JP2006214995A - 振動センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が可能でありながら、同時に、従来よりも振動の検出感度を高めることができる振動センサを提供する。
【解決手段】振動センサ10は、固定部12に固定された一対のバイアス磁石14と、この一対のバイアス磁石14にそれぞれ片持ち支持された第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18と、これら第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に両持ち支持された慣性質量部20と、第1のピックアップコイル22と、第2のピックアップコイル24と、を含んで構成されている。そして、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、スリット16A(18A)によって複数の部位に区分けされ、第1の検出手段は、第1の超磁歪素子16における反固定面側の部位16Bに配設され、第2の検出手段は、第2の超磁歪素子18における固定面側の部位18Cに配設されている。
【選択図】図2
【解決手段】振動センサ10は、固定部12に固定された一対のバイアス磁石14と、この一対のバイアス磁石14にそれぞれ片持ち支持された第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18と、これら第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に両持ち支持された慣性質量部20と、第1のピックアップコイル22と、第2のピックアップコイル24と、を含んで構成されている。そして、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、スリット16A(18A)によって複数の部位に区分けされ、第1の検出手段は、第1の超磁歪素子16における反固定面側の部位16Bに配設され、第2の検出手段は、第2の超磁歪素子18における固定面側の部位18Cに配設されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁歪素子を用いた振動センサに関する。
従来、振動を検知可能な振動センサの一つとして、磁歪素子を用いた振動センサが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来公知の振動センサでは、慣性質量を固定した磁歪素子を用い、この磁歪素子の変形に基づく透磁率の変化を検出することによって振動を検出するのが一般的である。
しかしながら、このような従来公知の振動センサにおいて振動の検出感度を高めるためには、磁歪素子の径を細長い形状にしたり、慣性質量を大きくすることによって、磁歪素子の変形量を高める必要があり、小型化が困難になってしまうといった問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、小型化が可能でありながら、同時に、従来よりも振動の検出感度を高めることができる振動センサを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、小型化が可能でありながら、同時に、従来よりも振動の検出感度を高めることができる振動センサを見出した。
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
(1)固定部に固定された一対のバイアス磁石と、該一対のバイアス磁石にそれぞれ片持ち支持された第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子と、該第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子に両持ち支持された慣性質量部と、前記第1の磁歪素子の変形を該第1の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第1の検出手段と、前記第2の磁歪素子の変形を該第2の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第2の検出手段と、を含んでなり、前記第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子は、少なくとも1つのスリットによって複数の部位に区分けされ、前記第1の検出手段は、前記第1の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設され、前記第2の検出手段は、前記第2の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設されていることを特徴とする振動センサ。
(2)前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記固定部の固定面に対して略平行に形成された平行スリットによって反固定面側の部位と固定面側の部位の2つに区分けされ、前記第1の検出手段は、前記反固定面側の部位に配設され、前記第2の検出手段は、前記固定面側の部位に配設されていることを特徴とする前記(1)記載の振動センサ。
(3)前記固定面側の部位及び前記反固定面側の部位は、更に、前記固定部の固定面に対して略垂直に形成された垂直スリットによって第1の側と第2の側の部位の2つに区分けされ、前記第1の検出手段は、前記反固定面側における前記第1の側の部位に配設され、前記第2の検出手段は、前記固定面側における前記第2の側の部位に配設されていることを特徴とする前記(2)記載の振動センサ。
(4)前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記固定部の固定面に対して略平行に配設されていることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の振動センサ。
(5)前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記一対のバイアス磁石によって挟まれた状態で片持ち支持されていることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の振動センサ。
(6)前記各バイアス磁石を前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子の側に押圧するサポート部材を更に備えたことを特徴とする前記(5)記載の振動センサ。
(7)前記サポート部材は、前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子の長軸方向に予荷重を印加するための予荷重手段を兼ねていることを特徴とする前記(6)記載の振動センサ。
(8)前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、ピックアップコイルを含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記ピックアップコイルのインダクタンス変化として検出するように構成されていることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の振動センサ。
(9)前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、磁気抵抗効果素子を含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記磁気抵抗効果素子の起電力変化として検出するように構成されていることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の振動センサ。
(10)前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、ホール素子を含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記ホール素子の起電力変化として検出するように構成されていることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の振動センサ。
(11)前記磁歪部材として超磁歪素子を用いていることを特徴とする前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の振動センサ。
本発明に係る振動センサによれば、小型化が可能でありながら、同時に、従来よりも振動の検出感度を高めることができるという優れた効果を有する。
本発明に係る振動センサは、固定部に固定された一対のバイアス磁石と、該一対のバイアス磁石にそれぞれ片持ち支持された第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子と、該第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子に両持ち支持された慣性質量部と、前記第1の磁歪素子の変形を該第1の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第1の検出手段と、前記第2の磁歪素子の変形を該第2の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第2の検出手段と、を含んでなり、前記第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子は、少なくとも1つのスリットによって複数の部位に区分けされ、前記第1の検出手段は、前記第1の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設され、前記第2の検出手段は、前記第2の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設されていることによって、上記課題を解決したものである。
以下、図面を用いて、本発明の実施例1及び2に係る振動センサについて詳細に説明する。
まず最初に、図1〜図4を用いて、本発明の実施例1に係る振動センサ10について説明する。
図に示されるように、本実施例1に係る振動センサ10は、固定部12に固定された一対のバイアス磁石14と、この一対のバイアス磁石14にそれぞれ片持ち支持された第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18と、これら第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に両持ち支持された慣性質量部20と、第1の超磁歪素子16の変形を第1の超磁歪素子16の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第1のピックアップコイル(第1の検出手段)22と、第2の超磁歪素子16の変形を第2の超磁歪素子16の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第2のピックアップコイル(第2の検出手段)24と、を有して構成されている。
一対のバイアス磁石14は、例えばフェライト磁石によって構成され、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の長軸方向に所定の静的磁界(バイアス磁界)を印加するためのものである。又、各バイアス磁石14は、ボルト26及びナット28によって固定部12に固定されていると共に、各バイアス磁石14の慣性質量部20側の面には第1の超磁歪素子16又は第2の超磁歪素子18の長軸方向端部を収容可能な凹部が形成されており、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18を長軸方向両側から挟んだ状態で支持している。
第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に配設されていると共に、一対のバイアス磁石14によって挟まれた状態で片持ち支持されている。ここで、「超磁歪素子」とは、希土類元素および/または特定の遷移金属などを主成分(例えば、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Fe(鉄)、Sm(サマリウム))とする粉末焼結合金あるいは単結晶合金から作られた磁歪素子をいい、例えば、フェライト、アルフェロ、ニッケル、コバルトなども適用することができる。この(超)磁歪素子は、外部から応力を受けて変形すると大きな透磁率(又は残留磁化量)の変化を生じる特性を有しており、(超)磁歪素子が引張り力を受けて伸長すると透磁率が上がり、(超)磁歪素子が圧縮力を受けて縮小すると透磁率が下がる。
又、第1の超磁歪素子16は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に形成された平行スリット16Aによって反固定面側の部位16Bと固定面側の部位16Cの2つに区分けされている。一方、第2の超磁歪素子18も同様に、固定部12の固定面12Aに対して略平行に形成された平行スリット18Aによって反固定面側の部位18Bと固定面側の部位18Cの2つに区分けされている。
慣性質量部20は、振動センサ10に振動が加えられた時に、振動を第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に伝達するためのものである。
第1のピックアップコイル22は、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bに配設されている一方で、第2のピックアップコイル24は、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cに配設されている。
又、振動センサ10は、各バイアス磁石14を第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の側に押圧するサポート部材30を更に備えている。なお、このサポート部材30は、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の長軸方向に予荷重を印加するための予荷重手段としても機能している。
次に、本実施例1に係る振動センサ10の作用について説明する。
例えば、振動センサ10に図2の上下方向(Z方向)の振動が加えられると、慣性質量部20がZ方向に振動し、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18にそれぞれ変形が生じる。
より具体的には、慣性質量部20が定常位置から図2の上方向に移動した場合、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bには長軸方向の圧縮力が加えられ、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cには長軸方向の引張り力が加えられる。一方、慣性質量部20が定常位置から図2の下方向に移動した場合、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bには長軸方向の引張り力が加えられ、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cには長軸方向の圧縮力が加えられる。
即ち、慣性質量部20のZ方向の振動に伴って、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bと第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cにおける透磁率又は残留磁化量が変化する。従って、この透磁率又は残留磁化率の変化を、計測器36を用いて、第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の変化(第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の差)として検出することで、慣性質量部20に印加されるZ方向の振動の変化を検出することができる。
又、振動センサ10に図2の左右方向(Y方向)の振動が加えられると、慣性質量部20がY方向に振動し、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18にそれぞれ変形が生じる。
より具体的には、慣性質量部20が定常位置から図2の左方向に移動した場合、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bには長軸方向の圧縮力が加えられ、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cには長軸方向の引張り力が加えられる。一方、慣性質量部20が定常位置から図2の右方向に移動した場合、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bには長軸方向の引張り力が加えられ、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cには長軸方向の圧縮力が加えられる。
即ち、慣性質量部20のY方向の振動に伴って、第1の超磁歪素子16の反固定面側の部位16Bと、第2の超磁歪素子18の固定面側の部位18Cにおける透磁率又は残留磁化量が変化する。従って、この透磁率または残留磁化率の変化を、計測器36を用いて、第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の変化(第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の差)として検出することで、慣性質量部20に印加されるY方向の振動の変化を検出することができる。
本実施例1に係る振動センサ10によれば、固定部12に固定された一対のバイアス磁石14と、この一対のバイアス磁石14にそれぞれ片持ち支持された第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18と、これら第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に両持ち支持された慣性質量部20と、第1の超磁歪素子16の変形を第1の超磁歪素子16の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第1の検出手段(本実施例1では第1のピックアップコイル22)と、第2の超磁歪素子18の変形を第2の超磁歪素子18の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第2の検出手段(本実施例1では第2のピックアップコイル24)と、を含んでなり、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、スリット16A(18A)によって複数の部位に区分けされ、第1の検出手段は、第1の超磁歪素子16における反固定面側の部位16Bに配設され、第2の検出手段は、第2の超磁歪素子18における固定面側の部位18Cに配設されているため、(超)磁歪素子の強度を確保しつつ、(超)磁歪素子の変形量を増大させることができる。そのため、簡易な構造でありながら、従来よりも振動の検出感度を高めることができる。
特に、磁歪素子として超磁歪素子を用いているため、透磁率又は残留磁化量の変化を大きくすることができ、検出感度をより一層増大することができる。
又、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に形成された平行スリット16A(18A)によって反固定面側の部位16B(18B)と固定面側の部位16C(18C)の2つに区分けされ、第1の検出手段は、反固定面側の部位16Bに配設され、第2の検出手段は、固定面側の部位18Cに配設されているため、2方向の振動を検出することができる。
更に、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に配設されているため、装置の薄型化を図ることができる。
又、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18は、一対のバイアス磁石14によって挟まれた状態で片持ち支持されているため、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の取り付けや取り外しが容易で、メンテナンス性が高い。
更に、各バイアス磁石14を第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の側に押圧するサポート部材30を更に備えたため、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18をより確実に固定することができる。しかも、このサポート部材30は、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18の長軸方向に予荷重を印加するための予荷重手段を兼ねているため、予荷重を振動センサ10の諸元に合わせて調整すれば、振動検出の特性(直線性やヒステリシス特性)を最適設計することができる。
なお、本実施例1では、第1の検出手段として第1のピックアップコイル22を、又、第2の検出手段として第2のピックアップコイル24をそれぞれ適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
従って、例えば、図5に示されるように、第1の検出手段及び第2の検出手段として磁気抵抗効果素子32(又はホール素子34)を適用し、第1の超磁歪素子及び第2の超磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化を磁気抵抗効果素子32(又はホール素子34)の起電力変化として検出するようにしてもよい。
次に、図6〜図9を用いて、本発明の実施例2に係る振動センサ40について詳細に説明する。
本実施例2に係る振動センサ40は、上記実施例1に係る振動センサ10の第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に代えて、第1の超磁歪素子42及び第2の超磁歪素子44を備えたものである。なお、上記実施例1に係る振動センサ10と同一の部分については図中において同じ符号を付すと共に、その説明を省略する。
第1の超磁歪素子42は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に形成された平行スリット42Aによって反固定面側の部位42Bと固定面側の部位42Cの2つに区分けされている。更に、これら反固定面側の部位42Bと固定面側の部位42Cは、固定部12の固定面12Aに対して略垂直に形成された垂直スリット42Dによって第1の側の部位42B1(42C1)と第2の側の部位42B2(42C2)の2つに区分けされている。
同様に、第2の超磁歪素子44は、固定部12の固定面12Aに対して略平行に形成された平行スリット44Aによって反固定面側の部位44Bと固定面側の部位44Cの2つに区分けされている。更に、これら反固定面側の部位44Bと固定面側の部位44Cは、固定部12の固定面12Aに対して略垂直に形成された垂直スリット44Dによって第1の側の部位44B1(44C1)と第2の側の部位44B2(44C2)の2つに区分けされている。
そして、第1のピックアップコイル22は、第1の超磁歪素子42の反固定面側における第1の側の部位42B1に配設されている一方で、第2のピックアップコイル24は、第2の超磁歪素子44の固定面側における第2の側の部位44C2に配設されている。
次に、本実施例2に係る振動センサ10の作用について説明する。
例えば、振動センサ40に図6の上下方向(X方向)の振動が加えられると、慣性質量部20がX方向に振動し、第1の超磁歪素子42及び第2の超磁歪素子44にそれぞれ変形が生じる。
より具体的には、慣性質量部20が定常位置から図6の上方向に移動した場合、第1の超磁歪素子42の反固定面側における第1の側の部位42B1には長軸方向の引張り力が加えられ、第2の磁歪素子44の固定面側における第2の側の部位44C2には長軸方向の圧縮力が加えられる。一方、慣性質量部20が定常位置から図6の下方向に移動した場合、第1の磁歪素子42の反固定面側における第1の側の部位42B1には長軸方向の圧縮力が加えられ、第2の磁歪素子44の固定面側における第2の側の部位44C2には長軸方向の引張り力が加えられる。
即ち、慣性質量部20のX方向の振動に伴って、第1の超磁歪素子42の反固定面側における第1の側の部位42B1と、第2の超磁歪素子44の固定面側における第2の側の部位44C2における透磁率又は残留磁化量が変化する。従って、この透磁率または残留磁化率の変化を、計測器36を用いて、第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の変化(第1のピックアップコイル22及び第2のピックアップコイル24のインダクタンス値の差)として検出することで、慣性質量部20に印加されるX方向の振動の変化を検出することができる。なお、Y方向及びZ方向の振動の検出原理は上記実施例1に係る振動センサ10と同じである。
本実施例2に係る振動センサ40によれば、上記実施例1に係る振動センサ10の構成に加え、固定面側の部位42B(44B)及び反固定面側の部位42C(44C)は、更に、固定部12の固定面12Aに対して略垂直に形成された垂直スリット42D(44D)によって第1の側42B1及び42C1(44B1及び44C1)と第2の側の部位42B2及び42C2(44B2及び44C2)の2つに区分けされ、第1の検出手段は、反固定面側における第1の側の部位42B1に配設され、第2の検出手段は、固定面側における第2の側の部位(44C2)に配設されているため、3方向の振動を検出することが可能となる。
なお、本発明に係る振動センサは、上記実施例1及び2に係る振動センサ10及び40の構成に限定されるものではなく、例えば、振動センサの検出感度が十分に得られる場合には、超磁歪素子の代わりに磁歪素子を適用してもよい。
又、第1の超磁歪素子16及び第2の超磁歪素子18に形成するスリットの形状は、上記実施例1及び2に示した形状に限定されず、例えば、図10に示される振動センサ50のように、一方の端部が開放されたスリット52A及び54Aを形成してもよい。
更に、スリットの数は1つに限定されるものではなく、第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子は、少なくとも1つのスリットによって複数の部位に区分けされていればよく、又、第1の検出手段は、第1の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設され、第2の検出手段は、前記第2の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設されていればよい。
又、一対のバイアス磁石14によって第1の超磁歪素子16、第2の超磁歪素子18及び慣性質量部20を十分に支持することができるような場合には、サポート部材30は不要である。
10、40、50…振動センサ
12…固定部
14…バイアス磁石
16、42、52…第1の超磁歪素子
18、44、54…第2の超磁歪素子
20…慣性質量部
22…第1のピックアップコイル
24…第2のピックアップコイル
26…ボルト
28…ナット
30…サポート部材
32…磁気抵抗効果素子
34…ホール素子
36…計測器
12…固定部
14…バイアス磁石
16、42、52…第1の超磁歪素子
18、44、54…第2の超磁歪素子
20…慣性質量部
22…第1のピックアップコイル
24…第2のピックアップコイル
26…ボルト
28…ナット
30…サポート部材
32…磁気抵抗効果素子
34…ホール素子
36…計測器
Claims (11)
- 固定部に固定された一対のバイアス磁石と、該一対のバイアス磁石にそれぞれ片持ち支持された第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子と、該第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子に両持ち支持された慣性質量部と、前記第1の磁歪素子の変形を該第1の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第1の検出手段と、前記第2の磁歪素子の変形を該第2の磁歪素子の透磁率又は残留磁化量の変化として検出可能な第2の検出手段と、を含んでなり、前記第1の磁歪素子及び第2の磁歪素子は、少なくとも1つのスリットによって複数の部位に区分けされ、前記第1の検出手段は、前記第1の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設され、前記第2の検出手段は、前記第2の磁歪素子における前記複数の部位のいずれかに配設されていることを特徴とする振動センサ。
- 請求項1において、
前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記固定部の固定面に対して略平行に形成された平行スリットによって反固定面側の部位と固定面側の部位の2つに区分けされ、前記第1の検出手段は、前記反固定面側の部位に配設され、前記第2の検出手段は、前記固定面側の部位に配設されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項2において、
前記固定面側の部位及び前記反固定面側の部位は、更に、前記固定部の固定面に対して略垂直に形成された垂直スリットによって第1の側と第2の側の部位の2つに区分けされ、前記第1の検出手段は、前記反固定面側における前記第1の側の部位に配設され、前記第2の検出手段は、前記固定面側における前記第2の側の部位に配設されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記固定部の固定面に対して略平行に配設されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子は、前記一対のバイアス磁石によって挟まれた状態で片持ち支持されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項5において、
前記各バイアス磁石を前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子の側に押圧するサポート部材を更に備えたことを特徴とする振動センサ。 - 請求項6において、
前記サポート部材は、前記第1の磁歪素子及び前記第2の磁歪素子の長軸方向に予荷重を印加するための予荷重手段を兼ねていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、ピックアップコイルを含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記ピックアップコイルのインダクタンス変化として検出するように構成されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、磁気抵抗効果素子を含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記磁気抵抗効果素子の起電力変化として検出するように構成されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段は、ホール素子を含み、前記透磁率又は残留磁化量の変化を前記ホール素子の起電力変化として検出するように構成されていることを特徴とする振動センサ。 - 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記磁歪部材として超磁歪素子を用いていることを特徴とする振動センサ。
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-
2005
- 2005-02-07 JP JP2005030840A patent/JP2006214995A/ja not_active Withdrawn
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