JP2006212461A - 水殺菌装置および水殺菌方法 - Google Patents

水殺菌装置および水殺菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銀イオン等の溶出効果を、高いままに長期間維持することができなかった。
【解決手段】電解層32aの各室内で水流によって撹拌される銀イオン溶出体51a等を、一室においては陽極とし、他室においては陰極とすることによって、電気分解の作用及び銀イオン溶出体51a等と水流との接触作用により銀イオン等を水中に効率的に溶出する。また、撹拌される銀イオン溶出体51a等が、互いの摩擦動作によって表面上の付着物を除去し、銀イオン等の溶出効果の低下を防ぐ。したがって、殺菌効果の高い銀イオン水等を、長期間に渡って安定して生成することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンク、蒸気による殺菌処理装置、食品加工工場などの、水の殺菌処理を必要とする設備に使用して好適な水殺菌装置および水殺菌方法に関する。
従来、この種の技術として、水中に金属イオンを発生させる金属イオン発生手段や、紫外線殺菌手段等を備えた水浄化装置であって、同金属イオン発生手段として、銀陽極と銀陰極に直流電圧を印加する回路に極性反転リレーを作動するように設けてなる銀イオンの電気化学的発生装置を用いた発明が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記水浄化装置の、銀イオンの電気化学的発生装置(銀イオン発生装置)においては、銀陽極と銀陰極に直流電圧を印加すると、銀陽極より銀イオンが発生し、当該銀イオン発生装置に流入した水に銀イオンが付加される。また、極性反転用リレーにより陽極と陰極の極性を一定時間毎に反転させ、陰極に付着するスケールを除去し、連続的に銀イオンの発生を可能にしている。
特開平9‐187773号公報
上記文献においては、銀イオン発生装置内に設置された銀陽極及び銀陰極は、それ自体が移動可能であるとの記載は無い。また、同文献の図2を参照しても、銀陽極及び銀陰極は極性反転用リレーと直接接続していることから、銀イオン発生装置内の所定箇所に固定配置されていると考えられる。従って、かかる所定箇所に固定された電極にあっては、一定期間の使用によりスケール付着がしやすく、銀イオンの溶出効果が徐々に低下するという課題があった。また、極性反転用リレーによって電極の極性を切り替えるだけでは、スケールの除去効果としての限界があった。
本発明は、上記課題にかんがみてされたもので、金属イオンの溶出効果が非常に高く、殺菌効果の高い金属イオン水を長期間に渡って生成することが可能な水殺菌装置および水殺菌方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる水殺菌装置の発明は、外部容器と、同外部容器の下方側面部において同側面に対し所定の角度をもって配設される入水管と、同外部容器内に収容される容器であって、同容器内に二室からなり同二室間の一部が遮断されていない電解槽を形成するとともに側面に同電解槽まで貫通する複数の透孔を形成する内部容器と、同内部容器の上面部に配設される出水管と、同電解槽の各室の底面に備えられた導電部材からなる伝導体と接続し、同伝導体に直流電圧を供給する電圧供給部と、同電解槽の各室に複数個ずつ積み置かれた状態で収容される金属イオン溶出体とを備え、同電解槽の各室は、内壁形状が略円筒状であり、かつ、その内径は上記積み置かれた状態の各金属イオン溶出体が各室内を所定の回転軌道を略保持しながら回転できる程に、底面上に直接置かれた各金属イオン溶出体の表面と各室の内壁との間に所定の距離を授けて設定され、同金属イオン溶出体は、水流の撹拌作用により各室内を上記所定の回転軌道を略保持しながら回転するとともに、同撹拌作用により互いに摩擦動作を繰り返し、一室においては上記電圧供給部のプラス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陽極となり、他室においては上記電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陰極となることにより電気分解を生じさせて金属イオンを溶出する構成としてある。
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、外部容器の下方側面部において同側面に対し所定の角度をもって配設された入水管から入水した水流は、外部容器と内部容器との間の空間に流入する。内部容器の側面には電解槽まで貫通する複数の透孔が形成されているため、外部容器と内部容器との間の空間に流入した水流は、同複数の透孔を介して、電解槽内に流入する。すなわち、入水管から一筋の流れとして容器体内に入水した水流は、外部容器と内部容器との間の空間を還流しつつ、金属イオン溶出体を収容する電解槽へ流入する際に複数の透孔を通過し、複数の水流に分けられる。このように、入水管から入水した水流を複数の水流に分けることにより、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成する。さらに、出水管は内部容器の上面部に配設されるため、内部容器へ入水した水流は、電解槽内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部より出水する。
同電解槽の各室には、複数個の金属イオン溶出体が積み置かれた状態で収容される。金属イオン溶出体は、同電解槽の各室内において水流に撹拌され、同撹拌作用により互いに接触し、摩擦動作を繰り返しつつ金属イオンを水中に溶出する。すなわち、水流が入水管から入水し、出水管から出水するまでの間、金属イオン溶出体の表面と水流が接触することによって、金属イオンが溶出する。同電解槽の各室は、内壁形状が略円筒状である。また、その内径は、上記積み置かれた状態の各金属イオン溶出体が各室内を所定の回転軌道を略保持しながら回転できる程に、底面上に直接置かれた各金属イオン溶出体の表面と各室の内壁との間に所定の距離を授けて設定されている。よって、上記積み置かれた状態の各金属イオン溶出体は、上記撹拌作用により各室内を上記所定の回転軌道を略保持しながら回転する。各金属イオン溶出体は積み置かれた状態であるため、底面の伝導板と接する段の金属イオン溶出体に対して、上方に置かれた金属イオン溶出体が重石となる。かかる重石の効果と上記所定の回転軌道を略保持する効果により、底面の伝導板と接する段の金属イオン溶出体は、伝導板と離間することが抑制され、伝導板に接地した状態を安定して保つことができる。
電圧供給部は、同電解槽の各室の底面に備えられた導電部材からなる伝導体と接続しており、同伝導体に直流電圧を供給する。ここで、各金属イオン溶出体は、電圧供給部のプラス側と接続する伝導体が備えられている一室においては、同伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陽極となり、電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体が備えられている他室においては、同伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陰極となる。その結果、電解槽内において電気分解が生じ、陽極側から金属イオンが水中に溶出する。陽極となった金属イオン溶出体が収納された一室と、陰極となった金属イオン溶出体が収納された一室との間には、一部遮断されていない部分がある。よって、この一部遮断されていない部分を介し、陽極となった金属イオン溶出体と陰極となった金属イオン溶出体とが接近した際に、電気分解が起こり、金属イオンが溶出する。
このように、金属イオン溶出体は、水流との接触作用によって金属イオンを溶出するだけではなく、自らが電気分解における電極となることにより、さらに金属イオンを溶出する。その結果、出水管からは、充分に金属イオンが溶出した殺菌効果の高い金属イオン水が出水する。
また、金属イオン溶出体は、電解槽内で水流に撹拌される際、互いの表面を摩擦しあう動作を繰り返す。すなわち、水流に撹拌されている間は同摩擦動作により、表面上の水垢、錆、水中のミネラル成分が結晶したいわゆるスケールなどの付着物を常に除去しあっているため、金属イオン溶出体の表面は、常に水と接触している状態に保たれる。従って、水流との接触作用による金属イオンの溶出効果及び電気分解による金属イオンの溶出効果は、ともに高いままに保たれる。
伝導板と金属イオン溶出体とが接触し通電した状態を安定させるため、請求項2にかかる発明は、上記請求項に記載の水殺菌装置において、上記電解槽は、各室に収容する上記金属イオン溶出体のうち、他の金属イオン溶出体の上に置かれて最上段に位置する金属イオン溶出体を、各室内における一定範囲に移動範囲を制限した上で自由に回転可能に保持する保持具を各室に備える構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、電解槽の各室には保持具が備えられており、同保持具は、各室に収容する金属イオン溶出体のうち、他の金属イオン溶出体の上に置かれて最上段に位置する金属イオン溶出体を、各室内における一定範囲に移動範囲を制限した状態で保持する。最上段の金属イオン溶出体は、下段に位置する他の金属イオン溶出体を上方から押さえる役割を果たす。従って、最上段の金属イオン溶出体の移動範囲を制限することで、常に最上段の金属イオン溶出体が他の金属イオン溶出体の上に乗った状態を保つことができ、下段の金属イオン溶出体を、安定して各室の底面に接地させることができる。
なお、最上段の金属イオン溶出体は、上記保持具によってその動きを固定されるわけではなく、自由に回転可能に保持さるため、水流の撹拌作用によって自由に回転し、他の金属イオン溶出体との摩擦動作も行う。
請求項3にかかる水殺菌装置の発明は、内部に二室からなり同二室間の一部が遮断されていない電解槽を備える容器体と、同容器体と接続し同容器体内に水流を入水させる入水管と、同容器体と接続し同電解槽内から水流を出水させる出水管と、同電解槽の各室の底面に備えられた導電部材からなる伝導体と接続し、同伝導体に直流電圧を供給する電圧供給部と、同電解槽の各室に複数個ずつ積み置かれた状態で収容される金属イオン溶出体とを備え、同金属イオン溶出体は、表面を各室の内壁又は他の金属イオン溶出体の表面と接近させ或いは接触させた状態で水流の撹拌作用により各室内を所定の回転軌道を略保持しながら回転するとともに、同撹拌作用により互いに摩擦動作を繰り返し、一室においては上記電圧供給部のプラス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陽極となり、他室においては上記電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陰極となることにより電気分解を生じさせて金属イオンを溶出する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、水流が入水管から容器体に入水すると、水流は電解槽内を還流する。同電解槽の各室には、複数個ずつ積み置かれた状態で金属イオン溶出体が収容される。金属イオン溶出体は、同電解槽の各室内において、表面を各室の内壁又は他の金属イオン溶出体の表面と接近させ或いは接触させた状態で水流に撹拌され、各室内を所定の回転軌道を略保持しながら回転する。そして、同撹拌作用により互いに接触し、摩擦動作を繰り返しつつ金属イオンを水中に溶出する。すなわち、水流が入水管から入水し、出水管から出水するまでの間、金属イオン溶出体の表面と水流が接触することによって、金属イオンが溶出する。また、上記請求項1の発明と同様に、底面の伝導板と接する段の金属イオン溶出体に対して上方に置かれた金属イオン溶出体が重石となる効果と上記所定の回転軌道を略保持する効果により、底面の伝導板と接する段の金属イオン溶出体は、伝導板と離間することが抑制され、伝導板に接地した状態を安定して保つことができる。
電圧供給部は、同電解槽の各室の底面に備えられた導電部材からなる伝導体と接続しており、同伝導体に直流電圧を供給する。各金属イオン溶出体は、電圧供給部のプラス側と接続する伝導体が備えられている一室においては、同伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陽極となり、電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体が備えられている他室においては、同伝導体と直接的に或いは間接的に接触して陰極となる。その結果、電解槽内において電気分解が生じ、陽極側から金属イオンが水中に溶出する。陽極となった金属イオン溶出体が収納された一室と、陰極となった金属イオン溶出体が収納された一室との間には、一部遮断されていない部分がある。よって、この一部遮断されていない部分を介し、陽極となった金属イオン溶出体と陰極となった金属イオン溶出体とが接近した際に、電気分解が起こり、金属イオンが溶出する。
請求項1にかかる発明と同様に、金属イオン溶出体は、水流との接触作用によって金属イオンを溶出するだけではなく、自らが電気分解における電極となることにより、さらに金属イオンを溶出する。また、金属イオン溶出体は、電解槽内で水流に撹拌される際、互いの表面を摩擦しあう動作を繰り返し、スケールなどの付着物を常に除去しあうため、金属イオン溶出体の表面は、常に水と接触している状態に保たれる。従って、水流との接触作用による金属イオンの溶出効果及び電気分解による金属イオンの溶出効果は、ともに高いままに保たれる。
ここで、上記金属イオン溶出体は、水流の撹拌作用により互いに摩擦しあう場合に、表面を効率よく接触させることができる形状であることが望ましい。そこで、請求項4にかかる発明は、上記請求項に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、円筒状である構成としてある。
上記金属イオン溶出体は形状が円筒状であるために、水流が金属イオン溶出体を撹拌する際に、金属イオン溶出体は互いに円筒表面を満遍なく摩擦することができる。したがって、表面上のスケールなどの付着物が効率よく除去される。
金属イオン溶出体の表面を効率よく接触させることができる他の形状として、請求項5にかかる発明は、上記請求項に記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、球状である構成としてある。
上記金属イオン溶出体は形状が球状であるために、水流によって撹拌されるときに、あらゆる方向に回転が可能となる。したがって、金属イオン溶出体は、互いに球の表面を満遍なく摩擦することができ、表面上のスケールなどの付着物が効率よく除去される。さらに、金属イオン溶出体は、水流によって撹拌されるときに電解槽の内壁に衝突しても、形状が球状であるために滑らかに回転する。従って、電解槽の損傷も少なくて済む。
請求項6にかかる発明は、上記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記金属イオン溶出体は、内部が空洞である構成としてある。
金属イオン溶出体の内部を空洞にすることにより、金属イオン溶出体の一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、高い水圧の水流によらなくとも、効率よく金属イオン溶出体を電解槽内で撹拌することが可能となる。
請求項7にかかる発明は、上記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管とは、高低差を設けて配設されている構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、上記入水管と出水管とは、高低差を設けて配設されているため、入水管から容器体内に入水し電解槽内を還流する水流が、直ちに出水管から出水していくことは無い。上記電解槽内に、入水管と出水管の高低差分による水流が生成され、より複雑な流れとなることで、水流の上記電解槽内における滞在時間が長くなる。すなわち、水流は金属イオン溶出体の表面と接触する時間をより長く確保することが可能となり、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
上記入水管と出水管の配設態様の一例として、請求項8にかかる発明は、上記請求項3〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管と出水管とは、上記容器体の側面部において、上記電解槽の各室の略中心を通る軸芯上を通過しない方向に配向されている構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、上記入水管と出水管とは、上記容器体の側面部において、上記電解槽の各室の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されている。すなわち、入水管および出水管は、電解槽の各室の略中心を通る軸芯上を通らない方向に向かって配設されているため、電解槽の各室に入水した水流は、同軸芯を中心として回転するように各室内を流れる。その結果、水流は電解槽内を滞りなく還流し、金属イオン溶出体を効果的に撹拌する。
なお、入水管と出水管は電解槽の各室の略中心を通る軸芯上を通る方向で配向されていなければ良いので、上記所定の角度としては様々な角度が考えられる。例えば、入水管を容器体の下方側面部において、電解槽の各室の内周に接する角度で配設し、出水管を容器体の上方側面部において、電解槽の各室の内周に接する角度で配設しても良い。また、入水管と出水管の配設角度がそれぞれ異なっていてもよい。
上記出水管は、必ずしも上記容器体の側面部に配設されている必要はない。そこで、請求項9にかかる発明は、上記請求項3〜請求項7のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部に配設されている構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部に配設されている。上記出水管が上記容器体の上面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、電解槽内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部より出水する。一方、上記出水管が上記容器体の下面部に設置されている場合は、容器体へ入水した水流が、電解槽内で下方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、下面部から出水する。
請求項10にかかる発明は、上記請求項に記載の水殺菌装置において、上記出水管は、上記容器体の上面部において、略垂直方向に配設されている構成としてある。
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、上記出水管は、上記容器体の上面部において略垂直方向に配設されているため、容器体へ入水した水流が、電解槽内で上方に向かいながら回転する螺旋状の流れを形成しつつ、上面部より垂直方向に出水する。
請求項11にかかる発明は、上記請求項3〜請求項10のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備える構成としてある。
上記のように構成した請求項11にかかる発明においては、上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備える。整流板の設置態様の一例としては、容器体内へ入水し電解槽内を還流する水流を電解槽の各室の内壁に沿った方向に誘導する設置態様が考えられる。かかる整流板を設置することにより、水流が入水管から電解槽内に入水したときに流れを散乱させてしまうことを防ぐことができ、水流が電解槽内を還流しやすくなる。
請求項12にかかる発明は、上記請求項3〜請求項11のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記入水管及び出水管は、上記電解槽の各室毎に配設される構成としてある。電解槽の各室には、それぞれ複数個の金属イオン溶出体が収容されており、各室内において、金属イオン溶出体を水流で撹拌する必要がある。そこで、上記のように構成した請求項12にかかる発明においては、電解槽の各室毎に配設された入水管から、各室に水流が入水する。また、各室で溶出した金属イオンを含有した水流は、各室毎に配設された出水管から出水する。
請求項13にかかる発明は、上記請求項3〜請求項12のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記電解槽の各室の内壁形状は、略円筒状である構成としてある。
上記のように構成した請求13にかかる発明においては、上記電解槽の各室の内壁形状は略円筒状である。各室の内壁形状を略円筒状とすることで、水流は電解槽内を滞りなく還流し、水流に撹拌される金属イオン溶出体も滞り無く回転する。
伝導板と金属イオン溶出体とが接触し通電した状態を安定させるため、請求項14にかかる発明は、上記請求項3〜請求項13のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記電解槽は、各室に上記保持具を備える。すなわち、上記請求項2の発明と同様に、常に最上段の金属イオン溶出体が他の金属イオン溶出体の上に乗った状態を保ち、下段の金属イオン溶出体を、安定して各室の底面に接地させる。
請求項15にかかる発明は、上記請求項3〜請求項14のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記容器体は、上記入水管と接続する外部容器と、内部に上記電解槽を形成するとともに側面に同電解槽まで貫通する複数の透孔を側面に形成し、かつ、上記出水管と接続する内部容器とからなる構成としてある。
上記のように構成した請求項15にかかる発明においては、上記容器体は、外部容器と内部容器とから構成されている。入水管は外部容器に接続しているため、入水管から入水した水流は、外部容器と内部容器との間の空間に流入する。内部容器の側面には上記電解槽まで貫通する複数の透孔が形成されているため、外部容器と内部容器との間の空間に流入した水流は、同複数の透孔を介して、電解槽内に流入する。そして、電解槽内で金属イオン溶出体を撹拌するとともに、溶出した金属イオンを充分に含有した水流が、内部容器と接続する出水管から出水する。
すなわち、入水管から一筋の流れとして容器体内に入水した水流は、金属イオン溶出体を収容する電解槽へ流入する際に複数の透孔を通過し、複数の水流に分けられる。このように、入水管から入水した水流を複数の水流に分けることにより、金属イオン溶出体を収容する空間内に、回転する水流を効果的に形成することができる。
また、上記透孔を入水管の入水口より小さい面積とすれば、上記透孔を水流が通過する際に圧力がかかり、透孔を通過した水流の流速が増す。したがって、水流は入水管から入水したときと比較して、強い勢いで内部容器の電解槽内に流入する。
各室に収容された金属イオン溶出体に対し、陽極側と陰極側を固定して電気分解を継続すると、陰極側の金属イオン溶出体の表面にスケールが付着し、電解能力を低下させてしまう。そこで、請求項16にかかる発明は、上記請求項3〜請求項15のいずれかに記載の水殺菌装置において、上記電圧供給部は、上記伝導体に供給する直流電圧の極性を切換えることが可能な極性切替回路を備える構成としてある。
上記のように構成した請求項16にかかる発明においては、上記電圧供給部は、極性切替回路を備える。同極性切替回路によって、伝導体に供給する直流電圧の極性を切替えれば、各伝導板と接触する金属イオン溶出体の極性を切替えることができる。その結果、酸化反応が起こる陽極と還元反応が起こる陰極とが切り替わり、スケールの付着による電解能力の低下が防止される。上述した、金属イオン溶出体同士の摩擦動作に、かかる陽極と陰極との切替えを併せれば、金属イオン溶出体表面の付着物を除去する効果はきわめて高くなる。
ここで、水の殺菌処理を実行する手段は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。
このため、請求項17にかかる水殺菌方法の発明は、二室からなり同二室間の一部が遮断されていない電解槽を内部に備える容器体の同電解槽の各室内に、金属イオン溶出体を複数個ずつ積み置いた状態で収容し、同容器体と接続する入水管から同容器体内に水流を入水させ、同容器体と接続し同電解槽内から水流を出水させる出水管へ水を通過させる際の水流の撹拌作用により、同金属イオン溶出体を、その表面を各室の内壁又は他の金属イオン溶出体の表面と接近させ或いは接触させた状態で各室内において所定の回転軌道を略保持しながら回転させるとともに、同撹拌作用により互いに摩擦動作を繰り返させ、かつ、同電解槽の各室の底面に備えられた導電部材からなる伝導体に直流電圧を供給し、上記金属イオン溶出体を、一室においては上記電圧供給部のプラス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触させ陽極とし、他室においては上記電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体と直接的に或いは間接的に接触させ陰極とすることにより電気分解を生じさせて金属イオンを溶出する構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
以上説明したように、請求項1及び請求項3にかかる発明は、金属イオン溶出体の表面上の付着物を除去しつつ、電気分解及び金属イオン溶出体と水流との接触作用により、効果的に金属イオンを水中に溶出することが可能な水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項4および請求項5にかかる発明によれば、金属イオン溶出体が互いに摩擦動作を行なった際に、表面上の付着物を効率よく除去することができる。
さらに、請求項にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を、電解槽内において容易に撹拌することができる。
さらに、請求項にかかる発明によれば、水流が金属イオン溶出体の表面と長時間接触することができ、金属イオンの溶出効果の高い水殺菌装置を提供することができる。
さらに、請求項8〜請求項10にかかる発明によれば、金属イオン溶出体を効果的に撹拌する水流を生み出す入水管又は出水管の設置態様例を提供することができる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、入水管から容器体内に入水した水流の方向を誘導することにより、水流が電解槽内を還流しやすくなる。
さらに、請求項12にかかる発明によれば、電解槽の各室毎に水流を入水させ、かつ、各室毎に金属イオン水を出水させることができる。
さらに、請求項13にかかる発明によれば、水流は電解槽内を滞りなく還流し、撹拌される金属イオン溶出体も滞りなく回転する。
さらに、請求項2及び請求項14にかかる発明によれば、金属イオン溶出体と伝導板との接触状態を安定して保つことができる。
さらに、請求項15にかかる発明によれば、電解槽内に、回転する水流を効果的に形成し、金属イオン溶出体を撹拌することができる。
さらに、請求項16にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面にスケールが付着することによる電解能力の低下をより効果的に防ぐことができる。
さらに、請求項17にかかる発明によれば、金属イオン溶出体の表面上の付着物を除去しつつ、電解分解及び金属イオン溶出体と水流との接触作用により、効果的に金属イオンを水中に溶出することが可能な水殺菌方法を提供することができる。
下記の順序に従って、本発明の実施形態を説明する。
(1)第一の実施形態
(2)他の実施形態
(3)まとめ
(1)第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる、水殺菌装置の概略構成図である。
同図においては、水殺菌装置100は、整流器10と、スイッチ11と、極性切替回路20と、容器体30と、これら構成要素を接続する導線40と、容器体30内に収容される金属イオン溶出体50とから構成されている。整流器10は、商用交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。整流器10で変換された直流電圧は、極性切替回路20を介し、容器体30に備えられた2枚の導電部材からなる伝導板35a,35bに供給される。極性切替回路20においては、伝導板35a,35bに供給される直流電圧の極性を定期的に切替えることができ、その結果、2枚の伝導板35a,35bのプラス側とマイナス側とを定期的に切り替えることが可能である。また、回路中にスイッチ11を設け、容器体30に水流を通して水殺菌装置100を使用する場合にはスイッチ11をオンにして電圧を供給し、容器体30に水流を通さない場合にはスイッチ11をオフにして電圧を供給しないようにする。
容器体30の構成については後に詳述するが、概略、外部容器31と、同外部容器31の中に全体を収容できる大きさの内部容器32と、入水管33a,33bと、出水管34a,34bとからなる。内部容器32は、内部に第一室32a1と第二室32a2とに分かれた電解槽32aを備えている。第一室32a1及び第二室32a2内には、金属イオン溶出体50がそれぞれ複数個ずつ収容される。本実施形態においては、金属イオン溶出体50として、銀イオン溶出体51を用いる。また、伝導板35a,35bは、第一室32a1及び第二室32a2の底面にそれぞれ設置され、上記極性切替回路20と接続している。
次に、電解槽32a内に収容される銀イオン溶出体51について説明する。収容する銀イオン溶出体51の個数は、任意の数を選択可能である。
図2は、本実施形態において使用する銀イオン溶出体51aを一部破断正面図により示している。
同図において、銀イオン溶出体51aは球状の形状をしている。球状であることにより、銀イオン溶出体51aは水流に撹拌される際、電解槽32a内を滑らかに回転しながら移動することができる。また、当該形状は、水流に撹拌されながら互いの表面上を満遍なく摩擦し合うのに適している。銀イオン溶出体51aは当該形状を採用することによって、後述するように、表面上の付着物による銀イオン溶出効果の低下を防ぐことができる。
同図の右半分は上記銀イオン溶出体51aの垂直断面を表わしており、銀イオン溶出体51aの内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体51aの内部には球状の空洞部51a1が形成されている。
内部が空洞であることにより、銀イオン溶出体51aの一つ当たりの質量を減らすことができる。したがって、電解槽32a内に流入する水流によって、効率的に銀イオン溶出体51aを撹拌することが可能となる。ここで、銀イオン溶出体51aは、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、球状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。
図3は、銀イオン溶出体51の、他の形状の例を示している。
同図において、銀イオン溶出体51bは円筒状の形状をしている。当該形状にかかる銀イオン溶出体51bは、水流によって撹拌されながら互いの側面上を満遍なく摩擦しあうことができるため、後述するように、表面上の付着物による銀イオン溶出効果の低下を防ぐことができる。図4は、上記銀イオン溶出体51bの一部破断正面図であり、上記銀イオン溶出体51aと同様に、銀イオン溶出体51bは内部が空洞であることを示している。すなわち、銀イオン溶出体51bの内部には円筒状の空洞部51b1が形成されている。銀イオン溶出体51bは、上記銀イオン溶出体51aと同様に、純銀や高濃度の銀で形成してもよいし、円筒状の担体表面に銀メッキなどの表面処理を施して形成しても良い。なお、銀イオン溶出体51の形状は上記の例に限定されるものではない。
ここで、銀イオンの効能について説明する。
一般に、銀イオンには強い殺菌効果があることが知られている。特に、銀イオンはレジオネラ菌に対しても殺菌効果が強いことが知られており、水中に混入したレジオネラ菌に対して、微量で短時間の作用で殺菌効果を示す。また、レジオネラ菌の感染症は、増殖したレジオネラ菌を吸入することによって引き起こされるものであるが、レジオネラ菌は、水中の藻やアメーバと共生して増殖する。ここで、銀イオンは、各種細菌の細胞に強く吸着して細菌を死滅させるので、各種細菌の発生が抑制され、藻やアメーバの発生を防止することができる。すなわち、レジオネラ菌の増殖原因となる藻やアメーバの発生をも防止することができる。
他にも、銀イオンには、O‐157病原性大腸菌、大腸菌、抗酸菌(老人性結核菌)、MRSA、一般病原菌などに対する殺菌効果がある。
また、銀イオンには、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無いので、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンク、蒸気による殺菌処理装置、食品加工工場等における水の殺菌処理に好適である。
さらに、銀イオンによっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も起こらないので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
次に、容器体30の構成及び銀イオンの溶出について説明する。
図5は、容器体30を斜視図により示している。図6は、容器体30を図5におけるA‐A部分で切断した状態を示している。両図においては、伝導板35a,35bと極性切替回路20とを接続する導線40は省略してある。また、図6においては、銀イオン溶出体51aを省略してある。
入水管33a,33bは、外部容器31と接続しており、同外部容器31の下方側面部において、側面に対して所定の角度をもって配設されている。内部容器32は、側面付近の部位を縦断面方向に切断した2つの略円筒形の容器を、同切断した断面同士で接合した形状となっている。内部容器32の上面部からは出水管34a,34bがそれぞれ略垂直上方向に配設されており、各出水管34a,34bは、それぞれ第一室32a1,第二室32a2と接続している。ただし、入水管・出水管の数、配設位置、配設方向はいずれも任意に設定可能である。
内部容器32は、2つの略円筒形の容器が重なる部位において第一室32a1と第二室32a2とを分けているが、第一室32a1と第二室32a2との間の一部に、銀イオン溶出体51aが通過できない大きさの窓部32cを形成しており、完全には遮断されていない。第一室32a1及び第二室32a2の内部は円筒形状の空洞である。また、内部容器32は、下方側面部に複数の透孔32bを形成している。同透孔32bは内部容器32の側面を貫通しており、内部容器32の外と電解槽32a内とを連通させている。
外部容器31と内部容器32との間には、入水管33a,33b及び透孔32bより上方であって出水管34a,34bより下方の高さに位置する遮断板36が備えられている。当該遮断板36は、外部容器31の内周と内部容器32の外周との間の隙間を塞いでおり、外部容器31と内部容器32との間の空間を、下方の第一空間と上方の第二空間とに分離している。
第一室32a1,第二室32a2の底面には、伝導板35a,35bがそれぞれ、一の表面を室内に露出させた状態で備えられている。従って、第一室32a1,第二室32a2に複数個ずつ収容された銀イオン溶出体51aは、直接に伝導板35a又は伝導板35bと接触して通電するか、あるいは、同じ室内の他の銀イオン溶出体51aと接触して、間接的に伝導板35a又は伝導板35bと通電する。その結果、直流電圧の供給を受けて極性がプラス側となっている伝導板が備えられている室内においては、銀イオン溶出体51aは陽極となる。一方、極性がマイナス側となっている伝導板が備えられている室内においては、銀イオン溶出体51aは陰極となる。ここで、第一室32a1の伝導板35aをプラス側とし、第二室32a2の伝導板35bをマイナス側とする。
かかる構成の容器体30において、入水管33a,33bから入水した水流は、先ず第一空間内へ流れ込む。水流は第一空間内を還流しつつ、透孔32bを介して電解槽32a内へ流入する。遮断板36が第一空間と第二空間とを完全に遮断しているため、第一空間に流入した水流は全て電解槽32aへ流入する。電解槽32aに流入した水流は、各第一室32a1,第二室32a2内を銀イオン溶出体51aを撹拌しながら還流する。すなわち、電気分解における陽極・陰極自体が、水流によって撹拌され、第一室32a1,第二室32a2内を回転しながら移動する。そして、水流は、銀イオン溶出体51aから溶出した銀イオンを含有した状態で出水管34a,34bから出水する。
ここで、入水管33a,33bから第一空間へ入水した水流が、効果的に第一空間内を一定方向に還流するように、入水管33a,33bが外部容器31と接する入水口に整流板37a,37bを備えても良い。入水管33a,33bから入水した水流を、外部容器31の内壁に沿う方向に案内する角度に整流板37a,37bを設置すれば、水流は、第一空間内を一定方向に還流しやすくなる。
図7は、上記容器体30を図6におけるB‐B部分で切断した状態を示している。ただし同図においては、第一室32a1,第二室32a2に銀イオン溶出体51aを収容している。
同図に示すように、第一空間内を一定方向に還流する水流は、内部容器32の側面に形成された複数の透孔32bから電解槽32a内に流入する。透孔32bを内部容器32の側面に対して斜めに入射するように形成すると、上記還流する水流が電解槽32a内に流入しやすい。また、電解槽32aの第一室32a1,第二室32a2においては、それぞれ周囲の複数箇所から透孔32bを通過して水流が入水してくるため、各室内には一定方向へ回転する流れが形成されやすくなる。その結果、銀イオン溶出体51aは、水流によって効果的に撹拌され、第一室32a1,第二室32a2内を回転しながら移動する。
なお、透孔32bの数や大きさ、内部容器32への透孔32bの入射角などは、入水管33a,33bおよび出水管34a,34bの口径や設置位置、または水流の水圧の違いなど、種々の条件によって様々に変更可能である。
電解槽32a内において電気分解が生じるには、第一室32a1に収容された陽極たる銀イオン溶出体51aと、第二室32a2に収容された陰極たる銀イオン溶出体51aとが、ある程度接近する必要がある。上述したように、第一室32a1と第二室32a2との間には窓部32cが形成されている。従って、各銀イオン溶出体51aが水流によって撹拌されている最中において、第一室32a1の銀イオン溶出体51aの何れかと、第二室32a2の銀イオン溶出体51aの何れかとが、同窓部32cを介して接近する。その結果、電気分解反応が生じ、陽極たる第一室32a1の銀イオン溶出体51aから、銀イオン(Ag+)が水中に溶出する。
水流により撹拌されている間は、各銀イオン溶出体51aは絶えず回転しながら移動しているため、窓部32cの両側において陽極と陰極が接近した状態がどの瞬間も常に保たれる訳ではない。しかし、絶えず回転しながら移動しているため、ある銀イオン溶出体51aが窓部32cから遠ざかっても、次の銀イオン溶出体51aが直に窓部32cに接近するということが繰り返される。従って、第一室32a1,第二室32a2内で銀イオン溶出体51aが撹拌されている状態において、窓部32cを介して陽極たる銀イオン溶出体51aと陰極たる銀イオン溶出体51aとが接近している状態は充分に確保され、その結果、電気分解による銀イオンの溶出が得られる。
本発明は、上記電気分解による銀イオンの溶出効果に加えて、銀イオン溶出体51aの表面と水流との接触作用による銀イオンの溶出効果をも有する。
銀は、水と接触した際に一定のイオン化傾向によって、水中に銀イオンを溶出する。本願においては、銀イオン溶出体51aは、撹拌されながら水中を絶えず移動しているため、水流との接触作用も高く、銀イオンの溶出効果も高い。
さらに、銀イオン溶出体51a同士が絶えず摩擦動作を繰り返すことで、銀イオンの溶出効果が高いままに維持されるという効果がある。
通常、水中に銀イオン溶出体51aを置いた状態にしておくと、時間の経過とともに表面上に水垢、錆などが付着する。また、上記のように電気分解を行った場合には、めっきの作用により、陰極に対応する銀イオン溶出体51aの表面上に、水中のミネラル分が結晶となったいわゆるスケールが付着する。これら付着物は、水流との接触作用による銀イオンの溶出効果及び電気分解による銀イオンの溶出効果を、ともに著しく低下させる。しかし、本発明においては、銀イオン溶出体51a同士が表面上を互いに摩擦させることで、表面上の水垢、錆、スケール等の付着物を互いに除去しあう。その結果、水流が電解槽32a内を還流している間は、銀イオン溶出体51aの表面上に付着物がほとんど定着しない状態が保たれる。
したがって、電気分解による銀イオンの溶出効果と水流との接触作用による銀イオンの溶出効果とは、いずれも長期間に渡って高いまま保たれる。
さらに、上記銀イオン溶出体51a同士の摩擦動作による付着物の除去と併せ、陽極・陰極の切替作業を行えば、銀イオン溶出体51a表面の付着物の除去効果はきわめて高くなる。
水殺菌装置100は、上記極性切替回路20によって、一定時間毎に第一室32a1に備える伝導板35aと第二室32a2に備える伝導板35bとの極性を切替えることができる。伝導板35a,35bの極性切替によって、それまで陽極であった銀イオン溶出体51aは陰極へ、陰極であった銀イオン溶出体51aは陽極へ切り替わる。その結果、酸化反応が起こる側の銀イオン溶出体51aと還元反応が起こる側の銀イオン溶出体51aとが切り替わり、陰極に対応する銀イオン溶出体51aの表面にスケールが定着することが防がれる。
付着物がほとんど定着しない状態が保たれるということは、付着物による銀イオン溶出効果の低下に伴う銀イオン溶出体51aの交換作業がほとんど必要ないことを意味する。実質的には、銀イオン溶出体51aの銀部分が著しく磨耗して銀イオンの溶出効果が低下した場合にのみ交換すればよいので、交換する必要はほとんど無く、当該水殺菌装置100のメンテナンスは非常に容易になる。
次に、上記構成の水殺菌装置100を用いて行った銀イオン溶出量の測定に関し、その方法及び結果について説明する。
図8は、銀イオンの溶出量の測定に用いた装置全体の概略構成を示している。
当該装置は、水槽110と、循環用ポンプ120と、水殺菌装置100と、これら構成物品間を接続するパイプ130とからなる。水槽110には、100リットルの水道水が貯水されている。ただし、当該水道水は塩素を除去した状態にしてある。以下、水道水と言う場合には、塩素を除去した水道水を示すものとする。
水槽110の取水口112から流出した水道水は、循環用ポンプ120を介して水殺菌装置100へ供給される。水殺菌装置100へ供給さた水道水は、パイプ130と接続した入水管33a,33bから容器体30の内部へ流入し、銀イオン溶出体51aから溶出した銀イオンを含有した上で、出水管34a,34bから出水する。水道水は、出水管34a,34bと接続するパイプ130を介して水槽110の入水口111へと導かれる。
本測定においては、直径が40mmの球状の銀イオン溶出体51aを、第一室32a1,第二室32a2に夫々5個ずつ収容した。5個の銀イオン溶出体51aは、各室内において、4個を伝導板35aまたは伝導板35bと接する底面上に四角状に置き、残りの1個を4個が支える略中央に乗せた状態で収容した。ここで、第一室32a1,第二室32a2の内径は、4個の銀イオン溶出体51aを底面上に置いた際に、各4個の表面と各室の内壁との間に若干の距離が生じる長さに設定した。第一室32a1,第二室32a2の内径を上記長さとすることで、各銀イオン溶出体51aには、水流の撹拌作用によって各室内を回転できるだけの余裕が与えられる。同時に、各銀イオン溶出体51aは、上記内壁及び同室の他の銀イオン溶出体51aと接近しあるいは接しながら各室内を回転するため、回転軌道を大きく外れて底面に備えられた伝導板35a,35bと離間することが防がれる。
4個の銀イオン溶出体51aが形成する略中央位置の上に乗せられた1個の銀イオン溶出体51aは、下の4個に対して重石の役割を果たす。その結果、下の4個の銀イオン溶出体51aは、水流によって撹拌されながらも、底面の伝導板35aまたは伝導板35bに接地した状態を安定して保つことができ、各室の銀イオン溶出体51aは伝導板35aまたは伝導板35bと通電して陽極又は陰極となる。
また、伝導板35a,35bに供給する直流電圧は4,5Vとし、電流を2mAとした。
かかる条件の下、100リットルの水道水を水槽110と水殺菌装置100との間で1時間繰り返し循環させ、同循環後の水道水の銀イオン溶出量を計測した。
計測の結果、水道水中からは、0,5〜1,0mg/リットルの銀イオンが検出された。ここで、水の殺菌消毒に用いる場合の銀イオンは、0.01mg/リットルで充分効果があるとされており、上記測定によって溶出した銀イオンの量は、殺菌効果としては充分なものであると言える。したがって、本実施形態にかかる水殺菌装置100を、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンク、蒸気による殺菌処理装置、食品加工工場など、水の殺菌処理を必要とする設備に取り付けることにより、銀イオンの殺菌効果を利用して効果的に水の殺菌処理を行うことができる。
上記計測結果は、水殺菌装置100内を1時間繰り返し通過させた後の水道水中の銀イオン溶出量であるが、かかる計測中において、水槽110中の銀イオンの溶出量は経時的に増加していくことが確認された。従って、水殺菌装置100に拠れば、水を繰り返し循環させる時間と増加する銀イオン溶出量との関係に基づき、水を循環させる時間を調節すれば、必要とする濃度の銀イオン水を得ることができる。すなわち、風呂水や、水道水や、調理設備等、殺菌処理の対象が異なれば必要とされる銀イオン水の濃度も異なるが、水殺菌装置100に拠れば、これら殺菌処理に要求される銀イオン濃度の異なる状況にも対応することができる。
図9は、水殺菌装置100の使用態様の一例を示している。
同図において、管体140内には、水殺菌装置100の、整流器10とスイッチ11と極性切替回路20とを除いた部分が収容されている。同管体140は、支流管160a,160bと接続しており、支流管160a,160bは、夫々本管150と接続している。また、支流管160aは、管体140の内部において容器体30の入水管33a,33bと接続しており、支流管160bは、容器体30の出水管34a,34bと接続している。本管150上の、支流管160a,160bと夫々接続している部位の間には、バルブ151が、支流管160a,160bの途中には、夫々バルブ160a1,160b1が備えられている。かかる構成において、図中の右から左に向かって本管150中を水流が流れるとする。
バルブ151,160a1,160b1をいずれも開けると、本管150を流れる水流のうち一部の水流が支流管160aを通って、管体140内に流入する。管体140内に流入した水流は、内部の水殺菌装置100内を通過する際に銀イオン溶出体51aから溶出する銀イオンを含有し、支流管160bへ出水する。このようにして銀イオン水となった水流は、支流管160bを通過して本管150に戻り、本管150を流れる水流と合流する。支流管160bからの流れと合流した水流中の銀イオン濃度は、バルブ151,160a1,160b1の開け具合を夫々調節することで変化させることが可能である。つまり、バルブ151の開け具合を小さくし、バルブ160a1,160b1の開け具合を大きくすれば、管体140を通過する流量が多くなり、支流管160bからの流れと合流した本管150の水流中の銀イオン濃度は上がる。一方、バルブ151を開け具合を大きくし、バルブ160a1,160b1の開け具合を小さくすると、管体140を通過する流量が少なくなり、支流管160bからの流れと合流した本管150の水流中の銀イオン濃度は下がる。
もちろん、バルブ151を完全に閉め、本管150を流れる水流が全て管体140内を通過するようにしても良い。
上記本管150としては、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンク、蒸気による殺菌処理装置、食品加工工場など様々な設備中に設置された水を通すための配管が想定される。かかる配管途中に水殺菌装置100を収容した管体140を取り付けることで、同配管から上記設備に給水される水を銀イオンにより効果的に殺菌処理することができる。なお、伝導板35a,35bへは、導線40と接続する接続端子141を介して直流電圧が供給される。導線40と接続する極性切替回路20等は図中省略してある。
水殺菌装置100の使用態様は、上記図9に示すものに限られない。例えば、噴霧器に水殺菌装置100を取り付けても良い。
昨今、重症急性呼吸器症候群(SARS)に代表される感染症などに対する関心の高まりから、空港や病院などの公共施設を効果的に殺菌処理することが求められている。そこで、水殺菌装置100を、建物や設備の殺菌処理に用いる噴霧器に取り付け、噴霧口から銀イオン水を含む殺菌効果のある霧状の液体を噴霧するようにすれば、公共施設を始めとする建物や設備を効果的に殺菌処理することができる。
(2)他の実施形態
以下に、水殺菌装置100を構成する容器体の、他の例について説明する。
図10は、電解槽32aの各室に保持具170を有する場合の内部容器32の一部を斜視図により示している。同図は、第一室32a1及び第二室32a2内に同じ構成の保持具170を有する以外は第一の実施形態と同様であるため、保持具170以外については第一の実施形態と同様の符号を付して説明する。また、同図は、内部容器32のうち、第一室32a1の内部を中心に描かれている。
保持具170は、第一室32a1内に収容された銀イオン溶出体51aのうち、底面上に直接置かれた各銀イオン溶出体51aに支えられて略中央位置に置かれ、最上段に位置する銀イオン溶出体51aの周囲を囲む管材171と、同管材171の外周面から第一室32a1の内壁に向かって延設されて同管材171を空中に支持する支持材172と、同管材171の上方の口を一部塞ぐ押え材173とからなる。管材171の内径は、銀イオン溶出体51aの直径より若干長く設計されている。かかる管材171に周囲を囲まれた最上段の銀イオン溶出体51aは、同囲まれた範囲内で水流の撹拌作用によって自由に回転することができると同時に、水流に激しく撹拌されても、底面上に置かれた各銀イオン溶出体51aに支えられた略中央位置から大きくずれることは無い。
また、上記押え材173は、最上段の銀イオン溶出体51aが水流によって激しく撹拌された場合に、管材171の上方の口から飛び出すことを禁止している。かかる保持具170を備えることによって、最上段の銀イオン溶出体51aは、底面上に置かれた各銀イオン溶出体51aに支えられた略中央位置から大きくずれることなく、底面上に置かれた各銀イオン溶出体51aを上方から押さえる役割を常に果たすことができる。
その結果、水流によって撹拌される間も、底面上に置かれた各銀イオン溶出体51aは伝導板35aと接地した状態を維持することができ、電気分解による銀イオンの溶出効果も安定する。
図11は、容器体180の構成を斜視図により示している。
容器体180は、外部容器181と、同外部容器181の中に全体を収容できる大きさの内部容器182と、入水管と、出水管184と、遮断板186とを有す点は、第一の実施形態にかかる容器体30と同様である。また、内部容器182は、内部が二室に分かれた電解槽182aを有し、二室の間に窓部182cを有し、各室に伝導板185a,185bを備えるとともに、側面に複数の透孔182bを形成する点も上記容器体30と同様である。しかし、容器体180は、以下の点で、容器体30と異なる。
同図に示すように、内部容器182の高さは、遮断板186が設置されている高さまでとなっている。内部容器182の上面部は塞がれておらず、遮断板186の上面と、遮断板186より上位に位置する外部容器181の内壁に囲まれた空間に対して開放されている。また、出水管184は、内部容器182ではなく、外部容器181に接続している。 当該構成において、外部容器181と接続した図示しない入水管から第一空間に入水した水流は、内部容器182の透孔182bから電解槽182a内に流入した後、電解槽182a内を還流しながら、銀イオン溶出体51aを撹拌する。次に水流は、開放された内部容器182の上面部から、上記遮断板186の上面と遮断板186より上位に位置する外部容器181の内壁に囲まれた空間に流入する。そして、同空間内を還流しながら、水流は外部容器181に接続された出水管184より出水する。
すなわち、容器体180では、容器体30と異なり、遮断板186より上位に位置する外部容器181内の空間を水流が還流する構成となっている。当該構成を採用することにより、水流が還流する空間を拡げることができる。また、水流が還流する空間を上記容器体30と同程度の体積分だけ確保する場合には、容器体180の高さを低くすることがで、水殺菌装置100全体をコンパクト化することが可能となる。さらに、内部容器182の上面部が塞がれていないので、上記容器体30と比較して、容易に銀イオン溶出体51aを電解槽182a内へ収容し、あるいは電解槽182aから取り出すことが可能となる。
同図においては、出水管184は、外部容器181の上面部から略垂直上方向に延設されているが、出水管の配設位置及び本数は自由に選択可能である。
図12は、容器体190の構成を斜視図により示している。
同図において、容器体190は、側面付近の部位を縦断面方向に切断した2つの略円筒形の容器を同切断した断面同士で接合した形状となっている。容器体190は、内部に第一室191aと第二室191bとに分かれた電解槽191を有し、略円筒形の容器が重なる部位において第一室191aと第二室191bとを分けている。また、第一室191aと第二室191bとの間の一部には、銀イオン溶出体51aが通過できない大きさの窓部191cが形成されており、二室間は完全には遮断されていない。第一室191aと第二室191bとには、伝導板194a,194bが夫々備えられており、図示しない極性切替回路などと接続している。
容器体190は、上記容器体30または容器体180と異なり、内部容器と外部容器とに分けられておらず、遮断板も透孔も有さない。入水管192a,192bは、それぞれ第一室191a,第二室191bに水流を直接入水させるべく、容器体190の下方側面部において、第一室191a,第二室191bに夫々対応した位置に接続している。また、出水管193a,193bは、第一室191a,第二室191bからそれぞれ出水させるべく、容器体190の上方側面部において、第一室191a,第二室191bに夫々対応した位置に接続している。
水流は、入水管192a,192bから各室毎に直接入水し、各室内を還流しながら銀イオン溶出体51aを撹拌する。そして、各室内を還流しながら、水流は出水管193a,193bから出水する。
このように、容器体190は、上記容器体30または容器体180と比較して非常に簡易な構成をしている。したがって、上記容器体30または容器体180を製造する場合と比較して上記容器体190の製造は容易であり、製造コストも低く抑えることができる。
図13は、容器体190を上から見た状態を示している。
同図に示すように、容器体190の側面部において、入水管192aおよび出水管193aは、電解槽191の第一室191aの軸芯上を通過しない方向に配設されおり、入水管192bおよび出水管193bは、第二室191bの軸芯上を通過しない方向に配設されている。上記のように入水管192a,192bおよび出水管193a,193bを配設すると、入水管192a,192bから入水した水流は、夫々第一室191a,第二室191b内にて、各室の軸芯を中心として回転するように還流する。そして、出水する際も、回転の方向に沿って滞りなく出水管193a,193bより夫々出水することができる。従って、電解槽191内に収容された銀イオン溶出体51aは、各室内において、効果的に撹拌され、水流との接触作用及び、互いの摩擦動作が充分なものとなる。
なお、上記入水管192a,192bおよび出水管193a,193bの配設態様は一例に過ぎず、容器体190の側面部、上面部あるいは下面部においてあらゆる方向で配設することが可能である。
以上では、金属イオン溶出体50として、銀イオン溶出体51を用いて説明を行ってきたが、金属イオン溶出体50は銀イオン溶出体51に限られるものではなく、銅イオン溶出体を用いて殺菌処理を行うことも可能である。
すなわち、上記各実施形態において、銀イオン溶出体51の代わりに、銅イオン溶出体を電解槽内に収容すれば、銅イオン溶出体から、水流との接触作用及び電気分解によって水中に銅イオンが溶出する。そして、出水管34a,34b等から銅イオンが溶出した銅イオン水が出水する。
また、銅イオン溶出体が互いに摩擦動作を繰り返すことにより、表面上のスケールなどの付着物が除去される。したがって、銅イオン溶出体を長期に渡って使用しても、付着物による銅イオンの溶出効果の低下を防ぐことができる。
なお、銅イオン溶出体の形状としては、銀イオン溶出体51と同様に、図2,3において示した球状や円筒状をはじめ、様々な形状を採用可能である。
銅イオンの効能について説明する。
一般に、銅イオンには強い殺菌効果があることが知られており、レジオネラ菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌など、各種の病原菌に対する殺菌効果がある。また、特に銅イオンは殺藻効果が高いことが知られている。銅イオンは、藻類に吸着して藻類を死滅させ、藻類の発生、増殖を抑える働きをする。レジオネラ菌は、藻類やアメーバと共生することにより増殖するので、殺藻効果の高い銅イオンを用いて、水の殺菌処理を行えば、水中のレジオネラ菌の増殖を抑制することができる。
また、銅イオンは、上記銀イオンよりは殺菌効果が低いので、水中の有用な細菌を死滅させずに、有用な細菌の浄化能力を利用して、水を浄化することが可能となる。
銅イオン水には、塩素系薬剤による刺激臭、肌荒れ、異臭味が一切無く、人体に無害である。従って、銅イオンは、浴槽、プール、温泉施設、貯水タンク、蒸気による殺菌処理装置、食品加工工場など各種施設における水の殺菌処理に好適である。
また、銅イオンによっては、配管、機器設備品、その他の建材、サッシなどの腐食も無いので、水殺菌処理に用いる装置の劣化もほとんど進まない。
さらに、銀イオン溶出体51を収容する水殺菌装置100と、銅イオン溶出体を収容する水殺菌装置100とを上記施設の配管上に取り付ければ、上記施設において銀イオンと銅イオンとを含有したイオン水を生成でき、銀イオンと銅イオンとがぞれぞれ持つ殺菌効果によって、水の殺菌処理を行うことが可能となる。
水殺菌装置100に収容する金属イオン溶出体50は、上記銀イオン溶出体51と銅イオン溶出体に限定されるものでは無く、殺菌効果や腐食防止効果などを有する各種金属イオンを溶出する金属イオン溶出体50が含まれる。
(3)まとめ
このように、電解層32aの各室内で水流によって撹拌される銀イオン溶出体51a等を、一室においては陽極とし、他室においては陰極とすることによって、電気分解の作用及び銀イオン溶出体51a等と水流との接触作用により銀イオン等を水中に効率的に溶出する。また、撹拌される銀イオン溶出体51a等が、互いの摩擦動作によって表面上の付着物を除去し、銀イオン等の溶出効果の低下を防ぐ。したがって、殺菌効果の高い銀イオン水等を、長期間に渡って安定して生成することができる。
本発明にかかる水殺菌装置の概略構成図である。 銀イオン溶出体の一の形状にかかる一部破断正面図である。 銀イオン溶出体の他の形状を示した図である。 銀イオン溶出体の他の形状にかかる一部破断正面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる容器体の斜視図である。 容器体の縦断面図である。 容器体の横断面図である。 銀イオンの溶出量の測定に用いた装置全体の概略構成図である。 水殺菌装置の使用態様の一例を示した図である。 保持具を有す内部容器の一部を示した斜視図である。 他の実施形態にかかる容器体の構成の一例を示した斜視図である。 他の実施形態にかかる容器体の構成の一例を示した斜視図である。 図12に示した容器体の上面図である。
符号の説明
10…整流器
11…スイッチ
20…極性切替回路
30,180,190…容器体
31,181,…外部容器
32,182…内部容器
32a,182a,191…電解槽
32a1,191a…第一室
32a2,191b…第二室
32b,182b…透孔
32c,182c,191c…窓部
33a,33b,192a,192b…入水管
34a,34b,184,193a,193b…出水管
35a,35b,185a,185b,194a,194b…伝導板
36,186…遮断板
37a,37b…整流板
40…導線
50…金属イオン溶出体
51,51a,51b…銀イオン溶出体
51a1,51b1…空洞部
100…水殺菌装置
170…保持具
171…管材
172…支持材
173…押え材

Claims (16)

  1. 入水管と、出水管と、二室からなり同二室間の一部が遮断されていない電解槽とを夫々一つ以上備える容器体と、
    同電解槽の各室に備えられた導電部材からなる伝導体と接続し、同伝導体に直流電圧を供給する電圧供給部と、
    同電解槽の各室にそれぞれ複数個収容され、水流の撹拌作用により互いに摩擦動作を継続するとともに、一室においては上記電圧供給部のプラス側と接続する伝導体と接触して陽極となり、他室においては上記電圧供給部のマイナス側と接続する伝導体と接触して陰極となることにより電気分解を生じさせて金属イオンを溶出する金属イオン溶出体と、
    を具備することを特徴とする水殺菌装置。
  2. 上記金属イオン溶出体は、円筒状であることを特徴とする上記請求項1に記載の水殺菌装置。
  3. 上記金属イオン溶出体は、球状であることを特徴とする上記請求項1に記載の水殺菌装置。
  4. 上記金属イオン溶出体は、内部が空洞であることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水殺菌装置。
  5. 上記入水管と出水管とは、高低差を設けて配設されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水殺菌装置。
  6. 上記入水管と出水管とは、上記容器体の側面部において、上記電解槽の各室の軸芯と垂直の方向から所定の角度へずらした方向に配向されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置。
  7. 上記出水管は、上記容器体の上面部または下面部に配設されていることを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水殺菌装置。
  8. 上記出水管は、上記容器体の上面部において、略垂直方向に配設されていることを特徴とする上記請求項7に記載の水殺菌装置。
  9. 上記入水管は、上記容器体と接する入水口に、入水する水流を所定の方向に保つための整流板を備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の水殺菌装置。
  10. 上記入水管及び出水管は、上記電解槽の各室毎に配設されることを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の水殺菌装置。
  11. 上記電解槽の各室の内壁形状は、略円筒状であることを特徴とする上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の水殺菌装置。
  12. 上記伝導板は、上記電解槽の各室の底面において、一の表面を各室の内側に露出させて備えられることを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の水殺菌装置。
  13. 上記電解槽は、各室に収容する上記金属イオン溶出体のうち、他の金属イオン溶出体の上に置かれて最上段に位置する金属イオン溶出体を、各室内における一定範囲に移動範囲を制限した上で自由に回転可能に保持する保持具を各室に備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項12のいずれかに記載の水殺菌装置。
  14. 上記容器体は、上記入水管と接続する外部容器と、上記電解槽まで貫通する複数の透孔を側面に形成するとともに上記出水管と接続する内部容器とから構成されることを特徴とする上記請求項1〜請求項13のいずれかに記載の水殺菌装置。
  15. 上記電圧供給部は、上記伝導体に供給する直流電圧の極性を切換えることが可能な極性切替回路を備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項14のいずれかに記載の水殺菌装置。
  16. 入水管と出水管と二室からなり同二室間の一部が遮断されていない電解槽とを夫々一つ以上備える容器体の各室に金属イオン溶出体を複数個収容し、
    同入水管から出水管へ水を通過させ、水流の撹拌作用により各金属イオン溶出体に互いに摩擦動作を継続させ、かつ、同電解槽の各室に備えられた伝導体に直流電圧を供給し、上記金属イオン溶出体を、一室においては極性がプラス側の伝導体と接触させ陽極とし、他室においては極性がマイナス側の伝導体と接触させ陰極とすることにより電気分解を生じさせて金属イオンを溶出することを特徴とする水殺菌方法。
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