JP2006215577A - 光モジュール組立体の製造装置 - Google Patents

光モジュール組立体の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006215577A
JP2006215577A JP2006094725A JP2006094725A JP2006215577A JP 2006215577 A JP2006215577 A JP 2006215577A JP 2006094725 A JP2006094725 A JP 2006094725A JP 2006094725 A JP2006094725 A JP 2006094725A JP 2006215577 A JP2006215577 A JP 2006215577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
optical
optical module
image
assembly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006094725A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Komoriya
均 小森谷
Tetsuo Hizuka
哲男 肥塚
Akihiko Yabuki
彰彦 矢吹
Yutaka Nakamura
裕 中村
Takao Hirahara
隆生 平原
Yoshiaki Goto
善朗 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2006094725A priority Critical patent/JP2006215577A/ja
Publication of JP2006215577A publication Critical patent/JP2006215577A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】光モジュール組立体を、効率的に組み立てる方法および装置。
【解決手段】レンズを有する光モジュールの保持手段と、保持された光モジュール中の発光素子と受光素子とを前記レンズ越しに照明する照明手段と、前記光素子のレンズ越しの像を取得する撮像手段と、前記照明手段および撮像手段を担持する三軸ステージ手段と、前記撮像手段が取得した光素子の像にもとづいてプリズムによる光路の反射・屈折を計算し、前記光モジュールに光学的に整合する光ファイバの位置を算出する画像処理手段とよりなる光モジュール製造装置であって、共通平面上に略正方形を形成するように配設された第1〜第4の回動軸、力伝達手段、駆動手段、第1〜第4の変換手段、第1〜第4のレーザ溶接機とよりなり、前記第1〜第4の変換手段は、前記駆動手段の駆動に応じて前記第1〜第4のレーザ溶接機を、前記一点に対して同時に近接および離間させることを特徴とする。
【選択図】図37

Description

本発明は、一般に光モジュールに関し、特に光モジュール中の発光素子あるいは受光素子を光ファイバに光学的に結合する技術に関する。
光ファイバを使った通信ネットワークは大容量の情報を高速に伝送することができ、動画を含む画像信号や音声信号を情報の一部として扱ういわゆるマルチメディア用途に関連して大きな発展が見込まれている。かかるマルチメディアが社会に普及するためには、光ネットワークおよびそれに接続される情報処理端末装置をできるだけ安価に提供することが必要である。
特に、個々の情報処理端末装置を光ネットワークに接続するために、フォトダイオード等の受光素子および/またはレーザダイオード等の発光素子を一体化した光モジュールが使われるが、かかる光モジュールでは、受光素子あるいは発光素子と光ファイバとの最適な光結合を達成するために、従来はかなり面倒な調整が必要とされていた。
例えば、レーザダイオードを発光素子として有する光モジュールを組み立てる場合、レーザダイオードから出射した光がレンズにより集束される点の位置を、光ファイバ中のコア端面に対して0.1μm以下の精度に調整する必要がある。従来は、かかる調整を、レーザダイオードを駆動して発光させ、光ファイバに入射する光ビームの強度が最大になるように、前記コア端面に対するレーザダイオードの位置を、光ファイバ中の光ビームの強度を観測しながら調整していた。
図50は、かかる従来の光モジュール組立装置の構成を示す。
図50を参照するに、光モジュール1は、レンズ3を保持するケース1Aとレーザダイオード2とよりなり、ケース1Aにレーザダイオードのケース(円筒部)をはめ込んでいる。なお、はめ込んだ後は、レーザダイオード2とレンズ3の位置関係は一定である。ケース1aには、光ファイバ4の端部を保護するフェルール5を保持するファイバホルダ6が衝合・固定される。その際、前記ファイバホルダ6は、光ファイバが保持された状態で三軸ステージ7上に保持され、光ファイバ他端においてレーザダイオード2からの光ビーム強度を観測しながら三軸ステージ7を、前記光ビーム強度が最大になるように、X,Y,Zの各軸について調整する。
しかし、かかる従来の組立・調整工程では、前記X,Y,Zの各軸について、調整に30秒程度の時間がかかり、従って、前記三軸の調整を行うには1分30秒の時間を要していた。各軸についてこのように長時間の調整を必要とする理由は、(1)必要な光学的結合を達成するには、光ファイバ端部と光モジュールとの間に0.1μm以内の非常に厳しい精度が要求されること;(2)光ファイバのコア径は約9μmであり、レーザダイオードの出力光ビームが前記コアに入射しない限り、前記調整ができないこと;(3)レーザダイオードが出力する光ビームは赤外域に波長を有し、目視による粗調整が出来ないこと;(4)個々の部品の精度に実質的なばらつきがあり、最適位置のばらつきが大きい(500μm程度)等が考えられる。
そこで、本発明は上記の課題を解決した、新規で有用な光モジュールの組立方法およびかかる組立方法を用いた組立装置を提供することを概括的目的とする。
本発明のより具体的な課題は、光モジュールと光ファイバとの間の光学的結合を効率的に実行する光モジュールの組立方法および組立装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を
請求項1に記載したように、
レンズを有する光モジュールを保持する保持手段と、前記保持手段に保持された光モジュール中の発光素子と受光素子とを前記レンズ越しに照明する照明手段と、前記保持手段に保持された光モジュール中の発光素子と受光素子の前記レンズ越しの像を取得する撮像手段と、前記照明手段および前記撮像手段を三軸方向に移動自在に担持する三軸ステージ手段と、前記撮像手段が取得した前記光モジュール中の前記発光素子と前記受光素子の像にもとづいてプリズムによる光路の反射・屈折を計算し、前記光モジュールに光学的に整合する光ファイバの位置を算出する画像処理手段とよりなり、光モジュールと光ファイバとを光学的に結合する光モジュール組立体の製造装置であって、
共通平面上に略正方形を形成するように配設された第1〜第4の回動軸と;
前記第1〜第4の回動軸を、一の軸の回動が他の軸に伝達されるように機械的に結合する力伝達手段と;
前記回動軸の一を駆動する駆動手段と;
前記第1〜第4の回動軸上にそれぞれ設けられ、各々対応する回動軸の回転運動を、前記平面上において前記回動軸に直交する方向の直線運動に変換する第1〜第4の変換手段と;
前記第1〜第4の変換手段上にそれぞれ担持され、出力光ビームを実質的に一点に集束されるように配設された第1〜第4のレーザ溶接機とよりなり、
前記第1〜第4の変換手段は、前記駆動手段の駆動に応じて前記第1〜第4のレーザ溶接機を、前記一点に対して同時に近接および離間させることを特徴とする光モジュール組立体の製造装置により、解決する。
本発明の特徴によれば、ターンテーブルに対して対向する第1および第2の位置に、光モジュールを構成するレーザダイオードやフォトダイオード等の光素子にレンズを結合する第1の組立位置と、組み立てられた光モジュール上に光ファイバを結合する第2の組立位置とを形成することにより、連続的な工程による、効率的な光モジュール組立体の組立が可能になる。
また本発明の特徴によれば、レンズと光素子とを溶接してLD組立体を形成する組立装置において、溶接時にレンズを保持するハンドに加わる反力が、ハンドに対して略点対称に配置した複数のリニアガイドにより支承され、各ステージの機械的変形が最小化され、安定した溶接が可能になる。
また本発明の特徴によれば、前記第2層のステージに第1および第2のモータを設けることにより、第1〜第3層のステージよりなるステージ機構の厚さが最小化され、溶接に使われるレーザビームを、前記第1〜第3のステージに形成した窓から、被溶接部に集束させることが容易に可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、好ましい実施例について詳細に説明する。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例による、光モジュール組立装置10の構成を示す図である。
図1を参照するに、光モジュール組立装置10は、レーザダイオード−レンズ組立体(以下LD組立体と称する)12を担持する第1のXYZステージ11と、前記LD組立体12に対向するように赤外線カメラ13を担持する第2のXYZステージ14とより構成され、LD組立体12は、チャック機構11aを介して、XYZステージ11上に回動自在に設けられたθステージ11b上に、光軸がステージ11bの回動軸に略一致するように保持される。一方、赤外線カメラ13は、チャック11a上に保持されたLD組立体12中のレーザダイオード12bの発光面をLD組立体12の一部を構成するレンズ12aを介して撮像する撮像光学系13aを有し、前記撮像光学系13aには、外部の赤外光源15から光ファイバ15aを介して供給される赤外照明光を、前記撮像光学系13aの光軸に平行に導入し、前記レーザダイオードの発光面を照明するハーフミラー13bが設けられている。
赤外線カメラ13の出力は画像処理装置16に送られ、レンズ12aを介して撮影したLD組立体12中のレーザダイオード12bの発光面の像が得られる。得られた発光面の像はさらにコンピュータ等の制御装置17に送られ、制御装置17は前記像にもとづいて、LD組立体12に結合される光ファイバ19の概略的な最適位置が求められる。XYZステージ14上には、前記撮像光学系に隣接して光ファイバ19が保持されており、制御装置17はステージ14を三軸コントローラ18を介して駆動し、光ファイバ19を前記概略的最適位置に移動させる。
この工程では、前記発光面のXおよびY座標のみならず、カメラ13の自動焦点合わせを行うことにより、発光面のZ座標までが求められる。かかる焦点合わせは発光面に対応する輝点と暗点のコントラストが最大になるように実行される。このようにして得られたX座標、Y座標およびZ座標の値は、前記概略的最適位置として記憶される。
さらに、LD組立体12中のレーザダイオード12bを駆動し、光ファイバ19の他端において前記発光面から出力される光ビームの強度を観測しながら前記ステージ14をX軸,Y軸およびZ軸のそれぞれについて微調整し、光ファイバ19とLD組立体12とを最大の結合効率が得られる状態で固定し、溶接する。溶接工程の詳細は別の実施例において説明する。
図1の構成において、赤外光源15は、レーザダイオード12bが出力する波長と実質的に同一波長の赤外線を照明光として出力する。その結果、撮像光学系13aがLD組立体12中のレンズ12aを介して撮影した像にもとづいて求められた前記概略的最適位置は、そのまま、特別な補正を施すことなく光ファイバ19の概略的最適位置として使うことができる。
また、図1の構成において、赤外光源のかわりに可視波長の単色光源を用いることもできる。かかる可視光により照明することにより、レーザダイオード12bの発光面の明瞭な像を、赤外光がレーザダイオード12に吸収されるような場合にも、容易に取得することが可能になる。ただし、この場合、得られた概略的最適位置は、照明に使った波長が実際に使われる波長と異なるため、レンズ12aの色収差に起因して、光ファイバ19の概略的最適位置とは一般に異なっている。このため、可視波長の単色光源を光源15として用いる場合には、かかる波長の違いに起因して生じる最適位置のシフトが制御装置17で計算され、その結果にもとづいてステージ14は、光ファイバ19を、かかる補正された概略的最適位置へ移動させる。
図1の構成では、カメラ13で撮影した像は標準的には640×480程度の解像度を有する。このため、撮像光学系13aの倍率を適当に設定して1画素当たりの分解能を1μmに設定すると、得られた画像がカバーする範囲は約0.64mm×0.48mmとなる。すなわち、カメラ13の認識範囲は光ファイバのコア径に比べて実質的に大きく、またレンズ越しにLD組立体の位置認識を1sec以下の精度で行うことが可能である。その結果、カメラ13で得られた像にもとづいて、光ファイバ19の位置を最適位置に対して5μm以内に位置決めでき、効率的な光モジュールの組立が可能になる。
図2は図1の構成の一変形例を示す。ただし、図2中、図1で説明した部分に対応する部分は同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図2の構成では、光源15が省略される。すなわち、図2の構成では駆動電源15'によりレーザダイオード12bを駆動して発光面からレーザビームを出射させ、これをカメラ13でレンズ12a越しに撮影する。従って、前記概略的最適位置は、このようにしてカメラ13で撮影された像にもとづいて求められる。

[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を説明する。
図3は、本発明の第2実施例の対象となるLD素子(12b〜12f)とレンズ(12a,12g)と光ファイバ19との間の理想的な光学的結合状態を示す。
図3を参照するに、LD素子は基板12eおよびケース12fを有し、レーザダイオード12bを、基板12eから延在するアーム12c上に保持し、さらに基板12e上にはフォトダイオード12dをも有する。レンズは、レンズ12aとケース12gからなる。LD素子とレンズの調整により、レーザダイオード12bはレンズ12aの光軸Oから少しずれた位置に保持され、光軸Oに平行に光ビームを発射する。
一方、光ファイバ9は、そのコア9aが前記レンズ12aの光軸Oに対してオフセットするように配置され、前記LD組立体12に面する端面にプリズム19Aを担持する。プリズム19Aは対向する一対の面上にハーフミラー19bと全反射ミラー19cとを担持し、レーザダイオード12bから光軸Oに平行に出射した光は全反射ミラー19cで反射した後ハーフミラー19bでさらに反射する。反射された光は光ファイバのコア19aに入射する。
また、光ファイバ19のコア19aから出射した光ビームはハーフミラー19bを通過し、レンズ12aで屈曲された後、フォトダイオード12dに入射する。
かかる構成の光モジュールを組み立てる場合には、図4に示すように、レーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dを担持する基板12eとレンズ12aとの間の整合、および基板12eとレンズ12aとよりなるLD組立体12と、端面にプリズムを担持した光ファイバ19との間の整合を実現することが必要になる。特に、かかる構成においては、基板12eの光軸(すなわちZ軸)回りの回転およびプリズム19Aの光軸回りの回転の2軸、レンズ12aのX−Y面内での並進の2軸、さらにプリズム19A、従って光ファイバ19のX−Y−Z空間での並進の3軸、すなわち合計7軸に対する調整が必要になる。ただし、レンズ12aはレンズケース12gとケース12fを介して基板12eと係合しているため、レンズ12aと基板12eとの間のZ軸方向への自由度は存在しない。
従来は、かかる光学系の調整を、レーザダイオード12bから出射する光ビームを光ファイバ19の他端で観測しながら行ってきたが、このような方法だと、前記7軸について同時に最適化する必要があるため、調整に非常に時間を要していた。また、そもそも、調整以前の問題として、レーザダイオード12bから出射する光ビームを光ファイバ19のコア19aに導入することが困難であった。
以下、かかる整合を実現する本発明の第2実施例によるプロセスを説明する。以下のプロセスは、後ほど図10で説明する組立装置により実行するが、図10の組立装置は図1の組立装置と大略類似した構成を有する。
最初は素子の回転調整である。
まず、図5に示すように、レーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dを照明光で照明し、カメラ13で撮影された画像からレーザダイオード12bの発光点A(x1 .y1 ,z1 )とフォトダイオード12Dの受光中心B(x2 ,y2 ,z2 )を求める。そして、その座標にもとづいて基板12eをZ軸回りに回転し、レーザダイオード12bの発光点A(座標:x1 ,y1 ,z1 )およびフォトダイオード12dの中心点B(座標:x2 ,y2 ,z2 )をX平面上に乗せる(y1 =y2 となるように回転する)。その結果、発光点Aおよび受光中心点Bは同一XZ面上に乗る。
次は、レンズのY位置微調整である。
図6(A),(B)の工程において、赤外線カメラ13により、レンズ12a越しに見た前記レーザダイオード12bの像を撮影し、レンズ12a越しに見たレーザダイオード12bの像の位置C(座標:x3 ,y3 ,z3 )を求める。ただし、図6(A)はXZ面に沿った断面図,図6(B)はYZ面に沿った断面図である。そして、図7のようにレーザダイオードの位置a(x1 ,y1 ,z1 )とレーザダイオードの像の位置C(x3 ,y3 ,z3 )のx,yが一致するように(x1 =x3 ,y1 =y3 )、レンズ12aの位置を調整する。
この調整と、先の回転調整により、レーザダイオード、フォトダイオード、連巣中心、レーザダイオードの像のy位置は全て一致し、この5つが同一XZ平面上にあることになる。この調整の後のレンズのx方向の移動は、レーザダイオードの像、フォトダイオードの像のy位置に影響せず、y位置は変化しない。そのために、レンズのX方向の位置調整とY方向の位置調整とは独立に行える。
最後はレンズのX位置微調整である。
次に、図7の工程で、レンズ12aをXY面内で矢印の方向Xに距離δだけ移動させ、レンズ12a越しに見たレーザダイオード12bの像12b'の位置D(座標:x4 、y4 ,z4 )およびフォトダイオード12dの像12d'の位置E(座標:x5 ,y5 ,z5 )をカメラ13で撮影された画像から求める。その際、照明は、通常赤外光源15、照明系光ファイバ15a、ビームスプリッタ13bによりつくられる同軸照明(カメラの光軸と同軸)が使われる。ただし、フォトダイオードはレンズ光軸から離れており、レンズを通した同軸照明が届かない場合がある。この場合は、斜め照明15aや後述の照明用のマスク(15a)が照明に用いられる。
次に、図8の工程において、プリズム19Aを想定して、前記位置DおよびEより、レーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dのプリズムを想定した結像12b"の位置F(座標:x6 ,y6 ,z7 )および12d"の位置G(座標:x7 ,y7 ,z7 )を、幾何光学的に計算する。そして、プリズムを想定した位置F(x6 ,y6 ,z6 ),G(x7 ,y7 ,z7 )の位置が一致するように(x6 =x7 ,y6 =y7 ),レンズ12aのX方向移動距離δを調整する。
図9(A)は、レーザダイオードの像12b'の位置P1 (x1 ,y1 ,z1 )から、レーザダイオード12bのプリズムを想定した結像12b"の位置P5 (x5 ,z5 )を求める計算を説明する図である。ただし、図9(A)はXZ面内におけるレーザダイオード12bから出射した光ビームの光路変換の様子を示している。Y座標は全ての点で同一なので省略した。
図9(A)を参照するに、プリズム19Aは屈折率nおよび長さdを有し、Z軸に対して角度θだけ傾いて設けられる。すると、レーザダイオード12bから出射しXZ面内でZ軸に対して角度θ1 で入射する光ビームについて、プリズム19A内における光線長l1 に対して次の関係式が成立する。
sin(θ1 +θ)=n×sinθ3
∴ θ3 =sin−1(sin(θ1 +θ)/n)
l1 ×cosθ3 =d
∴ l1 =d/cosθ3
ただし、角度θ1 の値は、プリズムを想定した結像位置P5 に影響しないので、例えば一般的値であるθ1 =4°を仮定する。影響しない理由は、物体とレンズ越しの物体の像の位置関係は1:1に対応しており、途中の光線の傾きによらないからである。
よって、レーザダイオード12bから出射した光ビームのプリズム19A内におけるZ軸方向への光路長lz2 が、
lz2 =(3×d×cos(θ3 −θ))/(n×cosθ3 )
となり、これからプリズム19Aとの交点P3 の座標(x3 ,y3 ),P4 の座標(x4 ,y4 ),およびプリズム19Aを介した前記光ビームの結像位置P5 の座標(x5 ,y5 )が、以下のように求まる。
x3 =x1 −lz2 ×tanθ
z3 =z1 −lz2
x4 =x3 −d×sinθ
z4 =z3 −d×sinθ
x5 =x4 +3×l1 ×sinθ3 ×cosθ
z5 =z4 +3×l1 ×sinθ3 ×sinθ
ただし、結像位置P5 は結像位置12b"に対応する。
一方、フォトダイオード12dのプリズムを想定した結像12d"の位置P7 については、以下のように求められる。
プリズム19Aを除外した場合のフォトダイオード像12d'の位置をP2 (座標:x2 ,z2 )とすると、プリズム19Aからフォトダイオード12dに向かってZ軸に対してθ2 の角度で出射する光ビームについて、図9(B)よりわかるように、関係
sin(θ2 +θ)=n×sinθ4
∴ θ4 =sin−1(sin(θ2 +θ)/n)
l3 ×cosθ4 =d
∴ l3 =d/cosθ4
が成立する。
ただし、角度θ2 の値はプリズムを想定した結像位置P7 に影響しないので、例えば一般的な値θ2 =4°を仮定する。影響しない理由は、物体とレンズ越しの物体の像の位置関係は1:1に対応しており、途中の光線の傾きによらないからである。上式でθ2 とプリズム角度θが決まるとθ4 が求められる。
従って、プリズム19A内における前記光ビームについてZ軸方向への光路長が、
lz3 =(d×cos(θ4 −θ))/(n×cosθ3 )
と求まり、光路長lz3 より、前記光ビームの出射点P6 の座標およびかかる光ビームのプリズム19Aへの入射点P7 の座標が、
x6 =x2 −lz3 ×tanθ2
z6 =z2 −lz3
x7 =x6 +l3 ×sin(θ4 −θ)
z7 =z6 +l3 ×cos(θ4 −θ)
により求まる。ただし、x2 ,z2 はレンズ越しフォトダイオード像12d'のX座標およびY座標の値である。また、点P7 は図8の結像位置12d"に対応する。
さらに、レンズ12aを、前記プリズム19Aを想定した点P5 およびP7 が光ファイバ19のコア端面を想定した所定位置に一致するようにX軸方向にさらに調整することにより、LD素子(12b〜12f)とレンズ(12a,12g)間の調整が完了する。
以上でレンズ調整を終了し、素子とレンズ間を溶接等で接続し、LD組立体12が作成される。
次が、LD組立体12とファイバ19間の調整である。
この工程では、上記の状態でレーザダイオード12bを駆動し、光ファイバの反対側端面において観測される光ビーム強度が最大になるように光ファイバ19aを微調整し、最適な光学的結合がられ得る。
図10は、本実施例において使われる光モジュールの組立装置を示す。図10中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図10の組立装置では、XYZステージ11が、ステージコントローラ11Aを介して制御装置17により制御され、ステージ11上にはθステージ11bおよびジンバルを構成するチャック11aを介して、レーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dを担持する基板12eが保持される。
本実施例では、レンズ12aはレーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dとは別に、ステージコントローラ20Aを介してコントローラ17により駆動されるXYステージ20上に、XY面内で移動自在に保持される。すなわち、本実施例では、レーザダイオード12bおよびフォトダイオード12dに対するレンズ12aの光学的整合と、レーザダイオード12b,フォトダイオード12dおよびレンズ12aを一体化した光モジュール12に対するプリズム19Aを担持した光ファイバ19の光学的整合とが、別々に実行される。
図11は図10の組立装置を使って先に説明した組立工程を実行する際のフローチャートを示す。
図11を参照するに、組立工程は、大まかにはLD素子基板12eとレンズ12aとをそれぞれのステージにセットするステップ1と、基板12eとレンズ12aの傾きを合わせるステップ2と、基板12eの光軸回り回転角を調整するステップ3と、レンズ12a位置を粗調整するステップ4と、レンズ12aのY軸方向位置を微調整するステップ5と、さらにレンズ12aのX軸方向位置を微調整するステップ6と、素子ケース12fとレンズケース12gとを溶接すステップ7と、ファイバ19を所定位置に移動するステップ8と、ファイバ19を測定光量が最大になるように位置調整するステップ9と、LD組立体12とファイバ19を溶接するステップ10とよりなり、ステップ1は素子基板12eをステージ11のチャック11a上にセットするサブステップ11と、レンズ12aをステージ20のチャック上にセットするサブステップ12とよりなる。また、ステップ2は、チャック11aのジンバル支持機構を動かして素子基板12eとレンズ12aの傾き角を整合させるサブステップ21と、整合した状態でレンズ12aと素子基板12eの一部を構成するケース12fとを衝合させ、この状態で全体の傾き角を所定角に合わせるサブステップ22と、基板12eを保持するチャック機構11aのジンバルを、整合状態で固定するサブステップ23とよりなる。さらに、ステップ3の工程は、実際には、レンズ12aをいったん視覚認識領域外へ退避させるサブステップ31と、レンズ12aを除外した状態で赤外線カメラ13を使ってレーザダイオード12bに対して自動焦点合わせを実行し、図5に示した点Aの座標(x1 ,y1 ,z1 )を求めるサブステップ32と、同じくレンズ12aを除外した状態で赤外線カメラ13を使ってフォトダイオード12dに対して自動焦点合わせを実行し、図5に示した点Bの座標(x2 ,y2 ,z2 )を求めるサブステップ33と、前記点Aと点Bを結ぶ仮想的な線分がXZ面に平行になるまで素子基板12eを回転させるサブステップ34と、回転後の点Aと点Bの位置を認識するサブステップ35とよりなる。
さらに、ステップ4の工程は、レンズ12aを再び基板12e上の視覚認識領域内に移動させるサブステップ41と、赤外線カメラ13による自動焦点合わせにより、レンズ12aの枠を認識してレンズ位置を取得するサブステップ42と、取得されたレンズ位置にもとづいてステージ20を駆動してレンズ12aの位置をXY面内において概略的に整合させるサブステージ43とよりなり、さらにステップ5の工程は、レンズ12a越しに見たレーザダイオード12bの像12b'を赤外線カメラ13で撮影し、自動焦点合わせを実行することにより位置Cの座標(x3 ,y3 ,z3 )を求めるサブステップ51と、レンズ12aのY軸方向の位置を微調整するサブステップ52とよりなる。
また、ステップ6の工程は、図7に示したように、レンズ12aをプリズム19Aを想定した設計上の最適位置までX軸方向に移動させ、この状態で赤外線カメラ13によりレンズ12a越しにレーザダイオード12bの像12b'を自動焦点合わせにより撮影し、像12b'の位置Dの座標(x4 ,y4 ,z4 )を求め、さらにこれにもとづいてプリズム19Aを挿入した状態での像12b"の位置Fの座標(x6 ,y6 ,z6 )を求めるサブステップ61と、カメラ13によりレンズ12a越しにフォトダイオード12dの像12d'を自動焦点合わせにより撮影し、像12d'の位置Eの座標(x5 ,y5 ,z5 )を求めるサブステップ62と、前記位置Eの座標(x5 ,y5 ,z5 )にもとづいて、プリズム19Aを設けた場合の像12d"の位置Gの座標(x7 ,y7 ,z7 )を計算するサブステップ63と、計算された位置FおよびGの座標にもとづいて、位置FおよびGのX座標の値が一致するように、ステージ20を駆動してレンズ12aの位置をX軸方向に微調整するサブステージ64とよりなる。ただし、位置Fは図9(A)の位置P5 に、また位置Gは図9(B)のP7 に対応する。
かかる図11に示した調整の結果、図12に示すように位置Fと位置Gとが、一致する。さらにステップ7の工程は、YAG溶接51で素子ケース12fとレンズケース12gを溶接し、LD組立体12を作成する。さらに、ステップ8の工程では、位置F(Gも同じ)に光ファイバのコア端面を位置決めすることにより、光モジュールを構成するレーザダイオード12bあるいはフォトダイオード12dと光ファイバとの間に高い効率の光結合が達成される。さらに、ステップ9の工程では、レーザダイオード12Bに電流を流して発光させるサブステップ91と、この状態で、光ファイバ他端においてレーザダイオード12bから出射する光ビームを観測しながらファイバ位置の微調整を行うサブステップ92により、光結合を理想的に最適化する。さらに、ステップ10の工程で、光結合が理想的な状態で、LD組立体12と光ファイバ19とを、YAG溶接51により、固定する。
先にも説明したように、かかる工程では、レーザダイオード12b,フォトダイオード12dとレンズ12aとの光学的結合工程と、このようにして得られたLD組立体12と光ファイバ19との光学的結合工程とが別々に実行されるため、両結合工程を別々の装置で平行して行うことも可能であり、調整に要する時間を実質的に短縮することができる。

[第3実施例]
ところで、レンズ12a、プリズム19A、レーザダイオード12b、フォトダイオード12d、基板12eあるいはフォトダイオード12dを支持するアーム12cに工作精度等に起因する誤差がある場合、実際には位置Gが位置Fに対して光軸方向すなわちZ軸方向にずれ、第2実施例による最適化の結果、図12の状態のかわりに図13の状態が生じることがある。このように位置Gと位置FとがZ軸方向にずれると、一般に位置GとFのX座標もずれてしまい、プリズム19Aに接続された光ファイバ19と光モジュールとの間の光の結合損失が増大してしまう。
そこで、本実施例では、このような光結合損失を軽減する方法について説明する。
図14(A)に示すLD組立体12と光ファイバ19とよりなる光モジュールにおいて、実際の像14b"の位置G'の座標(x7 ',y7 ',z7 ')が、計算された位置Gの座標(x7 ,y7 ,z7 )に対してZ軸方向に距離Δzだけずれていたとすると、先に説明した屈折角の関係式
sin(θ2 +θ)=n×sinθ
および図14(B)より、位置G'はX軸方向にも、式
Δx=Δz×tanθ2
で得られる距離Δxだけずれる。ただし、nはプリズム19Aの屈折率、θは先にも定義したようにプリズム19Aの傾き角である。そこで、このようにして求められたθ2 ,Δx,Δyを使うと、実際の像14d"の位置は、式
x7 '=x7 +Δx
y7 '=y7
z7 '=z7 +Δz
で求められる。従って、本実施例では、このようにして求められた、Z軸方向のずれに伴うX軸方向のずれを勘案しながら、レンズ12aの位置を、レーザダイオードの像12b"の位置Fとフォトダイオードの像12d"の位置Gとが、X軸およびZ軸方向において一致するように調整する。
より具体的には、まず位置Fと位置GのZ軸方向のずれが、式
Δz =z7 −z6
によって求められ、これから補正したフォトダイオード位置G'の座標が、式
x7 '=x7 +(Δz×tanθ2 )
y7 '=y7
z7 '=z7 +Δz
により求められる。
次に、補正したフォトダイオードの集光位置G'とレーザダイオードの集光位置FのX軸方向へのずれが、式
Δx=x6 −x7 '
によって求められ、この値がゼロになるように、レンズ12aをX軸方向に移動させる。レンズ移動後、前記手順を繰り返し、ずれΔxがゼロになる位置にレンズ12aを固定する。
本実施例によれば、レンズ12a、レーザダイオード12b、フォトダイオード12d等に工作精度に起因する誤差があっても、最適な光結合を、短時間に達成することができる。
次に、カメラ13を使った撮像工程において、照明に、実際にレーザダイオード12bが発生しまたフォトダイオード12dが検出する赤外波長の光ではなく、可視波長の単色光を使った場合の、本実施例による光モジュールの組立方法について図16を参照しながら説明する。ただし、以下の説明は、可視光を照明に使ったことに起因する特有の構成の変更に限定し、先に説明した部分と重複する部分の説明は省略する。
図16を参照するに、レンズ12aはレーザダイオード12bの波長の赤外光に対して焦点距離f1 を、可視光に対して焦点距離f2 を有し、座標(x8 ,y8 ,z8 )で表される位置に中心位置Hを有する。中心位置Hはレーザダイオード12bの発光面からZ軸方向に距離a2 だけ離間しており、レンズ12aはレーザダイオード12bから出射する赤外波長の光ビームを、位置Hから距離b1 離れた位置Dに集束する。これに対し、レーザダイオード12bが仮に可視波長の光ビームを出力したとすると、かかる光ビームは位置Hから距離b2 (b2 <b1 )離れた位置D'に集束する。
かかる構成では、可視光照明の下でカメラ13が撮影した像から求められるレーザビームの結像位置はD'であり、従って位置D'の座標(x4 ',y4 ',z4 ')を位置Dの座標(x4 ,y4 ,z4 )に変換・補正する必要がある。このうち、図16の関係は同一のY平面上において成立しているため、X軸方向およびZ軸方向についてのみ補正すればよい。
図16より、次の関係が成立することがわかる。
a2 =|z1 −z8 |
b2 =|z4 '−z8 |
b1 =|z4 −z8 |
(1/a2 )+(1/b2 )=1/f2
(1/a2 )+(1/b1 )=1/f1
b1 /a2 =|x4 −x8 |/|x1 −x8 |
ここで、レンズ位置HのXZ面内の座標(x8 ,z8 )、および可視光照明により求めたレーザダイオードの像位置D'のXZ面内の座標(x4 ',z4 ')の値は既知であるので、上記関係式より赤外光照明を行った場合の像位置Dの座標(x4 ,z4 )が求められる。
その他のプロセスは先に説明したのと同様である。
先に図15で説明した補正計算の際には、プリズム19Aの傾き角θは既に求められていると仮定したが、実際の傾き角θを求めることも可能である。
図17を参照するに、光ファイバ19の前記プリズム19Aを担持する側とは反対側から光ビームを注入すると、注入された光ビームはコア19aから出射してハーフミラー19bで反射され、さらに全反射ミラー19cで反射されてプリズム19Aから出射する。従って、プリズム19Aの出射端側から見ると、ハーフミラー19bを通過した光ビームによる光点と、全反射ミラー19cで反射した光ビームによる光点の二つの点が、相互に距離ΔLだけ離れて観測される。ここで、プリズム19Aの厚さをdとすると、前記距離ΔLは
ΔL=2×d×cos2 θ
により与えられるため、距離ΔLを測定することにより、正しい傾き角θを求めることができる。

[第4実施例]
図1あるいは図10の構成においてカメラ13の撮像光学系13aに組み込まれる照明光学系は、一般にビームスプリッタ13bを含み、光源15で生成され、光ファイバ15aを伝送され先端のレンズ(15a)1 から出射した光ビームを、レンズ(13a)1 とレンズ(13a)2 とよりなる撮像光学系13a中に挿入されたビームスプリッタ13bにより撮像光学系13aの光軸に平行に偏向し、LD組立体12を照明する。
かかる構成においては、ビームスプリッタ13bで偏向された照明光が、レンズ(13a)2 で反射されるため、カメラ13でLD組立体12の像を撮影した場合、像の中央部に反射光によるハレーションが生じ、明瞭な像の撮影が困難になる。このようなハレーションの問題を回避するため、図1あるいは図10の組立装置では、図18に示すように、前記同軸照明系15の他に、図10で説明したような斜め照明光源15A、あるいはLD組立体12の中心部を避けて照明するリング照明光源15Bが使われている。
これに対し、図19は、本実施例による、簡略化した照明系の構成を示す。
図19を参照するに、光ファイバ15aの先端に設けられたレンズ(15a)1 を出射した光ビームは、第1の偏光面を有する第1の偏光子(15a)3 を通過した後マスク(15a)2 で整形され、照明光のうち、レンズ(13a)2 の光軸付近を通過する部分がカットされる。さらに、LD組立体12で反射した照明光は、レンズ(13a)2 およびレンズ(13a)1 を順次通過した後、前記第1の偏光面に直交する第2の偏光面を有する第2の偏光子(15a)4 を通過した後カメラ13に入射する。
図20は、前記マスク(15a)2 の一例を示す。図20の例では、マスク(15a)2 は、撮像光学系13aの光軸に対応する光ファイバ15aの光軸を外した位置に窓が形成され、レンズ(13a)2 の光軸付近を通過する照明光を遮断する。その結果、レンズ(13a)2 による照明光の反射に起因するハレーションの問題が解消する。
図21は、前記マスク(15a)2 の別の一例を示す。図21の例では、マスク(15a)2 は、撮像光学系13の光軸を外した位置に形成された一対のスリットを含み、前記LD組立体12を、レンズ(13a)2 中心部およびレンズ12aの中心部を避けて照明する。
図22(A),(B)は、図18の従来の照明光学系を使って撮影したレーザダイオード12bの像12b'と、図21の照明光学系を使って撮影したレーザダイオード12bの像12b'とを、それぞれ比較して示す図である。
図22(A)を参照するに、従来の照明光学系を使って照明した場合には、像全体がレンズ(13a)2 あるいはレンズ12aの反射光によるハレーションを受け、像12b'の認識は困難である。本発明では、像12b'に対する焦点合わせにより、像12b'の位置DのZ座標を求めるため、かかるハレーションは、深刻な問題を生じる。かかる問題点を回避するため、本発明の第2あるいは第3実施例においては、斜め照明光源15Aを使っていた。
これに対し、図22(B)の場合には、反射光はレンズ(13a)2 の光軸を避けて生じるため、非常に高いコントラストで、明瞭なレーザダイオードの像12b'を得ることができる。
図23は、図21の構成に、さらに図19に概略的に示した偏光子(15a)3 および(15a)4 を設けた構成を示す。ただし、偏光子(15a)3 は矢印で示した偏光面を有し、一方偏光子(15a)4 は、別の矢印で示すように、前記偏光子(15a)3 の偏光面に直交する偏光面を有する。かかる構成により、図22(B)に示した反射光を実質的にカットすることが可能になる。
図24は、さらに別の、改良された照明系を示す。
図24の例では、光源15Aで生成され、レンズ(15a)1 を通って出射した照明光を偏光させるガルバノミラー(15a)5 が設けられ、照明光は、ガルバノミラー(15a)5 の動きに応じてLD組立体12を走査する。さらに、ガルバノミラー(15a)5 の動きに同期して、同期信号が画像処理装置16に送られ、カメラ13が出力する画像信号から、レンズ(13a)2 による反射光をカットする。
図25(A)〜(C)は、図24の装置を使って行う、カメラ13によるLD組立体12の像の取得の一例を示す。
図25(A)を参照するに、図24の装置ではレンズ(15a)1 として円筒レンズを使い、光源15で生成した照明光をライン状に変形する。さらに前記ガルバノミラー(15a)5 を駆動することにより、ライン状照明光により前記LD組立体12を走査する。
かかるライン状照明光による照明の結果、カメラ13が取得する画像にはレンズ(13a)2 からの反射光に起因するライン状の飽和領域が、図25(A)に示すように生じるが、図24の構成では、画像処理装置において、かかる飽和領域をカットし、様々な走査位置について得られた画像を図25(B)に示すように重ね合わせることにより、図25(C)に示す明瞭な像を得る。
図26(A)〜(C)は、図27の装置を使って行う、カメラ13によるLD組立体12の像の取得の別の例を示す。
図26(A)を参照するに、図24の装置では、前記ガルバノミラー(15a)5 は、照明光を、前記LD組立体12の第1〜第4象限の各々を照明するように順次偏向し、前記画像処理装置16では、かかる照明の結果生じた飽和領域を、図26(B)に示すようにカットする。さらにこのようにして得られた第1〜第4象限の画像を重ね合わせることにより、図26(C)に示す画像が合成される。
図25(B)あるいは図26(B)における、飽和領域をカメラ13の画像から除去する工程は、画像処理装置16で行う代わりに、図27に示すように、図25の構成においてカメラ13の前に遮光マスク(15a)6 を設け、遮光マスク(15a)6 のパターンを前記ガルバノミラー(15a)5 の動きに同期した同期信号により、一のパターンから他のパターンへと切替えることにより実行してもよい。
さらに、図28に示すように、カメラ13としてCCDアレイをイメージセンサとして有するCCDカメラを使い、図29(A)に示すようにライン状の照明によりLD組立体12を走査し、これに同期してカメラ13のCCDアレイを線順次に走査し、LD組立体12の画像から1次元画像を、ライン状照明により飽和している部分を避けて切り出してもよい。かかる1次元画像を図29(B)に示すように信号処理部16において合成することにより、図29(C)に示す、ハレーションの無い出力画像を得ることができる。

[第5実施例]
次に、図1あるいは図10の組立装置において使われる、カメラ13の自動焦点合わせ方法について説明する。
図30は、図1あるいは図2の組立装置のうち、カメラ13の自動焦点合わせに関係する部分を示すブロック図である。
図30を参照するに、撮像光学系13aで撮影され画像処理部16で処理されたLD組立体12の像にもとづいて、コンピュータ等の演算装置17が焦点が合っているかどうか判定し、合っていない場合、ステージコントローラ18を駆動してステージ14を、焦点が合うようにZ軸方向に移動させる。
ところで、通常のビデオカメラ等の撮影装置では、焦点が合っているかどうかを、得られた像のシャープネスを評価することにより判定しているが、本発明が対象とするLD組立体においては、フォトダイオード12dは傾斜した状態で基板12e上に取り付けられており、このような場合には、いずれかの部分で必ず焦点が合っていることになる。しかも、本発明では、得られた合焦点位置にもとづいて、最適なLD組立体12と光ファイバ19との結合位置が求められるため、かかる焦点合わせを確実に、かつ迅速に実行する必要がある。
図31(A)〜(D)は、本実施例による撮像光学系13aの焦点合わせの原理を説明する図である。
図31(A)を参照するに、本実施例では、焦点合わせを行いたい特定の部分に対応した登録パターンを演算装置17に保持し、さらにカメラ13で撮影された像と前記登録パターンの間のパターンマッチングを、像と登録パターンの正規相関値を、ステージ14の様々なZ位置について計算することにより求め、最大の正規相関値を与えるZ位置をもって合焦点位置とする。
このような方法を使うと、図31(B)〜(D)に示す、LD組立体の面が傾斜している場合にも、図31(A)に示す登録パターンにもとづいて、図31(C)に示すように、所望の部分について確実に焦点合わせを行うことができる。ただし、図31(B)および図31(D)は、図31(C)の合焦点状態に対してそれぞれ異なった方向に焦点がずれている状態を示し、図31(B)の状態では×マークに焦点が合っており、一方図31(D)の状態ではリングマークに焦点が合っている。
図32(A),(B)は、実際のLD組立体12の焦点合わせに使う登録パターンの切り出しの例を示す。
図32(A)を参照するに、レーザダイオード12bあるいはフォトダイオード12dの発光点あるいは受光点を含む領域Rを切り出すと同時に、パターンマッチングにより求められた合焦点位置を確認するため、微分によるシャープネスの検出に適したエッジ位置E1 ,E2 が切り出され、図32(B)に示すように演算装置17に、それぞれの座標R(x,y),E1 (x,y)およびE2 (x,y)とともに記憶される。
パターンマッチングは、ステージコントローラ18を介してステージ14をZ軸方向に駆動しながら実行され、前記正規相関の最大値が求められる。
図33(A),(B)はこのような正規相関が最大になった状態の一例を示す。ただし、図33(A)よりわかるように、この状態では実際には合焦点になっておらず、図33(B)の正規相関値も単に極大値のうちの一つになっているに過ぎない。このような誤った合焦点状態の検出を回避するために、本実施例では、先に登録したエッジ位置E1 ,E2 において得られた像の微分係数が求められ、微分係数にもとづいて、像のシャープネスが最大になっているかどうかが判定される。図33(A),(B)の場合には像のシャープネスは低く、従って得られたZ位置は真の合焦点位置ではないと判定される。
これに対し、図33(C),(D)の場合には、領域Rでの正規相関値および領域E1 ,E2 における像のシャープネスのいずれもが最大となっており、正しい合焦点状態であることがわかる。
このように、本実施例によれば、カメラ13の正しい合焦点位置、およびそれにもとづくLD組立体12と光ファイバ19との間の最適光結合位置を、迅速、かつ確実に求めることができる。

[第6実施例]
ところで、図1あるいは図10の組立装置により光結合効率を最適化されたLD組立体12と光ファイバ19とは、前記最適位置において溶接・固定され、図34に示した光モジュールが完成する。
図34を参照するに、レンズ12aは枠12A中に保持され、レーザダイオード12bあるいはフォトダイオード12d(図示せず)を囲むケース12f上に点W1 において溶接される。さらに、光ファイバ19は、プリズム19Aとともにファイバホルダ19B中に保持され、ファイバホルダ19Bは、前記レンズ枠12A上に、点W2 において溶接・固定される。また、ファイバホルダ19Bには、レンズ枠12Aに衝合する側と反対側に、別の光ファイバとの接続のためのソケット19Cが形成されている。
一般に、このような光モジュールの組立では、図35に示すように、溶接はZ軸回りの4方向から、YAGレーザによりレーザビームを照射して行うが、従来は、4個のYAGレーザをそれぞれのXYZステージ上に保持していたため、レーザビームの位置合わせが面倒になる問題点があった。ただし、図35において、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
しかし、図34に示す構成の光モジュールに溶接を行う場合には、YAGレーザの位置を図35の構成のように別々に調整する必要はなく、図36に概略的に示すように、半径がr1 の一つの共通の円O1 の円周上に乗る溶接点W11,W12,W13,W14について溶接を行い、さらに原点を移して半径がr2 の他の円O2 の円周上に乗る溶接点W21,W22,W23,W24について行えばよいことがわかる。
図37は、このような円周上に配列した点をYAGレーザにより溶接するための溶接機構の構成を示す。
図37を参照するに、溶接機構は、中心点Oを通る対称軸の回りにおいて互いに対称的な位置関係で配置され、中心をOとする円周上の点S1 〜S4 にレーザビームを照射するそれぞれ第1〜第4のYAGレーザ51〜54を含み、各々のYAGレーザ、例えばレーザ51は、前記対称軸に直交する平面上において前記中心点Oとレーザ51を結ぶ方向に直交して延在するシャフト51b上に、前記シャフト51bの回動運動を、前記中心点Oに対して前記平面上で近接・離間する直線運動に変換する直線運動変換機構を介して保持される。シャフト51bはその両端を軸受け(51b)1 ,(51b)2 により支持され、さらにその一端にはベベルギア51dが形成されている。さらに、YAGレーザ51は、中心点Oに向かって、バネ51aにより付勢される。
同様な構成が、YAGレーザ52,53,54についても形成され、このうち、レーザ52と協働するシャフト52bの一端に形成されたベベルギア52cは、前記シャフト51bのベベルギア51dと噛み合う。同様に、YAGレーザ53に協働するシャフト53bの一端に形成されたベベルギア53cは、前記シャフト52bの他方のベベルギア52dと噛み合う。さらに、YAGレーザ54に協働するシャフト54bの一端に形成されたベベルギア54cは、前記シャフト53bの他方のベベルギア53dと噛み合う。
シャフト54bの他端にはモータ55が結合されており、モータ55の駆動に応じてシャフト51b〜54bは一斉に回動し、YAGレーザ51〜54は前記中心点Oに対して近接・離間を行う。かかるYAGレーザ51〜54の近接・離間運動に伴い、前記点S1 〜S4 を含む円周の半径rが増大あるいは減少する。
従って、図37の溶接機構を図1あるいは図10の組立装置と組み合わせて使うことにより、モータ55を単に適宜回動させるだけで、任意の半径r上の点S1 〜S4 にレーザビームを照射し、効率的な溶接を行うことができる。
図38は図37の構成の側面図を示す。ただし、図38は図37の構成を図37の紙面上手前側から見た状態を示し、YAGレーザ51,53のみが示されているが、YAGレーザ52,54についても同様な構成が形成されている。
図38を参照するに、YAGレーザ51,53は共通のフレーム50上に担持され、それぞれリニアガイド51gおよび53gにより、前記中心点Oに対して近接・離間運動自在に保持されている。さらに、図示の例では、回動シャフト51bに対応して従動車51eが、また回動シャフト53bに対応して従動車53eが設けられ、YAGレーザ51はリニアガイド51gに沿って、シャフト51bと従動車51eとの間に設けられたベルト51fにより、シャフト51bの回動に応じて駆動される。同様に、YAGレーザ53は、リニアガイド53gに沿って、シャフト53bと従動車53eとの間に設けられたベルト53fにより、シャフト53bの回動に応じて駆動される。さらに、フレーム50はXYZステージ60上に担持され、図36に示すように、必要に応じて溶接の中心点Oを移動させる。
図38の構成を図1あるいは図10の構成と組み合わせて使うことにより、光モジュールの組立作業の効率を著しく向上させることができる。

[第7実施例]
次に、図1あるいは図10の組立装置と、図37あるいは38の溶接装置を組み合わせて、図34に示す光モジュールを効率的に生産する光モジュールの製造装置について説明する。
図39を参照するに、光モジュールの製造装置は、回転軸71a上に回動自在に設けられたターンテーブル71と、前記ターンテーブル71を中心に相互に対向する第1および第2の支柱72,73とを含み、前記支柱72上には、前記カメラ13に対応するカメラ72Bを保持するXYZステージ72Aと、YAGレーザ72Dを含む溶接機構を担持するXYZステージ72Cとが設けられ、前記XYZステージ72Cには、前記LD組立体12のケース12f、あるいはレンズ12aの枠12A、あるいはファイバホルダ19Bを保持するハンド72Eが設けられる。
同様に、前記支柱73上には、前記カメラ13に対応するカメラ73Bを保持するXYZステージ73Aと、YAGレーザ73Dを含む溶接機構を担持するXYZステージ73Cとが設けられ、前記XYZステージ73Cには、前記LD組立体12のケース12f、あるいはレンズ12aの枠12A、あるいはファイバホルダ19Bを保持するハンド73Eが設けられる。
さらに、前記ターンテーブル71に隣接して、レンズ12aを未装着の状態のLD組立体12と、枠12Aに保持されたレンズ12aと、光ファイバ19を保持するファイバホルダ19Aとを供給する部品供給パレット74と、完成した光モジュールを回収する完成品パレット75とが設けられ、前記ターンテーブル71上には、前記回転軸に対向する位置に、前記LD組立体12の半製品を保持するLD保持台71A,71Bと、前記保持台71A,71Bを結ぶ方向に直交する方向上に、前記回転軸に対して対向するように、前記レンズ枠12Aおよび前記ファイバホルダ19Aを保持する保持台71C,71Dが設けられる。ただし、レンズ枠12Aおよびファイバホルダ19Aは同一の外形を有し、保持台71C,71Dのいずれにおいても保持することができる。
図40(A)は保持台71A,71Bの構成を示す。
図40(A)を参照するに、保持台71A,71BはLD組立体半製品12のケース12fを保持するチャック(71A)1 と、バネにより上下移動自在に保持された面倣い板(71A)2 と、前記面倣い板(71A)2 を固定するクランプ部(71A)3 とよりなり、さらに保持されたLD組立体半製品12中のレーザダイオード12bをケーブル(71A)4 に接続しこれを駆動するための接点(71A)5 が形成されている。
一方、保持台71C,71Dは実質的に同一の構成を有し、図40(B)に示すようにレンズ枠12Aを、あるいは図41(C)に示すようにファイバホルダ13Aを保持する。
以下、図39の製造装置を使った光モジュールの製造工程を説明する。
図41(A)〜図44(J)を参照するに、図41(A)の工程でターンテーブル71上の保持台71Cに記号Fで示すファイバホルダ19Aを供給し、図41(B)の工程でターンテーブル71を時計回り方向に90°回転させ、保持台71Aに記号Dで示すLD組立体12の半製品を供給する。さらに図41(C)の工程でターンテーブル71を時計回り方向に90°回転させ、前記保持台71A上に保持されたLD組立体半製品Dの位置をカメラ72Bにより測定し、レンズ12aの最適位置を求める。また、この状態で、保持台71Dに記号Lで示すレンズ12を、枠12Aと共に供給する。
次に、図42(D)の工程でターンテーブル71をさらに時計回り方向に90°回転させ、この状態で保持台71Dからハンド72EによりレンズLをピックアップ、さらに保持台71Cからハンド73EによりファイバホルダFをピックアップする。さらに、図42(E)の工程でターンテーブル71を反時計回り方向に90°回転させ、保持台71A上のLD組立体半製品D上の最適位置において、前記レンズLを溶接・固定する。また、この状態で、保持台71D上にファイバホルダFが供給される。
次に、図43(F)の工程で、ターンテーブル71を反時計回り方向に180°回転させ、前記図42(E)の工程で形成され保持台71A上に保持されているLD組立体LDの位置をカメラ73Bで測定し、先に図42(D)の工程でハンド73Eに保持されていたファイバホルダFを、保持第71A上のLD組立体LD上に溶接・固定する。同時に、保持台71CにレンズLを供給する。さらに、保持台71B上に保持されているLD組立体半製品Dの位置を、カメラ72Bにより測定する。
次に、図43(G)の工程で、ターンテーブル71を時計回り方向に90°回転させ、保持台71Aから完成した光モジュールを取り出し、かわりに新しいLD組立体半製品Dを供給する。さらに保持台71CからレンズLをハンド72Eにより、また保持台71DからファイバホルダFをハンド73Eにより、ピックアップする。
さらに、図43(H)の工程で、ターンテーブル71を反時計回り方向に90°回転させ、前記保持台71Bに保持されているLD組立体半製品D上に前記ハンド72Eにより保持されているレンズLを溶接・固定する。同時に、空いている保持台71CにファイバホルダFを供給する。
次に、図44(I)の工程で、ターンテーブル71を時計回り方向に180°回転させ、保持台71B上に保持されているLD組立体LDの位置をカメラ73Bにより測定し、先に図43(G)の工程でハンド73EによりピックアップしていたファイバホルダFを、保持台71B上のLD組立体LD上に溶接・固定する。同時に、保持台71A上に保持されているLD組立体半製品Dの位置をカメラ72Bにより測定する。
さらに、図44(J)の工程で、ターンテーブル71を時計回り方向にさらに90°回転させ、保持台71Bから完成した光モジュールFLDを取り出し、かわりに新しいLD組立体半製品Dをセットする。さらに保持台71DからレンズLをハンド72Eにより、また保持台71CからファイバホルダFをハンド73Eによりピックアップし、図42(E)の工程に戻る。
以下、図42(E)〜図44(J)の工程を繰り返すことにより、連続して、効率的に、光モジュールを生産することができる。特に、本実施例の工程では、LD組立体12の半製品DとレンズLの結合の最適化、およびレンズを装着されたLD組立体12とファイバホルダ19Aの結合の最適化が別々に実行され、効率的な最適化が可能である。
図45は、図41(A)〜図44(J)に示した工程におけるターンテーブル71の回転軌跡を示す。
図45を参照するに、ターンテーブル71の回転角の範囲は270°以内に限定されており、360°を越える回転は生じない。このため、図40(A)に示すように、保持台71Aあるいは71Bにレーザダイオード12bを駆動するケーブルが接続されていても、これが断線する等の問題は生じない。
なお、請求項に記載した、光素子は、レーザダイオード等の発光素子のみならず、受光素子やプリズムあるいはレンズをも含む。

[第8実施例]
次に、図39の構成において、LD素子ケース12fとレンズ枠12Aとを光学的に整合した状態で溶接する機構を図46〜49を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する構成は、図39のターンテーブルを使った構成に限定されるものではなく、単独でも、また他の組立装置に付加して使用することも可能である。
図46を参照するに、溶接機構は、前記ターンテーブル71等の基台上にθ軸の回りに回動自在に形成され、LD素子ケース12fを保持する保持台71A,71Bの上部に構成されており、ネジ穴81aを有し基台(図示せず)に固定された第1層ステージ機構81と、前記第1層ステージ機構81上にX軸方向に移動自在に形成された第2層ステージ機構82と、前記第2層ステージ機構82上にY軸方向に移動自在に形成された第3層ステージ機構83とを含み、前記第3層ステージ機構83上には、さらに図46には図示していないZ軸方向に移動自在なZステージ84が設けられる。また、Zステージ84の下側にはレンズ枠12Aを保持するハンド72Eが形成され、ステージ機構81〜83には、それぞれの中央部に、ハンド72Eが進入する略円形の開口部81A〜83Aが、Z軸方向に略整列して形成される。
かかる溶接機構では、第2層および第3層のステージ機構82,83を駆動することにより、レンズ枠12Aの、LD素子ケース12f、従ってLD素子、に対する位置がX−Y面内で調整され、さらにZステージ84を駆動することにより、LD素子に対するレンズ枠12Aの距離が調整される。また、保持台71A,71Bをターンテーブル71上において回動させることにより、θ軸回りの調整がなされる。かかる調整は、先に説明したように、カメラ72Bを使って実行される。
さらに、図46の構成では、先に説明したYAGレーザ72Dとは別に、YAGレーザ91A〜91Dが設けられ、図34に示した溶接点W1 に、それぞれのレーザビーム91a〜91dを集束させる。レーザビーム91a〜91dを通過させるため、ステージ機構81〜83には、それぞれ光ビームの通路81B〜83Bが形成される。かかる溶接の結果、LD素子のケース12fとレンズ枠12Aとが結合される。
図47は、図46の溶接機構の平面図を示す。ただし、図46は、図47中の線X−X'に沿った断面図である。
図47を参照するに、最上層の第3層ステージ機構83上には、YAGレーザ91A〜91Dが配設され、ステージ機構83上にはレーザから出射する光ビーム91a〜91dの光路に対応して、窓83Bが形成されている。すなわち、四つの窓83Bの各々を通って、レーザ91A〜91Dから出射したレーザビームが、ステージ機構83を上側から下側に、斜めに通過する。
さらに、ステージ機構83上には、Zステージ84をZ軸方向にガイドするリニアガイド84B〜84Dが形成され、さらに、Zステージ84をZ軸方向に駆動する駆動機構85が形成されている。駆動機構85は、図47には図示されない駆動モータ85Aを含み、Zステージ84をZ軸方向に上下させる。図47は、さらにステージ機構83をX軸方向に駆動するモータ83M、およびステージ機構82をY軸方向に駆動するモータ82Mを示す。
図47よりわかるように、Zステージ84には、前記ハンド72Eに対応して開口部84Cが、略中央部に形成されており、かかる開口部84Cを介して前記ハンド72Eに保持されたLD素子ケース12fおよびLD素子12bが、先の実施例で説明した撮像光学系、例えばカメラ72Bに対して露出される。また、ハンド72E上には、異常な力がハンド72Eに加わった場合にこれを検知する力センサ72eが設けられ、これにより、ハンド72EとLD素子ケース12fとの間の係合の異常が検出される。開口部84Cは、ステージ83の中央開口部83Aに整合して形成されている。
図48は、第2層ステージ機構82の構成を示す平面図である。
図48を参照するに、ステージ機構82には、前記中央開口部83Aに整合して中央開口部82Aが形成されており、ハンド72Eを収納する。また、前記レーザビームの光路に対応して窓82Bが形成され、ステージ機構83の窓83Bを通過したレーザビームは窓82Bを通って、ステージ機構82を、上側から下側に、斜めに通過する。
ステージ機構82には、さらにモータ81Mおよび82Mが設けられ、このうちモータ81Mは、ステージ機構82の下側に設けられたカップリング81pおよび軸受け81qを介して、ステージ機構81の上側に固定されたボールナット機構81Nを駆動する。その結果、ステージ機構82は、ステージ機構81に対してX方向に駆動される。さらに、モータ82Mは、ステージ82機構の上側に設けられたカップリング82pおよび軸受け82qを介して、ステージ機構83の下側にボルト82nにより固定されたボールナット機構83Nを駆動する。その結果、ステージ機構83は、ステージ機構82に対してY軸方向に駆動される。
また、ステージ機構82の上側には、前記ハンド72E中のLD素子ケース12fに対して略点対称になるように、Y軸方向のリニアガイド82C〜82Fが設けられ、さらに下側には、前記素子ケース82fに対して同じく略点対称になるように、X軸方向のリニアガイド81C〜81Fが設けられる。かかる構成では、リニアガイド81C〜81F、82C〜82Fは、溶接がなされるケース12fの両側からステージ機構81,82を支持するため、溶接に際して膨張・収縮に伴う反力が生じても、機械的な変形が最小化され、安定した溶接が可能である。また、かかる構成では、モータ81M,82Mおよび協働する力伝達系81p,81qあるいは82p,82qが、同一のステージ機構82の上下面に設けられるため、各軸のステージ機構を単純に重ね合わせた場合より、ステージ81〜83の全体的な厚さが減少し、YAGレーザ91A〜91Dの焦点距離が限られている場合でも、溶接点W1 にレーザビームを集束させることが可能になる。
図48に示すように、ハンド72Eは、シリンダ72e'により駆動される可動錐部72eを有し、ケース12fは、可動錐部72eにより保持される。シリンダ72e'は、Zステージ84の下面に、ハンド72Eと共に取り付けられる。
図49は、図47,48の構成を、X軸方向から見た側面図である。ただし、保持台71A,71Bおよびレーザ91A〜91Dの図示は省略した。
図49を参照するに、Zステージ84は、ステージ機構83上において、リニアガイド84C,84Dおよび図示していないガイド84Bにより、上下自在に保持され、モータ85Aを含む駆動機構85により、上下に駆動される。また、Zステージ84中に形成された中央開口部84A中に納められた円錐形状のハンド72Eは、その下端にLD素子ケース12fを保持しており、さらに前記ハンド72中には、カメラ72Bの光学系を構成する対物レンズ13aが進入する。対物レンズ13aは、円錐形状の先端を有し、対応する円錐形状のハンド72E中に進入してLD素子の近接撮影を行うことが可能になる。
さらに、図46〜49の構成は、決して図39に示したターンテーブル71を使った特定の自動化組立工程に限定されるものではなく、他の自動化組立工程、あるいはLD素子ケース12fおよびレンズ12Aを手動で着脱する手動組立工程に対しても適用可能である。
また、以上に説明した実施例では、光ファイバ端面と光素子について、最も光結合効率が高い位置を探索しているが、本発明は、かかる最適位置の探索に限定されるものではなく、光結合効率がより低い非最適位置を探索するのにも適用可能である。かかる非最適位置の探索には、意図的に最適位置を避けた位置を探索する場合も含まれる。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は請求項に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
本発明の第1実施例による光モジュール組立体を組み立てる組立装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施例による光モジュール組立体を組み立てる別の組立装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施例による光モジュールの組立方法を説明する図である。 本発明の第2実施例による光モジュールの組立方法を説明する別の図である。 本発明の第2実施例による光モジュールの組立方法を説明する別の図である。 (A),(B)は本発明の第2実施例による光モジュールの組立工程の一を示す図である。 本発明の第2実施例による光モジュールの組立工程の一を示す別の図である。 本発明の第2実施例による光モジュールの組立工程の一を示す別の図である。 (A),(B)は本発明の第2実施例による光モジュールの組立工程における補正計算の例を示す図である。 本発明の第2実施例による組立工程を実行する組立装置の構成を示す図である。 図11の組立装置を使って実行する本発明の第2実施例による光モジュールの組立工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施例による達成される理想的な光結合状態を示す図である。 図12において、一般的に生じる光結合状態の補正の必要性を説明する図である。 本発明の第3実施例による補正計算を説明する図である。 本発明の第3実施例による補正計算を説明する別の図である。 本発明の第3実施例による波長補正計算を説明する図である。 本発明の第3実施例によるプリズムの傾き角を求める方法を説明する図である。 図1あるいは図10の組立装置で使われる照明光学系の構成を示す図である。 本発明の第4実施例による、照明光学系の構成を示す図である。 図19の照明光学系の具体的な構成の例を示す図である。 図19の照明光学系の具体的な構成の別の例を示す図である。 (A),(B)は図19の照明光学系と図21の照明光学系で得られた像をそれぞれ示す図である。 図22の構成にされに偏光板を挿入して反射光をカットする構成の照明光学系を示す図である。 図19の照明光学系のさらに別の例を示す図である。 (A)〜(C)は図19の照明光学系の動作例を説明する図である。 (A)〜(C)は図19の照明光学系の別の動作例を説明する図である。 図19の照明光学系のさらに別の構成を示す図である。 図19の照明光学系のさらに別の構成を示す図である。 図28の照明光学系の動作例を説明する図である。 図1あるいは図10の組立装置で使われる本発明の第5実施例による撮像光学系の構成を示す図である。 (A)〜(D)は登録パターンを使った本発明の第5実施例による自動焦点合わせ工程を説明する図である。 (A),(B)は登録パターンの切り出しの例を示す図である。 (A),(B)は、登録パターンの正規相関値を使った本発明の第5実施例による自動焦点合わせ工程を説明する図である。 完成し、溶接・固定された光モジュール組立体の構成を示す図である。 前記光モジュールを最適位置で溶接するための構成を示す図である。 本発明の第6実施例による光モジュール組立体の溶接機構の原理を説明する図である。 本発明の第6実施例による溶接機構の構成を示す図である。 本発明の第6実施例による溶接機構の構成を示す別の図である。 本発明の第7実施例による、光モジュール組立体の製造装置の構成を示す図である。 (A)〜(C)は図39の製造装置で各部品を保持するのに使われる保持台の構成を示す図である。 (A)〜(C)は図39の製造装置を使った光モジュール組立体の製造工程を示す図(その一)である。 (D),(E)は図39の製造装置を使った光モジュール組立体の製造工程を示す図(その二)である。 (F)〜(H)は図39の製造装置を使った光モジュール組立体の製造工程を示す図(その三)である。 (I),(J)は図39の製造装置を使った光モジュール組立体の製造工程を示す図(その四)である。 図39の製造装置におけるターンテーブルの回転軌跡を示す図である。 本発明の第8実施例による、光モジュール組立体の製造装置の概略的構成を示す図である。 図46の装置の一部を示す平面図である。 図46の装置の一部を示す平面図である。 図46の装置の側面図である。 従来の光モジュール組立装置の構成を示す図である。
符号の説明
1,12 光モジュール
1a ケース
2 レーザダイオード
3 レンズ
4 光ファイバ
5 フェルール
6 ファイバホルダ
7,11,14,20,60 XYZステージ
8,13 カメラ
9,15a 照明系光ファイバ
9a,13b ビームスプリッタ
10 組立装置
11A,18,20 三軸ステージコントローラ
11a チャック
11b θステージ
12A レンズ枠
12a レンズ
12b レーザダイオード
12c アーム
12d フォトダイオード
12e 基板
12f ケース
12g レンズケース
13a 撮像光学系
15 照明光源
15A 斜め照明
(15a)1 照明系レンズ
(15a)2 マスク
(15a)3 ,(15a)4 偏光板
(15a)5 ガルバノミラー
(15a)6 マスク切替機構
15' レーザダイオード駆動電源
16 画像処理装置
17 制御装置
19 光ファイバ
19a ファイバコア
19b ハーフミラー
19c 全反射ミラー
19A プリズム
19B ファイバホルダ
19C ソケット
50 フレーム
51〜54 YAGレーザ
51a〜54a バネ
51b〜54b シャフト
(51b)1 ,(51b)2 〜(54b)1 ,(54b)2 軸受け
51d,52c,52d〜54d ベベルギア
51f,53f 駆動ベルト
51g,53g リニアガイド
51e,53e 従動車
55モータ
71 ターンテーブル
71a 回転軸
71A〜71D 保持台
72,73 支柱
72A,73A,72C,73C XYZステージ
72B,73B カメラ
72D,73D YAGレーザ
72E,73E ハンド
72e ハンド可動部
72e' シリンダ
74 部品供給パレット
75 製品回収パレット
81,82,83 ステージ機構
81a 固定ねじ穴
81A,82A,83A 中央開口部
81B,82B,83B 窓
81C〜81F,82C〜82F リニアガイド
81M,82M モータ
81N,83N ボールナット機構
84 Zステージ
84B〜84C リニアガイド

Claims (1)

  1. レンズを有する光モジュールを保持する保持手段と、前記保持手段に保持された光モジュール中の発光素子と受光素子とを前記レンズ越しに照明する照明手段と、前記保持手段に保持された光モジュール中の発光素子と受光素子の前記レンズ越しの像を取得する撮像手段と、前記照明手段および前記撮像手段を三軸方向に移動自在に担持する三軸ステージ手段と、前記撮像手段が取得した前記光モジュール中の前記発光素子と前記受光素子の像にもとづいてプリズムによる光路の反射・屈折を計算し、前記光モジュールに光学的に整合する光ファイバの位置を算出する画像処理手段とよりなり、光モジュールと光ファイバとを光学的に結合する光モジュール組立体の製造装置であって、
    共通平面上に略正方形を形成するように配設された第1〜第4の回動軸と;
    前記第1〜第4の回動軸を、一の軸の回動が他の軸に伝達されるように機械的に結合する力伝達手段と;
    前記回動軸の一を駆動する駆動手段と;
    前記第1〜第4の回動軸上にそれぞれ設けられ、各々対応する回動軸の回転運動を、前記平面上において前記回動軸に直交する方向の直線運動に変換する第1〜第4の変換手段と;
    前記第1〜第4の変換手段上にそれぞれ担持され、出力光ビームを実質的に一点に集束されるように配設された第1〜第4のレーザ溶接機とよりなり、
    前記第1〜第4の変換手段は、前記駆動手段の駆動に応じて前記第1〜第4のレーザ溶接機を、前記一点に対して同時に近接および離間させることを特徴とする光モジュール組立体の製造装置。
JP2006094725A 1995-08-31 2006-03-30 光モジュール組立体の製造装置 Pending JP2006215577A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006094725A JP2006215577A (ja) 1995-08-31 2006-03-30 光モジュール組立体の製造装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22378195 1995-08-31
JP2006094725A JP2006215577A (ja) 1995-08-31 2006-03-30 光モジュール組立体の製造装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002263021A Division JP3905444B2 (ja) 1995-08-31 2002-09-09 光モジュール組立体の製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006215577A true JP2006215577A (ja) 2006-08-17

Family

ID=36978794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006094725A Pending JP2006215577A (ja) 1995-08-31 2006-03-30 光モジュール組立体の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006215577A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100451702C (zh) * 2007-01-26 2009-01-14 中国科学院上海光学精密机械研究所 粗芯光纤激光焊接器及焊接方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100451702C (zh) * 2007-01-26 2009-01-14 中国科学院上海光学精密机械研究所 粗芯光纤激光焊接器及焊接方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100273127B1 (ko) 광모듈조립체의 제조방법 및 제조장치
JP2622573B2 (ja) マーク検知装置及び方法
EP0640829B1 (en) Scanning probe microscope
JP3500850B2 (ja) リボン型光ファイバの突き合せ部を観察する方法及び観察装置
EP0237426A1 (fr) Procédé et système de positionnement relatif de deux fibres optiques en vue d&#39;établir entre elles une liaison optique
JP2005205429A (ja) レーザ加工機
JP3905444B2 (ja) 光モジュール組立体の製造装置
JP2006215577A (ja) 光モジュール組立体の製造装置
JP2006227635A (ja) 光モジュールの組立装置
JPH0961683A (ja) 光デバイス組立方法およびその装置
JP2008102014A (ja) 表面形状測定装置及び表面形状測定方法
JP3691361B2 (ja) 光素子モジュールの組み立て装置及び光軸調整方法
JP2019155402A (ja) レーザ光の芯出し方法及びレーザ加工装置
JP4190997B2 (ja) 光ファイバの融着接続装置と融着接続方法
JP2004233505A (ja) 面合せ装置及び面合せ方法
JP2005148466A (ja) 光ファイバのアライメント装置及びアライメント方法
JPH0882724A (ja) 光モジュール組み立て位置決め方法および光モジュール組み立て位置決め装置
JP2009014838A (ja) 走査型共焦点顕微鏡
WO2020090891A1 (ja) レーザ加工装置
JPH1054834A (ja) 走査型プローブ顕微鏡の測定方法
JP3250788B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2003279858A (ja) 光軸補正装置
JP3335837B2 (ja) 発光モジュール加工装置および発光モジュール加工方法
US20030019910A1 (en) Fiber alignment apparatus and process using cornercube offset tool
JP2005024579A (ja) 光伝送モジュールの接続方法および装置、および光導波路におけるコア位置検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070313