JP2004149894A - メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車 - Google Patents

メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車 Download PDF

Info

Publication number
JP2004149894A
JP2004149894A JP2002318950A JP2002318950A JP2004149894A JP 2004149894 A JP2004149894 A JP 2004149894A JP 2002318950 A JP2002318950 A JP 2002318950A JP 2002318950 A JP2002318950 A JP 2002318950A JP 2004149894 A JP2004149894 A JP 2004149894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cartridge
plating
copper
support arm
plating solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002318950A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Mizohata
保廣 溝畑
Yoshihiro Koyama
芳弘 小山
Ryuichi Hayama
竜一 半山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2002318950A priority Critical patent/JP2004149894A/ja
Publication of JP2004149894A publication Critical patent/JP2004149894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】メッキ装置で用いられる銅供給源を収容できるカートリッジを、容易に取り扱うことができるカートリッジ取り扱い方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置に備えられた主成分管理部は、この主成分管理部に着脱自在で、この基板処理装置で用いられるメッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を収容可能なカートリッジ140を備えている。カートリッジ140を交換することにより、銅供給源を補充できる。カートリッジ140を交換するときは、先ず、カートリッジ140を主成分管理部から取り外し、リフタ225を備えた台車220により搬出する。カートリッジ140の外周面には、フランジ140Fが設けられており、台車220には支持アーム224が備えられている。支持アーム224によりフランジ140Fを下方から支持してカートリッジ140を持ち上げ、台車220を移動してカートリッジ140を搬出できる。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハなどの基板に銅メッキを施すためのメッキ装置、このメッキ装置で用いる銅供給源を取り扱う方法、銅供給源を収容可能なカートリッジおよびその取り扱い方法、ならびにこのカートリッジを取り扱うための台車に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の一方表面にメッキ処理を施すことがある。ウエハに銅メッキをするためのメッキ装置は、銅イオンを含むメッキ液を収容してウエハの一方表面にメッキ液を接触させるためのメッキ槽と、メッキ槽内に沈められた銅からなる溶解性のアノードと、ウエハに接触可能なカソードとを含む(たとえば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
メッキ時には、ウエハにカソードが接触され、ウエハの一方表面(下面)がメッキ槽に満たされたメッキ液に接触され、この状態でアノードとカソードとの間に通電される。これにより、メッキ液とウエハとの界面では、メッキ液中の銅イオンに電子が与えられて、ウエハの表面に銅原子が被着し、アノードとメッキ液との界面では、アノードを構成する銅原子は電子を奪われて銅イオンとなってメッキ液中に溶出する。アノード電極は、メッキ液に銅イオンを供給する銅供給源として機能する。
【0004】
このように、メッキ液中の銅イオンは、銅原子としてウエハに被着して失われる一方で、同じ量の銅イオンがアノードから供給され、メッキ液中の銅イオンの量はほぼ一定に保たれる。
【0005】
【特許文献1】
特表平8−507106号公報
【特許文献2】
登録実用新案公報第3056028号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなメッキ装置においては、メッキ処理を繰り返すうちにアノード電極が消耗するので、アノード電極の交換作業が必要であった。メッキ槽は、処理対象のウエハの大きさ(径)に合わせて大きさが決められているので小さなものであり、また、アノード電極は重量が大きい。このため、メッキ槽深部に沈められたアノード電極を交換する作業は、労力を要するものであった。
【0007】
また、メッキ装置は、クリーンルーム内に設置されているが、アノード電極を交換する際、メッキ液の飛散等により、クリーンルームを銅汚染することになる。もし、意図しない銅が後工程でウエハ等に付着すると、素子(製品)の特性の劣化を招く。特に、硫酸銅を含むメッキ液は、乾燥して粉塵となり汚染の原因となりやすい。
そこで、この発明の目的は、銅供給源を容易に取り扱うことができるメッキ装置を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、銅供給源を周囲を汚さずに取り扱うことができるメッキ装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、銅供給源を容易に取り扱うことができるカートリッジを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、銅供給源を周囲を汚さずに取り扱うことができるカートリッジを提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、銅供給源を容易に取り扱うことができる方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、周囲を汚さずに銅供給源を取り扱うことができる方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、銅供給源を収容できるカートリッジを容易に取り扱うことができるカートリッジ取り扱い方法を提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、銅供給源を収容できるカートリッジを周囲を汚さずに取り扱うことができるカートリッジ取り扱い方法を提供することである。この発明のさらに他の目的は、銅供給源を収容可能なカートリッジを容易に取り扱うことができる台車を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能で、支持アーム(224)で支持するための被支持部(140F)が外側面に設けられており、不溶性アノード(76)を有して銅メッキを施すためのメッキ装置(10)に着脱自在なカートリッジ(140)の取り扱い方法であって、上記メッキ装置から取り外された上記カートリッジの上記被支持部の下方に、上記支持アームを配置する支持アーム配置工程と、この支持アーム配置工程の後、上記支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記カートリッジを保持する保持工程と、この保持工程の後、上記支持アームを移動させて、上記メッキ装置から上記カートリッジを運び出す搬出工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法である。
【0012】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、アノード電極とは別に設けられた銅供給源から、メッキ液へ銅イオンが供給される。これにより、メッキにより失われるメッキ液中の銅イオンを補うことができる。メッキ液は、酸化還元剤を含むものとすることができ、酸化還元剤を介した電子の受け渡しによって、メッキ(処理対象物への銅原子の被着)、および銅供給源からメッキ液への銅イオンの供給を継続して行うことができる。
【0013】
メッキ処理に伴い、銅供給源がメッキ液に溶解して少なくなった(または、なくなった)場合、銅供給源を補充しなければならない。この際、内部の銅供給源が少なくなった(または、なくなった)カートリッジ(以下、「使用済みカートリッジ」という。)を、充分な量の銅供給源が収容されたカートリッジ(以下、「未使用カートリッジ」という。)に交換すればよい。
このカートリッジ取り扱い方法によれば、カートリッジの外側面に設けられた被支持部を支持アームにより下方から支持することにより、カートリッジを持ち上げてメッキ装置から搬出することができる。この際、銅供給源やメッキ液に直接触れる必要はない。したがって、メッキ装置からのカートリッジの搬出が容易であり、また、周囲を汚さずにカートリッジを搬出できる。
【0014】
カートリッジは、たとえば、有底筒状のものとすることができ、この場合、被支持部はカートリッジの外周面から突出したフランジ(鍔)や、カートリッジの外周面に形成された凹所(たとえば、カートリッジの外周面を1周する溝)などとすることができる。銅供給源は、たとえば、管状、平板状、メッシュ状などの形状の銅材とすることができる。
請求項2記載の発明は、上記保持の前に、上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のカートリッジ取り扱い方法である。
【0015】
この発明によれば、カートリッジがメッキ装置における所定の位置に設置されていた場合、支持アームをメッキ装置に対して位置合わせする工程により、支持アームを被支持部の下方に配置できる。これにより、カートリッジの搬出作業をスムーズに行うことができる。
この状態で支持アームと被支持部とを相対的に近接させるようにして、カートリッジを保持することができる。支持アームをメッキ装置に対して位置合わせする工程により、支持アームを被支持部下方の適正な位置に配置することができ、被支持部を支持アームにより適正に支持してカートリッジが落下しないようにすることができる。
【0016】
支持アームと被支持部とを近接させるには、たとえば、カートリッジが設置された設置ベースを下降させることにより、被支持部を下降させてもよく、また、請求項3記載のように、支持アームを上昇させてもよい。さらに、被支持部の下降と支持アームの上昇との双方によるものであってもよい。
請求項4記載の発明は、上記支持アームは、上記支持アームを昇降するリフタ(225)が備えられた台車(220)に設けられており、上記持ち上げ工程は、上記リフタにより上記支持アームを上昇させる工程を含み、上記支持アーム配置工程は、上記台車を上記メッキ装置に向かって移動させる工程を含み、上記搬出工程は、上記台車を上記メッキ装置から離すように移動させる工程を含むことを特徴とする請求項3記載のカートリッジ取り扱い方法である。
【0017】
この発明によれば、台車を移動させることにより支持アームを被支持部の下方に配置し、リフタにより支持アームを介してカートリッジを持ち上げることができる。リフタが備えられた台車により、作業者は小さな力でカートリッジを持ち上げて、メッキ装置から搬出できる。
請求項5記載の発明は、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能で、支持アーム(224)で支持するための被支持部(140F)が外側面に設けられており、不溶性アノード(76)を有して銅メッキを施すためのメッキ装置(10)に着脱自在なカートリッジ(140)の取り扱い方法であって、上記支持アームで下方から上記被支持部が支持されて保持された上記カートリッジを、上記支持アームを移動させてメッキ装置内に運び入れる搬入工程と、この搬入工程の後、上記カートリッジを上記メッキ装置内に設置する設置工程と、この設置工程の後、上記支持アームを上記メッキ装置から退避させる退避工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法である。
【0018】
この発明によれば、使用済みカートリッジを未使用カートリッジに交換する際など、カートリッジの外側面に設けられた被支持部を支持アームにより下方から支持して持ち上げた状態で、メッキ装置内にカートリッジを搬入できる。この際、銅供給源やメッキ液に直接触れる必要はない。したがって、メッキ装置からのカートリッジの搬入が容易であり、また、周囲を汚さずにカートリッジを搬入できる。
【0019】
請求項6記載の発明は、上記設置工程の前に、上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする請求項5記載のカートリッジ取り扱い方法である。
搬入工程の後、カートリッジがメッキ処理装置内の所定の位置の上方に配置されていなかった場合、設置工程でカートリッジをメッキ処理装置内の所定の位置に設置できない。たとえば、メッキ装置内においてカートリッジを重量計の上に設置して、カートリッジの重量を測定することにより、内部の銅供給源の重量をモニタすることがある。この場合、カートリッジは重量計上の所定の位置に設置されなければならない。
【0020】
この発明によれば、支持アームをメッキ装置に対して位置合わせすることにより、設置工程でカートリッジをメッキ装置内の所定の位置に確実に設置できる。設置工程は、たとえば、カートリッジを設置するための設置ベースを上昇させることにより、被保持部を上昇させる工程を含んでいてもよく、請求項7記載のように支持アームを下降させる工程を含んでいてもよい。また、設置工程は、被保持部を上昇させる行程と支持アームを下降させる工程の双方を含んでいてもよい。
【0021】
請求項8記載の発明は、上記支持アームは、上記支持アームを昇降するリフタ(225)が備えられた台車(220)に設けられており、上記アーム下降工程は、上記リフタにより上記支持アームを下降させる工程を含み、上記搬入工程は、上記台車を上記メッキ装置に向かって移動させる工程を含み、上記退避工程は、上記台車を上記メッキ装置から離すように移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のカートリッジ取り扱い方法である。
【0022】
この発明によれば、リフタにより支持アームを介してカートリッジを持ち上げることができる。未使用カートリッジは、たとえば、内部に6Kg程度の銅供給源が収容されたものとすることができる。リフタが備えられた台車により、このような重量物であるカートリッジを容易に持ち上げて、メッキ装置に搬入できる。
請求項9記載の発明は、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能で、第1または第2支持アーム(224)で支持するための被支持部(140F)が外側面に設けられており、メッキ装置(10)に着脱自在な第1および第2カートリッジ(140)の取り扱い方法であって、上記メッキ装置から取り外された上記第1カートリッジの上記被支持部の下方に、上記第1支持アームを配置する支持アーム配置工程と、この支持アーム配置工程の後、上記第1支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記第1カートリッジを保持する保持工程と、この保持工程の後、上記第1支持アームを移動させて、上記メッキ装置から上記第1カートリッジを運び出す搬出工程と、この搬出工程の後、上記第2支持アームで下方から上記被支持部が支持されて保持された上記第2カートリッジを、上記第2支持アームを移動させて上記メッキ装置内に運び入れる搬入工程と、この搬入工程の後、上記第2カートリッジを上記メッキ装置内に設置する設置工程と、この設置工程の後、上記第2支持アームを上記メッキ装置から退避させる工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法である。
【0023】
この発明によれば、請求項1および5記載のカートリッジ取り扱い方法と同様の効果を奏することができる。第1カートリッジは使用済みカートリッジとすることができ、第2カートリッジは未使用カートリッジとすることができる。使用済みカートリッジを未使用カートリッジに取り換えることにより、メッキ装置に銅供給源を補充できる。この場合、使用済みカートリッジと未使用カートリッジとの交換は容易であり、周囲を汚すこともない。
【0024】
第1支持アームと第2支持アームとは同じものであってもよく、この場合、第1カートリッジを搬出した後に、この第1カートリッジを支持アームから降ろし、第2カートリッジを支持アームに保持するようにすることができる。
また、メッキ装置で使用されている銅供給源が不測の事態により変質した場合に、変質した銅供給源が収容された第1カートリッジと変質していない銅供給源が収容された第2カートリッジとを交換することにより、メッキ装置で使用される銅供給源を変質していないものに取り換えることができる。この際も、この銅供給源の交換は容易であり、周囲を汚すこともない。
【0025】
上記保持工程は、請求項10記載のように、上記支持アームを上昇させて上記カートリッジを持ち上げる工程を含んでいてもよく、上記設置工程は、請求項11記載のように、上記支持アームを下降させる工程を含んでいてもよい。
請求項12記載の発明は、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能で、支持アーム(224)で支持するための被支持部(140F)が外側面に設けられており、メッキ装置(10)との間でメッキ液を循環させるための開口(116E,117E)が形成されたカートリッジ(140)の取り扱い方法であって、上記開口を塞ぐように仮蓋(230)を取り付け、上記カートリッジを密閉する密閉工程と、この密閉工程の後、上記支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記カートリッジを保持する保持工程と、この保持工程の後、上記支持アームを移動させて上記カートリッジを運搬する工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法である。
【0026】
この発明によれば、カートリッジは、仮蓋により密閉(気密に)された状態で支持アームに保持されて運搬されるので、カートリッジ内部にメッキ液等の液体が存在していた場合でも、保持(たとえば、持ち上げ)および運搬に際してこれらの液体がこぼれることはない。したがって、この発明によれば、周囲を汚さずにカートリッジを取り扱うことができる。
上記保持工程は、たとえば、請求項13記載のように、上記支持アームを上昇させて上記カートリッジを持ち上げる工程を含んでいてもよい。
【0027】
請求項14記載の発明は、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を取り扱う方法であって、メッキ装置(10)に取り付け可能なカートリッジ(140)内に、表面の酸化膜が除去された上記銅供給源を収容する工程と、上記カートリッジ内に上記銅供給源の酸化を防止するための酸化防止液を導入する工程と、上記表面の酸化膜が除去された銅供給源および上記酸化防止液が収容された上記カートリッジを密閉状態にする工程と、上記密閉状態の上記カートリッジを運搬する工程とを含むことを特徴とする銅供給源取り扱い方法である。
【0028】
この発明によれば、銅供給源は、酸化防止液とともにカートリッジに収容されて運搬されるので、運搬中に銅供給源の表面が酸化することはない。したがって、このような銅供給源は、メッキ装置に補充されるとメッキ液に良好に銅イオンを供給できる。酸化防止液は、カートリッジの内部空間をほぼ満たすように導入されることが好ましい。
銅供給源や酸化防止液をカートリッジ内に収容(導入)する作業は、メッキ装置が設置されたクリーンルームとは別の場所で行うことができる。これにより、酸化防止液等によるクリーンルームの汚染を防ぐことができる。
【0029】
また、カートリッジは密閉された状態で運搬されるので、運搬中に酸化防止液がこぼれて周囲を汚すこともない。
請求項15記載の発明は、メッキ装置(10)に着脱自在な第1および第2カートリッジ(140)に収容されてメッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を取り扱う方法であって、上記メッキ装置から上記第1カートリッジを取り外す工程と、上記メッキ装置に上記第2カートリッジを取り付ける工程とを含むことを特徴とする銅供給源取り扱い方法である。
【0030】
たとえば、第1カートリッジは使用済みカートリッジとすることができ、第2カートリッジは未使用カートリッジとすることができる。すなわち、第2カートリッジに収容されている銅供給源の量は、第1カートリッジに収容されている銅供給源の量より多いものとすることができる。メッキ装置から取り外す第1カートリッジは、内部の銅供給源が完全になくなったものであってもよく、初期の量より少ない銅供給源が残っているものであってもよい。
【0031】
この場合、メッキ装置から第1カートリッジを取り外し、メッキ装置に第2カートリッジを取り付けること、すなわち、第1カートリッジと第2カートリッジとを交換することにより、メッキ装置に銅供給源を補充できる。銅供給源は、カートリッジに収容された状態で交換されるので、作業者は、銅供給源やメッキ液に直接触れる必要がない。したがって、銅供給源のメッキ装置への補充は容易であり、周囲を汚すこともない。
【0032】
また、この銅供給源取り扱い方法によれば、メッキ装置で使用されている銅供給源が不測の事態により変質した場合に、この銅供給源を、容易かつ周囲を汚さずに変質していない銅供給源と取り換えることもできる。
請求項16記載の発明は、支持アーム(224)で支持するための被支持部(140F)が外側面に設けられており、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能で、不溶性アノード(76)を有して銅メッキを施すためのメッキ装置(10)に着脱自在なカートリッジ(140)である。
【0033】
このカートリッジにより、請求項1、5、および9記載のカートリッジ取り扱い方法を実施することができ、請求項1、5、および9記載のカートリッジ取り扱い方法と同様の効果を奏することができる。
請求項17記載の発明は、不溶性アノード(76)を有し、酸化還元剤および銅イオンを含むメッキ液を用いて処理対象物(W)に銅メッキを施すためのメッキ処理部(12)を有するメッキ装置(10)であって、このメッキ装置に対して着脱自在で、上記メッキ処理部(12)との間でメッキ液を通液可能で、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源(146)を内部に収容可能なカートリッジ(140)と、上記カートリッジを搬入および搬出するための搬入/搬出手段(224,220)を、上記メッキ装置に対して位置合わせするための位置決め手段(211,211h)とを備えたことを特徴とするメッキ装置である。
【0034】
請求項18記載の発明は、酸化還元剤および銅イオンを含むメッキ液を用いて処理対象物(W)にメッキするメッキ装置(10)に着脱可能で、内部に上記メッキ装置で用いるメッキ液に銅イオンを供給する銅供給源(146)を収容可能なカートリッジ(140)を支持するための支持アーム(224)と、この支持アームを昇降するためのリフタ(225)と、上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置決めする位置決め手段(229,229p)とを備えた台車(220)である。
【0035】
請求項17記載の搬入/搬出手段は、たとえば、請求項18記載の台車とすることができる。これらのメッキ装置および台車により、請求項1ないし12記載のカートリッジ取り扱い方法を実施することができ、請求項1ないし12記載のカートリッジ取り扱い方法と同様の効果を奏することができる。
メッキ装置の位置決め手段は、たとえば、位置決め穴または位置決め突起が形成された位置決め部材とすることができ、台車の位置決め手段、たとえば、位置決め突起または位置決め穴が設けられた位置決め部材とすることができる。これらの場合、台車およびメッキ装置それぞれに設けられた凹凸を合わせることにより、メッキ装置に対して台車が位置決めされるものとすることができる。
【0036】
リフタは、たとえば、いわゆるボールねじジャッキ、油圧式のもの、電動式のものなどとすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置10の構成を示すブロック図である。
この基板処理装置10は、メッキ液を用いて半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面にメッキ処理を施したり、メッキ後のウエハの周縁部をエッチング(いわゆる、ベベルエッチング)するためのウエハ処理部1、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を備えてメッキ液の主成分濃度を管理する主成分管理部2、メッキ液の微量成分を管理するための微量成分管理部3、およびメッキ後の後処理に用いる後処理薬液をウエハ処理部1に供給するための後処理薬液供給部4を備えている。この基板処理装置10は、クリーンルーム内に設置されて使用される。
【0038】
ウエハ処理部1で使用されるメッキ液は、支持電解質としての硫酸、目的金属である銅のイオン、酸化還元剤としての鉄、および水を主成分として含んでおり、塩素、メッキを抑制する添加剤、メッキを促進する添加剤などを微量成分として含んでいる。
ウエハ処理部1と主成分管理部2との間には、これらの間でメッキ液を双方向に移送するための2本のメッキ液移送管P12a,P12bが配設されている。同様に、ウエハ処理部1と微量成分管理部3との間には、これらの間でメッキ液を双方向に移送するための2本のメッキ液移送管P13a,P13bが配設されている。また、ウエハ処理部1と後処理薬液供給部4との間には、後処理薬液供給部4からウエハ処理部1へ後処理薬液を送るための後処理薬液配管P14が配設されている。
【0039】
ウエハ処理部1は、基板処理装置10全体を制御するためのシステムコントローラを備えている。ウエハ処理部1と、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4とは、それぞれ信号線L12,L13,L14で接続されており、ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラにより、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4の動作が制御されるようになっている。
【0040】
微量成分管理部3は、メッキ液移送管P13aを介して、ウエハ処理部1で用いられているメッキ液を微量成分管理部3内へと移送(サンプリング)して、少なくとも1種類の微量成分に関してCVS(Cyclic Voltammetric Stripping)分析できる。微量成分管理部3は、さらに、その分析結果に基づいて、ウエハ処理部1内のメッキ液の当該微量成分が所定の濃度範囲になるように補充するべき微量成分の量を演算により求め、その量の当該微量成分をメッキ液移送管P13bを介してウエハ処理部1内のメッキ液に補充することができる。
【0041】
後処理薬液供給部4は、後処理薬液を収容する薬液タンクと、この薬液タンクに収容された後処理薬液をウエハ処理部1に供給する薬液供給手段とを含んでいる。後処理薬液は、たとえば、ベベルエッチングを行う際に用いるエッチング液や洗浄液などである。
図2は、ウエハ処理部1の図解的な平面図である。
ウエハ処理部1は、ウエハWの表面にメッキにより銅薄膜を形成し、その後このウエハWの周縁部をエッチングし、ウエハW表面全体を洗浄処理するための装置である。
【0042】
水平方向に沿う直線状の第1搬送路14に沿って、ウエハ搬入/搬出部19が配置されている。ウエハ搬入/搬出部19には、ウエハWを収容することができるカセットCを各1個ずつ載置することができる複数(この実施形態においては4つ)のカセットステージ16が、第1搬送路14に沿って配列されている。
一方、第1搬送路14に直交する水平方向に沿って、直線状の第2搬送路15が設けられている。この第2搬送路15は、この実施形態では、第1搬送路14のほぼ中間位置から延びている。第2搬送路15の一方の側方には、第2搬送路15に沿って配列された4つのメッキ処理ユニット20a〜20dを備えたメッキ処理部12が配置されている。各メッキ処理ユニット20a〜20dは、ウエハW表面に銅メッキを施すことができる。
【0043】
また、第2搬送路15の他方の側方には、第2搬送路15に沿って配列された2つのベベルエッチングユニット21a,21bおよび2つの洗浄ユニット22a,22bを備えた後処理部13が配置されている。ベベルエッチングユニット21a,21bは、ウエハW周縁部にエッチング処理を施すことができ、洗浄ユニット22a,22bはウエハWの両面を洗浄できる。
第1搬送路14および第2搬送路15はT字状の搬送路を形成していて、このT字状の搬送路には、1台の搬送ロボットTRが配置されている。搬送ロボットTRは、第2搬送路15に沿って配設された搬送ガイドレール17と搬送ガイドレール17に沿って移動可能なロボット本体18とを備えている。搬送ロボットTRの動作は、搬送コントローラ29により制御されるようになっている。
【0044】
ロボット本体18は、第1搬送路14に沿ってウエハWを搬送することができるとともに、第2搬送路15に沿ってウエハWを搬送することができる。したがって、ロボット本体18は、カセットステージ16に載置されたカセットCにアクセスしてウエハWの出し入れを行うことができるとともに、メッキ処理ユニット20a〜20d、ベベルエッチングユニット21a,21b、および洗浄ユニット22a,22bにアクセスしてウエハWの出し入れを行うことができる。
【0045】
ウエハWの基本的な搬送経路および処理手順は、以下の通りである。先ず、未処理のウエハWが、ロボット本体18によりカセットCから搬出され、メッキ処理ユニット20a〜20dのいずれかの前まで搬送されて、当該メッキ処理ユニット20a〜20dに搬入され、メッキ処理が施される。次に、メッキ処理済みウエハWが、ロボット本体18により、当該メッキ処理ユニット20a〜20dから搬出され、ベベルエッチングユニット21a,21bのいずれかに搬入されて、ベベルエッチング処理が施される。
【0046】
続いて、ベベルエッチング処理済みのウエハWが、ロボット本体18により当該ベベルエッチングユニット21a,21bから搬出され、第2搬送路15に沿って搬送され、洗浄ユニット22a,22bのいずれかに搬入されて洗浄処理が施される。さらに、洗浄処理済みのウエハWは、ロボット本体18により、当該洗浄ユニット22a,22bから搬出され、第2搬送路15を第1搬送路14に向かって搬送される。第1搬送路14に達すると、ロボット本体18は、この搬送路14に沿って移動することにより、カセットステージ16のいずれかに載置されたカセットCの前に移動し、当該カセットCにウエハWを搬入する。
【0047】
ウエハ処理部1は、外部環境の影響を受けないようにエンクロージャにより取り囲まれている。
図3は、ウエハ処理部1のエンクロージャ30の構造を示す図解的な斜視図である。
エンクロージャ30は、複数の壁により、外形がほぼ直方体に形成されている。エンクロージャ30内で、第2搬送路15とメッキ処理部12との間、および第2搬送路15と後処理部13との間は、それぞれ隔壁が設けられており、ウエハWの受け渡しを行うとき以外は、この隔壁により第2搬送路15が配された空間とメッキ処理部12内の空間および後処理部13内の空間との間は遮られている。
【0048】
エンクロージャ30上部の壁には、空気中の異物を除去するフィルタ31が取り付けられている。フィルタ31は、カセットステージ16、第1搬送路14、および第2搬送路15の上方に配置された第1フィルタ31aと、後処理部13の上方に配置された第2フィルタ31bとを含んでいる。第1フィルタ31aの上方には、図示しないファンが取り付けられており、エンクロージャ30外部の空気をエンクロージャ30内に押し込むようにされている。
【0049】
エンクロージャ30において、第2搬送路15の下方に位置する部分には、第2搬送路15の長さ方向に沿って延びる複数のスリット状の開口36が形成されている。第2搬送路15が配された空間は、エンクロージャ30およびその内部の隔壁で仕切られているので、第1フィルタ31aを介してエンクロージャ30内に空気が押し込まれると、第2搬送路15が配された空間は陽圧となり、内部の空気は開口36からエンクロージャ30外部へと排出される。これにより、第2搬送路15が配された空間内部では、上方から下方に向かって流れる空気の流れ(ダウンフロー)が生じる。
【0050】
第2搬送路15が配された空間内では、薬液等は使用されないので、この空間を通過することによって空気は汚れない。このため、第2搬送路15が配された空間内の空気は、開口36からエンクロージャ30周辺に排出されるようになっている。
エンクロージャ30のカセットステージ16側とは反対側の側面において、メッキ処理部12を囲んでいる壁の下部、および後処理部13を囲んでいる壁の下部には、それぞれ排気口32,33が形成されている。排気口32,33には、それぞれ排気ダクト34,35の一端が接続されており、排気ダクト34,35の他端は、工場内の排気設備配管に接続されている。こうして、メッキ処理部12内および後処理部13内でメッキ液や後処理薬液に曝された可能性のある空気を、クリーンルーム外に強制排気することができる。
【0051】
後処理部13内の空気が排気口33から強制排気されることにより、後処理部13内は負圧となり、空気は、第2フィルタ31bを介して後処理部13内に吸い込まれ、後処理部13の空間内をダウンフローとなって流れる。
図4は、ロボット本体18の構造を説明するための図であり、図4(a)はその図解的な平面図であり、図4(b)はその図解的な側面図であり、図4(c)はその図解的な正面図である。
【0052】
ロボット本体18は、基台部23と、この基台部23に取り付けられた垂直多関節アーム24と、垂直多関節アーム24に取り付けられた回転駆動機構25と、この回転駆動機構25によって鉛直方向に沿う回転軸線V0まわりに回転駆動される基板保持部26とを有している(図4(a)には、基板保持部26のみを示している。)。
基板保持部26は、上部に平坦部を有する本体部40と、この本体部40の平坦部上に設けられた一対の進退アーム41,42とを備えている。この一対の進退アーム41,42を水平方向に進退させるための進退駆動機構(図示せず)は、本体部40に内蔵されている。
【0053】
進退アーム41,42は、それぞれ、第1アーム部41a,42a、第2アーム部41b,42bおよび基板保持ハンド(エフェクタ)41c,42cを備えている。本体部40は、平面視においてほぼ円形であり、その周縁部近傍に第1アーム部41a,42aが鉛直方向に沿う回転軸線まわりにそれぞれ回転可能に取り付けられている。これらの第1アーム部41a,42aは、本体部40内の進退駆動機構によって、回転軸線まわりに回転駆動される。
【0054】
進退アーム41,42は、いわゆるスカラーロボットを形成しており、第1アーム部41a,42aの回動に連動して、第2アーム部41b,42bが、鉛直方向に沿う回転軸線まわりにそれぞれ回転する。これにより、進退アーム41,42は第1および第2アーム部41a,42a;41b,42bを屈伸させて、基板保持ハンド41c,42cを進退させる。
進退アーム41,42は、収縮状態において、基板保持ハンド41c,42cを上下に重なり合った位置に保持する(図4(a))。そのため、一方の進退アーム41の基板保持ハンド41cは、他方の進退アーム42の基板保持ハンド42cとの干渉を避けることができるように、屈曲形状に形成されている(図4(b))。
【0055】
第1アーム24aは、基台部23に対して、水平方向に沿う回転軸線H1まわりの回動が可能であるように取り付けられている。そして、第1アーム24aの他端に、第2アーム24bの一端が水平な回転軸線H2まわりの回動が可能であるように取り付けられている。さらに、第2アーム24bの他端には、回転駆動機構25が、水平な回転軸線H3まわりに回動が可能であるように取り付けられている。回転軸線H1,H2,H3は互いに平行である。
【0056】
基台部23には、第1アーム24aを回転させるためのモータ27が設けられており、第1アーム24aと第2アーム24bとの連結部には、第2アーム24bを回転駆動するためのモータ28が設けられている。モータ28は、モータ27と同期して回転するようになっており、第2アーム24bには、モータ28からの駆動力を回転駆動機構25側に伝達するための駆動力伝達機構(図示せず)が内蔵されている。これによって、回転駆動機構25は、第1アーム24aおよび第2アーム24bが回動されたときでも、基板保持部26を常に同じ姿勢(たとえば、ウエハWを水平に保持できる姿勢)に保持するようになっている。
【0057】
回転駆動機構25にはモータ(図示せず)が内蔵されていて、このモータからの駆動力を得て、回転駆動機構25は、基板保持部26を鉛直方向に沿う回転軸線V0まわりに回転駆動する。
このような構成によって、搬送ロボットTRは、基板保持ハンド41c,42cを、図4(c)において斜線を付して示す範囲で水平方向および鉛直方向に移動させることができる。
【0058】
ロボット本体18がカセットステージ16(図2参照)に載置されたカセットCにアクセスするときには、搬送コントローラ29によって、ロボット本体18は、搬送ガイドレール17の第1搬送路14側の端部に移動される。この状態で、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26をカセットステージ16のカセットCに対向させることができる。すなわち、基台部23が搬送ガイドレール17上に位置したまま、基板保持部26は第1搬送路14に沿って移動できる。
【0059】
そして、回転駆動機構25の働きにより、進退アーム41,42を当該カセットCに対向させ、図示しない進退駆動機構によって、進退アーム41,42を当該カセットCにアクセスさせれば、カセットCに対するウエハWの搬入/搬出を行うことができる。カセットCと進退アーム41,42との間のウエハWの受け渡しの際には、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が若干量だけ昇降される。
【0060】
ロボット本体18が、メッキ処理ユニット20a〜20d、ベベルエッチングユニット21a,21b、および洗浄ユニット22a,22b(いずれも図2参照)のいずれかにアクセスするときには、ロボット本体18は、図示しない移動機構によって、搬送ガイドレール17上を該当するユニットの前まで移動される。この状態で、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が当該ユニットの基板搬入/搬出口に対応する高さへと昇降され、かつ、回転駆動機構25による基板保持部26の回転によって、進退アーム41,42が当該ユニットに対向させられる。
【0061】
そして、この状態で、進退駆動機構によって、進退アーム41,42を当該ユニットにアクセスさせることによって、ウエハWの搬入/搬出が行われる。当該ユニットと進退アーム41,42との間のウエハWの受け渡しの際には、垂直多関節アーム24の働きによって、基板保持部26が若干量だけ昇降される。
メッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理が施された後、ベベルエッチングユニット21a,21bでベベルエッチング処理が施されるまでのウエハW(以下、「全面メッキウエハ」という。)は、ウエハW周縁部にもメッキによる銅膜が形成されている。したがって、全面メッキウエハを保持した基板保持ハンド41c,42cは、銅に汚染される。このため、基板保持ハンド41cおよび基板保持ハンド42cの一方は、全面メッキウエハを保持するのに専用に用いることが好ましい。これにより、基板保持ハンド41cまたは基板保持ハンド42cを介して、銅汚染が広がらないようにすることができる。
【0062】
図5(a)は、カセットCが取り付けられたカセットステージ16の図解的な平面図であり、図5(b)は、その図解的な側面図である。
カセットステージ16は、カセットCを載置するための平板状のカセットベース50を備えている。カセットベース50は、平面視において、ほぼ正方形の形状を有している。カセットCは、平面視において、カセットベース50より小さなほぼ正方形の形状を有しており、その一辺側にウエハ出し入れ用開口Ceが形成されている。
【0063】
カセットベース50の一方表面には、平面視においてカセットCの4つの角部にほぼ対応する位置に、それぞれカセットガイド51が設けられており、カセットガイド51にカセットCの角部が接するように配することにより、カセットCをカセットベース50上の所定の位置に取り付けることができるようになっている。カセットCは、カセットベース50上の所定の位置に取り付けられたとき、ウエハ出し入れ用開口Ceが第1搬送路14側を向くようになっている(図2参照)。
【0064】
また、カセットベース50の上記一方表面には、一対の対辺(ウエハ出し入れ用開口Ce側の辺を含まない対辺)の中点近傍に、発光素子52aおよび受光素子52bがそれぞれ取り付けられている。発光素子52aおよび受光素子52bは、透過型フォトセンサ52をなす。カセットCがカセットベース50上にないときは、発光素子52aから発せられた光は、受光素子52bで受光され、カセットCがカセットベース50上にあるときは、発光素子52aから発せられた光は、カセットCに遮られて受光素子52bに届かない。これにより、カセットベース50上のカセットCの有無を判定できるようになっている。
【0065】
図6は、メッキ処理部12の構成を示す図解的な正面図である。
このメッキ処理部12は、ウエハWにメッキ処理を施すための複数(この実施形態では4つ)のメッキ処理ユニット20a〜20dと、メッキ液を収容することができるメッキ液収容槽55とを含んでいる。メッキ処理ユニット20a〜20dは、それぞれ、メッキ液を収容するメッキカップ56a〜56dと、メッキカップ56a〜56dの上方にそれぞれ配されたウエハ保持回転機構74a〜74dを備えている。
【0066】
メッキ液収容槽55は、メッキカップ56a〜56dよりもはるかに大量(たとえば、メッキカップ56a〜56dの収容総量の20倍)のメッキ液を収容できるようになっている。メッキ液収容槽55に大量のメッキ液を蓄えておくことにより、メッキ処理部12で使用するメッキ液の総量を多くすることができる。これによって、メッキ処理に伴うメッキ液組成の変化を少なくすることができる。
【0067】
メッキ液収容槽55の底面には、主成分管理部2へとメッキ液を送るためのメッキ液移送管P12aが連通接続されている。メッキ液収容槽55の上方からは、主成分管理部2から送られてきたメッキ液をメッキ液収容槽55内に導入するためのメッキ液移送管P12b、微量成分管理部3へとメッキ液を送るためのメッキ液移送管P13a、および微量成分管理部3から送られてきたメッキ液をメッキ液収容槽55内に導入するためのメッキ液移送管P13bが、メッキ液収容槽55内に導かれている。メッキ液移送管P12b,P13a,P13bは、メッキ液収容槽55内のメッキ液中に没する深さまで延設されている。
【0068】
メッキカップ56a〜56dは、メッキ液収容槽55より高い位置に配されている。メッキ液収容槽55の底面からは送液配管57が延びており、送液配管57は、4つの送液分岐配管58a〜58dに分岐している。送液分岐配管58a〜58dは上方に延びて、それぞれメッキカップ56a〜56dの底面中央部に連通接続されている。
送液分岐配管58a〜58dには下方から上方に向かう順に、それぞれ、ポンプP1〜P4、フィルタ59a〜59d、および流量計60a〜60dが介装されている。ポンプP1〜P4により、メッキ液収容槽55からそれぞれメッキカップ56a〜56dへとメッキ液を送液できる。ポンプP1〜P4の動作は、システムコントローラ155によって制御される。フィルタ59a〜59dは、メッキ液中のパーティクル(異物)および泡を除去することができる。流量計60a〜60dからはメッキ液の流量を示す信号が出力され、この信号はシステムコントローラ155に入力されるようになっている。
【0069】
メッキカップ56a〜56dは、それぞれ内方に配された円筒状のメッキ槽61a〜61d、およびメッキ槽61a〜61dの周囲に配された回収槽62a〜62dを含んでいる。送液分岐配管58a〜58dは、それぞれメッキ槽61a〜61dに連通接続されており、回収槽62a〜62dの下部からは、それぞれリターン分岐配管63a〜63dが延びている。リターン分岐配管63a〜63dはリターン配管64に連通接続されており、リターン配管64はメッキ液収容槽55内に延設されている。
【0070】
以上のような構成により、たとえば、ポンプP1を作動させることにより、メッキ液はメッキ液収容槽55から送液配管57および送液分岐配管58aを介して、メッキ槽61aに送液される。メッキ液はメッキ槽61aの上端から溢れ出て、重力の作用により回収槽62aから、リターン分岐配管63aおよびリターン配管64を経て、メッキ液収容槽55へと戻される。すなわち、メッキ液はメッキ液収容槽55とメッキカップ56aとの間で循環される。
【0071】
同様に、ポンプP2,P3,またはP4を作動させることにより、メッキ液をメッキ液収容槽55とメッキカップ56b,56c,または56dとの間で循環させることができる。メッキ処理ユニット20a〜20dのいずれかでメッキ処理が行われるときは、そのメッキ処理ユニット20a〜20dのメッキカップ56a〜56dと、メッキ液収容槽55との間でメッキ液が循環される。このように、メッキ液収容槽55は4つのメッキ処理ユニット20a〜20dに共通に使用される。
【0072】
送液分岐配管58aにおいてポンプP1とフィルタ59aとの間には、バイパス配管65の一端が連通接続されている。バイパス配管65の他端は、メッキ液収容槽55内に導かれている。バイパス配管65には、特定の波長の光に対するメッキ液の吸光度を測定する吸光度計66A,66Bが介装されている。吸光度計66Aは、メッキ液中の銅濃度を求めるためのものであり、吸光度計66Bは、メッキ液中の鉄濃度を求めるためのものである。
【0073】
ポンプP1が作動され、メッキ液がメッキ液収容槽55とメッキカップ56aとの間で循環されているときは、フィルタ59aによる圧力損失のため送液分岐配管58aを流れるメッキ液の一部はバイパス配管65へと流れる。すなわち、バイパス配管65に専用のポンプを介装しなくても、バイパス配管65にメッキ液を流すことができる。
吸光度計66A,66Bは、透明な材質でできたセル67A,67B、ならびにセル67A,67Bを挟んで対向配置された発光部68A,68Bおよび受光部69A,69Bを含んでいる。発光部68A,68Bは、それぞれ銅および鉄の吸収スペクトルに対応した特定の波長(たとえば、銅の場合780nm)の光を発することができ、受光部69A,69Bは発光部68A,68Bから発せられセル67A,67B内のメッキ液を透過した光の強度を測定できる。この光の強度からメッキ液の吸光度が求められる。吸光度計66A,66Bからは吸光度を示す信号が出力され、これらの信号はシステムコントローラ155に入力される。
【0074】
メッキ液収容槽55の側面には、温度センサ70および電磁導電率計71が取り付けられている。温度センサ70および電磁導電率計71は、メッキ液収容槽55内にメッキ液が収容されたときのメッキ液の液面高さより低い位置に取り付けられている。温度センサ70および電磁導電率計71の検出部は、メッキ液収容槽55内に突出しており、それぞれ、メッキ液の液温および導電率を測定できるようになっている。温度センサ70および電磁導電率計71の出力信号は、システムコントローラ155に入力される。
【0075】
メッキ液に関して、特定の波長の光に対する吸光度がわかれば銅濃度および鉄濃度がわかる。以下、メッキ液の吸光度から銅濃度を求める方法を説明する。
メッキ液の銅濃度を求めるために、予め、銅濃度と吸光度との関係を調べておく。先ず、銅濃度の異なる複数のサンプルメッキ液をそれぞれ調整して用意する。サンプルメッキ液を調整する際、銅は硫酸銅として添加する。各サンプルメッキ液の銅以外の成分については、実際にメッキ時に用いられる所定の組成のメッキ液と同等とする。このようなサンプルメッキ液の吸光度を吸光度計66Aにより測定する。これにより、図7に示すようにサンプルメッキ液の銅濃度と測定された吸光度との関係(銅検量線)が得られる。
【0076】
銅濃度が未知のメッキ液の銅濃度を求めるときは、吸光度計66Aにより吸光度を測定する。測定された吸光度および銅検量線から銅濃度が求まる。
同様の方法により、サンプルメッキ液の鉄濃度と測定された吸光度との関係(鉄検量線)、および吸光度計66Bにより測定された吸光度から鉄濃度を求めることができる。
システムコントローラ155は、銅検量線および鉄検量線のデータが記憶された記憶装置を備えている。システムコントローラ155は、吸光度計66Aの出力信号と銅検量線のデータから銅濃度を求めることができ、吸光度計66Bの出力信号と鉄検量線のデータから鉄濃度を求めることができる。
【0077】
メッキ液収容槽55の上部には、超音波式レベル計72が取り付けられている。超音波式レベル計72は、メッキ液収容槽55内のメッキ液の液面高さを検知することができる。超音波式レベル計72の出力信号は、システムコントローラ155に入力される。超音波式レベル計72の代わりに、静電容量式のレベル計が取り付けられていてもよい。
メッキ液収容槽55、送液配管57、送液分岐配管58a〜58d、リターン分岐配管63a〜63d、リターン配管64などは、エンクロージャ30や隔壁で囲まれた配管室73内に配されている。排気口32(図3参照)は、この配管室73に形成されており、配管室73内は負圧にされている。
【0078】
図8は、メッキ処理ユニット20a〜20dの共通の構造を示す図解的な断面図である。
メッキ槽61a〜61dの底面中央部には、メッキ液供給口54が形成されており、このメッキ液供給口54を介して、送液分岐配管58a〜58dがメッキ槽61a〜61dに連通接続されている。メッキ液供給口54には、半球状で多数の穴が形成されたシャワーヘッド75が取り付けられている。シャワーヘッド75により、メッキ液はメッキ槽61a〜61d内に分散されて導入される。
【0079】
メッキ槽61a〜61d内において、メッキ槽61a〜61dの深さ方向に関して下からおよそ3分の1の高さ位置には、メッシュ状のアノード電極76が配置されている。アノード電極76は、シャワーヘッド75より高い位置に取り付けられている。アノード電極76の表面は、酸化イリジウムでできており、メッキ液に対して不溶性である。このため、アノード電極76は長寿命である。アノード電極76は、メッキ電源82に接続されている。
【0080】
回収槽62a〜62dの底部には、メッキ液排出口53が形成されており、リターン分岐配管63a〜63dは、このメッキ液排出口53を介して回収槽62a〜62dに連通接続されている。
ウエハ保持回転機構74a〜74dは、回転管77、回転管77の一方端に垂直に取り付けられた円板状の支持板78、支持板78において中心部と周縁部との間の領域に回転管77側とは反対側に延びるように立設された複数のウエハ受け渡しピン84、支持板78の周縁部から回転管77側とは反対側に延びた複数の支柱79、および支柱79の先端に取り付けられた環状のカソードリング80を備えている。カソードリング80は内方に突出した当接部80aを有している。当接部80aの内径は、ウエハWの径よりわずかに小さい。
【0081】
回転管77の内部には、サセプタ81が配備されている。サセプタ81は、支軸81bおよび支軸81bの一方端に垂直に取り付けられた円板状の載置台81aを含んでおり、載置台81aは複数の支柱79に取り囲まれるように配置されている。サセプタ81には、サセプタ移動機構46が結合されており、サセプタ81を回転管77の軸に沿って移動させることができるようになっている。載置台81aには、ウエハ受け渡しピン84に対応する位置に穴が形成されており、回転管77に対するサセプタ81の移動に伴って、ウエハ受け渡しピン84が載置台81aの穴を貫通できるようになっている。
【0082】
カソードリング80は、メッキ電源82に接続されたカソード電極83を備えている。カソード電極83は、カソードリング80から内方に突出しており、載置台81aと当接部80aとに挟持されたウエハWの当接部80a側表面の縁部に接触できるようになっている。当接部80aはウエハW周縁部に密接(マスク)して、ウエハWやカソード電極83をメッキ液から保護することができる。
ウエハ保持回転機構74a〜74dには、反転機構43および昇降機構44が結合されている。反転機構43により、ウエハ保持回転機構74a〜74dをほぼ水平な軸(回転管77にほぼ垂直な軸)のまわりに回転して上下反転できるようになっており、昇降機構44によりウエハ保持回転機構74a〜74dをほぼ鉛直方向に沿って昇降できるようになっている。
【0083】
また、回転管77には、回転駆動機構45が結合されており、回転管77をその軸のまわりに回転させることができる。回転管77の回転は、サセプタ81の回転管77の軸方向移動を許容した状態で、このサセプタ81に伝達されるようになっていて、回転管77およびサセプタ81は一体的に回転するようになっている。
メッキ電源82、反転機構43、昇降機構44、回転駆動機構45、およびサセプタ移動機構46の動作は、システムコントローラ155により制御される。
【0084】
メッキ処理部12によりメッキを行う際は、先ず、システムコントローラ155により反転機構43が制御されて、ウエハ保持回転機構74a〜74dのいずれか(以下、ウエハ保持回転機構74aとする。)の載置台81aが上方を向くようにされる。また、システムコントローラ155によりサセプタ移動機構46が制御されて、載置台81aが回転管77側に移動され、ウエハ受け渡しピン84が載置台81aを貫通して、この載置台81aから突出した状態にされる(この状態のウエハ保持回転機構74aを図8に二点鎖線で示す。)。
【0085】
一方、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図4参照)により、カセットCから未処理のウエハWが取り出される。ウエハWは、たとえば、ほぼ円形の形状を有し、処理面に多くの微細な孔または溝を有し、その上にバリア層とシード層とが形成されたものとすることができる。このウエハWは、搬送ロボットTRにより、支柱79の間を通して搬入されて、ウエハWの中心が回転管77の中心軸上にのるようにウエハWがウエハ受け渡しピン84の上に載置される。そして、システムコントローラ155によりサセプタ移動機構46が制御されて、載置台81aが回転管77から離れるように移動され、載置台81aとカソードリング80の当接部80aとの間にウエハWが挟持され、カソード電極83はウエハWの上面に接触する。
【0086】
また、システムコントローラ155の制御によりポンプP1が作動されて、メッキ槽61aにメッキ液が5リットル/minで送られる(図6参照)。これにより、メッキ液はメッキ槽61aの縁からわずかに盛り上がって回収槽62aへと溢れる。そして、システムコントローラ155により、反転機構43が制御されてウエハWが下方を向くようにウエハ保持回転機構74aが反転され、昇降機構44が制御されて、ウエハ保持回転機構74aが下降され、ウエハWの下面がメッキ槽61aに満たされたメッキ液の表面に接触される。この状態で、カソード電極83とメッキ液とは、ウエハWの同じ側の面(下面)に接触している。
【0087】
次に、システムコントローラ155により、回転駆動機構45が制御されて、ウエハWが、所定の回転速度(たとえば、100rpm)で回転され、メッキ電源82が制御されてアノード電極76とカソード電極83との間に数分間通電される。これにより、カソード電極83に接続されたウエハW下面とメッキ液との界面では、メッキ液中の銅イオンに電子が与えられて、ウエハW下面に銅原子が被着する。すなわち、ウエハW下面に銅メッキが施される。
【0088】
メッキ液中で、酸化還元剤としての鉄イオンは、2価および3価の鉄イオンとして存在している。メッキ液中の2価の鉄イオンは、アノード電極76に電子を与えて3価の鉄イオンとなる。このように、鉄イオンは、サイクリックに酸化還元を繰り返し、メッキ液とアノード電極76との間の電子の移動量、およびカソード電極83とメッキ液との間の電子の移動量はほぼ収支する。
このため、酸化還元剤を用いなかった場合に発生する活性な酸素の泡は生じない。これにより、メッキ液の添加剤の酸化による分解を遅らせることができ、また、酸素の泡がウエハW下面に付着して、ウエハW表面(下面)に形成された微細な孔や溝を埋めてメッキできなくなる事態を回避することができる。
【0089】
その後、システムコントローラ155により昇降機構44が制御されて、ウエハW下面がメッキ槽61aに満たされたメッキ液の液面から数mm離れた状態とされ、さらに、システムコントローラ155により回転駆動機構45が制御されて、ウエハWが、たとえば、500rpmで数十秒間回転される。これにより、ウエハW下面のメッキ液は側方へと振り切られる。
続いて、システムコントローラ155により、回転駆動機構45が制御されてウエハWの回転が停止され、昇降機構44が制御されてウエハ保持回転機構74aが上昇され、反転機構43が制御されてウエハW側が上方を向くようにウエハ保持回転機構74aが反転される。
【0090】
その後、システムコントローラ155により、サセプタ移動機構46が制御されて載置台81aが回転管77側に移動し、ウエハWの挟持が解除される。そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが搬出されて、1枚のウエハWのメッキ処理が終了する。
メッキ処理は、4つのポンプP1〜P4を同時に作動させてメッキカップ56a〜56dで同時に行ってもよく、ポンプP1〜P4の一部のみ作動させて対応するメッキカップ56a〜56dのいずれかで行ってもよい。
【0091】
図9は、ベベルエッチングユニット21a,21bの共通の構成を示す図解的な断面図である。
ほぼ円筒状のカップ85内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック86が備えられている。スピンチャック86は、ウエハWの周縁部に接触することなく、ウエハWの底面中央部のみを吸着することにより、ウエハWを保持できるようになっている。スピンチャック86は鉛直方向に沿って配された回転軸87を有しており、回転軸87には回転駆動機構88からの回転駆動力が伝達されるようになっている。また、スピンチャック86には、このスピンチャック86を昇降させる昇降機構89が結合されていて、スピンチャック86の上部をカップ85内に収容された状態と、カップ85の上端より高い状態とにできるようになっている。
【0092】
カップ85は、同心状に配された3つのカップ85a〜85cを含んでいる。それぞれのカップ85a〜85cの上端は、最も外側のカップ85aが最も高く、中間のカップ85bが最も低い。最も内側のカップ85cの上端には、平板状で平面視において環状の処理液案内板85dが結合されている。処理液案内板85dの外側の端部は、屈曲してカップ85aとカップ85bとの間に挿入されている。
【0093】
カップ85aおよびカップ85bを側壁として、上方に開いた開口部を有する処理液回収槽97が形成されており、カップ85bおよびカップ85cを側壁として、排気槽98が形成されている。処理液回収槽97の底部の一部には排液口97aが形成されており、排気槽98の底部の一部には、排気口98aが形成されている。
カップ85の上方には、ノズル90が配置されている。ノズル90にはリンス液配管91が連通接続されており、リンス液配管91にはリンス液供給源92が接続されている。リンス液配管91にはバルブ91Vが介装されており、バルブ91Vを開くことによりノズル90からリンス液を吐出して、スピンチャック86に保持されたウエハWの上面にリンス液を供給できるようになっている。リンス液は、たとえば、純水であってもよい。
【0094】
処理液案内板85dを下方から貫通して、ノズル99が配されている。ノズル99にはリンス液配管100が連通接続されており、リンス液配管100にはリンス液供給源92が接続されている。リンス液配管100にはバルブ100Vが介装されており、バルブ100Vを開くことによりノズル99からリンス液を吐出して、スピンチャック86に保持されたウエハWの下面にリンス液を供給できるようになっている。
【0095】
また、カップ85の上方には、エッチング処理管93がほぼ鉛直方向に沿って配されている。エッチング処理管93下端近傍のカップ85中心側には、スピンチャック86に保持されたウエハWの表面に沿う水平方向に延びる溝94が形成されており、このウエハWの周縁部を溝94内に挿入できるようになっている。溝94の内部空間とエッチング処理管93の内部空間とは連通している。
エッチング処理管93には移動機構95が結合されている。この移動機構95により、エッチング処理管93を上下方向およびカップ85の径方向に移動させることができる。これにより、エッチング処理管93を、ウエハWの周縁部が溝94に挿入された処理位置および処理位置から退避してウエハWから離れた退避位置との間で移動させることができる。また、エッチング処理管93を、カップ85を回避してカップ85の側方へ退避させることもできる。
【0096】
エッチング処理管93は、後処理薬液配管P14を介して、後処理薬液供給部4(図1参照)に配されエッチング液が収容されたエッチング液供給源96に接続されている。後処理薬液配管P14には、バルブ93Vが介装されており、バルブ93Vを開くことにより、溝94の内部空間にエッチング液を送ることができるようになっている。また、バルブ93Vにより、エッチング液の流量調整をすることもできる。エッチング液は、たとえば、硫酸、過酸化水素水、および水の混合溶液とすることができる。
【0097】
回転駆動機構88、昇降機構89、および移動機構95の動作、ならびにバルブ91V,100V,93Vの開閉は、システムコントローラ155により制御される。
ベベルエッチングユニット21a,21bによりウエハWの周縁部をエッチングするときは、先ず、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が退避位置に退避される。
【0098】
続いて、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されてスピンチャック86が上昇されて、スピンチャック86の上部がカップ85の上端より高くされる。そして、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図4参照)により、メッキ処理部12でメッキ処理が施されたウエハWが搬入されて、ウエハWの中心が回転軸87の中心軸上にのるようにウエハWがスピンチャック86に吸着保持される。ウエハWは、メッキ処理が施された面が上方に向けられて保持される。
【0099】
その後、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されてスピンチャック86が下降される。これにより、スピンチャック86に保持されたウエハWは側方がカップ85aに囲まれた状態となる。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構88が制御されて、スピンチャック86に保持されたウエハWが回転される。ウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とされる。
【0100】
この状態で、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが開かれる。これにより、ノズル90,99からウエハWの上面および下面にリンス液が供給される。リンス液は、遠心力によりウエハWの周縁部へと拡がりウエハWの上側表面のほぼ全面および下側表面のスピンチャック86が接している部分を回避した領域を流れる。このようにして、ウエハWが洗浄される。
リンス液は、ウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、カップ85aの内側面や処理液案内板85dの上面を伝って、処理液回収槽97内へと流れ落ちる。リンス液は、さらに、排液口97aから図外の回収タンクへと導かれる。また、図外の排気装置により、排気口98aからカップ85内の気体が排気される。これにより、リンス液のミスト等もカップ85外に飛散しないようになっている。
【0101】
一定時間、このようなリンス処理が施された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが閉じられる。ウエハWの回転は継続され、これにより、ウエハWに残ったリンス液の大部分は振り切られる。
次に、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が処理位置に移動される。これにより、図9に示すようにウエハWの周縁部が溝94に挿入された状態となる。このときのウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とすることができる。そして、システムコントローラ155の制御により、バルブ93Vが開かれる。エッチング液の流量は、たとえば、20ml/minとすることができる。これにより、エッチング液供給源96から溝94内にエッチング液が供給される。エッチング液は溝94から溢れて流れ、溝94内はエッチング液でほぼ満たされた状態となる。
【0102】
ウエハWの周縁部は溝94内に挿入されているので、ウエハW表面の銅薄膜のうち周縁部のものはエッチング液に溶解される。ウエハWは回転しているので、ウエハWの周縁部とエッチング処理管93による処理位置との相対変位が生じ、その結果、ウエハW周縁部は全周にわたってエッチングされる。エッチング幅は、ウエハWの溝94への挿入深さで決まるので、正確に所望のエッチング幅でエッチングできる。
【0103】
ウエハWの遠心力により側方へと振り切られたエッチング液は、リンス液と同様、一旦回収槽97に回収された後、排液口97aを介して図外の回収タンクに導かれる。また、この間も、排気口98aからの排気は継続され、エッチング液のミストがカップ85外に飛散しないようにされる。
このように一定時間(たとえば、数十秒間)エッチング液を流して、ウエハW周縁部の銅薄膜のエッチングを継続した後、システムコントローラ155はバルブ93Vを閉じるように制御して、溝94内へのエッチング液の供給を停止する。これにより、溝94内にはエッチング液が存在しない状態となり、ウエハW周縁部のエッチング処理は終了する。
【0104】
その後、再び、システムコントローラ155の制御により、バルブ91V,100Vが開かれ、ウエハW表面にリンス液が供給される。これにより、ウエハW周縁部に残っていたエッチング液がリンス液により除去される。この間、システムコントローラ155により移動機構95が制御されて、エッチング処理管93が退避位置に移動される。
一定時間(たとえば、1分程度)、リンス液の供給が継続された後、システムコントローラ155の制御によりバルブ91V,100Vが閉じられてリンス液の供給が停止される。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構88が制御されてスピンチャック86が一定時間高速回転(たとえば、1000rpm程度で数十秒間)されて、ウエハWの振り切り乾燥が行われた後、スピンチャック86の回転が停止される。
【0105】
続いて、システムコントローラ155により昇降機構89が制御されて、スピンチャック86に保持されたウエハWが、カップ85の上端より高くなるように、スピンチャック86が上方に移動され、ウエハWの吸着保持が解除される。
そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが搬出されて、1枚のウエハWの周縁部のエッチング処理が終了する。処理済みのウエハWは周縁部に銅薄膜が存在しないので、以後の工程で基板保持ハンド41,42c(図4(a)参照)により周縁部を把持されても基板保持ハンド41c、42cに銅が付着することはない。
【0106】
この実施形態では、カップ85が固定されスピンチャック86が昇降機構89により昇降されるように構成されているが、スピンチャック86とカップ85とが上下方向に相対的に移動できればよく、たとえば、スピンチャック86が上下方向に固定されカップ85が昇降されるように構成されていてもよい。この場合でも、スピンチャック86の上端をカップ85の上端より高くすることができ、進退アーム41または進退アーム42によるウエハWの搬入/搬出を行うことができる。
【0107】
図10は、洗浄ユニット22a,22bの共通の構成を示す図解的な断面図である。
ほぼ円筒状のカップ101内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック102が備えられている。スピンチャック102は、鉛直方向に沿って配された回転軸102aおよびその上端に垂直に取り付けられた円板状のスピンベース102bを有しており、スピンベース102bの上面周縁部近傍には、複数のチャックピン102eが周方向に間隔をあけて立設されている。チャックピン102eは、ウエハWの下面周縁部を支持しつつ、ウエハWの端面(周面)に当接し、他のチャックピン102eと協働してウエハWを挟持できるようになっている。
【0108】
スピンチャック102の回転軸102aには、回転駆動機構103からの回転駆動力が伝達されるようになっている。また、スピンチャック102には、このスピンチャック102を昇降させる昇降機構104が結合されていて、スピンチャック102の上部をカップ101内に収容された状態と、カップ101の上端より高い状態とにできるようになっている。
カップ101は、同心状に配された3つのカップ101a〜101cを含んでいる。それぞれのカップ101a〜101cの上端は、最も外側のカップ101aが最も高く、中間のカップ101bが最も低い。最も内側のカップ101cの上端には、平板状で平面視において環状の処理液案内板101dが結合されている。処理液案内板101dの外側の端部は、屈曲してカップ101aとカップ101bとの間に挿入されている。
【0109】
カップ101aおよびカップ101bを側壁として、上方に開いた開口部を有する処理液回収槽105が形成されており、カップ101bおよびカップ101cを側壁として、排気槽106が形成されている。処理液回収槽105の底部の一部には排液口105aが形成されており、排気槽106の底部の一部には、排気口106aが形成されている。
カップ101の上方には、ノズル107が配置されている。ノズル107は、バルブ107Vを介してリンス液供給源に連通接続されており、バルブ107Vを開くことにより、ノズル107からスピンチャック102に保持されたウエハWに向けて、リンス液を吐出することができるようになっている。
【0110】
回転軸102aの内部には、回転軸102aを軸方向に貫通する処理液供給路102cが形成されており、回転軸102の上端は開口して処理液吐出口102dとなっている。処理液供給路102cには、後処理薬液配管P14を介して、後処理薬液供給部4(図1参照)に配された洗浄液供給源から洗浄液を導入できるようになっており、また、リンス液供給源からリンス液を導入できるようになっている。洗浄液は、たとえば、硫酸、過酸化水素水、および水の混合溶液とすることができる。
【0111】
処理液供給路102cと洗浄液供給源との間には、バルブ108Vが介装されており、処理液供給路102cとリンス液供給源との間には、バルブ109Vが介装されている。バルブ109Vを閉じ、バルブ108Vを開くことにより、処理液吐出口102dから洗浄液を吐出させることができ、バルブ108Vを閉じ、バルブ109Vを開くことにより、処理液吐出口102dからリンス液を吐出させることができる。このようにして、スピンチャック102に保持されたウエハWの下面中心部に、洗浄液またはリンス液を供給できる。
【0112】
回転駆動機構103および昇降機構104の動作、ならびにバルブ107V,108V,109Vの開閉は、システムコントローラ155により制御される。洗浄ユニット22a,22bによりウエハWを洗浄するときは、先ず、システムコントローラ155により昇降機構104が制御されてスピンチャック102が上昇されて、スピンチャック102の上部がカップ101の上端より高くされる。そして、搬送ロボットTRの進退アーム41または進退アーム42(図4参照)により、ベベルエッチングユニット21aまたは21bでベベルエッチング処理が施されたウエハWが搬入されて、ウエハWの中心が回転軸102aの中心軸上にのるように、ウエハWがチャックピン102eによりメカニカルに保持される。
【0113】
その後、システムコントローラ155により昇降機構104が制御されて、スピンチャック102が下降される。これにより、スピンチャック102に保持されたウエハWは側方がカップ101aに囲まれた状態となる。そして、システムコントローラ155により回転駆動機構103が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが回転される。ウエハWの回転数は、たとえば、500rpm程度とされる。また、図外の排気装置により、排気口106aからカップ101内の気体が排気される。
【0114】
この状態で、システムコントローラ155の制御により、バルブ107V,108Vが開かれる。これにより、ウエハWに向けて、ノズル107からはリンス液が吐出され、処理液吐出口102dからは洗浄液が吐出される。ウエハW表面に供給されたリンス液および洗浄液は、それぞれ遠心力によりウエハWの周縁部へと拡がるように流れる。このようにして、ウエハW下面全面が洗浄される。
リンス液および洗浄液は、ウエハWの遠心力により側方へと振り切られて、カップ101aの内側面や処理液案内板101dの上面を伝って、処理液回収槽105内へと流れ落ちる。これらの液は、さらに、排液口105aから図外の回収タンクへと導かれる。また、カップ101内の気体が排気されていることから、洗浄液のミストなども排気口106aから排気され、カップ101外に飛散することはない。
【0115】
一定時間、このような処理が施された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ108Vが閉じられ、バルブ109Vが開かれる。これにより、処理液吐出口102dからウエハW下面に向けてリンス液が吐出される。ノズル107からのウエハW上面へのリンス液の吐出は継続される。これにより、ウエハ下面の洗浄液が洗い流される。一定時間(たとえば、1分間程度)、このような処理が継続された後、システムコントローラ155の制御により、バルブ107V、109Vが閉じられ、ウエハWへのリンス液の供給が停止される。
【0116】
続いて、システムコントローラ155により、回転駆動機構103が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが、たとえば、2000rpm程度で高速回転される。これにより、ウエハWに残ったリンス液の大部分は振り切られて、ウエハWが乾燥される。一定時間(たとえば数十秒間)ウエハWの高速回転が継続された後、システムコントローラ155により回転駆動機構103が制御されて、ウエハWの回転が停止される。
【0117】
次に、システムコントローラ155により、昇降機構104が制御されて、スピンチャック102に保持されたウエハWが、カップ101の上端より高くなるように、スピンチャック102が上方に移動され、チャックピン102eによるウエハWの保持が解除される。
そして、搬送ロボットTRの進退アーム42または進退アーム41により処理済みのウエハWが搬出されて、1枚のウエハWの洗浄処理が終了する。
【0118】
この実施形態では、カップ101が固定されスピンチャック102が昇降機構104により昇降されるように構成されているが、スピンチャック102とカップ101とが上下方向に相対的に移動できればよく、たとえば、スピンチャック102が上下方向に固定されカップ101が昇降されるように構成されていてもよい。この場合でも、スピンベース102bをカップ101の上端より高くすることができ、進退アーム41または進退アーム42によるウエハWの搬入/搬出を行うことができる。
【0119】
図11は、ウエハ処理部1の制御系統の構成を示すブロック図である。
システムコントローラ155のハードウェアは、10MIPS(Million Instructions per second)以上の処理能力を有するCPU(Central Processing Unit)と、10Mbyte以上の記憶容量を有する半導体メモリと、1Mbyte以上の記憶容量を有する磁性体メモリと、RS−232C規格のシリアルポートと、RS−485規格のシリアルポートと、複数のプリント基板とを備えている。磁性体メモリは、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)に備えられたハードディスク(HD)や、フレキシブルディスクドライブ(FDD)に着脱されるフレキシブルディスク(FD)とすることができる。
【0120】
システムコントローラで用いられるソフトウェアは、オペレーティングシステムと、少なくとも一部が高級言語で記述されたアプリケーションプログラムとを含んでいる。
システムコントローラ155は、ディスプレイ156、キーボード157、およびポインティングデバイス(たとえば、マウス)156pに接続されており、作業者との間で情報の入出力をできるようになっている。また、システムコントローラ155には、警報音発生装置158が接続されており、所定の場合(たとえば、後述のようにメッキ液に銅イオンを供給する銅供給源の残量が所定量以下になったとき)には、警報音が発せられるとともに、警報に関連した情報がディスプレイ156に表示されるようになっている。
【0121】
システムコントローラ155は、搬送コントローラ29(図2参照)、主成分管理部2、および微量成分管理部3と、RS−232C規格のシリアルポートを介してケーブル接続されている。また、システムコントローラ155は、パルス列による入出力用のケーブルを介してモータコントローラ159に接続されており、アナログ信号用のケーブルを介してポンプコントローラ160、流量計60a〜60d、および吸光度計66A,66Bに接続されている。
【0122】
これにより、システムコントローラ155は、モータコントローラ159を介して、たとえば、回転駆動機構45,88,103(図8〜図10参照)などに備えられたモータを制御可能であり、ポンプコントローラ160を介して、たとえば、メッキ処理部12のポンプP1〜P4(図6参照)の動作を制御可能である。流量計60a〜60d(図6参照)からの流量を示す信号は、アナログ信号としてシステムコントローラ155に入力される。また、システムコントローラ155は、アナログ信号により吸光度計66A,66Bの動作(たとえば、発光部68A,68Bの発光)を制御し、受光部69A,69Bから出力されるアナログ信号を受け取るようになっている。
【0123】
システムコントローラ155は、さらに、RS−485規格のシリアルポートを介して、主成分管理部2、後処理薬液供給部4、およびシリアル/パラレル変換器161a,161bにケーブル接続されている。シリアル/パラレル変換器161a,161bは、図11では2つのみ示しているが、より多く(たとえば48個)のものが接続されていてもよい。
各シリアル/パラレル変換器161a,161bには、パラレルケーブルを介して、電磁弁162a,162bやセンサ163a,163b(たとえば、温度センサ70、電磁導電率計71、超音波式レベル計72(図6参照))などが接続されている。電磁弁162a,162bは、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブ91V,100V(図9参照),107V(図10参照))を制御することができる。
【0124】
図12は、主成分管理部2の構成を示す図解図である。
主成分管理部2は、メッキ液中に銅イオンを供給するための少なくとも1つ(この実施形態では2つ)の銅溶解タンク110a,110b、これらのうち使用されていない銅溶解タンク110a,110bに置換液を供給するためのバッファ槽111、およびバッファ槽111に置換液の元となる置換原液を供給する置換原液供給部112を含んでいる。
【0125】
銅溶解タンク110a,110bは、有底円筒状の外形および密閉構造を有しており、その軸がほぼ垂直方向に沿うように設置されている。銅溶解タンク110a,110bは、重量計154a,154bにそれぞれ載せられており、銅溶解タンク110a,110bおよびその内容物を含む全重量を計量できるようになっている。
銅溶解タンク110a,110bは、いずれも、銅溶解タンク110a,110bの側壁を構成する外管116a,116b、および外管116a,116b内に配設された内管117a,117bを備えており、内管117a,117bの内部空間は、外管116a,116bと内管117a,117bとの間の空間と銅溶解タンク110a,110bの下部で連通している。
【0126】
バッファ槽111は、配管が接続された配管口を有する蓋120を備えており、ほぼ密閉された状態とされている。バッファ槽111の上部と下部とは、バッファ槽111の外部に鉛直方向に沿って配設されたバイパス管125により連通接続されている。バイパス管125側方の所定の高さ位置には、その高さ位置におけるバイパス管125内部の液体の有無を検知する定量確認センサ126が取り付けられている。
【0127】
バッファ槽111とバイパス管125との間で、液体(たとえば、置換液)は自由に行き来できるようになっており、これにより、バッファ槽111内の液面とバイパス管125内の液面とは、ほぼ同じ高さ位置になる。したがって、定量確認センサ126により、所定の高さ位置におけるバッファ槽111内の液体の有無を知ることができる。
バッファ槽111の底部には、配管口を介して循環配管118の一端が連通接続されている。循環配管118の他端は、分岐点B1で、循環分岐配管121,122に分岐している。循環分岐配管121は、さらに、循環分岐配管121a,121bに分岐しており、循環分岐配管122は、さらに、循環分岐配管122a,122bに分岐している。
【0128】
循環分岐配管121a,121bは、それぞれ、銅溶解タンク110a,110bの上方から内管117a,117bに接続されている。循環分岐配管122a,122bは、それぞれ、銅溶解タンク110a,110b内に配された排液管149a,149bに連通接続されている。循環分岐配管121a,121bには、それぞれ、バルブAV3−2,AV4−2が介装されている。循環分岐配管122a,122bには、それぞれ、バルブAV3−3,AV4−3が介装されている。
【0129】
外管116a,116bと内管117a,117bとの間の空間には、循環分岐配管119a,119bが連通接続されている。循環分岐配管119a,119bには、それぞれ、バルブAV3−1,AV4−1が介装されている。循環分岐配管119a,119bは循環配管119の一端側に接続されており、循環配管119の他端側は、分岐点B2で循環分岐配管119d,119eに分岐している。
【0130】
バルブAV3−1,AV3−2,AV3−3,AV4−1,AV4−2,AV4−3は、銅溶解タンク内流路切り換え部153に集約されている。
循環分岐配管119dは、蓋120を貫通してバッファ槽111内に延設されている。循環分岐配管119dには、バルブAV2−2が介装されている。
循環配管118の途中には、分岐点B3において、流路切り換え用配管115の一端が連通接続されている。また、流路切り換え用配管115の他端側から、排液できるようになっている。流路切り換え用配管115の他端側には、バルブAV1−4が介装されている。また、流路切り換え用配管115には、それぞれバルブAV1−3,AV1−2を介してメッキ液移送管P12a,P12bが連通接続されている。
【0131】
循環配管118には、バッファ槽111と分岐点B3との間にバルブAV1−1が介装されており、分岐点B3と分岐点B1との間には、分岐点B3から分岐点B1に向かう順に、バルブAV1−5、ポンプP5,流量計123が介装されている。また、循環配管118のバッファ槽111に近接した部分(バッファ槽111と分岐点B3との間)の側方には、空確認センサ127が取り付けられている。空確認センサ127は、その高さ位置における循環配管118内の液体の有無を検知できる。これにより、バッファ槽111内が空であるか否かを知ることができるようになっている。
【0132】
バルブAV1−1,AV1−2,AV1−3,AV1−4,AV1−5は、入口側主流路切り換え部113に集約されている。
循環分岐配管119eは、分岐点B4においてメッキ液移送管P12bの途中に連通接続されている。循環分岐配管119eにはバルブAV2−1が介装されている。バルブAV2−1,AV2−2は、出口側主流路切り換え部114に集約されている。
【0133】
置換原液供給部112は、置換原液を収容する置換原液タンク128、および所定量の置換原液を計量する計量カップ129を備えている。置換原液は、たとえば、濃硫酸とすることができる。計量カップ129は蓋129aを有して、ほぼ密閉されている。また、計量カップ129の底部は逆円錐形の形状を有している。置換原液タンク128内底部と計量カップ129の上部との間には、置換原液移送管130が配設されている。置換原液移送管130には、バルブAV6−3が介装されている。
【0134】
置換原液供給部112とバッファ槽111とは、置換原液供給配管124で接続されている。置換原液供給配管124は、蓋129aを貫通して計量カップ129の上部まで延設されている。計量カップ129の底部には、置換原液移送管131の一端が連通接続されている。置換原液移送管131の他端は、置換原液供給管124に分岐点B5で連通接続されている。置換原液供給配管124には、分岐点B5と計量カップ129との間において、バルブAV6−1が介装されている。置換原液移送管131には、バルブAV6−2が介装されている。
【0135】
また、計量カップ129には、蓋129aを貫通してリーク管132が連通接続されている。計量カップ129の外部で、リーク管132にはバルブAV6−4が介装されている。バルブAV6−4を開くことにより、計量カップ内を大気圧にできる。
計量カップ129側方の所定の高さ位置には、その高さ位置における計量カップ129内部の液体の有無を検知する定量確認センサ133が取り付けられている。また、置換原液移送管131の計量カップ129に近接した部分の側方には、空確認センサ134が取り付けられている。空確認センサ134は、その高さ位置における置換原液移送管131内の液体の有無を検知できる。これにより、計量カップ129内が空であるか否かを知ることができるようになっている。
【0136】
バッファ槽111には、蓋120を貫通して純水供給配管135が連通接続されており、図外の純水供給源からバッファ槽111に純水を供給できるようになっている。純水供給配管135には、バルブAV7−1が介装されている。
バッファ槽111には、さらに、蓋120を貫通して給排気管136が導入されている。給排気管136のバッファ槽111外の端部には、エアポンプ137が接続されている。給排気管136には、三方バルブAV8−3が介装されている。三方バルブAV8−3により、バッファ槽111とエアポンプ137とが流通するようにしたり、バッファ槽111と大気とが流通するようにしたりすることができる。
【0137】
エアポンプ137は排気管138および給気管139を備えており、給排気管136は排気管138および給気管139に連通接続されている。排気管138には三方バルブAV8−1が介装されており、給気管139には三方バルブAV8−2が介装されている。三方バルブAV8−1,AV8−2,AV8−3は、加圧/減圧部164に集約されている。
三方バルブAV8−1を大気とエアポンプ137とが流通するようにし、三方バルブAV8−2をエアポンプ137と給排気管136とが流通するようにして、エアポンプ137を作動させることにより、バッファ槽111内に空気を供給(給気)できる。また、三方バルブAV8−1を給排気管136とエアポンプ137とが流通するようにし、三方バルブAV8−2をエアポンプ137と大気とが流通するようにして、エアポンプ137を作動させることにより、バッファ槽111内の気体を排出(排気)できる。
【0138】
入口側主流路切り換え部113、出口側主流路切り換え部114、銅溶解タンク内流路切り換え部153、置換原液供給部112、および加圧/減圧部164の各バルブ、ならびにバルブAV7−1の開閉や、ポンプP5、エアポンプ137の動作は、シリアル/パラレル変換器165を介して、ウエハ処理部1のシステムコントローラ155により制御される。定量確認センサ126,133、空確認センサ127,134、流量計123、および重量計154a,154bの出力信号は、シリアル/パラレル変換器165を介して、ウエハ処理部1のシステムコントローラ155に入力される。
【0139】
図13は、銅溶解タンク110a,110bの共通の構造を示す中心軸を含む面の図解的な断面図である。
銅溶解タンク110a,110bは、外管116a,116bと内管117a,117bとを備えたカートリッジ140、およびカートリッジ140に配管を接続するための接続部材141を含んでいる。
外管116a,116bの一方端側(図13で下端)は、底板110Pによって塞がれている。接続部材141は、カートリッジ140の底板110P側とは反対側の端部に接続されている。内管117a,117bの接続部材141側の端部は、メッキ液導入口117Eとなっている。内管117a,117bと外管116a,116bとの間の環状空間145の接続部材141側の端部は、メッキ液排出口116Eとなっている。
【0140】
カートリッジ140(外管116a,116b)の側面において、カートリッジ140の長さ方向中間部より接続部材141側には、側方へ突出した環状のフランジ140Fが設けられている。
環状空間145には、カートリッジ140の長さの半分強の長さを有する銅管146が、長さ方向がカートリッジ140の長さ方向に沿うように収容されている。メッキ液は、環状空間145内をカートリッジ140の長さ方向に沿って下方から上方へと流れる。つまり、銅管146の長さ方向は、メッキ液の流路に沿っている。銅管146は、メッキ液に溶解してメッキ液に銅イオンを供給する銅イオン供給源として機能する。
【0141】
環状空間145の両端の入口部(下端)および出口部(上端)には、環状のフィルタ147L,147Uが配されている。銅管146は、両フィルタ147L,147Uの間に配置されている。フィルタ147L,147Uは、たとえば、フッ素樹脂からなるメッシュが積層されたものとすることができる。下方のフィルタ147Lは、上方のフィルタ147Uより厚くされており、環状空間145に導入されるメッキ液を拡散させることができる。下方のフィルタ147Lは、目が粗い(たとえば、目開きが5mm程度)ものでよいが、上方のフィルタ147Uの目は、環状空間145を通過する液体中の異物を除去することができるように充分細かくされている。
【0142】
環状空間145の接続部材141側には、フィルタ147Uとカートリッジ140の接続部材141側の端部との間を一定の間隔に保つためのフィルタ押さえ148が配されている。環状空間145内の液体は、フィルタ押さえ148に形成された貫通口を通過して自由に流れることができる。
カートリッジ140内には、カートリッジ140の長さ方向に沿って、排液管149a,149bが配設されている。排液管149a,149bは、銅管146を回避するように、フィルタ押さえ148により確保された空間を介して内管117a,117b内に導入されている。
【0143】
接続部材141には、循環分岐配管121a,121b、循環分岐配管119a,119b、および循環分岐配管122a,122bが接続されている。接続部材141の内部には、連通孔150,151,152が形成されている。循環分岐配管121a,121bは、連通孔150およびメッキ液導入口117Eを介して内管117a,117bに連通接続されている。循環分岐配管119a,119bは、連通孔151およびメッキ液排出口116Eを介して環状空間145に連通接続されている。循環分岐配管122a,122bは、連通孔152を介して排液管149a,149bに連通接続されている。
【0144】
接続部材141のメッキ液導入口117Eおよびメッキ液排出口116E側の端部の側面には、フランジ143が形成されている。接続部材141において、カートリッジ140に接続される側の端部の側面には、フランジ144が形成されている。フランジ143とフランジ144とは、環状の固定部材142により着脱容易に固定されている。固定部材142を外して、カートリッジ140を交換することが可能である。
【0145】
接続部材141のフランジ144側とは反対側の端部には、フランジ200が設けられている。
図14は、固定部材142の図解的な平面図である。
固定部材142は、2つの半円形部材142A,142Bにより、環状に構成されている。半円形部材142Aの一端と半円形部材142Bの一端とは、ヒンジ結合されている。半円形部材142Aの他端および半円形部材142Bの他端には、外方に突出した締め付け部142C,142Dがそれぞれ形成されており、この締め付け部142C,142Dをボルト142Eにより互いに近接するように締め付けたり、互いに離間するように緩めたりできるようになっている。ボルト142Eを締め付けて、締め付け部14Cと締め付け部142Dとを近接させると、フランジ143とフランジ144とが互いに押し付けられて、接続部材141はカートリッジ140に固定される(図13参照)。
【0146】
図15は、カートリッジ140の中心軸に垂直な方向の図解的な断面図である。
一例であるが、銅管146は、JIS 8A Lタイプのものを使用することができる。この場合、使用前(メッキ液に溶解され始める前)の銅管146の外径はおよそ9.52mmであり、その肉厚はおよそ0.76mmであり、その長さは、およそ300mmである。したがって、1本の銅管146の表面積は、およそ165cmである。1本の銅管146の使用前の重量は、56.4g程度である。
【0147】
外管116a,116bの内径dは、たとえば、120mm程度であり、内管117a,117bの外径dは、たとえば、30mm程度である。カートリッジ140の環状空間145がこのような寸法を有する場合、110本の銅管146により、1本のカートリッジ140の環状空間145をほぼ密に埋めることができる。この場合、使用前のこれらの銅管146の総重量は、たとえば、およそ6.2Kgであり、全表面積は18150cmである。
【0148】
メッキ液は、隣接した銅管146の間の空隙または銅管146の内部を通って、銅管146の内周面または外周面近傍を流れるので、銅管146は効率的にメッキ液に溶解される。また、カートリッジ140内でのメッキ液の流れの方向は、銅管146の長さ方向とほぼ平行であるので、銅管146による圧力損失は小さい。また、銅管146が溶解して肉厚が薄くなった場合、圧力損失は小さくなる。
【0149】
銅管146は、たとえば、純度が99.9%ないし99.9999%の高純度銅からなるものとすることができる。
図16、主成分管理部2における銅溶解タンク110a,110bの設置状態を示す図解的な側面図である。
主成分管理部2は、底板201および開閉自在の外装カバー202を含む筐体を備えており、銅溶解タンク110a,110bはこの筐体内に収容されている。底板201の所定の位置には重量計154a,154bを内蔵する設置ベース203が配置されており、銅溶解タンク110a,110bはこの設置ベース203の上に設置されている。
【0150】
底板201において、設置ベース203の側方からは、ほぼ鉛直方向に沿って延びる支柱204が立設されている。支柱204には、上下方向に配された2つの転倒防止リング205A,205Bが、支持棒206A,206Bを介して結合されている。転倒防止リング205A,205Bは、それぞれ2つの半円形部材を含んで環状に構成されている。2つの半円形部材はそれぞれの一端でヒンジ結合されており、それぞれの他端で結合およびその解除が可能である。すなわち、転倒防止リング205A,205Bは、2つの半円形部材の間を開閉自在である。
【0151】
これにより、転倒防止リング205A,205Bを、2つの高さ位置においてカートリッジ140を取り囲むように配置して、銅溶解タンク110a,110bの転倒を防止することができる。転倒防止リング205A,205Bは、主として地震対策として設けられている。
2つの半円形部材の間が閉じられた状態で、転倒防止リング205A,205Bの内径は、カートリッジ140の外径より大きい。このため、転倒防止リング205A,205Bは、カートリッジ140に非接触でカートリッジ140のまわりに配置できる。これにより、カートリッジ140は、転倒防止リング205A,205Bから力を加えられることはないので、重量計154a,154bにより、正確に銅溶解タンク110a,110bの重量を測定することができる。
【0152】
底板201の外装カバー202側の端部近傍の上面には、位置決め部材211が取り付けられている。位置決め部材211の外装カバー202側の面には、位置決め穴211hが形成されている。
循環分岐配管119a,119b,121a,121bは、接続部材141の近傍において、それぞれフレキシブルに変形可能なベローズ部119B,121Bを含んでいる。循環分岐配管119a,119b,121a,121bは、ベローズ部119B,121Bにおいて屈曲、伸縮して、循環分岐配管119a,119b,121a,121bに加えられた応力を解放することができる。循環分岐配管122a,122bは、循環分岐配管119a,119b,121a,121bと比べて径が細く、容易に変形することができる。
【0153】
したがって、循環分岐配管119a,119b,121a,121b,122a,122bを介して、重量計154a,154b上に設置された銅溶解タンク110a,110bに力が加えられることはほとんどない。このため、重量計154a,154bにより、正確に銅溶解タンク110a,110bの重量を測定することができ、システムコントローラ155の演算により、銅溶解タンク110a,110b内の銅管146の重量を求めることができる。
【0154】
図17は、主成分管理部2、微量成分管理部3、および後処理薬液供給部4の制御系統の構成を示すブロック図である。
主成分管理部2は、シリアル/パラレル変換器165および操作パネル166を備えている。ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155は、RS−485規格のシリアルポートを介してシリアル/パラレル変換器165とケーブル接続されており、RS−232C規格のシリアルポートを介して操作パネル166とケーブル接続されている。
【0155】
シリアル/パラレル変換器165には、電磁弁167やセンサ168(たとえば、定量確認センサ126,133、空確認センサ127,134、重量計154a,154b(図12参照))などがパラレル接続されている。電磁弁167は、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブAV1−1など(図12参照))を制御することができる。また、操作パネル166により、作業者は主成分管理部2に関する情報を入出力することができる。
【0156】
微量成分管理部3は、微量成分管理コントローラ169を備えており、ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155によらない制御もできるようになっている。微量成分管理コントローラ169とシステムコントローラ155とは、RS−232C規格のシリアルポートを介してケーブル接続されている。微量成分管理コントローラ169には、ディスプレイ170、キーボード171、ポテンショスタット(電源)172、シリンジポンプ173、シリアル/パラレル変換器174などが接続されている。ディスプレイ170およびキーボード171により、微量成分管理コントローラ169と作業者との間で、情報の入出力をできるようになっている。
【0157】
メッキ液中の微量成分の濃度を測定する際、シリンジポンプ173により、サンプリングされたメッキ液に指示薬等を滴下することができる。また、シリンジポンプ173により、補充すべき量の微量成分を計量することができる。
シリアル/パラレル変換器174には、パラレルケーブルを介して電磁弁175やセンサ176(たとえば、液面センサ)が接続されている。電磁弁175は、たとえば、エア弁からなるバルブを制御することができる。
【0158】
後処理薬液供給部4は、シリアル/パラレル変換器177を備えている。ウエハ処理部1に備えられたシステムコントローラ155は、RS−485規格のシリアルポートを介してシリアル/パラレル変換器177とケーブル接続されている。シリアル/パラレル変換器177には、パラレルケーブルを介して電磁弁178およびセンサ179などが接続されている。電磁弁178は、たとえば、エア弁からなるバルブ(たとえば、バルブ93V(図9参照),108V(図10参照))を制御することができる。
【0159】
以下、図12および図13を参照して、メッキ処理部12でメッキ処理を行うときの主成分管理部2の動作について説明する。
メッキ処理に先立って、システムコントローラ155により、いずれの銅溶解タンク110a,110bを使用するかが決定される。銅溶解タンク110a,110bは、内部の銅管146の重量が最も小さいものが使用され、他のものは予備(リザーブ)とされ使用されない。
【0160】
システムコントローラ155のメモリには、予め、各銅溶解タンク110a,110bの正味の重量およびこれらの内部にメッキ液等が満たされたときの重量のデータが入力されており、システムコントローラ155は、各重量計154a,154bの出力信号に基づいて、各銅溶解タンク110a,110b内の銅管146の重量を計算する。
その結果、たとえば、銅溶解タンク110a内の銅管146が、最も重量が小く、かつ、その重量が一定時間メッキ液に銅イオンを供給するのに充分な重量であると判断されたとする。この場合、システムコントローラ155は、メッキ処理部12と銅溶解タンク110aとの間でメッキ液を循環させる流路を形成するように制御する。具体的には、バルブAV1−2,AV1−5,AV3−2,AV3−1,AV2−1が開かれ、他のバルブは閉じられる。
【0161】
この状態で、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が作動される。これにより、メッキ液は、メッキ処理部12から銅溶解タンク110a内に送られ、銅溶解タンク110a内で銅管146の内表面および外表面近傍を通って、再びメッキ処理部12へと戻される。銅溶解タンク110a内では、メッキ液中の3価の鉄イオンが銅管146から電子を奪い取って2価の鉄イオンに還元される。電子を奪われた銅管146からは銅イオンがメッキ液中に溶出する。
【0162】
このようにして、メッキ処理中にウエハW下面で銅イオンが失われる一方で、銅管146から銅イオンが補われる。また、アノード電極76近傍で2価の鉄イオンが3価の鉄イオンに酸化される一方で、銅管146近傍で3価の鉄イオンが2価の鉄イオンに還元される。
メッキ液中の銅イオンならびに2価および3価の鉄イオンの濃度が、所定の濃度からずれると、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝の埋め込み性が悪くなり良好なメッキができなくなる。したがって、メッキ液中の銅イオンならびに2価および3価の鉄イオンの濃度を所定の値(所定の濃度範囲内)に保つ必要がある。すなわち、ウエハW下面で失われる銅イオンの量と、銅管146から溶出する銅イオンの量とがほぼ同じになるようにし、アノード電極76近傍で生じる2価の鉄イオンの量と、銅管146近傍で生じる3価の鉄イオンの量とがほぼ同じになるようにしなければならない。
【0163】
メッキによるメッキ液中の銅イオンの消費速度は、各メッキ処理ユニット20a〜20dの稼働状態によって決まる。また、銅溶解タンク110a内において、銅管146のメッキ液中への溶出速度は、メッキ液に接する銅管146の表面積、銅管146近傍を流れるメッキ液の流速、およびメッキ液中の鉄イオン濃度によって決まる。
銅管146の表面のうち、外周面および内周面が大部分を占める。銅管146は、溶解が進行すると、肉厚が薄くなり長さが短くなるが、長さの変化率は無視できるほど小さい。したがって、外周面および内周面の面積(銅管146の表面積)は、銅管146の溶解が進行しても、銅管146が完全に溶解する直前までほぼ一定とみなせる。また、銅管146近傍を流れるメッキ液の流速は、銅溶解タンク110aに流入するメッキ液の流量で代用することができる。
【0164】
このため、システムコントローラ155は、ポンプP5の送液量を、メッキ処理ユニット20a〜20dの稼働状態、および鉄イオン濃度を表す吸光度計66Bの出力信号に基づいて決定する。ポンプP5の送液量は、流量計123の出力信号がシステムコントローラ155にフィードバックされることにより、所定の流量になるように調整される。このような制御により、メッキ液に対する銅イオンの消費量と供給量とを収支させ、メッキ液中の銅イオンの濃度をほぼ一定に保つことができる。
【0165】
銅溶解タンク110a内の銅管146の溶解が極端に進行すると、銅管146の表面積は急激に小さくなり、メッキ液に対して一定の割合で銅イオンを供給するのが困難になる。そこで、このような事態を回避するため、銅溶解タンク110a内の銅管146の重量が、所定の重量(たとえば、所期の重量の80%ないし90%)になると、銅溶解タンク110aへのメッキ液の通液が停止され、銅溶解タンク110bメッキ液の通液が開始される。
【0166】
具体的には、以下のような手順により、システムコントローラ155は、重量計154aの信号に基づき、銅溶解タンク110a内の銅管146の重量が上記所定の重量以下になったと判定すると、バルブAV4−1,AV4−2を開き、バルブAV3−1,AV3−2を閉じるように制御する。これにより、メッキ液は、メッキ処理部12と銅溶解タンク110bとの間を循環するようになる。銅溶解タンク110bに充分な重量の銅管146が収容されていると、メッキ液に安定して銅イオンを供給することができる。
【0167】
銅溶解タンク110aのカートリッジ140は、所期の重量の銅管146が収容されたカートリッジ140に交換することが可能である。この場合、銅溶解タンク110b内に収容された銅管146が、上記所定の重量以下になると、再び、メッキ処理部12と銅溶解タンク110aとの間でメッキ液を循環させるようにして、メッキ液に安定して銅イオンを供給することができる。
このように、2つの銅溶解タンク110a,110bを主成分管理部2に接続して使用することにより、メッキ液に常時充分な量の銅イオンを供給することができる。これにより、ウエハW表面に形成された微細な孔または溝を埋めて良好に銅メッキすることができる。
【0168】
次に、メッキ処理部12でのメッキ処理が終了したときの主成分管理部2の動作について説明する。メッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理が行われていないとき、メッキ液収容槽55と銅溶解タンク110aまたは110bとの間でメッキ液を循環させると、メッキ液中の銅イオンの濃度は適正な濃度範囲を超えて上昇する。これは、メッキ液中の銅イオンが消費されないにもかかわらず、銅管146からメッキ液に銅イオンが供給されるからである。
【0169】
また、メッキ液の循環を停止すると、銅溶解タンク110a,110b内の銅管146の表面が不可逆的に変質し、再度、メッキ液を循環させてメッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理を行ったとき、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝を良好に埋めてメッキできなくなる。
そこで、メッキ処理部12でのメッキ処理が終了したときは、銅溶解タンク110a,110b内のメッキ液を置換液に置換し、メッキ液の銅イオン濃度の上昇および銅管146表面の変質を防ぐようにされる。以下、置換する対象を銅溶解タンク110aとする。
【0170】
上述の銅管146表面の変質は、数時間以内に起こる場合がある。一方、メッキ処理部12で一旦メッキ処理を終了した場合でも、生産計画の変更等により、すぐにメッキ処理を再開する場合がある。この場合、銅溶解タンク110a内のメッキ液が置換液に置換されていると、再び銅溶解タンク110a内をメッキ液に置換しなければならず、生産性が低下する。このため、銅溶解タンク110a内のメッキ液は、メッキ処理部12におけるメッキ処理が終了してから、たとえば、2〜3時間の待機時間が経過した後に、置換液に置換される。
【0171】
メッキ処理部12でメッキ処理が終了した後、すぐにメッキ処理を再開する可能性が低い場合などは、メッキ処理が終了した直後に、銅溶解タンク110a内のメッキ液を置換液に置換することとしてもよい。
先ず、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が停止され、主成分管理部2のすべてのバルブが閉じられる。続いて、システムコントローラ155により加圧/減圧部164が制御されて、バッファ槽111内に給気される。これによりバッファ槽111内は加圧される。次に、システムコントローラ155の制御により、バルブAV2−2,AV3−1,AV3−2,AV1−5,AV1−2が開かれる。これにより、バッファ槽111内の加圧された空気が、メッキ液排出口116E側から環状空間145内に導入されて、銅溶解タンク110a内のメッキ液が、メッキ液導入口117Eから押し出され、メッキ処理部12のメッキ液収容槽55内に送られる。
【0172】
システムコントローラ155は、重量計154aの出力信号に基づき、銅溶解タンク110a内のメッキ液の重量を算出し、銅溶解タンク110a内にメッキ液がほぼなくなったと判断されるまで、上記の状態を維持するように制御する。銅溶解タンク110a内にメッキ液がほぼなくなったと判断されると、システムコントローラ155は、バルブAV3−3を一定時間開くように制御する。これにより、銅溶解タンク110aの底部に残っていたメッキ液のほぼ全量が、排液管149aを介して押し出される。
【0173】
次に、システムコントローラ155の制御により、バルブAV7−1が開かれて、バッファ槽111内に純水が導入される。バッファ槽111内の液面が上昇し、定量確認センサ126の出力信号により、バッファ槽111内の純水の液面が所定の高さ位置に達したと判断されると、システムコントローラ155の制御により、バルブAV7−1が閉じられる。これにより、バッファ槽111内に所定量の純水が収容された状態となる。
【0174】
続いて、システムコントローラ155の制御により、三方バルブAV8−1,AV8−2,AV8−3を除く主成分管理部2のすべてのバルブが閉じられ、加圧/減圧部164がバッファ槽111内を排気するようにされる。これにより、バッファ槽111内は減圧状態となる。続いて、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−1,AV6−3が開かれる。これにより、計量カップ129内も減圧状態となり、置換原液タンク128内の置換原液が、置換原液移送管130を介して計量カップ129内へと吸い上げられる。
【0175】
この間、システムコントローラ155により、定量確認センサ133の出力信号がモニタされて、計量カップ129内の置換原液の液面が所定の高さ以上になったか否かが判断される。置換原液の液面が所定の高さ以上になったと判断されると、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−3,AV6−1が閉じられる。以上の操作により、所定量の置換原液が計量カップ129内に採取される。
【0176】
そして、システムコントローラ155の制御により、バルブAV6−2,AV6−4が開かれる。これにより、計量カップ129内は大気圧にされるので、計量カップ129内の置換原液は、置換原液移送管131および置換原液供給配管124を介して、より圧力の低いバッファ槽111内へと移送され、バッファ槽111内の純水と混合される。システムコントローラ155により、空確認センサ134に出力信号に基づいて、計量カップ129内が空であると判断されると、バルブAV6−2,AV6−4が閉じるように制御される。
【0177】
以上の操作により、バッファ槽111内に所定の組成および濃度の置換液(たとえば、10%硫酸水溶液)が得られる。
続いて、システムコントローラ155によりバルブAV8−3が制御され、バッファ槽111と大気とが流通するようにされる。これにより、バッファ槽111内は大気圧になる。その後、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−1,AV1−5,AV3−2,AV3−1,AV2−2が開かれ、ポンプP5が作動される。この際、ポンプP5は、所定の時間のみ作動されるか、または、重量計154aの出力信号に基づき、銅溶解タンク110a内が置換液で満たされたと判断されるまで作動される。
【0178】
その後、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が停止され、主成分管理部2内のすべてのバルブが閉じられる。そして、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−1,AV1−4が開かれて、バッファ槽111内に残った置換液が排出される。以上の操作により、銅溶解タンク110a内のメッキ液が置換液に置換される。
これにより、メッキ液中の銅イオン濃度は上昇することはない。また、銅管146の表面が変質することもないので、メッキ処理部12と銅溶解タンク110a(110b)との間で、再度メッキ液を循環させてメッキ処理ユニット20a〜20dでメッキを行う際は、ウエハW表面に形成された微細な孔や溝を埋めて良好にメッキできる。硫酸はメッキ液の支持電解質であるので、置換液が硫酸水溶液である場合、多少の置換液がメッキ液に混入しても悪影響を及ぼさない。
【0179】
上述の置換液への置換操作において、銅溶解タンク110a内のメッキ液を抜き取った後、置換液を導入する前に、銅溶解タンク110aに対して純水を導入および排出するようにしてもよい。これにより銅溶解タンク110a内は純水で洗浄されるので、置換液に混入するメッキ液の量を少なくできる。銅溶解タンク110a内に純水を導入するには、純水供給源からバッファ槽111内に純水のみ導入して(純水導入の後、置換原液を導入せず)、置換液を銅溶解タンク110a内に導入するときと同様の操作を行えばよい。
【0180】
以上のように、一旦使用された後使用が中断された銅管146が収容された銅溶解タンク110a,110bには、置換液が満たされている。また、未使用の銅管146が収容された銅溶解タンク110a,110bには、銅管146表面の酸化を防止するための酸化防止液(たとえば、希硫酸や純水など)が満たされている。したがって、このような置換液または酸化防止液が満たされた銅溶解タンク110a,110bを使用する際は、メッキ液の導入に先立って、銅溶解タンク110a,110b内の置換液または酸化防止液を抜き出す必要がある。
【0181】
置換液または酸化防止液は、銅溶解タンク110a,110b内のメッキ液を置換液で置換する際にメッキ液を抜き出すときと同様の手順に従い、銅溶解タンク110a,110bから抜き出すことができる。ただし、この操作が行われるときは、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−2が閉じられバルブAV1−4が開かれて、抜き出された置換液または酸化防止液は排出される。
【0182】
次に、メッキ処理時にメッキ液を循環させる対象を銅溶解タンク110aから銅溶解タンク110bに切り換える手順について、より詳細に説明する。
上述のように、メッキ処理ユニット20a〜20dでメッキ処理が行われているときは、システムコントローラ155により、重量計154aの出力信号がモニタされ、各銅溶解タンク110a内の銅管146の重量が算出されている。これにより、いずれかの銅溶解タンク110a内の銅管146が、上記所定の重量以下になったと判断されると、システムコントローラ155の制御により、ディスプレイ156にその旨の表示がされるとともに、警報音発生装置158(図11参照)が制御されて警報音が発せられる。
【0183】
そして、自動で、または、作業者がキーボード157またはポインティングデバイス156pを介してシステムコントローラ155に指示を与えることにより、システムコントローラ155はポンプP5を停止するように制御する。これにより、メッキ液の循環は停止される。そして、システムコントローラ155の制御により、銅溶解タンク110a内を置換液で置換するときと同様の操作により、銅溶解タンク110aからメッキ液が抜き出され、さらに、純水が銅溶解タンク110a内に導入された後抜き出される。これにより、銅溶解タンク110a内は洗浄され、銅溶解タンク110a内には液体がほとんど存在しない状態となる。
【0184】
次に、使用可能な他の1本の銅溶解タンク110bが選択される。そして、システムコントローラ155の制御により、メッキ液を抜き出すときと同様の手順に従い、銅溶解タンク110b内の置換液または酸化防止液が抜き出される。ただし、この操作が行われるときは、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−2が閉じられバルブAV1−4が開かれて、抜き出された置換液は排出される。
【0185】
続いて、システムコントローラ155の制御により、バルブAV1−2,AV1−5,AV4−2,AV4−1,AV2−1が開かれ、他のバルブは閉じられる。この状態で、システムコントローラ155の制御により、ポンプP5が作動される。これにより、銅溶解タンク110bとメッキ処理部12のメッキ液収容槽55との間でメッキ液が循環される。
以上の操作において、メッキ液の循環が停止されてから再び循環が開始されるまでの間は、メッキ液に銅イオンが供給されない。しかし、メッキ液収容槽55(図6参照)は大量のメッキ液を収容できるので、この間にウエハWに対するメッキ処理を続行しても、メッキ液中の銅イオン濃度や2価の鉄イオンと3価の鉄イオンとの割合は急激には変わらず、メッキによる銅膜の特性はほとんど変わらない。ただし、メッキ液収容槽55とメッキカップ56a〜56dとの間のメッキ液の循環は、継続されるものとする。
【0186】
次に、銅溶解タンク110aのカートリッジ140を交換する手順を説明する。銅溶解タンク110bを交換する手順も同様である。
カートリッジ140の交換作業は、メッキ処理部12でメッキ処理が行われているか否かに関わらず行うことができる。メッキ処理部12でメッキ処理が行われているときに、カートリッジ140の交換を行う場合は、安全のため、メッキ液の循環を停止する。このため、作業者は、キーボード157またはポインティングデバイス156pを介して、システムコントローラ155にメッキ液の循環を停止するように指示を与える(図11参照)。これに応答して、システムコントローラ155は、ポンプP5を停止するように制御する。これにより、メッキ処理部12とすべての銅溶解タンク110a,110bとの間のメッキ液の循環は停止される。
【0187】
図18は、カートリッジ140およびそれを運搬するための台車220の図解的な側面図である。図16および図18を参照して、メッキ液の循環が停止された後、作業者は、外装カバー202を外して、銅溶解タンク110aのカートリッジ140の交換作業を行う。先ず、銅溶解タンク110aの固定部材142を外す。上述のように、銅溶解タンク110aのカートリッジ140内の銅管146の重量が所定の重量以下になった場合、銅溶解タンク110a内のメッキ液は自動的に抜き出され、内部が純水で洗浄された後、内部に液体がほとんど存在しない状態にされる。
【0188】
この際、循環分岐配管119a,119b,121a,121b,122a,122b内にも液体がほとんど存在しない状態にされるので、固定部材142を外して、カートリッジ140と接続部材141とを分離させても、連通孔150,151,152からメッキ液などの液体が流出することはない。もしも、銅溶解タンク110aや接続部材141から内部の残液が流れ出した場合でも、この残液中のメッキ液成分は希薄であり、周囲、たとえば、主成分管理部2の内部や主成分管理部2が配置されているクリーンルームの床FLなどの汚染は、最小限である。
【0189】
設置ベース203上に設置された銅溶解タンク110aの側方には、鉛直方向に延びる支柱207が配設されている。この支柱207には、支柱207に沿って自由にスライド移動可能な短管状のスライド部材208が嵌められている。スライド部材208は、ねじ210により支柱207の任意の位置に固定することができるようになっている。
スライド部材208には、ほぼ水平に延びる保持アーム209が設けられている。保持アーム209を、接続部材141のフランジ200の下方に差し込んで、接続部材141を持ち上げることが可能である。このように保持アーム209で接続部材141を持ち上げた状態で、ねじ210でスライド部材208を支柱207の適当な位置に固定することにより、接続部材141が適当な高さに持ち上げられた状態を維持することができる。循環分岐配管119a,119b,121a,121b,122a,122bが容易に変形することにより、接続部材141を容易に移動させることができる。
【0190】
その後、カートリッジ140の接続部材141が取り付けられていた側の端部に、仮蓋230を取り付ける。仮蓋230は、カートリッジ140のフランジ143の外径にほぼ等しい外径を有する円板であり、固定部材142によりフランジ143に密接させて固定することができる。これにより、カートリッジ140を密閉することができ、カートリッジ140内の残液が飛散して周囲が汚染されるおそれがなくなる。
【0191】
必要により、接続部材141のカートリッジ140が接続されていた側の端部にも仮蓋230と同様の仮蓋を取り付け、連通孔150,151,152を塞ぐようにしてもよい。
次に、転倒防止リング205A,205B(図18では図示を省略)を外し、接続部材141が外されたカートリッジ140を台車220により主成分管理部2から運び出す。この作業に用いる台車220は、平板状のベース221、ベース221の下面に取り付けられた4つの車輪222、作業者が台車220を押すための取っ手223、カートリッジ140を持ち上げるための支持アーム224、および支持アーム224を昇降させるためのリフタ225を備えている。
【0192】
リフタ225は、いわゆるボールねじジャッキであり、ベース221とほぼ平行に台車220の進行方向に沿って配設されたボールねじ226と、ベース221と支持アーム224との間に互いに斜交いに渡された2本の支持部材227A,227Bとを含んでいる。ボールねじ226の一端は、支持部材227Aの一部に、ボールねじ226の軸のまわりに回転自在に固定されている。ボールねじ226の他端は、台車の進行方法後側に突出しており、この突出部にはハンドル228が取り付けられている。ハンドル228を回すことにより、ボールねじ226をその軸のまわりに回転させることができる。
【0193】
また、ボールねじ226の中間部は、支持部材227Bに固定された図示しないナットと螺合している。ハンドル228を回すことにより、支持部材227Bに設けられたナットのボールねじ226に対する螺合位置が変化する。これに伴って、支持部材227Aと支持部材227Bとがなす角度が変化し、その結果、ベース221に対して支持アーム224が昇降される。
ベース221において、台車220の進行方向前側には、位置決め突起229pを有する位置決め部材229が取り付けられている。底板201の位置決め部材211に形成された位置決め穴211hと位置決め突起229pとは床FLからの高さがほぼ同じであり、台車220を移動させて、位置決め突起229pを位置決め穴211hに嵌めることができる。
【0194】
リフタ225により、支持アーム224が適当な高さに下げられているとき、台車220を動かして位置決め突起229pを位置決め穴211hに嵌めるようにすると、支持アーム224がカートリッジ140に設けられたフランジ140Fの下方に差し込まれる。すなわち、位置決め部材211,229により、カートリッジ140を持ち上げるのに最適な位置に支持アーム224を案内することができる。
【0195】
図19は、支持アーム224およびカートリッジ140の図解的な平面図である。図19では、フランジ143、仮蓋230、および固定部材142は図示を省略している。
支持アーム224の先端には、2本のハンド224a,224bが設けられている。ハンド224aとハンド224bとの間には、カートリッジ140本体外周部の半径にほぼ等しい曲率半径の縁部を有する凹所224cが形成されている。支持アーム224の上面には、凹所224cと同心円弧状の段差が設けられている。この段差内の領域224dは外部に対して低くなっており、座ぐりを形成している。領域224dの径は、フランジ140Fの外径よりわずかに大きくされている。
【0196】
位置決め部材229の位置決め突起229pを、位置決め突起211の位置決め穴211h内に完全に挿入したとき、カートリッジ140本体の外周面は、ほぼ半周に渡って支持アーム224の凹所224c部に内接するようになっている。
この状態で、ハンドル228を回して、リフタ225により支持アーム224を上昇させると、支持アーム224によりフランジ140Fを下方から支持して、カートリッジ140を持ち上げることができる。このとき、フランジ140Fは、支持アーム224の領域224dで支持される。これにより、フランジ140Fの支持アーム224に対する水平方向の動きが規制されて、カートリッジ140が支持アーム224から脱落することが防止される。
【0197】
図18を参照して、カートリッジ140が持ち上げられると、台車220を適当な距離だけ後退させた後、台車220を前進させてカートリッジ140を所望の場所まで運搬することができる。
その後、未使用(内部に所期の重量の銅管146が収容された)カートリッジ140を設置ベース203上に設置する。未使用カートリッジ140は、内部に酸化防止液が満たされ、固定部材142により仮蓋230で密閉されている。このため、カートリッジ140内の酸化防止液が運搬中にこぼれることはない。
【0198】
先ず、未使用カートリッジ140を、支持アーム224で持ち上げた状態で、台車220により主成分管理部2内に運び入れる。この際、フランジ140Fが領域224dで支持された状態にされる。これにより、カートリッジ140が支持アーム224から脱落することはない。そして、台車220を移動させて、位置決め部材211の位置決め穴211hに、位置決め部材229の位置決め突起229pを完全に挿入するようにする。これにより、支持アーム224に支持されたカートリッジ140は、設置ベース203上の所定の位置の上方に位置することになる。
【0199】
続いて、ハンドル228を回して、リフタ225により支持アーム224を静かに下降させる。これにより、カートリッジ140は設置ベース203上の所定の位置に設置される。この位置で、重量計154aによりカートリッジ140の重量を正確に測定することができ、また、カートリッジ140に接続部材141を無理なく取り付けることができる。
次に、台車220を後退させ、支持アーム224を主成分管理部2から退避させ、固定部材142を外してカートリッジ140から仮蓋230を取り外す。続いて、接続部材141を保持アーム209から外して、固定部材142によりカートリッジ140に接続する。この際、カートリッジ140内には酸化防止液が満たされているので、カートリッジ140内の銅管146が大気に曝されることはない。したがって、銅管146を酸化させることなく、カートリッジ140を主成分管理部2に取り付けることができる。
【0200】
さらに、転倒防止リング205A,205Bを、カートリッジ140を取り囲むように配置し、外装カバー202を取り付ける。これで、カートリッジ140の交換が終了する。
以上のような方法により、カートリッジ140の交換により、基板処理装置10(メッキ装置)で用いられるメッキ液に、銅供給源である銅管146を補充することができる。この際、作業者は直接メッキ液に触れることなく、安全かつ容易に銅管146を補充することができ、メッキ液等により周囲(クリーンルームや基板処理装置10内)を汚すこともない。また、作業者は、重量物であるカートリッジ140(特に、所期の重量の銅管146が収容されたカートリッジ140)を直接持ち上げる必要はなく、リフタ220により、カートリッジ140の主成分管理部2からの取り運び出し、設置ベース201(重量計154a,154b)上への設置、運搬、交換などの取り扱いを容易に行うことができる。
【0201】
カートリッジ140の交換作業が終了すると、作業者は、その旨の情報を、ディスプレイ156またはポインティングデバイス156pを介して、システムコントローラ155に与える。メッキ処理部12でメッキ処理が行われている場合は、これに応答して、システムコントローラ155はポンプP5を作動させるように制御する。これにより、メッキ処理部12と銅溶解タンク110bとの間で、メッキ液の循環が再開される。
【0202】
この場合、メッキ液の循環が停止されてから再び循環が開始されるまでの間は、メッキ液に銅イオンが供給されない。しかし、メッキ液収容槽55(図6参照)は大量のメッキ液を収容できるので、この間にウエハWに対するメッキ処理を続行しても、メッキ液中の銅イオン濃度や2価の鉄イオンと3価の鉄イオンとの割合は急激には変わらず、メッキによる銅膜の特性はほとんど変わらない。ただし、メッキ液収容槽55とメッキカップ56a〜56dとの間のメッキ液の循環は、継続されるものとする。
【0203】
このように、カートリッジ140交換のためにメッキ液の循環を停止している間も、メッキ処理ユニット20a〜20dにおいてメッキ処理を行うことができるので、生産性を高くすることができる。
溶解性アノードを用いたメッキでは、メッキ処理に先立って、アノードの表面にブラックフィルムを形成する必要があるが、不溶性のアノード電極76を用いたメッキではこのような操作は不要であり、カートリッジ140交換後のウォーミングアップも不要である。
【0204】
内部の銅管146が所定の重量以下になって主成分管理部2から取り外されたカートリッジ140は、内部の銅管146を取り出し、所期の重量の銅管146および酸化防止液を導入して、再び主成分管理部2に取り付けて使用することが可能である。すなわち、通いのカートリッジ140により主成分管理部2に銅管146を補充することができる。この際の、手順は以下の通りである。
先ず、カートリッジ140内を空にし、必要により内部を洗浄する。そして、このカートリッジ140に収容する銅管146の表面(内面を含む)を希硫酸などで洗浄して表面の酸化膜を除去する。このようにして表面が清浄にされた銅管146を、メッキ液導入口117Eから環状空間145内に収容する。続いて、カートリッジ140内を酸化防止液で満たし、カートリッジ140のメッキ液導入口117Eおよびメッキ液排出口116E側の端部に、仮蓋230を取り付けてカートリッジ140を密閉(気密に)する。以上の操作において、フィルタ147L,147Uも合わせて交換することとしてもよい。
【0205】
無論、カートリッジ140を使い捨てとし、メッキ処理に使用されたことのないカートリッジ140に所期の重量の銅管146および酸化防止液を収容して、主成分管理部2で使用することとしてもよい。
カートリッジ140に、所期の重量の銅管146を収容する操作は、基板処理装置10が設置されたクリーンルームとは別の場所で行うことができる。すなわち、クリーンルーム内で銅管146を直接取り扱う必要がないので、クリーンルーム内を汚さないようにすることができる。
【0206】
このように、銅管146が収容されたカートリッジ140内を、酸化防止液で満たされた状態とすることにより、銅管146を酸化させることなく、輸送、保管等することができる。
本発明に係る一実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は他の形態でも実施できる。たとえば、カートリッジ140には、被支持部として、フランジ140Fの代わりにカートリッジ140の中心軸に対して互いに反対方向に延びた2本の棒状の突起が設けられていてもよい。カートリッジ140の外形は、たとえば、直方体等であってもよい。台車220のリフタ225は、油圧式や電動式のものであってもよい。
【0207】
銅溶解タンク110a,110bは、内部の銅管146が完全に溶解してなくなってから、所期の重量の銅管146が収容された銅溶解タンク110a,110bと交換することとしてもよい。
銅管146の代わりに、平板状、メッシュ状、ひも状、ウール状(線材が構造維持が可能なように3次元的に絡み合ったもの)、つるまきバネ状、渦巻状(蚊取り線香状)などの形状の銅を銅供給源として用いることも可能である。
【0208】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ウエハ処理部の図解的な平面図である。
【図3】ウエハ処理部のエンクロージャの構造を示す図解的な斜視図である。
【図4】ロボット本体の構造を説明するための図である。
【図5】カセットが取り付けられたカセットステージの図解的な平面図および側面図である。
【図6】メッキ処理部の構成を示す図解的な正面図である。
【図7】サンプルメッキ液の銅濃度と測定された吸光度との関係を示す図である。
【図8】メッキ処理ユニットの構造を示す図解的な断面図である。
【図9】ベベルエッチングユニットの構成を示す図解的な断面図である。
【図10】洗浄ユニットの構成を示す図解的な断面図である。
【図11】ウエハ処理部の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図12】主成分管理部の構成を示す図解図である。
【図13】銅溶解タンクの構造を示す図解的な断面図である。
【図14】固定部材の図解的な平面図である。
【図15】銅カートリッジの図解的な断面である。
【図16】主成分管理部における銅溶解タンクの設置状態を示す図解的な側面図である。
【図17】主成分管理部、微量成分管理部、および後処理薬液供給部の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図18】カートリッジを交換する手順を説明するための図解的な側面図である。
【図19】支持アームおよびカートリッジの図解的な平面図である。
【符号の説明】
10 基板処理装置
12 メッキ処理部
20a,20b,20c,20d メッキ処理ユニット
55 メッキ液収容槽
76 アノード電極
110a,110b 銅溶解タンク
116E メッキ液排出口
117E メッキ液導入口
140 カートリッジ
140F フランジ
146 銅管
154a,154b 重量計
155 システムコントローラ
220 台車
221,229 位置決め部材
211h 位置決め穴
229p 位置決め突起
224 支持アーム
225 リフタ
230 仮蓋
P1,P2,P3,P4,P5 ポンプ
P12a,P12b メッキ液移送管
W ウエハ

Claims (18)

  1. メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能で、支持アームで支持するための被支持部が外側面に設けられており、不溶性アノードを有して銅メッキを施すためのメッキ装置に着脱自在なカートリッジの取り扱い方法であって、
    上記メッキ装置から取り外された上記カートリッジの上記被支持部の下方に、上記支持アームを配置する支持アーム配置工程と、
    この支持アーム配置工程の後、上記支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記カートリッジを保持する保持工程と、
    この保持工程の後、上記支持アームを移動させて、上記メッキ装置から上記カートリッジを運び出す搬出工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法。
  2. 上記保持の前に、上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のカートリッジ取り扱い方法。
  3. 上記保持工程が、上記支持アームを上昇させて上記カートリッジを持ち上げる持ち上げ工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載のカートリッジ取り扱い方法。
  4. 上記支持アームは、上記支持アームを昇降するリフタが備えられた台車に設けられており、
    上記持ち上げ工程は、上記リフタにより上記支持アームを上昇させる工程を含み、
    上記支持アーム配置工程は、上記台車を上記メッキ装置に向かって移動させる工程を含み、
    上記搬出工程は、上記台車を上記メッキ装置から離すように移動させる工程を含むことを特徴とする請求項3記載のカートリッジ取り扱い方法。
  5. メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能で、支持アームで支持するための被支持部が外側面に設けられており、不溶性アノードを有して銅メッキを施すためのメッキ装置に着脱自在なカートリッジの取り扱い方法であって、
    上記支持アームで下方から上記被支持部が支持されて保持された上記カートリッジを、上記支持アームを移動させてメッキ装置内に運び入れる搬入工程と、
    この搬入工程の後、上記カートリッジを上記メッキ装置内に設置する設置工程と、
    この設置工程の後、上記支持アームを上記メッキ装置から退避させる退避工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法。
  6. 上記設置工程の前に、上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする請求項5記載のカートリッジ取り扱い方法。
  7. 上記設置工程が、上記支持アームを下降させるアーム下降工程を含むことを特徴とする請求項5または6記載のカートリッジ取り扱い方法。
  8. 上記支持アームは、上記支持アームを昇降するリフタが備えられた台車に設けられており、
    上記アーム下降工程は、上記リフタにより上記支持アームを下降させる工程を含み、
    上記搬入工程は、上記台車を上記メッキ装置に向かって移動させる工程を含み、
    上記退避工程は、上記台車を上記メッキ装置から離すように移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のカートリッジ取り扱い方法。
  9. メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能で、第1または第2支持アームで支持するための被支持部が外側面に設けられており、メッキ装置に着脱自在な第1および第2カートリッジの取り扱い方法であって、
    上記メッキ装置から取り外された上記第1カートリッジの上記被支持部の下方に、上記第1支持アームを配置する支持アーム配置工程と、
    この支持アーム配置工程の後、上記第1支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記第1カートリッジを保持する保持工程と、
    この保持工程の後、上記第1支持アームを移動させて、上記メッキ装置から上記第1カートリッジを運び出す搬出工程と、
    この搬出工程の後、上記第2支持アームで下方から上記被支持部が支持されて保持された上記第2カートリッジを、上記第2支持アームを移動させて上記メッキ装置内に運び入れる搬入工程と、
    この搬入工程の後、上記第2カートリッジを上記メッキ装置内に設置する設置工程と、
    この設置工程の後、上記第2支持アームを上記メッキ装置から退避させる工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法。
  10. 上記保持工程が、上記支持アームを上昇させて上記カートリッジを持ち上げる工程を含むことを特徴とする請求項9記載のカートリッジ取り扱い方法。
  11. 上記設置工程が、上記支持アームを下降させる工程を含むことを特徴とする請求項9または10記載のカートリッジ取り扱い方法。
  12. メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能で、支持アームで支持するための被支持部が外側面に設けられており、メッキ装置との間でメッキ液を循環させるための開口が形成されたカートリッジの取り扱い方法であって、
    上記開口を塞ぐように仮蓋を取り付け、上記カートリッジを密閉する密閉工程と、
    この密閉工程の後、上記支持アームにより上記被支持部を下方から支持して上記カートリッジを保持する保持工程と、
    この保持工程の後、上記支持アームを移動させて上記カートリッジを運搬する工程とを含むことを特徴とするカートリッジ取り扱い方法。
  13. 上記保持工程が、上記支持アームを上昇させて上記カートリッジを持ち上げる工程を含むことを特徴とする請求項12記載のカートリッジ取り扱い方法。
  14. メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を取り扱う方法であって、
    メッキ装置に取り付け可能なカートリッジ内に、表面の酸化膜が除去された上記銅供給源を収容する工程と、
    上記カートリッジ内に上記銅供給源の酸化を防止するための酸化防止液を導入する工程と、
    上記表面の酸化膜が除去された銅供給源および上記酸化防止液が収容された上記カートリッジを密閉状態にする工程と、
    上記密閉状態の上記カートリッジを運搬する工程とを含むことを特徴とする銅供給源取り扱い方法。
  15. メッキ装置に着脱自在な第1および第2カートリッジに収容されてメッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を取り扱う方法であって、
    上記メッキ装置から上記第1カートリッジを取り外す工程と、
    上記メッキ装置に上記第2カートリッジを取り付ける工程とを含むことを特徴とする銅供給源取り扱い方法。
  16. 支持アームで支持するための被支持部が外側面に設けられており、
    メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能で、不溶性アノードを有して銅メッキを施すためのメッキ装置に着脱自在なカートリッジ。
  17. 不溶性アノードを有し、酸化還元剤および銅イオンを含むメッキ液を用いて処理対象物に銅メッキを施すためのメッキ処理部を有するメッキ装置であって、
    このメッキ装置に対して着脱自在で、上記メッキ処理部との間でメッキ液を通液可能で、メッキ液に銅イオンを供給するための銅供給源を内部に収容可能なカートリッジと、
    上記カートリッジを搬入および搬出するための搬入/搬出手段を、上記メッキ装置に対して位置合わせするための位置決め手段とを備えたことを特徴とするメッキ装置。
  18. 酸化還元剤および銅イオンを含むメッキ液を用いて処理対象物にメッキするメッキ装置に着脱可能で、内部に上記メッキ装置で用いるメッキ液に銅イオンを供給する銅供給源を収容可能なカートリッジを支持するための支持アームと、
    この支持アームを昇降するためのリフタと、
    上記支持アームを上記メッキ装置に対して位置決めする位置決め手段とを備えた台車。
JP2002318950A 2002-10-31 2002-10-31 メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車 Pending JP2004149894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002318950A JP2004149894A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002318950A JP2004149894A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004149894A true JP2004149894A (ja) 2004-05-27

Family

ID=32461951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002318950A Pending JP2004149894A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004149894A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9728435B2 (en) 2010-10-21 2017-08-08 Ebara Corporation Plating apparatus and plating method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9728435B2 (en) 2010-10-21 2017-08-08 Ebara Corporation Plating apparatus and plating method
US9984910B2 (en) 2010-10-21 2018-05-29 Ebara Corporation Plating apparatus and plating method
US9991145B2 (en) 2010-10-21 2018-06-05 Ebara Corporation Plating apparatus and plating method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3819840B2 (ja) メッキ装置およびメッキ方法
JP4303484B2 (ja) メッキ装置
JP3860111B2 (ja) メッキ装置およびメッキ方法
JP4015531B2 (ja) メッキ装置およびメッキ方法
TW564265B (en) Plating device and method
TW200800421A (en) Substrate cleaning apparatus, substrate cleaning method, substrate processing system, and recording medium
JP6936420B1 (ja) めっき装置及びめっき処理方法
TW201502315A (zh) 濕式處理裝置及鍍覆裝置
JPH10270530A (ja) 基板搬送処理装置
JP4195713B2 (ja) メッキ装置
TWI438308B (zh) 電化學電鍍裝置中的去鍍觸點
CN101657886A (zh) 晶片无电镀覆系统和相关方法
JP2004149894A (ja) メッキ装置、それに用いるカートリッジ、メッキ装置に用いる銅供給源およびカートリッジの取り扱い方法、ならびにそれらの方法に用いる台車
JP4213728B2 (ja) メッキ装置に用いるカートリッジ
CN108269750A (zh) 基板处理装置、使用其测量排出量的方法和基板处理方法
JP4295032B2 (ja) めっき装置
TW201246574A (en) Dye adsorption apparatus and dye adsorption method
JP4731377B2 (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2002134588A (ja) 基板搬送処理装置
JP5911682B2 (ja) 槽キャリア及び基板処理装置
JP2008196055A (ja) メッキ装置
JP2005133139A (ja) 被製版ロールの硫酸銅メッキ方法及び装置
JPH04190548A (ja) イオンビーム加工装置および該装置の試料交換方法
JP2007251026A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラム
JPH0222499A (ja) メッキ装置