JP2006214009A - メッキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好にメッキできるメッキ装置を提供する。
【解決手段】このメッキ装置は、メッキ液を用いて半導体ウエハの表面にメッキ処理を施すためのウエハ処理部、メッキ液の主成分濃度を管理する主成分管理部、およびメッキ液の微量成分を管理するための微量成分管理部3を備えている。微量成分管理部3は、メッキ液の微量成分の定量分析を行う分析部320と、分析部320による分析結果に基づき所要量の微量成分を含む補充液をウエハ処理部で使用されるメッキ液に補充する補充部321とを備えている。分析部320は、ウエハ処理部からメッキ液をサンプリングするサンプリング部319と、サンプリング部319から移送されたメッキ液を収容してメッキ液の分析を行う分析カップ336とを備えている。
【選択図】図26

Description

本発明は、半導体ウエハなどの基板に銅メッキを施すためのメッキ装置に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の一方表面にメッキ処理を施すことがある。ウエハにメッキをするためのメッキ装置は、複雑な工程を実施することが要求され、また、メッキによる膜の要求品質は高い。さらに、メッキが繰り返されるとメッキ液の組成が変化するので、定期的にメッキ液を分析し、その結果に基づいてメッキ液の組成が所定の組成になるように調整しなければならない。このような作業は煩雑で時間のかかるものであった。
たとえば、メッキ液は、メッキを促進するための添加剤、メッキを抑制するための添加剤、添加剤をウエハ表面に留める等の役割を果たす塩素などの微量成分を含んでいるが、これらの微量成分はメッキにより失われるので、適時補充して適正な濃度になるように補充しなければ、良好にメッキできなくなる。
米国特許第6254760号明細書
ところが、従来のメッキ装置は、いずれも、メッキによる膜の品質、操作の容易性、生産性等について満足のいくものではなかった。
特に、メッキ液中の微量成分に関して、容易かつ適正に管理ができず、良好にメッキできなくなることがあった。
そこで、この発明の目的は、良好にメッキできるメッキ装置を提供することである。
この発明の他の目的は、操作が容易なメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、生産性が高いメッキ装置を提供することである。
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、処理対象である基板(W)に対して、メッキを施すためのメッキ装置(10)であって、処理対象の基板を収容可能なカセット(C)を載置するためのカセットステージ(16)と、処理対象の基板に接触可能なカソード電極(83)を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング(80)、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極(76)が配置されたメッキカップ(56a〜56d)を備えたメッキ処理ユニット(20a〜20d)と、処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニット(22a,22b)と、上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構(TR)と、後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部(4)と、上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部(320)を備えた微量成分管理部(3)であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラ(169)を含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ(320)、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル(351N〜354N)、滴定分析を行うための参照電極(310)および銀塩化銀電極(311)、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極(308)、対極(309)、および参照電極(310)を備えた微量成分管理部と、上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部(1)が内部に収容されたエンクロージャ(30)と、装置全体を制御するシステムコントローラ(155)とを備え、上記複数の試薬供給ノズルのうち、少なくとも1つが開口径1mm以下の開口を有することを特徴とするメッキ装置である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、1台のメッキ装置により、メッキ処理ユニットによるメッキ処理および洗浄ユニットによる洗浄処理を実施できる。カセットステージ上に載置されたカセットには、未処理の基板ならびにメッキ処理および洗浄処理が施された基板を収容することができる。
カセットに収容された未処理の基板は、システムコントローラの制御により、たとえば、基板搬送機構によりメッキ処理ユニットおよび洗浄ユニットに順次搬送され、メッキ処理と洗浄処理とが自動的に連続して施された後、再び、カセットに収容されるものとすることができる。
このメッキ装置は、基板周縁部をエッチング(ベベルエッチング)するためのベベルエッチングユニットをさらに備えていてもよく、この場合、システムコントローラの制御により、処理対象の基板に、たとえば、メッキ処理、ベベルエッチング処理、および洗浄処理が順次自動的に施されるものとすることができる。ベベルエッチングユニットで使用されるエッチング液は、後処理薬液供給部により収容および供給されるものとすることができる。
基板処理部は、エンクロージャ内に収容されているので、外部環境から隔絶された清浄な雰囲気中で、メッキ処理や洗浄処理などの基板処理を行うことができる。エンクロージャは、フィルタを介して外部の空気が異物を除去されて内部に取り込まれるように構成されていてもよい。
メッキ液がメッキ処理ユニットで繰り返し使用されているうちに、メッキ液中の微量成分の濃度は、所定の濃度(濃度範囲)より低くなるように変化する。この発明によれば、微量成分管理部により、メッキ液中の微量成分であるメッキを促進する添加剤(以下、「促進剤」という。)、メッキを抑制する添加剤(以下、「抑制剤」という。)、および塩素の定量分析をすることができる。
したがって、メッキ液中の促進剤、抑制剤、および塩素の濃度を知ることができ、これに基づいて作業者は、基板処理部で使用されるメッキ液に適量の促進剤、抑制剤、および塩素を補充して、当該メッキ液中の促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度を所定の濃度にすることができる。したがって、このメッキ装置により、所定の微量成分濃度のメッキ液を用いて、容易かつ良好に基板にメッキを施すことができる。
微量成分管理部に備えられた分析部は、1つの分析カップ内に、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀(Ag/AgCl)電極、ならびにCVS(Cyclic Voltammetric Stripping)分析またはCPVS(Cyclic Pulse Voltammetric Stripping)分析を行うための回転電極、対極、および参照電極を配置することができるようになっている。したがって、1つの分析カップで滴定分析とCVS分析またはCPVS分析とを行うことができる。
分析カップに分析対象のメッキ液を収容し、回転電極、対極、および参照電極を用いて、CVS分析またはCPVS分析を行うことができる。滴定分析に用いる参照電極とCVS分析またはCPVS分析に用いる参照電極とは、同じものであってもよい。
具体的には、CVS分析またはCPVS分析において、メッキ液に浸漬された回転電極(作用電極)と参照電極との間の電圧が、微量成分管理コントローラにより指定される掃引電圧(指令電圧)に一致するように、対極と回転電極との間に流れる電流が制御される。指令電圧は、一定の周期で変動するように掃引される。これにより、作用電極に対する銅メッキおよびこの銅の剥離(ストリッピング)がサイクリックに生じる。作用電極の銅が剥離される際に作用電極に流れる電流は、メッキ液中の促進剤や抑制剤の濃度と相関がある。このため、作用電極に流れる電流をモニタすることにより、促進剤または抑制剤の濃度を求めることができる。
回転電極は白金(Pt)からなり、絶縁体からなる棒状の支持体の先端に露出するように取り付けられ、支持体とともに支持体の軸のまわりに回転可能なものとすることができる。CVS分析またはCPVS分析を行う際、試薬供給ノズルから試薬としての促進剤や抑制剤を供給できる。
分析カップに分析対象のメッキ液を収容し、試薬供給ノズルから硝酸銀水溶液を滴下しながら、メッキ液中に浸漬された参照電極および銀塩化銀電極間の電位差を測定することにより、塩素の滴定分析を行うことができる。この際、回転電極が支持された支持体を回転させることにより、分析対象のメッキ液を攪拌できる。
滴定分析などの際は、微少量のメッキ液を計量して分析カップに滴下したり、微少量の試薬をメッキ液に滴下する必要がある。この発明によれば、開口径が1mm以下のノズルを用いることにより、微量の試薬を分析カップに滴下することができる。
請求項2記載の発明は、処理対象である基板(W)に対して、メッキを施すためのメッキ装置(10)であって、処理対象の基板を収容可能なカセット(C)を載置するためのカセットステージ(16)と、処理対象の基板に接触可能なカソード電極(83)を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング(80)、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極(76)が配置されたメッキカップ(56a〜56d)を備えたメッキ処理ユニット(20a〜20d)と、処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニット(22a,22b)と、上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構(TR)と、後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部(4)と、上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部(320)を備えた微量成分管理部(3)であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラ(169)を含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ(320)、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル(351N〜354N)、滴定分析を行うための参照電極(310)および銀塩化銀電極(311)、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極(308)、対極(309)、および参照電極(310)を備えた微量成分管理部と、上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部(1)が内部に収容されたエンクロージャ(30)と、装置全体を制御するシステムコントローラ(155)とを備え、上記分析部は、分析に用いる試薬を収容する試薬収容器(371〜374)と、ほぼ密閉された状態にできるバッファカップ(376〜379)と、このバッファカップ内の液体の液面高さに関する情報を得ることができ、上記微量成分管理コントローラに接続された液面センサ(406A〜409A,406B〜409B,406C〜409C)と、上記試薬収容器内の底部近傍と上記バッファカップとの間に配設された第1送液配管(381〜384)と、上記バッファカップ内の底部近傍と上記分析カップとの間に配設された第2送液配管(351〜354)と、上記バッファカップ内を排気する排気機構(302,411)とを備え、上記微量成分管理コントローラは、上記液面センサの出力信号に基づき上記バッファカップ内において上記第2送液配管の開口位置より高い第1レベルの高さ位置に液体が存在しないと判断されたことに応答して、上記バッファカップ内を排気するように上記排気機構を制御するものであることを特徴とするメッキ装置である。
この発明によれば、試薬収容器からバッファカップへ試薬を供給し、バッファカップ内に一定量以上の試薬が収容された状態とし、バッファカップから適時分析カップに必要量の試薬を供給できる。液面センサにより、バッファカップ内の試薬の液面が、第1レベル以下になったことが検知された場合、微量成分管理コントローラは、排気機構を制御して所定時間バッファカップ内を排気するようにする。
バッファカップがほぼ密閉された状態にされていると、バッファカップ内を排気することにより、バッファカップ内は減圧状態となり、試薬収容器内の収容された試薬がバッファカップ内へと吸引される。試薬収容器内に充分な量の試薬が収容されている場合、所定時間バッファカップ内が減圧状態とされることにより、所定量の試薬が試薬収容器からバッファカップに供給され、バッファカップ内の試薬の液面は、第1レベルより高くなる。
したがって、試薬収容器内に試薬がなくなっても、バッファカップ内には常に一定量以上の試薬が収容された状態とすることができる。これにより、試薬収容器に収容された試薬を無駄なく使い、かつ、第2送液配管に空気が入らないようにして、正確に所定量の試薬を分析カップに供給できる。
第2送液配管は、バッファカップ内において、第1レベルより低い高さ位置から配設されているものとすることができる。たとえば、第2送液配管にはシリンジポンプが介装されているものとすることができ、この場合、シリンジポンプにより、バッファカップ内に収容された試薬を分析カップに移送することができる。
分析部で使用される複数の種類の試薬は、同様の構造により収容および供給するものとすることができる。
請求項3記載の発明は、上記微量成分管理コントローラに、警報音発生装置(400)およびディスプレイ(170)が接続されており、上記液面センサは、上記第1レベルの高さにおける上記バッファカップ内の液体の有無を検知する下限センサ(406B〜409B)、およびこの第1レベルより高い位置にある第2レベルの高さにおける上記バッファカップ内の液体の有無を検知する上限センサ(406A〜409A)を含み、上記微量成分管理コントローラは、上記排気機構により所定時間上記バッファカップ内が排気された後、上記上限センサにより上記バッファカップ内の上記第2レベルに液体が検知されなかった場合に、上記警報音発生装置に警報音を発生させ、上記ディスプレイに上記試薬収容器が空である旨を表示させるように制御するものであることを特徴とする請求項2記載のメッキ装置である。
この発明によれば、下限センサによりバッファカップ内の試薬が第1レベルに存在するか否かを検知でき、上限センサによりバッファカップ内の試薬が第2レベルに存在するか否かを検知できる。したがって、微量成分管理コントローラは、下限センサおよび上限センサの出力信号に基づき、バッファカップ内の試薬が第1レベル以下になったか否か、および第2レベル以上になったか否かを判定することができる。
バッファカップ内の試薬の液面が第1レベルにあるとき、排気機構によるバッファカップ内の排気により所定量の試薬がバッファカップ内に供給されると、試薬の液面は第2レベルより高くなるものとすることができる。
試薬収容器内に充分な量の試薬が収容されていない場合は、所定時間バッファカップ内が減圧状態にされても、バッファカップには所定量の試薬が供給されず、試薬収容器は空になる。したがって、バッファカップ内の試薬の液面は第2レベルに達しない。この場合、微量成分管理コントローラは、警報音発生装置を制御して警報音を発生させ、ディスプレイを制御して試薬収容器が空になったことを当該ディスプレイに表示させ、作業者に注意を促すようにする。この場合、作業者は、空になった試薬収容器と充分な量の試薬が収容された試薬収容器とを交換するものとする。
これにより、再び試薬収容器からバッファカップに所定量の試薬を供給して、バッファカップ内の試薬の液面が第1レベル以下にならないようにすることができる。したがって、第2送液配管に空気が入らないようにして、正確に所定量の試薬を分析カップに供給できる。
請求項4記載の発明は、処理対象である基板(W)に対して、メッキを施すためのメッキ装置(10)であって、処理対象の基板を収容可能なカセット(C)を載置するためのカセットステージ(16)と、処理対象の基板に接触可能なカソード電極(83)を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング(80)、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極(76)が配置されたメッキカップ(56a〜56d)を備えたメッキ処理ユニット(20a〜20d)と、処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニット(22a,22b)と、上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構(TR)と、後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部(4)と、上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部(320)を備えた微量成分管理部(3)であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラ(169)を含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ(320)、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル(351N〜354N)、滴定分析を行うための参照電極(310)および銀塩化銀電極(311)、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極(308)、対極(309)、および参照電極(310)を備えた微量成分管理部と、上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部(1)が内部に収容されたエンクロージャ(30)と、装置全体を制御するシステムコントローラ(155)とを備え、上記分析部は、上記分析カップに近接して配置されほぼ密閉された状態にできるサンプリング容器(305)と、上記基板処理部と上記サンプリング容器との間に配設されたサンプリング管(322,323)と、上記サンプリング容器と上記分析カップとの間に配設されたメッキ液移送管(330A,330B)と、上記サンプリング容器に連通接続され、このサンプリング容器内を排気する排気機構(302,411)とを備えたことを特徴とするメッキ装置である。
この発明によれば、サンプリング容器をほぼ密閉された状態とし、排気機構によりサンプリング容器内を排気することにより、サンプリング容器内を減圧状態とすることができる。これにより、基板処理部とサンプリング容器内との間に圧力差が生じ、基板処理部のメッキ液をサンプリング管を介してサンプリング容器に移送できる。そして、サンプリング容器から分析カップにメッキ液を供給して分析できる。
メッキ液を長い配管を介して移送する場合、空気の混入などのために、正確に所定量のメッキ液が移送されることが保証されない。滴定分析やCVS分析またはCPVS分析を行う際、分析対象のメッキ液の量が正確にわかっていなければ、正確な分析をすることができない。この発明によれば、サンプリング容器は分析カップに近接して配置されているので、サンプリング容器から分析カップにメッキ液を移送するためのメッキ液移送管を短くすることができ、分析部内で空気が混入しないことが保証される。したがって、分析カップに正確に所定量のメッキ液を移送でき、正確な分析を行うことができる。
請求項5記載の発明は、上記サンプリング管は、上記サンプリング容器内の上部で開口しており、上記微量成分管理部は、上記サンプリング容器内に給気する給気機構(302,411)をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載のメッキ装置である。
この発明によれば、サンプリング管は、サンプリング容器内の上部に開口しているので、サンプリング管を介してメッキ液を移送した後、サンプリング容器内でサンプリング管の端部(開口部)がメッキ液に没しないようにできる。サンプリング管を介して基板処理部からサンプリング容器へとメッキ液をサンプリングした後、サンプリング容器がほぼ密閉された状態とし、給気機構によりサンプリング容器内に給気することができる。これにより、サンプリング容器内は加圧状態となり、サンプリング管内に存在するメッキ液を基板処理装置へと押し戻すことができる。
基板処理部側からサンプリング容器側へしかメッキ液を移送できなかった場合、サンプリング管内に残ったメッキ液は、次にメッキ液の分析をする前にサンプリング容器内に移送した後廃棄しなければならず、メッキ液が無駄になる。この発明によれば、サンプリング管内のメッキ液を基板処理部に押し戻して、基板処理部で使用できるのでメッキ液が無駄にならない。
排気機構と給気機構とは同じもの、たとえば、エアポンプであってもよい。エアポンプの給気口を開放し排気口をサンプリング容器に連通させることにより、サンプリング容器内を排気できる。また、エアポンプの排気口を開放し給気口をサンプリング容器に連通させることにより、サンプリング容器内に給気できる。
請求項6記載の発明は、処理対象である基板(W)に対して、メッキを施すためのメッキ装置(10)であって、処理対象の基板を収容可能なカセット(C)を載置するためのカセットステージ(16)と、処理対象の基板に接触可能なカソード電極(83)を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング(80)、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極(76)が配置されたメッキカップ(56a〜56d)を備えたメッキ処理ユニット(20a〜20d)と、処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニット(22a,22b)と、上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構(TR)と、後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部(4)と、上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部(320)を備えた微量成分管理部(3)であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラ(169)を含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ(320)、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル(351N〜354N)、滴定分析を行うための参照電極(310)および銀塩化銀電極(311)、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極(308)、対極(309)、および参照電極(310)を備えた微量成分管理部と、上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部(1)が内部に収容されたエンクロージャ(30)と、装置全体を制御するシステムコントローラ(155)とを備え、上記微量成分管理部は、排気口(420h)が形成された微量成分管理部エンクロージャ(420)に収容されており、上記排気口には、上記微量成分管理部エンクロージャの内部を排気するための排気管(333,433)を接続可能であり、上記微量成分管理部は、上記排気管に取り付けられ排気圧を測定する排気圧センサ(436,437)をさらに含むことを特徴とするメッキ装置である。
この発明によれば、排気口に接続された排気管を介して、エンクロージャ内部の気体を排気することができる。CVS分析またはCPVS分析の際、回転電極は分析カップに収容された分析対象のメッキ液に浸漬され、たとえば、2500rpmの回転数で回転される。このため、メッキ液は回転電極の支持体により高速攪拌されてミストが生じる。排気管を介して、このようなミストを排出し微量成分管理部エンクロージャ内に滞留しないようにできる。
また、排気圧センサにより、適正な排気圧で微量成分管理部エンクロージャ内が排気されているか否かを確認できる。排気圧センサの出力は、微量成分管理コントローラに入力されるように構成されていてもよく、この場合、何らかの理由により排気が正常に行われなくなった場合、微量成分管理コントローラの制御により警報音を鳴らすことができるように構成し、作業者に注意を喚起するようにしてもよい。
排気管は、分析カップ近傍を局所的に排気するものであることが好ましく、このような排気管に加えて、微量成分管理部エンクロージャ内全体を排気するための排気管がさらに備えられていてもよい。
上記メッキ装置は、上記銀塩化銀電極を上下動して、上記銀塩化銀電極を上記分析カップの内部と外部との間で移動させる上下機構(326)をさらに備えていてもよい。
硝酸銀水溶液により塩素の滴定分析を行う際、分析対象のメッキ液中に塩化銀の沈殿が生じる。したがって、塩素の滴定分析を行った後、塩化銀を除去して分析カップ内を清浄にしなければならない。塩化銀は、たとえば、チオ硫酸ナトリウム水溶液などの塩化銀を溶解する洗浄液を用いた洗浄により除去できる。ところが、塩化銀を溶解する洗浄液は、銀塩化銀電極をも溶解してしまう。
この構成によれば、滴定分析の後に分析カップ内を洗浄する際、上下機構により、銀塩化銀電極を分析カップの外部に移動させることができる。これにより、銀塩化銀電極を溶解させずに分析カップ内の塩化銀を除去できる。
上記分析カップの底面には、排液口(336h)が形成されていてもよく、この場合、上記分析カップの底面には、上記排液口に向かう下り傾斜がつけられていてもよい。
廃液口から、分析終了後のメッキ液、分析カップ内を洗浄した後の洗浄液などを抜き出すことができる。分析カップの底面に、廃液口に向かう下り傾斜がつけられていることにより、カップ内のメッキ液や洗浄液などをほぼ完全に抜き出すことができる。
上記分析部は、メッキ液および分析に用いる試薬を上記分析カップに供給するための複数のシリンジポンプ(386〜389)をさらに備えていてもよく、この場合、このシリンジポンプは上記微量成分管理コントローラに接続されたシリアルバスを介して制御されるものであってもよい。
この構成によれば、シリンジポンプにより正確に所定の量の試薬をメッキ液に供給できる。また、シリアルバスにより複数のシリンジポンプを制御できる。
上記微量成分管理コントローラは、記憶装置(169M)を備えていてもよく、この場合、上記微量成分管理コントローラに、ディスプレイ(170)および操作者が情報を入力する入力装置(171)が接続されていてもよく、この場合、上記微量成分管理コントローラは、上記分析部で分析された上記メッキを抑制する添加剤、メッキを促進する添加剤、および塩素の分析値を、分析された年月日および時刻と関連づけて上記記憶装置に記憶可能で、操作者の上記入力装置を介した指示に応答して、上記記憶手段に記憶された上記メッキを抑制する添加剤、メッキを促進する添加剤、および塩素の分析値を上記ディスプレイに時系列で表示するよう制御するものであってもよい。
この構成によれば、促進剤、抑制剤、および塩素の分析値を時系列で表示させることができるので、作業者は、これらの微量成分が消費される速さを見積もることができる。そして、これらの微量成分が所定の濃度以下になった場合、当該微量成分をすぐにメッキ液に補充できるように用意することができる。
促進剤、抑制剤、および塩素の分析値と測定年月日との関係は、ディスプレイに、表の形で表示させてもよく、グラフの形で表示させてもよい。また、促進剤、抑制剤、および塩素の分析値は、すべて表示させてもよく、作業者の入力装置を介した指示により、促進剤、抑制剤、および塩素の分析値のうち任意の1つまたは2つを表示させるようにしてもよい。
ディスプレイへの表示の代わりに、プリンタにより印刷することとしてもよい。
上記微量成分管理コントローラには、ディスプレイ(170)が接続されていてもよく、この場合、上記微量成分管理コントローラは、上記ディスプレイに上記分析カップに滴下された滴定分析用の試薬の量と、上記参照電極と上記銀塩化銀電極との間の電位差との関係を示すグラフを表示可能であってもよい。
この構成によれば、滴定分析の進行状況を視覚的に確認することができる。
上記微量成分管理コントローラと上記システムコントローラとは、シリアルライン(L13)を介して接続されていてもよく、この場合、上記システムコントローラは、上記基板処理部で使用されるメッキ液の総量に関する情報を取得可能であってもよく、この場合、上記微量成分管理コントローラは、上記シリアルラインを介して上記システムコントローラから上記メッキ液の総量に関する情報を取得可能であってもよく、この場合、上記微量成分管理コントローラは、さらに、このメッキ液の総量に関する情報と、上記分析部による上記メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素の分析値から、上記基板処理部内のメッキ液が上記メッキを抑制する添加剤、メッキを促進する添加剤、および塩素に関して所定の濃度になるように、上記メッキ液に補充すべき上記メッキを抑制する添加剤を含む補充液、上記メッキを促進する添加剤を含む補充液、および塩素を含む補充液の量を求めることが可能であってもよい。
この構成によれば、促進剤、抑制剤、および塩素が所定の濃度になるように、メッキ液に補充すべき促進剤、抑制剤、および塩素の量を自動的に求めることができる。したがって、このようなメッキ装置により、メッキ液の微量成分の管理が容易となり、適正な組成のメッキ液でメッキすることが容易となる。
上記微量成分管理部は、ほぼ密閉された状態にできる調合容器(335)と、この調合容器内の底部近傍と上記基板処理部との間に配設された補充管(324,325)と、上記調合容器内を加圧および減圧する加圧減圧機構(302,411)と、上記微量成分管理コントローラによって求められた補充量の上記メッキを促進する添加剤を含む補充液、メッキを抑制する添加剤を含む補充液、および塩素を含む補充液を、上記調合容器に供給する補充液供給機構(346,363,364)とを含む補充部(321)をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、調合容器をほぼ密閉された状態とし、加圧減圧機構により調合容器内を加圧または減圧することにより、調合容器内と基板処理部との圧力差に基づいて、補充管を介してメッキ液を基板処理部から調合容器内に移送したり、調合容器内のメッキ液を基板処理部に移送できる。調合容器内に移送されたメッキ液に、促進剤を含む補充液、抑制剤を含む補充液、および塩素を含む補充液を添加した後、調合容器内のメッキ液を基板処理部に戻すことにより、基板処理部内のメッキ液に、促進剤、抑制剤、および塩素を補充できる。
これらの操作はすべて自動的に行われるので、このメッキ装置は操作が容易であり、このメッキ装置により生産性を高くすることができる。
補充液は、基板処理部内のメッキ液に直接補充するのではなく、調合容器内に供給できる。この場合、補充液を一旦調合容器内でメッキ液に溶解(分散)させてから基板処理部へと送ることができる。これにより、補充液がメッキ液に溶けにくい場合でも、基板処理部内のメッキ液に対して短時間で補充液を溶解(分散)させることができる。
補充液供給機構は、促進剤を含む補充液、抑制剤を含む補充液、および塩素を含む補充液の補充量を独立に制御できるものとすることができる。補充液供給手段は、たとえば、補充液を収容する補充液収容器と、この補充液収容器から調合容器に補充液を移送するための補充液移送管とを含むものであってもよい。この場合、補充液収容器を調合容器に近接して配置し、補充液移送管を短くすることができる。この場合、近接して配された補充液収容器と調合容器との間では温度差はほとんど生じないので、補充液移送管および補充液移送管内部の補充液の熱膨張/収縮により補充量の精度が悪くなることはない。
上記いずれかのメッキ装置は、以下の構成を有していてもよい。すなわち、処理面に複数の微細な孔または溝が形成され、この孔または溝を覆うようにバリア層およびシード層が順に形成されたほぼ円形の半導体ウエハ(W)の上記処理面にメッキを施すためのメッキ装置(10)であって、処理対象の半導体ウエハを収容可能なカセット(C)を載置するためのカセットステージ(16)と、半導体ウエハに接触可能なカソード電極(83)を備えこのカソード電極が接触された半導体ウエハとともに回転可能なカソードリング(80)、ならびに、支持電解質としての硫酸、目的金属を含む金属塩としての硫酸銅、および微量成分としてのメッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を含むメッキ液を収容可能で内部にアノード電極(76)が配置されたメッキカップ(56a〜56d)を備えたメッキ処理ユニット(20a〜20d)と、排液口(105a)が形成され内部で半導体ウエハの洗浄を行うためのカップ(101)、上記カップ内に配置され半導体ウエハを保持するウエハ保持機構(102)、このウエハ保持機構に保持された半導体ウエハを回転するためのウエハ回転機構(103)、およびこのウエハ保持機構に保持された半導体ウエハの両面に純水を供給する純水供給ノズル(102d、107)を備え、上記カップに内部の空気を排気するための排気機構が接続された洗浄ユニット(22a,22b)と、半導体ウエハをほぼ水平に保持できる伸縮可能なアーム(41,42)、このアームを上下動する上下動機構(24)、およびこのアームに保持された半導体ウエハをほぼ水平な面内で回転する水平回転機構(25)を備えて半導体ウエハを搬送するウエハ搬送機構(TR)と、上記洗浄ユニットで使用される後処理薬液を収容する後処理薬液タンク(290)、およびこの後処理薬液タンクを内部に収容するためのタンクエンクロージャ(291)を備えた後処理薬液供給部(4)と、上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の定量分析を行う分析部(320)、この分析部を収容する微量成分管理部エンクロージャ(420)を備えた微量成分管理部(3)であって、この微量成分管理部全体を制御する微量成分管理コントローラ(169)を備えた微量成分管理部と、上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記ウエハ搬送機構を含むウエハ処理部(1)が内部に収容されたエンクロージャ(30)であって、内部を外部環境と隔絶するための隔壁および上記ウエハ処理部を支持するフレーム(37)を備え、上部にフィルタ(31)が設けられており、半導体ウエハまたは半導体ウエハを収容可能なカセットの搬入および搬出を行うための搬入/搬出口、純水配管(32)を挿通するための純水配管挿通口(32h)、圧縮空気配管(33)を挿通するための圧縮空気配管挿通口(33h)、上記エンクロージャの下部に形成され内部を排気するための排気用開口(36)、ならびに上記エンクロージャ内を排気するための排気管(34,35)を接続するための排気管接続口(34h、35h)が形成されたエンクロージャと、複数のプリント基板(155P)、中央演算処理装置(155C)、半導体メモリおよび磁性体メモリを有し少なくとも一部を高級言語で記述したメッキ装置制御プログラムが格納された記憶装置(155M)、ならびにシリアルポート(280,281)を備え、英文字入力用キーおよび数字入力用キーを含むキーボード(157)、およびディスプレイ(156)が接続され、上記メッキ装置全体を制御するシステムコントローラ(155)とを備え、上記微量成分管理部の微量成分管理コントローラは、複数のプリント基板(169P)、中央演算処理装置(169C)、少なくとも一部が高級言語で記述されたメッキ液の微量成分の分析を実行するための微量成分分析プログラムが格納された半導体メモリ(169M)、およびシリアルポート(470,471)を備え、英文字入力用キーおよび数字入力用キーを含むキーボード(171)、およびディスプレイ(170)が接続されており、上記分析部は、分析対象のメッキ液を収容する分析カップ(336)、分析に用いる試薬を収容する複数の試薬収容器(371〜374)、この試薬収容器に収容された試薬を計量するための複数のシリンジポンプ(386〜389)、このシリンジポンプにより計量された試薬を上記分析カップに供給するための複数の試薬供給ノズル(351N〜354N)、上記分析カップ内に配置可能な参照電極(310)および対極(309)、上記分析カップ内に配置可能で、絶縁体からなり軸のまわりに回転可能な棒状の支持体(308a)の先端に支持され白金からなる回転電極(308)、ならびに上記参照電極と上記回転電極との間の電圧が上記微量成分管理コントローラにより指定される掃引電圧と一致するように、上記対極と上記回転電極との間に流れる電流を制御するポテンショスタット(172)を備え、上記微量成分管理部エンクロージャに、内部を排気する排気管(433)を取り付けるための排気口(420h)が形成されており、上記微量成分管理部エンクロージャの内部に上記微量成分管理部で使用される薬液を受けるためのバット(432)が配置されていることを特徴とするメッキ装置であってもよい。
この構成によれば、1台のメッキ装置により、メッキ処理ユニットによるメッキ処理および洗浄ユニットによる洗浄処理を実施できる。
カセットステージ上に載置されたカセットには、未処理のウエハならびにメッキ処理および洗浄処理が施されたウエハを収容することができる。メッキ処理ユニットでは、カソード電極が接触されたウエハを、メッキカップに収容されたメッキ液に接触させ、カソード電極とアノード電極との間に通電することにより、当該ウエハに銅メッキできる。
洗浄ユニットでは、たとえば、純水によりウエハに付着しているメッキ液を除去して、ウエハを清浄にできる。この際、ウエハ保持機構に保持されたウエハを、ウエハ回転機構により回転させながら、純水供給ノズルから当該ウエハに向かって純水を供給することにより、ウエハを均一に洗浄することができる。
洗浄ユニットは、ウエハ保持機構に保持されたウエハに後処理薬液としての洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルをさらに備えていてもよい。この場合、洗浄液は、後処理薬液供給部に収容され後処理薬液供給部から洗浄液ノズルに供給されるものとすることができる。このメッキ装置は、ウエハ周縁部をエッチングするためのベベルエッチングユニットをさらに備えていてもよく、この場合、後処理薬液供給部は、ベベルエッチングユニットで使用されるエッチング液を収容および供給するものとすることができる。
カセットに収容された未処理のウエハは、システムコントローラの制御により、たとえば、ウエハ搬送機構によりメッキ処理ユニットおよび洗浄ユニットに順次搬送され、メッキ処理と洗浄処理とが自動的に連続して施された後、再び、カセットに収容されるものとすることができる。
ウエハ処理部は、エンクロージャ内に収容されているので、外部環境から隔絶された清浄な雰囲気中で、メッキ処理や洗浄処理などの処理を行うことができる。排気管を介してエンクロージャ内を排気することにより、エンクロージャ内を負圧(減圧状態)とし、フィルタを介して外部の空気が異物を除去されてエンクロージャ内部に取り込まれるようにすることができる。また、エンクロージャ外部の空気を、ファンによりフィルタを介してエンクロージャ内部に押し込み、排気用開口から排出されるようにすることもできる。これにより、エンクロージャ内では、清浄な空気のダウンフローが生じる。
洗浄ユニットで使用される純水は、エンクロージャに形成された純水配管挿通口を挿通して配設された純水配管により供給することができる。メッキ処理ユニットや洗浄ユニットなどで使用される駆動部の一部は、エア駆動によるものとすることができ、これらの駆動部を駆動するための圧縮空気は、エンクロージャに形成された圧縮空気配管挿通口を挿通して配設された圧縮空気配管により供給できる。
メッキ液がメッキ処理に繰り返し使用されているうちに、メッキ液中の微量成分の濃度は、所定の濃度(濃度範囲)より低くなるように変化する。この発明によれば、微量成分管理部により、メッキ液中の微量成分であるメッキを促進剤、抑制剤、および塩素の定量分析をすることができる。
したがって、メッキ液中の促進剤、抑制剤、および塩素の濃度を知ることができ、これに基づいて作業者は、ウエハ処理部で使用されるメッキ液に適量の促進剤、抑制剤、および塩素を補充して、当該メッキ液中の促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度を所定の濃度にすることができる。したがって、このメッキ装置により、所定の微量成分濃度のメッキ液を用いて、容易かつ良好にウエハにメッキを施すことができる。
微量成分管理部に備えられた分析部により、以下のようにしてCVS分析またはCPVS分析を行うことができる。先ず、分析カップに分析対象のメッキ液が所定量収容され、メッキ液に浸漬された回転電極(作用電極)と対極との間の電圧が、微量成分管理コントローラにより指定される掃引電圧(指令電圧)に一致するように、ポテンショスタットにより通電される対極と作用電極との間の電流が制御される。
指令電圧は、一定の周期で変動するように掃引される。これにより、作用電極に対する銅メッキおよびこの銅の剥離がサイクリックに生じる。作用電極の銅が剥離される際に作用電極に流れる電流は、メッキ液中の促進剤または抑制剤の濃度と相関がある。このため、作用電極に流れる電流をモニタすることにより、促進剤または抑制剤の濃度を求めることができる。
CVS分析またはCPVS分析を行う際、試薬供給ノズルからメッキ液に適当な試薬を供給できる。たとえば、促進剤の分析を行うときは、分析対象のメッキ液に、試薬供給ノズルから抑制剤を含む試薬を供給し、抑制剤の濃度を充分高くして抑制剤の影響が飽和するようにすることができる。また、抑制剤を分析するときは、促進剤を希釈するためにベース液を、試薬供給ノズルから分析対象のメッキ液に供給し、促進剤の影響を無視できるようにすることができる。
分析部は、さらに、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀電極を含んでいてもよい。この場合、試薬供給ノズルから硝酸銀水溶液を滴下しながら、参照電極と銀塩化銀電極との間の電位差をモニタすることにより、メッキ液中の塩素の滴定分析を行うことができる。
排気口に接続された排気管を介して、微量成分管理部エンクロージャ内部の気体を排気することができる。微量成分管理部の分析部でCVS分析またはCPVS分析の際、回転電極は分析カップに収容された分析対象のメッキ液に浸漬され、たとえば、2500rpmの回転数で回転される。このため、メッキ液は回転電極の支持体により高速攪拌されてミストが生じる。排気管を介して、このようなミストを排出し微量成分管理部エンクロージャ内に滞留しないようにできる。分析カップ近傍まで延設された専用の排気管が設けられていることが好ましい。
分析に用いる試薬や分析対象のメッキ液などの薬液が漏れ出た場合、バットで受けることができ、薬液による装置の汚染が拡大することを防ぐことができる。バット内には、薬液の漏出を検知するセンサが設けられていることが好ましい。
上記いずれかのメッキ装置は、ウエハ処理部(1)で、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を含むメッキ液を用いて、半導体ウエハ(W)にメッキを施す工程と、このウエハ処理部で使用されるメッキ液を分析カップ(336)に移送するメッキ液移送工程と、このメッキ液移送工程の後、上記分析カップ内のメッキ液に対して、CVS分析またはCPVS分析により上記メッキを促進する添加剤の定量分析を行う第1分析工程、CVS分析またはCPVS分析により上記メッキを抑制する添加剤の定量分析を行う第2分析工程、および滴定分析により塩素の定量分析を行う第3分析工程のうちから選択される2以上の工程を任意の順に実行する分析工程と、この分析工程による分析結果に基づいて決定される量だけ、当該成分を含む補充液を上記ウエハ処理部で使用されるメッキ液に補充する補充工程とを含むことを特徴とするメッキ方法を実施するために用いられてもよい。
上記メッキ液移送工程は、上記ウエハ処理部で使用されるメッキ液を上記分析カップに近接して配置されたサンプリング容器(305)に移送する工程と、このサンプリング容器に移送されたメッキ液を上記分析カップに移送する工程とを含んでもよい。
上記補充工程は、調合容器(335)に上記ウエハ処理部で使用されるメッキ液を移送するメッキ液移送工程と、上記調合容器に上記補充液を供給する補充液予備補充工程と、上記メッキ液移送工程および上記補充液予備補充工程の後、上記調合容器内のメッキ液を上記ウエハ処理部に移送する工程を含んでもよい。
上記第3分析工程は、銀塩化銀電極(311)を用いて滴定分析を行う滴定分析工程と、この滴定分析工程の後、上記銀塩化銀電極を上記分析カップ内から退避させて上記分析カップを洗浄する工程とをさらに含んでもよい。
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るメッキ装置10の構成を示すブロック図である。
このメッキ装置10は、メッキ液を用いて半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面にメッキ処理を施したり、メッキ後のウエハの周縁部をエッチング(いわゆる、ベベルエッチング)するためのウエハ処理部1、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を備えてメッキ液の主成分濃度を管理する主成分管理部2、メッキ液の微量成分を管理するための微量成分管理部3、およびメッキ後の後処理に用いる後処理薬液をウエハ処理部1に供給するための後処理薬液供給部4を備えている。このメッキ装置10は、クリーンルーム内に設置されて使用される。
ウエハ処理部1で使用されるメッキ液は、支持電解質としての硫酸、目的金属である銅のイオン、酸化還元剤としての鉄、および水を主成分として含んでおり、メッキを促進する添加剤(ブライトナ)、メッキを抑制する添加剤(サプレッサ)、添加剤をウエハ表面に留める等の役割を果たす塩素などを微量成分として含んでいる。
ウエハ処理部1と主成分管理部2との間には、これらの間でメッキ液を双方向に移送するための2本のメッキ液移送管P12a,P12bが配設されている。同様に、ウエハ処理部1と微量成分管理部3との間には、これらの間でメッキ液を双方向に移送するためのサンプリング管322および補充管324が配設されている。また、ウエハ処理部1と後処理薬液供給部4との間には、後処理薬液供給部4からウエハ処理部1へ後処理薬液を送るための後処理薬液配管P14が配設されている。
ウエハ処理部1は、メッキ装置10全体を制御するためのシステムコントローラを備えている。ウエハ処理部1と、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4とは、それぞれ信号線L12,L13,L14で接続されており、ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラにより、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4の動作が制御されるようになっている。
微量成分管理部3は、サンプリング管322を介して、ウエハ処理部1で用いられているメッキ液を微量成分管理部3内へと移送(サンプリング)して、少なくとも1種類の微量成分に関してCVS(Cyclic Voltammetric Stripping)分析できる。微量成分管理部3は、微量成分管理コントローラを備えており、この微量成分管理コントローラにより、CVS分析の結果に基づいて、ウエハ処理部1内のメッキ液の当該微量成分が所定の濃度範囲になるように補充するべき微量成分の量を演算により求めることができる。さらに、微量成分管理コントローラの制御により、求められた量の当該微量成分を補充管324を介してウエハ処理部1内のメッキ液に補充することができる。
後処理薬液供給部4は、後処理薬液を収容する薬液タンクと、この薬液タンクに収容された後処理薬液をウエハ処理部1に供給する薬液供給手段とを含んでいる。後処理薬液は、たとえば、ベベルエッチングを行う際に用いるエッチング液や洗浄液などである。
図2は、ウエハ処理部1の図解的な平面図である。
ウエハ処理部1は、ウエハWの表面にメッキにより銅薄膜を形成し、その後このウエハWの周縁部をエッチングし、ウエハW表面全体を洗浄処理するための装置である。
水平方向に沿う直線状の第1搬送路14に沿って、ウエハ搬入/搬出部19が配置されている。ウエハ搬入/搬出部19には、処理対象のウエハWを収容することができるカセットCを各1個ずつ載置することができる複数(この実施形態においては4つ)のカセットステージ16が、第1搬送路14に沿って配列されている。ウエハWは、たとえば、ほぼ円形の形状を有し、処理面に多くの微細な孔または溝を有し、その上にバリア層とシード層とが形成されたものとすることができる。
一方、第1搬送路14に直交する水平方向に沿って、直線状の第2搬送路15が設けられている。この第2搬送路15は、この実施形態では、第1搬送路14のほぼ中間位置から延びている。第2搬送路15の一方の側方には、第2搬送路15に沿って配列された4つのメッキ処理ユニット20a〜20dを備えたメッキ処理部12が配置されている。各メッキ処理ユニット20a〜20dは、ウエハW表面に銅メッキを施すことができる。
また、第2搬送路15の他方の側方には、第2搬送路15に沿って配列された2つのベベルエッチングユニット21a,21bおよび2つの洗浄ユニット(スピン洗浄ユニット)22a,22bを備えた後処理部13が配置されている。ベベルエッチングユニット21a,21bは、ウエハW周縁部にエッチング処理を施すことができ、洗浄ユニット22a,22bはウエハWの両面を洗浄できる。
第1搬送路14および第2搬送路15はT字状の搬送路を形成していて、このT字状の搬送路には、1台の搬送ロボットTRが配置されている。搬送ロボットTRは、第2搬送路15に沿って配設された搬送ガイドレール17と搬送ガイドレール17に沿って移動可能なロボット本体18とを備えている。搬送ロボットTRの動作は、搬送コントローラ29により制御されるようになっている。
ロボット本体18は、第1搬送路14に沿ってウエハWを搬送することができるとともに、第2搬送路15に沿ってウエハWを搬送することができる。したがって、ロボット本体18は、カセットステージ16に載置されたカセットCにアクセスしてウエハWの出し入れを行うことができるとともに、メッキ処理ユニット20a〜20d、ベベルエッチングユニット21a,21b、および洗浄ユニット22a,22bにアクセスしてウエハWの出し入れを行うことができる。
ウエハWの基本的な搬送経路および処理手順は、以下の通りである。先ず、未処理のウエハWが、ロボット本体18によりカセットCから搬出され、メッキ処理ユニット20a〜20dのいずれかの前まで搬送されて、当該メッキ処理ユニット20a〜20dに搬入され、メッキ処理が施される。次に、メッキ処理済みウエハWが、ロボット本体18により、当該メッキ処理ユニット20a〜20dから搬出され、ベベルエッチングユニット21a,21bのいずれかに搬入されて、ベベルエッチング処理が施される。
続いて、ベベルエッチング処理済みのウエハWが、ロボット本体18により当該ベベルエッチングユニット21a,21bから搬出され、第2搬送路15に沿って搬送され、洗浄ユニット22a,22bのいずれかに搬入されて洗浄処理が施される。
さらに、洗浄処理済みのウエハWは、ロボット本体18により、当該洗浄ユニット22a,22bから搬出され、第2搬送路15を第1搬送路14に向かって搬送される。第1搬送路14に達すると、ロボット本体18は、この搬送路14に沿って移動することにより、カセットステージ16のいずれかに載置されたカセットCの前に移動し、当該カセットCにウエハWを搬入する。
図3は、ウエハ処理部1のエンクロージャ30の構造を示す図解的な斜視図である。
エンクロージャ30は、複数の隔壁(境界面)により、外形がほぼ直方体に形成されている。エンクロージャ30内で、第2搬送路15とメッキ処理部12との間、および第2搬送路15と後処理部13との間は、それぞれ隔壁が設けられており、ウエハWの受け渡しを行うとき以外は、この隔壁により第2搬送路15が配された空間とメッキ処理部12内の空間および後処理部13内の空間との間は遮られている。
エンクロージャ30上部の隔壁には、空気中の異物を除去するフィルタ31が取り付けられている。フィルタ31は、カセットステージ16、第1搬送路14、および第2搬送路15の上方に配された第1フィルタ31aと、後処理部13の上方に配された第2フィルタ31bとを含んでいる。第1フィルタ31aの上方には、図示しないファンが取り付けられており、エンクロージャ30外部の空気をエンクロージャ30内に押し込むようにされている。
エンクロージャ30において、第2搬送路15の下方に位置する部分には、第2搬送路15の長さ方向に沿って延びる複数のスリット状の開口36が形成されている。第2搬送路15が配された空間は、エンクロージャ30およびその内部の隔壁で仕切られているので、第1フィルタ31aを介してエンクロージャ30内に空気が押し込まれると、第2搬送路15が配された空間は陽圧となり、内部の空気は開口36からエンクロージャ30外部へと排出される。これにより、第2搬送路15が配された空間内部では、上方から下方に向かって流れる空気の流れ(ダウンフロー)が生じる。
第2搬送路15が配された空間内では、薬液等は使用されないので、この空間を通過することによって空気は汚れない。このため、第2搬送路15が配された空間内の空気は、開口36からエンクロージャ30周辺に排出されるようになっている。
エンクロージャ30のカセットステージ16側とは反対側の側面において、メッキ処理部12を囲んでいる隔壁の下部、および後処理部13を囲んでいる隔壁の下部には、それぞれ排気口34h,35hが形成されている。排気口34h,35hには、それぞれ排気ダクト34,35の一端が接続されており、排気ダクト34,35の他端は、工場内の排気設備配管に接続されている。こうして、メッキ処理部12内および後処理部13内でメッキ液や後処理薬液に曝された可能性のある空気を、クリーンルーム外に強制排気することができる。
後処理部13内の空気が排気口35hから強制排気されることにより、後処理部13内は負圧となり、空気は、第2フィルタ31bを介して後処理部13内に吸い込まれ、後処理部13の空間内をダウンフローとなって流れる。
排気口35hが形成されている隔壁において排気口35hの近傍には、純水配管挿通口32hおよび圧縮空気配管挿通口33hが形成されている。純水配管挿通口32hおよび圧縮空気配管挿通口33hを介して、ウエハ処理部1内で使用する純水および圧縮空気を供給するための純水配管32および圧縮空気配管33をそれぞれ挿通できるようになっている。
また、エンクロージャ30の下部周縁部には、鉄製の骨材を組み合わせてなるフレーム37が設けられており、フレーム37によりウエハ処理部1全体が支えられている。フレーム37には、フレーム37を構成する骨材の長さ方向に適当な間隔をあけて、複数のジャッキボルト38が取り付けられている。ジャッキボルト38により、フレーム37は、ウエハ処理部1が配置されたクリーンルームの床から、一定の間隔をあけて支持されるようになっている。
図4は、ジャッキボルト38およびフレーム37を示す図解的な断面図である。
フレーム37は、側方に開いた断面コの字形の骨材を有しており、ほぼ水平で互いに平行な2つの板状部を含んでいる。下方の板状部である被支持板37aには、内ねじが形成されている。ジャッキボルト38は、周面に外ねじが形成されたボルト部38bと、ボルト部38bの下端にほぼ垂直に固定されたほぼ円板状のベース円板38aと、ボルト部38bに外嵌されたロックナット38cとを含んでいる。
ボルト部38bは、被支持板37aに形成された内ねじに嵌め合わされて、被支持板37aをほぼ垂直に貫通している。ロックナット38cは、被支持板37aの下方から被支持板37aに向かって締め付けられている。ボルト部38bの長さ方向に関して、被支持板37aを貫通する位置を変更することにより、ベース円板38aと被支持板37aとの間隔、すなわち、クリーンルームの床からのフレーム37の高さを変更可能である。
フレーム37の高さを調整するときは、ロックナット38cを緩め(ロックナット38cをボルト部38bに対して回転させ、被支持板37aから離れるようにし)、ベース円板38aを適当な方向に回転させる。これにより、ボルト部38bも回転され、ボルト部38bの長さ方向に関して被支持板37aを貫通する位置が変化し、クリーンルームの床からのフレーム37の高さを調整できる。調整後、ロックナット38cを被支持板37aに向かって締め付けることにより、ボルト部38bが被支持板37aに対して動かないようにすることができる。
フレーム37に取り付けられた複数のジャッキボルト38は、いずれも図4に示す構造を有している。したがって、フレーム37の少なくとも3箇所に設けられたジャッキボルト38に関して、ボルト部38bの長さ方向に関して被支持板37aを貫通する位置を調製することにより、ウエハ処理部1の水平調整が可能である。
図5は、ロボット本体18の構造を説明するための図であり、図5(a)はその図解的な平面図であり、図5(b)はその図解的な側面図であり、図5(c)はその図解的な正面図である。
ロボット本体18は、基台部23と、この基台部23に取り付けられた垂直多関節アーム24と、垂直多関節アーム24に取り付けられた回転駆動機構25と、この回転駆動機構25によって鉛直方向に沿う回転軸線V0まわりに回転駆動される基板保持部26とを有している(図5(a)には、基板保持部26のみを示している。)。
基板保持部26は、上部に平坦部を有する本体部40と、この本体部40の平坦部上に設けられた一対の進退アーム41,42とを備えている。この一対の進退アーム41,42を水平方向に進退させるための進退駆動機構(図示せず)は、本体部40に内蔵されている。
進退アーム41,42は、それぞれ、第1アーム部41a,42a、第2アーム部41b,42bおよび基板保持ハンド(エフェクタ)41c,42cを備えている。本体部40は、平面視においてほぼ円形であり、その周縁部近傍に第1アーム部41a,42aが鉛直方向に沿う回転軸線まわりにそれぞれ回転可能に取り付けられている。これらの第1アーム部41a,42aは、本体部40内の進退駆動機構によって、回転軸線まわりに回転駆動される。
進退アーム41,42は、いわゆるスカラーロボットを形成しており、第1アーム部41a,42aの回動に連動して、第2アーム部41b,42bが、鉛直方向に沿う回転軸線まわりにそれぞれ回転する。これにより、進退アーム41,42は第1および第2アーム部41a,42a;41b,42bを屈伸させて、基板保持ハンド41c,42cを進退させる。
進退アーム41,42は、収縮状態において、基板保持ハンド41c,42cを上下に重なり合った位置に保持する(図5(a))。そのため、一方の進退アーム41の基板保持ハンド41cは、他方の進退アーム42の基板保持ハンド42cとの干渉を避けることができるように、屈曲形状に形成されている(図5(b))。
垂直多関節アーム24の第1アーム24aは、基台部23に対して、水平方向に沿う回転軸線H1まわりの回動が可能であるように取り付けられている。そして、第1アーム24aの他端に、第2アーム24bの一端が水平な回転軸線H2まわりの回動が可能であるように取り付けられている。さらに、第2アーム24bの他端には、回転駆動機構25が、水平な回転軸線H3まわりに回動が可能であるように取り付けられている。回転軸線H1,H2,H3は互いに平行である。
基台部23には、第1アーム24aを回転させるためのモータ27が設けられており、第1アーム24aと第2アーム24bとの連結部には、第2アーム24bを回転駆動するためのモータ28が設けられている。モータ28は、モータ27と同期して回転するようになっており、第2アーム24bには、モータ28からの駆動力を回転駆動機構25側に伝達するための駆動力伝達機構(図示せず)が内蔵されている。これによって、回転駆動機構25は、第1アーム24aおよび第2アーム24bが回動されたときでも、基板保持部26を常に同じ姿勢(たとえば、ウエハWを水平に保持できる姿勢)に保持するようになっている。
回転駆動機構25にはモータ(図示せず)が内蔵されていて、このモータからの駆動力を得て、回転駆動機構25は、基板保持部26を鉛直方向に沿う回転軸線V0まわりに回転駆動する。
このような構成によって、搬送ロボットTRは、基板保持ハンド41c,42cを、図5(c)において斜線を付して示す範囲で水平方向および鉛直方向に移動させることができる。
ロボット本体18がカセットステージ16(図2参照)に載置されたカセットCにアクセスするときには、搬送コントローラ29によって、ロボット本体18は、搬送ガイドレール17の第1搬送路14側の端部に移動される。この状態で、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26をカセットステージ16のカセットCに対向させることができる。すなわち、基台部23が搬送ガイドレール17上に位置したまま、基板保持部26は第1搬送路14に沿って移動できる。
そして、回転駆動機構25の働きにより、進退アーム41,42を当該カセットCに対向させ、図示しない進退駆動機構によって、進退アーム41,42を当該カセットCにアクセスさせれば、カセットCに対するウエハWの搬入/搬出を行うことができる。カセットCと進退アーム41,42との間のウエハWの受け渡しの際には、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が若干量だけ昇降される。
ロボット本体18が、メッキ処理ユニット20a〜20d、ベベルエッチングユニット21a,21b、および洗浄ユニット22a,22b(いずれも図2参照)のいずれかにアクセスするときには、ロボット本体18は、図示しない移動機構によって、搬送ガイドレール17上を該当するユニットの前まで移動される。この状態で、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が当該ユニットの基板搬入/搬出口に対応する高さへと昇降され、かつ、回転駆動機構25による基板保持部26の回転によって、進退アーム41,42が当該ユニットに対向させられる。
そして、この状態で、進退駆動機構によって、進退アーム41,42を当該ユニットにアクセスさせることによって、ウエハWの搬入/搬出が行われる。当該ユニットと進退アーム41,42との間のウエハWの受け渡しの際には、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が若干量だけ昇降される。
以上のような構成により、1台のロボット本体18で、カセットC、メッキ処理ユニット20a〜20d、ベベルエッチングユニット21a,21b、および洗浄ユニット22a,22bに対して、ウエハWのアクセスを行うことが可能となっている。
メッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理が施された後、ベベルエッチングユニット21a,21bでベベルエッチング処理が施されるまでのウエハW(以下、「全面メッキウエハ」という。)は、ウエハW周縁部にもメッキによる銅膜が形成されている。したがって、全面メッキウエハを保持した基板保持ハンド41c,42cは、銅に汚染される。このため、基板保持ハンド41cおよび基板保持ハンド42cの一方は、全面メッキウエハを保持するために専用に用いられることが好ましい。これにより、基板保持ハンド41cまたは基板保持ハンド42cを介して、銅汚染が広がらないようにすることができる。
図6(a)は、カセットCが載置されたカセットステージ16の図解的な平面図であり、図6(b)は、その図解的な側面図である。
カセットステージ16は、カセットCを載置するための平板状のカセットベース50を備えている。カセットベース50は、平面視において、ほぼ正方形の形状を有している。カセットCは、平面視において、カセットベース50より小さなほぼ正方形の形状を有しており、その一辺側にウエハ出し入れ用開口Ceが形成されている。
カセットベース50の一方表面には、平面視においてカセットCの4つの角部にほぼ対応する位置に、それぞれカセットガイド51が設けられており、カセットガイド51にカセットCの角部が接するように配することにより、カセットCをカセットベース50上の所定の位置に取り付けることができるようになっている。カセットCは、カセットベース50上の所定の位置に取り付けられたとき、ウエハ出し入れ用開口Ceが第1搬送路14側を向くようになっている(図2参照)。
また、カセットベース50の上記一方表面には、一対の対辺(ウエハ出し入れ用開口Ce側の辺を含まない対辺)の中点近傍に、発光素子52aおよび受光素子52bがそれぞれ取り付けられている。発光素子52aおよび受光素子52bは、透過型フォトセンサ52をなす。カセットCがカセットベース50上にないときは、発光素子52aから発せられた光は、受光素子52bで受光され、カセットCがカセットベース50上にあるときは、発光素子52aから発せられた光は、カセットCに遮られて受光素子52bに届かない。これにより、カセットベース50上のカセットCの有無を判定できるようになっている。
図7は、メッキ処理部12の構成を示す図解的な正面図である。
このメッキ処理部12は、ウエハWにメッキ処理を施すための複数(この実施形態では4つ)のメッキ処理ユニット20a〜20dと、メッキ液を収容することができるメッキ液収容槽55とを含んでいる。メッキ処理ユニット20a〜20dは、それぞれ、メッキ液を収容するメッキカップ56a〜56dと、メッキカップ56a〜56dの上方にそれぞれ配置可能なウエハ保持回転機構(処理ヘッド)74a〜74dを備えている。
メッキ液収容槽55は、メッキカップ56a〜56dよりもはるかに大量(たとえば、メッキカップ56a〜56dの収容総量の20倍)のメッキ液を収容できるようになっている。メッキ液収容槽55に大量のメッキ液を蓄えておくことにより、メッキ処理部12で使用するメッキ液の総量を多くすることができる。これによって、メッキ処理に伴うメッキ液組成の変化を少なくすることができる。
メッキ液収容槽55の底面には、主成分管理部2へとメッキ液を送るためのメッキ液移送管P12aが連通接続されている。メッキ液収容槽55の上方からは、主成分管理部2から送られてきたメッキ液をメッキ液収容槽55内に導入するためのメッキ液移送管P12b、微量成分管理部3へとメッキ液を送るためのサンプリング管322、および微量成分管理部3とメッキ液収容槽55との間でメッキ液を双方向に移送するための補充管324が、メッキ液収容槽55内に導かれている。メッキ液移送管P12b、サンプリング管322、および補充管324は、メッキ液収容槽55内のメッキ液中に没する深さまで延設されている。
メッキカップ56a〜56dは、メッキ液収容槽55より高い位置に配置されている。メッキ液収容槽55の底面からは送液配管57が延びており、送液配管57は、4つの送液分岐配管58a〜58dに分岐している。送液分岐配管58a〜58dは上方に延びて、それぞれメッキカップ56a〜56dの底面中央部に連通接続されている。
送液分岐配管58a〜58dには下方から上方に向かう順に、それぞれ、ポンプP1〜P4、フィルタ59a〜59d、および流量計60a〜60dが介装されている。ポンプP1〜P4により、メッキ液収容槽55からそれぞれメッキカップ56a〜56dへとメッキ液を送液できる。ポンプP1〜P4の動作は、システムコントローラ155によって制御される。フィルタ59a〜59dは、メッキ液中のパーティクル(異物)を除去することができる。流量計60a〜60dからはメッキ液の流量を示す信号が出力され、この信号はシステムコントローラ155に入力されるようになっている。
メッキカップ56a〜56dは、それぞれ内方に配された円筒状のメッキ槽61a〜61d(液溜まり部)、およびメッキ槽61a〜61dの周囲に配された回収槽62a〜62dを含んでいる。送液分岐配管58a〜58dは、それぞれメッキ槽61a〜61dに連通接続されており、回収槽62a〜62dの下部からは、それぞれリターン分岐配管63a〜63dが延びている。リターン分岐配管63a〜63dはリターン配管64に連通接続されており、リターン配管64はメッキ液収容槽55内に延設されている。
以上のような構成により、たとえば、ポンプP1を作動させることにより、メッキ液はメッキ液収容槽55から送液配管57および送液分岐配管58aを介して、メッキ槽61aに送液される。メッキ液はメッキ槽61aの上端から溢れ出て、重力の作用により回収槽62aから、リターン分岐配管63aおよびリターン配管64を経て、メッキ液収容槽55へと戻される。すなわち、メッキ液はメッキ液収容槽55とメッキカップ56aとの間で循環される。
同様に、ポンプP2,P3,またはP4を作動させることにより、メッキ液をメッキ液収容槽55とメッキカップ56b,56c,または56dとの間で循環させることができる。メッキ処理ユニット20a〜20dのいずれかでメッキ処理が行われるときは、そのメッキ処理ユニット20a〜20dのメッキカップ56a〜56dと、メッキ液収容槽55との間でメッキ液が循環される。このように、メッキ液収容槽55は4つのメッキ処理ユニット20a〜20dに共通に使用される。
送液分岐配管58aにおいてポンプP1とフィルタ59aとの間には、バイパス配管65の一端が連通接続されている。バイパス配管65の他端は、メッキ液収容槽55内に導かれている。バイパス配管65には、特定の波長の光に対するメッキ液の吸光度を測定する吸光度計66A,66Bが介装されている。吸光度計66Aは、メッキ液中の銅濃度を求めるためのものであり、吸光度計66Bは、メッキ液中の鉄濃度を求めるためのものである。
ポンプP1が作動され、メッキ液がメッキ液収容槽55とメッキカップ56aとの間で循環されているときは、フィルタ59aによる圧力損失のため送液分岐配管58aを流れるメッキ液の一部はバイパス配管65へと流れる。すなわち、バイパス配管65に専用のポンプを介装しなくても、バイパス配管65にメッキ液を流すことができる。
吸光度計66A,66Bは、透明な材質でできたセル67A,67B、ならびにセル67A,67Bを挟んで対向配置された発光部68A,68Bおよび受光部69A,69Bをそれぞれ含んでいる。発光部68A,68Bは、それぞれ銅および鉄の吸収スペクトルに対応した特定の波長(たとえば、銅の場合780nm)の光を発することができ、受光部69A,69Bは発光部68A,68Bから発せられセル67A,67B内のメッキ液を透過した光の強度を測定できる。この光の強度からメッキ液の吸光度が求められる。吸光度計66A,66Bからは吸光度を示す信号が出力され、これらの信号はシステムコントローラ155に入力される。
メッキ液収容槽55の側面には、温度センサ70および電磁導電率計71が取り付けられている。温度センサ70および電磁導電率計71は、メッキ液収容槽55内にメッキ液が収容されたときのメッキ液の液面高さより低い位置に取り付けられている。温度センサ70および電磁導電率計71の検出部は、メッキ液収容槽55内に突出しており、それぞれ、メッキ液の液温および導電率を測定できるようになっている。温度センサ70および電磁導電率計71の出力信号は、システムコントローラ155に入力される。
メッキ液に関して、特定の波長の光に対する吸光度がわかれば銅濃度および鉄濃度がわかる。以下、メッキ液の吸光度から銅濃度を求める方法を説明する。
メッキ液の銅濃度を求めるために、予め、銅濃度と吸光度との関係を調べておく。先ず、銅濃度の異なる複数のサンプルメッキ液をそれぞれ調整して用意する。サンプルメッキ液を調整する際、銅は硫酸銅として添加する。各サンプルメッキ液の銅以外の成分については、実際にメッキ時に用いられる所定の組成のメッキ液と同等とする。このようなサンプルメッキ液の吸光度を吸光度計66Aにより測定する。これにより、図8に示すようにサンプルメッキ液の銅濃度と測定された吸光度との関係(銅検量線)が得られる。
銅濃度が未知のメッキ液の銅濃度を求めるときは、吸光度計66Aにより吸光度を測定する。測定された吸光度および銅検量線から銅濃度が求まる。
同様の方法により、サンプルメッキ液の鉄濃度と測定された吸光度との関係(鉄検量線)、および吸光度計66Bにより測定された吸光度から鉄濃度を求めることができる。
システムコントローラ155は、銅検量線および鉄検量線のデータが記憶された記憶装置を備えている。システムコントローラ155は、吸光度計66Aの出力信号と銅検量線のデータから銅濃度を求めることができ、吸光度計66Bの出力信号と鉄検量線のデータから鉄濃度を求めることができる。
メッキ液収容槽55の上部には、超音波式レベル計72が取り付けられている。超音波式レベル計72は、メッキ液収容槽55内のメッキ液の液面高さを検知することができる。超音波式レベル計72の出力信号は、システムコントローラ155に入力される。超音波式レベル計72の代わりに、静電容量式のレベル計が取り付けられていてもよい。
メッキ液収容槽55、送液配管57、送液分岐配管58a〜58d、リターン分岐配管63a〜63d、リターン配管64などは、ウエハ処理部1のエンクロージャ30や隔壁でほぼ気密に囲まれた配管室73内に配置されている。配管室73には排気口34hが形成されており、排気口34hには排気ダクト34が接続されている。排気ダクト34の他端は、工場の排気設備配管に接続されており、メッキ処理部12内でメッキ液などに曝された可能性のある空気を、クリーンルーム外に強制排気することができる。排気中は、配管室73内は負圧になる。
図9は、メッキ処理ユニット20a〜20dの共通の構造を示す図解的な断面図である。ウエハ保持回転機構74a〜74dは、反転ベース181に支持されている。反転ベース181の一端には反転駆動部43が結合されている。
反転駆動部43は、鉛直方向に延びた柱状の上下ベース182、上下ベース182に取り付けられ上下ベース182に垂直な回転軸を有するロータリアクチュエータ183、ロータリアクチュエータ183の回転軸に取り付けられた歯付きプーリ184、ロータリアクチュエータ183の軸に平行で上下ベース182に回転自在に支持された軸に取り付けられた歯付きプーリ185、およびロータリアクチュエータ183の回転力を伝達するために歯付きプーリ184と歯付きプーリ185との間に張設されたタイミングベルト186を備えている。
ロータリアクチュエータ183は、たとえば、エア駆動によるものとすることができる。反転ベース181は、歯付きプーリ185の軸の近傍に、歯付きプーリ185にほぼ垂直に取り付けられている。ロータリアクチュエータ183の回転駆動力により、反転ベース181および反転ベース181に支持されたウエハ保持回転機構74a〜74dを、図9に矢印aで示すように水平軸まわりに回転(反転)させることができる。これにより、ウエハ保持回転機構74a〜74dに保持されたウエハWを、上方に向けたり下方のメッキカップ56a〜56d側に向けたりすることができる。
上下ベース182には昇降機構44が結合されている。昇降機構44は、鉛直方向に沿う回転軸を有する第1モータ44aと、第1モータ44aの回転軸に軸が一致するように取り付けられたボールねじ44bと、鉛直方向に延びた柱状のガイド44cとを備えている。第1モータ44aは、たとえば、サーボモータとすることができる。上下ベース182の下端近傍には、ボールねじ44bに螺合された内ねじを有する支持部材182aが設けられている。ガイド44cは、上下ベース182がボールねじ44bの軸まわりに回転しないように規制して上下ベース182を上下方向に案内する。
このような構成により、第1モータ44aを回転させて上下ベース182を上下方向に移動させることができる。したがって、上下ベース182に結合された反転ベース181および反転ベース181に支持されたウエハ保持回転機構74a〜74dを、鉛直方向(図9に矢印bで示す。)に昇降させることが可能となっている。
ウエハ保持回転機構74a〜74dは、回転管77および回転管77の一方端に垂直に取り付けられた円板状のスピンベース78を備えている。
図10は、回転管77の近傍を拡大して示す図解的な断面図である。図9および図10を参照して、回転管77は、ベアリング181bを介してその軸のまわりに回転自在に反転ベース181に支持されている。
スピンベース78の回転管77側とは反対側の面において、中心部と周縁部との間には、複数のウエハ受け渡しピン84が立設されている。スピンベース78の回転管77側とは反対側の面の周縁部には、複数(たとえば4本)の支柱79が立設されており、支柱79の先端には、環状のカソードリング80が取り付けられている。支柱79の長さは、ウエハ受け渡しピン84の長さより長い。
カソードリング80は、カソードリング80の中心側に突出した当接部80aを有している。当接部80aの内径は、ウエハWの径よりわずかに小さい。また、カソードリング80は、支柱79が取り付けられている側とは反対側に突出した突出部80pを有している。
回転管77と同軸に、サセプタ81が配備されている。サセプタ81は、回転管77内に挿通された支軸81b、および支軸81bの一端(カソードリング80側)に垂直に取り付けられた円板状のウエハ裏面押圧板81aを含んでいる。支軸81bは、ボールスプライン190により、支軸81bの回転管77の軸方向移動を許容した状態で、回転管77と軸が一致するように支持されている。
ウエハ裏面押圧板81aは複数の支柱79に取り囲まれるように配置されている。ウエハ裏面押圧板81aの径は、ウエハWの径よりわずかに小さい。支軸81bのウエハ裏面押圧板81a側とは反対側の端部は、回転管77から突出している。
サセプタ81には、サセプタ移動機構46が結合されている。サセプタ移動機構46は、反転ベース181に取り付けられたエアシリンダ46aと、エアシリンダ46aのピストンと支軸81bとを結合する伝達部材46bとを含んでいる。伝達部材46bは、支軸81bのウエハ裏面押圧板81a側とは反対側の端部近傍で、回転管77から突出した部分に固定されている。エアシリンダ46aを駆動させることにより、サセプタ81を回転管77の中心軸に沿って移動させることができる。
ウエハ裏面押圧板81aには、ウエハ受け渡しピン84に対応する位置に穴が形成されており、回転管77に対するサセプタ81の移動に伴って、ウエハ受け渡しピン84がウエハ裏面押圧板81aの穴を貫通できるようになっている。以上のような構成により、カソードリング80の当接部80aとウエハ裏面押圧板81aとによりウエハWを挟持できる。
回転管77には、回転管77をその軸のまわりに回転させるための回転駆動機構45が結合されている。回転駆動機構45は、反転ベース181に配設され回転管77の軸に平行な回転軸を有する第2モータ45a、第2モータ45aの回転軸に取り付けられた歯付きプーリ45b、回転管77の外周に設けられた歯付きプーリ45c、および第2モータ45aの回転力を伝達するために歯付きプーリ45bと歯付きプーリ45cとの間に張設されたタイミングベルト45dを備えている。歯付きプーリ45b,45cおよびタイミングベルト45dは、反転ベース181に設けられたカバー181c(図9では図示を省略)内に収容されている。
第2モータ45aの回転駆動力により、回転管77をその軸のまわり(図9に矢印cで示す。)に回転させることができる。第2モータ45aは、たとえば、サーボモータとすることができる。回転管77の回転は、ボールスプライン190を介してサセプタ81に伝達されるようになっていて、回転管77およびサセプタ81は一体的に回転するようになっている。したがって、カソードリング80の当接部80aとウエハ裏面押圧板81aとにより挟持されたウエハWを回転させることができる。
メッキ時には、このようにして挟持されたウエハWが下方に向けられた状態で、昇降機構44によりウエハ保持回転機構74a〜74dが下降されて、ウエハWの下面がメッキ槽61a〜61dに満たされたメッキ液に接触される。
図11は、メッキ時のウエハW近傍を示す図解的な断面図である。図9ないし11を参照して、支軸81bおよびウエハ裏面押圧板81aの内部には、連続した流体流路81cが形成されている。支軸81b内には、支軸81bの中心軸に沿って延びる1本の流体流路81cが形成されている。ウエハ裏面押圧板81a内に入ると、流体流路81cは複数本に分岐して、ウエハ裏面押圧板81aの中心部から周縁部に向かって延び、ウエハ裏面押圧板81aの周縁部で開口している。
支軸81bのウエハ裏面押圧板81aが設けられていない側の端部には、ロータリジョイント191が取り付けられている。ロータリジョイント191には、供給配管203およびリーク配管204の一端が接続されている。供給配管203の他端は、カソード洗浄液配管201と窒素ガス配管202とに分岐している。
カソード洗浄液配管201にはカソード洗浄液供給源が接続されており、窒素ガス配管202には窒素ガス供給源が接続されている。カソード洗浄液配管201にはバルブ201Vが介装されており、バルブ201Vを開くことにより、ロータリジョイント191にカソード洗浄液(たとえば、純水)を導入できるようになっている。窒素ガス配管202にはバルブ202Vが介装されており、バルブ202Vを開くことにより、ロータリジョイント191に窒素ガスを導入できるようになっている。
ロータリジョイント191により、サセプタ81が回転しているときでも、非回転系にあるカソード洗浄液供給源や窒素ガス供給源から、カソード洗浄液や窒素ガスなどの処理流体を流体流路81cに導入できる。
供給配管203から導入されたカソード洗浄液の一部は、リーク配管204を介して排出されるように構成されている。ロータリージョイント191内の摺動部で生じるパーティクルは、カソード洗浄液とともにリーク配管204へ流し出され、流体流路81cへ流れないようになっている。
図12は、ロータリジョイント191の図解的な断面図である。ロータリジョイント191は、供給配管203およびリーク配管204に接続されるステータ243と、サセプタ81の支軸81bに接続されるロータ244とを備えている。
ステータ243は、ボディ247、ボディ247から突出した内筒部245、およびボディ247から突出し内筒部245の周囲に内筒部245と同軸に配された外筒部246を含んでいる。ボディ247、内筒部245、および外筒部246は、一体に形成されている。ボディ247において、内筒部245および外筒部246が延びる方向と直交する方向に、供給配管203を接続するための継ぎ手248、およびリーク配管204を接続するための継ぎ手249が設けられている。継ぎ手248および継ぎ手249からは、ボディ247の内方に、それぞれ処理流体供給孔256およびリークポート257が延びている。
ロータ244は、支軸81bを接続するための継ぎ手251、および継ぎ手251に接続された支軸81bと同軸に延びる円筒部250を備えている。ロータ244の中心軸に沿って、貫通孔262が形成されている。継ぎ手251は、外ねじが形成された接続用配管258およびフランジ260を含んでいる。支軸81bの端部内面には内ねじが形成されていて、接続用配管258の外ねじに締め込むことができるようになっている。締め込まれた支軸81bの端部は、フランジ260によって位置が規制される。支軸81bとフランジ260との間には、フッ素樹脂製のパッキン261が介装される。
円筒部250は、ボディ247の内筒部245と外筒部246との間の環状空間に、内筒部245および外筒部246と同軸に嵌入されている。処理流体供給孔256、内筒部245の内部空間245a、およびロータ244の貫通孔262は連通しており、供給配管203から供給された処理流体を支軸81bに形成された流体流路81cへと導く主流路270を形成している。
内筒部245と円筒部250との間には第1間隙252が形成されており、外筒部246と円筒部250との間には第2間隙253が形成されている。第1間隙252の幅(内筒部245と円筒部250との間隔)は、たとえば0.1mmであるが、円筒部250の先端近傍でこれより広くなっている。第2間隙253の幅(外筒部246と円筒部250との間隔)は、数mmである。主流路270と第1間隙252とは、内筒部245先端近傍の第1連通部254で連通しており、第1間隙252と第2間隙253とは、円筒部250先端近傍の第2連通部255で連通している。また、第2連通部255の一部にはリークポート257が連通している。第1間隙252、第2間隙253の一部、およびリークポート257は、リーク流路271を形成しており、主流路270とリーク配管204とは、リーク流路271を介して連通している。
第2間隙253には、第2連通部255に近い側から順に、第1スペーサ263、密閉リング264、第2スペーサ265、Cリング266、2つのベアリング267、第3スペーサ268が配置されている。Cリング266以外は、いずれも閉じたリング状の形状を有しており、円筒部250を取り巻いている。密閉リング264は、第1スペーサ263および第2スペーサ265に挟持されて、外筒部246に対して軸方向の位置が固定されている。
第1スペーサ263および第2スペーサ265は、外筒部246に接触しているが、円筒部250には接触していない。ベアリング267は、円筒部250に対して軸方向の位置が固定されており、円筒部250と外筒部246との間を回転自在に支持している。Cリング266は、円筒部250の所定位置に設けられた浅い溝に嵌合している。
密閉リング264は、第2連通部255に向かって開いた断面コ字形のフッ素樹脂製の圧接部材(リップ部)264a、圧接部材264a内に配されたコイルばね(つる巻きばね)264b、および圧接部材264aの開放方向の一部を覆う押さえ部材264cとを含んでいる。圧接部材264aは、コイルばね264bの弾力により、コイルばね264bを中心として外方に向かって付勢されており、外筒部246および円筒部250に接触している。コイルばね264bは、使用するカソード洗浄液に対する耐性を有する材料で構成されている。押さえ部材264cは、コイルばね264bを圧接部材264aから外れないように押さえている。
外筒部246の先端近傍の外面には、外ねじが形成されている。外筒部246の外側には、この外ねじに対応する内ねじを有する固定用リング269が締められている。固定用リング269は、ロータ244側の端部に、内方に向かって突き出したつば269aを備えている。つば269aは、第3スペーサ268とフランジ260との間に延びている。
ステータ243とロータ244とを嵌め合わせてロータリジョイント191を組み立てる際、固定用リング269を外筒部246に締め込むことにより、Cリング266、第3スペーサ268およびベアリング267を軸方向の所定の位置まで導くことができる。
リーク配管204のロータリジョイント191側とは反対側の端部は、通常大気圧にされており、主流路270に流れる処理流体には通常圧力がかけられているので、主流路270を流れる処理流体の一部は、より圧力の低いリーク流路271へと流れる。リーク流路271を流れる処理流体(特にカソード洗浄液)の一部は、第2連通部255から第2間隙253に至るが、密閉リング264に移動を阻まれて、ベアリング267の方に漏れることはない。
支軸81bが回転すると、ロータ244も回転する。ロータ244は、ステータ243とは、密閉リング264およびベアリング267を介して支持されているので、ステータ243に対して自由に回転できる。ロータ244の回転により、圧接部材264aは、外筒部246および円筒部250の一方又は双方と擦れる。フッ素樹脂で形成された圧接部材264aは良好な耐摩耗性を有するが、わずかにパーティクルが発生(発塵)する。
リーク流路271では、処理流体は第1間隙252からリークポート257へ向かって流れるので、密閉リング264の部分で発生したパーティクルは、処理流体(特にカソード洗浄液)とともに、リーク流路271を経てリーク配管204へと排出される。したがって、主流路270を流れる処理流体にパーティクルが混入し、パーティクルを含んだ処理流体が、ウエハWに供給されることはない。
リーク配管204のロータリジョイント191側とは反対側の端部には、エゼクタが取り付けられたものとすることができる。この場合、主流路270からリーク流路271へ流入する処理流体の流量が少ないときは、エゼクタによりリークポート257側を負圧にして、強制的に流量を大きくしてもよい。これにより、主流路270側が大気圧に近い場合でも、リーク流路271を流れる処理流体の流量を大きくすることができる。このように、リークポート257側の圧力を調整することにより、リーク流路271を流れる処理流体の流量を調整できる。
また、第1間隙252の幅が50μmと狭く設定されていることによっても、パーティクルは主流路270の方へ移動し難くなっている。
第1間隙252の幅が狭いことによって、この部分に存在する処理流体には、大きな圧力損失が生じる。したがって、主流路270を流れる処理流体の流量を大きくするために、主流路270の処理流体に大きな圧力をかけた場合でも、密閉リング264には大きな圧力(負荷)がかからない。したがって、密閉リング264の耐用期間は長くなる。処理流体がカソード洗浄液の場合、第2間隙253に存在するカソード洗浄液は、密閉リング264の潤滑および冷却の役割も果たす。これによっても、密閉リング264の耐用期間は長くなる。
リーク流路271を流れる処理流体は少ない流量でパーティクルを外部へ流し出すことが可能である。第1間隙252の幅を狭くすることで、第1間隙252に流れる処理流体の流量を少なくし、処理液等の処理流体の消費量を低減することができる。
内筒部245と外筒部246とは、ボディ247に一体に形成されているので、内筒部245と外筒部246との間隔は、正確に所定の値に保たれる。円筒部250は、外筒部246に対して、密閉リング264および2つのベアリング267によって3カ所で支持されているので、円筒部250と外筒部246との間隔、すなわち第2間隙253の幅も、正確に所定の値に保たれる。したがって、円筒部250と内筒部245との間隔、すなわち第1間隙252の幅も正確に所定の値に保たれ、円筒部250と内筒部245とが接触することはない。
図13は、カソードリング80の図解的な平面図(スピンベース78側から見た図)である。図13(a)は、カソードリング80の全体を示す図であり、図13(b)は、カソードリング80の内周側の一部を拡大して示す図である。
図11および図13を参照して、カソードリング80は、スピンベース78側に近い側から遠い側に向かって順に配置されたアッパーリング80u、導通板80c、およびベースリング80bを含んでいる。アッパーリング80u、導通板80c、およびベースリング80bは、いずれもリング状である。ベースリング80bは、非弾性部材よりなる。導通板80cは、アッパーリング80uとベースリング80bとにより包み込まれて(カバーされて)いる。アッパーリング80uとベースリング80bとは、導通板80cの外周側および導通板80cのスピンベース78とは反対側の面の内周側で対向(近接)している。
導通板80cは導電性を有している。また、導通板80cは、アッパーリング80uやベースリング80bに比して大きな強度を有しており、導通板80cによりカソードリング80全体の強度が確保されている。
当接部80aはベースリング80bに設けられている。換言すれば、ベースリング80bの内径は、アッパーリング80uの内径よりもわずかに小さい。当接部80aは、ウエハ裏面押圧板81a周縁部に対向してウエハWに接触するシール面80sを有している。
アッパーリング80uとベースリング80bとの間隙、およびベースリング80bを半径方向に貫通する孔により、複数の流体流路80fが形成されている。メッキ時のウエハ裏面押圧板81aおよびカソードリング80の配置において、流体流路80fは流体流路81cより低い位置にある。アッパーリング80uの内周側の端部には多数の切り欠き80k(図13(b)参照)が設けられていて、メッキ時にウエハ裏面押圧板81aの周縁部に開口する流体流路81cから流れ出したカソード洗浄液を、流体流路80fに導くことができるようになっている。
流体流路80f(アッパーリング80uとベースリング80bとの間隙)内には、カソード電極83が配置されている。したがって、メッキ時にカソード電極83をカソード洗浄液で洗浄できる。カソード電極83は、シール面80sとほぼ同じ面内で、カソードリング80の中心に対して当接部80aより外方側に配置されている。
図14は、カソード電極83の形状を示す図解的な平面図(図14(a)(b)および断面図(図14(c))である。図14(a)はカソード電極83全体を示す図であり、図14(b)はその一部を拡大して示す図である。
カソード電極83は、厚さ0.1mm程度のステンレス系のばね鋼からなり、表面に白金メッキが施されている。これにより、カソード電極83の表面に酸化被膜が形成されることを防止できるとともに、カソード電極83に逆電界が印加された場合でも溶解しないようにされている。白金メッキによる膜は、薄すぎると摩耗による寿命が短くなる。一方、カソード電極83はウエハWに接触にともなってばね動作するが、白金メッキによる膜が厚すぎると、ばね動作時にこの膜がひび割れする。これらを考慮して、白金メッキによる膜の厚さは、0.01μm〜2μm程度にされている。
カソード電極83は、アッパーリング80uの内径よりわずかに大きな内径を有するリング状部83rと、カソードリング80の周方向に配列されリング状部83rからカソードリング80の中心側に向かって延びた多数の櫛歯状の接触部83cとを有している。接触部83cは、先端がウエハ裏面押圧板81a側に引きおこされるように、5度ないし60度の角度θで屈曲されている。
カソード電極83がカソードリング80に取り付けられた状態で、接触部83cの先端は、アッパーリング80uとベースリング80bとの間から、アッパーリング80uの内周側に突出している(図11および図13(b)参照)。接触部83cの屈曲は、アッパーリング80uにより規制されている(図11参照)。
図11を参照して、ウエハWが当接部80aとウエハ裏面押圧板81aとにより挟持された状態で、カソード電極83は、ウエハWのウエハ裏面押圧板81a側とは反対側の面において、周縁部近傍に弾性的に接触されるようになっている。すなわち、接触部83cは、一定レベルの接点圧力を有してウエハWに接触することができる。
ベースリング80bとアッパーリング80uとの間で、導通板80cのスピンベース78とは反対側の面に隣接する位置には、導電性を有しリング状に形成された電極押さえ80dが配置されている。ベースリング80bには溝が形成されており、この溝の内部にはコイルばね80eが収容されている。カソード電極83は、電極押さえ80dに固定されて電気的に接続されており、電極押さえ80dと導通板80cとは、コイルばね80eにより弾性的に接触し電気的に接続されている。これにより、ウエハ裏面押圧板81aに押されて、ベースリング80bがたわんだり、ベースリング80bとアッパーリング80uとの間に多少の変位が生じた場合でも、電極押さえ80dと導通板80cとの電気的な接続が維持されるようになっている。
支柱79は導電性を有しており、アッパーリング80uを貫通して導通板80cに電気的に接続されている。支柱79は、カソードリング80の周方向に等間隔に設けられているのではなく、カソードリング80の中心に対してほぼ180°離れた位置に2本ずつ設けられている(図13(a)参照)。これにより、支柱79の間を通して、ウエハ裏面押圧板81aとカソードリング80との間にウエハWを挿入しやすくされている。
支柱79とアッパーリング80uとの間(支柱79の周囲)、導通板80cの外周部でアッパーリング80uとベースリング80bとの間、アッパーリング80uと電極押さえ80dとの間(電極押さえ80dの内周側)、およびベースリング80bと電極押さえ80dとの間(電極押さえ80dの外周側)には、Oリング80rが介装されている。これにより、カソードリング80内部にメッキ液が染み込まないようになっており、カソードリング80をスピンベース78から取り外して洗浄する際も、カソードリング80を分解せずそのまま洗浄液に浸漬して洗うことができる。
支柱79の導通板80c側とは反対側の端部には、導電性を有する連結部材79jが取り付けられている。1つの連結部材79jには、近接した2つの支柱79が結合されている(図13(a)参照)。連結部材79jには位置決め穴79hが形成されている。
スピンベース78および回転管77の内部には、導線198が配設されている。スピンベース78のカソードリング80側の面の周縁部には、絶縁板78iを介して導電性を有する連結部材78jが取り付けられている。導線198は、絶縁板78iを貫通する導通スタッド78sを介して、連結部材78jに電気的に接続されている。連結部材78jには位置決めピン78pが設けられている。
連結部材78jと連結部材79jとは、位置決め穴79hに位置決めピン78pが挿入された状態で結合されている。これにより、カソードリング80はスピンベース78に対して適正な位置に固定されており、カソードリング80が高速回転されても、位置ずれすることはない。連結部材78j,79jの結合を解除し、カソードリング80をスピンベース78から取り外した場合、支柱79はカソードリング80の取っ手として機能する。
以上のような構成により、カソード電極83と導線198とは電気的に接続されている。
図9および図10を参照して、メッキ電源82と導線198との間には、電気接続機構192が介装されており、カソードリング80とともに回転する導線198と、非回転系にあるメッキ電源82との間で通電できるようになっている。
電気接続機構192は、回転管77の外周において、回転管77のスピンベース78側とは反対側の端部近傍に取り付けられた導電性を有するプーリ193と、回転管77と平行に反転ベース181に回転自在に取り付けられた導電性を有する回転軸194と、回転軸194に嵌められた導電性を有するプーリ195と、プーリ193とプーリ195との間に張設された導電性を有するベルト196と、回転軸194の先端に取り付けられたスリップリング197とを含んでいる。
回転軸194のスリップリング197側とは反対側の端部は、反転ベース181上に取り付けられたベアリングボックス200により、回転自在に支持されている。回転軸194のベアリングボックス200側の端部は、ベアリングボックス200により周囲から絶縁されている。
プーリ193,195は、たとえば、ベルト196との接触面に金メッキが施されたものとすることができ、ベルト196は、たとえば、表面に金メッキが施されたスチールベルトとすることができる。これらの場合、プーリ193とプーリ195との間の電気抵抗を小さくすることができる。ベルト196により、プーリ193とプーリ195とは機械的に接続されており、回転駆動機構45により回転管77が回転されると、この回転駆動力はプーリ193、ベルト196、およびプーリ195を介して回転軸194に伝えられ、回転軸194が回転する。回転管77および回転軸194が回転しているときでも、ベルト196を介してプーリ193,195間の電気的な接続は維持される。
スリップリング197は、非回転系と回転系とを電気的に接続することができ、非回転系側の端子197aと回転系側の端子197bとを備えている。スリップリング197は無摺動タイプ、すなわち、固体同士の摺動が生じないものであり、非回転系側の端子197aと回転系側の端子197bとの間は、たとえば、水銀により電気的に接続されている。このため、端子197a,197b間でのノイズの発生は少なく導通は安定しており、スリップリング197は長寿命である。
導線198(図11参照)はプーリ193に電気的に接続されている。プーリ193と回転管77とは、電気的に絶縁されている。また、プーリ195と回転軸194とは電気的に接続されており、回転軸194とスリップリング197の回転系側の端子197bとは電気的に接続されている。スリップリング197の非回転系側の端子197aは、導線199Aによりメッキ電源82に電気的に接続されている。
以上の構成により、カソード電極83とメッキ電源82との間には、電極押さえ80d、コイルばね80e、導通板80c、支柱79、連結部材79j,78j、導通スタッド78s、導線198、プーリ193、ベルト196、プーリ195、回転軸194、スリップリング197、および導線199Aを介した導通経路が形成されている。したがって、カソードリング80とウエハ裏面押圧板81aとに挟持されたウエハWの処理面に通電できる。
また、回転駆動機構45によりウエハWが回転されているときでも、電気接続機構192により、カソード電極83とメッキ電源82との間は、電気接続が維持される。ここで、ベルト196が充分大きな張力でプーリ193,195に張設されていると、ベルト196とプーリ193,195とを無摺動で接触させることができる。また、スリップリング197も無摺動タイプであるので、メッキ電源82とカソード電極83との間に、摺動部が存在しないようにできる。したがって、メッキ電源82とカソード電極83との間で、いわゆるブラシノイズ等、摺動に起因するノイズの発生の少ない良好な電気的導通を達成できる。
また、ロータリジョイント191およびスリップリング197は、それぞれ、支軸81bおよび回転軸194の端部に取り付けられているので、交換が容易である。すなわち、支軸81bや回転管77にロータリジョイント191およびスリップリング197の双方を取り付けた場合のように、ロータリジョイント191およびスリップリング197の一方を交換する際、他方が干渉することはない。
さらに、ロータリジョイント191およびスリップリング197が、それぞれ、支軸81bおよび回転軸194の端部に取り付けられていることにより、支軸81b(回転管77)および回転軸194を短くすることができる。したがって、支軸81bが延びる方向に関して、ウエハ保持回転機構74a〜74dの長さを短くすることができ、ウエハ保持回転機構74a〜74dの反転時の回転半径を小さくすることができる。
ベルト196を廃し、プーリ193とプーリ195とを直接つきあわせた構成とすることによっても、同様の効果を奏することができる。また、プーリ193,195の代わりに導電性の歯車を設け、それらの歯車が噛み合うようにしても同様の効果が得られる。
カソード電極83からメッキ電源82に至る導通経路を構成する部材は、他の金属製の部品、金属製ビス、金属製のベアリングなどから絶縁されており、アースから確実に絶縁されている。これにより、不所望の部分に電流が流れたり、カソード電極83とメッキ電源82との間に流れる電流にノイズが入ったりすることを回避できる。
メッキ電源82、反転駆動部43(ロータリアクチュエータ183)、昇降機構44(第1モータ44a)、回転駆動機構45(第2モータ45a)、およびサセプタ移動機構46(エアシリンダ46a)の動作、ならびにバルブ201V,202Vの開閉は、システムコントローラ155により制御される。
次に、メッキカップ56a〜56dの構成を説明する。図9および図11を参照して、メッキ槽61a〜61dは、ウエハWの外径にほぼ等しい内径を有する筒状の側壁を有している。メッキ槽61a〜61dの底面中央部には、メッキ液供給口54が形成されており、このメッキ液供給口54を介して、送液分岐配管58a〜58dが、メッキ槽61a〜61d内にわずかに突出するように連通接続されている。送液分岐配管58a〜58dのメッキ槽61a〜61d内の端部には、半球状で多数の穴が形成されたシャワーヘッド75が取り付けられている。シャワーヘッド75により、メッキ液はメッキ槽61a〜61d内に様々な方向(角度)に分散されて導入される。
メッキ槽61a〜61d内で、メッキ槽61a〜61d上端近傍には、積層されて3次元フィルタを構成する複数(3枚ないし300枚程度)のフッ素樹脂製のメッシュ部材49が配置されている。メッシュ部材49の目開きは、たとえば、0.5mmないし5mm程度とすることができる。
メッシュ部材49の平面形状は、メッキ槽61a〜61dの内径にほぼ等しい外径を有する円形である。積層された複数のメッシュ部材49は、平面視においてメッキ槽61a〜61d内のほぼ全域に渡って存在している。メッキ槽61a〜61dの下方から上昇してきたメッキ液は、メッシュ部材49により整流される。
メッキ槽61a〜61d内で、メッキ槽61a〜61dの深さ方向に関して下からおよそ4分の1のところ(シャワーヘッド75とメッシュ部材49との間)には、メッシュ状のアノード電極76が配置されている。アノード電極76は、チタンからなるメッシュの表面に酸化イリジウムが被覆されてなり、メッキ液に対して不溶性である。アノード電極76がメッシュ状であることにより、メッキ液の流れはアノード電極76によりほとんど妨げられない
アノード電極76の平面形状は、メッキ槽61a〜61dの内径にほぼ等しい外径を有する円形であり、アノード電極76は、平面視においてメッキ槽61a〜61d内のほぼ全域に渡って存在している。アノード電極76は、導線199Bにより、メッキ電源82に接続されている。
アノード電極76からメッキ電源82に至る導通経路を構成する部材も、他の金属製の部品などから絶縁されており、アースから確実に絶縁されている。これにより、不所望の部分に電流が流れたり、アノード電極76とメッキ電源82との間に流れる電流にノイズが入ったりすることを回避できる。
図15は、メッキ槽61a〜61d中の電気的等価回路を示す図解図である。図15を参照して、メッシュ部材49がメッキの均一性に与える影響について説明する。
メッキ液のアノード電極76とメッシュ部材49との間の抵抗をRL、メッシュ部材49が配置された部分の鉛直方向の抵抗をRP、ウエハWの処理面に形成されたシード層の中心部と周縁部との間の抵抗をrSとする。ここで、カソード電極83とアノード電極76との間に電圧Vが印加されたとする。
アノード電極76の中心部からウエハWの中心部へと鉛直方向に流れる電流の大きさをiCとし、アノード電極76周縁部からウエハWの周縁部へと鉛直方向に流れる電流の大きさをiEとすると、V=iE(RL+RP)=iC(RL+RP+rS)となる。すなわち、アノード電極76周縁部からウエハWの周縁部へと鉛直方向に流れる電流の大きさをiEは、アノード電極76の中心部からウエハWの中心部へと鉛直方向に流れる電流の大きさをiCより小さくなる。
メッシュ部材49は絶縁体からなるので、メッシュ部材49が配置された部分では電流はメッシュ部材49の空隙を満たすメッキ液中のみを流れることができる。このため、メッシュ部材49が配置された部分の抵抗は、メッシュ部材49が配置されていなかった場合と比べて大きく(たとえば、2倍程度)になる。これにより、シード層の中心部と周縁部との間の抵抗をrSは、メッシュ部材49が配置されている部分を含むメッキ液中の抵抗値RL+RPと比べて小さくなる(rS≪RL+RP)。
したがって、アノード電極76の中心部からウエハWの中心部へと鉛直方向に流れる電流の大きさiCと、アノード電極76周縁部からウエハWの周縁部へと鉛直方向に流れる電流の大きさiEとの差は小さくなる。メッキによる膜の成長速度は、メッキ液とウエハWとの界面をまたいで流れる電流の大きさに比例するので、ウエハWの中心部と周縁部とでメッキによる膜の厚さの差は小さくなる。すなわち、メッキ液中にメッシュ部材49を配置することにより、メッキによる膜の膜厚の均一性が向上する。膜厚の均一性は、メッシュ部材49による導電経路の抵抗値の増大とともに、反比例的に向上する。
図9を参照して、メッキ液回収槽62a〜62dの底部には、メッキ液排出口53が形成されており、リターン分岐配管63a〜63dは、このメッキ液排出口53を介してメッキ液回収槽62a〜62dに連通接続されている。
メッキ槽61a〜61dの上端近傍は、外周側を切り欠いて肉厚が薄くされており、また、メッキ時にカソードリング80(ベースリング80b)がメッキ槽61a〜61d上端に対向する部分は、メッキ槽61a〜61d上端近傍の形状と相補的な形状を有している。これにより、メッキ時にメッキ槽61a〜61dとカソードリング80とが干渉しないようにすることができる。メッキ槽61a〜61d上端とウエハWとの距離は、ほぼ0mmから一定の範囲内で任意に調整可能である(図11参照)。メッキ時には、カソードリング80の突出部80pが回収槽62a〜62d上部に挿入された状態となる。
ウエハWがメッキ液に接触された状態では、メッキ液の流れを考慮して、ウエハWとメッシュ部材49との間隔は0.5mmないし20mmになるように調整される。具体的には、ウエハWとメッシュ部材49との間隔を上記のように狭くすることにより、ウエハWが回転されたときに、メッキ液がウエハWに引きずられて動く領域が狭く規制され、メッキに対して好ましくない渦の発生を抑え、メッキによる膜の膜厚を均一にできる。
メッキ液回収槽62a〜62dの周囲には、カソード電極83を洗浄した後のカソード洗浄液を回収するカソード洗浄液回収槽210が配置されている。すなわち、メッキカップ56a〜56dは、内方から外方に向かって、メッキ槽61a〜61d、メッキ液回収槽62a〜62d、およびカソード洗浄液回収槽210が配置されてなる3重構造を有している。
カソード洗浄液回収槽210の底部の一部には、液貯め容器211を介してオーバーフロー配管213およびドレイン配管214が接続されている。オーバーフロー配管213は、液貯め容器211の側壁上端近傍に接続されており、ドレイン配管214は、液貯め容器211の底に接続されている。液貯め容器211の内部には、導電率計212が挿入されており、これにより、液貯め容器211内に貯められた液体の導電率を測定できるようになっている。導電率計212の出力信号は、システムコントローラ155に入力される。
メッキ時には、ドレイン配管214の流路は閉じられ、カソード洗浄液回収槽210に流れ込んだ液体(カソード洗浄液等)は、液貯め容器211を満たし、オーバーフロー配管213から排出される。メッキ処理ユニット20a〜20dを使用しないときなどは、ドレイン配管214の流路を開いて、液貯め容器211内の液体を抜き出せる(ドレインできる)。
カソード洗浄液回収槽210の底部には、排気管215が接続されており、カソード洗浄液回収槽210内の気体を排出できるようになっている。排気管215の上部には、排気管215の開口を塞がないように蓋が設けられており、カソード洗浄液が排気管215に入らないようにされている。
メッキ処理部12によりメッキを行う際は、先ず、システムコントローラ155により反転駆動部43が制御されて、ウエハ保持回転機構74a〜74dのいずれか(以下、ウエハ保持回転機構74aとする。)のウエハ裏面押圧板81aが上方を向くようにされる。また、システムコントローラ155によりサセプタ移動機構46が制御されて、ウエハ裏面押圧板81aが回転管77側に移動され、ウエハ受け渡しピン84がウエハ裏面押圧板81aを貫通して、このウエハ裏面押圧板81aから突出した状態にされる。この状態が図16に示されている。
スピンベース78は、その周方向に関して支柱79の間隔が広い部分(図13参照)が、第2搬送路15に対向するように回転角度位置が調整され、第2モータ45aの保持トルクにより、その回転角度位置が維持される。
一方、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図5参照)により、カセットCから未処理のウエハWが取り出される。このウエハWは、搬送ロボットTRにより、支柱79の間を通して搬入されて(図13参照)、ウエハWの中心が回転管77の中心軸上にのるように、ウエハWがウエハ受け渡しピン84の上に載置される。この状態で、ウエハWの処理面(メッキを施す面)は上方に向けられている。
そして、システムコントローラ155によりサセプタ移動機構46が制御されて、ウエハ裏面押圧板81aが回転管77から離れるように移動される。これにより、ウエハ裏面押圧板81aはウエハWの下面(裏面)周縁部を押圧し、ウエハW上面周縁部はカソードリング80の当接部80aに押しつけられる。すなわち、ウエハ裏面押圧板81aとカソードリング80の当接部80aとの間にウエハWが挟持される。これにより、ウエハW上面周縁部は当接部80aのシール面80sでシールされ、カソード電極83はウエハW周縁部近傍の上面(処理面)にウエハW側に付勢されて接触する。
また、システムコントローラ155により、反転駆動部43が制御されてウエハWが下方を向くようにウエハ保持回転機構74aが反転される。そして、システムコントローラ155の制御によりポンプP1が作動されて、メッキ槽61aにメッキ液が10リットル/minで送られる(図7参照)。これにより、メッキ液はメッキ槽61aの縁からわずかに盛り上がって回収槽62aへと溢れる。
続いて、システムコントローラ155により、昇降機構44が制御されて、ウエハ保持回転機構74aが下降される。ウエハ保持回転機構74aの下降速度は、ウエハWの下面とメッキ液の液面との間隔が数mm以下になってからは小さくされ、ウエハWの下面はゆっくりとメッキ槽61aに満たされたメッキ液の表面に接触される。ただし、ウエハWの接液が始まってから完全に接液し終わるまでの時間は、ウエハW下面に形成されたシードがメッキ液にほとんど溶解しないような時間とされる。
カソードリング80のメッキ槽61aに対向する側の形状と、メッキ槽61aの上端の形状とが相補的にされていることにより、カソードリング80は、メッキ槽61a上端の周囲に嵌合的に配置される。また、ウエハWの下面とメッキ液の液面との間隔が数mmになった時点で、システムコントローラ155によりメッキ電源82が制御されて、アノード電極76とカソード電極83との間に第1の電圧が印加される。
ウエハWの下面が完全にメッキ液の表面に接触された状態で、メッキ槽61aの上端とウエハWの処理面との間隔は、0.5mmないし1mm程度である。ウエハW下面のうち、当接部80aのシール面80sにシールされた部分の内方の領域は、全面に渡ってメッキ液に接触する。メッキ液は、ウエハWとの界面近傍ではウエハWの中心部から周縁部へと向かって流れ、メッキ槽61a上端とウエハWとの間隙からメッキ液回収槽62aへと流れる。
次に、システムコントローラ155により、回転駆動機構45が制御されて、ウエハWが、低い回転速度(たとえば、10rpmないし100rpm)で回転され、メッキ電源82が制御されて、アノード電極76とカソード電極83との間に、メッキ時の電圧である第2の電圧が印加されて数分間、所定の電流パターンにしたがって通電される。これにより、カソード電極83に接続されたウエハW下面とメッキ液との界面では、メッキ液中の銅イオンに電子が与えられて、ウエハW下面に銅原子が被着する。すなわち、ウエハW下面に銅メッキが施される。
ウエハWの外形がメッキ槽61aの内径にほぼ等しく、アノード電極76が平面視においてメッキ槽61a内のほぼ全域に渡って存在していることにより、アノード電極76とウエハW下面に形成されたシード層との間には、ほぼ均一な電界が形成される。これにより、メッキによる銅膜の膜厚は均一となる。
メッキ液中で、酸化還元剤としての鉄イオンは、2価および3価の鉄イオンとして存在している。3価の鉄イオンは、主成分管理部2(図1参照)に収容された銅供給源(銅管)から電子を奪って銅イオンを溶出させ、自らは2価の鉄イオンとなる。一方、2価の鉄イオンは、アノード電極76に電子を与えて3価の鉄イオンとなる。
この実施形態のように、アノード電極76をメッシュ状とすることにより、アノード電極76の表面積を充分大きく(たとえば、被メッキ面積の2倍ないし10倍)することができ、また、シャワーヘッド75によりアノード電極76全体に充分早い流れのメッキ液をあてることができる。これにより、アノード電極76に充分な量の2価の鉄イオンを供給でき、2価の鉄イオンがアノード電極76に電子を与えて3価の鉄イオンとなる反応を促進できる。
こうして、鉄イオンは、サイクリックに酸化還元を繰り返し、メッキ液とアノード電極76との間の電子の移動量、およびカソード電極83とメッキ液との間の電子の移動量はほぼ収支する。
このため、酸化還元剤を用いなかった場合に発生する活性な酸素の泡は生じない。これにより、メッキ液の添加剤の酸化による分解を遅らせることができ、また、酸素の泡がウエハW下面に付着して、ウエハW表面(下面)に形成された微細な孔や溝を埋めてメッキできなくなる事態を回避することができる。
メッキ液とウエハWとの界面近傍では、回転するウエハWに引きずられてメッキ液に遠心力が与えられるが、カソードリング80の突出部80pにより、メッキ液は確実に回収槽62a内に導かれる。
メッキ電源82の通電と同時に、システムコントローラ155により、バルブ201Vを開くように制御される。これにより、流体流路81cにカソード洗浄液が導入される。カソード洗浄液はウエハ裏面押圧板81a周縁部の開口から流れ出し、流体流路80fを経てカソード洗浄液回収槽210へと導かれる(図11参照)。これにより、カソード電極83はカソード洗浄液で洗浄される。
ウエハWおよび当接部80aに対して、メッキ液とカソード電極83とは反対側にある。したがって、ウエハW周縁部が当接部80aのシール面80sにより充分にシールされている場合は、メッキ液はカソード電極83へと流れることはない。一方、ウエハWと当接部80aとのシールが不充分である場合、メッキ液はウエハWと当接部80aとの隙間を流れ、カソード電極83に至る。通電中のカソード電極83にメッキ液が接触したままになっていると、カソード電極83は損傷を受ける(メッキされる)。また、メッキ液がウエハWと当接部80aとの間から漏出している状態でメッキを行うと、メッキによる膜の均一性が悪くなる。
しかし、カソード電極83に至ったメッキ液はカソード洗浄液によって洗い流され、カソード電極83は保護される。そして、メッキ液を含むカソード洗浄液は、カソード洗浄液回収槽210から液貯め容器211へと流れ込む。カソード洗浄液の導電率と、メッキ液が混入したカソード洗浄液の導電率は異なる。たとえば、カソード洗浄液が純水の場合、カソード洗浄液の導電率はメッキ液がわずかに混入するだけで大きく上昇する。
このため、導電率計212により測定される導電率に関して、適当な判定レベルを設けておくことにより、導電率計212の出力信号に基づき、システムコントローラ155は、メッキ液がウエハWと当接部80aとの間から漏出したと判定することができる。この場合、システムコントローラ155の制御により、自動的にメッキ処理ユニット20aの運転が一時停止され、作業者(オペレータ)にその旨が知らされるようにされる。これにより、ウエハWに不均一なメッキがされ続けること、すなわち、不良品が発生し続けることを回避できる。
所定時間ウエハWへのメッキが継続された後、システムコントローラ155により、メッキ電源82が制御されてアノード電極76とカソード電極83との間の通電が停止され、昇降機構44が制御されて、ウエハW下面がメッキ槽61aに満たされたメッキ液の液面から数mm離れた状態とされる。
さらに、システムコントローラ155により回転駆動機構45が制御されて、ウエハWが、やや高速(たとえば、200rpmないし1000rpm)で数十秒間回転される。これにより、ウエハW下面のメッキ液は側方へと振り切られる。この際、ウエハWのメッキ面は完全に乾燥しないようにされ、液膜が存在する状態にされる。これにより、ウエハW搬送中にメッキ面が腐食されないようにすることができる。
また、システムコントローラ155の制御により、バルブ201Vが閉じられるとともにバルブ202Vが開かれる。これにより、流体流路81c内に残留しているカソード洗浄液は、窒素ガスによりパージされ、流体流路80f内のカソード洗浄液は遠心力により側方へと抜き出される。リーク配管204内に残留しているカソード洗浄液は、図示しないエジェクタにより吸引して排出することとしてもよい。
続いて、システムコントローラ155により、回転駆動機構45が制御されてウエハWの回転が停止され、昇降機構44が制御されてウエハ保持回転機構74aが所期位置まで上昇され、反転駆動部43が制御されてウエハW側が上方を向くようにウエハ保持回転機構74aが反転される。スピンベース78は、その周方向に関して支柱79の間隔が広い部分が、第2搬送路15に対向するように回転角度位置が調整され、第2モータ45aの保持トルクにより、その回転角度位置が維持される。
その後、システムコントローラ155により、サセプタ移動機構46が制御されてウエハ裏面押圧板81aが回転管77側に移動し、ウエハWの挟持が解除される。この際、カソード電極83の弾性力により、ウエハWはシール面80sからスムーズに離され、ウエハWは、図16に示すようにウエハ受け渡しピン84に支持された状態となる。また、流体流路80f中にカソード洗浄液が存在しない状態にされていることにより、ウエハW上面(メッキ面)にカソード洗浄液が落ちることはない。
当接部80aからウエハWが離されると、ウエハWのメッキ面に残っているメッキ液はシール面80sとウエハWとの間に引き込まれ、カソード電極83の接触部83cはメッキ液に汚染される。接触部83cに付着したメッキ液は、次のウエハWのメッキ処理をするときにカソード洗浄液に洗い流されるので、接触部83cが清浄な状態でメッキできる。
そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが、支柱79の間から搬出されて、1枚のウエハWのメッキ処理が終了する。
メッキ処理は、4つのポンプP1〜P4を同時に作動させてメッキカップ56a〜56dで同時に行ってもよく、ポンプP1〜P4の一部のみ作動させて対応するメッキカップ56a〜56dのいずれかで行ってもよい。
図17は、メッキ処理ユニット20aの図解的な側面図である。図17を参照して、メッキ処理ユニット20aのメンテナンス時の操作について説明する。メッキ処理ユニット20b〜20dも同様の構造を有しており、同様にしてメンテナンスを行うことができる。
メッキ処理ユニット20aに対して第2搬送路15とは反対側には、エンクロージャ30の隔壁の一部をなす外装カバー220が取り付けられている。外装カバー220は、エンクロージャ30から着脱自在であり、メッキ処理ユニット20aのメンテナンスを行うときは、外装カバー220を外すことができる。
昇降機構44のガイド44cの第1モータ44aが配置された側の端部は、ガイド44cの長さ方向に沿って延びる回動部材221となっている。回動部材221は、ウエハ処理部1のフレーム222aにヒンジ結合されており、第2搬送路15とほぼ平行でほぼ水平な回動軸223のまわりに回動できるようになっている。回動軸223は、メッキカップ56aより低い位置で、メッキカップ56aより外装カバー220側にある。
ガイド44cは、固定ねじ224により、フレーム222aより高い位置にあるウエハ処理部1のフレーム222bに固定できるようになっている。ガイド44cが固定ねじ224でフレーム222bに固定された状態で、上下ベース182は鉛直方向に沿う向きになり、ウエハ保持回転機構74aはメッキカップ56aの上方に配置される。この状態で、メッキ処理が行われる。
また、ガイド44cは、フレーム222bに回動が規制されて、鉛直方向よりメッキカップ56a側に倒れないようになっている。すなわち、ガイド44cは鉛直方向に沿う状態から、メッキカップ56aとは反対側にのみ回動させることができる。
回動部材221は、ガスダンパ225を介して、フレーム222aより低い位置にあるウエハ処理部1のフレーム222cに結合されている。ガスダンパ225はシリンダおよびピストンを備えており、シリンダに封入されたガスの圧力により、ピストンがシリンダ内に押し込まれる向きの力に抗することができる。フレーム222cには、ガスダンパ225のシリンダ側の端部が回動自在に取り付けられており、回動部材221には、ガスダンパ225のピストン側の端部が回動自在に取り付けられている。
ガイド44cからは、ガイド44cの長さ方向とほぼ垂直に当接部226が延びている。ガイド44cが鉛直方向に沿う向きから、回動軸223のまわりにほぼ90度回動させると、当接部226の先端がウエハ処理部1のフレームに設けられたストッパ227に当たり、それ以上回動できないようになっている。この状態で、ガイド44cはほぼ水平になる。ストッパ227において当接部226が当たる部分には、ラバーが張り付けられており、当接部226が当たるときの衝撃を緩和できるようになっている。
メッキ処理ユニット20aのメンテナンスを行うときは、メッキ処理動作が停止された状態で、まず、外装カバー220を外す。これにより、作業者は、外装カバー220が取り付けられていた側から作業できるようになる。続いて、固定ねじ224を外し、回動部材221が回動軸223のまわりに回動するように、ウエハ保持回転機構74aをゆっくりと手前側に倒す。
この際、ガスダンパ225は、ピストンがシリンダ内に押し込まれるようになっている。したがって、ガスダンパの弾力により、作業者は少ない力でウエハ保持回転機構74aを倒すことができる。また、ガスダンパ225の弾力により、作業者が操作を誤り、ウエハ保持回転機構74aを倒す途中で手を離しても、ウエハ保持回転機構74aが急激に倒れることはない。
ガイド44cがほぼ水平になった状態で、当接部226がストッパ227に当たり、ウエハ保持回転機構74aをそれ以上動かすことができなくなる。この状態で、ウエハ保持回転機構74aはウエハ処理部1の側方に突出した状態となり、メッキカップ56aの上方は開放される。この状態が、図17に2点鎖線で示されている。これにより、作業者は、メンテナンスの目的箇所へのアクセスが容易となり、メンテナンスを容易に行うことができる。
メッキ処理は、カソードリング80の中心軸とメッキ槽61a〜61dの中心軸とが一致する状態で行わなければならない。メッキ時のメッキ槽61a〜61d上端とカソードリング80下部との間隙はわずかであり、ウエハ保持回転機構74a〜74dに保持されたウエハWの中心がメッキ槽61a〜61dの中心軸からずれると、メッキ槽61a〜61dとカソードリング80とが干渉してしまうからである(図11参照)。カソードリング80の中心軸とメッキ槽61a〜61dの中心軸とを一致させるためには、メッキカップ56a〜56dの位置を調整する。
また、メッキ槽61a〜61dの上端が水平でなければ、メッキ液がメッキ槽61a〜61dの縁から盛り上がった状態で、メッキ液にウエハWを接触させることができない。したがって、メッキ槽61a〜61dの上端が水平でない場合は、水平になるように調整しなければならない。
図18は、メッキカップ56aの図解的な側面図である。図18を参照して、メッキカップ56aの位置を合わせたり、メッキ槽61aの上端が水平になるように調整する方法を説明する。メッキカップ56b〜56dも同様の構造を有しており、同様の方法により調整できる。
メッキカップ56aの下部(底)には、平板状の第1ベース板230が一体に取り付けられている。第1ベース板230は、平面視においてメッキカップ56aの底面よりわずかに大きい。第1ベース板230の下部(メッキカップ56a側とは反対側)には、平板状の第2ベース板231が取り付けられている。第2ベース板231は、ウエハ処理部1のフレーム236に取り付けられている。第2ベース板231は、平面視において第1ベース板230よりわずかに大きい。
第1ベース板230および第2ベース板231には、これらを厚さ方向に貫通する穴が設けられており、送液分岐配管58aおよびリターン分岐配管63aは、これらの穴を挿通されている。送液分岐配管58aおよびリターン分岐配管63aは、フッ素樹脂製の継ぎ手239により、メッキカップ56aに接続されている。
第1ベース板230の周縁部の少なくとも3箇所に、第1ベース板230を厚さ方向に貫通する固定穴233が形成されている。第2ベース板231には、固定穴233にほぼ対応する位置に、内ねじ234が形成されている。固定穴233には、外ねじが形成された固定ねじ235が挿通されており、固定ねじ235は第2ベース板231に形成された内ねじ234に締め付けられている。これにより、第1ベース板230は第2ベース板231に固定されている。
固定穴233の内径は、固定ねじ235の外径より大きい。たとえば、固定穴233の内径は10mmであり、固定ねじ235の外径は6mmである。この場合、第1ベース板230は、第1ベース板230の面内方向の任意の方向に4mm移動できる。以上の場合、固定ねじ235のねじ頭と第1ベース板230との間には、たとえば、外径18mmのワッシャ237が介装されて、固定ねじ235のねじ頭が固定穴233の中に落ち込まないようにされる。
固定ねじ235を緩めることにより、第1ベース板230を第1ベース板230の面内方向の任意の方向に動かして、メッキ槽61aの水平方向の位置を調整できる。
第2ベース板231は、その周縁部に互いに間隔をあけて設けられた少なくとも3対の押しねじ238Aおよび引きねじ238Bにより、フレーム236に固定されている。それぞれの対の押しねじ238Aおよび引きねじ238Bを調整して、その押しねじ238Aおよび引きねじ238Bが設けられた位置における第2ベース板231のフレーム236からの高さを調整できる。これにより、第2ベース板231の傾きを調整できる。
通常、水平に調整された第2ベース板231に第1ベース板230を取り付けると、メッキ槽61aの上端が水平になるように調整されている。したがって、メッキ槽61aの上端を水平に調整するには、先ず、メッキ槽61aが取り外された状態で、たとえば、第2ベース板231の上に水準器をのせ、第2ベース板231を水平に調整すればよい。その後、第2ベース板231に第1ベース板230を取り付けると、メッキ槽61aの上端は水平になる。
このとき、固定ねじ235は緩くしめられた状態にする。続いて、ウエハ保持回転機構74aを下降させ、カソードリング80がメッキ槽61a上端の周囲に嵌るように、第2ベース板231に対して第1ベース板230を移動させて、メッキ槽61aの水平方向の位置を調整する。
通常、ウエハ保持回転機構74aとメッキカップ56aとが対向された状態で、カソードリング80の中心軸とメッキ槽61aの中心軸とは、ほぼ平行になるように調整されている。したがって、上記の方法でメッキ槽61aの位置を合わせることにより、メッキ槽61aの中心軸とカソードリング80の中心軸とを一致させることができる。メッキ槽61aが適正な位置にあるとき、固定ねじ235を強く締め付けてメッキ槽61aの位置を固定する。
図19は、ベベルエッチングユニット21a,21bの共通の構成を示す図解的な断面図である。
ほぼ円筒状のカップ85内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック86が備えられている。スピンチャック86は、ウエハWの周縁部に接触することなく、ウエハWの底面中央部のみを吸着することにより、ウエハWを保持できるようになっている。スピンチャック86は鉛直方向に沿って配された回転軸87を有しており、回転軸87には回転駆動機構88からの回転駆動力が伝達されるようになっている。また、スピンチャック86には、このスピンチャック86を昇降させる昇降機構89が結合されていて、スピンチャック86の上部をカップ85内に収容された状態と、カップ85の上端より高い状態とにできるようになっている。
カップ85は、同軸に配された3つのカップ85a〜85cを含んでいる。それぞれのカップ85a〜85cの上端は、最も外側のカップ85aが最も高く、中間のカップ85bが最も低い。最も内側のカップ85cの上端には、平板状で平面視において環状の処理液案内板85dが結合されている。処理液案内板85dの外側の端部は、屈曲してカップ85aとカップ85bとの間に挿入されている。
カップ85aおよびカップ85bを側壁として、上方に開いた開口部を有する処理液回収槽97が形成されており、カップ85bおよびカップ85cを側壁として、排気槽98が形成されている。処理液回収槽97の底部の一部には排液口97aが形成されており、排気槽98の底部の一部には、排気口98aが形成されている。
カップ85の上方には、リンスノズル90が配置されている。リンスノズル90にはリンス液配管91が連通接続されており、リンス液配管91にはリンス液供給源92が接続されている。リンス液配管91にはバルブ91Vが介装されており、バルブ91Vを開くことによりリンスノズル90からリンス液を吐出して、スピンチャック86に保持されたウエハWの上面にリンス液を供給できるようになっている。
処理液案内板85dを下方から貫通して、リンスノズル99が配されている。リンスノズル99にはリンス液配管100が連通接続されており、リンス液配管100にはリンス液供給源92が接続されている。リンス液配管100にはバルブ100Vが介装されており、バルブ100Vを開くことによりリンスノズル99からリンス液を吐出して、スピンチャック86に保持されたウエハWの下面にリンス液を供給できるようになっている。
リンス液は、たとえば、純水であってもよい。この場合、リンス液(純水)は、エンクロージャ30に形成された純水供給配管挿通口32hに挿通された純水配管32(図3参照)を介して、リンス液配管91,100に導入できる。
また、カップ85の上方には、エッチング処理管93がほぼ鉛直方向に沿って設けられている。エッチング処理管93下端近傍のカップ85中心側には、スピンチャック86に保持されたウエハWの表面に沿う水平方向に延びる溝94が形成されており、このウエハWの周縁部を溝94内に挿入できるようになっている。溝94の内部空間とエッチング処理管93の内部空間とは連通している。
エッチング処理管93には移動機構95が結合されている。この移動機構95により、エッチング処理管93を上下方向およびカップ85の径方向に移動させることができる。これにより、エッチング処理管93を、ウエハWの周縁部が溝94に挿入された処理位置および処理位置から退避してウエハWから離れた退避位置との間で移動させることができる。また、エッチング処理管93を、カップ85を回避してカップ85の側方へ退避させることもできる。
エッチング処理管93は、後処理薬液配管P14を介して、後処理薬液供給部4(図1参照)に配されエッチング液が収容されたエッチング液供給源96に接続されている。エッチング処理管93とエッチング液供給源96との間の後処理薬液配管P14には、バルブ93Vが介装されており、バルブ93Vを開くことにより、溝94の内部空間にエッチング液を送ることができるようになっている。また、バルブ93Vにより、エッチング液の流量調整をすることもできる。エッチング液は、たとえば、硫酸、過酸化水素水、および水の混合溶液とすることができる。
回転駆動機構88、昇降機構89、および移動機構95の動作、ならびにバルブ91V,100V,93Vの開閉は、システムコントローラ155により制御される。
ベベルエッチングユニット21a,21bによりウエハWの周縁部をエッチングするときは、先ず、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が退避位置に退避される。
続いて、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されてスピンチャック86が上昇されて、スピンチャック86の上部がカップ85の上端より高くされる。そして、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図5参照)により、メッキ処理部12でメッキ処理が施されたウエハWが搬入されて、ウエハWの中心が回転軸87の中心軸上にのるようにウエハWがスピンチャック86に吸着保持される。ウエハWは、メッキ処理が施された面が上方に向けられて保持される。
その後、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されてスピンチャック86が下降される。これにより、スピンチャック86に保持されたウエハWは側方がカップ85aに囲まれた状態となる。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構88が制御されて、スピンチャック86に保持されたウエハWが回転される。ウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とされる。
この状態で、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが開かれる。これにより、リンスノズル90,99からウエハWの上面および下面にリンス液が供給される。リンス液は、遠心力によりウエハWの周縁部へと拡がりウエハWの上側表面のほぼ全面および下側表面のスピンチャック86が接している部分を除く領域を流れる。このようにして、ウエハWが洗浄される。
リンス液は、ウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、カップ85aの内側面や処理液案内板85dの上面を伝って、処理液回収槽97内へと流れ落ちる。リンス液は、さらに、排液口97aから図外の回収タンクへと導かれる。また、図外の排気装置により、排気口98aからカップ85内の気体が排気される。これにより、リンス液のミスト等もカップ85外に飛散しないようになっている。
一定時間、このようなリンス処理が施された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが閉じられる。ウエハWの回転は継続され、これにより、ウエハWに残ったリンス液の大部分は振り切られる。
次に、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が処理位置に移動される。これにより、図19に示すようにウエハWの周縁部が溝94に挿入された状態となる。このときのウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とすることができる。そして、システムコントローラ155の制御により、バルブ93Vが開かれる。エッチング液の流量は、たとえば、20ml/minとすることができる。これにより、エッチング液供給源96から溝94内にエッチング液が供給される。エッチング液は溝94から溢れて流れ、溝94内はエッチング液でほぼ満たされた状態となる。
ウエハWの周縁部は溝94内に挿入されているので、ウエハW表面の銅薄膜のうち周縁部のものはエッチング液に溶解される。ウエハWは回転しているので、ウエハWの周縁部とエッチング処理管93による処理位置との相対変位が生じ、その結果、ウエハW周縁部は全周にわたってエッチングされる。エッチング幅は、ウエハWの溝94への挿入深さで決まるので、正確に所望のエッチング幅でエッチングできる。
ウエハWの遠心力により側方へと振り切られたエッチング液は、リンス液と同様、一旦回収槽97に回収された後、排液口97aを介して図外の回収タンクに導かれる。また、この間も、排気口98aからの排気は継続され、エッチング液のミストがカップ85外に飛散しないようにされる。
このように一定時間(たとえば、数十秒間)エッチング液を流して、ウエハW周縁部の銅薄膜のエッチングを継続した後、システムコントローラ155はバルブ93Vを閉じるように制御して、溝94内へのエッチング液の供給を停止する。これにより、溝94内にはエッチング液が存在しない状態となり、ウエハW周縁部のエッチング処理は終了する。
その後、再び、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが開かれ、ウエハW表面にリンス液が供給される。これにより、ウエハW周縁部に残っていたエッチング液がリンス液により除去される。この間、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が退避位置に移動される。
一定時間(たとえば、1分程度)、リンス液の供給が継続された後、システムコントローラ155の制御によりバルブ91V,100Vが閉じられてリンス液の供給が停止される。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構88が制御されてスピンチャック86が一定時間高速回転(たとえば、1000rpm程度で数十秒間)されて、ウエハWの振り切り乾燥が行われた後、スピンチャック86の回転が停止される。
続いて、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されて、スピンチャック86に保持されたウエハWが、カップ85の上端より高くなるように、スピンチャック86が上方に移動され、ウエハWの吸着保持が解除される。
そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが搬出されて、1枚のウエハWの周縁部のエッチング処理が終了する。処理済みのウエハWは周縁部に銅薄膜が存在しないので、以後の工程で基板保持ハンド41,42c(図5(a)参照)により周縁部を把持されても基板保持ハンド41c、42cに銅が付着することはない。
この実施形態では、カップ85が固定されスピンチャック86が昇降機構89により昇降されるように構成されているが、スピンチャック86とカップ85とが上下方向に相対的に移動できればよく、たとえば、スピンチャック86が上下方向に固定されカップ85が昇降されるように構成されていてもよい。この場合でも、スピンチャック86の上端をカップ85の上端より高くすることができ、進退アーム41または進退アーム42によるウエハWの搬入/搬出を行うことができる。
図20は、洗浄ユニット22a,22bの共通の構成を示す図解的な断面図である。
ほぼ円筒状のカップ101内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック102が備えられている。スピンチャック102は、鉛直方向に沿って配された回転軸102aおよびその上端に垂直に取り付けられた円板状のスピンベース102bを有しており、スピンベース102bの上面周縁部近傍には、複数のチャックピン102eが周方向に間隔をあけて立設されている。チャックピン102eは、ウエハWの下面周縁部を支持しつつ、ウエハWの端面(周面)に当接し、他のチャックピン102eと協働してウエハWを挟持できるようになっている。
スピンチャック102の回転軸102aには、回転駆動機構103からの回転駆動力が伝達されるようになっている。また、スピンチャック102には、このスピンチャック102を昇降させる昇降機構104が結合されていて、スピンチャック102の上部をカップ101内に収容された状態と、カップ101の上端より高い状態とにできるようになっている。
カップ101は、同軸に配された3つのカップ101a〜101cを含んでいる。それぞれのカップ101a〜101cの上端は、最も外側のカップ101aが最も高く、中間のカップ101bが最も低い。最も内側のカップ101cの上端には、平板状で平面視において環状の処理液案内板101dが結合されている。処理液案内板101dの外側の端部は、屈曲してカップ101aとカップ101bとの間に挿入されている。
カップ101aおよびカップ101bを側壁として、上方に開いた開口部を有する処理液回収槽105が形成されており、カップ101bおよびカップ101cを側壁として、排気槽106が形成されている。処理液回収槽105の底部の一部には排液口105aが形成されており、排気槽106の底部の一部には、排気口106aが形成されている。
カップ101の上方には、ノズル107が配置されている。ノズル107は、バルブ107Vを介してリンス液供給源に連通接続されており、バルブ107Vを開くことにより、ノズル107からスピンチャック102に保持されたウエハWに向けて、リンス液を吐出することができるようになっている。
回転軸102aの内部には、回転軸102aを軸方向に貫通する処理液供給路102cが形成されており、回転軸102の上端は開口して処理液吐出口102dとなっている。処理液供給路102cには、後処理薬液配管P14を介して、後処理薬液供給部4(図1参照)に配された洗浄液供給源から洗浄液を導入できるようになっており、また、リンス液供給源からリンス液を導入できるようになっている。
洗浄液は、たとえば、硫酸、過酸化水素水、および水の混合溶液とすることができる。リンス液は、たとえば、純水であってもよい。この場合、リンス液(純水)は、エンクロージャ30に形成された純水供給配管挿通口32hに挿通された純水配管32(図3参照)を介して、処理液供給路102cやノズル107に導入できる。
処理液供給路102cと洗浄液供給源との間には、バルブ108Vが介装されており、処理液供給路102cとリンス液供給源との間には、バルブ109Vが介装されている。バルブ109Vを閉じ、バルブ108Vを開くことにより、処理液吐出口102dから洗浄液を吐出させることができ、バルブ108Vを閉じ、バルブ109Vを開くことにより、処理液吐出口102dからリンス液を吐出させることができる。このようにして、スピンチャック102に保持されたウエハWの下面中心部に、洗浄液またはリンス液を供給できる。
回転駆動機構103および昇降機構104の動作、ならびにバルブ107V,108V,109Vの開閉は、システムコントローラ155により制御される。
洗浄ユニット22a,22bによりウエハWを洗浄するときは、先ず、システムコントローラ155により昇降機構104が制御されてスピンチャック102が上昇されて、スピンチャック102の上部がカップ101の上端より高くされる。そして、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図5参照)により、ベベルエッチングユニット21aまたは21bでベベルエッチング処理が施されたウエハWが搬入されて、ウエハWの中心が回転軸102aの中心軸上にのるように、ウエハWがチャックピン102eによりメカニカルに保持される。
その後、システムコントローラ155により昇降機構104が制御されて、スピンチャック102が下降される。これにより、スピンチャック102に保持されたウエハWは側方がカップ101aに囲まれた状態となる。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構103が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが回転される。ウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とされる。また、図外の排気装置により、排気口106aからカップ101内の気体が排気される。
この状態で、システムコントローラ155の制御により、バルブ107V,108Vが開かれる。これにより、ウエハWに向けて、ノズル107からはリンス液が吐出され、処理液吐出口102dからは洗浄液が吐出される。ウエハW表面に供給されたリンス液および洗浄液は、それぞれ遠心力によりウエハWの周縁部へと拡がるように流れる。このようにして、ウエハW下面全面が洗浄される。
リンス液および洗浄液は、ウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、カップ101aの内側面や処理液案内板101dの上面を伝って、処理液回収槽105内へと流れ落ちる。これらの液は、さらに、排液口105aから図外の回収タンクへと導かれる。また、カップ101内の気体が排気されていることから、洗浄液のミストなども排気口106aから排気され、カップ101外に飛散することはない。
一定時間、このような処理が施された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ108Vが閉じられ、バルブ109Vが開かれる。これにより、処理液吐出口102dからウエハW下面に向けてリンス液が吐出される。ノズル107からのウエハW上面へのリンス液の吐出は継続される。これにより、ウエハ下面の洗浄液が洗い流される。一定時間(たとえば、1分間程度)、このような処理が継続された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ107V、109Vが閉じられ、ウエハWへのリンス液の供給が停止される。
続いて、システムコントローラ155により、回転駆動機構103が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが、たとえば、2000rpm程度で高速回転される。これにより、ウエハWに残ったリンス液の大部分は振り切られて、ウエハWが乾燥される。一定時間(たとえば数十秒間)ウエハWの高速回転が継続された後、システムコントローラ155により回転駆動機構103が制御されて、ウエハWの回転が停止される。
次に、システムコントローラ155により、昇降機構104が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが、カップ101の上端より高くなるように、スピンチャック102が上方に移動され、チャックピン102eによるウエハWの保持が解除される。
そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが搬出されて、1枚のウエハWの洗浄処理が終了する。
この実施形態では、カップ101が固定されスピンチャック102が昇降機構104により昇降されるように構成されているが、スピンチャック102とカップ101とが上下方向に相対的に移動できればよく、たとえば、スピンチャック102が上下方向に固定されカップ101が昇降されるように構成されていてもよい。この場合でも、スピンベース102bをカップ101の上端より高くすることができ、進退アーム41または進退アーム42によるウエハWの搬入/搬出を行うことができる。
図21は、ウエハ処理部1の制御系統の構成を示すブロック図である。
システムコントローラ155により、ウエハ処理部1、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4を制御して、メッキ装置10全体を統括的に管理できる。具体的には、システムコントローラ155は、各部の状態を監視し、各部に適切な制御指令を出し、各部のデータを設定し、各部のデータを取り込むことができる。
システムコントローラ155のハードウェアは、10MIPS(Million Instructions per second)以上の処理能力を有する中央演算処理装置(CPU ; Central Processing Unit)155Cと、10Mbyte以上の記憶容量を有する半導体メモリおよび1Mbyte以上の記憶容量を有する磁性体メモリを含む記憶装置155Mと、RS−232C規格のシリアルポート280と、RS−485規格のシリアルポート281と、複数のプリント基板155Pとを備えている。磁性体メモリは、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)に備えられたハードディスク(HD)や、フレキシブルディスクドライブ(FDD)に着脱されるフレキシブルディスク(FD)とすることができる。
システムコントローラ155で用いられるソフトウェアは、オペレーティングシステムと、少なくとも一部が高級言語で記述されたアプリケーションプログラムとを含んでおり、これらのプログラムは記憶装置155Mに格納されている。アプリケーションプログラムは、たとえば、メッキ処理、ベベルエッチング処理、洗浄処理などを実行するためのもの(レシピ)を含む。
システムコントローラ155には、ディスプレイ156、キーボード157、およびポインティングデバイス(たとえば、マウス)156pが接続されており、作業者との間で情報の入出力をできるようになっている。また、システムコントローラ155には、警報音発生装置158が接続されている。所定の場合、たとえば、導電率計212(図9参照)の出力信号に基づきメッキ液の漏れが発生したと判断されたときや、メッキ液に銅イオンを供給する銅供給源(銅管)の残量が所定量以下になったときには、警報音が発せられるとともに、警報に関連した情報がディスプレイ156に表示されるようになっている。
システムコントローラ155は、搬送コントローラ29(図2参照)、主成分管理部2、および微量成分管理部3と、RS−232C規格のシリアルポート280を介してケーブル接続されている。また、システムコントローラ155は、パルス列による入出力用のケーブルを介してモータコントローラ159に接続されており、アナログ信号用のケーブルを介してポンプコントローラ160、流量計60a〜60d、および吸光度計66A,66Bに接続されている。
これにより、システムコントローラ155は、モータコントローラ159を介して、たとえば、回転駆動機構45,88,103(図9,19,20参照)などに備えられたモータを制御可能であり、ポンプコントローラ160を介して、たとえば、メッキ処理部12のポンプP1〜P4(図7参照)の動作を制御可能である。流量計60a〜60d(図7参照)からの流量を示す信号は、アナログ信号としてシステムコントローラ155に入力される。また、システムコントローラ155は、アナログ信号により吸光度計66A,66Bの動作(たとえば、発光部68A,68Bの発光)を制御し、受光部69A,69Bから出力されるアナログ信号を受け取るようになっている。
システムコントローラ155は、さらに、RS−485規格のシリアルポート281を介して、主成分管理部2、後処理薬液供給部4、およびシリアル/パラレル変換器161a,161bにケーブル接続されている。シリアル/パラレル変換器161a,161bは、図21では2つのみ示しているが、より多くのものが接続されていてもよい。
各シリアル/パラレル変換器161a,161bには、パラレルケーブルを介して、電磁弁162a,162bやセンサ163a,163b(たとえば、温度センサ70、電磁導電率計71、超音波式レベル計72(図7参照))などが接続されている。電磁弁162a,162bは、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブ91V,100V(図19参照),107V(図20参照))を制御することができる。
図22は、主成分管理部2の構成を示す図解図である。
主成分管理部2は、メッキ液中に銅イオンを供給するための少なくとも1つ(この実施形態では2つ)の銅溶解タンク110a,110b、これらのうち使用されていない銅溶解タンク110a,110bに置換液を供給するためのバッファ槽111、およびバッファ槽111に置換液の元となる置換原液を供給する置換原液供給部112を含んでいる。
銅溶解タンク110a,110b内には、銅供給源である銅管146が収容されており、ウエハ処理部1のメッキ液収容槽55との間でメッキ液を循環させることにより、メッキにより失われる銅イオンをメッキ液に補充することができる。また、メッキ液収容槽55との間でメッキ液が循環されていない銅溶解タンク110a(110b)内を置換液で満たされた状態にすることにより、銅管146の表面状態を良好に保つことができる。これにより、メッキ液収容槽55と銅溶解タンク110a(110b)との間でメッキ液の循環が開始されたとき、銅管146から良好に銅イオンが溶出するようにできる。
銅溶解タンク110a,110bは、有底円筒状の外形および密閉構造を有しており、その軸がほぼ垂直方向に沿うように設置されている。銅溶解タンク110a,110bは、重量計154a,154bにそれぞれ載せられており、銅溶解タンク110a,110bおよびその内容物を含む全重量を計量できるようになっている。
銅溶解タンク110a,110bは、いずれも、銅溶解タンク110a,110bの側壁を構成する外管116a,116b、および外管116a,116b内に配設された内管117a,117bを備えており、内管117a,117bの内部空間は、外管116a,116bと内管117a,117bとの間の空間(以下、「環状空間145」という。)と銅溶解タンク110a,110bの下部で連通している。銅管146は、環状空間145内に収容されている。
バッファ槽111は、配管が接続された配管口を有する蓋120を備えており、ほぼ密閉された状態とされている。バッファ槽111の上部と下部とは、バッファ槽111の外部に鉛直方向に沿って配設されたバイパス管125により連通接続されている。バイパス管125側方の所定の高さ位置には、その高さ位置におけるバイパス管125内部の液体の有無を検知する定量確認センサ126が取り付けられている。
バッファ槽111とバイパス管125との間で、液体(たとえば、置換液)は自由に行き来できるようになっており、これにより、バッファ槽111内の液面とバイパス管125内の液面とは、ほぼ同じ高さ位置になる。したがって、定量確認センサ126により、所定の高さ位置におけるバッファ槽111内の液体の有無を知ることができる。
バッファ槽111の底部には、配管口を介して循環配管118の一端が連通接続されている。循環配管118の他端は、分岐点B1で、循環分岐配管121,122に分岐している。循環分岐配管121は、さらに、循環分岐配管121a,121bに分岐しており、循環分岐配管122は、さらに、循環分岐配管122a,122bに分岐している。
循環分岐配管121a,121bは、それぞれ、銅溶解タンク110a,110bの上方から内管117a,117bに接続されている。循環分岐配管122a,122bは、それぞれ、銅溶解タンク110a,110b内に配された排液管149a,149bに連通接続されている。循環分岐配管121a,121bには、それぞれ、バルブAV3−2,AV4−2が介装されている。循環分岐配管122a,122bには、それぞれ、バルブAV3−3,AV4−3が介装されている。
環状空間145には、循環分岐配管119a,119bが連通接続されている。循環分岐配管119a,119bには、それぞれ、バルブAV3−1,AV4−1が介装されている。循環分岐配管119a,119bは循環配管119の一端側に接続されており、循環配管119の他端側は、分岐点B2で循環分岐配管119d,119eに分岐している。
バルブAV3−1,AV3−2,AV3−3,AV4−1,AV4−2,AV4−3は、銅溶解タンク内流路切り換え部153に集約されている。
循環分岐配管119dは、蓋120に形成された配管口を挿通されて(蓋120を貫通して)、バッファ槽111内に延設されている。循環分岐配管119dには、バルブAV2−2が介装されている。
循環配管118の途中には、分岐点B3において、流路切り換え用配管115の一端が連通接続されている。流路切り換え用配管115の他端側には、バルブAV1−4が介装されている。バルブAV1−4を開くことにより、流路切り換え用配管115の他端側から、排液できるようになっている。また、流路切り換え用配管115には、それぞれバルブAV1−3,AV1−2を介してメッキ液移送管P12a,P12bが連通接続されている。
循環配管118には、バッファ槽111と分岐点B3との間にバルブAV1−1が介装されており、分岐点B3と分岐点B1との間には、分岐点B3から分岐点B1に向かう順に、バルブAV1−5、ポンプP5,流量計123が介装されている。また、循環配管118のバッファ槽111に近接した部分(バッファ槽111と分岐点B3との間)の側方には、空確認センサ127が取り付けられている。空確認センサ127は、その高さ位置における循環配管118内の液体の有無を検知できる。これにより、バッファ槽111内が空であるか否かを知ることができるようになっている。
バルブAV1−1,AV1−2,AV1−3,AV1−4,AV1−5は、入口側主流路切り換え部113に集約されている。
循環分岐配管119eは、分岐点B4においてメッキ液移送管P12bの途中に連通接続されている。循環分岐配管119eにはバルブAV2−1が介装されている。バルブAV2−1,AV2−2は、出口側主流路切り換え部114に集約されている。
置換原液供給部112は、置換原液を収容する置換原液タンク128、および所定量の置換原液を計量する計量カップ129を備えている。置換原液は、たとえば、濃硫酸とすることができる。計量カップ129は蓋129aを有して、ほぼ密閉されている。また、計量カップ129の底部は逆円錐形の形状を有しており、計量カップ129の底面中央部には排液口が形成されている。計量カップ129の底面は、この排液口に向かって下り傾斜がつけられている。置換原液タンク128内底部と計量カップ129の上部との間には、置換原液移送管130が配設されている。置換原液移送管130には、バルブAV6−3が介装されている。
置換原液供給部112とバッファ槽111とは、置換原液供給配管124で接続されている。置換原液供給配管124は、蓋129aを貫通して計量カップ129の上部まで延設されている。計量カップ129底部の中央部(排液口)には、置換原液移送管131の一端が連通接続されている。置換原液移送管131の他端は、分岐点B5で置換原液供給管124に連通接続されている。置換原液供給配管124には、分岐点B5と計量カップ129との間において、バルブAV6−1が介装されている。置換原液移送管131には、バルブAV6−2が介装されている。
また、計量カップ129には、蓋129aを貫通してリーク管132が連通接続されている。計量カップ129の外部で、リーク管132にはバルブAV6−4が介装されている。バルブAV6−4を開くことにより、計量カップ内を大気圧にできる。
計量カップ129側方の所定の高さ位置には、その高さ位置における計量カップ129内部の液体の有無を検知する定量確認センサ133が取り付けられている。また、置換原液移送管131の計量カップ129に近接した部分の側方には、空確認センサ134が取り付けられている。空確認センサ134は、その高さ位置における置換原液移送管131内の液体の有無を検知できる。これにより、計量カップ129内が空であるか否かを知ることができるようになっている。
バッファ槽111には、蓋120を貫通して純水供給配管135が連通接続されており、図外の純水供給源からバッファ槽111に純水を供給できるようになっている。純水供給配管135には、バルブAV7−1が介装されている。
バッファ槽111には、さらに、蓋120を貫通して給排気管136が導入されている。給排気管136のバッファ槽111外の端部には、エアポンプ137が接続されている。給排気管136には、三方バルブAV8−3が介装されている。三方バルブAV8−3により、バッファ槽111とエアポンプ137とが流通するようにしたり、バッファ槽111と大気とが流通するようにしたりすることができる。
エアポンプ137は排気管138および給気管139を備えており、給排気管136は排気管138および給気管139に連通接続されている。排気管138には三方バルブAV8−1が介装されており、給気管139には三方バルブAV8−2が介装されている。三方バルブAV8−1,AV8−2,AV8−3は、エア弁とすることができ、加圧/減圧部164に集約されている。
三方バルブAV8−1を大気とエアポンプ137とが流通するようにし、三方バルブAV8−2をエアポンプ137と給排気管136とが流通するようにして、エアポンプ137を作動させることにより、バッファ槽111内に空気を供給(給気)できる。また、三方バルブAV8−1を給排気管136とエアポンプ137とが流通するようにし、三方バルブAV8−2をエアポンプ137と大気とが流通するようにして、エアポンプ137を作動させることにより、バッファ槽111内の気体を排出(排気)できる。
入口側主流路切り換え部113、出口側主流路切り換え部114、銅溶解タンク内流路切り換え部153、置換原液供給部112、および加圧/減圧部164の各バルブ、ならびにバルブAV7−1の開閉や、ポンプP5、エアポンプ137の動作は、シリアル/パラレル変換器165を介して、ウエハ処理部1のシステムコントローラ155により制御される。定量確認センサ126,133、空確認センサ127,134、流量計123、および重量計154a,154bの出力信号は、シリアル/パラレル変換器165を介して、ウエハ処理部1のシステムコントローラ155に入力される。
以下、図22を参照して、メッキ処理部12でメッキ処理を行うときの主成分管理部2の動作について説明する。
メッキ処理に先立って、システムコントローラ155により、いずれの銅溶解タンク110a,110bを使用するかが決定される。銅溶解タンク110a,110bは、内部の銅管146の重量が最も小さいものが使用され、他のものは予備(リザーブ)とされ使用されない。
システムコントローラ155の記憶装置155Mには、予め、各銅溶解タンク110a,110bの正味の重量およびこれらの内部にメッキ液等が満たされたときの重量のデータが入力されており、システムコントローラ155は、各重量計154a,154bの出力信号に基づいて、各銅溶解タンク110a,110b内の銅管146の重量を計算する。
その結果、たとえば、銅溶解タンク110a内の銅管146が、最も重量が小さく、かつ、その重量が一定時間メッキ液に銅イオンを供給するのに充分な重量であると判断されたとする。この場合、システムコントローラ155は、メッキ処理部12と銅溶解タンク110aとの間でメッキ液を循環させる流路を形成するように制御する。具体的には、バルブAV1−3,AV1−5,AV3−2,AV3−1,AV2−1が開かれ、他のバルブは閉じられる。
この状態で、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が作動される。これにより、メッキ液は、メッキ処理部12から銅溶解タンク110a内に送られ、銅溶解タンク110a内で銅管146の内表面および外表面近傍を通って、再びメッキ処理部12へと戻される。銅溶解タンク110a内では、メッキ液中の3価の鉄イオンが銅管146から電子を奪い取って2価の鉄イオンに還元される。電子を奪われた銅管146からは銅イオンがメッキ液中に溶出する。
このようにして、メッキ処理中にウエハWの下面で銅イオンが失われる一方で、銅管146から銅イオンが補われる。また、アノード電極76近傍で2価の鉄イオンが3価の鉄イオンに酸化される一方で、銅管146近傍で3価の鉄イオンが2価の鉄イオンに還元される。
メッキ液中の銅イオンならびに2価および3価の鉄イオンの濃度が、所定の濃度からずれると、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝の埋め込み性が悪くなり良好なメッキができなくなる。したがって、メッキ液中の銅イオンならびに2価および3価の鉄イオンの濃度を所定の値(所定の濃度範囲内)に保つ必要がある。すなわち、ウエハWの下面で失われる銅イオンの量と、銅管146から溶出する銅イオンの量とがほぼ同じになるようにし、アノード電極76近傍で生じる2価の鉄イオンの量と、銅管146近傍で生じる3価の鉄イオンの量とがほぼ同じになるようにしなければならない。
メッキによるメッキ液中の銅イオンの消費速度は、各メッキ処理ユニット20a〜20dの稼働状態によって決まる。また、銅溶解タンク110a内において、銅管146のメッキ液中への溶出速度は、メッキ液に接する銅管146の表面積、銅管146近傍を流れるメッキ液の流速、およびメッキ液中の3価の鉄イオン濃度によって決まる。
銅管146の表面のうち、外周面および内周面が大部分を占める。銅管146は、溶解が進行すると、肉厚が薄くなり長さが短くなるが、長さの変化率は無視できるほど小さい。したがって、外周面および内周面の面積(銅管146の表面積)は、銅管146の溶解が進行しても、銅管146が完全に溶解する直前までほぼ一定とみなせる。銅管146が完全に溶解する直前であるか否かは、重量計154aの出力信号より求めることができる。また、銅管146近傍を流れるメッキ液の流速は、銅溶解タンク110aに流入するメッキ液の流量で代用することができる。
このため、システムコントローラ155は、ポンプP5の送液量を、メッキ処理ユニット20a〜20dの稼働状態、および鉄イオン濃度を表す吸光度計66Bの出力信号に基づいて決定する。ポンプP5の送液量は、流量計123の出力信号がシステムコントローラ155にフィードバックされることにより、所定の流量になるように調整される。このような制御により、メッキ液に対する銅イオンの消費量と供給量とを収支させ、メッキ液中の銅イオンの濃度をほぼ一定に保つことができる。
銅溶解タンク110a内の銅管146の溶解が極端に進行すると、銅管146の表面積は急激に小さくなり、メッキ液に対して一定の割合で銅イオンを供給するのが困難になる。そこで、このような事態を回避するため、銅溶解タンク110a内の銅管146の重量が、所定の重量(たとえば、所期の重量の20%ないし30%)になると、銅溶解タンク110aへのメッキ液の通液が停止され、銅溶解タンク110bにメッキ液の通液が開始される。
具体的には、以下のような手順により、システムコントローラ155は、重量計154aの信号に基づき、銅溶解タンク110a内の銅管146の重量が上記所定の重量以下になったと判定すると、バルブAV4−1,AV4−2を開き、バルブAV3−1,AV3−2を閉じるように制御する。これにより、メッキ液は、メッキ処理部12と銅溶解タンク110bとの間を循環するようになる。銅溶解タンク110bに充分な重量の銅管146が収容されていると、メッキ液に安定して銅イオンを供給することができる。
このように、2つの銅溶解タンク110a,110bを主成分管理部2に接続して使用することにより、メッキ液に常時過不足なく銅イオンを供給することができる。これにより、ウエハW表面に形成された微細な孔または溝を埋めて良好に銅メッキすることができる。
次に、メッキ処理部12でのメッキ処理が終了したときの主成分管理部2の動作について説明する。メッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理が行われていないとき、メッキ液収容槽55と銅溶解タンク110aまたは110bとの間でメッキ液を循環させると、メッキ液中の銅イオンの濃度は適正な濃度範囲を超えて上昇する。これは、メッキ液中の銅イオンが消費されないにもかかわらず、銅管146からメッキ液に銅イオンが供給されるからである。
また、メッキ液の循環を停止すると、銅溶解タンク110a,110b内の銅管146の表面が不可逆的に変質し、再度、メッキ液を循環させてメッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理を行ったとき、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝を良好に埋めてメッキできなくなる。
そこで、メッキ処理部12でのメッキ処理が終了したときは、銅溶解タンク110a,110b内のメッキ液を置換液に置換し、メッキ液の銅イオン濃度の上昇および銅管146表面の変質を防ぐようにされる。以下、置換する対象を銅溶解タンク110aとする。
上述の銅管146表面の変質は、数時間以内に起こる場合がある。一方、メッキ処理部12で一旦メッキ処理を終了した場合でも、生産計画の変更等により、すぐにメッキ処理を再開する場合がある。この場合、銅溶解タンク110a内のメッキ液が置換液に置換されていると、再び銅溶解タンク110a内をメッキ液に置換しなければならない。銅溶解タンク110a内をメッキ液に置換するための操作は、たとえば5分ないし10分程度の時間を要し、生産性が低下する。このため、銅溶解タンク110a内のメッキ液は、メッキ処理部12におけるメッキ処理が終了してから、たとえば、2〜3時間の待機時間が経過した後に、置換液に置換される。
メッキ処理部12でメッキ処理が終了した後、すぐにメッキ処理を再開する可能性が低い場合などは、メッキ処理が終了した直後に、銅溶解タンク110a内のメッキ液を置換液に置換することとしてもよい。
先ず、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が停止され、主成分管理部2のすべてのバルブが閉じられる。続いて、システムコントローラ155により加圧/減圧部164が制御されて、バッファ槽111内に給気される。これによりバッファ槽111内は加圧される。次に、システムコントローラ155の制御により、バルブAV2−2,AV3−1,AV3−2,AV1−5,AV1−2が開かれる。これにより、バッファ槽111内の加圧された空気が環状空間145内に導入されて、銅溶解タンク110a内のメッキ液が押し出され、メッキ処理部12のメッキ液収容槽55内に送られる。
システムコントローラ155は、重量計154aの出力信号に基づき、銅溶解タンク110a内のメッキ液の重量を算出し、銅溶解タンク110a内にメッキ液がほぼなくなったと判断されるまで、上記の状態を維持するように制御する。銅溶解タンク110a内にメッキ液がほぼなくなったと判断されると、システムコントローラ155は、バルブAV3−3を一定時間開くように制御する。これにより、銅溶解タンク110aの底部に残っていたメッキ液のほぼ全量が、排液管149aを介して押し出される。
次に、システムコントローラ155の制御により、バルブAV7−1が開かれて、バッファ槽111内に純水が導入される。バッファ槽111内の液面が上昇し、定量確認センサ126の出力信号により、バッファ槽111内の純水の液面が所定の高さ位置に達したと判断されると、システムコントローラ155の制御により、バルブAV7−1が閉じられる。これにより、バッファ槽111内に所定量の純水が収容された状態となる。
続いて、システムコントローラ155の制御により、三方バルブAV8−1,AV8−2,AV8−3を除く主成分管理部2のすべてのバルブが閉じられ、加圧/減圧部164がバッファ槽111内を排気するようにされる。これにより、バッファ槽111内は減圧状態となる。続いて、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−1,AV6−3が開かれる。これにより、計量カップ129内も減圧状態となり、置換原液タンク128内の置換原液が、置換原液移送管130を介して計量カップ129内へと吸い上げられる。
この間、システムコントローラ155により、定量確認センサ133の出力信号がモニタされて、計量カップ129内の置換原液の液面が所定の高さ以上になったか否かが判断される。置換原液の液面が所定の高さ以上になったと判断されると、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−3,AV6−1が閉じられる。以上の操作により、所定量の置換原液が計量カップ129内に採取される。
そして、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−2,AV6−4が開かれる。これにより、計量カップ129内は大気圧にされるので、計量カップ129内の置換原液は、置換原液移送管131および置換原液供給配管124を介して、より圧力の低いバッファ槽111内へと移送され、バッファ槽111内の純水と混合される。
計量カップ129の底部が置換原液移送管131(排液口)に向かって下り傾斜がつけられていることにより、計量カップ129内の置換原液は、ほぼ完全に計量カップ129から抜き出される。システムコントローラ155により、空確認センサ134の出力信号に基づいて、計量カップ129内が空であると判断されると、バルブAV6−2,AV6−4が閉じるように制御される。
以上の操作により、バッファ槽111内に所定の組成および濃度の置換液(たとえば、10%硫酸水溶液)が得られる。
続いて、システムコントローラ155によりバルブAV8−3が制御され、バッファ槽111と大気とが流通するようにされる。これにより、バッファ槽111内は大気圧になる。その後、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−1,AV1−5,AV3−2,AV3−1,AV2−2が開かれ、ポンプP5が作動される。この際、ポンプP5は、所定の時間のみ作動されるか、または、重量計154aの出力信号に基づき、銅溶解タンク110a内が置換液で満たされたと判断されるまで作動される。
その後、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が停止され、主成分管理部2内のすべてのバルブが閉じられる。そして、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−1,AV1−4が開かれて、バッファ槽111内に残った置換液が排出される。以上の操作により、銅溶解タンク110a内のメッキ液が置換液に置換される。
これにより、メッキ液中の銅イオン濃度は上昇することはない。また、銅管146の表面が変質することもないので、メッキ処理部12と銅溶解タンク110a(110b)との間で、再度メッキ液を循環させてメッキ処理ユニット20a〜20dでメッキを行う際は、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝を埋めて良好にメッキできる。硫酸はメッキ液の支持電解質であるので、置換液が硫酸水溶液である場合、多少の置換液がメッキ液に混入しても悪影響を及ぼさない。
上述の置換液への置換操作において、銅溶解タンク110a内のメッキ液を抜き取った後、置換液を導入する前に、銅溶解タンク110aに対して純水を導入および排出するようにしてもよい。これにより銅溶解タンク110a内は純水で洗浄されるので、置換液に混入するメッキ液の量を少なくできる。銅溶解タンク110a内に純水を導入するには、純水供給源からバッファ槽111内に純水のみ導入して(純水導入の後、置換原液を導入せず)、置換液を銅溶解タンク110a内に導入するときと同様の操作を行えばよい。
内部を置換液で満たされた銅溶解タンク110a,110b内を、再びメッキ液に置換する際は、以下の手順に従う。先ず、銅溶解タンク110a,110b内のメッキ液を置換液で置換する際にメッキ液を抜き出すときと同様の手順に従い、銅溶解タンク110a,110bから置換液を抜き出す。ただし、この操作が行われるときは、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−2が閉じられバルブAV1−4が開かれて、抜き出された置換液は排出される。
その後、システムコントローラ155の制御により、主成分管理部2内のすべてのバルブが閉じられた後、たとえば、バルブAV1−2,AV1−5,AV3−2,AV3−1,AV2−1が開かれる。これにより、銅溶解タンク110a内にメッキ液が導入される。
図23は、後処理薬液供給部4の構造を示す図解的な斜視図である。
後処理薬液供給部4は、ベベルエッチングユニット21a,21bや洗浄ユニット22a,22bで使用されるエッチング液や洗浄液などの後処理薬液を収容する後処理薬液タンク290、および後処理薬液タンク290を内部に収容するためのタンクエンクロージャ291を備えている。後処理薬液タンク290には、図示しない液面センサが取り付けられていて、液面センサの出力はシステムコントローラ155に入力されるようになっている。これにより、システムコントローラ155は、後処理薬液タンク290内の後処理薬液の液面が一定レベル以下になったか否かを検知できる。
この実施形態では、ベベルエッチングユニット21a,21bで使用されるエッチング液と、洗浄ユニット22a,22bで使用される洗浄液とは同じものとして、後処理薬液タンク290は1つのみ示しているが、複数種類の後処理薬液が用いられる場合は、複数の後処理薬液タンク290を用いることができる。
タンクエンクロージャ291は、上部に蓋293が設けられており、正面に扉294が設けられている。蓋293または扉294を開けて、後処理薬液タンク290の出し入れなどの作業を行うことができる。蓋293および扉294を閉じた状態で、タンクエンクロージャ291はほぼ密閉された状態となる。
タンクエンクロージャ291内の底部にはバット292が配置されており、後処理薬液タンク290はバット292内に置かれている。バット292の容積は、後処理薬液タンク290の容積(後処理薬液タンク290が複数ある場合は、すべての後処理薬液タンク290の容積の合計)より大きくされており、後処理薬液タンク290内のすべての後処理薬液が漏出しても、バット292で受けられるようになっている。
バット292の底部には、後処理薬液の漏出を検知する図示しない漏液検知センサが取り付けられている。漏液検知センサの出力は、システムコントローラ155に入力されるようになっており、システムコントローラ155はバット292内に後処理薬液が漏出したことを検知できるようになっている。
タンクエンクロージャ291の背面には、排気接続口295および後処理薬液配管挿通口296が形成されている。排気接続口295には排気管297が接続されており、タンクエンクロージャ291内の空気を排気できるようになっている。タンクエンクロージャ291がほぼ密閉された状態で、排気管297を介して排気することにより、タンクエンクロージャ291内を負圧に保つことができる。
排気管297は、図外の排気設備に接続されている。排気管297には、図示しない排気圧センサが取り付けられている。排気圧センサの出力は、システムコントローラ155に入力されるようになっており、システムコントローラ155は、排気圧の異常を検知できるようになっている。
後処理薬液配管挿通口296には、短い管状の保護管298が挿通されており、保護管298には後処理薬液配管P14が挿通されている。すなわち、後処理薬液配管挿通口296には二重の配管が挿通されている。
後処理薬液配管P14は、後処理薬液タンク290内の底部とベベルエッチングユニット21a,21bおよび洗浄ユニット22a,22bとの間に配設されている。後処理薬液配管P14に介装されたバルブ93V(図19参照)およびバルブ108V(図20参照)は、後処理薬液供給部4に設けられている(図23では、図示を省略)。バルブ93V,108Vを開き、図示しないポンプを作動させることにより、後処理薬液タンク290内の後処理薬液(エッチング液、洗浄液)を、ベベルエッチングユニット21a,21bまたは洗浄ユニット22a,22bに供給できる。
図24は、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4の制御系統の構成を示すブロック図である。
主成分管理部2は、シリアル/パラレル変換器165および操作パネル166を備えている。ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155は、RS−485規格のシリアルポートを介して、シリアル/パラレル変換器165とケーブル接続されており、RS−232C規格のシリアルポートを介して操作パネル166とケーブル接続されている。
シリアル/パラレル変換器165には、電磁弁167やセンサ168(たとえば、定量確認センサ126,133、空確認センサ127,134、重量計154a,154b(図22参照))などがパラレル接続されている。電磁弁167は、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブAV1−1など(図22参照))を制御することができる。また、操作パネル166により、作業者は主成分管理部2に関する情報を入出力することができる。
微量成分管理部3は、微量成分管理コントローラ169を備えており、ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155によらない制御もできるようになっている。微量成分管理コントローラ169とシステムコントローラ155とは、RS−232C規格のシリアルポートを介してケーブル接続されている。
微量成分管理コントローラ169には、ディスプレイ170、キーボード171、警報音発生装置400、ポテンショスタット(電源)172、シリンジポンプ173、シリアル/パラレル変換器174などが接続されている。ディスプレイ170およびキーボード171により、微量成分管理コントローラ169と作業者との間で、情報の入出力をできるようになっている。
メッキ液中の微量成分の濃度を測定する際、シリンジポンプ173により、サンプリングされたメッキ液に指示薬等を滴下することができる。また、シリンジポンプ173により、補充すべき量の微量成分を含む補充液を計量できる。
シリアル/パラレル変換器174には、パラレルケーブルを介して電磁弁175やセンサ176(たとえば、液面センサ)が接続されている。電磁弁175は、たとえば、エア弁からなるバルブを制御することができる。シリアル/パラレル変換器174は、微量成分管理コントローラ169からのシリアル信号をパラレル変換して、電磁弁175等に出力し、センサ176からのパラレル信号をシリアル変換して、微量成分管理コントローラ169に出力する。
後処理薬液供給部4は、シリアル/パラレル変換器177を備えている。ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155は、RS−485規格のシリアルポートを介して、シリアル/パラレル変換器177とケーブル接続されている。シリアル/パラレル変換器177には、パラレルケーブルを介して電磁弁178およびセンサ179などが接続されている。電磁弁178は、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブ93V(図19参照),108V(図20参照))を制御することができる。センサ179は、液面センサ、排気圧センサ、漏液検知センサなどを含んでいる。
図25は、微量成分管理部3の構成の概略およびメッキ処理部との接続状態を示す図解図である。
微量成分管理部3は、図25に示すように複数のウエハ処理部にそれぞれ備えられたメッキ処理部12,12Sに接続することが可能であり、各メッキ処理部12、12Sで使用されるメッキ液の微量成分を定量分析して、その微量成分に関して所定の濃度範囲になるようにメッキ液の組成を調整できる。無論、微量成分管理部3を1つのメッキ処理部12(12S)に接続して使用することも可能である。
微量成分管理部3は、メッキ液の微量成分であるメッキを促進する添加剤(以下、「促進剤」という。)、メッキを抑制する添加剤(以下、「抑制剤」という。)、および塩素に関して定量分析を行う分析部320と、分析部320による分析結果に基づき、メッキ処理部12,12S内のメッキ液が促進剤、抑制剤、および塩素に関して所定の濃度になるように、促進剤、抑制剤、および塩素を補充する補充部321と、分析部320および補充部321の動作を制御する微量成分管理コントローラ169とを備えている。
微量成分管理部3に接続されたメッキ処理部12Sは、メッキ処理部12と同様の構成を有し、大量のメッキ液を収容するメッキ液収容槽55S、ウエハWにメッキ処理を施すためのメッキカップ56S、メッキ液収容槽55Sからメッキカップ56Sへとメッキ液を送るための送液配管57S、およびメッキカップ56Sからメッキ液収容槽55Sへとメッキ液を戻すためのリターン配管64Sを備えたものとすることができる。
メッキ液収容槽55,55Sと分析部320との間には、サンプリング管322,323がそれぞれ配設されている。サンプリング管322,323はメッキ液収容槽55,55Sの底部近傍まで延設されており、メッキ液収容槽55,55S内のメッキ液にサンプリング管322,323の端部が没するようになっている。微量成分管理コントローラ169によりサンプリング管322およびサンプリング管323のいずれかを選択して、メッキ液収容槽55またはメッキ液収容槽55Sに収容されているメッキ液を分析部320にサンプリングできるようになっている。
メッキ液収容槽55,55Sと補充部321との間には、補充管324,325がそれぞれ配設されている。補充管324,325はメッキ液収容槽55,55Sの底部近傍まで延設されており、メッキ液収容槽55,55S内のメッキ液に補充管324,325の端部が没するようになっている。
メッキ液の微量成分の濃度は、メッキ処理部12,12Sで使用されているうちに所定の濃度(濃度範囲)より低くなるように変化する。微量成分管理コントローラ169により補充管324および補充管325のうちのいずれかを選択して、メッキ液収容槽55またはメッキ液収容槽55Sに収容されているメッキ液に促進剤、抑制剤、および塩素を補充できるようになっている。これにより、メッキ液の微量成分の濃度を所定の濃度に調整できる。
以上のように、2つのメッキ処理部12,12Sで1台の微量成分管理部3を共有できるようになっている。
図26は、微量成分管理部3の詳細な構成を示すブロック図である。
微量成分管理部3は、分析部320、補充部321、および微量成分管理コントローラ169に加えて、微量成分管理部3で使用される純水、圧縮空気や微量成分管理部3内の排気を管理するユーティリティ部301、分析部320に分析用の試薬を供給したり補充部321にメッキ液の微量成分を含む補充液を供給する試薬供給部313、ならびに加圧または減圧することにより分析部320、補充部321、試薬供給部313、およびメッキ液収容槽55、55Sの間で液体を移送する加圧/減圧部302を備えている。
分析部320は、メッキ液収容槽55,55Sからメッキ液をサンプリングするためのサンプリング部319と、分析対象のメッキ液を収容して滴定分析やCVS分析またはCPVS分析を行うための分析カップ336を備えている。メッキ液収容槽55,55Sからサンプリングされたメッキ液は、サンプリング部319に取り込まれた後、所定の量が計量されて分析カップ336に供給されるようになっている。
補充部321は、メッキ液収容槽55、55Sからメッキ液を取り込み、このメッキ液に対して、試薬供給部313から供給される補充液を添加し、さらに、補充液が添加されたメッキ液をメッキ液収容槽55、55Sへ戻すことができる。これにより、メッキ液収容槽55、55Sのメッキ液を、微量成分に関して適正な濃度とすることができる。
ユーティリティ部301を介して、サンプリング部319、分析カップ336、および補充部321に純水が供給されるようになっている。分析カップ336周辺の空気は、ユーティリティ部301の管理の下に、微量成分管理部3外に排出されるようになっている。
加圧/減圧部302は、密閉容器内に給気することにより密閉容器内を加圧でき、密閉容器内を排気することにより減圧できる。また、加圧/減圧部302のの排気動作または給気動作により、液体が収容された容器から当該液体を抜き出すことができる。サンプリング部319、分析カップ336、補充部321、および試薬供給部313で生じた不要のメッキ液や試薬(補充液)などは、加圧/減圧部302に吸引された後、廃棄されるようになっている。
微量成分管理コントローラ169と、サンプリング部319、分析カップ336、試薬供給部313、補充部321、ユーティリティ部301、および加圧/減圧部302とは、信号線で接続されている。これにより、微量成分管理コントローラ169は、各部を制御し各部から情報を取得することができる。
図27は、サンプリング部319の構成を示す図解図である。サンプリング部319は、サンプリング管322,323を介して送液されたメッキ液を収容するサンプリング容器305と、分析時のキャリブレーションに用いられる標準メッキ液を収容する標準メッキ液収容器303とを備えている。標準メッキ液は、促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度が既知のメッキ液である。
サンプリング容器305は樹脂製で、その容積は500ml程度である。サンプリング容器305の側面には、少なくとも1つ(この実施形態では2つ)の液面センサ307A,307Bが取り付けられている。液面センサ307A,307Bは、その高さ位置におけるサンプリング容器305内のメッキ液の有無を検知できる。液面センサ307Aは、液面センサ307Bより高い位置に取り付けられている。液面センサ307A,307Bの出力は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
サンプリング容器305は上蓋305aを有して、おりほぼ密閉された状態にすることができる。サンプリング容器305と加圧/減圧部302との間には、給排気管329が配設されている。給排気管329は上蓋305aに形成された配管挿入口を介して(上蓋305aを貫通して)配設されており、サンプリング容器305内の上部(上蓋305a近傍)で開口している。サンプリング容器305をほぼ密閉された状態にして、加圧/減圧部302によりサンプリング容器305内を加圧または減圧することができる。
給排気管329にはバルブ329Vが介装されており、給排気管329においてバルブ329Vと加圧/減圧部302との間には、リーク管328の一端が連通接続されている。リーク管328の他端は大気に開放されている。リーク管328には、バルブ328Vが介装されている。バルブ329Vとバルブ328Vとを同時に開くことにより、サンプリング容器305内を大気圧にできる。
サンプリング容器305の下部は半球状になっており、サンプリング容器305の最も低い部分(底部の中央部)には排液口が形成されている。この排液口には排出管334の一端が取り付けられている。すなわち、サンプリング容器305の底部は、排液口(排出管334との接続部)に向かって下り傾斜がつけられている。
排出管334の他端は、加圧/減圧部302に接続されている。排出管334にはバルブ334Vが介装されている。バルブ334Vを開いた状態で、加圧/減圧部302により、サンプリング容器305内の液体を加圧/減圧部302内に吸引できる。サンプリング容器305の底部が排液口に向かって下り傾斜がつけられていることにより、サンプリング容器305内の液体は、ほぼ完全に抜き出される。
サンプリング管322,323は、上蓋305aを貫通して配設されており、サンプリング容器305内の上蓋305a近傍で開口している。サンプリング管322,323にはそれぞれバルブ322V,323Vが介装されており、バルブ322V,323Vを開閉することによりサンプリング管322,323の流路を開閉できる。
標準メッキ液収容器303内底部とサンプリング容器305内上部との間には、標準メッキ液移送管304が配設されている。標準メッキ液移送管304は上蓋305aを貫通して配設されており、サンプリング容器305内の上蓋305a近傍で開口している。標準メッキ液移送管304には、バルブ304Vが介装されている。
以上のような構成により、サンプリング容器305内をほぼ密閉された状態とし、加圧/減圧部302によりサンプリング容器305内部を減圧し、バルブ322V、バルブ323V、またはバルブ304Vを開くことにより、メッキ液収容槽55内のメッキ液、メッキ液収容槽55S内のメッキ液、または標準メッキ液収容器303内の標準メッキ液を、サンプリング容器305内に移送できる。
サンプリング容器305と分析カップ336との間には、メッキ液移送管330A,330Bが配設されている。メッキ液移送管330A,330Bは上蓋305aを貫通して配設されており、サンプリング容器305内の底部近傍で開口している。メッキ液移送管330Aには、大容量シリンジポンプ340Aが介装されており、メッキ液移送管330Bには、小容量シリンジポンプ340Bが介装されている。
大容量シリンジポンプ340Aおよび小容量シリンジポンプ340Bにより、メッキ液移送管330A,330Bを介して、サンプリング容器305内に移送されたメッキ液または標準メッキ液を計量して、分析カップに供給できる。1回の吸引/吐出動作で、大容量シリンジポンプ340Aは、たとえば、50mlのメッキ液を移送でき、小容量シリンジポンプ340Bは、たとえば、500μlのメッキ液を移送できる。分析カップ336でのメッキ液または標準メッキ液の使用量に応じて、大容量シリンジポンプ340Aと小容量シリンジポンプ340Bとを使い分けることができる。
サンプリング容器305には、さらに、純水配管327が、上蓋305aを貫通して連通接続されている。純水配管327は、サンプリング容器305内の上蓋305a近傍で開口している。純水配管327にはバルブ327Vが介装されており、バルブ327Vを開くことにより純水供給源から、サンプリング容器305内へ純水を供給できるようになっている。
サンプリング容器305内において、給排気管329、サンプリング管322,323、標準メッキ液移送管304、および純水配管327の開口位置は、液面センサ307Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、サンプリング容器305内において、メッキ液移送管330A,330Bの開口位置は、液面センサ307Bが取り付けられた高さ位置より低い。
バルブ322V,323V,328V,329V,334V,304V,327Vの開閉、ならびに大容量シリンジポンプ340Aおよび小容量シリンジポンプ340Bの動作は、微量成分管理コントローラ169により制御される。バルブ322V,323V,328V,329V,334V,304V,327Vは、エア弁とすることができる。
図28は、分析カップ336の構造を示す図解図である。
分析カップ336の上部は開放されている。メッキ液移送管330A,330Bには、分析カップ336の上部に配置されたノズル330AN,330BNがそれぞれ接続されている。ノズル330AN,330BNを介してサンプリング容器305から移送されてきたメッキ液または標準メッキ液を、分析カップ336内に供給できる。
すなわち、分析に使用するメッキ液は、メッキ液収容槽55またはメッキ液収容槽55Sから一旦サンプリング容器305内にサンプリングされ、サンプリング容器305から分析カップ336に送液される。サンプリング容器305および分析カップ336は、微量成分管理部3の共通のエンクロージャ内に設けられており、互いに近接して配されている。
従来は、ウエハ処理部のメッキ液収容槽等と分析カップとの間に配設されたサンプリング管を介して、メッキ液が直接分析カップにサンプリングされ、分析されることがあった。サンプリング容器305と分析カップ336とが近接されていることにより、メッキ液移送管330A,330Bの長さは、従来のメッキ装置におけるサンプリング管の長さと比べて著しく短くすることができる。
したがって、従来のメッキ装置と比べて、メッキ液の送液量の精度を高くできる。近接して配されたサンプリング容器305と分析カップ336との間では、空気の混入はほとんど生じないので、送液量の精度が悪くなることもない。したがって、正確に量が量り取られたメッキ液に対してCVS分析、CPVS分析、および滴定分析できるので、促進剤、抑制剤、および塩素の濃度に関して正確に定量分析できる。
試薬供給部313から分析カップ336へと、促進剤移送管351、抑制剤移送管352、ベース液移送管353、硝酸銀水溶液移送管354、およびチオ硫酸ナトリウム溶液移送管355が延設されている。促進剤移送管351、抑制剤移送管352、ベース液移送管353、硝酸銀水溶液移送管354、およびチオ硫酸ナトリウム溶液移送管355には、分析カップ336の上部に配置されたノズル351N,352N,353N,354N,355Nがそれぞれ接続されている。ノズル351N,352N,353N,354N,355Nを介して、それぞれ、促進剤、抑制剤、ベース液、硝酸銀水溶液、およびチオ硫酸ナトリウムを分析カップ336内に供給できる。
ベース液は、分析対象のメッキ液を希釈するために用いられる。硝酸銀水溶液は、塩素の滴定分析を行う際の試薬として用いられる。チオ硫酸ナトリウム水溶液は、塩素の滴定分析により生じた塩化銀(AgCl)を除去して、分析カップ336内を洗浄するために用いられる。
さらに、純水供給源から分析カップ336に、純水配管356が延設されている。純水配管356にはバルブ356Vが介装されている。純水配管356には、分析カップ336の上部に配置されたノズル356Nが接続されており、バルブ356Vを開くことにより、ノズル356Nを介して分析カップ336内に純水を供給できる。
ノズル330AN,330BN,351N,352N,353N,354N,355N,356Nは、いずれも分析カップ336に収容された液体に接触しない高さ位置に配置されている。ノズル330AN,330BN,351N,352N,353N,354N,355N,356Nは、いずれもフッ素樹脂製のチューブの先端を引き延ばして細く加工したキャピラリチューブであり、いずれも開口径は1mm以下である。これにより、微少量のメッキ液、標準メッキ液、促進剤、抑制剤、ベース液、硝酸銀水溶液、チオ硫酸ナトリウム、および純水を分析カップ336内に滴下できる。
分析カップ336の下部は下方に向かって細くなる漏斗状の形状を有している。分析カップ336の最も低い部分には排液口336hが形成されている。すなわち、分析カップ336の底部は、排液口336hに向かって下り傾斜がつけられている。この排液口336hには排出管344の一端が連通接続されている。排出管344の他端は、加圧/減圧部302に接続されている。
排出管344にはバルブ344Vが介装されており、バルブ344Vを開いた状態で、加圧/減圧部302により、分析カップ336内の液体を加圧/減圧部302内に吸引できる。分析カップ336の底部が排液口336h(排出管344)に向かって下り傾斜がつけられていることにより、分析カップ336内の液体をほぼ完全に抜き出すことができる。
分析カップ336の側面には、少なくとも1つ(この実施形態では3つ)の液面センサ331A,331B,331Cが取り付けられている。液面センサ331A,331B,331Cは、その高さ位置における分析カップ336内の液体の有無を検知できる。液面センサ331A,331B,331Cの中で、液面センサ331Aは最も高い位置に取り付けられており、液面センサ331Cは最も低い位置に取り付けられている。液面センサ331A,331B,331Cの出力信号は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
分析カップ336内には、回転電極308、対極309、参照電極310、および銀塩化銀電極311が挿入されている。対極309、参照電極310、および銀塩化銀電極311は、いずれもほぼ鉛直方向に沿うように配置されている。
回転電極308は白金(Pt)からなり、絶縁材料からなる円柱状の棒体308aの一方端に設けられている。回転電極308は、棒体308aの径より小さな径を有する円板状であり、棒体308aの端面と面一に、棒体308aと同軸に取り付けられている。棒体308aは、回転電極308が取り付けられている側が下方を向けられて、鉛直方向に沿うように配置されている。棒体308aは、図示しない保持部材により、棒体308aの中心軸のまわりに回転自在に保持されている。
棒体308aの内部には、棒体308aの中心軸に沿って導電部材308bが挿通されている。導電部材308bの一方端は、回転電極308に電気接続されている。導電部材308bの他方端は、棒体308aから突出しており、この突出部にはスリップリング312が取り付けられている。スリップリング312の回転系側の端子は導電部材308bに電気接続されており、スリップリング312の非回転系側の端子は、導線を介してポテンショスタット172に電気接続されている。
棒体308aのスリップリング312が取り付けられている側の端部近傍には、プーリ315が嵌められている。プーリ315の側方には、モータ316の回転軸に嵌められたプーリ317が配置されており、プーリ315とプーリ317との間には、ベルト318が張設されている。モータ316を駆動することにより、回転電極308を棒体308aの中心軸のまわりに回転させることができる。回転電極308の最高回転数は、たとえば、3000rpmとすることができる。
対極309は銅からなり、棒状の形状を有している。対極309は、導線を介してポテンショスタット172に電気接続されている。
参照電極310は、外部ガラス管310a、外部ガラス管310a内に配置された内部ガラス管310b、および内部ガラス管310b内に配置された銀塩化銀電極310cを備えている。内部ガラス管310b内は塩化カリウムと硫酸との混合水溶液で満たされており、外部ガラス管310aと内部ガラス管310bとの間は、体積比率で10%の硫酸水溶液で満たされている。内部ガラス管310bの内部と外部ガラス管310aの外部とは、わずかに流通するようになっている。銀塩化銀電極310cは、導線を介してポテンショスタット172および微量成分管理コントローラ169に電気接続されている。
銀塩化銀電極311は塩化銀の露出表面を有しており、この塩化銀の露出表面を分析カップ336に収容された分析対象のメッキ液に接触させることができるようになっている。銀塩化銀電極311は、導線を介して微量成分管理コントローラ169に電気接続されている。
また、銀塩化銀電極311の上端には、上下機構326が結合されており、銀塩化銀電極311を上下方向に移動させることができる。上下機構326は、エアシリンダ326aを駆動源としており、エアシリンダ326aのピストンと銀塩化銀電極311とは、結合部材326bで結合されている。上下機構326により銀塩化銀電極311を上昇させて、銀塩化銀電極311が分析カップ336に収容された液体に接触しないようにすることができる。
微量成分管理コントローラ169は、参照電極310の銀塩化銀電極310cの電位を基準とした銀塩化銀電極311の電位を計測できる。
ポテンショスタット172には、微量成分管理コントローラ169によって設定された掃引電圧が与えられるようになっている。ポテンショスタット172は、参照電極310と作用電極としての回転電極308との間の電圧がこの掃引電圧と等しくなるように、対極309と回転電極308との間に流れる電流の大きさを調整し、このときの電流値を表す電圧を微量成分管理コントローラ169に与える。
分析カップ336は隔壁からなる分析カップ室332に収容されており、分析カップ室332内は専用の排気管333を介して排気できる。分析の際、分析カップ336内に収容されたメッキ液は、回転電極308が取り付けられた棒体308aにより高速撹拌され、メッキ液のミストが生じる。このようなミストは排気管333を介して微量成分管理部3外に排出される。
バルブ356V,344Vの開閉や、モータ316およびエアシリンダ326aの動作は微量成分管理コントローラ169により制御される。
図29は、補充部321の構成を示す図解図である。
補充部321は、メッキ液を収容する調合容器(ミキシングカップ)335と、メッキ液に塩素(塩素イオン)を補充するための塩素補充液が収容された塩素補充液収容器337とを備えている。塩素補充液収容器337に収容された塩素補充液は、バッファカップ343を介して調合容器335内に供給されるようになっている。また、調合容器335には、試薬供給部313から、メッキ液に促進剤を補充するための促進剤補充液やメッキ液に抑制剤を補充するための抑制剤補充液を供給できるようになっている。
補充部321は、メッキ液収容槽55,55Sから適当な量のメッキ液を調合容器335に移送し、調合容器335内のメッキ液に適当な量の塩素補充液、促進剤補充液、および抑制剤補充液を添加し、その後メッキ液をメッキ液収容槽55,55Sに戻すことができる。
調合容器335は樹脂製で、その容積は500ml程度である。調合容器335の側面には、少なくとも1つ(この実施形態では2つ)の液面センサ338A,338Bが取り付けられている。液面センサ338A,338Bは、その高さ位置における調合容器335内のメッキ液の有無を検知できる。液面センサ338Aは、液面センサ338Bより高い位置に取り付けられている。液面センサ338A,338Bの出力は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
調合容器335は、上蓋335aを有しておりほぼ密閉された状態にすることができる。調合容器335と加圧/減圧部302との間には、給排気管339が配設されている。給排気管339は上蓋335aに形成された配管挿入口を介して(上蓋335aを貫通して)配設されており、調合容器335内の上部(上蓋335a近傍)で開口している。
給排気管339には、2つのバルブ、すなわち、調合容器335側のバルブ339V1と加圧/減圧部302側のバルブ339V2とが介装されている。バルブ339V1,339V2を開き、調合容器335をほぼ密閉された状態にして、加圧/減圧部302により調合容器335内を加圧または減圧することができる。
給排気管339においてバルブ339V1とバルブ339V2との間の分岐点C1には、リーク管341の一端が連通接続されている。リーク管341の他端は大気に開放されている。リーク管341には、バルブ341Vが介装されている。バルブ339V1とバルブ341Vとを同時に開くことにより、調合容器335内を大気圧にできる。
調合容器335の下部は半球状になっており、調合容器335の最も低い部分(底部の中央部)には排液口が形成されている。この排液口には排出管342の一端が取り付けられている。すなわち、調合容器335の底部は、排液口(排出管342との接続部)に向かって下り傾斜がつけられている。
排出管342の他端は、加圧/減圧部302に接続されている。排出管342にはバルブ342Vが介装されている。バルブ342Vを開いた状態で、加圧/減圧部302により、調合容器335内の液体を加圧/減圧部302内に吸引できる。調合容器335の底部が排液口(排出管342)に向かって下り傾斜がつけられていることにより、調合容器335内の液体はほぼ完全に抜き出される。
上蓋325aを貫通して補充管324,325が配設されている。補充管324,325は、調合容器335内の底部近傍で開口している。補充管324,325にはバルブ324V,325Vがそれぞれ介装されており、バルブ324V,325Vを開閉することにより補充管324,325の流路を開閉できる。
バッファカップ343は樹脂からなり、バッファカップ343の側面には、光学式または静電容量式の3つの液面センサ349A,349B,349Cが取り付けられている。液面センサ349A,349B,349Cは、その高さ位置におけるバッファカップ343内の塩素補充液の有無を検知できる。液面センサ349A,349B,349Cの中で、液面センサ349Aは最も高い位置に取り付けられており、液面センサ349Cは最も低い位置に取り付けられている。液面センサ349A,349B,349Cの出力は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
バッファカップ343は、上蓋343a有してほぼ密閉された状態にできる。塩素補充液収容器337の底部とバッファカップ343内上部との間には、塩素補充液移送管345Aが配設されている。塩素補充液移送管345Aは、上蓋343aを貫通して配設されており、バッファカップ343内の上蓋343a近傍で開口している。塩素補充液移送管345Aには、バルブ345Vが介装されている。
バッファカップ343の底部と調合容器335の上部との間には、上蓋343a,335aを貫通して、塩素補充液移送管345Bが配設されている。塩素補充液移送管345Bには、シリンジポンプ346が介装されている。
バッファカップ343と給排気管339の分岐点C1とは、給排気管347を介して連通接続されている。給排気管347は上蓋343aを貫通して配設されており、バッファカップ343内の上部で開口している。給排気管347には、バルブ347Vが介装されている。バルブ347V,339V2を開き、バッファカップ343をほぼ密閉された状態にして、加圧/減圧部302によりバッファカップ343内を減圧または加圧できる。
バッファカップ343内を減圧することにより、塩素補充液移送管345Aを介して、塩素補充液収容器337内の塩素補充液をバッファカップ343内に吸引できる。バルブ341Vとバルブ347Vとを同時に開くことにより、バッファカップ343内を大気圧にできる。シリンジポンプ346により、バッファカップ343内の塩素補充液を調合容器335内に供給できる。
バッファカップ343の下部は漏斗状になっており、バッファカップ343の最も低い部分(底部の中央部)には、排液口が形成されている。この排液口には、排出管348の一端が取り付けられている。すなわち、バッファカップ343の底部は、排液口(排出管348との接続部)に向かって下り傾斜がつけられている。
排出管348の他端は、分岐点C2において排出管342に連通接続されている。分岐点C2は、バルブ342Vと加圧/減圧部302との間にある。排出管348にはバルブ348Vが介装されている。バルブ348Vを開いた状態で、加圧/減圧部302により、バッファカップ343内の塩素補充液を加圧/減圧部302内に吸引できる。バッファカップ343の底部が排液口(排出管348)に向かって下り傾斜がつけられていることにより、バッファカップ343内の塩素補充液はほぼ完全に抜き出される。
バッファカップ343内において、塩素補充液移送管345Aおよび給排気管347の開口位置は、液面センサ349Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ343内において、塩素補充液移送管345Bの開口位置は、液面センサ349Cが取り付けられた高さ位置より低い。
調合容器335と試薬供給部313との間には、促進剤補充液を移送するための促進剤補充液移送管361と、抑制剤補充液を移送するための抑制剤補充液移送管362とが配設されている。促進剤補充液移送管361および抑制剤補充液移送管362は、上蓋335aを貫通して配設されており、調合容器335内の上部で開口している。
促進剤補充液移送管361にはシリンジポンプ363が介装されており、促進剤補充液移送管362にはシリンジポンプ364が介装されている。シリンジポンプ363,364により、促進剤補充液移送管361および抑制剤補充液移送管362を介して、試薬供給部313に収容された促進剤補充液および抑制剤補充液を、それぞれ計量して調合容器335に供給できる。
調合容器335には、さらに、純水配管365が、上蓋335aを貫通して連通接続されている。純水配管365は、調合容器335内の上蓋335a近傍で開口している。純水配管365にはバルブ365Vが介装されており、バルブ365Vを開くことにより純水供給源から、調合容器335内へ純水を供給できるようになっている。
調合容器335内において、給排気管339、塩素補充液移送管345B、促進剤補充液移送管361、抑制剤補充液移送管362、および純水配管365の開口位置は、液面センサ338Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、調合容器335内において、補充管324,325の開口位置は、液面センサ338Bが取り付けられた高さ位置より低い。
バルブ324V,325V,339V1,339V2,342V,341V,347V,348V,345V,365Vの開閉、およびシリンジポンプ346,363,364の動作は、微量成分管理コントローラ169により制御される。バルブ324V,325V,339V1,339V2,342V,341V,347V,348V,345V,365Vは、エア弁とすることができる。
図30は、試薬供給部313の構成を示す図解図である。
試薬供給部313は、促進剤を収容する促進剤収容器371、抑制剤を収容する抑制剤収容器372、ベース液を収容するベース液収容器373、硝酸銀水溶液を収容する硝酸銀水溶液収容器374、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液を収容するチオ硫酸ナトリウム水溶液収容器375を備えている。ベース液は、所定の組成のメッキ液から微量成分を除いた組成を有する。硝酸銀水溶液は、たとえば、0.01Nの濃度のものとすることができる。
促進剤収容器371に収容された促進剤は、バッファカップ376を介して分析カップ336および補充部321に、それぞれ試薬および促進剤補充液として供給されるようになっている。抑制剤収容器372に収容された抑制剤は、バッファカップ377を介して分析カップ336および補充部321に、それぞれ試薬および抑制剤補充液として供給されるようになっている。
ベース液収容器373に収容されたベース液は、バッファカップ378を介して分析カップ336に供給されるようになっている。硝酸銀水溶液収容器374に収容された硝酸銀水溶液は、バッファカップ379を介して分析カップ336に供給されるようになっている。チオ硫酸ナトリウム水溶液収容器375に収容されたチオ硫酸ナトリウム水溶液は、バッファカップ380を介して分析カップ336に供給されるようになっている。
バッファカップ376〜380は樹脂からなり、それぞれ1回の総液量に応じた容積を有している。バッファカップ376〜380の側面には、光学式または静電容量式の3つの液面センサ406A〜410A,406B〜410B,406C〜410Cが、それぞれ取り付けられている。液面センサ406A〜410A,406B〜410B,406C〜410Cは、その高さ位置におけるバッファカップ376〜380内の液体の有無をそれぞれ検知できる。
液面センサ406A〜410A,406B〜410B,406C〜410Cの中で、液面センサ406A〜410Aは最も高い位置に取り付けられており、液面センサ406C〜410Cは最も低い位置に取り付けられている。液面センサ406A〜410A,406B〜410B,406C〜410Cの出力は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
バッファカップ376〜380は、それぞれ上蓋376a〜380a有してほぼ密閉された状態にできる。促進剤収容器371、抑制剤収容器372、ベース液収容器373、硝酸銀水溶液収容器374、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液収容器375の底部と、バッファカップ376〜380内上部との間には、それぞれ、促進剤移送管381、抑制剤移送管382、ベース液移送管383、硝酸銀水溶液移送管384、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液移送管385が配設されている。
促進剤移送管381、抑制剤移送管382、ベース液移送管383、硝酸銀水溶液移送管384、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液移送管385は、それぞれ、上蓋376a〜380aを貫通して配設されており、バッファカップ376〜380内の上蓋376a〜380a近傍で開口している。促進剤移送管381、抑制剤移送管382、ベース液移送管383、硝酸銀水溶液移送管384、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液移送管385には、それぞれバルブ381V〜385Vが介装されている。
バッファカップ376〜380の底部と分析カップ336の上部との間には、それぞれ、促進剤移送管351、抑制剤移送管352、ベース液移送管353、硝酸銀水溶液移送管354、およびチオ硫酸ナトリウム溶液移送管355が配設されている。促進剤移送管351、抑制剤移送管352、ベース液移送管353、硝酸銀水溶液移送管354、およびチオ硫酸ナトリウム溶液移送管355には、それぞれ、シリンジポンプ386〜390が介装されている。シリンジポンプ386〜390の容量(1回の吸引/吐出動作による送液量)は、送液される試薬等の種類により異なる。
バッファカップ376〜380の上蓋376a〜380aを貫通して、給排気管391〜395がそれぞれ配設されている。給排気管391〜395は、それぞれ、バッファカップ376〜380内の上蓋376a〜380a近傍で開口している。給排気管391〜395は、いずれも給排気共通配管396に連通接続されており、給排気共通配管396は加圧/減圧部302に接続されている。
給排気管391〜395には、バルブ391V〜395Vがそれぞれ介装されている。給排気共通配管396において、いずれの給排気管391〜395との連通部よりも加圧/減圧部302側には、バルブ396Vが介装されている。バルブ396Vおよびバルブ391V〜395Vのいずれかを開き、対応するバッファカップ376〜380をほぼ密閉された状態にして、加圧/減圧部302によりいずれかのバッファカップ376〜380内を減圧または加圧することができる。
給排気共通配管396において、給排気管391との連通部D1には、リーク管397の一端が連通接続されている。リーク管397の他端は、大気に開放されている。リーク管397には、バルブ397Vが介装されている。バルブ397Vとバルブ391V〜395Vのいずれかとを同時に開くことにより、対応するいずれかのバッファカップ376〜380内を大気圧にできる。
バッファカップ376〜380の下部は漏斗状になっており、バッファカップ376〜380の最も低い部分(底部の中央部)には、排出管401〜405の一端が取り付けられている。すなわち、バッファカップ376〜380の底部は、排液口(排出管401〜405との接続部)に向かって下り傾斜がつけられている。
排出管401〜405の他端は、排出共通配管398に連通接続されている。排出共通配管398は、加圧/減圧部302に接続されている。排出管401〜405には、バルブ401V〜405Vがそれぞれ介装されている。バルブ401V〜405Vのいずれかを開いた状態で、加圧/減圧部302により、対応するバッファカップ376〜380内の液体を加圧/減圧部302内に吸引できる。バッファカップ376〜380の底部が排液口(排出管401〜405)に向かって下り傾斜がつけられていることにより、バッファカップ376〜380内の液体はほぼ完全に抜き出される。
バッファカップ376,377の上蓋376a,377aを貫通して、促進剤補充液移送管361と抑制剤補充液移送管362とが、それぞれ配設されている。促進剤補充液移送管361および抑制剤補充液移送管362は、バッファカップ376,377内の底部で開口している。
バッファカップ376内において、促進剤移送管381および給排気管391の開口位置は、液面センサ406Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ376内において、促進剤移送管351および促進剤補充液移送管361の開口位置は、液面センサ406Cが取り付けられた高さ位置より低い。
バッファカップ377内において、抑制剤移送管382および給排気管392の開口位置は、液面センサ407Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ377内において、抑制剤移送管352および抑制剤補充液移送管362の開口位置は、液面センサ407Cが取り付けられた高さ位置より低い。
バッファカップ378内において、ベース液移送管383および給排気管393の開口位置は、液面センサ408Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ376内において、ベース液移送管353の開口位置は、液面センサ408Cが取り付けられた高さ位置より低い。
バッファカップ379内において、硝酸銀水溶液移送管384および給排気管394の開口位置は、液面センサ409Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ379内において、硝酸銀水溶液移送管354の開口位置は、液面センサ409Cが取り付けられた高さ位置より低い。
バッファカップ380内において、チオ硫酸ナトリウム水溶液移送管385および給排気管395の開口位置は、液面センサ410Aが取り付けられた高さ位置より高い。また、バッファカップ380内において、チオ硫酸ナトリウム溶液移送管355の開口位置は、液面センサ410Cが取り付けられた高さ位置より低い。
バッファカップ343(図29参照)やバッファカップ376〜380は、同じ構造を有しており、同様の構成により、収容器、分析カップ336または調合容器335、加圧/減圧部302などと接続されている。以下、バッファカップ376を例に、その機能を説明する。
微量成分管理コントローラ169は、バッファカップ376内において、液面センサ406Bの高さ位置に促進剤が存在しないと判断されると、加圧/減圧部302およびバルブ381Vを制御して、液面センサ406Aにより促進剤が検知されるまで、バッファカップ376内を減圧する。促進剤収容器371内は大気圧にされているので、促進剤収容器371に収容された促進剤は、バッファカップ376内に移送され、バッファカップ376内の促進剤の液面は、液面センサ406Aより高くなる。
液面センサ406Aにより促進剤が検知されると、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ381Vが閉じられ、バルブ397V,391Vが開かれて、バッファカップ376内は大気圧にされる。これにより、促進剤収容器371からバッファカップ376への促進剤の移送は停止される。
促進剤収容器371内に充分な量の促進剤が収容されている場合、促進剤の液面は、一定時間内に液面センサ406Aの高さ位置に達する。ところが、促進剤収容器371内の促進剤の量が少ない場合、所定量の促進剤がバッファカップ376内に移送されず、バッファカップ376内の促進剤の液面は、液面センサ406Aが取り付けられている高さ位置に達しない。
微量成分管理コントローラ169は、所定の時間バッファカップ376内が減圧状態にされても、液面センサ406Aが促進剤を検知しなかった場合は、微量成分管理コントローラ169により警報音発生装置400およびディスプレイ170(図24参照)が制御されて、警報音が発せられるとともに、ディスプレイ170に促進剤収容器371が空である旨が表示される。この場合、作業者は促進剤収容器371を、所期の量の促進剤が収容された新たな促進剤収容器371に取り替える。
これにより、促進剤収容器371内がほぼ空になるまで促進剤を使うことができるとともに、バッファカップ376内には常に一定量以上の促進剤が収容された状態とすることができる。すなわち、バッファカップ376内の促進剤の液面は、液面センサ406Bが取り付けられた高さ位置より低くなることはほとんどない。バッファカップ376内において、促進剤移送管351の開口位置は、液面センサ406Bが取り付けられた高さ位置より低いので、促進剤移送管351に空気が混入することはない。したがって、シリンジポンプ386により正確に所定量の促進剤を分析カップ336に供給できる。
さらに、バッファカップ376内の促進剤の液面が、液面センサ406Cの高さ位置以下になった場合、微量成分管理コントローラ169により警報音発生装置400およびディスプレイ170が制御されて、警報音が発せられるとともに、ディスプレイ170にバッファカップ376内の促進剤がなくなりつつある旨が表示される。これにより、何らかの原因(たとえば、促進剤収容器371が空のまま放置されていた場合)で、液面センサ406Cの高さ位置まで下がったときでも、作業者に注意が喚起され、作業者の適切な処置(たとえば、促進剤収容器371の交換)により、促進剤移送管351に空気が混入する事態を回避できる。
上記と同様に、塩素補充液移送管345A、抑制剤移送管352、ベース液移送管353、硝酸銀水溶液移送管354、およびチオ硫酸ナトリウム溶液移送管355に空気が混入しないようにでき、正確に所定量の塩素補充液、抑制剤、ベース液、硝酸銀水溶液、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液を分析カップ336に供給できる。
バッファカップ343,376〜380内の塩素補充液、促進剤、抑制剤、ベース液、硝酸銀水溶液、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液を新しいものに交換する場合は、微量成分管理コントローラ169の制御により、バッファカップ343,376〜380内が加圧され、バルブ348V,401V〜405Vが開かれる。液面センサ349C,406C〜410Cにより、バッファカップ343,376〜380内の液体が検知されなくなってから、一定時間経過した後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ348V,401V〜405Vが閉じられ、バッファカップ343,376〜380内が大気圧にされる。
以上の操作により、バッファカップ343,376〜380内の塩素補充液、促進剤、抑制剤、ベース液、硝酸銀水溶液、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液は、ほぼ完全に抜き出されて、加圧/減圧部302へと送られる。
図31は、加圧/減圧部302の構成を示す図解図である。加圧/減圧部302は、エアポンプ411と加圧/減圧タンク412とを備えている。
加圧/減圧タンク412は密閉されており、側面に少なくとも2つ(この実施形態では3つ)の液面センサ413A,413B,413Cが取り付けられている。液面センサ413A,413B,413Cは、その高さ位置における加圧/減圧タンク412内の液体の有無を検知できる。液面センサ413A,413B,413Cの中で、液面センサ413Aは最も高い位置に取り付けられており、液面センサ413Cは最も低い位置に取り付けられている。液面センサ413A,413B,413Cの出力は、微量成分管理コントローラ169に入力される。
加圧/減圧タンク412の上部には配管挿入口が形成されており、この配管挿入口を介して、サンプリング部319からの給排気管329および排出管334、分析カップ336からの排出管344、試薬供給部313からの給排気共通配管396および排出共通配管398、ならびに補充部321からの給排気管339および排出管342が、加圧/減圧タンク412に連通接続されている。加圧/減圧タンク412内で、給排気管329,339、給排気共通配管396、排出管334,342、および排出共通配管398は、液面センサ413Aより高い位置で開口している。
加圧/減圧タンク412の側面で、液面センサ413Cより低い位置には、排出管414が連通接続されている。排出管414にはバルブ414Vが介装されている。バルブ414Vを開くことにより、加圧/減圧タンク412内の液体を排出することができる。排出された液体は、廃棄される。
加圧/減圧タンク412とエアポンプ411とは、給排気管415を介して連通接続されている。エアポンプ411は排気管416および給気管417を備えており、給排気管415は排気管416および給気管417に連通接続されている。排気管416には三方バルブ416Vが介装されており、給気管417には三方バルブ417Vが介装されている。
三方バルブ416Vを大気とエアポンプ411とが流通するようにし、三方バルブ417Vをエアポンプ411と給排気管415とが流通するようにして、エアポンプ411を作動させることにより、加圧/減圧タンク412内に空気を供給(給気)できる。また、三方バルブ416Vを給排気管415とエアポンプ411とが流通するようにし、三方バルブ417Vをエアポンプ411と大気とが流通するようにして、エアポンプ411を作動させることにより、加圧/減圧タンク412内の気体を排出(排気)できる。
このようにして、加圧/減圧タンク412を介して、サンプリング容器305(図27参照)や調合容器335(図29参照)内を、加圧または減圧状態にしたり、バッファカップ376〜380(図30参照)内を減圧することができる。また、加圧/減圧タンク412内を減圧することにより、内部が大気圧にされたサンプリング容器305、分析カップ336(図28参照)、調合容器335、またはバッファカップ376〜380との圧力差により、サンプリング容器305、分析カップ336、調合容器335、またはバッファカップ376〜380内の液体(廃液)を、加圧/減圧タンク412内に吸引できる。
バルブ414Vおよび三方バルブ416V,417Vの開閉は、微量成分管理コントローラ169により制御される。バルブ414Vや三方バルブ416V,417Vは、エア弁とすることができる。
図32は、微量成分管理部3の構造を示す図解的な斜視図である。
微量成分管理部3は、微量成分管理部エンクロージャ420内に収容されている。微量成分管理部エンクロージャ420は、ほぼ密閉された直方体の箱体である。微量成分管理部エンクロージャ420に内部は、隔壁により上下方向に3つの部分、すなわち、上段420U、中段420M、および下段420Lに分けられている。上段420Uと中段420Mとの間および中段420Mと下段420Lとの間は、空気が流通できる。
上段420Uには、微量成分管理コントローラ169が収容された電装スペースとなっている。微量成分管理部エンクロージャ420の上段420U側壁部には、微量成分管理コントローラ169に接続されたディスプレイ170が取り付けられており、作業者が外部から微量成分管理部3の動作状態等を確認できるようになっている。ディスプレイ170は液晶ディスプレイであり、カラー表示可能である。
ディスプレイ170の下方には、引き出し式のキーボード171が設けられている。作業者は、ディスプレイ170を見ながら、キーボード171から情報を入力できる。
中段420Mには、分析カップ室332(図28参照)が配置されている。微量成分管理部エンクロージャ420の中段420M部には、排気口420hが形成されており、排気口420hには排気管433が接続されている。排気管433を介して、微量成分管理部エンクロージャ420内の空気を排気できる。微量成分管理部エンクロージャ420の中段420M部を貫通して、分析カップ室332内を排気するための排気管333が配設されている。排気管333,433は図外の排気設備に接続されている。
下段420Lの底部には、底の浅いバット432が配置されている。バット432は、微量成分管理部エンクロージャ420の底面のほぼ全面を覆う大きさを有している。試薬供給部313(図30参照)の促進剤収容器371、抑制剤収容器372、ベース液収容器373、硝酸銀水溶液収容器374、およびチオ硫酸ナトリウム水溶液収容器375などは、バット432内に配置されている。バット432の容積は、これらすべての収容器の容積の合計より大きく、これらの収容器に収容されている液体がすべて漏出しても、これらの液体はバット432に受けられるようになっている。
微量成分管理部エンクロージャ420の下段420L部で、バット432の上端より高い高さ位置には、水平方向に沿うスリット状の開口434が形成されている。排気管333,433を介した排気により、微量成分管理部エンクロージャ420内は負圧になる。これに伴って、開口434から微量成分管理部エンクロージャ420内に空気が導入され、微量成分管理部エンクロージャ420内の空気が置換される。
微量成分管理部エンクロージャ420の鉛直方向に沿う稜部近傍で、上段420Uと中段420Mおよび下段420Lとの間には、配線ダクト435が配設されている。微量成分管理コントローラ169に接続された各種の信号線や導線などは、配線ダクト435内を挿通されて配線されており、薬液から保護されている。
図33は、ユーティリティ部301の構成を示す図解図である。
ユーティリティ部301は、微量成分管理部エンクロージャ420の排気を管理する排気管理部421、微量成分管理部3に導入される純水を管理する純水入力部422、微量成分管理部3に導入される圧縮空気を管理する圧縮空気入力部423、微量成分管理部3内で使用される薬液の漏出を検知する漏液検知部424、および微量成分管理部3内に回収された廃棄する液体を排出するための排液部419を備えている。
排気管理部421は、排気管333に取り付けられた排気圧センサ436、ならびに排気管433に取り付けられた排気圧センサ437および排気圧表示器438を含んでいる。排気圧センサ436,437は、それぞれ排気管333,433の排気圧を測定できる。排気圧センサ436,437の出力信号は微量成分管理コントローラ169に入力される。排気圧表示器438は排気管433の排気圧を表示できる。排気圧センサ436,437および排気圧表示器438は、微量成分管理部エンクロージャ420内に設けられている。
微量成分管理部エンクロージャ420を貫通して、微量成分管理部3で使用する純水を導入するための純水配管439が導入されている。純水入力部422は、純水配管439に上流側から下流側に向かって順に取り付けられた手動バルブ440、エアバルブ439V、レギュレータ442、および圧力計443を含んでいる。手動バルブ440、エアバルブ439V、レギュレータ442、および圧力計443は、微量成分管理部エンクロージャ420内に設けられている。エアバルブ439Vは、微量成分管理コントローラ169により制御される。
作業者は、手動バルブ440により純水配管439の流路を開閉できる。エアバルブ439Vの開閉は、微量成分管理コントローラ169により制御される。作業者は、レギュレータ442により純水配管439の二次圧(レギュレータ442より下流側の圧力)を調整でき、圧力計443により二次圧を確認することができる。純水配管439は、圧力計443が取り付けられている部分より下流側で、純水配管327,356,365に分岐している(図26参照)。
微量成分管理部エンクロージャ420を貫通して、微量成分管理部3で使用する圧縮空気を導入するための圧縮空気配管444が導入されている。圧縮空気は、エア弁を駆動するためなどに用いられる。圧縮空気入力部423は、圧縮空気配管444に上流側から下流側に向かって順に取り付けられた手動バルブ445、レギュレータ446、および圧力計447を含んでいる。手動バルブ445は微量成分管理部エンクロージャ420外に設けられており、レギュレータ446および圧力計447は、微量成分管理部エンクロージャ420内に設けられている。
作業者は、手動バルブ445により圧縮空気配管444の流路を開閉できる。また、作業者は、レギュレータ446により圧縮空気配管444の二次圧(レギュレータ446より下流側の圧力)を調整でき、圧力計447により二次圧を確認することができる。
漏液検知部424は、バット432内に配置された漏液検知センサ448と、漏液検知センサ448に接続された漏液検知アンプ449とを含んでいる。漏液検知センサ448は、バット432の底部に間隔をあけて配置された一対の電極448A,448Bを含んでいる。通常、電極448Aと電極448Bとの間は絶縁されているが、バット432内に配置された収容器から液体が漏出した場合、電極448Aと電極448Bとの間は導通する。
漏液検知アンプ449は、電極448Aと電極448Bとの間の導通の有無を、オン/オフ信号として微量成分管理コントローラ169に出力する。これにより、微量成分管理コントローラ169は、バット432内に液体が漏出したことを検知できる。同様に、純水配管327,356,365により供給される純水や、サンプリング管322,323によりサンプリングされるメッキ液等が、所定の流路から漏出すると、それらの純水やメッキ液等は、バット432内に受けられる。このような場合も、漏液検知センサ448により漏液が検知される。
バット432の底部には、漏出液排出管450が接続されている。漏出液排出管450は、微量成分管理部エンクロージャ420の底部を貫通して配設されている。
排液部419は、漏出液排出管450に介装された手動バルブ451、および排出管414に介装された手動バルブ452を含んでいる。手動バルブ451,452は、微量成分管理部エンクロージャ420外に設けられている。作業者は、手動バルブ451を開くことにより、バット432内に漏出した液体を抜き出すことができる。また、作業者は、バルブ414Vが開かれた状態で手動バルブ452を開くことにより、加圧/減圧タンク412に収容された液体を抜き出すことができる(図31参照)。
図34は、微量成分管理部3の制御系統の構成を示すブロック図である。
微量成分管理コントローラ169は、微量成分管理部3全体の制御を行う。微量成分管理コントローラ169のハードウェアは、中央演算処理装置(CPU ; Central Processing Unit)169Cと、半導体メモリおよび磁性体メモリを含む記憶装置169Mと、RS−232C規格のシリアルポート470と、RS−485規格のシリアルポート471と、複数のプリント基板169Pとを備えている。磁性体メモリは、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)に備えられたハードディスク(HD)や、フレキシブルディスクドライブ(FDD)に着脱されるフレキシブルディスク(FD)とすることができる。
微量成分管理コントローラ169で用いられるソフトウェアは、オペレーティングシステムと、少なくとも一部が高級言語で記述されたアプリケーションプログラムとを含んでおり、これらのプログラムは記憶装置169Mに格納されている。アプリケーションプログラムは、たとえば、メッキ液の微量成分の分析などを実行するためのもの(レシピ)を含む。
微量成分管理コントローラ169に接続されたキーボード171からは、CVS(CPVS)分析、滴定分析、分析カップ336の洗浄に関するパラメータを入力できる。
微量成分管理コントローラ169は、RS−232C規格のシリアルポート470を介して、ウエハ処理部1(システムコントローラ155)および工場全体を上位のコンピュータで集中管理するCIM(Computer Integrated Manufacturing)システムにケーブル接続されている。さらに、微量成分管理部3が、他のウエハ処理部に備えられたメッキ処理部12Sに接続されている場合(図25参照)、微量成分管理コントローラ169は、RS−232C規格のシリアルポート470を介して、当該他のウエハ処理部(他のメッキ装置)のシステムコントローラにケーブル接続されている。
微量成分管理コントローラ169には、電源操作回路461および無停電電源462を介して電力が供給されるようになっている。電源操作回路461には、メインスイッチ463、非常停止(EMO ; Emergency Open)スイッチ464、およびインタロック回路465が接続されている。通常は、微量成分管理部3の電源は、メインスイッチ463によりオン/オフされるが、非常時には、非常停止スイッチ464により遮断できる。また、一定の場合にインタロック回路465から出力される電源遮断要求信号が、電源操作回路461に入力されるにことよっても、微量成分管理部3の電源は遮断される。
無停電電源462は、電源操作回路461を介した電力の供給が停止された場合でも、一定時間、微量成分管理コントローラ169に電力を供給できる。これにより、非常停止スイッチ464等により電源が遮断された場合でも、微量成分管理コントローラ169は、記憶装置169Mの磁性体メモリにデータを保存できる。
排気圧センサ436,437や漏液検知センサ448の出力信号は、インタロック回路465およびシリアル/パラレル変換器174を介して、微量成分管理コントローラ169に入力される。また、純水元バルブであるエアバルブ439V(図33参照)の開閉信号は、微量成分管理コントローラ169からシリアル/パラレル変換器174を介してインタロック回路465に入力され、インタロック回路465により、エアバルブ439V開閉用の電磁弁469が制御されるようになっている。
インタロック回路465は、特定のセンサからの信号を並列的に取り込むことができる。そして、これらのセンサから装置が危険な状態であることを意味する信号が入力されると、インタロック回路465は、リレー回路を用いてその危険の原因を取り除くように制御する。すなわち、このような制御は、微量成分管理コントローラ169を経由せず、インタロック回路465により直接なされる。
たとえば、漏液検知アンプ449から漏液が検知されたことを示す信号(オン信号)が入力されると、純水の漏出が漏液の原因になっている可能性があるので、インタロック回路465は、純水元バルブ(エアバルブ439V)を閉じるように制御する。また、排気圧センサ436または排気圧センサ437から、排気圧が異常であることを示す信号がインタロック回路465に入力されると、インタロック回路465から電源操作回路461へ電源断要求信号が出力され、電源が遮断される。
回転電極308を回転させるためのモータ316は、シリアル/パラレル変換器174およびモータコントローラ466を介して、微量成分管理コントローラ169により制御されるようになっている。モータコントローラ466には、回転数表示器467および回転数設定ボリューム468が接続されている。モータ316は、微量成分管理コントローラ169からの信号によりオン/オフされる。モータコントローラ466に異常が発生した場合は、モータコントローラ466から微量成分管理コントローラ169へアラームが出力される。
微量成分管理コントローラ169と、シリンジポンプ173(大容量シリンジポンプ340A、小容量シリンジポンプ340B、シリンジポンプ346,363,364,386〜390)のコントローラとは、RS−485ポート471を介してシリアル接続されている。すなわち、1つのシリアルバスで複数のシリンジポンプが制御されるようになっている。
メッキ液の分析、および分析結果に基づく補充液のメッキ液への補充は、微量成分管理コントローラ169の制御により自動的に行われる。以下に、メッキ処理部12内のメッキ液を分析する場合を例に、分析部320による分析手順を説明する。この実施形態では、抑制剤、促進剤、および塩素の順に分析されるが、微量成分管理部3は、抑制剤の分析、促進剤の分析、および塩素の分析のうちの1以上の分析を任意の順に行うことができる。促進剤および抑制剤の分析は、CPVS分析により行うものとする。
先ず、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ322Vが開かれ、分析部320内の他のすべてのバルブが閉じた状態とされる(図27参照)。そして、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302が制御されてサンプリング容器305内が減圧状態(大気圧より低い状態)にされる。メッキ液収容槽55内は大気圧にされているので、メッキ液収容槽55内のメッキ液は圧力差に従ってサンプリング容器305内へと送液(サンプリング)される。
メッキ液の送液に伴って、サンプリング容器305内のメッキ液の液面が上昇し液面センサ307Bまたは液面センサ307Aが配置されているレベルに達すると、微量成分管理コントローラ169はバルブ322Vを閉じるように制御して、サンプリング容器305内へのメッキ液の送液が止められる。サンプリング容器305内におけるサンプリング管322,323、純水配管327、標準メッキ液移送管304、および給排気管329の先端は、液面センサ307Aより高い高さ位置にあるのでメッキ液に没しない。
続いて、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302が制御されて、サンプリング容器305内の圧力が加圧状態(大気圧より高い状態)にされる。その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ322Vが開かれる。サンプリング容器305内の圧力はメッキ液収容槽55内の圧力より高いので、サンプリング管322内に滞留しているメッキ液はメッキ液収容槽55へと押し戻される。
このとき、サンプリング容器305内におけるサンプリング管322の先端は、メッキ液に没していないので、サンプリング容器305内にサンプリングされたメッキ液は、サンプリング管322を介して送液されることはない。適当な時間このような操作が続けられることによる、サンプリング管322内にはメッキ液が存在しない状態となる。
これにより、次にメッキ液をサンプリングして分析するときは、サンプリング管322,323内には前回分析を行ったときのメッキ液は存在していないので、メッキ液収容槽55またはメッキ液収容槽55Sから送液されたメッキ液をそのまま分析できる。すなわち、このような分析部320(メッキ装置10)は、従来のメッキ装置のように最初にサンプリングされた一定量のメッキ液を廃棄する必要がないので、廃棄するメッキ液の量を少なくできる。
その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ322Vが閉じられ、加圧/減圧部302によるサンプリング容器305内の加圧動作が停止される。さらに、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ328V,329Vが開かれて、サンプリング容器305内が大気圧にされる。
次に、サンプリング容器305に収容されたメッキ液(以下、「対象メッキ液」という。)の抑制剤の分析が開始される。先ず、微量成分管理コントローラ169により、試薬供給部313のシリンジポンプ388が制御されて、100mlのベース液が分析カップ336に移送される。続いて、微量成分管理コントローラ169により、モータコントローラ466が制御されて、回転電極308が2500rpmで回転される。
また、微量成分管理コントローラ169によりポテンショスタット172が制御されて、作用電極としての回転電極308と参照電極310との間の電圧が、微量成分管理コントローラ169により指定される掃引電圧に一致するように、対極309と回転電極308との間に流れる電流が制御される。掃引電圧は、所定の電位幅でステップ的に周期変化するようにされる。
これにより、回転電極308に対する銅メッキおよびこの銅の剥離(ストリッピング)がサイクリックに生じる。回転電極308にメッキされた銅が剥離される際に回転電極308に流れる電流の積算量(ストリッピング電気量)は、メッキ液中の促進剤または抑制剤の濃度と相関がある。このため、回転電極308に流れる電流をモニタすることにより、促進剤または抑制剤の濃度を求めることができる。
掃引(掃引電圧を1周期分変化させること)は5回行われる。これにより、ストリッピング電気量は安定する。5回目の掃引時のストリッピング電気量ARが、記憶装置169Mに記憶される。ストリッピング電気量ARは、ベース液、すなわち、促進剤および抑制剤を含まないメッキ液に対するストリッピング電気量を表す。
続いて、微量成分管理コントローラ169により、小容量シリンジポンプ340Bが制御されて、150μlの対象メッキ液が分析カップ336に移送され、ベース液に添加される。ストリッピング電気量は、抑制剤を含む対象メッキ液が添加されるにしたがって、小さくなっていく。
そして、再びポテンショスタット172に掃引電圧が与えられ、2回目の掃引時のストリッピング電気量AR1が記憶装置169Mに記憶される。同様にして、微量成分管理コントローラ169の制御により、対象メッキ液の移送ならびにストリッピング電気量ARn(n=1,2,3・・・)の測定および記憶が、ARn/AR<0.3になるまで繰り返される。この際、抑制剤濃度の上昇が遅い場合、すなわち、ARn/ARの下がり方が遅い場合は、1回に添加する対象メッキ液の量を、150μlより多くしてもよい。
次に、記憶装置169Mに格納されたプログラムが実行され、ARn/AR=0.5付近のデータに基づく直線近似により、ARn/AR=0.5となる対象メッキ液の添加量(滴下量)Vendが求められる。そして、微量成分管理コントローラ169の演算により、対象メッキ液の抑制剤濃度Clevelerが、CF(VA+Vend)/Vendとして求められ、分析年月日および分析時刻と関連づけられて記憶装置169Mに記憶される。
ここで、VAはベース液の体積であり、CF(キャリブレーションファクタ)は、標準メッキ液収容器303(図27参照)に収容された標準メッキ液の分析を実際に行い上記の抑制剤濃度Clevelerを求める式に基づいて得られた実測値と、標準メッキ液の抑制剤濃度とのずれを補正するための係数である。
ストリッピング電気量の大きさは、抑制剤濃度以外に促進剤濃度によっても変化する。上記の方法では、ベース液で対象メッキ液を希釈することにより、促進剤による影響が無視できる状態とすることにより、抑制剤濃度が正確に求められる。
分析終了後、微量成分管理コントローラ169の制御により、回転電極308の回転が停止され、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内のメッキ液が排出される。排出されたメッキ液は、排出管344を介して加圧/減圧タンク412内に移送される。
次に、分析カップ336内が洗浄される。先ず、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ356Vが開かれて分析カップ336内に所定レベル(たとえば、液面センサ331Aの高さ)まで純水が導入される。そして、微量成分管理コントローラ169によりモータコントローラ466が制御されて、回転電極308(棒体308a)が所定時間回転され、分析カップ336内の純水が撹拌される。
その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内の純水が排出される。排出された純水は、排出管344を介して加圧/減圧タンク412内に移送される。同様に、分析カップ336への純水の導入、ならびに純水の撹拌および排出が2回繰り返されて、分析カップ336の洗浄が終了する。
続いて、促進剤の分析が開始される。先ず、微量成分管理コントローラ169により、試薬供給部313のシリンジポンプ388が制御されて、100mlのベース液が分析カップ336に移送される。続いて、微量成分管理コントローラ169により、モータコントローラ466が制御されて、回転電極308が2500rpmで回転される。
また、微量成分管理コントローラ169によりポテンショスタット172が制御されて、作用電極としての回転電極308と参照電極310との間の電圧が、微量成分管理コントローラ169により指定される掃引電圧に一致するように、対極309と回転電極308との間に流れる電流が制御される。掃引電圧は、所定の電位幅でステップ的に周期変化するようにされ、ストリッピング電気量が安定するまで、掃引が繰り返される。これにより、回転電極308の表面状態が安定する。そして、回転電極308の回転が停止された後、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302およびバルブ344Vが制御されて、分析カップ336内のベース液が抜き出される。
次に、微量成分管理コントローラ169により、試薬供給部313のシリンジポンプ388,387が制御されて、95mlのベース液および5mlの抑制剤が分析カップ336に移送される。そして、微量成分管理コントローラ169により、モータコントローラ466が制御されて、回転電極308が、たとえば、2500rpmで回転される。
続いて、微量成分管理コントローラ169の制御により、所定の電位での掃引が5回行われる。これにより、ストリッピング電気量は安定する。5回目の掃引時のストリッピング電気量ARiが、記憶装置169Mに記憶される。回転電極308の回転が停止された後、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302およびバルブ344Vが制御されて、分析カップ336内の抑制剤が添加されたベース液が抜き出される。
次に、微量成分管理コントローラ169により、サンプリング部319の大容量シリンジポンプ340Aおよび試薬供給部313のシリンジポンプ387が制御されて、95mlの対象メッキ液および5mlの抑制剤が分析カップ336に移送される。そして、微量成分管理コントローラ169により、モータコントローラ466が制御されて、回転電極308が、たとえば、2500rpmで回転される。
続いて、微量成分管理コントローラ169の制御により、所定の電位での掃引が5回行われる。これにより、ストリッピング電気量は安定する。5回目の掃引時のストリッピング電気量ARsが、記憶装置169Mに記憶される。
続いて、微量成分管理コントローラ169により、シリンジポンプ386が制御されて、100μlの促進剤が分析カップ336に移送され、対象メッキ液に添加される。微量成分管理コントローラ169の制御により、所定の電位での掃引が5回行われる。これにより、ストリッピング電気量は安定する。5回目の掃引時のストリッピング電気量AR1が、記憶装置169Mに記憶される。
さらに、微量成分管理コントローラ169により、シリンジポンプ386が制御されて、100μlの促進剤が分析カップ336に移送され、対象メッキ液に添加される。微量成分管理コントローラ169の制御により、所定の電位での掃引が5回行われる。これにより、ストリッピング電気量は安定する。5回目の掃引時のストリッピング電気量AR2が、記憶装置169Mに記憶される。
次に、記憶装置169Mに格納されたプログラムが実行され、微量成分管理コントローラ169の演算により、対象メッキ液の促進剤濃度CXが、(ARs−ARi)/(AR2−ARs)として求められ、分析年月日および分析時刻と関連づけられて記憶装置169Mに記憶される。ストリッピング電気量の大きさは、促進剤濃度以外に抑制剤濃度によっても変化する。上記の方法では、抑制剤をベース液および対象メッキ液に添加することにより、抑制剤濃度を充分高くして抑制剤による影響が飽和した状態とすることにより、促進剤濃度が正確に求められる。
測定が正常に行われた場合、ストリッピング電気量ARs、AR1、AR2は、測定時の促進剤濃度とリニアな関係になるので、これを確認することにより、測定が正常に行われたか否かを判断することとしてもよい。
分析終了後、微量成分管理コントローラ169の制御により、回転電極308の回転が停止され、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内のメッキ液が排出される。
次に、分析カップ336内が洗浄される。先ず、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ356Vが開かれて分析カップ336内に所定レベル(たとえば、液面センサ331Aの高さ)まで純水が導入される。そして、微量成分管理コントローラ169によりモータコントローラ466が制御されて、回転電極308(棒体308a)が所定時間回転され、分析カップ336内の純水が撹拌される。
その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内の純水が排出される。同様に、分析カップ336への純水の導入、ならびに純水の撹拌および排出が2回繰り返されて、分析カップ336の洗浄が終了する。
次に、塩素の滴定分析が行われる。先ず、微量成分管理コントローラ169により、サンプリング部319の大容量シリンジポンプ340Aが制御されて、100mlの対象メッキ液が分析カップ336に移送される。続いて、微量成分管理コントローラ169により、モータコントローラ466が制御されて、回転電極308(棒体308a)が回転され、分析カップ336に収容された対象メッキ液が撹拌される。
この状態で、微量成分管理コントローラ169により試薬供給部313のシリンジポンプ389が制御されて、分析カップ336内に0.01Nの硝酸銀水溶液が0.2ml滴下され、滴下後の参照電極310と銀塩化銀電極311との電位差が記憶装置169Mに記憶される。同様にして、硝酸銀水溶液の滴下と電位差の記憶とが、予め定められた回数に達するまで繰り返される。
図35は、硝酸銀水溶液の滴下量と、参照電極310と銀塩化銀電極311との電位差との関係を表す図である。この図は、分析中、微量成分管理部エンクロージャ420に備えられたディスプレイ170(図32参照)に表示させることができる。これにより、作業者は分析の進行状況を確認できる。
記憶装置169Mに格納されたプログラムが実行され、微量成分管理コントローラ169の演算により、1回の硝酸銀水溶液の滴下前後における参照電極310と銀塩化銀電極311との電位差の変化量が最大になる点(当量点)Eqが求められ、さらに、当量点Eqに至るまでの硝酸銀水溶液の総滴下量DTが求められる。そして、対象メッキ液の塩素濃度が、総滴下量DT(ml)×7.09に等しい塩化物イオン濃度(mg/l)として求められ、分析年月日および分析時刻と関連づけられて記憶装置169Mに記憶される。
続いて、微量成分管理コントローラ169の制御により、回転電極308(棒体308a)の回転が停止され、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内のメッキ液が排出される。この状態で、分析カップ336内には、塩素の滴定分析により生じた塩化銀の沈殿物が存在している。その後、分析カップ336内の洗浄が実施される。
先ず、微量成分管理コントローラ169により上下機構326(図28参照)が制御されて、銀塩化銀電極311が上昇され分析カップ336外に退避される。次に、微量成分管理コントローラ169により試薬供給部313シリンジポンプ390が制御されて、100mlのチオ硫酸ナトリウム水溶液が分析カップ336に移送される。
続いて、微量成分管理コントローラ169によりモータコントローラ466が制御されて、回転電極308(棒体308a)が所定時間回転され、分析カップ336内のチオ硫酸ナトリウム水溶液が撹拌される。これにより、分析カップ336内の塩化銀は溶解される。銀塩化銀電極311は、分析カップ336の上方に退避されているので、チオ硫酸ナトリウム水溶液に溶解することはない。
その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内のチオ硫酸ナトリウム水溶液が排出される。排出されたチオ硫酸ナトリウム水溶液は、排出管344を介して加圧/減圧タンク412内に移送される。
次に、微量成分管理コントローラ169により上下機構326が制御されて、銀塩化銀電極311が下降され分析カップ336内に配置される。続いて、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ356Vが開かれて、分析カップ336内に所定のレベル(たとえば、液面センサ331Aの高さ)まで純水が導入される。そして、微量成分管理コントローラ169によりモータコントローラ466が制御されて、回転電極308(棒体308a)が所定時間回転され、分析カップ336内の純水が撹拌される。その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ344Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により分析カップ336内の純水が排出される。
同様にして、分析カップ336への純水の導入、ならびに純水の撹拌および排出がさらに2回繰り返されて、分析カップ336の洗浄が終了する。
次に、サンプリング容器305(図27参照)内の洗浄が行われる。先ず、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ334Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引によりサンプリング容器305内のメッキ液が排出される。そして、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ327Vが開かれて、サンプリング容器305内に所定のレベル(たとえば、液面センサ307Aの高さ)まで純水が導入される。
その後、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ334Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引によりサンプリング容器305内の純水が排出される。これで、サンプリング容器305の洗浄が終了する。
他のメッキ処理部12Sで用いられているメッキ液を分析する場合は、バルブ322Vを閉じバルブ323Vを開閉し、サンプリング管323を介してメッキ液収容槽55S内のメッキ液をサンプリングして、上記の方法と同様の方法により分析できる。このように、バルブ322V,323Vの開閉により、サンプリング管322,323を選択して、メッキ処理部12,12Sのいずれかのメッキ液をサンプリングできる。
その際、メッキ処理部12またはメッキ処理部12Sのメッキ液の分析が終わったときには、サンプリング容器305内および分析カップ336内にはメッキ液が存在しない状態にされているので、互いのメッキ処理部12,12Sのメッキ液が混じり合うこともない。したがって、メッキ液の正確な定量分析ができる。
キーボード171を介した作業者の支持に応答して、微量成分管理コントローラ169は、記憶装置169Mに記憶に記憶された促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度濃度のうち任意のものを、表またはグラフの形で時系列でディスプレイ170に表示させることができる。これにより、作業者は、これらの微量成分が消費される速さを見積もることができる。そして、これらの微量成分が所定の濃度以下になった場合、当該微量成分をすぐにメッキ液に補充できるように、補充液を用意することができる。
次に、補充部321により、メッキ処理部12内のメッキ液について、促進剤、抑制剤、および塩素の濃度を調整する手順を説明する。
先ず、記憶装置169Mに格納されたプログラムが実行されて、信号線L13(シリアルライン)を介して、システムコントローラ155から、メッキ処理部12内のメッキ液の総量に関する情報が取得される。システムコントローラ155は、超音波式レベル計72の出力信号に基づくメッキ液収容槽55内のメッキ液の液面高さ、およびメッキカップ56a〜56dの容積に関する情報などから、メッキ処理部12内のメッキ液の総量を求めることができる(図7参照)。
そして、微量成分管理コントローラ169の演算により、記憶装置169Mに記憶されたメッキ液の促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度のデータ、ならびにメッキ処理部12内のメッキ液の総量に関するデータから、メッキ処理部12内のメッキ液が、促進剤、抑制剤、および塩素に関して、所定の濃度になるように添加するべき促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の量が求められ、記憶装置169Mに記憶される。
次に、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ324Vが開かれ、補充部321内の他のすべてのバルブが閉じられる。そして、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302が制御されて、調合容器335内が排気されて減圧状態となる。メッキ液収容槽55内は大気圧にされているので、メッキ液は圧力差に基づいて補充管324を介して調合容器335内に送液(採取)される。
メッキ液の送液に伴って調合容器335内のメッキ液の液面が上昇し、所定のレベル(たとえば、液面センサ338Aが配置されているレベル)に達すると、微量成分管理コントローラ169はバルブ324Vを閉じるように制御する。これにより、調合容器335内へのメッキ液の送液が止められる。調合容器335内における給排気管339、塩素補充液移送管345B、促進剤補充液移送管361、抑制剤補充液移送管362、および純水配管365の端部は、液面センサ338Aより高い高さ位置にあるのでメッキ液に没しない。その後、微量成分管理コントローラ169の制御によりバルブ339V1,341Vが開放されて、調合容器335内が大気圧にされる。
次に、微量成分管理コントローラ169は、シリンジポンプ363,364,346を制御して、促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液を、微量成分管理コントローラ169により求められた補充量だけ調合容器335へと供給する。促進剤濃度、抑制剤濃度、および塩素濃度のうち、所定の濃度(濃度範囲)から外れていないものがある場合は、それらの微量成分に関しては、補充液は調合容器335内へは供給されない。
続いて、微量成分管理コントローラ169により、加圧/減圧部302が制御されて、調合容器335内が加圧され、バルブ324Vが開かれる。このとき、調合容器335内の圧力はメッキ液収容槽55内の圧力より高いので、調合容器335内および補充管324内のメッキ液はメッキ液収容槽55へと送液される。補充管324は調合容器335の底部近傍まで延設されているので、調合容器335内の大部分のメッキ液をメッキ液収容槽55に送液できる。送液は、補充管324内のメッキ液もメッキ液収容槽55に送液されるように充分な時間行われる。
このとき、調合容器335内にメッキ液が残っていると、正確に所要量の促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液がメッキ液収容槽55内のメッキ液に補充されたことにはならない。なぜなら、補充された促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液は、調合容器335内に残っているメッキ液中にも存在し、メッキ液収容槽55に補充された促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の量は所要量より少ないからである。したがって、このような場合、メッキ処理部12内のメッキ液は、促進剤、抑制剤、および塩素に関して所定の濃度にはならない。
そこで、さらにメッキ液収容槽55から調合容器335内へメッキ液を送液し、調合容器335内のメッキ液をメッキ液収容槽55へと送液する。このような操作により、最初に調合容器335内に残ったメッキ液中に含まれていた促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の大部分をメッキ液収容槽55へ送液できる。必要により、さらにメッキ液をメッキ液収容槽55から調合容器335に送液し、調合容器335からメッキ液収容槽55に送液する操作を繰り返してもよい。
このようにして、実質的に所要量の促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液を、メッキ処理部12内のメッキ液に補充できる。メッキ液収容槽55へのメッキ液の最後の送液が終わった後には、補充管324内にメッキ液が残らないようにする。
調合容器335からメッキ液収容槽55へのメッキ液の送液が終わると、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ324Vが閉じられバルブ339V1,341Vが開放されて調合容器335内が大気圧にされる。以上で、メッキ処理部12内のメッキ液への、促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の補充が終了する。
次に、調合容器335内が洗浄される。先ず、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ342Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により調合容器335内のメッキ液が排出される。排出されたメッキ液は、排出管342を介して加圧/減圧タンク412内に移送される。続いて、微量成分管理コントローラ169の制御により、バルブ342Vが開かれ、加圧/減圧部302の吸引により調合容器335内の純水が排出される。
他のメッキ処理部12Sで用いられているメッキ液に、促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液を補充する際は、補充管324およびバルブ324Vを、それぞれ補充管325およびバルブ325Vに置き替えて同様の操作をすればよい。このように、バルブ324V,325Vの開閉により補充管324,325を選択して、メッキ処理部12,12Sのいずれかのメッキ液に促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液を補充できる。
その際、メッキ処理部12またはメッキ処理部12Sへの促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の補充が終わったときには、調合容器335内にはメッキ液が存在しない状態にされているので、メッキ処理部12,12Sのメッキ液が互いに混じり合うこともない。
以上のような操作によりメッキ液は所定の組成に保たれる。このようなメッキ液を用いて、メッキ処理部12,12Sにより半導体ウエハ上の微細な穴(たとえば、ビアホール)や溝(トレンチ)を埋めて良好に銅メッキできる。
促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液は、メッキ液収容槽55,55Sに送液される前に、調合容器335で予備的にメッキ液と混合される。したがって、これらの補充液がメッキ液に溶解(分散)しにくい場合でも、メッキ処理部12,12S内のメッキ液に対して短時間で溶解(分散)させることができる。
調合容器335と促進剤収容器371(バッファカップ376)、抑制剤収容器372(バッファカップ377)、および塩素補充液収容器337(バッファカップ343)とは、共通の微量成分管理部エンクロージャ420内に近接して配置されている。このため、促進剤補充液移送管361、抑制剤補充液移送管362、および塩素補充液移送管345Bの長さを短くできる。
このため、促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の補充量が少ない場合であっても、シリンジポンプ363,364,346による促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の送液量の精度を高くできる。近接して配された調合容器335と補充部321との間では温度差はほとんど生じないので、促進剤補充液移送管361、抑制剤補充液移送管362、および塩素補充液移送管345Bおよびそれらの内部の促進剤補充液、抑制剤補充液、および塩素補充液の熱膨張/収縮により補充量の精度が悪くなることもない。
本発明に係る一実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は他の形態でも実施できる。たとえば、促進剤および/または抑制剤はCVS分析によってもよい。この場合、CPVS分析とは異なり、回転電極308(作用電極)と参照電極310との間に印加される電圧は連続的に変化される。
図36は、CVS分析における回転電極308と参照電極310との間の電圧と、対極309と作用電極310との間に流れる電流との関係を示す図である。横軸は参照電極310を基準としたときの回転電極308の電位を示しており、縦軸は回転電極308に流れる電流を回転電極308から流れ出す方向を+として示している。
図36には、掃引電圧を1周期分変化させたときの特性が描かれている。掃引電圧は、0.5V付近を出発点として、1.6V付近まで高くされた後−0.2V付近まで下げられ、さらに出発点まで上げられている。掃引速度は、100mV/sec程度である。
電圧がマイナスの領域(図36に
Figure 2006214009
で示す。)では、電圧が小さくなるほど電流が小さく(負の値)なっている。この領域では、回転電極308に対する銅メッキが生じている。一方、電圧が0〜0.2Vのとき(図36に
Figure 2006214009
で示す。)は、電流は正側に突出したピークを示す。この領域では、メッキによる銅膜が回転電極308から剥離しており、このときの電流を積分して得られるストリッピング電気量から、メッキ液中の促進剤濃度や抑制剤濃度を求めることができる。
装置の構成として、3つ以上のウエハ処理部で1つの微量成分管理部3を共有するようにしてもよい。この場合でも、サンプリング管および補充管を増やして、各ウエハ処理部と微量成分管理部3との間で選択的に送液できるようにするだけでよく、共有するウエハ処理部の数により分析精度や補充液の添加量の精度は何ら影響を受けない。
分析部320や補充部321の構成を変更することにより、分析する成分の数や補充する補充液の種類の数なども任意に設定できる。すなわち、促進剤、抑制剤、および塩素以外の微量成分も定量分析して、不足分の当該微量成分をウエハ処理部に補うようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示すブロック図である。 ウエハ処理部の図解的な平面図である。 ウエハ処理部のエンクロージャの構造を示す図解的な斜視図である。 ジャッキボルトおよびフレームを示す図解的な断面図である。 ロボット本体の構造を説明するための図である。 カセットが取り付けられたカセットステージの図解的な平面図および側面図である。 メッキ処理部の構成を示す図解的な正面図である。 サンプルメッキ液の銅濃度と測定された吸光度との関係を示す図である。 メッキ処理ユニットの構造を示す図解的な断面図である。 回転管の近傍を拡大して示す図解的な断面図である。 メッキ時のウエハ近傍の図解的な断面図である。 ロータリジョイントの図解的な断面図である。 カソードリングの図解的な平面図である。 カソード電極の形状を示す図解的な平面図および断面図である。 メッキ槽中の電気的等価回路を示す図解図である。 スピンベースが上方に向けられた状態のメッキ処理ユニットの図解的な断面図である。 メッキ処理ユニットの図解的な側面図である。 メッキカップの図解的な側面図である。 ベベルエッチングユニットの構成を示す図解的な断面図である。 洗浄ユニットの構成を示す図解的な断面図である。 ウエハ処理部の制御系統の構成を示すブロック図である。 主成分管理部の構成を示す図解図である。 後処理薬液供給部の構造を示す図解的な斜視図である。 主成分管理部、微量成分管理部、および後処理薬液供給部の制御系統の構成を示すブロック図である。 微量成分管理部の構成の概略およびメッキ処理部との接続状態を示す図解図である。 微量成分管理部の詳細な構成を示すブロック図である。 サンプリング部の構成を示す図解図である。 分析カップの構造を示す図解図である。 補充部の構成を示す図解図である。 試薬供給部の構成を示す図解図である。 加圧/減圧部の構成を示す図解図である。 微量成分管理部の構造を示す図解的な斜視図である。 ユーティリティ部の構成を示す図解図である。 微量成分管理部の制御系統の構成を示すブロック図である。 硝酸銀水溶液の滴下量と、参照電極と銀塩化銀電極との電位差との関係を表す図である。 CVS分析における作用電極と参照電極との間の電圧と、対極と作用電極との間に流れる電流との関係を示す図である。
符号の説明
1 ウエハ処理部
3 微量成分管理部
4 後処理薬液供給部
10 メッキ装置
12 メッキ処理部
16 カセットステージ
18 ロボット本体
20a〜20d メッキ処理ユニット
21a,21b ベベルエッチングユニット
22a,22b 洗浄ユニット
24 垂直多関節アーム
25 回転駆動機構
30 エンクロージャ
31 フィルタ
32 純水配管32
32h 純水配管挿通口
33 圧縮空気配管
33h 圧縮空気配管挿通口
34h,35h 排気口
36 開口
37 フレーム
41,42 進退アーム
55 メッキ液収容槽
56a〜56d メッキカップ
76 アノード電極
80 カソードリング
83 カソード電極
101 カップ
102 スピンチャック
102d 処理液吐出口
103 回転駆動機構
105a 排液口
107 ノズル
110a,110b 銅溶解タンク
146 銅管
154a,154b 重量計
155 システムコントローラ
155C 中央演算処理装置
155M 記憶装置
155P プリント基板
156 ディスプレイ
157 キーボード
169 微量成分管理コントローラ
169C 中央演算処理装置
169M 記憶装置
169P プリント基板
170 ディスプレイ
171 キーボード
172 ポテンショスタット
280,281,470,471 シリアルポート
290 後処理薬液タンク
291 タンクエンクロージャ
302 加圧/減圧部
305 サンプリング容器
308 回転電極
308a 棒体
309 対極
310 参照電極
311 銀塩化銀電極
320 分析部
321 補充部
322,323 サンプリング管
324,325 補充管
326 上下機構
330A,330B メッキ液移送管
333,433 排気管
335 調合容器
336 分析カップ
336h 排液口
340A 大容量シリンジポンプ
340B 小容量シリンジポンプ
346,363,364,386〜390 シリンジポンプ
351,381 促進剤移送管
352,382 抑制剤移送管
353,383 ベース液移送管
354,384 硝酸銀水溶液移送管
355,385 チオ硫酸ナトリウム水溶液移送管
351N〜355N ノズル
361 促進剤補充液移送管
362 抑制剤補充液移送管
371 促進剤収容器
372 抑制剤収容器
373 ベース液収容器
374 硝酸銀水溶液収容器
375 チオ硫酸ナトリウム水溶液収容器
376〜380 バッファカップ
400 警報音発生装置
406A〜410A,406B〜410B,406C〜410C 液面センサ
411 エアポンプ
420 微量成分管理部エンクロージャ
420h 排気口
432 バット
436,437 排気圧センサ
C カセット
L13 信号線(シリアルライン)
TR 搬送ロボット
W ウエハ

Claims (6)

  1. 処理対象である基板に対して、メッキを施すためのメッキ装置であって、
    処理対象の基板を収容可能なカセットを載置するためのカセットステージと、
    処理対象の基板に接触可能なカソード電極を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極が配置されたメッキカップを備えたメッキ処理ユニットと、
    処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニットと、
    上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構と、
    後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部と、
    上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部を備えた微量成分管理部であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラを含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀電極、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極、対極、および参照電極を備えた微量成分管理部と、
    上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部が内部に収容されたエンクロージャと、
    装置全体を制御するシステムコントローラとを備え、
    上記複数の試薬供給ノズルのうち、少なくとも1つが開口径1mm以下の開口を有することを特徴とするメッキ装置。
  2. 処理対象である基板に対して、メッキを施すためのメッキ装置であって、
    処理対象の基板を収容可能なカセットを載置するためのカセットステージと、
    処理対象の基板に接触可能なカソード電極を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極が配置されたメッキカップを備えたメッキ処理ユニットと、
    処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニットと、
    上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構と、
    後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部と、
    上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部を備えた微量成分管理部であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラを含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀電極、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極、対極、および参照電極を備えた微量成分管理部と、
    上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部が内部に収容されたエンクロージャと、
    装置全体を制御するシステムコントローラとを備え、
    上記分析部は、分析に用いる試薬を収容する試薬収容器と、
    ほぼ密閉された状態にできるバッファカップと、
    このバッファカップ内の液体の液面高さに関する情報を得ることができ、上記微量成分管理コントローラに接続された液面センサと、
    上記試薬収容器内の底部近傍と上記バッファカップとの間に配設された第1送液配管と、
    上記バッファカップ内の底部近傍と上記分析カップとの間に配設された第2送液配管と、
    上記バッファカップ内を排気する排気機構とを備え、
    上記微量成分管理コントローラは、上記液面センサの出力信号に基づき上記バッファカップ内において上記第2送液配管の開口位置より高い第1レベルの高さ位置に液体が存在しないと判断されたことに応答して、上記バッファカップ内を排気するように上記排気機構を制御するものであることを特徴とするメッキ装置。
  3. 上記微量成分管理コントローラに、警報音発生装置およびディスプレイが接続されており、
    上記液面センサは、上記第1レベルの高さにおける上記バッファカップ内の液体の有無を検知する下限センサ、およびこの第1レベルより高い位置にある第2レベルの高さにおける上記バッファカップ内の液体の有無を検知する上限センサを含み、
    上記微量成分管理コントローラは、上記排気機構により所定時間上記バッファカップ内が排気された後、上記上限センサにより上記バッファカップ内の上記第2レベルに液体が検知されなかった場合に、上記警報音発生装置に警報音を発生させ、上記ディスプレイに上記試薬収容器が空である旨を表示させるように制御するものであることを特徴とする請求項2記載のメッキ装置。
  4. 処理対象である基板に対して、メッキを施すためのメッキ装置であって、
    処理対象の基板を収容可能なカセットを載置するためのカセットステージと、
    処理対象の基板に接触可能なカソード電極を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極が配置されたメッキカップを備えたメッキ処理ユニットと、
    処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニットと、
    上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構と、
    後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部と、
    上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部を備えた微量成分管理部であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラを含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀電極、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極、対極、および参照電極を備えた微量成分管理部と、
    上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部が内部に収容されたエンクロージャと、
    装置全体を制御するシステムコントローラとを備え、
    上記分析部は、上記分析カップに近接して配置されほぼ密閉された状態にできるサンプリング容器と、
    上記基板処理部と上記サンプリング容器との間に配設されたサンプリング管と、
    上記サンプリング容器と上記分析カップとの間に配設されたメッキ液移送管と、
    上記サンプリング容器に連通接続され、このサンプリング容器内を排気する排気機構とを備えたことを特徴とするメッキ装置。
  5. 上記サンプリング管は、上記サンプリング容器内の上部で開口しており、
    上記微量成分管理部は、上記サンプリング容器内に給気する給気機構をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載のメッキ装置。
  6. 処理対象である基板に対して、メッキを施すためのメッキ装置であって、
    処理対象の基板を収容可能なカセットを載置するためのカセットステージと、
    処理対象の基板に接触可能なカソード電極を備えこのカソード電極が接触された当該基板とともに回転可能なカソードリング、ならびに、メッキを促進する添加剤、メッキを抑制する添加剤、および塩素を微量成分として含有するメッキ液を収容可能で内部にアノード電極が配置されたメッキカップを備えたメッキ処理ユニットと、
    処理対象の基板を洗浄するための洗浄ユニットと、
    上記カセットステージに載置されたカセット、上記メッキ処理ユニット、および上記洗浄ユニットの間で処理対象の基板を搬送する基板搬送機構と、
    後処理薬液を上記洗浄ユニットに供給するための後処理薬液供給部と、
    上記メッキ処理ユニットで使用されるメッキ液の上記促進剤、抑制剤、および塩素について定量分析するための分析部を備えた微量成分管理部であって、この微量成分管理部を制御するための微量成分管理コントローラを含み、上記分析部が分析対象のメッキ液を収容可能な分析カップ、この分析カップ内に分析用の液状の試薬を供給するための複数の試薬供給ノズル、滴定分析を行うための参照電極および銀塩化銀電極、ならびにCVS分析またはCPVS分析を行うための回転電極、対極、および参照電極を備えた微量成分管理部と、
    上記メッキ処理ユニット、上記洗浄ユニット、および上記基板搬送機構を含む基板処理部が内部に収容されたエンクロージャと、
    装置全体を制御するシステムコントローラとを備え、
    上記微量成分管理部は、排気口が形成された微量成分管理部エンクロージャに収容されており、
    上記排気口には、上記微量成分管理部エンクロージャの内部を排気するための排気管を接続可能であり、
    上記微量成分管理部は、上記排気管に取り付けられ排気圧を測定する排気圧センサをさらに含むことを特徴とするメッキ装置。
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