JP2006214654A - 太陽熱集熱板、選択吸収膜及び太陽熱温水器 - Google Patents

太陽熱集熱板、選択吸収膜及び太陽熱温水器 Download PDF

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Abstract

【課題】 選択吸収膜の反射率と波長域との関係が理想的な特性に可及的近づくようにして、太陽熱を効率良く集熱することが可能な太陽熱集熱板を提供する。
【解決手段】 誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から選択された一種以上のクロム系膜とを含有する多層膜からなる選択吸収膜を、太陽熱集熱板の基材の表面に形成する。そして、この太陽熱集熱板の特性を、波長0.3〜1.5μmの光の平均反射率が5%以下であり、且つ、波長2〜20μmの光の平均反射率が75%以上であるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽熱集熱板、選択吸収膜及び太陽熱温水器に係り、特に太陽熱集熱板の基材の表面に形成される膜の改良技術に関する。
周知のように、太陽エネルギーは、温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出することがなく、且つ放射能等の危険性もないことから、クリーンなエネルギーとして注目されている。この太陽エネルギーは、エネルギー密度が低いことに起因して利用の障害となっているのが実情であるが、このような事項を勘案して効率的に太陽エネルギーを利用するために、太陽熱集熱板を使用することが実用化されるに至っている。
この太陽熱集熱板は、太陽エネルギーを利用して媒体を加熱する際に、熱媒体の流路だけでなく受光面積を大きくすることが有利であることに鑑み、熱媒体の流路からフィン状の突起を有する構成とされている。そして、この太陽熱集熱板には、太陽熱エネルギーを効率良く取り込むと共に、吸収した熱エネルギーを放出し難いという特性が要求される。
そこで、太陽熱集熱板としては、その基材の表面に、太陽エネルギーの主成分である波長0.3〜1.5μmの光の吸収率が高く、且つ、波長2〜20μmの光の吸収率が低い(つまり波長2〜20μmの光を放射し難い)特性を有する選択吸収膜を形成してなるものが好ましいとされている。
この選択吸収膜に要求される特性は、次に示す通りである。即ち、図5(横軸は対数目盛表示)に符号Aで示す特性曲線は、太陽光のエネルギースペクトルを表わすものであるのに対して、同図に符号Bで示す特性曲線は、100℃の黒体の放射スペクトルを表わすものである。そして、特性曲線Aが示す太陽光のエネルギースペクトルは、光の波長が0.3〜1.5μmの領域に存在し且つ波長が0.5μm程度でピークとなるのに対して、特性曲線Bが示す100℃の黒体の放射スペクトルは、波長が2〜20μmの領域に存在し且つ波長が8μm程度でピークとなっている。
従って、太陽エネルギーの吸収率が高く、つまり波長が0.3〜1.5μmの領域での光の反射率が極めて低く、且つ、100℃での放射率が低い、つまり波長が2〜20μmの領域での光の反射率が極めて高い特性を有する選択吸収膜を使用すれば、吸熱し易く且つ放熱し難いという理想的な太陽熱集熱板が得られる。このような事項を勘案すれば、図5に符号Cで示す(鎖線で示す)ような特性曲線、即ち波長0.3〜1.5μmの領域での光の反射率が可能な限り0%に近く且つ波長2〜20μmの領域での光の反射率が100%に可能な限り近い特性曲線を有する選択吸収膜を、太陽熱集熱板の基材の表面に形成することが理想とされる。
ところで、近年の具体的実情を述べると、上記の選択吸収膜としては、クロムブラック、ニッケルブラック、またはカーボンブラックからなる膜が広く使用されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの膜は何れも、吸熱し易いという特性を有しているものの、2〜20μmの波長領域のうち、2〜8μmの短波長領域での反射率が適正に高くないことから、吸収した熱を放射し易く、上記の理想的な特性曲線Cから大きなズレが生じて、熱効率を低下させる要因となっていた。
また、近年においては、このような問題を解決すべく、サーメットからなる選択吸収膜を使用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このサーメットは、酸化物中に金属微粒子やシリコン等の半導体微粒子を分散させた膜であるため、例えばスパッタ法で成膜しようとすれば、スパッタリングガスの分離等の煩雑な酸素濃度調節が必要となるように、何れにしても膜形成が技術的に困難になるという根本的な問題を有している。
尚、上記以外にも、アルミニウム製の基材に陽極酸化及び電解着色を施すことが試みられているが、このような手法では、アルミニウム製の基材が使用できるに留まり、他の基材が使用不能であることに加えて、着色に電解液を使用する必要があるため、環境面で好ましくないという新たな問題が生じる。
更に、近年においては、以上のような事情を考慮して、多層膜からなる選択吸収膜を使用することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この多層膜によれば、膜形成の容易化が図られ、環境面の問題も回避できると共に、膜の種類の最適な選択により望ましい特性を得ることが期待できる。
特開昭56−121946号公報 米国特許4312915号公報 米国特許4282290号公報
ところで、上述の特許文献3に開示された多層膜からなる選択吸収膜について、図5に示す理想的な特性曲線Cに近い反射率と波長域との関係が成り立つと、その多層膜が表面に形成されてなる太陽熱集熱板の特性も上記の理想的な特性曲線Cに倣うことになり、極めて効率良く太陽熱を利用することが可能となる。
しかしながら、上記の多層膜は、最適な膜の選択がなされていないこと等に起因して、波長0.3〜1.5μmの光の反射率が不当に高く、上記の理想的な特性曲線Cから大きなズレが生じ、特に太陽光からの吸熱性が阻害されて、効率良く太陽熱を利用することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、選択吸収膜の反射率と波長域との関係が理想的な特性に可及的近づくようにして、太陽熱を効率良く集熱することが可能な選択吸収膜、太陽熱集熱板及びそれを用いてなる太陽熱温水器を提供することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る太陽熱集熱板は、誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から選択された一種以上のクロム系膜とを含有する多層膜からなる選択吸収膜が、基材の表面に形成されてなることを特徴とするものである。
このような構成によれば、選択吸収膜の特性が、既述の理想的な特性(図5に示す特性曲線C)に近づくことになる。すなわち、このような選択吸収膜は、波長0.3〜1.5μmの領域での光の反射率が0%に近づいて極めて低くなり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の反射率が100%に近づいて極めて高くなる。従って、この選択吸収膜が形成されてなる太陽熱集熱板は、波長0.3〜1.5μmの領域において太陽熱の吸熱性が極めて高くなり、且つ、波長2〜20μmの領域において放熱性が極めて低くなるため、効率良く太陽熱を集熱することが可能となる。そして、このように選択吸収膜の特性を理想的な特性に近づけることができるのは、誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から一種以上のクロム系膜を選択するようにした事によるところが大きいと考えられる。つまり、誘電体膜のみでも、クロム系膜のみでもこのような特性を達成することは容易でないが、誘電体膜とクロム系膜とを組み合わせることで可能となった。また、選択吸収膜が多層膜からなり、多層膜を構成する個々の膜は一種類の材料からなるため形成が容易なことから、選択吸収膜を容易に形成できるという利点も享受できる。尚、例えば窒化クロムの膜とは、窒素とクロムを主たる構成成分とする膜を意味し、他の膜についても同様である。
この場合、誘電体膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、及びフッ化マグネシウムからなる群から選択された一種以上からなることが好ましい。このようにすれば、成膜が容易であるとともに、耐候性、耐食性に優れる。
また、選択吸収膜は、誘電体膜とクロム系膜とが一種ずつ交互に形成されてなることが好ましい。但し、二種以上の誘電体膜を隣接させて形成すること及び二種以上のクロム系膜を隣接させて形成することを排除するわけではない。
また、選択吸収膜は、基材に近い部位のクロム系膜の方が遠い部位のクロム系膜よりも厚く形成されてなることが好ましい。このようにすれば、太陽光が多層膜の最外層付近(最外表面付近)で不当に反射してしまうことが防止され、上記の理想に近い特性を得る上で弊害となるおそれがなくなる。
更に、選択吸収膜は、全てのクロム系膜の膜厚の総和が15〜100nmとなるように形成されてなることが好ましい。すなわち、この膜厚の総和が15nm未満である場合及び100nmを超えている場合の何れにおいても、選択吸収膜を形成することによる効果が、太陽熱集熱板の特性を改善する上で十分に発揮されなくなるおそれがあり、太陽熱集熱板の特性を理想に近づける上で不利となる。尚、上記の膜厚の総和は、20〜50nmであることがより好ましい。
また、選択吸収膜の膜厚は、30〜300nmとなるように形成されてなることが好ましい。すなわち、この膜厚が30nm未満であると所望の特性を有する選択吸収膜を構成しにくく、300nmを超えると波長3μm以上の赤外域において反射率が大きく低下する傾向がある。尚、選択吸収膜の膜厚は、50〜250nmであることがより好ましい。
また、選択吸収膜は、最外膜(最外表面の膜)が誘電体膜であることが好ましい。すなわち、誘電体膜は化学的に安定で、成膜が容易であることに加えて、耐食性に優れていることから強度面でも有利である。
一方、基材は、それ自体の材質が銅からなるもの、または表面に銅からなる層が形成されたものであることが好ましい。このようにすれば、多層膜を構成する個々の膜が上記列挙されている何れであっても、良好な密着性が得られ、剥離等が生じ難くなる。また、基材に銅が用いられていると、銅は熱伝導性に優れるため吸収した熱を効率よく媒体に伝えることができると共に、他の基板を用いた場合よりも太陽熱集熱板の特性が図5の特性曲線Cに近くなる傾向がある。尚、表面に銅からなる層が形成されたものの一例として、ステンレス鋼等の表面に銅メッキを施したものが挙げられる。
また、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る太陽熱集熱板は、波長0.3〜1.5μmの光の平均反射率が5%以下であり、且つ、波長2〜20μmの光の平均反射率が75%以上であることを特徴とするものである。
このような構成によれば、太陽熱集熱板の特性は、太陽エネルギーを吸収することが要求される波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が5%以下と極めて低く、且つ、吸収した熱の放射を抑制することが要求される波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が75%以上と極めて高いものとなる。これにより、吸熱し易く且つ放熱し難いという点において理想に近い特性を有する太陽熱集熱板が得られる。
このような事項を勘案すれば、波長0.3〜1.5μmの光の平均反射率は4%以下であることがより好ましく、また波長2〜20μmの光の平均反射率は80%以上であることがより好ましい。
そして、以上のような選択吸収膜が形成されてなる太陽熱集熱板を用いて太陽熱温水器を構成すれば、太陽熱を極めて効率良く集熱して短時間で水を温めることが可能となる。
以上のように本発明に係る選択吸収膜によれば、太陽熱集熱板の特性は、太陽エネルギーを吸収することが要求される波長0.3〜1.5μmの領域での光の反射率が0%に近づいて極めて低く、且つ、吸収した熱の放射を抑制することが要求される波長2〜20μmの領域での光の反射率が100%に近づいて極めて高いものとなる。これにより、吸熱し易く且つ放熱し難いという点において理想に近い特性を有する太陽熱集熱板及びこれを用いてなる太陽熱温水器が得られる。
本発明の実施形態に係る太陽熱集熱板は、酸化ケイ素または窒化ケイ素からなる誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から選択された一種以上のクロム系膜とを含有する多層膜からなる選択吸収膜を、銅からなる基材の表面に形成したものである。そして、この太陽熱集熱板の特性を、太陽エネルギーを吸収することが要求される波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率を5%以下とし、且つ、吸収した熱の放射を抑制することが要求される波長2〜20μmの領域での光の平均反射率を75%以上としたものである。
次に、本発明の実施例1として、下記の表1に示すように、厚みが0.2mmの銅からなる基板(基材)の表面に、基板側から順に、厚みが29nmのクロムからなる第1のクロム系膜と、厚みが79nmの酸化ケイ素からなる第1の誘電体膜と、厚みが10nmのクロムからなる第2のクロム系膜と、厚みが64nmの酸化ケイ素からなる第2の誘電体膜とをスパッタ法により形成した。図1は、上記のように銅の基板上にクロム系膜と誘電体膜とを交互に計四層形成してなる実施例1に係る太陽熱集熱板の特性曲線X1の一部を示すものである。この特性曲線X1を参照して、実施例1に係る太陽熱集熱板は、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が5.0%であり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が84%であった。尚、平均反射率は、分光光度計を用いて測定し、算出したものである。
Figure 2006214654
また、本発明の実施例2として、下記の表2に示すように、厚みが0.2mmの銅からなる基板の表面に、基板側から順に、厚みが50nmの酸化ケイ素からなる第1の誘電体膜と、厚みが16nmのクロムからなる第1のクロム系膜と、厚みが74nmの酸化ケイ素からなる第2の誘電体膜と、厚みが7nmのクロムからなる第2のクロム系膜と、厚みが83nmの酸化ケイ素からなる第3の誘電体膜とをスパッタ法により形成した。図2及び図3は、上記のように銅の基板上に誘電体膜とクロム系膜とを交互に計五層形成してなる実施例2に係る太陽熱集熱板の特性曲線X2の一部及び全部を示すものである。これらの特性曲線X2から把握できるように、実施例2に係る太陽熱集熱板は、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が1.7%であり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が82%であった。そして、この特性曲線X2は、既述の図5に示す選択吸収膜の理想的な特性曲線Cにかなり近づいていることを認識することができる。尚、図3は、横軸が対数目盛で表わされている。
Figure 2006214654
更に、本発明の実施例3として、下記の表3に示すように、厚みが0.2mmの銅からなる基板の表面に、基板側から順に、厚みが24nmのクロムからなる第1のクロム系膜と、厚みが63nmの酸化ケイ素からなる第1の誘電体膜と、厚みが10nmのクロムからなる第2のクロム系膜と、厚みが74nmの酸化ケイ素からなる第2の誘電体膜と、厚みが5nmのクロムからなる第3のクロム系膜と、厚みが79nmの酸化ケイ素からなる第3の誘電体膜とをスパッタ法により形成した。図4は、上記のように銅の基板上にクロム系膜と誘電体膜とを交互に計六層形成してなる実施例3に係る太陽熱集熱板の特性曲線X3の一部を示すものである。この特性曲線X3を参照して、実施例3に係る太陽熱集熱板は、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が1.3%であり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が81%であった。
Figure 2006214654
また、本発明の実施例4として、下記の表4に示すように、厚みが0.2mmの銅からなる基板の表面に、基板側から順に、厚みが47nmの窒化ケイ素からなる第1の誘電体膜と、厚みが19nmのクロムからなる第1のクロム系膜と、厚みが51nmの窒化ケイ素からなる第2の誘電体膜と、厚みが11nmの窒化クロムからなる第2のクロム系膜と、厚みが93nmの酸化ケイ素からなる第3の誘電体膜とをスパッタ法により形成した。このように銅の基板上に誘電体膜とクロム系膜とを交互に計五層形成してなる実施例4に係る太陽熱集熱板は、敢えてその特性曲線は図示しないが、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が3.6%であり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が86%であった。
Figure 2006214654
更に、本発明の実施例5として、下記の表5に示すように、厚みが0.2mmの銅からなる基板の表面に、基板側から順に、厚みが27nmの窒化ケイ素からなる第1の誘電体膜と、厚みが33nmの窒化クロムからなる第1のクロム系膜と、厚みが42nmの酸窒化クロムからなる第2のクロム系膜と、厚みが65nmの酸化ケイ素からなる第2の誘電体膜とをスパッタ法により形成した。このように銅の基板上に誘電体膜と二層隣接するクロム系膜と誘電体膜とを計四層形成してなる実施例5に係る太陽熱集熱板は、敢えてその特性曲線は図示しないが、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が3.1%であり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が87%であった。
Figure 2006214654
尚、以上の実施例1〜5では、誘電体膜として、酸化ケイ素と窒化ケイ素とを使用したものを例示したに過ぎないが、この酸化ケイ素及び窒化ケイ素と同等の要求特性を有する物質、例えば酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、及びフッ化マグネシウムの一種以上を誘電体膜として使用した場合であっても、上記の各実施例と同様に、波長0.3〜1.5μmの領域での光の平均反射率が5%以下となり、且つ、波長2〜20μmの領域での光の平均反射率が75%以上となるものと考えられる。
本発明の実施例1に係る太陽熱集熱板の特性曲線を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る太陽熱集熱板の特性曲線を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る太陽熱集熱板の特性曲線を広範囲に亘って示すグラフである。 本発明の実施例3に係る太陽熱集熱板の特性曲線を示すグラフである。 放射スペクトル及び太陽熱集熱板の選択吸収膜に要求される特性を示すグラフである。
符号の説明
A 太陽光のエネルギースペクトル
B 100℃の黒体の放射スペクトル
C 選択吸収膜に要求される理想的な特性曲線
X1 太陽熱集熱板の特性曲線
X2 太陽熱集熱板の特性曲線
X3 太陽熱集熱板の特性曲線

Claims (12)

  1. 誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から選択された一種以上のクロム系膜とを含有する多層膜からなる選択吸収膜が、基材の表面に形成されてなることを特徴とする太陽熱集熱板。
  2. 前記誘電体膜が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、及びフッ化マグネシウムからなる群から選択された一種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱集熱板。
  3. 前記選択吸収膜は、前記誘電体膜とクロム系膜とが一種ずつ交互に形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽熱集熱板。
  4. 前記選択吸収膜は、基材に近い部位のクロム系膜の方が遠い部位のクロム系膜よりも厚く形成されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の太陽熱集熱板。
  5. 前記選択吸収膜は、全てのクロム系膜の膜厚の総和が15〜100nmとなるように形成されてなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の太陽熱集熱板。
  6. 前記選択吸収膜は、最外膜が誘電体膜であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の太陽熱集熱板。
  7. 前記基材は、それ自体の材質が銅からなるもの、または表面に銅からなる層が形成されたものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の太陽熱集熱板。
  8. 波長0.3〜1.5μmの光の平均反射率が5%以下であり、且つ、波長2〜20μmの光の平均反射率が75%以上であることを特徴とする太陽熱集熱板。
  9. 波長0.3〜1.5μmの光の平均反射率が4%以下であることを特徴とする請求項8に記載の太陽熱集熱板。
  10. 波長2〜20μmの光の平均反射率が80%以上であることを特徴とする請求項8または9に記載の太陽熱集熱板。
  11. 誘電体膜と、クロム、窒化クロム、及び酸窒化クロムからなる群から選択された一種以上のクロム系膜とを含有する多層膜からなることを特徴とする選択吸収膜。
  12. 請求項1〜10の何れかに記載の太陽熱集熱板を用いて構成されていることを特徴とする太陽熱温水器。
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