行移動による補正方法に基づいて、位置計測値のうちのカメラの視軸と直交する2軸方向の値を補正対象として、検出されている指標上での誤差を打ち消すような補正を加えることができる。
また、ステップS3035では、算出すべき未知パラメータを、撮像装置130の位置を表す3値ベクトルs = tWC = [xWC yWC zWC ]Tとして、図5と同様な処理手順によって位置の補正を行う。第1の実施形態との相違点は、観測方程式を構成する式5を、次式のように変更することである。
Figure 2006215924
ここで、RWCは、固定値として用いる撮像装置130のセンサによる姿勢計測値を表している。また、RWO 及びtWOは、第1の実施形態における式5と同様に、計測対象物体170の位置及び姿勢のセンサによる計測値を表しており、固定値として取り扱われる。
なお、式22は線形方程式であるので、式6と組み合わせた観測方程式から連立方程式を作成しこれを解くことで、繰り返し演算を用いなくても補正値を得ることができる。
なお、不図示のUIを介して、姿勢の補正と位置の補正の何れを優先させるかをユーザが自由に選択できるようにしてもよい。この場合、ステップS3025及びS3035の実行時に、ユーザの選択に応じて、姿勢あるいは位置の補正アルゴリズムが実行される。これにより、特性の異なる位置姿勢センサを用いた場合でも、より好ましい計測を行うことができる。
また、ステップS3025においては、計測値として得られる6パラメータのうちの任意の2パラメータを補正対象として選択し、これを未知数として上述した方法と記と同様にして求めてもよい。同様に、ステップS3035においては、計測値として得られる6パラメータのうちの任意の3パラメータを補正対象として選択し、これを未知数として上述した方法と同様な枠組みによって求めてもよい。
(変形例2)
上記第1乃至第4の実施形態では、画像上における指標の分布に基づいて、3種類のアルゴリズムへと処理を分岐させていた(ステップS3033、ステップS3050及びステップS3060)。しかし、指標の分布に基づいて行う分岐数は3通りに限られるものではない。例えば、ステップS3050の処理を省いて、閾値Tと凸包の面積の大小関係によってステップS3035あるいはステップS3070へと処理を分岐させるだけでもよい。また、より多数の閾値を設けて、4通り以上の分岐を行ってもよい。例えば、補正対象とするパラメータの数(2〜6)を凸包の面積に応じて変更し、これを未知数として同様な方法により位置姿勢を算出してもよい。
(変形例3)
上記の実施形態の各々では、位置姿勢センサや姿勢センサによる計測値と、撮像装置によって得られる画像情報を併用することにより、計測対象(計測対象物体や撮像装置)の位置及び姿勢を求めていた。しかし、画像上における指標の分布に基づいて、位置及び姿勢を求めるために用いるアルゴリズムを選択するという基本的な技術思想は、これらのセンサによる計測値を用いずに、画像情報のみから計測対象の位置及び姿勢を得る場合であっても適用できる。
例えば、図13に示した第3の実施形態の構成において、位置姿勢計測装置1300がセンサ計測値入力部150を有さず、また、位置姿勢センサ140が撮像装置130に設置されていない場合を考える。この場合、位置姿勢算出部1320は、初期値として位置姿勢センサ140による撮像装置130の位置及び姿勢の計測値を用いるのではなく、前フレームで求めた撮像装置130の位置及び姿勢の算出値(あるいは、過去の算出値から予測した現フレームにおける位置及び姿勢)を用いることにすると、これを仮の計測値とおいて図3と同様な処理を行うことで、指標の分布に応じて適切な位置及び姿勢の算出アルゴリズムを選択することが可能となる。
(変形例4)
上記の実施形態の各々では、指標の分布を計る尺度として、指標が3点以上検出されている場合には、指標が成す凸包を求めてその面積を利用していた。しかし、指標の分布を測る尺度はこれに限られるものではなく、他の尺度を用いてもよい。例えば、画像中心から最も遠い位置にある指標を第1の指標として選択し、第1の指標から最も遠い位置にある指標を第2の指標として選択し、さらに、第1,第2の指標を結ぶ直線から最も遠い距離にある指標を第3の指標として選択し、これら第1,第2,第3の指標が成す三角形の面積を分布の尺度として、凸包の面積の変わりに用いても良い。また、簡易的には、このような第1,第2の指標間の距離を分布の尺度としても良いし、指標の画像座標の分散や標準偏差といった、分布を数値で表しうる他の任意の情報を分布の尺度として用いてもよい。
(変形例5)
第1の実施形態におけるステップS3035では、図4のステップS4040にて詳細に説明したように、誤差ベクトルUと行列Θに基づく補正値Δsの算出に、式11で表現される最急降下法を用いている。しかし、補正値Δsの算出は必ずしも最急降下法によって行わなくてもよい。例えば公知の非線形方程式の反復解法であるLM法(Levenberg-Marquardt法)を用いて求めてもよいし、公知のロバスト推定手法であるM推定等の統計的手法を組み合わせてもよいし、他の何れの数値計算手法を適用しても発明の本質が損なわれないことは言うまでもない。また、上記の実施形態におけるsを状態ベクトル、式4を観測方程式とすることで、画像ヤコビアンを利用して位置姿勢センサによる計測値のうちの一部のパラメータのみを補正するという効果を有した拡張カルマンフィルタ(Extended Kalman Filter)や、反復拡張カルマンフィルタ(iterative Extended Kalman Filter)を構成することができる。なお、拡張カルマンフィルタ及び反復拡張カルマンフィルタについては非特許文献2に記載されるように周知であるので、その詳細に関するこれ以上の説明は省略する。
(変形例6)
上記の実施形態の各々においては、各々が一つの座標を表すような指標(以下、これを点指標と呼ぶ)を用いていた。しかし、点指標以外の指標を用いることも可能である。例えば、公知の位置姿勢計測装置(例えば、非特許文献3を参照)に用いられているような、線特徴によって構成される指標(以下、これを線指標と呼ぶ)を用いてもよい。例えば、原点から線指標までの距離を評価のための基準として画像からの検出値とsによる推定値から算出する誤差によって誤差ベクトルUを構成し、観測方程式をsの各要素で偏微分した解を各要素に持つ1行×6列のヤコビ行列によって行列Θを構成することで、上記実施形態と同様にして位置及び姿勢の計測(補正)を行うことができる。また、線指標と点指標、その他の指標から得られる誤差及び画像ヤコビアンを積み重ねることによって、それらの特徴を併用することも可能である。
(変形例7)
上記の実施形態の各々では、画像面積に対する指標の分布に応じて以降の処理を選択していた。しかし、計測対象物体に対する相対的な比率を尺度としてもよい。例えば、第1の実施形態において、ステップS3040で、全検出指標の成す凸包の面積Sに加えて、画像上への計測対象物体170(その大まかな形状を表す3次元データが記憶されているものとする)の投影像の面積Sを求め、これらの比率(S/S)を得る。そして、上記比率に対して適宜設定した閾値を用いてステップS3050とステップS3060での条件分岐を行えばよい。
また、画像中ではなく、物理空間における指標の分布を尺度とすることも可能である。例えば、第1の実施形態において、ステップS3040で、物体座標系における全検出指標の3次元座標によって構成される3次元凸包を求め、その体積Vを算出し、計測対象物体170の体積Vとの比率(V/V)を得ることで、計測対象物体170上における検出指標の分布の割合を導出する。そして、上記比率に対して適宜設定した閾値を用いてステップS3050とステップS3060での条件分岐を行えばよい。また、物体座標系における互いが最も遠い3点の検出指標によって構成される三角形の面積を求め、計測対象物体170のサイズ(例えば、外接直方体の最も長い2辺が成す矩形の面積)との比率を求め、これを尺度として用いることも可能である。
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
第1の実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示す図である。 位置姿勢計測装置の各部をソフトウェアにより実現することのできるコンピュータの基本構成を示す図である。 実施形態における、撮像装置130及び計測対象物体170の位置及び姿勢を算出する処理を説明するフローチャートである。 図3のステップS3035における位置及び姿勢算出処理の詳細を説明するフローチャートである。 図3のステップS3070における位置及び姿勢算出処理の詳細を説明するフローチャートである。 撮像装置130によって計測対象物体170を撮影することで取得される撮影画像の一例を示す図である。 撮像装置130によって計測対象物体170を撮影することで取得される撮影画像の一例を示す図である。 撮像装置130によって計測対象物体170を撮影することで取得される撮影画像の一例を示す図である。 図6の撮影画像(撮影画像600)に対してステップS3040の処理を実行した際に得られる凸包を示す図である。 図7の撮影画像(撮影画像700)に対してステップS3040の処理を実行した際に得られる凸包を示す図である。 図8の撮影画像(撮影画像800)に対してステップS3040の処理を実行した際に得られる凸包を示す図である。 第2の実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示す図である。 第3の実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示す図である。 第4の実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示す図である。 第5の実施形態における位置姿勢計測装置の構成を示す図である。 第5の実施形態における、撮像装置130の位置及び姿勢を算出する処理を説明するフローチャートである。

Claims (25)

  1. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  2. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  3. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  4. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  5. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  6. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  7. 前記補正工程が、非線形方程式の反復解法を用いて、前記誤差を最小化するように前記所定の一部のパラメータを補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法。
  8. 前記補正工程が、前記一部のパラメータに関する前記推定値の画像ヤコビアンと、前記誤差とから算出した補正値により前記一部のパラメータを補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法。
  9. 前記補正が行われる一部のパラメータが、姿勢を表すパラメータであることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法。
  10. 前記補正が行われる一部のパラメータが、位置を表すパラメータであることを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法。
  11. 前記補正工程において、前記複数のパラメータのうち前記補正が行われないパラメータについては固定値として前記補正を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法。
  12. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値のうち、姿勢を表すパラメータを固定値とし、位置を表すパラメータを、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記指標の既知の座標とを利用して補正する補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータと、前記姿勢を表すパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  13. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測方法であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力工程と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力工程と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出工程と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの夫々を、前記指標検出工程で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記夫々のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを利用して補正する補正工程とを有し、
    前記補正されたパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測方法。
  14. 前記撮像装置は既知の位置姿勢に固定されていることを特徴とする、請求項3または請求項13に記載の位置姿勢計測方法。
  15. 前記位置姿勢計測値入力工程は、前記撮像装置の位置及び姿勢を計測する第二の位置姿勢センサから前記撮像装置の位置姿勢計測値をさらに入力し、
    前記補正工程は、前記計測対象物体の位置姿勢計測値と前記撮像装置の位置姿勢計測値から求められる前記撮像装置と前記計測対象物体との間の相対的な位置及び姿勢を表すパラメータを補正することを特徴とする、請求項3または請求項13に記載の位置姿勢計測方法。
  16. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  17. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  18. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表す複数のパラメータの所定の一部について、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記複数のパラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値との誤差に応じた補正を行う補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  19. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  20. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記計測対象物体との相対位置及び姿勢が既知である撮像装置が撮像した撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  21. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサの位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの所定の一部を、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記一部のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを用いて補正する補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを含む前記複数のパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  22. 計測対象物体としての撮像装置の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記撮像装置から撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値のうち、姿勢を表すパラメータを固定値とし、位置を表すパラメータを、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記指標の既知の座標とを利用して補正する補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータと、前記姿勢を表すパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  23. 計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢計測装置であって、
    前記計測対象物体の位置及び姿勢を計測する位置姿勢センサから位置姿勢計測値を入力する位置姿勢計測値入力手段と、
    前記計測対象物体を撮像する撮像装置から撮像画像を入力する画像入力手段と、
    前記撮像画像から、前記計測対象物体上に配置された指標の画像座標に関わる特徴量を検出する指標検出手段と、
    前記位置姿勢計測値から求められる前記計測対象物体の位置及び姿勢を表すパラメータの夫々を、前記指標検出手段で検出される前記指標の画像座標に関わる特徴量と、前記パラメータを用いて算出される当該特徴量の推定値と、前記夫々のパラメータに関する当該推定値の画像ヤコビアンとを利用して補正する補正手段とを有し、
    前記補正されたパラメータを、前記計測対象物体の位置及び姿勢計測結果とすることを特徴とする位置姿勢計測装置。
  24. 請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の位置姿勢計測方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
  25. 請求項24に記載の制御プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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