JP2015111011A - 光選択吸収膜、集熱管、および太陽熱発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】日射エネルギー吸収率が高く、かつ400℃以上での放射率が低い光選択吸収膜を提供する。【解決手段】基材上に形成される光選択吸収膜であって、前記基材上に積層され、前記基材側から順に金属層と半導体層との繰り返し構造を2以上有する第1の積層部と、前記第1の積層部上に積層され、誘電体層と半導体層との繰り返し構造を1以上有する第2の積層部と、前記第2の積層部上に積層された誘電体層からなる第3の積層部とを有する光選択吸収膜。【選択図】図6
Description
本発明は、光選択吸収膜、集熱管、および太陽熱発電装置に係り、特に太陽熱発電装置用の集熱管の表面に好適に形成される光選択吸収膜、該光選択吸収膜を有する集熱管、および太陽熱発電装置に関する。
太陽熱発電(CSP:Concentrating Solar Power)は、例えば、鏡等の太陽光反射板により太陽光を集光して熱を発生させ、この熱によりオイル等の液体を加熱し、この熱を蒸気に変換し、蒸気タービンを回転させて発電を行う発電方式である。発電の原理は伝統的な火力発電と基本的に同様であるが、熱の発生に燃料の燃焼ではなく、太陽熱を利用する点で環境に優しい発電方式である。
CSPには、パラボリックトラフ式、リニアフレネル式、ディッシュ式、タワー式等の方式がある。例えば、パラボリックトラフ式は、太陽光反射板となる雨樋形状の曲面鏡と、この曲面鏡の焦点付近に沿って設置されたパイプ状の集熱管とを有し、太陽光を曲面鏡によって集熱管に集光し、この集熱管内を流れるオイル等の液体を加熱し、これにより発電する発電方式である。タワー式太陽熱発電と比較すると、太陽光反射板の配置が容易なことから大規模な施設の建設が容易である点で優れる。
このような集熱管を流れる液体の温度は400℃以上となる。また、集熱管の表面には、日射エネルギーを効率よく吸収する一方、集熱管から外部への熱放射を低減する目的から、光選択吸収膜が設けられる。
光選択吸収膜として、例えば、赤外領域反射層に、金、銀、白金を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、赤外領域反射層に、金、銀、白金を用いた場合、赤外領域反射層を挟むようにSiOx層からなるバリア層が必要となる。
また、光選択吸収膜として、例えば、誘電体層と、クロム、窒化クロム、および酸窒化クロムからなる群から選択された1種以上のクロム系層とを有するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような光選択吸収膜は主として太陽熱温水器に用いられるものであり、太陽熱発電における集熱管の作動温度である400℃付近に相当する波長4〜5μmの波長域の放射率は必ずしも低くない。すなわち、上記波長域の反射率は必ずしも十分に高くなく、太陽熱発電の集熱管に適用した場合、集熱管から外部に熱が逃げやすい。
さらに、光選択吸収膜として、例えば、TiSi層、TiO2層、およびSiO2層を有するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、このような光選択吸収膜は層数が多くなりやすく、構成が複雑となり、また各層の膜厚を精密に制御する必要がある。
また、光選択吸収膜として、例えば、MoとSiO2のサーメット層を有するものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、Moを用いるために高温での耐酸化性が十分でなく、またサーメット層を安定的に形成することは容易でない。さらに、WとAl2O3の傾斜組成を有するサーメット層を有するものが提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、一部にRFスパッタ法による成膜方法を用いることから、必ずしも成膜速度が早くなく生産性が十分でない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、日射エネルギー吸収率が高く、かつ400℃以上での放射率が低い光選択吸収膜の提供を目的とする。また、本発明は、このような光選択吸収膜を有する集熱管、および太陽熱発電装置の提供を目的とする。
本発明の光選択吸収膜は、基材上に形成される光選択吸収膜であって、前記基材上に積層され、前記基材側から順に金属層と半導体層との繰り返し構造を2以上有する第1の積層部と、前記第1の積層部上に積層され、誘電体層と半導体層との繰り返し構造を1以上有する第2の積層部と、前記第2の積層部上に積層された誘電体層からなる第3の積層部とを有することを特徴とする。
本発明の集熱管は、集熱管本体と、前記集熱管本体の外面に形成される光選択吸収膜とを有する集熱管であって、前記光選択吸収膜が上記した本発明の光選択吸収膜であることを特徴とする。
本発明の太陽熱発電装置は、集熱管と、前記集熱管に太陽光を集光する集光手段とを有する集熱器を備える太陽熱発電装置であって、前記集熱管が上記した本発明の集熱管であることを特徴とする。
本発明の光選択吸収膜は、基材側から順に金属層と半導体層との繰り返し構造を2以上有する第1の積層部と、該第1の積層部上に積層され、誘電体層と半導体層との繰り返し構造を1以上有する第2の積層部と、該第2の積層部上に積層された誘電体層からなる第3の積層部とを有する。このような構造によれば、日射エネルギー吸収率を高くできるとともに、400℃以上での放射率を低くできる。また、本発明の集熱管、および太陽熱発電装置によれば、このような光選択吸収膜を有することで太陽熱発電の発電効率を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、太陽熱発電装置における集熱器の一実施形態としてのパラボリックトラフ型集熱器の外観図である。
図1は、太陽熱発電装置における集熱器の一実施形態としてのパラボリックトラフ型集熱器の外観図である。
パラボリックトラフ型集熱器1は、集光手段としての放物面反射鏡であるパラボリック反射鏡2を有する。パラボリック反射鏡2は、反射鏡用支持体3によって支持される。パラボリック反射鏡2の焦点部分には、該焦点部分に沿って延びるように集熱管4が設けられる。集熱管4は、集熱管用支持体5によってパラボリック反射鏡2や反射鏡用支持体3に固定される。
このようなパラボリックトラフ型集熱器1では、パラボリック反射鏡2によって太陽光が集熱管4に集光され、この集光された太陽光によって集熱管4が加熱される。集熱管4の内部にはオイル等の熱媒体が流動しており、集熱管4の加熱によって内部の熱媒体が加熱される。図示しないが、パラボリックトラフ型集熱器1は蒸気タービンに接続されており、熱媒体の熱を利用して蒸気タービンを回転させることにより発電が行われる。
図2は、パラボリックトラフ型集熱器1に用いられる集熱管4の一実施形態を示す平面図である。また、図3は、図2に示す集熱管4のAA線断面図である。集熱管4は、内部に熱媒体が流動されるスチール管等からなる集熱管本体41を有し、その外面に光選択吸収膜42が設けられる。集熱管本体41の外側には、集熱管本体41を覆うように所定の間隔を設けてガラス管43が設けられる。集熱管本体41とガラス管43とは、これらの間が真空状態となるように両端部が固定金具44によって固定される。
図4は、太陽熱発電装置における集熱器の他の実施形態としてのリニアフレネル型集熱器の外観図である。また、図5は、図4に示すリニアフレネル型集熱器のレシーバーを示す断面図である。
リニアフレネル型集熱器6は、例えば、集光手段としての複数の並列配置された板状の第1の反射鏡7を有し、これらの間に、これらと並列、かつこれらよりも高い位置にレシーバー8が配置される。レシーバー8は、例えば、レシーバー用支持体9によって固定される。レシーバー8は、集熱管4と、第1の反射鏡7の反射光を集熱管4に集光する集光手段としての第2の反射鏡81、この第2の反射鏡81を収容するとともに第1の反射鏡7側が開口されたケース部82、およびこのケース部82の開口部に配置されたガラス板83を有する。リニアフレネル型集熱器6の集熱管4は、例えば、内部に熱媒体が流動されるスチール管等からなる集熱管本体41を有し、その外面に光選択吸収膜42が設けられる。
図6は、光選択吸収膜42の一実施形態を示す断面図である。なお、図6には、基材となる集熱管本体41を併せて示す。
光選択吸収膜42は、集熱管本体41側から、第1の積層部421、第2の積層部422、および第3の積層部423を順に有する。第1の積層部421は、集熱管本体41側から順に金属層421aと半導体層421bとの繰り返し構造を2以上有する。第2の積層部422は、集熱管本体41側から順に誘電体層422aと半導体層422bとの繰り返し構造を1以上有する。第3の積層部423は、誘電体層423aを有する。
このような光選択吸収膜42によれば、金属層421aと半導体層421bとの繰り返し構造を2以上有する第1の積層部421、誘電体層422aと半導体層422bとの繰り返し構造を1以上有する第2の積層部422、および誘電体層423aを有する第3の積層部423を備えることで、日射エネルギー吸収率を高くでき、かつ400℃以上での放射率を低くできる。従って、上記したパラボリックトラフ型集熱器1やリニアフレネル型集熱器6のように集熱管4の温度が400℃以上となるものに適用することで、これらを有する太陽熱発電装置の発電効率を効果的に向上できる。
また、各層の構成材料が比較的に単純なことから、例えばサーメット層を有するものに比べて容易かつ安定的に形成できる。さらに、半導体層と誘電体層との基本的な構成元素を同種の元素とすることもでき、このようなものによれば、例えばスパッタリング法により製造する場合にターゲットの使用本数を削減でき、生産性を向上できる。以下、各積層部について説明する。
第1の積層部421は、主として波長選択性を向上させる役割を有する。すなわち、可視域および近赤外域の光を吸収するとともに、赤外域の光を反射する機能を主として有する。繰り返し構造の数は、波長選択性、すなわち、可視域および近赤外域では反射率を0%に近くする一方、近赤外域から赤外域にかけて急激に反射率を上昇させる観点から、少なくとも2以上である。繰り返し構造の数は、波長選択性を向上させる観点からは多い方が好ましいが、多くなると膜数が多くなるために生産性が低下し、また耐熱性も低下しやすい。このため繰り返し構造の数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
ここで、繰り返し構造の数は、金属層421aと半導体層421bとの組み合わせを1として数える。すなわち、繰り返し構造の数が2の場合、「金属層421a/半導体層421b/金属層421a/半導体層421b」の構造となる。
金属層421aは、主として波長選択性を向上させる役割を有する。金属層421aは、金属材料からなるものであって、波長選択性を有するもの、すなわち、可視域および近赤外域の光を吸収するとともに、赤外域の光を反射するものであれば必ずしも限定されないが、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Fe、Hf、In、La、Mo、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Ta、Ti、Zr、もしくはW、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む合金からなるものが好ましい。これらの中でも、耐熱性、化学的安定性、基材となる集熱管本体41との密着性、入手の容易さ等の観点から、Cr単体またはCr合金からなるものがより好ましく、特にCr単体からなるものが好ましい。
なお、複数の金属層421aの構成元素は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、互いに同一であることが好ましい。
金属層421aの物理膜厚は、集熱管本体41に最初に積層される金属層421aの物理膜厚が60〜200nm、その他の金属層421aの物理膜厚が5〜10nmであることが好ましい。なお、その他の金属層421aが複数ある場合、物理膜厚は、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。金属層421aの物理膜厚が上記範囲内にあると、十分な波長選択性を得ることができ、また生産性も良好とできる。集熱管本体41に最初に積層される金属層421aの物理膜厚は65〜200nmがより好ましく、70〜130nmがさらに好ましく、その他の金属層421aの物理膜厚は6〜9nmがより好ましい。
半導体層421bは、金属層421aによる波長選択性を向上させる役割を有する。半導体層421bは、半導体材料からなるものであって、金属層421aによる波長選択性を向上できるものであれば必ずしも限定されないが、SiもしくはGe、またはこれらの元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物からなることが好ましい。これらの中でも、Si単体またはSi化合物からなるものがより好ましく、特にSi単体からなるものが好ましい。Si単体からなるものによれば、特に、耐熱性に優れるとともに、可視域では吸収層として高吸収率が得られ、赤外域では透明層として低放射率が得られる。
なお、複数の半導体層421bの構成元素は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、互いに同一であることが好ましい。
半導体層421bの物理膜厚は、いずれも5〜20nmが好ましい。なお、半導体層421bの物理膜厚は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、いずれも上記範囲内にあることが好ましい。半導体層421bの物理膜厚が上記範囲内にあると、金属層421aによる波長選択性を効果的に向上できる。半導体層421bの物理膜厚は、集熱管本体41に最も近い側となる半導体層421bの物理膜厚が7〜18nmであることがより好ましく、その他の半導体層421bの物理膜厚が9〜15nmであることがより好ましい。
第1の積層部421には、耐熱性を向上させる観点から、上記した金属層421aおよび半導体層421bに加えて、図示しない誘電体層を設けることができる。誘電体層を設けることで、光学特性に影響を与えずに耐熱性を向上できる。誘電体層は、金属層421aと半導体層421bとの間であれば特に制限されることなく設けることができ、一部の間のみに設けてもよいし、全ての間に設けてもよい。以下、このような誘電体層を層間誘電体層と記す。
層間誘電体層は、誘電材料からなるものであれば必ずしも限定されないが、Al、Ce、Hf、In、La、Nb、Sb、Si、Sn、Ta、Ti、Zn、およびZrから選ばれる1種以上の元素の酸化物、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましい。このようなものとしては、例えば、Al2O3、CeO2、HfO2、In2O3、La2O3、Nb2O5、Sb2O5、SiO2、SnO2、Ta2O5、TiO2、ZnO、ZrO2等が挙げられる。
これらの中でも、SiもしくはGeの酸化物、またはSiおよびGeから選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましく、特に、Siの酸化物またはSiを含む複合酸化物からなるものがより好ましく、Siの酸化物からなるものがさらに好ましい。
なお、層間誘電体層が複数ある場合、層間誘電体層の構成元素は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、互いに同一であることが好ましい。また、同様の観点から、層間誘電体層の酸素以外の構成元素は、第1の積層部421の半導体層421bの構成元素と同一であることが好ましい。
層間誘電体層の物理膜厚は、1〜30nmが好ましい。なお、層間誘電体層が複数ある場合、層間誘電体層の物理膜厚は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、いずれも上記範囲内にあることが好ましい。層間誘電体層の物理膜厚が上記範囲内にあると、耐熱性を効果的に向上できる。層間誘電体層の物理膜厚は、2〜20nmがより好ましく、3〜10nmがさらに好ましい。
第2の積層部422および第3の積層部423は、光干渉により波長選択性を向上させる役割を有する。
第2の積層部422は、誘電体層422aと半導体層422bとの繰り返し構造を1以上有する。第2の積層部422における繰り返し構造の数は、波長選択性を向上させる観点から、少なくとも1以上である。繰り返し構造の数は、波長選択性を向上させる観点からは多い方が好ましいが、多くなると膜数が多くなるために生産性が低下し、また耐熱性も低下しやすい。このため繰り返し構造の数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
ここでの繰り返し構造の数も、誘電体層422aと半導体層422bとの組み合わせを1として数える。すなわち、繰り返し構造の数が1の場合、「誘電体層422a/半導体層422b」の構造となる。
誘電体層422aは、半導体層422bと合わせて光干渉により波長選択性を向上させる機能を有する。誘電体層422aは、誘電材料からなるものであれば必ずしも限定されないが、Al、Ce、Ge、Hf、In、La、Nb、Sb、Si、Sn、Ta、Ti、Zn、およびZrから選ばれる1種以上の元素の酸化物、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましい。
これらの中でも、SiもしくはGeの酸化物、またはSiおよびGeから選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましく、Siの酸化物またはSiを含む複合酸化物からなるものがより好ましく、特にSiの酸化物からなるものが好ましい。Siの酸化物からなるものによれば、特に、耐熱性と物理化学的安定性に優れ、また低屈折率物質として光学干渉により高吸収率が得られる。
なお、誘電体層422aが複数ある場合、誘電体層422aの構成元素は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、互いに同一であることが好ましい。また、同様の観点から、誘電体層422aの酸素以外の構成元素は、第1の積層部421の半導体層421bの構成元素と同一であることが好ましい。
誘電体層422aの物理膜厚は、10〜30nmが好ましい。なお、誘電体層422aが複数ある場合、誘電体層422aの物理膜厚は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、いずれも上記範囲内にあることが好ましい。誘電体層422aの物理膜厚が上記範囲内にあると、波長選択性を効果的に向上できる。誘電体層422aの物理膜厚は、15〜25nmがより好ましい。
半導体層422bは、誘電体層422aと合わせて光干渉により波長選択性を向上させる機能を有する。半導体層422bは、半導体材料からなるものであれば必ずしも限定されないが、SiもしくはGe、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む化合物からなることが好ましい。これらの中でも、Si単体またはSi化合物からなるものがより好ましく、特にSi単体からなるものが好ましい。Si単体からなるものによれば、特に、耐熱性に優れるとともに、可視域では吸収層として高吸収率が得られ、赤外域では透明層として低放射率が得られる。
なお、半導体層422bが複数ある場合、半導体層422bの構成元素は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、互いに同一であることが好ましい。また、同様の観点から、半導体層422bの構成元素は、第1の積層部421の半導体層421bの構成元素および第2の積層部422の誘電体層422aの酸素以外の構成元素と同一であることが好ましい。
半導体層422bの物理膜厚は、2〜9nmが好ましい。なお、半導体層422bが複数ある場合、半導体層422bの物理膜厚は、互いに同一であってもよいし、異なってもよいが、いずれも上記範囲内にあることが好ましい。半導体層422bの物理膜厚が上記範囲内にあると、波長選択性を効果的に向上できる。半導体層422bの物理膜厚は、3〜7nmがさらに好ましい。
第3の積層部423は、誘電体層423aを有する。誘電体層423aは、第2の積層部422の誘電体層422aおよび半導体層422bと合わせて光干渉により波長選択性を向上させる機能を有するとともに、反射防止の機能を有する。誘電体層423aは、誘電材料からなるものであれば必ずしも限定されないが、Al、Ce、Ge、Hf、In、La、Nb、Sb、Si、Sn、Ta、Ti、Zn、およびZrから選ばれる1種以上の元素の酸化物、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましい。
これらの中でも、SiもしくはGeの酸化物、またはSiおよびGeから選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなるものが好ましく、Siの酸化物またはSiを含む複合酸化物からなるものがより好ましく、特にSiの酸化物からなるものが好ましい。Siの酸化物からなるものによれば、特に、耐熱性と物理化学的安定性に優れ、また低屈折率物質として光学干渉により可視域で良好な反射防止機能が得られ、結果として高吸収率が得られる。
なお、誘電体層423aの酸素以外の構成元素は、例えばスパッタリング法により製造する場合のターゲットの使用本数を削減できることから、第1の積層部421の半導体層421bの構成元素、第2の積層部422の誘電体層422aの酸素以外の構成元素、第2の積層部422の半導体層422bの構成元素と同一であることが好ましい。
誘電体層423aの物理膜厚は、上記機能を効果的に得る観点から、40〜150nmが好ましい。誘電体層423aの物理膜厚は、50〜130nmがより好ましく、60〜110nmがさらに好ましい。
光選択吸収膜42においては、全ての半導体層の構成元素が互いに同一であり、また全ての誘電体層の構成元素が互いに同一であり、さらに半導体層の構成元素と誘電体層の酸素以外の構成元素とが互いに同一であることが好ましい。このようなものによれば、例えば、スパッタリング法により形成する場合、金属層を形成するためのターゲットと、半導体層および誘電体層を形成するためのターゲットとの2種のターゲットのみを用いればよく、特に生産性を向上できる。
ここで、半導体層としては、第1の積層部421の半導体層421bおよび第2の積層部422の半導体層422bが挙げられ、誘電体層としては、層間誘電体層、第2の積層部422の誘電体層422a、第3の積層部423の誘電体層423aが挙げられる。
また、光選択吸収膜42の物理膜厚、すなわち全ての層の物理膜厚の合計は、200〜300nmが好ましい。光選択吸収膜42の物理膜厚を上記範囲内とすることで、日射エネルギー吸収率を高くでき、かつ400℃以上での放射率を低くできる。また、耐熱性や生産性に優れるものとできる。
このような光選択吸収膜42によれば、例えば、400〜900nmの波長域全体にわたって反射率を6%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。また、例えば、20000〜25000nmの波長域全体にわたって反射率を70%以上とするのが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。また、このような光選択吸収膜42によれば、例えば、日射エネルギー吸収率αを0.9以上、放射率εを0.2以下とできるため好ましい。
このような光選択吸収膜42は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法等の乾式法により好適に形成できる。これらの中でもスパッタリング法が好ましい。スパッタリング法の場合、生産性の観点から、例えば、金属層を形成するためのターゲットと、半導体層および誘電体層を形成するためのターゲットとの2種のターゲットのみを用いることが好ましい。
ここで、金属層としては、第1の積層部421の金属層421aが挙げられる。
金属層の形成に用いられるターゲットとしては、例えば、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Fe、Hf、In、La、Mo、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Ta、Ti、Zr、もしくはW、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む合金からなる金属ターゲットが挙げられる。これらの中でも、形成される金属層の耐熱性、化学的安定性、および基材となる集熱管本体41との密着性、またターゲットの入手の容易さ等の観点から、Cr単体またはCr合金からなる金属ターゲットがより好ましく、特にCr単体からなる金属ターゲットが好ましい。金属層は、このような金属ターゲットを用いて、例えばアルゴンガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中でスパッタリングを行うことにより形成できる。
半導体層および誘電体層の形成に用いられるターゲットとしては、例えば、SiもしくはGe、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む化合物からターゲットが挙げられる。これらの中でも、Si単体またはSi化合物からなるターゲットがより好ましく、特にSi単体からなるターゲットが好ましい。
半導体層は、このようなターゲットを用いて、例えばアルゴンガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中でスパッタリングを行うことにより形成することが好ましい。また、誘電体層は、このようなターゲットを用いて、例えばアルゴンガスおよび酸素を含む酸化性雰囲気中でスパッタリングを行うことにより形成することが好ましい。
以上、光選択吸収膜、集熱管、および太陽熱発電装置の実施形態について説明したが、太陽熱発電装置としては、必ずしもパラボリックトラフ型集熱器やリニアフレネル型集熱器を用いるものに限定されず、上記した光選択吸収膜を適用するものであれば他の方式の太陽熱発電装置であってもよい。また、光選択吸収膜としては、太陽熱発電装置の集熱管に用いられるものが代表的なものとして挙げられるが、必ずしも太陽熱発電装置の集熱管に限定されず、同様の機能が要求される用途であれば、他の用途に使用されるものであっても構わない。
以下、本発明の実施形態について実施例を参照して具体的に説明する。
(実施例1)
まず、算術平均表面粗さRaが0.4μm程度となるように表面を磨いたステンレススチール(JIS規格 SUS321)基板を準備した。ステンレススチール基板の寸法は、縦50mm×横50mm×厚さ5mmとした。
まず、算術平均表面粗さRaが0.4μm程度となるように表面を磨いたステンレススチール(JIS規格 SUS321)基板を準備した。ステンレススチール基板の寸法は、縦50mm×横50mm×厚さ5mmとした。
このステンレススチール基板上に、スパッタリング法により、図6に示すような積層構造を有する光選択吸収膜42を形成して評価用基板とした。なお、光選択吸収膜42は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(第1の積層部421の金属層421a、物理膜厚106.25nm)/Si層(第1の積層部421の半導体層421b、物理膜厚10.78nm)/Cr層(第1の積層部421の金属層421a、物理膜厚7.49nm)/Si層(第1の積層部421の半導体層421b、物理膜厚12.86nm)/SiO2層(第2の積層部422の誘電体層422a、物理膜厚19.77nm)/Si層(第2の積層部422の半導体層422b、物理膜厚5.75nm)/SiO2層(第3の積層部423の誘電体層423a、物理膜厚79.15nm)となるようにした。
スパッタ装置には、DCマグネトロンスパッタリング装置(日本真空光学社製)を使用した。Cr層の成膜には、市販のCrターゲット(純度:99.99%)を使用し、Si層およびSiO2層の成膜には、市販のSiターゲット(純度:99.999%)を使用した。
Cr層およびSi層の各層の成膜では、成膜雰囲気にアルゴンガスを用いた。スパッタリング圧力は1×10−1Paとし、成膜温度(基板温度)は室温とした。また、放電の安定化のため、電源にはMF電源(AE社製)を用いて、周期的に電力を印加した。このときの周波数は、100kHzとした。
また、SiO2層の成膜では、成膜雰囲気にアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを用いた。アルゴンガスと酸素ガスとの混合割合は、体積%で70:30とした。スパッタリング圧力は2×10−1Paとし、成膜温度(基板温度)は室温とした。また、放電の安定化のため、電源にはMF電源(AE社製)を用いて、周期的に電力を印加した。このときの周波数は、100kHzとした。
このようにして得られた評価用基板について、日射エネルギー吸収率α、および450℃における放射率εを求めた。日射エネルギー吸収率αは、AM1.5(ASTM G173−03 Reference Spectra)と評価用基板の測定反射率とから求めた。450℃における放射率εは、プランクの公式から求めた。この結果、日射エネルギー吸収率αは0.90(設計値:0.91)、放射率εは0.16(設計値:0.09)であった。
また、図7に、評価用基板の反射率分布および吸収率分布を示す。なお、反射率分布、吸収率分布は、実測値と設計値(シミュレーション結果)とを示す。また、併せて、ASTM G173−03の基準スペクトル、450℃の黒体放射スペクトルを示す。
図7から明らかなように、所定の構成を有する評価用基板によれば、450℃の黒体放射スペクトルの波長域よりも低波長域(可視域および近赤外域)では透過率を低くできるとともに、450℃の黒体放射スペクトルの波長域(赤外域)では透過率を高くでき、また近赤外域から赤外域にかけての透過率の立ち上がりも十分とできることが認められる。また、所定の構成を有する評価用基板によれば、設計値に近い実測値が得られることが認められる。
なお、この評価用基板では、400〜900nmの波長域については900nmで反射率が最大の実測値:5.5%(設計値:3.0%)となり、400〜900nmの波長域全体における平均反射率は実測値:1.2%(設計値:0.8%)となる。また、2000〜20000nmの波長域全体における平均反射率は実測値:91%(設計値:93%)となる。
(比較例1)
光選択吸収膜として、Cr層とSiO2層との交互積層構造からなり、Si層を有しないものを設けた評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚91.79nm)/SiO2層(物理膜厚88.69nm)/Cr層(物理膜厚5.92nm)/SiO2層(物理膜厚77.22nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
光選択吸収膜として、Cr層とSiO2層との交互積層構造からなり、Si層を有しないものを設けた評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚91.79nm)/SiO2層(物理膜厚88.69nm)/Cr層(物理膜厚5.92nm)/SiO2層(物理膜厚77.22nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
図8に、比較例1の評価用基板の反射率分布を示す。なお、図8には、比較のために実施例1の評価用基板の反射率分布を併せて示す。図8から明らかなように、Si層を有しない比較例1の評価用基板の場合、Si層を有する実施例1の評価用基板と比べて、可視域での反射率が一部で高くなる一方、赤外域での反射率は低くなることがわかる。なお、比較例1の評価用基板については、400〜900nmの波長域では440nmで反射率が最大の3.3%となる。
(比較例2)
光選択吸収膜のCr層とSi層との繰り返し構造の数(第1の積層部における繰り返し構造の数に相当)を1とした以外は基本的に実施例1の評価用基板と同様の積層構造を有する評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚128.35nm)/Si層(物理膜厚17.14nm)/SiO2層(物理膜厚22.61nm)/Si層(物理膜厚6.41nm)/SiO2層(物理膜厚82.19nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層、Si層、およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
光選択吸収膜のCr層とSi層との繰り返し構造の数(第1の積層部における繰り返し構造の数に相当)を1とした以外は基本的に実施例1の評価用基板と同様の積層構造を有する評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚128.35nm)/Si層(物理膜厚17.14nm)/SiO2層(物理膜厚22.61nm)/Si層(物理膜厚6.41nm)/SiO2層(物理膜厚82.19nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層、Si層、およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
図9に、比較例2の評価用基板の反射率分布を示す。なお、図9には、比較のために実施例1の評価用基板の反射率分布を併せて示す。図9から明らかなように、Cr層とSi層との繰り返し構造の数を1とした比較例2の評価用基板の場合、繰り返し構造の数を2とした実施例1の評価用基板と比べて、可視域での反射率が全体的に高くなることがわかる。なお、比較例2の評価用基板については、400〜900nmの波長域では440nmで反射率が最大の5.9%となる。
(比較例3)
SiO2層とSi層との繰り返し構造(第2の積層部に相当)を設けないこと以外は基本的に実施例1の評価用基板と同様の積層構造を有する評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚143.32nm)/Si層(物理膜厚17.5nm)/Cr層(物理膜厚9.16nm)/Si層(物理膜厚14.34nm)/SiO2層(物理膜厚81.42nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層、Si層、およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
SiO2層とSi層との繰り返し構造(第2の積層部に相当)を設けないこと以外は基本的に実施例1の評価用基板と同様の積層構造を有する評価用基板とした。すなわち、光選択吸収膜は、ステンレススチール基板側から順に、Cr層(物理膜厚143.32nm)/Si層(物理膜厚17.5nm)/Cr層(物理膜厚9.16nm)/Si層(物理膜厚14.34nm)/SiO2層(物理膜厚81.42nm)となるようにした。なお、光選択吸収膜は、実施例1の光選択吸収膜にできるかぎり近い光学特性が得られるように、Cr層、Si層、およびSiO2層の各層の厚みを調整した。
図10に、比較例3の評価用基板の反射率分布を示す。なお、図10には、比較のために実施例1の評価用基板の反射率分布を併せて示す。図10から明らかなように、SiO2層とSi層との繰り返し構造を設けなかった比較例3の評価用基板の場合、繰り返し構造を設けた実施例1の評価用基板と比べて、可視域での反射率が大幅に高くなることがわかる。なお、比較例3の評価用基板については、400〜900nmの波長域では900nmで反射率が最大の13.0%となる。
1…パラボリックトラフ型集熱器、2…パラボリック反射鏡、3…反射鏡用支持体、4…集熱管、6…リニアフレネル型集熱器、7…第1の反射鏡、8…レシーバー、9…レシーバー用支持体、41…集熱管本体、42…光選択吸収膜、43…ガラス管、44…固定金具、81…第2の反射鏡、82…ケース部、83…ガラス板、421…第1の積層部、421a…第1の積層部の金属層、421b…第1の積層部の半導体層、422…第2の積層部、422a…第2の積層部の誘電体層、422b…第2の積層部の半導体層、423…第3の積層部、423a…第3の積層部の誘電体層
Claims (7)
- 基材上に形成される光選択吸収膜であって、
前記基材上に積層され、前記基材側から順に金属層と半導体層との繰り返し構造を2以上有する第1の積層部と、
前記第1の積層部上に積層され、誘電体層と半導体層との繰り返し構造を1以上有する第2の積層部と、
前記第2の積層部上に積層された誘電体層からなる第3の積層部と
を有することを特徴とする光選択吸収膜。 - 前記第1の積層部は、前記金属層のうち前記基材上に最初に積層される金属層の物理膜厚が60〜200nmの範囲内、その他の金属層の物理膜厚が互いに同一または異なって5〜10nmの範囲内、前記半導体層の物理膜厚が互いに同一または異なって5〜20nmの範囲内、
前記第2の積層部は、前記誘電体層の物理膜厚が互いに同一または異なって10〜30nmの範囲内、前記半導体層の物理膜厚が互いに同一または異なって2〜9nmの範囲内、
前記第3の積層部は、前記誘電体層の物理膜厚が40〜150nmの範囲内
にある請求項1記載の光選択吸収膜。 - 前記光選択吸収膜の全体の物理膜厚は200〜300nmである請求項1または2記載の光選択吸収膜。
- 前記第1の積層部の前記金属層は、互いに同一または異なって、Ag、Al、Au、Cu、Fe、Hf、In、La、Mo、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Ta、Ti、Zr、もしくはW、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む合金からなり、
前記第1の積層部の前記半導体層および前記第2の積層部の前記半導体層は、互いに同一または異なって、SiもしくはGe、またはこれらの元素から選ばれる1種以上の元素を含む化合物からなり、
前記第2の積層部の前記誘電体層および前記第3の積層部の前記誘電体層は、互いに同一または異なって、SiもしくはGeの酸化物、またはSiおよびGeから選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物からなる
請求項1〜3のいずれか1項記載の光選択吸収膜。 - 前記光選択吸収膜における全ての半導体層の構成元素が互いに同一であり、前記光選択吸収膜における全ての誘電体層の構成元素が互いに同一であり、さらに前記半導体層の構成元素と前記誘電体層の酸素以外の構成元素とが互いに同一である請求項4記載の光選択吸収膜。
- 集熱管本体と、前記集熱管本体の外面に形成される光選択吸収膜とを有する集熱管であって、
前記光選択吸収膜が請求項1〜5のいずれか1項記載の光選択吸収膜であることを特徴とする集熱管。 - 集熱管と、前記集熱管に太陽光を集光する集光手段とを有する集熱器を備える太陽熱発電装置であって、
前記集熱管が請求項6記載の集熱管であることを特徴とする太陽熱発電装置。
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