JP2006213243A - 補助電動機能付運搬車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有し、このハンドルを操作することにより駆動輪を駆動する補助電動機能付運搬車の走行を、様々な使用環境に適応した設定で円滑に行うことで、使用者に快適な操作感を与えることができる補助電動機能付運搬車を提供することを目的とする。
【解決手段】補助電動機能付配膳車1を停止状態から走行させる場合に、ハンドル11を回動すると、発進走行処理(S42)を行い、円滑な発進を行う。そして、CPU30は、エンコーダ28aからの取得される現在速度が属する速度域を判断し、速度域に応じた加速係数に基づいて、補助電動機能付配膳車1の加速走行を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有し、このハンドルを操作することにより駆動輪を駆動する補助電動機能付運搬車に関し、特に、補助電動機能付運搬車の走行制御に関するものである。
従来、病院や特別養護老人ホーム等においては、多人数に食事を配膳するため、配膳車が大型化し、非常に重量のあるものとなっていた。これに伴い、現在では、このような大型の配膳車には、補助電動機能が付加されている。この補助電動機能は、モータを搭載して駆動輪と連結し、ハンドルを持って使用者の手により、配膳車を引き又は押し操作する際に機能する。具体的には、ハンドルの操作に伴い駆動輪をモータで駆動し、配膳車を自走させることにより、使用者の走行操作を助勢するものである。
このような配膳車等の補助電動機能付運搬車に関する発明として、特許文献1に記載されているものがある。この特許文献1には、運搬車本体に配設された回動自在なハンドルの操作し、ハンドルの回動量に基づいて、運搬車の走行を「低速前進」、「高速前進」、「待機状態」、「後退」の4パターンに制御するものである。
また、同様に、特許文献2にもハンドルの回動量に応じて、「低速前進」、「高速前進」、「待機状態」、「後退」の4パターンに走行制御する運搬車が記載されている。尚、この特許文献2に記載された運搬車においては、ハンドル部分にタッチセンサが配設されており、このタッチセンサにより、使用者の手が離れたことを検知すると、運搬車の走行を停止する旨記載されている。
特開平9−294638号公報 特開2002−308105号公報
上述した特許文献1及び特許文献2に記載の運搬車では、ハンドルの回動量に応じて、「低速前進」、「高速前進」、「待機状態」、「後退」の4パターンに走行制御がなされるので、運搬車の走行には、これら4パターンの走行パターンを駆使することにより、運搬車の操作性は向上している。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された運搬車においては、どちらも、ハンドルの回動に基づく、スイッチのオン・オフにより、「低速前進」、「高速前進」、「待機状態」、「後退」の4パターンを切り換えている。即ち、スイッチのオン・オフにより、運搬車の走行が急変化することになる。
例えば、使用者がハンドルを回動し、運搬車を「低速前進」させていた場合に、ハンドルが「低速前進」と、「高速前進」との境界付近にあると、「低速前進」と、「高速前進」が頻繁に切り替わり、運搬車の走行がギクシャクしたものとなってしまう。これにより、運搬対象物の運搬を円滑に行うことができず、使用者は、操作性が悪いと感じ、強い不満を抱いてしまう。ここで、上述した問題点は、当該運搬車の操作に熟練することで改善することができるが、運搬車の操作に熟練することを強いるということは問題である。
また、このような補助電動機能付運搬車は、特別養護老人ホームや病院等において、給食の配膳に用いられる場合も多い。即ち、補助電動機能付運搬車は、老若男女の様々な人間が操作するものである。
更に、上述したように、様々な人間が操作を行うものであるから、使用者が操作に熟練するまでの期間や、使用した際に受ける間隔は、使用者毎に異なり、人によっては、既定の条件では、配膳車の操作がしにくいという問題点が発生していた。使用者それぞれの使用感を充足させるために、最高速度等の設定が可能な補助電動機能付配膳車が待望されている。
更に、これらの運搬車は、特別養護老人ホームや病院等の使用環境により、最適な走行速度、加速度、減速度等の走行条件は異なる。
例えば、特別養護老人ホームと、病院とでは、その運搬車の走行条件は相違するし、同じ病院であっても、運搬車の走行に十分な広さで設計された廊下が多い病院と、物が置かれることにより、狭くなった廊下が多い病院とでは、走行条件が大きく異なる。つまり、前者の場合には、走行に十分な広さがある以上、できるだけ高い走行速度で運搬を行いたいのが、使用者の要望となる。
一方、後者の場合には、狭い廊下を走行するため、できるだけ低速で走行する必要があるが、その場合でも、できるだけ速い速度で走行可能であることが要求される。この点、特許文献1及び特許文献2に記載の運搬車では、「低速前進」の走行パターンで走行することにより、狭い廊下を安全に走行することはできるが、使用者の要望である「安全且つ、できるだけ速い速度での走行」を実現することはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、車両本体に回動可能に支持されたハンドルを有し、このハンドルを操作することにより駆動輪を駆動する補助電動機能付運搬車の走行を、様々な使用環境に適応した設定で円滑に行うことで、使用者に快適な操作感を与えることができる補助電動機能付運搬車を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る補助電動機能付運搬車は、駆動電源と、車両本体に配設され、前記駆動電源により駆動する駆動輪と、車両本体に回動可能に支持されたハンドルと、前記ハンドルの回動を検知する検知手段と、走行に係る設定条件を記憶する記憶手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、走行制御を行う走行制御手段と、を備える補助電動機能付運搬車において、前記記憶手段には、走行開始から所定条件を満たすまでの走行速度条件が格納され、前記走行制御手段は、前記検知手段によりハンドルの回動開始を検知した場合には、前記走行速度条件に基づいて、走行制御を行うことを特徴とする。
また、請求項2に係る補助電動機能付運搬車では、前記請求項1に記載の補助電動機能付運搬車において、前記記憶手段は、複数の速度域に対して関連付けられ、走行時における加速に係る加速設定を格納し、前記検知手段は、前記ハンドルの回動量に応じて、目標走行速度を設定し、前記走行制御手段は、前記目標走行速度となるように加速走行を制御するとともに、現在の走行速度を検知する現在速度検知手段と、現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定を選択する加速設定選択手段と、前記目標走行速度と、前記現在速度検知手段により検知される現在走行速度と、前記加速設定と、に基づく加速制御を行う加速制御手段と、を備えることを特徴とする。
そして、請求項3に係る補助電動機能付運搬車は、前記請求項1に記載の補助電動機能付運搬車において、前記記憶手段は、複数の速度域に対して関連付けられ、走行時における加速に係る加速設定を格納し、前記走行制御手段は、前記ハンドルの回動に伴い、ハンドルを全回動した場合の目標走行速度である最高走行速度を目標値とする加速走行の制御を行うとともに、現在の走行速度を検知する現在速度検知手段と、現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定を選択する加速設定選択手段と、前記最高走行速度と、前記現在速度検知手段により検知される現在走行速度と、前記加速設定と、に基づく加速制御を行う加速制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4に係る補助電動機能付運搬車は、前記請求項1乃至3に記載の補助電動機能付運搬車において、前記記憶手段は、走行時の減速に係る減速設定を複数記憶し、前記ハンドルの逆方向への回動量を検知する回動量検知手段と、前記回動量検知手段の検知結果に対応する減速設定を選択する減速設定選択手段と、前記減速設定選択手段により選択された減速設定により、走行速度の減速制御を行う減速制御手段とを備えることを特徴とする。
そして、請求項5に係る補助電動機能付運搬車は、前記請求項1乃至4に記載の補助電動機能付運搬車において、前記複数の速度域は、隣接する速度域と互いに重複する重複速度域を有しており、前記走行制御手段は、現在速度が重複速度域にある場合には、加速設定の変更を行わずに走行制御を行い、現在速度が重複速度域にない場合には、現在速度が属する速度域に対応する加速設定に変更し、走行制御を行うことを特徴とする。
更に、請求項6に係る補助電動機能付運搬車は、前記請求項1乃至5に記載の補助電動機能付運搬車において、当該補助電動機能付運搬車の使用環境に係る複数の設定項目に対し、対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードに切り換えるモード切換手段と、前記設定モードにおいて、複数の速度域に対応する加速設定を変更する加速設定変更手段とを有することを特徴とする。
請求項1に係る補助電動機能付運搬車は、検知手段により、ハンドルの回動を検知することにより、駆動輪が駆動し、補助電動機能付運搬車の走行が開始される。この際、補助電動機能付運搬車の走行は、記憶手段に記憶されている走行開始時点から所定条件(例えば、所定時間や、所定速度に至るまでの期間)を満たすまでの走行速度条件に基づく制御が行われる。
これにより、補助電動機能付運搬車は、走行速度条件に基づいて、迅速に走行状態に移行する。即ち、走行開始時点で加速がもたつくことなく、使用者に走行開始時の快適な操作感を与えることができる。
また、前記請求項2記載の補助電動機能付運搬車は、ハンドルの回動量に応じて、目標走行速度を設定し、目標走行速度となるように加速走行を行う。このとき、現在速度検知手段により、現在速度を検知し、この現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定を選択する。そして、補助電動機能付運搬車は、目標走行速度と現在走行速度の速度差と、前記加速設定とに基づいて、加速制御が行われる。
これにより、補助電動機能付運搬車は、現在の走行速度が属する速度域に関連付けられた加速設定に基づいて加速されるので、使用者は、速度域ごとに使用しやすい加速で、補助電動機能付運搬車を走行させることができる。即ち、狭い場所や安全に気を使わなければならない場所で低速走行する場合と、広い場所や見通しがよく安全に気を遣わなくてもいい場所で高速走行する場合のどちらにおいても、使用者は、快適に補助電動機能付運搬車を走行させることができる。
更に、補助電動機能付運搬車は、ハンドルの回動量に依存する目標走行速度と、現在速度との速度差にも基づいて、加速制御されるので、使用者がハンドルの回動量を操作することにより、走行速度、加速などの走行状態をより柔軟に調整することができる。
そして、請求項3に係る補助電動機能付運搬車は、ハンドルの回動に伴い、補助電動機能付運搬車の最高走行速度を目標値とする加速走行を行う。そして、この時、現在速度検知手段により、現在の走行速度を検知し、最高走行速度と現在速度との差と、現在の速度域に応じて決定される加速設定に基づいて、加速制御される。
これにより、加速は、ハンドルの回動量ではなく、現在の走行速度に基づいて決定されることとなるので、使用者の希望する走行速度での走行を快適に行うことができる。
例えば、ゆっくり走行したい場合に、補助電動機能付運搬車が使用者の操作に対する反応がよくなり、走行操作に未熟な使用者であっても、希望する走行速度でゆっくり走行することができる。
請求項4に係る補助電動機能付運搬車は、使用者が減速を意図してハンドルを操作した場合に、ハンドルの回動量に基づいて、記憶手段に記憶されている減速設定を選択する。そして、補助電動機能付運搬車は、選択された減速設定に基づいて、現在走行速度から減速制御される。
これにより、使用者は、ハンドルの操作により、希望する減速設定で、所望の走行速度まで減速することができ、例えば、急停止することもできれば、少しだけ減速することもできる。具体的に言えば、補助電動機能付運搬車を走行させている場合に、人や物と接触しそうな場合には、ハンドルの操作のみで急停止させることができる。また、希望する走行速度への走行速度を調整する際には、ハンドルの回動操作により、走行速度を微調整することもできる。
従って、使用者の希望する走行を実現することができ、より快適な走行が可能な補助電動機能付運搬車を提供することができる。
そして、請求項5に係る補助電動機能付運搬車は、走行時の加速を、現在走行速度の属する速度域に関連付けられた加速設定で行う。この時、速度域には、隣接する速度域と互いに重複する重複速度域を有しており、現在速度が重複速度域にある場合には、加速設定の変更を行わずに走行制御を行い、現在速度が重複速度域にない場合には、現在速度が属する速度域に対応する加速設定に変更し、走行制御を行う。
これにより、隣接する速度域の閾値付近の速度で走行している場合に、頻繁に加速設定が変更されることがなくなる。即ち、走行中に、使用者が不意に加速感、減速感を感じることがなくなるので、使用者の補助電動機能付運搬車の走行に対する違和感がなくなり、快適な走行を提供することができる。
更に、請求項6に係る補助電動機能付運搬車は、モード切替手段により、種々の使用条件を変更することができ、加速設定変更手段により、複数の速度域に対応する加速設定を変更することができる。
これにより、補助電動機能付運搬車の使用環境に応じた加速設定に変更することができるので、使用者自らの使いやすい加速設定に変更できる。つまり、本発明に係る補助電動機能付運搬車は、使用者ごとに異なる使用環境に柔軟に適応し、快適な加速走行を提供することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を補助電動機能付配膳車1に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、補助電動機能付配膳車1の説明図である。図1は、補助電動機能付配膳車1の右側面図、以後、図1において、右側を補助電動機能付配膳車1の前方として説明する。図2は、補助電動機能付配膳車1前面の正面図である。
補助電動機能付配膳車1は、表裏両面が開口された矩形状の断熱箱体からなる配膳車本体2を備えている。配膳車本体2の内部には、不図示の断熱壁により、前後方向に3つの部屋に仕切られている。更に、各部屋は、断熱性の単位仕切壁を複数個縦に積み重ねて構成される仕切壁(図示せず)により前後2つに仕切られて、合計6室が形成されている。
この6つの部屋は、前方から順次、冷蔵室3a、2つの温蔵室4a、4b、2つの冷蔵室3b、3cおよび温蔵室4cとなされている。そして、隣り合う2つの冷蔵室3と温蔵室4とが対を成している。本実施形態においては、冷蔵室3aと温蔵室4a、温蔵室4bと冷蔵室3b及び、冷蔵室3cと温蔵室4cの組で構成される収納部5夫々に観音開き式の扉が配設されている。
配膳車本体2上部には、機械室5aが設けられ、図示しないが、温蔵室4を加熱する加熱装置や冷蔵室3を冷却する冷凍ユニットが収納されている。この加熱装置及び冷凍ユニットは、機械室5a内部と接続されている不図示のコンセントを介して供給される外部からの交流電源により稼動する。冷蔵室3、温蔵室4の温度制御についても、同様に外部からの交流電源によって行われる。補助電動機能付配膳車1が移動している状態では、外部交流電源からの電力供給がないため、冷蔵室3、温蔵室4の温度制御はおこなわれない。
不図示の単位仕切壁には、夫々に、冷蔵室3、温蔵室4に向かって伸びるアームが配設されている。温食と冷食とを区分けして載置されたトレイが、隣り合う単位仕切壁の間に挟まれると共に、アームによって支持されている。これにより、1つのトレイに載置された温食は温蔵室4に、冷食は冷蔵室3に夫々収容され、温蔵または冷蔵されることになる。
配膳車本体2の底面には、前後両端部に左右一対の車輪が配設されている。補助電動機能付配膳車1の前方(図1左側)に配設された車輪は自在輪6であり、後方(図1右側)に配設された車輪が駆動輪7である。駆動輪7近傍には、駆動輪7を正逆両方向に駆動可能な駆動モータ8が配設されている。駆動モータ8については、後に詳細に説明する。
配膳車本体2の前面には、制御ボックス9が形成されており、制御ボックス9の内部には、駆動モータ8の制御をおこなう制御機構や、補助電動機能付配膳車1の駆動系の動力源であるバッテリ10が収納されている。そして、制御ボックス9には、ハンドル11がハンドル軸12を中心として回動可能に支持されており、常には、上方に直立した中立姿勢をとるように付勢されている。そして、ハンドル11中央部には、ハンドブレーキ11aが取り付けられており、ハンドブレーキ11aを握ることにより、駆動輪7を制動し、補助電動機能付配膳車1の減速及び停止を行う。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、使用者がハンドル11を前方(図1矢印A方向)に回動させて引くことにより前進し、ハンドル11を後方(図1矢印B方向)に回動して押すことにより、減速、停止するようになっている。
制御ボックス9上部表面には、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御に関する操作を行う操作パネル13が配設されている。ここで、操作パネル13について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図3は、補助電動機能付配膳車1の操作パネル13の拡大説明図である。
操作パネル13には、キースイッチ14、手動走行ボタン15、障害物センサ切換スイッチ16及び非常停止スイッチ17と、バッテリ表示ランプ18、電源ランプ14a、障害物検知ランプ16aが配設されている。ここで、各種スイッチ及びランプについて説明する。まず、キースイッチ14は、不図示のキーを差し込み回転させることによって、補助電動機能付配膳車1の駆動電源であるバッテリ10のオン・オフを切り換えるスイッチである。そして、電源ランプ14aは、キースイッチ14のオン・オフと連動して点灯するランプであり、キースイッチ14がオンの場合に点灯し、キースイッチがオフの場合には消灯する。これにより、電源ランプ14aの点灯態様によって、補助電動機能付配膳車1における駆動のオン・オフ状態を使用者に報知するものである。
障害物センサ切換スイッチ16は、不図示の障害物センサの有効、無効を切り換えるスイッチである。障害物センサが有効な場合には、一定範囲内(本実施形態においては、約70cm〜80cm)において障害物の存在や、補助電動機能付配膳車1の障害物との接触を検知すると、駆動モータ8を停止し、駆動輪7にロックをかけることにより、補助電動機能付配膳車1を停止させる。
尚、この時の制御についての詳細な説明は省略するが、後述する補助電動機能付配膳車1のメイン制御プログラムに割込処理し、障害物センサに基づく停止処理プログラムを実行することにより、上述した動作は実現される。
一方、障害物センサが無効の場合には、一定範囲内に障害物が存在する場合でも通常走行を行う。
補助電動機能付配膳車1を壁に寄せる際に、障害物センサが有効な状態であったならば、補助電動機能付配膳車1は、障害物を検知して停止してしまう。このため、通路で壁に寄せることができず、通行者の邪魔にならずに配膳することができない。このような問題点を解消するために、障害物センサを無効に切り換える必要があり、操作パネル13に障害物センサ切換スイッチ16が配設されている。
障害物検知ランプ16aは、障害物センサにより障害物が検知された場合に点灯し、使用者に障害物があることを報知するランプである。
非常停止スイッチ17は、使用者の操作により、駆動モータ8の停止と、駆動輪7のロックを行い、補助電動機能付配膳車1の急停止を行うボタンである。非常停止スイッチ17を入力すると、補助電動機能付配膳車1は急停止し、バッテリ10からの電源供給を停止状態にする。そして、非常停止スイッチ17の入力が解除されない限り、キースイッチ14のオン・オフ操作を無効とする。
手動走行ボタン15は、補助電動機能付配膳車1の補助電動機能の有効、無効を押下に伴い順次切り換えるボタンである。キースイッチ14による電源投入後の初期状態においては、手動走行ボタン15は、オフ状態に設定されている。手動走行ボタン15がオンになっている場合には、補助電動機能をオフし、使用者の力のみで補助電動機能付配膳車1を移動させることとなる。一方、手動走行ボタン15をオフした補助電動機能が有効な状態である場合には、ハンドル11の回動操作に伴い、駆動モータ8が駆動し、使用者の押し操作、引き操作に関する補助がなされる。
バッテリ表示ランプ18は、補助電動機能付配膳車1の駆動系電源であるバッテリ10の残量を使用者に報知するものである。本実施形態に係るバッテリ表示ランプ18は、操作パネル13に横一列に並んだ5つのLED18a、18b、18c、18d及び18eで構成され、その点灯態様によってバッテリ残量を報知するものである。具体的には、5つのLEDが全て点灯しているときには、バッテリ残量100%、所謂、フル充電状態であり、右側から左側へ、LEDが1つずつ消灯していくことにより、バッテリ残量80%、60%、40%、20%と表示していく。
次に、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1において、駆動モータ8の正逆両方向への回転を制御するハンドル11の機構について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11の操作を示す側面図である。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11は、制御ボックス9を貫通し、ハンドル軸12を中心として回動可能に支持されている。ハンドル軸12の奥側には、大径部20aと小径部20bが略半分の領域に分けられた周面カム20が、ピン21−スロット22結合を介して、ハンドル軸12とは逆方向に回動可能に設けられている。周面カム20の上下両側には、一対のハンドルスイッチ23が対称に配設されている。
ハンドル11が中立位置にある場合には、図4(a)に示すように、両ハンドルスイッチ23のアクチュエータ24の先端は、周面カム20の大径部20aと小径部20bの境界に形成された段差部20cに位置し、ハンドルスイッチ23はオフ状態となる。
そして、図4(b)のように、ハンドル11を中立位置から前方に回動させると、周面カム20は、図4(b)における時計回り方向に回動し、上側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が、大径部20aに接し、上側ハンドルスイッチ23がオンとなる。一方、図4(c)のように、ハンドル11を中立位置から後方に回動させると、周面カム20は、反時計回りに回動し、下側のハンドルスイッチ23のアクチュエータ24端部が大径部20aに接し、下側ハンドルスイッチ23がオンとなる。
カム軸25の回りには可変抵抗器26が配設され、ハンドル11の回動に伴い可変抵抗器26からの出力電圧を変化させている。ハンドル11を中立位置から前方に回動させた場合には、可変抵抗器26からの出力電圧が基準値より高くなり、これにより、ハンドル11が前方に回動されたことを検知され、上側ハンドルスイッチ23のオンを条件として、基準値との差の絶対値に応じた電圧が、駆動モータ8に付与される。付与された電圧に応じて、駆動モータ8の回転速度は制御され、補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の前方回動量に応じた速度で前進する。
一方、ハンドル11を後方に回動させた場合には、可変抵抗器26からの出力電圧は基準値よりも低くなる。出力電圧が基準値より低下したことで、ハンドル11が後方に回動されたことを検知する。下側ハンドルスイッチ23のオンと、出力電圧が基準値より最も低下したことを条件に、ハンドル11が後方に全回動されたことを検知する。
ここで、本実施形態における補助電動機能付配膳車1の駆動に係る制御について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図5は、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御に係るブロック図である。
図5に示すように、補助電動機能付配膳車1の駆動系制御は、コントロールユニット27に対し、バッテリ10、操作パネル13、ハンドルスイッチ23、モータ駆動回路28及びLED点灯回路29が接続されている。
先ず、コントロールユニット27について説明する。コントロールユニット27は、CPU30、RAM31及びROM32により構成されている。CPU30は、補助電動機能付配膳車1の駆動に関する制御の中枢部分である。後述する補助電動機能付配膳車1のメイン制御プログラムや、駆動モータ8のPWM制御プログラム等の種々の制御プログラムを実行するものである。そして、RAM31には、環境設定処理プログラムによって変更された現在の設定状態がバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータが読み出されることにより、補助電動機能付配膳車1の駆動系に係る設定に対して、変更された設定内容が常に反映されるのである。また、ROM32には、補助電動機能付配膳車1の走行に係る各種設定データ及び環境設定処理プログラムや設定変更に係る設定項目及び設定項目に対応する設定内容が格納されている。
ここで、操作パネル13に接続されているキースイッチ14、手動走行ボタン15は、図3を参照しながら、既に説明しているので、ここでの説明は省略する。更に、バッテリ10、ハンドルスイッチ23についても、既に説明しているので、説明を省略する。
そして、モータ駆動回路28は、駆動モータ8を制御するためのものである。このモータ駆動回路28を介して、駆動モータ8の駆動状態を制御することにより、補助電動機能付配膳車1の走行時において、設定データが反映され、快適な走行を実現するのである。また、LED点灯回路29は、操作パネル13に配設されているバッテリ表示ランプ18を構成する5つのLEDの点灯態様を制御する回路である。コントロールユニット27とLED点灯回路29により、本実施形態においては、通常時には、使用者にバッテリの残量を報知し、設定モード時には設定項目を選択しているのか、設定内容を選択しているのかを使用者に報知する。更に、この時には、使用者に現在選択している選択肢についての報知も行うのである。
補助電動機能付配膳車1の駆動電源であるバッテリ10から供給された電力は、先ずコントロールユニット27に供給され、コントロールユニット27を介して、モータ駆動回路28、LED点灯回路29に供給される。そして、コントロールユニット27と接続されたモータ駆動回路28は、CPU30からの指令に基づいて駆動モータ8を動作させ、駆動輪7により補助電動機能付配膳車の移動を担う。モータ駆動回路28には、補助電動機能付配膳車1の現在速度を検知するエンコーダ28aが配設されている。また、LED点灯回路29も同様にコントロールユニット27に接続され、CPU30の指令に基づいてバッテリ表示ランプ18の点灯態様の変更を実行する。
そして、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1には、タイマ33が配設されている。このタイマ33は、コントロールユニット27に接続されており、補助電動機能付配膳車1が操作されていない状態の継続時間等、ある状態が継続されている時間を計時する。
次に、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1において、CPU30で実行されるメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図6は、補助電動機能付配膳車1のメイン制御プログラムのフローチャートである。
補助電動機能付配膳車1のキースイッチ14がオンされることにより、メイン制御プログラムの実行が開始され、先ず、初期化処理(S1)が行われる。初期化処理(S1)では、手動走行ボタン15の設定状態の初期化やRAM31のクリア等の初期化処理が行われる。初期化処理(S1)終了後には、S2に移行する。
S2では、バックアップデータがあるか否かについての判断がなされる。バックアップデータとは、項目毎に変更した設定データのことであり、この設定データは、環境設定処理(S7)の終了直前にRAM31に格納される(S33)。バックアップデータがRAM31に格納されている場合(S2:YES)には、S3に移行し、RAM31よりバックアップデータを読み出す。これにより、以前に変更した各項目の設定データが、現在の設定状態に反映される。RAM31にバックアップデータが格納されていない場合(S2:NO)及び、バックアップデータの読み出し(S3)終了後には、S4に移行する。
S4においては、補助電動機能付配膳車1に何等かの操作がなされたか否かについての判断がなされる。ここで、CPU30は、ハンドル11や、操作パネル13等により、何等かの操作がなされたことに基づく信号を検知したか否かで、S4の判断を行う。補助電動機能付配膳車1に何等かの操作が行われた場合には(S4:YES)、S5に移行する。一方、補助電動機能付配膳車1に対して何等の操作も行われていない場合には(S4:NO)、S10に移行する。
ここで、S10においては、何等の操作もなされていない期間(以下、無操作期間と称す)が所定時間を越えたか否かについての判断を行う。ここで、タイマ33は、補助電動機能付配膳車1に対して何等かの操作が行われた時点から掲示を開始する。計時中に何等かの操作が行われた場合には、計時結果をリセットし、後に行われた操作の時点から計時を開始する。即ち、S10におけるタイマ33の計時結果が、無操作期間の長さとなる。従って、CPU30は、S10において、タイマ33を参照することにより、無操作期間の長さと所定時間とを比較する。無操作期間が所定時間を経過している場合(S10:YES)には、電源オフ処理(S11)に移行する。一方、無操作期間が所定時間を経過していない場合には(S10:NO)、には、再びS4に戻る。
そして、補助電動機能付配膳車1に対して何等かの操作が行われた場合(S4:YES)に移行するS5においては、手動走行ボタン15が入力され、且つハンドル11が回動したか否かについての判断がなされる。即ち、CPU30は、手動走行ボタン15の入力信号と、可変抵抗器26からの出力電圧が基準値から変化したことに基づき、S5における判断を行う。手動走行ボタン15の入力及びハンドル11の回動を検知した場合には(S5:YES)、環境設定処理(S7)に移行する。一方、手動走行ボタン15の入力及びハンドル11の回動を検知できなかった場合には(S5:NO)、S6に移行する。
ここで、環境設定処理(S7)は、補助電動機能付配膳車1の走行に係る各種設定の変更を行う処理である。この環境設定処理(S7)については、後に図面を参照して詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
環境設定処理(S7)を終了した後は、電源オフ処理(S11)に移行する。
S6においては、ハンドル11のみが操作されたか否かについての判断が行われる。この時、CPU30は、可変抵抗器26からの出力電圧が基準値から変化したことに基づき、S6における判断を行う。使用者によりハンドル11のみが操作された場合には(S6:YES)には、走行処理(S8)に移行する。一方、ハンドル11のみが操作されていない場合には(S16:NO)、S12に移行する。S12では、その他の処理が行われる。つまり、このS12では、手動走行ボタン15のみの入力に基づく、手動走行と、補助電動走行の切換などの処理が行われる。その他の処理(S12)終了後、S4に戻る。
ここで、走行処理(S8)は、補助電動機能付配膳車1の走行に係る処理である。この走行処理(S8)については、後に図面を参照しつつ詳細に説明することとし、ここでの説明は省略する。走行処理(S8)終了後は、S9に移行し、キースイッチ14がオフ操作されたか否かについての判断を行う。キースイッチ14がオン状態のままである場合には(S9:NO)、S4に戻る。一方、キースイッチ14に対してオフ操作がなされた場合(S9:YES)には、S11に移行し、電源オフ処理を行う。
S11においては、電源オフ処理が行われる。この電源オフ処理(S11)では、補助電動機能付配膳車1の各種機能を害することがない様に、所定の処理を行った後、補助電動機能付配膳車1に対するバッテリ10からの電源供給を停止する。
次に、環境設定処理(S7)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、環境設定処理プログラムのフローチャートである。また、図8は、環境設定処理(S7)を行った場合のバッテリ表示ランプ18の点灯態様と、設定内容に関する説明図である。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、環境設定処理(S7)を行うことで、3種類(引き操作時の最高速度、発信走行期間、加速パターン)の環境設定を変更することができる。
ここで、各設定項目と、その内容について、図8を参照しつつ説明する。先ず、引き操作時の最高速度は、補助電動機能付配膳車1を補助電動走行させた場合に、補助電動機能付配膳車1が走行する最高速度である。図8に示すように、本実施形態における補助電動機能付配膳車1では、速度(A)、速度(B)、速度(C)、速度(D)及び速度(E)の5種類の引き操作最高速度の設定を選択可能である。このとき、速度(A)が、引き操作最高速度における最小の設定値であり、速度(B)、速度(C)の順に順次大きな設定値となっている。つまり、引き操作最高速度の最大値は、速度(E)である。従って、速度(E)を設定した際に、もっとも速い速度で引き操作に対する走行補助がなされる。
次に、発進走行期間について説明する。本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、後述する発進走行処理(S42)により、所定の時間の間、通常よりも大きな加速設定(以後、発進加速係数と称す)を用い、より円滑に走行状態に移行するように構成している。そして、この発進加速係数に基づいて加速した結果、補助電動機能付配膳車1が或る走行速度(以後、発進走行速度と称す)に達した後は、発進走行速度を維持して定速走行を行う。
つまり、環境設定処理(S7)において設定可能な発進走行期間とは、停止状態から発進加速係数に基づいて加速を行い、発進走行速度により定速走行を行う期間のことである。
図8に示すように、本実施形態における補助電動機能付配膳車1では、時間(A)、時間(B)、時間(C)、時間(D)及び時間(E)の5種類の発進走行期間の設定を選択可能である。このとき、時間(A)が、発進走行期間が最も短い設定であり、時間(B)、時間(C)の順に順次長時間の設定となっている。つまり、発進走行期間の最長期間は、時間(E)である。従って、時間(E)を設定した場合には、発進走行速度による定速走行が長時間おこなわれることとなる。
そして、次に、加速パターンについて説明する。本実施形態における補助電動機能付配膳車1においては、加速走行時において、現在の走行速度の属する速度域により、加速度が変更される。この点については後に詳述するが、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、停止状態の速度0から、最高速度までの全速度域を、低速域、中速域、高速域の3つの速度域に分け(図10参照)、これらの速度域に対して、走行時の加速の制御に用いる加速係数を関連付けている。従って、低速域に属する走行速度で走行している場合と、中速域に属する走行速度で走行している場合、高速域に属する走行速度で走行している場合とでは、使用者の感じる加速感が異なる。
即ち、この環境設定処理(S7)において設定可能な加速パターンとは、低速域、中速域、高速域のそれぞれに関連付けられた加速係数の設定パターンのことである。図8に示すように、本実施形態における補助電動機能付配膳車1では、加速パターン(A)、加速パターン(B)、加速パターン(C)、加速パターン(D)及び加速パターン(E)の5種類の加速パターンの設定を選択可能である。
ここで、加速パターンの具体例について説明する。まず、加速パターン(A)は、標準的な使用状況で用いられる加速パターンである。即ち、この加速パターン(A)が初期設定である。この加速パターン(A)においては、発進走行期間経過後、迅速に使用者の希望走行速度に到達するように加速係数が設定されている。そして、一般的に頻繁に使用される中速域の加速係数は、補助電動機能付配膳車1は引き操作で使用されるので、この中速域の加速は、使用者に圧迫感を感じさせないように、ゆったりとした加速を行うように設定されている。そして、広い場所での走行時に用いられることの多い高速域の加速係数は、使用者の希望する走行速度に迅速に到達するように加速係数が設定されている。
そして、加速パターン(B)は、加速パターン(A)と比較すると、低速域の加速係数を、ややゆったりとした加速を行うように変更したものである。従って、加速パターン(B)は、低速域での走行時にゆったりとした加速で走行することができる。つまり、この加速パターン(B)は、狭い場所を走行する機会が多い使用環境に適した加速パターンと言うことができる。
また、加速パターン(C)は、加速パターン(A)と比較した場合に、低速域及び中速域での走行時に、使用者の希望走行速度に迅速に到達するように加速係数を設定したものである。従って、この加速パターン(C)を設定した補助電動機能付配膳車1を走行した場合には、低速域、中速域では加速よく走行し、ぐんぐん走行速度が上昇する。そして短時間で高速域での走行を行うことができる。即ち、この加速パターン(C)は、広い場所で使用する機会が多い使用環境に適した加速パターンである。
このように、加速パターン(D)、加速パターン(E)も、それぞれ使用環境に適した加速走行が可能なように、各速度域に対して、加速係数が関連付けられて設定されている。
尚、加速パターン(B)、加速パターン(C)は、狭い場所や広い場所といった走行する環境に基づく加速パターンを例として説明したが、補助電動機能付配膳車1を使用する使用者の人的条件(例えば、性別や年齢層)に対して設定する加速パターンであっても良い。
ここで、図7に戻り、環境設定処理(S7)について説明する。環境設定処理に移行すると、先ず、S20において、CPU30は、手動走行ボタン15が操作されたか否かについての判断を行う。設定モードにおける手動走行ボタン15の操作によって、引き操作最高速度、発進走行期間、加速パターンの各設定項目が選択される。
ここで、環境設定処理(S7)に移行した当初は、先ず、引き操作最高速度が設定可能な状態となっている。このとき、バッテリ表示ランプ18のLED18aのみが点灯し、その他のLED18b、18c、18d及び18eは消灯状態である。そして、この状態で手動走行ボタン15を押下する(S20:YES)と、引き操作最高速度が設定可能な状態から、発進走行期間が設定可能な状態(S24)に移行する。手動走行ボタン15を押下しなかった場合(S20:NO)には、S21に移行する。
S21においては、表示変更処理がなされる。ここでの表示変更処理では、現状の設定内容を示すようにLED18a〜18eが点灯する(図8参照)。ハンドルスイッチ23がオンされたか否かの判断(S22)に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯表示態様の変更がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S22:YES)には、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を、設定項目を選択可能な状態を示す点灯状態と、設定内容を選択可能な状態を示す点滅点灯状態に変更する。
尚、ハンドルスイッチ23がオンされた場合において、設定内容を選択可能な状態ならば、設定内容選択可能状態を維持し、点滅点灯中のLEDを消灯し、右隣のLEDを点滅点灯させる。具体的には、右端に配設されているLED18eが点滅点灯している場合には、LED18eを消灯し、左端に配設されているLED18aを点滅点灯させる。表示変更処理(S21)後、S22に移行する。
S22においては、ハンドル11が回動操作され、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S22:YES)には、引き操作最高速度の設定値を別の設定値に変更する(S23)。具体的には、現在、速度Cが選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、速度Dが選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S22:NO)には、S20に戻る。
S20において、手動走行ボタン15が押下され(S20:YES)、引き操作最高速度の選択可能状態から、発進走行期間を選択可能な状態に移行した場合(S24)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S24における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、発進走行期間の設定を実行するのか、加速パターンの設定に移行するのかを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S24:YES)には、加速パターンの設定変更が可能な状態(S28)に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S24:NO)には、発進走行期間の設定変更を行う状態となり、S25へ移行する。
S25では、発進走行期間に関する表示変更処理が行われる。この表示変更処理は、S21における表示変更処理と類似している。S25における表示変更処理は、S20における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「発進走行期間」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18bが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、発進走行期間に対応した設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S26:YES)には、S27で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、発進走行期間が、時間(B)から時間(C)に変更された場合には、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18cが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S26において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S26に移行する。
S26においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S26:YES)には、発進走行期間の設定値を別の設定値に変更する(S27)。具体的には、現在、時間(B)が選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、時間(C)が選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S26:NO)には、S24に戻る。
S24にて、手動走行ボタン15が押下され(S24:YES)、発進走行期間の選択可能状態から、加速パターンを選択可能な状態に移行した場合(S28)には、手動走行ボタン15がオンされたか否かについての判断がなされる。S28における手動走行ボタン15の押下の有無を判断することにより、加速パターンの設定変更を実行するのか否かを選択することとなる。手動走行ボタン15が押下された場合(S28:YES)には、S32に移行する。手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S28:NO)には、加速パターンの設定変更を行う状態となり、S29へ移行する。
S29では、加速パターンに関する表示変更処理が行われる。S29における表示変更処理は、S28における手動走行ボタン15の入力に基づいて、バッテリ表示ランプ18の点灯態様を現在設定可能な設定項目「加速パターン」を示す点灯態様に変更する。つまり、LED18cが点灯し、その他のLEDは消灯している状態に変更する。
また、加速パターンに対応する設定内容を選択可能な状態で、ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S30:YES)には、S31で変更された設定値に対応するLEDを点滅点灯させ、その他のLEDを消灯する。具体的には、加速パターンが、加速パターン(A)から加速パターン(B)に変更された場合には、LED18aが点滅点灯し、その他のLEDが消灯している状態から、LED18bが点滅点灯し、その他のLEDは消灯している状態に表示変更処理を行う。S30において、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合には、現在のバッテリ表示ランプ18の点灯状態を維持し、S30に移行する。
S30においては、ハンドル11の回動操作に基づき、ハンドルスイッチ23がオンされたか否かについての判断がなされる。ハンドルスイッチ23がオンされた場合(S30:YES)には、加速パターンの設定を別の設定に変更する(S31)。具体的には、現在、加速パターン(A)が選択されている状態でハンドルスイッチ23がオンされた場合には、加速パターン(B)が選択されている状態に変更する。そして、ハンドルスイッチ23がオンされなかった場合(S30:NO)には、S28に戻る。
そして、S28で、手動走行ボタン15が押下されなかった場合(S28:NO)には、S32で、キースイッチ14がオフ操作されたか否かについての判断がなされる。ここで、キースイッチ14のオフ操作がなされなかった場合(S32:NO)には、S20に移行し、再度、設定項目及び、設定内容の変更を実行することが可能となる。キースイッチ14のオフ操作を実行した場合(S32:YES)には、S33に移行し、本実施形態における環境設定処理プログラムの終了処理に移行する。
S33では、環境設定処理(S7)において、変更された設定値をRAM31に格納する。変更された設定をすべてRAM31に格納した後、環境設定処理(S7)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。尚、メイン制御プログラムに戻ると、電源オフ処理(S11)に移行し、補助電動機能付配膳車1に対するバッテリ10からの電源供給が停止される。
ここで、S33でRAM31に格納された設定のデータは、バックアップデータとなり、次回、キースイッチ14をオンし、補助電動機能付配膳車1を起動した際に、S2にてRAM31から読み出される。これにより、環境設定処理プログラムによって変更された設定が、補助電動機能付配膳車1の各設定項目それぞれに反映され、補助電動機能付配膳車1の多様な使用条件に適応させることが可能となる。
上述したように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の環境設定処理(S7)を実行することにより、補助電動機能付配膳車1の走行に係る各設定項目「引き操作最高速度」、「発進走行期間」、「加速パターン」を、それぞれ使用者が選択し、設定変更することができる。従って、それぞれの使用環境に適応した設定で、補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。
次に、補助電動機能付配膳車1のメイン制御プログラムにおける走行処理(S8)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、先ず、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の加速走行、減速走行について、図14に基づいて説明する。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、図14に記載されている式により、加速走行、減速走行の速度調整が行われている。
まず、加速走行時の速度調整について説明する。加速走行時の加速調整は、図14(a)の式に基づいて行われる。はじめに、RAM31に格納されている引き操作最高速度を読み出す。そして、後述する速度域判定処理(S40)により、現在走行速度と、現在走行速度が属する速度域(低速域、中速域、高速域の何れか)を取得する。このようにして得られる現在速度、最高速度、加速係数を用いて、図14(a)の式により加速制御がなされる。
本実施形態にかかる補助電動機能付配膳車1の駆動モータ8は、PWM(Pulse Width Modulation)制御がなされている。これは、駆動モータ8に供給する電圧のオン時間とオフ時間の比率を変え、駆動モータ8からの出力電圧を制御する制御方式である。本実施形態では、所定時間の経過後に、現在速度から図14(a)の式に基づき算出される加速度に従って加速した場合の速度となるように、電圧のオン・オフ時間を調整している。
次に、減速時の速度制御について説明する。本実施形態における減速時の速度制御は、図14(b)の式により行われている。図14(b)の式にて用いられる現在速度は、加速制御時と同様であるので、再度の説明は省略する。そして、図14(b)の式に示す目標速度は、RAM31から読み出された最高速度に対し、ハンドル11を完全に回動させた場合の回動量に対する現在のハンドル11の回動量の比をかけることにより算出される。(図14(c)参照)。減速係数は、ROM32に格納されており、減速制御に用いられる。尚、後述するように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、ハンドル11の操作に応じて減速係数を切り換え、通常減速と急減速との2つの減速走行を実現している。即ち、通常減速を行う際の通常減速係数と、急減速を行う際に用いる急減速係数の2つの減速係数がROM32に格納されている。このようにして得られる現在速度、目標速度、減速係数を用いて、図14(b)の式により減速制御がなされる。
ここで、走行処理(S8)で実行される走行処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、走行処理プログラムのフローチャートである。走行処理プログラムは、ROM32に格納されており、CPU30により実行される。
先ず、走行処理(S8)に移行すると、CPU30は、速度域判定処理(S40)を実行する。ここで、速度域判定処理(S40)について、詳細に説明する。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、上述したように、補助電動機能付配膳車1が走行可能な速度を、低速域、中速域、高速域の3つの速度域に分けている。
ここで、この速度域について、図10を参照して説明する。図10に示すように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、速度0〜速度eまでの走行速度で走行することができる。即ち、ハンドル11を全回動した場合に設定される最高速度は、速度eとなる。そして、速度0〜速度eまでの全速度域は、低速域、中速域、高速域の3つの速度域に区分されている。
図10に示すように、本実施形態における低速域は、速度0〜速度bまでの速度域であり、中速域は、速度a〜速度d間での速度域である。そして、高速域は、速度c〜速度eまでの速度域として設定されている。そして、各速度域は、隣接する速度域と重複した速度域(以後、重複速度域と称す)を有している。従って、図10に示す例で言えば、速度a〜速度bの速度域は、低速域と中速域との重複速度域(以後、低中速重複速度域と称す)であり、速度c〜速度dの速度域は、中速域と高速域との重複速度域(以後、中高速重複速度域と称す)である。
つまり、この速度域判定処理では、現在速度が低速域、中速域、高速域の何れの速度域に属するかを判断する処理である。
次に、速度域判定処理(S40)で実行される速度域判定処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図11は、速度域判定処理プログラムのフローチャートである。
速度域判定処理(S40)に移行すると、CPU30は、エンコーダ28aより現在速度を取得し、この現在速度データをRAM31に格納する(S60)。
現在速度データをRAM31に格納した後、S61においては、CPU30は、この現在速度が速度d以上であるか否かについての判断を行う。即ち、現在速度が、速度d以上速度e以下の速度域に属するか否かを判断することとなる。現在速度が速度d以上である場合(S61:YES)には、現在速度は、中高速重複速度域を除く高速域に属することとなるので、加速係数を、加速パターンの高速域に関連付けられた加速係数に変更する(S62)。加速係数を高速域設定に変更した後、速度域判定処理(S40)を終了する。
一方、現在速度が速度dより小さい場合には(S61:NO)、S63に移行する。
尚、以後、加速パターンに基づいて、高速域に関連付けられた加速係数を設定することを高速域設定と呼ぶ。同様にして、中速域に関連付けられた加速係数の場合は中速域設定、低速域に関連付けられた加速係数を低速域設定と呼ぶ。
S63において、CPU30は、現在速度が速度c以上であるか否かについての判断を行う。即ち、速度c以上であって、速度dより小さい速度で構成される中高速重複速度域に、現在速度が属するか否かについての判断がなされる。現在速度が速度c以上である場合には(S63:YES)、現在速度は現在の速度域に属するとして、加速係数の設定変更を行わずに維持する(S67)。そして、その後、速度域判定処理(S40)を終了する。一方、現在速度が速度cより小さい場合には、S64に移行する。
つまり、中高速重複速度域に現在速度が属する場合、現在、中速域設定で走行している場合には、中速域設定で走行し、高速域設定で走行している場合には、高速域設定で走行を続ける。
S64では、CPU30は、現在速度が速度b以上であるか否かについての判断を行う。つまり、現在速度が、速度b以上であって、速度cより小さい速度域、即ち、重複速度域を除く中速域に属するか否かについての判断がなされる。現在速度が速度b以上である場合には(S64:YES)、加速係数を中速域設定に変更する(S65)。中速域設定に変更した後、速度域判定処理(S40)を終了する。一方、現在速度が速度bより小さい場合には(S64:NO)、S66に移行する。
S66において、CPU30は、現在速度が速度a以上であるか否かについての判断を行う。即ち、速度a以上であって、速度bより小さい速度で構成される低中速重複速度域に、現在速度が属するか否かについての判断がなされる。現在速度が速度a以上である場合には(S66:YES)、現在速度は現在の速度域に属するとして、加速係数の設定変更を行わずに維持する(S67)。そして、その後、速度域判定処理(S40)を終了する。
つまり、低中速重複速度域に現在速度が属する場合、現在、中速域設定で走行している場合には、中速域設定で走行し、低速域設定で走行している場合には、低速域設定で走行を続ける。
一方、現在速度が速度aより小さい場合(S66:NO)には、現在速度は、速度0以上から、速度aまでの低中速重複速度域を除く低速域に属するので、低速域設定に変更する(S68)。低速域設定に変更した(S68)後、速度域判定処理(S40)を終了する。
このように、低中速重複速度域、中高速重複速度域に現在速度が属する場合に、S67に移行し、現在の速度域設定を維持するように構成することで、加速度変化が頻繁に行われることがなくなる。つまり、安定した走行を行うことができるのである。
例えば、高速域設定で走行していた時に、何等かの要因により中高速重複速度域にまで現在走行速度を減速し、その後、再加速した場合には、高速域設定での加速が行われる。このように、減速前の設定である高速域設定で加速走行することとなるので、減速の前後で加速感が異なり、違和感を受けることがない。つまり、使用者は、快適に補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。尚、この点は、低中速重複速度域についても、同様の利点があることはもちろんである。
ここで、図9に戻り、走行処理プログラムについて説明する。上述した速度域判定処理(S40)により、現在速度と、速度域を判定した後、S41に移行する。
S41では、現在速度が0であるか否かについての判断がなされる。現在速度が0である場合には(S41:YES)、S42に移行する。
S42では、現在の走行速度が0である(S41:YES)、即ち、補助電動機能付配膳車1は停止しているので、発進走行処理が行われる。
発進走行処理(S42)は、環境設定処理(S7)により設定された発進走行期間の間、停止状態から発進加速係数に基づいて加速を行い、発進走行速度に達した場合には、発進走行速度により定速走行を行う走行処理のことである。従って、CPU30は、発進走行処理プログラム(図12参照)を実行することにより、発進走行処理(S42)を行う。
図12に示すように、発進走行処理(S42)に移行すると、CPU30は、ROM32に格納されている発進加速係数、発進走行速度を読み出す(S50)。そして、図14(a)の式に基づいて、駆動モータ8の駆動を開始する(S51)。尚、この時、タイマ33による計時を開始する。
駆動モータ8の駆動を開始した後(S51)、CPU30は、RAM31に格納されている発進走行期間の設定時間と、タイマ33の値とを比較し、発進走行期間が経過したか否かについての判断を行う。タイマ33の値が発進走行期間の設定時間を経過している場合には(S52:YES)、発進走行処理(S42)を終了し、走行処理プログラムに戻る。
一方、タイマ33の値が発進走行期間の設定時間に至っていない場合には(S52:NO)、S53に移行する。
S53では、CPU30は、エンコーダ28aから検知される現在の走行速度と、発進走行速度とを比較し、走行速度が発進走行速度に到達したか否かについての判断を行う。発進走行速度に到達した場合には(S53:YES)、この発進走行速度による定速走行を行うように、駆動モータ8を制御する(S54)。S54の処理の後は、再び、S52に戻る。一方、発進走行速度に到達していない場合には(S53:NO)には、S52に戻る。
従って、発進走行処理においては、発進走行速度に到達するまでは、発進加速係数と、図14(a)の式に基づく加速走行が行われる。そして、発進走行速度に到達した後は、発進走行速度による低速走行が行われる。
尚、この発進加速係数に基づく加速、または、発進走行速度による定速走行を行う過程で、発進走行期間が経過した場合には(S52:YES)、発進走行処理(S42)を終了し、走行処理プログラムに戻る。走行処理プログラムに戻ると、再び、CPU30は、速度域判定処理(S40)を行う。
このように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、発進時にのみ発進走行処理(S42)を行い、発進加速係数による加速、発進走行速度での定速走行を行うので、停止状態から滑らかに発進させることができる。使用者は、快適に、補助電動機能付配膳車1の走行を開始することができる。
ここで、再び走行処理プログラムに戻って説明する。S41において、現在速度が0ではない、つまり補助電動機能付配膳車1が走行している場合には(S41:NO)、S43において、CPU30は、ハンドル11が後方に回動操作されたか否かについての判断を行う。つまり、ここでの判断は、補助電動機能付配膳車1に対して、減速操作がされたか否かについての判断となる。
ハンドル11により減速操作が行われた場合(S43:YES)には、S45に移行する。一方、減速操作されていない場合、つまり、ハンドル11が前方に回動操作された場合、つまり、加速操作が行われた場合には(S43:NO)、S44において、走行移動処理が行われる。
走行移動処理(S44)では、RAM31に格納されている最高走行速度、速度域判定処理(S40)において設定された加速係数、速度域判定処理(S40)において取得された現在速度に基づいて、図14(a)の式に基づいて、駆動モータ8の駆動制御が行われる。したがって、補助電動機能付配膳車1は、現在速度の属する速度域(低速域、中速域、高速域)に応じた加速走行を所定時間行うこととなる。走行移動処理(S44)を終了した後は、再び速度域判定処理(S40)に戻り、処理を繰り返す。
一方、ハンドル11が後方移動または、中立位置に操作されたS45においては、CPU30は、可変抵抗器26からの出力電圧により回動量を検知し、図14(c)の式に基づいて、減速目標速度を取得する。尚、ハンドル11が後方に全回動操作された場合には、減速目標速度は、0km/hと設定される。減速目標速度を取得した後(S45)、減速処理(S46)に移行する。
ここで、減速処理(S46)において、CPU30により実行される減速処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図13は、減速処理プログラムのフローチャートである。
減速処理(S46)に移行すると、CPU30は、ハンドル11が後方に全回動されたか否かについての判断を行う(S70)。即ち、CPU30は、下側ハンドルスイッチ23のオン信号と、出力電圧が基準値より最も低下したことにより、S70の判断を行う。
ハンドル11が後方に全回動された場合、つまり、使用者が急減速操作を行った場合には(S70:YES)、ROM32から急減速係数を読み出す(S71)。一方、ハンドル11が後方に全回動操作されていない場合、即ち、ハンドル11は後方に操作されたが、全回動に至るまでの回動量ではない場合には(S70:NO)、通常減速操作が行われたこととなるので、ROM32より通常減速係数を読み出す(S72)。
そして、急減速係数の読み出し(S71)、又は通常減速係数の読み出し(S72)を行った後、CPU30は、速度域判定処理(S40)で取得した現在速度と、ハンドル11の後方回動操作により取得される減速目標速度(S45)と、前述の急減速係数または、通常減速係数を用いて、図14(b)式に基づいて、駆動モータ8の出力制御が行われ、所定時間の間、走行速度の減速速度調整処理が行われる(S73)。減速速度調整処理(S73)終了後、減速処理(S46)を終了し、S47に移行する。
このように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、通常減速と、急減速の2つの減速パターンにより、走行時の減速が可能である。これにより、使用者は、走行速度の調整を行いたい場合には、通常減速による減速を行えば良い。通常減速により減速することで、減速しすぎることなく、簡単に、希望する走行速度に走行速度を調整することができる。
一方、使用者が、人や物との接触、衝突の危険を感じた場合には、急減速による減速を行うことが望ましい。これにより、接触、衝突等の補助電動機能付配膳車1の走行中に発生する事故を回避することができ、補助電動機能付配膳車1の走行に係る安全性を高めることができる。
そして、S47においては、CPU30は、補助電動機能付配膳車1が停止したか否かについての判断を行う。CPU30は、エンコーダ28aから現在速度を取得し、現在速度が0であるか否かに基づいて、S47の判断を行う。補助電動機能付配膳車1が停止している場合には(S47:YES)、走行処理(S8)を終了する。一方、補助電動機能付配膳車1が現在走行している場合には(S47:NO)、再び、速度域判定処理(S40)に戻り、処理を繰り返す。
上述したように、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、その走行時の加速を速度域に応じて変更するように構成しているので、使用者は、快適に補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。
図15に示すように、先ず、補助電動機能付配膳車1を停止状態から発進させる際には、発進走行期間中は、発進加速係数、発進走行速度に基づいて走行制御される。これにより、停止状態から走行状態へと迅速且つ円滑に移行することができるので、使用者は、快適に補助電動機能付配膳車1を発進させることができる。
更に、補助電動機能付配膳車1を加速走行させた場合には、低速域、中速域、高速域のそれぞれについて、加速係数を変更するので、補助電動機能付配膳車1の使用状況に応じて、快適な走行を行うことが可能となる。例えば、図15のように、中速域の加速をよくした場合には、迅速に高速域に到達することができるので、補助電動機能付配膳車1による移動距離が長い場合に適したものとなる。
そして、補助電動機能付配膳車1では、低速域、中速域、高速域のそれぞれについて、加速係数を変更するパターン、即ち、加速パターンを5種類から選択することができる。従って、使用者は、自らが使用する環境を鑑みて適切な設定に変更することができ、使用状況に応じた快適な走行をすることができる。
[第2実施形態]
ここで、前記第1実施形態とは異なる補助電動機能付配膳車1を、第2実施形態として、説明する。
前述した第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車1においては、加速制御を行う式(図14(a)参照)において、最高速度、現在速度、速度域判定処理(S40)により定められる加速係数に基づいて、加速走行を行う。
一方、この第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、目標速度、現在速度、速度域判定処理(S40)により定められる加速係数に基づいて、加速走行を行う。従って、第2実施形態においては、加速制御、減速制御の際に用いる式と、走行処理プログラムが、第1実施形態と相違する。
そして、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の外観及び基本的な内部構成(図1〜図5参照)と、補助電動機能付配膳車1のCPU30において実行される処理(図6〜図8、図10〜図13、図15参照)については、第1実施形態と同様であるから、ここでの説明は省略することとし、ここでは、第2実施形態に係る走行処理に関する相違点について説明する。
尚、第2実施形態においても、補助電動機能付配膳車1の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
先ず、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1での加速走行、減速走行に関して、図面を参照しつつ詳細に説明する。図16は、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車の加速走行、減速走行についての説明図である。
第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、図16に記載されている式により、加速走行、減速走行の速度調整が行われている。
まず、加速走行時の走行制御について説明する。加速走行時の加速調整は、図16(a)の式に基づいて行われる。図16(a)に示すように、第2実施形態に係る加速制御は、最大速度ではなく、目標速度を用いて行われている。従って、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1の加速制御は、はじめに、RAM31に格納されている引き操作最高速度を読み出す。そして、図16(a)の式に示す目標速度は、RAM31から読み出された最高速度に対し、ハンドル11を完全に回動させた場合の回動量に対する現在のハンドル11の回動量の比をかけることにより算出される(図16(c)参照)。
そして、第1実施形態と同様にして、速度域判定処理(S40)により、現在走行速度と、現在走行速度が属する速度域(低速域、中速域、高速域の何れか)を取得する。
こうして図16(c)の式により最高速度より算出された目標速度と、現在速度、加速係数を用いて、図16(a)の式により加速制御がなされる。
本実施形態にかかる補助電動機能付配膳車1の駆動モータ8は、PWM(Pulse Width Modulation)制御がなされている。これは、駆動モータ8に供給する電圧のオン時間とオフ時間の比率を変え、駆動モータ8からの出力電圧を制御する制御方式である。本実施形態では、所定時間の経過後に、現在速度から図16(a)の式に基づき算出される加速度に従って加速した場合の速度となるように、電圧のオン・オフ時間を調整している。
尚、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1に対する減速制御は、図16(b)に示す式により行われるが、この図16(b)に示す式は、第1実施形態において用いられる図14(b)の式と同じ式である。即ち、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車1と同じ減速制御がなされている。よって、図16(b)についての説明は、既に説明した図14(b)と同様であるので、省略する。
次に、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1における走行処理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。図17は、第2実施形態に係る走行処理プログラムのフローチャートである。
図17における走行処理プログラムは、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のメイン制御プログラムの走行処理(S8)において実行される。尚、上述したように、メイン制御プログラムにおいて、走行処理(S8)を除くその他の処理については、第1実施形態と同様であるので、再度の説明は省略する。
第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1のハンドル11のみが操作されると、走行処理(S8)に移行する。そして、図17に示す走行処理プログラムの実行が開始される。
CPU30により、走行処理プログラムが実行されると、先ず、速度域判定処理(S70)が行われる。ここで、速度域判定処理(S70)は、第1実施形態における速度域判定処理と同様であるので、詳細な説明は省略する。速度域判定処理(S70)を終了することにより、CPU30は、現在速度と、加速係数を取得する。
そして、S71において、停止状態からの操作であるか否かについての判断がなされる。ここで、停止状態からのハンドル11操作を行った場合に移行する発進走行処理(S72)は、第1実施形態に係る発進走行処理と同様であるので、この処理についても説明を省略する。
その後、S73においては、ハンドル11が後方に回動操作されたか否かについての判断がなされる。ここで、ハンドル11が後方に回動操作された場合(S73:YES)に移行するS76、減速処理(S77)、S78は、第1実施形態における処理と同様であるので、再度の説明は省略する。
ハンドル11が前方に回動操作された場合(S73:NO)には、S74に移行し、CPU30は、可変抵抗器26からの出力電圧により回動量を検知し、図16(c)の式に基づいて、加速目標速度を取得する(S74)。加速目標速度を取得した後、S75に移行する。
そして、S75では、走行移動処理が行われる。走行移動処理(S75)では、S74で取得した加速目標速度と、速度域判定処理(S70)において設定された加速係数、速度域判定処理(S40)において取得された現在速度に基づいて、図16(a)の式に基づいて、駆動モータ8の駆動制御が行われる。したがって、補助電動機能付配膳車1は、加速目標速度と、現在速度の属する速度域(低速域、中速域、高速域)に応じた加速走行を所定時間行うこととなる。走行移動処理(S75)を終了した後は、再び速度域判定処理(S70)に戻り、処理を繰り返す。
このように、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、ハンドル11の回動量に基づいて設定される目標速度と、現在速度の属する速度域に応じて設定される加速係数に基づいて、加速制御が行われるので、速度域に応じた加速が行われるので、使用状況に応じた加速を行うことができる。更に、第2実施形態においては、補助電動機能付配膳車1の加速は、ハンドル11の回動量により定まる目標速度に基づいて設定されるので、使用者がハンドル11の回動量を調節することにより、柔軟に走行状態を調整することができる。
以上詳細に説明したとおり、本発明に係る補助電動機能付配膳車1では、停止状態からハンドル11を回動操作し、発進する際に、発進加速係数、発進走行速度に基づく発進走行処理(S42、S72)が行われる。これにより、補助電動機能付配膳車1が停止状態から走行状態へと円滑に移行することができるので、発進時の走行で加速がもたつくことなく、使用者に快適な操作感を与えることができる。
そして、走行時においては、補助電動機能付配膳車1の加速は、現在の走行速度の属する速度域(低速域、中速域、高速域)に関連付けられた加速係数で行われる。そして、現在速度が低中速重複速度域、中高速重複速度域に属する場合には、加速係数の変更を行わずに走行制御を行い、現在速度が重複速度域にない場合には、現在速度が属する速度域に対応する加速係数に変更し、走行制御を行う。
これにより、隣接する速度域の閾値付近の速度で走行している場合に、頻繁に加速設定が変更されることがなくなる。即ち、走行中に、使用者が不意に加速感、減速感を感じることがなくなるので、使用者の補助電動機能付配膳車1の走行に対する違和感がなくなり、快適な走行を提供することができる。
又、本発明に係る補助電動機能付配膳車1は、環境設定処理(S7)により、走行時の最高速度、発進走行期間、加速パターンの設定を選択変更することができる。これにより、使用者は、補助電動機能付配膳車1の使用環境に応じて、走行に係る種々の設定を変更することができるので、使用者自らの使いやすい補助電動機能付配膳車1とすることができる。つまり、本発明に係る補助電動機能付配膳車1は、本来、使用者ごとに異なる使用条件に対して、柔軟に適応し、適切な走行環境を提供することで、補助電動機能付配膳車1の快適な走行を提供することができる。
そして、本発明に係る補助電動機能付配膳車1は、使用者が減速を意図してハンドル11を操作した場合に、ハンドル11の回動量に基づいて、減速係数を、通常減速係数と、急減速係数の2種類から選択する。そして、補助電動機能付運搬車は、選択された減速係数に基づいて、減速制御される。
これにより、使用者は、ハンドル11の操作により、所望の減速制御で任意の走行速度まで減速することができる。例えば、補助電動機能付配膳車1を走行させているときに、人や物と接触しそうな場合には、ハンドル11の操作のみで急停止させることができる。また、希望する走行速度へ調整する際には、ハンドル11の回動操作により、走行速度を微調整することもできる。
従って、使用者の希望する減速制御を提供することができ、補助電動機能付配膳車1の快適な走行を提供するとともに、安全な走行を提供することができる。
そして、第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の回動により走行を開始し、ハンドル11を全回動操作した場合の走行速度である最高速度と、現在の走行速度との差と、現在の速度域に応じて決定される加速係数に基づいて、加速制御される。
これにより、加速は、ハンドル11の回動量ではなく、現在の走行速度に基づいて決定されることとなるので、使用者の希望する走行速度での走行を快適に行うことができる。
すなわち、使用者のハンドル11の操作に対する補助電動機能付配膳車1の反応がよくなるので、加速するまでの時間差がなくなる。従って、ハンドル11を過剰に操作することがなくなるので、例えば、走行操作に未熟な使用者であっても、ゆっくり走行したい場合には、希望する走行速度でゆっくり走行することができる。
また、第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車1では、ハンドル11の回動量に応じて、目標速度を設定し、目標速度と、現在走行速度の速度差と、前記加速設定とに基づいて、加速制御を行う。
これにより、補助電動機能付配膳車1は現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定に基づいて加速されるので、使用者は、速度域ごとに使用しやすい加速で、補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。即ち、狭い場所や安全に気を使わなければならない場所で低速走行する場合と、広い場所や見通しがよく安全に気を遣わなくてもいい場所で高速走行する場合のどちらにおいても、使用者は、快適に補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。
更に、補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11の回動量に依存する目標速度と、現在速度との速度差にも基づいて、加速制御されるので、使用者がハンドル11の回動量を操作することにより、走行速度、加速などの走行状態をより柔軟に調整することができ、快適に、補助電動機能付配膳車1を走行させることができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、速度0から最高速度までの全速度域を「低速域」、「中速域」、「高速域」の3つの速度域に分け、各速度域に対して加速係数を関連付けていたが、この態様に限定するものではない。即ち、全速度域を更に詳細に区分し、速度域ごとに加速係数を関連づけるようしても良い。これにより、補助電動機能付配膳車1の加速走行を微調整することができ、使用者の所望する走行状態とすることができる。
又、本実施形態においては、環境設定処理(S7)により、「引き操作最高速度」、「発進走行期間」、「加速パターン」の3項目の設定を変更することを可能としていたが、この3項目に限定するものではない。この環境設定処理において、各速度域に関連付けられた加速係数を変更可能としても良いし、補助電動機能付配膳車1に係るその他の設定(例えば、自動的に電源オフとなる時間)を変更可能としてもよい。
更に、本実施形態に係る補助電動機能付配膳車1は、ハンドル11等を前面にのみ配設していたが、前面及び後面の両面に、ハンドル11を配設した態様でもよい。この場合、後進時に、配膳車本体2により障害物等を視認しにくいということがなくなり、安全に配膳することができる。この場合には、本実施形態に係る走行処理(S8)を行うことにより、前面側のハンドル11に基づく走行と、後面側のハンドル11に基づく走行のどちらにおいても、使用者に快適な走行を提供することができる。
また、環境設定処理(S7)において、後面のハンドルで操作した際の「引き操作最高速度」、「発進走行期間」、「加速パターン」に関する設定を行っても良い。これにより、補助電動機能付配膳車1の使用環境により適切に対応することができ、快適且つ安全な補助電動機能付配膳車1を提供することができる。
本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の右側面図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の操作パネルの説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車のハンドルの操作を示す側面図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の駆動系制御に係るブロック図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車のメイン制御プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の環境設定処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の設定項目及び設定内容に関する説明図である。 第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車の走行処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の速度域の説明図である。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の速度域判定処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の発進走行処理プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係る補助電動機能付配膳車の減速処理プログラムのフローチャートである。 第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車の加減速制御に関する説明図である。 第1実施形態に係る補助電動機能付配膳車の走行状態に関する説明図である。 第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車の加減速制御に関する説明図である。 第2実施形態に係る補助電動機能付配膳車の走行処理プログラムのフローチャートである。
符号の説明
1 補助電動機能付配膳車
7 駆動輪
8 駆動モータ
11 ハンドル
23 ハンドルスイッチ
26 可変抵抗器
27 コントロールユニット
28a エンコーダ
30 CPU
31 RAM
32 ROM

Claims (6)

  1. 駆動電源と、
    車両本体に配設され、前記駆動電源により駆動する駆動輪と、
    車両本体に回動可能に支持されたハンドルと、
    前記ハンドルの回動を検知する検知手段と、
    走行に係る設定条件を記憶する記憶手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づいて、走行制御を行う走行制御手段と、を備える補助電動機能付運搬車において、
    前記記憶手段には、走行開始から所定条件を満たすまでの走行速度条件が格納され、
    前記走行制御手段は、前記検知手段によりハンドルの回動開始を検知した場合には、前記走行速度条件に基づいて、走行制御を行うことを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  2. 前記請求項1に記載の補助電動機能付運搬車において、
    前記記憶手段は、複数の速度域に対して関連付けられ、走行時における加速に係る加速設定を格納し、
    前記検知手段は、前記ハンドルの回動量に応じて、目標走行速度を設定し、
    前記走行制御手段は、前記目標走行速度となるように加速走行を制御するとともに、
    現在の走行速度を検知する現在速度検知手段と、
    現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定を選択する加速設定選択手段と、
    前記目標走行速度と、前記現在速度検知手段により検知される現在走行速度と、前記加速設定と、に基づく加速制御を行う加速制御手段とを備えることを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  3. 前記請求項1に記載の補助電動機能付運搬車において、
    前記記憶手段は、複数の速度域に対して関連付けられ、走行時における加速に係る加速設定を格納し、
    前記走行制御手段は、前記ハンドルの回動に伴い、ハンドルを全回動した場合の目標走行速度である最高走行速度を目標値とする加速走行の制御を行うとともに、
    現在の走行速度を検知する現在速度検知手段と、
    現在速度が属する速度域に関連付けられた加速設定を選択する加速設定選択手段と、
    前記最高走行速度と、前記現在速度検知手段により検知される現在走行速度と、前記加速設定と、に基づく加速制御を行う加速制御手段と、を備えることを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  4. 前記請求項1乃至3に記載の補助電動機能付運搬車において、
    前記記憶手段は、走行時の減速に係る減速設定を複数記憶し、
    前記ハンドルの逆方向への回動量を検知する回動量検知手段と、
    前記回動量検知手段の検知結果に対応する減速設定を選択する減速設定選択手段と、
    前記減速設定選択手段により選択された減速設定により、走行速度の減速制御を行う減速制御手段と、を備えることを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  5. 前記請求項1乃至4に記載の補助電動機能付運搬車において、
    前記複数の速度域は、隣接する速度域と互いに重複する重複速度域を有しており、
    前記走行制御手段は、現在速度が重複速度域にある場合には、加速設定の変更を行わずに走行制御を行い、現在速度が重複速度域にない場合には、現在速度が属する速度域に対応する加速設定に変更し、走行制御を行うことを特徴とする補助電動機能付運搬車。
  6. 前記請求項1乃至5に記載の補助電動機能付運搬車において、
    当該補助電動機能付運搬車の使用環境に係る複数の設定項目に対し、対応する設定内容を複数候補より選択可能な設定モードに切り換えるモード切換手段と、
    前記設定モードにおいて、複数の速度域に対応する加速設定を変更する加速設定変更手段とを有することを特徴とする補助電動機能付運搬車。
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