JP2006212542A - 生ゴミ処理機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸と軸受との間に粉砕物が堆積することに伴う軸ブレの発生を防止する。
【解決手段】内部に生ゴミおよび処理材(基材11、処理水12、処理剤37)を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽10と、該処理槽10の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸14から径方向外向きに撹拌翼15を突設した撹拌部材13と、前記回転軸14の一端に接続した駆動モータ18と、前記回転軸14の他端に配設した軸受21とを備えた生ゴミ処理機において、前記撹拌部材13の回転軸14または軸受21に、これらの間に粉砕物が堆積することを防止する堆積防止手段を設けた構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は生ごみ処理機、詳しくは生ごみを微生物(バイオ菌)で分解する生ごみ処理機に関するものである。
本発明の生ゴミ処理機に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2002−336830号公報
この特許文献1には、処理剤である微生物(バイオ菌)が着床する多孔質の発泡樹脂製の多数の基材と処理水を収容する有機物分解処理槽内に有機廃棄物を投入し、これらを撹拌手段で撹拌することにより水中で有機廃棄物を分解する湿式の生ごみ処理機が記載されている。前記撹拌部材は、垂直方向に延びる回転軸から撹拌翼を突設した撹拌部材を備え、前記回転軸は、その上部が処理槽に回転可能に支持されるとともに、下端が処理槽の底に配設した軸受によって支持されている。また、回転軸の上端は、更に処理槽の上部を貫通し、その上部に配設した駆動モータにより正逆転可能になっている。
しかしながら、処理槽の内部には、卵の殻など硬質で分解し難い廃棄物も投入される。そして、この廃棄物は、撹拌により粉砕されて粉末状となり、前記軸受において、前記回転軸の下端を挿入保持する窪んだ保持凹部内に侵入し、研磨材として作用して保持凹部の内壁または回転軸の下端外周部を研磨する。具体的には、この種の回転軸と軸受の保持凹部との間の隙間は、約0.1mm以下に設計されるが、約6ヶ月使用すると前記研磨作用により約2mm程度まで広がる。その結果、回転軸の下端と軸受との間に形成された大きな隙間により軸ブレが発生し、最悪の場合には装置全体が振動するという問題がある。
なお、この問題は、処理材として、微生物を担持させた基材と処理水とを用いた湿式の生ゴミ処理機に限られず、好気性の酵母菌からなる微生物をおがくずなどの基材に担持させた乾式の生ゴミ処理機でも同様に発生する。
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、回転軸と軸受との間に粉砕物が堆積することに伴う軸ブレの発生を確実に防止できる生ゴミ処理機を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の生ゴミ処理機は、内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、前記撹拌部材の回転軸または軸受に、これらの間に粉砕物が堆積することを防止する堆積防止手段を設けた構成としている。
具体的には、本発明の第1の生ゴミ処理機は、内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、前記軸受は、前記回転軸の端部を挿入する保持凹部と、該保持凹部内に連通する粉砕物の排出通路とを備えた構成としている。
この第1の生ゴミ処理機によれば、堆積防止手段として軸受に粉砕物の排出通路を設けているため、回転軸の下端と軸受の保持凹部との間に粉砕物が侵入しても、回転軸の回転およびそれに伴う処理材の流動により排出通路を通して外部に排出することができる。そのため、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸および軸受が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
この第1の生ゴミ処理機では、前記排出通路は、前記保持凹部の内部空間に連通するように外周部から貫通させた孔からなることが好ましい。
または、前記排出通路は、前記保持凹部の下部において、外周部から前記保持凹部の底にかけて延びる孔または溝からなることが好ましい。
または、前記排出通路は、前記軸受において、前記保持凹部の開口と反対側の面から保持凹部の底にかけて延びる孔からなることが好ましい。
また、本発明の第2の生ゴミ処理機は、内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、前記回転軸の端部および軸受のうち、一方に窪んだ凹部を設けるとともに、他方に前記凹部内に挿入される凸部を設け、前記回転軸に、前記凹部および凸部の間への粉砕物の侵入を防止するカバー部を設けた構成としている。
この第2の生ゴミ処理機によれば、堆積防止手段として回転軸に粉砕物の侵入を防止するカバー部を設けているため、回転軸の下端と軸受の保持凹部との間に粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸および軸受が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
この第2の生ゴミ処理機では、前記回転軸に凸部を設けるとともに、前記軸受に凹部を設け、該凸部の下端が凹部の底に当接しないように前記回転軸を位置決めすることが好ましい。
さらに、本発明の第3の生ゴミ処理機は、内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、前記軸受は、前記回転軸の端部を挿入する保持凹部を備え、該保持凹部内に前記回転軸との間への粉砕物の侵入を防止するオイルシール材を配設した構成としている。
この第3の生ゴミ処理機によれば、堆積防止手段として回転軸と軸受との間に粉砕物の侵入を防止するオイルシール材を配設しているため、回転軸の下端と軸受の保持凹部との間に粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸および軸受が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
さらにまた、本発明の第4の生ゴミ処理機は、内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、垂直方向に延びる回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の上端に接続した駆動モータと、前記回転軸の下端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、前記駆動モータと撹拌部材の回転軸とを、軸方向に沿って移動可能で周方向に移動不可能に係合する連結手段により連結し、前記回転軸の下端および軸受の上端のうち、一方に突出した円錐状係合部を設けるとともに、他方に前記円錐状係合部に係合する窪んだ被係合部を設けた構成としている。
この第4の生ゴミ処理機によれば、堆積防止手段として、回転軸および軸受に互いに係合する円錐状係合部と被係合部とを設け、これらを撹拌部材の自重により係合させる構造としているため、回転軸の下端と軸受との間に粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸および軸受が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。また、回転軸と軸受の硬度を異ならせることにより、回転軸および軸受のいずれかが摺接により摩耗しても、確実に係合状態を維持できる。
本発明の生ゴミ処理機では、堆積防止手段として、軸受に粉砕物の排出通路を設け、または、回転軸に粉砕物の侵入を防止するカバー部を設け、または、回転軸と軸受との間に粉砕物の侵入を防止するオイルシール材を配設し、または、回転軸および軸受に円錐状係合部と被係合部とを設けた構成としているため、撹拌部材の回転軸および軸受の間に粉砕物が堆積することを確実に防止できる。そのため、その粉砕物が研磨材として作用する卵の殻であっても、回転軸および軸受を研磨して、その間に大きな隙間が生じさせ、軸ブレが生じることを確実に防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態の生ごみ処理機を示す。この生ゴミ処理機は湿式であり、周壁10a、底壁10bおよび上壁10cを有する円筒形状の処理槽10を備えている。この処理槽10は、図示しないが適宜の断熱構造を有し、その内部には、微生物(バイオ菌)が着床する多孔質の発泡樹脂製の多数の基材11と処理水12とが収容されている。
前記処理槽10には、前記基材11および処理水12からなる処理材と生ゴミとを撹拌するための撹拌手段として、内部中央に撹拌部材13が配設され、この撹拌部材13の上部が駆動モータ18に連結されるとともに、下端が軸受21によって支持されている。
前記撹拌部材13は、垂直方向に延びるように配置される回転軸14と、該回転軸14の外周部からスクリュ形をなすように径方向外向きに突設された撹拌翼15とからなるステンレス製のものである。前記回転軸14の下端には、段状に縮径された凸部16が設けられている。なお、撹拌翼15はスクリュ形に限られず、希望に応じて変形が可能である。また、回転軸14は、その上部が支持部材17によって処理槽10の上壁10cに回転自在で軸方向に移動不可能に支持され、上端は、処理槽10の上壁10cを貫通して上方に突出されている。
前記駆動モータ18は、前記撹拌部材13を正逆転させるもので、処理槽10の上壁10c上に配設された外側のカバー19内に配設され、上壁10cを貫通された回転軸14の上端に連結手段であるカップリング20を介して連結されている。
前記軸受21は、前記撹拌部材13の回転軸14の下端を回転自在に支持する樹脂製のもので、図3に示すように、その一面に前記凸部16を挿入保持する円柱状に窪んだ保持凹部22を設けたものである。具体的には、軸受21は、処理槽10の底壁10bに固定される円板状のベース部21aと、該ベース部21aから突出する受部21bとを備えた凸形状のもので、前記受部21bを円環形状に突設することにより、その内部空間を前記保持凹部22としたものである。この軸受21には、前記凸部16と保持凹部22との間に粉末などの粉砕物が堆積することを防止する堆積防止手段として、前記受部21bの下端に、前記保持凹部22の内部空間に連通するように外周部から径方向に貫通させた孔からなり、該保持凹部22内に侵入した粉砕物の軸受21の外部に排出するための排出通路23が放射状に複数設けられている。
また、処理槽10の周壁10aには、上部に処理水12の給水管24が配設されるとともに、下部に排出物である全ての処理水12を排水するための第1排水管25が配設されている。なお、給水管24は、処理水12のオーバーフロー水位より50mm程度上方が好ましい。排出手段を構成する第1排水管25には、処理槽10内の開口部(排水口)に第1排水濾過網26が配設され、処理中の生ごみが排出されるのを防止している。また、第1排水管25にはバルブ27が介設され、図示しない浄化槽又は下水道に接続されている。
また、処理槽10の周壁10aにはオーバーフロー開口28が形成されている。オーバーフロー開口28には第2排水濾過網29が取り付けられ、処理中の生ごみがオーバーフローによって排出されるのを防止している。また、処理槽10内には、第2排水濾過網29が詰まってオーバーフロー水位より上昇すると、これを検知して給水を停止するためのオーバーフロースイッチ30が設けられている。
また、処理槽10の周壁10aの上部には、前記オーバーフロー開口28を介して処理槽10内と連通するオーバーフロー槽31が設けられている。このオーバーフロー槽31は第2排水管32とトラップ33を介して第1排水管25と同様の浄化槽又は下水道に接続されている。さらに、オーバーフロー槽31内にはシャワー給水管34が配設され、第2排水濾過網29に向かってシャワー水を噴射し、第2排水濾過網29に付着した生ごみを除去して排水が円滑に行われるようにしている。
また、処理槽10の周壁10aの上部には、図1に示すようにバイオタンク35が収容されたケーシング36が設けられている。前記バイオタンク35には微生物を含む液体からなる処理剤(液体バイオ)37が収容され、該処理剤37は前記カバー19内に設けられたバイオポンプ38によって処理槽10内に注入されるようになっている。
また、前記処理槽10の上壁10cの外周寄りには、生ごみを投入する投入口39が設けられている。この投入口39は不透明な蓋体40によって開閉可能であり、この蓋体40には周知の取付構造で透明な覗き窓41が設けられている。さらに、処理槽10の周壁10aにおいて、前記投入口39と対応する下部である底壁10bには、内部の清掃および修理のために人が侵入可能な大きさの点検口42が設けられている。この点検口42は、前記投入口39と同様に、不透明な蓋体43によって開閉可能であり、この蓋体43には周知の取付構造で透明な覗き窓44が設けられている。
一方、前記処理槽10の上方には、処理水12を貯留するタンクであるシスターン45が設けられている。シスターン45は、入口46、出口47、オーバーフロー管48を有し、入口46の内側には浮玉49aの上下動によって給水の開始と停止を行うボールタップ49が設けられている。シスターン45の入口46の外側は図示しない止水弁を介して上水道または受水槽に接続されている。シスターン45の出口47には、前記処理槽10に配管した給水管24が接続されている。この給水管24には、ストレーナ50および第1電磁弁51が介設され、これらストレーナ50と第1電磁弁51の間には、前記オーバーフロー槽31に配管したシャワー給水管34が分岐接続されている。このシャワー給水管34には、第2電磁弁52およびシャワー用ポンプ53が介設されている。
前記駆動モータ18、バイオポンプ38、シャワー用ポンプ53、バルブ27および第1,第2電磁弁51,52は、処理槽10の横に設置された電気制御盤54によって制御される。
次に、前記構成からなる生ごみ処理機の動作を説明する。
運転開始に先立って電気制御盤54の時間設定器により、1サイクルの運転時間と休止時間をそれぞれ0から15分の間で設定し、例えば運転時間15分、休止時間5分とする。また、駆動モータ18の正転時間(例えば30秒)、逆転時間(例えば30秒)、停止時間(例えば10秒)をそれぞれ設定するとともに、バイオ添加時間(例えば6時間)を設定する。
そして、ユーザは、前記処理槽10内に微生物(バイオ菌)を着床させた所定量の基材11と処理水12が収容されている状態で、投入口39から生ごみを投入し、運転を開始する。これにより、1サイクルの間、駆動モータ18により回転軸14を正転−逆転−停止させるパターンを繰り返す。回転軸14の回転数は、予め一定の数値で設定されるもので、正逆転とも約140rpm〜240rpmの間で設定される。処理槽10の断熱構造により、処理水12の温度は約33〜38℃、好ましくは35℃に維持される。生ごみは、基材11と処理水12とともに撹拌翼15によって撹拌され、基材3中に着床した微生物(バイオ菌)によって水と二酸化炭素に分解される。
微生物による生ごみの分解作用により、処理水12の溶存酸素が消費される。そこで、駆動モータの正転時には所定時間(0〜30秒の間で予め設定)、第1電磁弁51を開き、シスターン45から処理水12を処理槽10内に供給して酸素を与え、微生物による分解作用を促進する。また、駆動モータ18の逆転時には所定時間(0〜30秒の間で予め設定)、第2電磁弁52を開き、シャワー用ポンプ53を駆動して、シスターン45から処理水12をオーバーフロー槽31内に供給して第2排水濾過網29を洗浄し、第2排水濾過網29の目詰まりを防止し、分解水のオーバーフローによる排水を円滑に行わせる。オーバーフローした分解水は第2排水管32およびトラップ33を通って下水として排水される。また、運転中に設定時間毎にバイオポンプ38を駆動し、所定量(例えば20cc)の処理剤37を処理槽10内に添加し、微生物による分解作用を継続させる。
一方、処理槽10内に投入された分解不可能な異物の除去作業時、基材11の交換時、および、装置の故障時には、バルブ27を開き、処理槽10内の全ての処理水12を排水し、処理槽10内の処理水12が全て排水されると、点検口42の蓋体43を開放して、内部の修理を施したり、処理中(分解途中)の生ゴミと一緒に基材11を取り出す。
なお、前記生ゴミ処理機による生ゴミの分解処理の動作時において、投入された生ゴミに研磨材として作用する卵の殻などの廃棄物が存在する場合、その粉砕された粉末は、撹拌部材13の停止時に処理槽10の底壁10bに沈殿する。その際、前記粉末は、軸受21の保持凹部22と回転軸14の凸部16との隙間から、保持凹部22内に侵入する。
しかし、本実施形態では、堆積防止手段として、軸受21に粉砕物の排出通路23を設けているため、回転軸14の回転およびその回転に伴う処理水12の流動により、侵入した粉砕物を排出通路23を通して軸受21の外部に排出することができる。そのため、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸14および軸受21が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
図4および図5(A),(B)は第2実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、軸受60の構成を変更した点でのみ、第1実施形態と相違している。具体的には、この軸受60は、第1実施形態と同様に、ベース部60aと受部60bとを備え、該受部60bに端面に、回転軸14の凸部16を挿入保持する保持凹部61を設けたものである。この軸受60には、ベース部60aの下端面において径方向に延びる溝62aと、該溝62aの内端から保持凹部61の底にかけて垂直に延びる孔62bとからなる略L字形状の排出通路62が放射状に複数設けられている。これにより、保持凹部61の底には、略円柱形状の柱部61aが一体的に立設され、この柱部61aの上に回転軸14の凸部16が略当接した状態で位置決めされる構成としている。
この第2実施形態の生ゴミ処理機では、第1実施形態と同様に、卵の殻などの廃棄物が粉砕された粉末が保持凹部61と凸部16との隙間から侵入した場合、回転軸14の回転およびその回転に伴う処理水12の流動により、排出通路62を通して軸受60の外部に排出することができ、同様の作用および効果を得ることができる。
図6および図7は第3実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、第2実施形態と同様に、軸受65の構成を変更した点で相違している。具体的には、この軸受65は、各実施形態と同様に、ベース部65aと受部65bとを備え、該受部65bの端面に、回転軸の凸部16を挿入保持する保持凹部66を設けたものである。この軸受65には、ベース部65aの上端において径方向に延びる溝67aおよび孔67bからなる排出通路67が放射状に複数設けられている。
また、本実施形態では、保持凹部66の底は、前記排出通路67の底と同一高さに位置するように窪むように形成されている。そして、第1実施形態と同様に支持部材17によって処理槽10の上壁10cに回転自在で軸方向に移動不可能に支持した撹拌部材13の回転軸14は、その下端の凸部16の先端が保持凹部66の底に当接されず、所定間隔をもって浮いた状態で保持される構成としている。
この第3実施形態の生ゴミ処理機では、各実施形態と同様に、卵の殻などの廃棄物が粉砕された粉末が保持凹部66と凸部16との隙間から侵入した場合、回転軸14の回転およびその回転に伴う処理水12の流動により、排出通路67を通して軸受65の外部に排出することができ、同様の作用および効果を得ることができる。しかも、何らかの原因で排出通路67からの排出効率が低下しても、保持凹部66の底と回転軸14の凸部16との間の隙間の存在により、保持凹部66の壁面または凸部16が研磨される問題を抑制できる。
図8および図9(A),(B)は第4実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、第3実施形態と同様に、軸受70の構成を変更した点で相違している。具体的には、この軸受70は、各実施形態と同様に、ベース部70aと受部70bとを備え、該受部70bの端面に、回転軸14の凸部16を挿入保持する保持凹部71を設けたものである。この軸受70には、前記保持凹部71の開口と反対側であるベース部70aの底面から保持凹部71の底にかけて延びる孔72aと、ベース部70aの下端において径方向に放射状に延びる複数の溝72bとからなる排出通路72が設けられている。
そして、この第4実施形態では、前記第3実施形態と同様に、支持部材17によって処理槽10の上壁10cに回転自在で軸方向に移動不可能に支持した撹拌部材13の回転軸14は、非当接状態を維持し、浮いた状態で保持される構成としている。
この第4実施形態の生ゴミ処理機では、第3実施形態と同様に、卵の殻などの廃棄物が粉砕された粉末を軸受70の外部に排出することができるうえ、何らかの原因で排出通路72からの粉末の排出効率が低下しても、保持凹部71の壁面または凸部16が研磨される問題を抑制できる。
図10は第5実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、保持凹部22,61,66,71内に粉末などの粉砕物が堆積することを防止する堆積防止手段として、排出通路23,62,67,72の代わりにカバー部75を設けた点で、前記各実施形態と大きく相違している。
具体的には、第5実施形態の軸受76は、各実施形態と同様に、ベース部76aと受部76bとを備え、該受部76bの端面に、回転軸14の凸部16を挿入保持する保持凹部77を設けたものである。そして、この保持凹部77は、その直径を回転軸14の下端面の直径より小さく形成し、かつ、その下端面に摺接するように位置決めすることにより、該回転軸14の下端面で、前記保持凹部77と凸部16の間への粉砕物の侵入を防止するカバー部75を構成している。なお、この第5実施形態における凸部16は、保持凹部77の底に当接しない寸法で形成し、その状態を維持するように位置決めされている。
この第5実施形態の生ゴミ処理機では、堆積防止手段として粉砕物の侵入を防止するカバー部75を回転軸14に設けているため、該回転軸14の下端と軸受76の保持凹部77との間に粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、前記各実施形態と同様に、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸14の凸部16および軸受76の保持凹部77が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
図11は第6実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、回転軸14に窪んだ凹部80を設けるとともに、円板形状をなす軸受81に凹部80内に挿入される凸部82を設け、前記凹部80の外周壁でカバー部83を構成した点で、第5実施形態と相違している。
この第6実施形態の生ゴミ処理機では、回転軸14に形成した凹部80の外周壁が、該凹部80と軸受81の凸部82との隙間を覆うカバー部83となり、これらの間に粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、前記5実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
図12は第7実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、軸受76の外周部を覆う形状のカバー部85を回転軸14に設けた点でのみ第5実施形態と相違している。具体的には、このカバー部85は、回転軸14から円板状に突出するフランジ部86と、該フランジ部86の外周縁から円筒状に垂下する外壁部87とを備えている。
この第7実施形態の生ゴミ処理機では、回転軸14に形成したカバー部85により凸部16と保持凹部77との隙間に粉末などの粉砕物が侵入することを防止できるため、前記5実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
図13は第8実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機の回転軸14は、その下端に凸部16が形成されたものである。また、軸受76は、ベース部76aと受部76bとを備え、該受部76bの端面に凸部16を挿入保持する保持凹部77を設けた第5実施形態と同様のものである。そして、この第8実施形態では、堆積防止手段として、前記凸部16と保持凹部77との間に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)からなるオイルシール材90を充填した点で、前記各実施形態と相違している。
この第8実施形態では、堆積防止手段として回転軸と軸受との間にオイルシール材90を配設しているため、第5から第7実施形態と同様に、回転軸14の凸部16と軸受76の保持凹部77との間に粉末などの粉砕物が侵入することを防止できる。そのため、回転軸14や軸受76が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
図14は第9実施形態の生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、駆動モータ18と撹拌部材100の回転軸101とを、軸方向に沿って移動可能で周方向に移動不可能に係合する連結手段により連結し、撹拌部材100の自重を利用して堆積防止手段を構成した点で、前記各実施形態と相違している。
具体的には、撹拌部材100は、第1実施形態と同様に、垂直方向に延びるように配置される回転軸101と、該回転軸101の外周部からスクリュ形をなすように径方向外向きに突設された撹拌翼102とからなるステンレス製のものである。前記回転軸101の下端には、略円錐状をなすように上向きに窪んだ被係合部103が設けられている。また、回転軸101は、その上部が支持部材104によって処理槽10の上壁10cに回転自在で、かつ、軸(上下)方向に移動可能に支持され、その上端は、処理槽10の上壁10cを貫通して上方に突出されている。
前記駆動モータ18は、第1実施形態と同様に、前記撹拌部材100を正逆転させるもので、前記上壁10cに対して図示しないブラケットで固定されている。そして、この駆動モータ18は、連結手段であるカップリング105を介して前記上壁10cを貫通された回転軸101の上端に連結されている。このカップリング105は、図15に示すように、回転軸101または駆動モータ18の出力軸を挿入固定する取付孔106aを有する一対のリング部材106A,106Bを備えている。これらリング部材106A,106Bの一面には、所定角度で扇形状の係合凸部107が突設され、隣接する係合凸部107の間に係合凹部108が形成されている。
前記軸受109は円板形状をなし、その中央部に上方に突出する凸部110を設けるとともに、該凸部110の上端に前記被係合部103に係合する円錐状係合部111を設けたものである。そして、本実施形態では、この軸受109は、前記回転軸101より硬度が低い樹脂製としている。なお、この円錐状係合部111を回転軸101に設け、被係合部103を軸受109に設けてもよい。
この第9実施形態の生ゴミ処理機では、堆積防止手段として、回転軸101に被係合部103を設けるとともに、軸受109に円錐状係合部111を設け、これらを撹拌部材100の自重により係合させる構造としている。そのため、傾斜しかつ密着した回転軸101と軸受109との間に粉砕物が侵入することを防止できる。その結果、研磨材として作用する卵の殻などの粉砕物により、回転軸101および軸受109が研磨され、軸ブレを生じさせる問題を確実に防止できる。
ここで、本実施形態の回転軸101と軸受109とは、撹拌部材100の自重による負荷が常に加わり、駆動モータ18の回転により互い摺接することにより摩耗する。しかし、本実施形態では、回転軸101より軸受109の硬度を低くしているため、摩耗するのは軸受109である。そして、この軸受109が摩耗しても、回転軸101を軸方向に移動可能で回転方向に移動不可能に連結したカップリング20および支持部材104により、回転軸101は軸受109に対して自重で密着した係合状態を維持することができる。
なお、本発明の生ゴミ処理機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、第1から第8の実施形態では、撹拌部材13の回転軸14を処理槽10の上壁10cに支持部材17によって軸方向には移動可能で周方向に回転可能に支持したが、回転軸14における凸部16を軸受の軸受凹部の底に当接させる構成とした第1、第2、第6およびカバー部75を構成する回転軸14の下端面を軸受凹部の縁に摺接させた第5実施形態では、第9実施形態と同様に、回転軸101が軸方向に移動できるように支持部材104支持させてもよい。
また、前記各実施形態に記載した軸受構造は、処理材が微生物を担持させた基材11と処理水12とからなる湿式の生ゴミ処理機に限られず、処理材が好気性の酵母菌からなる微生物を担持させたおがくずなどの基材11からなる乾式の生ゴミ処理機でも適用可能であり、前記と同様の作用および効果を得ることができる。
本発明に係る第1実施形態の生ゴミ処理機を示す正面断面図である。 図1の生ゴミ処理機の側面断面図である。 第1実施形態の軸受の斜視図である。 第2実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 (A),(B)は第2実施形態の軸受を示す斜視図である。 第3実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 第3実施形態の軸受を示す斜視図である。 第4実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 (A),(B)は第4実施形態の軸受を示す斜視図である。 第5実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 第6実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 第7実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 第8実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 第9実施形態の生ゴミ処理機の要部を示す正面断面図である。 図14のカップリングを示す斜視図である。
符号の説明
10…処理槽
11…基材(処理材)
12…処理水(処理材)
13,100…撹拌部材
14,101…回転軸
15,102…撹拌翼
16…凸部
18…駆動モータ
21,60,65,70,76,81,109…軸受
22,61,66,71,77…保持凹部
23,62,67,72…排出通路(堆積防止手段)
37…処理剤(処理材)
75,83,85…カバー部(堆積防止手段)
80…凹部
82…凸部
90…オイルシール材(堆積防止手段)
103…被係合部(堆積防止手段)
105…カップリング(連結手段)
111…円錐状係合部(堆積防止手段)

Claims (9)

  1. 内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、
    前記撹拌部材の回転軸または軸受に、これらの間に粉砕物が堆積することを防止する堆積防止手段を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
  2. 内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、
    前記軸受は、前記回転軸の端部を挿入する保持凹部と、該保持凹部内に連通する粉砕物の排出通路とを備えていることを特徴とする生ゴミ処理機。
  3. 前記排出通路は、前記保持凹部の内部空間に連通するように外周部から貫通させた孔からなることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
  4. 前記排出通路は、前記保持凹部の下部において、外周部から前記保持凹部の底にかけて延びる孔または溝からなることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
  5. 前記排出通路は、前記軸受において、前記保持凹部の開口と反対側の面から保持凹部の底にかけて延びる孔からなることを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
  6. 内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、
    前記回転軸の端部および軸受のうち、一方に窪んだ凹部を設けるとともに、他方に前記凹部内に挿入される凸部を設け、
    前記回転軸に、前記凹部および凸部の間への粉砕物の侵入を防止するカバー部を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
  7. 前記回転軸に凸部を設けるとともに、前記軸受に凹部を設け、該凸部の下端が凹部の底に当接しないように前記回転軸を位置決めしたことを特徴とする請求項6に記載の生ゴミ処理機。
  8. 内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の一端に接続した駆動モータと、前記回転軸の他端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、
    前記軸受は、前記回転軸の端部を挿入する保持凹部を備え、該保持凹部内に前記回転軸との間への粉砕物の侵入を防止するオイルシール材を配設したことを特徴とする生ゴミ処理機。
  9. 内部に生ゴミおよび処理材を収容させて前記生ゴミを分解させる処理槽と、該処理槽の内部に配設され前記生ゴミと処理材とを撹拌する撹拌手段とを備え、該撹拌手段は、垂直方向に延びる回転軸から径方向外向きに撹拌翼を突設した撹拌部材と、前記回転軸の上端に接続した駆動モータと、前記回転軸の下端に配設した軸受とを備えた生ゴミ処理機において、
    前記駆動モータと撹拌部材の回転軸とを、軸方向に沿って移動可能で周方向に移動不可能に係合する連結手段により連結し、
    前記回転軸の下端および軸受の上端のうち、一方に突出した円錐状係合部を設けるとともに、他方に前記円錐状係合部に係合する窪んだ被係合部を設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
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