JP2006210743A - コイル封入圧粉磁芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コイル封入圧粉磁芯としての透磁率が大きく、直流重畳特性に優れ、さらに高い密度が得られるコイル封入圧粉磁芯を提供する。
【解決手段】 絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる圧粉体と、圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、強磁性金属粒子は、Fe−Si−Al−Ni合金から構成されることを特徴とする。本発明において、Fe−Si−Al−Ni合金は、Si:3〜8wt%、Al:2〜5wt%、Ni:6wt%以下(ただし、0を含まず)、残部実質的にFeの組成を有することが好ましい。また本発明において、強磁性金属粒子は、平均粒径が1〜45μmであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に電源のインダクタ若しくはチョークコイルとして用いられるコイル封入圧粉磁芯に関する。
近年、電気、電子機器の小型化が進み、小型(低背)で大電流に対応した圧粉磁芯が要求されている。圧粉磁芯の材料としては、フェライト粉末や強磁性金属粒子が用いられているが、強磁性金属粒子はフェライト粉末に比較して飽和磁束密度が大きく、直流重畳特性が高磁界まで保たれる。よって、大電流に対応した圧粉磁芯を作製する際には、圧粉磁芯の材料として強磁性金属粒子を用いることが主流となってきている。また、コアの小型化(低背)をさらに推進するため、コイルと強磁性金属粒子が一体的に加圧成形されたコイルが提案されている。この構造のインダクタを、本明細書では、「コイル封入圧粉磁芯」と呼ぶことにする。
コイル封入圧粉磁芯の構造を持つ表面実装型(SMD)のインダクタの要求がある。そこで、例えば、特開平5−291046号公報(特許文献1)には、絶縁被覆した導線に外部電極を接続し、それらを包み込むように磁性粉末とともに加圧成形することが開示されている。また、特開平11−273980号公報(特許文献2)には、扁平粉と、バインダを用い、コイルとともに加圧成形することが開示されている。コイルとともに加圧成形することを、本願明細書では一体成形と呼ぶことにする。特許文献2には、扁平粉として、アスペクト比が約20のFe−Si−Al合金粉末を用いることが開示されている。
特開平5−291046号公報 特開平11−273980号公報
圧粉磁芯に用いられる強磁性金属としては、Fe−Si−Al合金の他に、Fe−Ni合金、Fe−Si合金が知られている。
一方で、電気、電子機器の小型化のためには、圧粉磁芯がSMDに適応したコイル封入圧粉磁芯であることが望ましい。予め成形された磁芯を貼り合せるタイプの圧粉磁芯に比べてインダクタンスを大きくすることができるためである。ここで、コイル封入圧粉磁芯を得るためには、前述したように一体成形が必須工程となる。この一体成形において、成形圧は低いことが望まれる。一体成形中にコイルに過大な圧力が加わると、コイルの潰れ、ショート、断線といった不具合が発生するおそれがあるためである。したがって、コイル封入圧粉磁芯に用いられる強磁性金属は、その成形性の観点から、硬さが低いことが望ましい。
また、電気、電子機器の小型化のためには、透磁率がより大きく、かつ高い磁界領域まで透磁率の低下が小さく、さらに直流重畳下でのコアロスが小さい強磁性金属であることが望まれる。
一般的に、透磁率が大きく、コアロスが小さい強磁性金属材料として、前述したように、Fe−Ni合金、Fe−Si合金及びFe−Si−Al合金が、コイル封入圧粉磁芯に用いられている。しかし、Fe−Ni合金、Fe−Si合金は、透磁率が十分に大きいとはいえない。また、Fe−Si−Al合金は、合金自体としての透磁率は大きいものの、コイル封入圧粉磁芯としての透磁率は低い。Fe−Si−Al合金は、硬度が高いため、コイル封入圧粉磁芯として高い密度を得ることが困難なためである。また、Fe−Si−Al合金は、強磁性金属としては磁束密度が小さいために、直流重畳特性が悪い。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、透磁率が大きく、直流重畳特性に優れ、さらに高い密度が得られるコイル封入圧粉磁芯を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明のコイル封入圧粉磁芯は、絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる圧粉体と、圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、強磁性金属粒子は、Fe−Si−Al−Ni合金から構成されることを特徴とする。
本発明において、Fe−Si−Al−Ni合金は、Si:3〜8wt%、Al:2〜5wt%、Ni:6wt%以下(ただし、0を含まず)、残部実質的にFeの組成を有することが好ましい。
また本発明において、強磁性金属粒子は、平均粒径が1〜45μmであることが好ましい。
本発明によれば、コイル封入圧粉磁芯としての透磁率が大きく、直流重畳特性に優れ、さらに高い密度が得られるコイル封入圧粉磁芯を提供することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は本実施の形態におけるコイル封入圧粉磁芯の平断面図である。また、図2はコイル封入圧粉磁芯の側断面図である。
図1及び図2に示すように、コイル1は扁平状の導体2が巻回されて積層されている巻回部3と、その巻回部3より各々引き出した引出端部4a,4bとからなる空芯コイルである。圧粉体10は、コイル1の引出端部4a,4bを除き当該コイル1の周囲を覆っている。また、詳細な説明については後述するが、本実施の形態では、コイル1の引出端部4a,4bが端子部100として機能するため、コイル1はいわゆる端子一体型構造となっている。
圧粉体10について説明すると、圧粉体10は、強磁性金属粒子に絶縁材を添加、混合し、しかる後所定の条件で加圧することにより作製される。そのために、圧粉体10において、強磁性金属粒子は絶縁材でコーティングされる。また、絶縁材を添加した強磁性金属粒子を乾燥した後、さらに乾燥後の磁性粉末に潤滑剤を添加、混合することが好ましい。
本発明は、圧粉体10に用いる強磁性金属として、Fe−Si−Al−Ni合金を用いるところに特徴がある。Fe−Si−Al−Ni合金は、Si:3〜8wt%、Al:2〜5wt%、Ni:6wt%以下(ただし、0を含まず)、残部:実質的にFeの組成を有することが好ましく、さらにSi:5〜7wt%、Al:3.5〜4.5wt%、Ni:2.5〜3.5wt%、残部:実質的にFeの組成を有することがより好ましい。
Fe−Si−Al−Ni合金は、Si:6wt%、Al:4wt%、Ni:3.2wt%、残部:実質的にFeの組成を有する場合、最大透磁率(μm):42000、飽和磁束密度(Bs):1.6T(16000G)、保磁力(Hc):1.6A/m(0.02Oe)の磁気特性を有する。また、この組成のFe−Si−Al−Ni合金は、硬さがHv:350〜370程度である。
従来、コイル封入圧粉磁芯に用いられているFe−Si−Al合金は、Si:9.5wt%、Al:5.5wt%、残部:実質的にFeの組成を有する場合、最大透磁率(μm):120000、飽和磁束密度(Bs):0.95T(9500G)、保磁力(Hc):2.4A/m(0.03Oe)の磁気特性を有する。また、この組成のFe−Si−Al合金は、硬さがHv:650程度である。
以上のように、Fe−Si−Al−Ni合金は、Fe−Si−Al合金に比べて飽和磁束密度(Bs)が高く、硬さが低い。したがって、Fe−Si−Al−Ni合金を用いたコイル封入圧粉磁芯は、直流重畳特性に優れる。また、Fe−Si−Al−Ni合金は硬さが低いため、コイル封入圧粉磁芯の密度を確保することができる。したがって、コイル封入圧粉磁芯としての透磁率を確保することができる。
圧粉体10を構成する強磁性金属粒子の形状は特に制限はないが、高い磁界域までインダクタンスを維持するために、球状又は楕円状とすることが好ましい。このような強磁性金属粒子は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等によって得ることができる。また、強磁性金属粒子の平均粒径は、好ましくは1〜45μm、より好ましくは3〜35μm、さらに好ましくは5〜30μmである。平均粒径が小さすぎると保磁力が大きくなってしまい、また、取り扱いが難しくなる。一方、平均粒径が大きすぎると渦電流損失が大きくなってしまう。
圧粉体10を構成する強磁性金属粒子は、絶縁材によってその表面がコーティングされる。絶縁材は、必要とされる磁芯の特性に応じて適宜選択されるものであるが、例えば各種有機高分子樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、水ガラス等を絶縁材として用いることができ、さらにこれらの樹脂と無機物を組み合わせて使用してもよい。必要とされる磁芯の特性に応じて絶縁材の添加量は異なるが、1〜10wt%程度添加することができる。絶縁材の添加量が10wt%を超えると透磁率が低下し、損失が大きくなる傾向にある。一方、絶縁材の添加量が1wt%未満の場合には、絶縁不良の可能性がでてくる。絶縁材の好ましい添加量は、1.5〜5wt%である。
潤滑剤は、その添加量を0.1〜1wt%程度とすることができ、望ましい潤滑剤の添加量は0.2〜0.8wt%、さらに望ましい潤滑剤の添加量は0.3〜0.8wt%である。潤滑剤の添加量が0.1wt%未満の場合には、成形後の脱型がしにくく、成形クラックが生じやすい。一方、潤滑剤の添加量が1wt%を超えると、密度の低下を招き、透磁率が減少してしまう。潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸ストロンチウム等から適宜選択すればよい。いわゆるスプリングバックが小さいという点から、潤滑剤としてステアリン酸アルミニウムを用いることが好ましい。
また、強磁性金属粒子には所定量の架橋剤を添加することができる。架橋剤を添加することにより、圧粉体10の磁気特性を劣化させることなく、強度を増加させることができる。架橋剤の好ましい添加量は、シリコーン樹脂等の絶縁材に対して10〜40wt%である。架橋剤としては、有機チタン系のものを用いることができる。
次に、コイル1の構造を説明する。
図1及び図2に示すように、コイル1は導体2をエッジワイズ巻きで例えば、2.5ターン巻回したものであり、導体2の引出端部4a,4bはコイル1の本体部分より逆フォーミングで各々引き出された構造となっている。つまり、コイル1は継ぎ目なしに一体に形成されている。
コイル1を形成する導体2の断面は扁平状となっている。ここで、扁平状の断面としては、例えば矩形、台形、楕円形の断面が挙げられるが、矩形状の断面を有する導体2としては、絶縁被覆銅線である平角線がある。平角線を導体2として用いる場合には、その断面寸法を縦0.1〜1mm×横0.5〜5mm程度とすることができる。導体2の絶縁被覆は、通常、エナメル被覆とすることができるが、エナメル被覆の厚さは略3μm程度とする。
扁平状の導体2を巻回してコイル1を形成した場合には、図2に示したようにコイル1を構成する巻線の各層間を極めて密に接触させることができる。したがって、断面が円形の導体を用いる場合よりも低背化に有利であるのみならず、体積当たりの電流容量を向上させることができる。また、巻回数が同等で断面が円形状である導体を巻回してコイル1を形成した場合に比べて、電線占有率を大幅に向上させることができる。よって、扁平状の導体2を巻回して作製したコイル1は、大電流用のコイル封入圧粉磁芯を作製する上で好適である。
本実施の形態に係るコイル封入圧粉磁芯の製造方法について図3〜図4を用いて説明する。
図3は、本実施の形態によるコイル封入圧粉磁芯の製造工程を示すフローチャートである。なお、扁平状の導体2を巻回したコイル1は予め作製しておくものとする。
まず、Fe−Si−Al−Ni合金からなる強磁性金属粒子及び絶縁材をそれぞれ秤量する(ステップS201)。なお、架橋剤を添加する場合には、ステップS201において秤量しておく。秤量後、強磁性金属粒子と絶縁材を混合する(ステップS202)。また、架橋剤を添加する場合には、ステップS202において強磁性金属粒子と絶縁材と架橋剤を混合する。混合は加圧ニーダ等を用い、好ましくは室温で20〜60分間混合する。得られた混合物を、好ましくは100〜300℃程度で20〜60分間乾燥する(ステップS203)。次いで、乾燥した混合物を解砕し、圧粉磁芯用強磁性金属粒子を得る(ステップS204)。続くステップS205では、圧粉磁芯用強磁性金属粒子に潤滑剤が添加される。潤滑剤を添加した後、10〜40分間混合することが望ましい。
潤滑剤が添加された後、成形工程に進む(ステップS206)。
本実施の形態では、絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる磁性粉末中に、コイルを埋め込んでコイル封入圧粉磁芯を製造するに際し、図4(A)に示すように、型枠5及び下パンチ7により形成される成形型内に強磁性金属粒子20を充填する。次いで、図4(B)に示すように、成形型内において、強磁性金属粒子20の上にコイル1を載置するコイル配置工程と、図4(C)に示すように、コイル1が埋まるように強磁性金属粒子20を成形型中に再び充填するコイル埋め込み工程と、図4(D)に示すように、上パンチ6を下降することにより、強磁性金属粒子20とコイル1とが積層された方向に圧力を加えて圧縮成形し、下部コア11及び上部コア12を形成する圧縮成形工程とを設ける。
圧縮成形工程における成形条件は特に限定されず、強磁性金属粒子20の形状及び寸法や、コイル封入圧粉磁芯の形状、寸法及び密度などに応じて適宜決定すればよいが、通常、最大圧力は100〜1000MPa程度、好ましくは100〜600MPa程度とし、最大圧力に保持する時間は0.1秒間〜1分間程度とする。成形圧力が低すぎると、十分な特性及び機械的強度が得られにくい。一方、成形圧力が高すぎると、コイル1がショートしやすくなる。
下部コア11、12の厚さは特に限定されないが、通常、コイル封入圧粉磁芯中においてコイル1がほぼ中央に位置するように、粉の充填量を決定することが好ましい。
コイル配置工程では、図4(B)に示すようにコイル1を型枠5に固定することが好ましい。これにより、コイル埋め込み工程及び圧縮成形工程においてコイル1が動きにくくなり、コイル封入圧粉磁芯内におけるコイル1の位置のばらつきを低減できる。図示例では、上部型枠5Aと下部型枠5Bとからなる2分割された型枠5を用い、上部型枠5Aと下部型枠5Bとの間にコイル1の端部を挟むことにより固定している。
また、コイル配置工程では、図4(B)に示すように、コイル1の軸方向が圧縮成形工程における加圧方向とほぼ一致するようにコイル1を配置することが好ましい。これにより、圧縮成形工程においてコイル1が歪みにくくなり、性能劣化を抑えることができる。
さて、上述したステップS206における成形工程の後、キュア工程(熱硬化処理工程)に進む(ステップS207)。キュア工程では、成形工程(ステップS206)で得られた成形体を150〜300℃の下で15〜45分間保持する。これにより、成形体中の樹脂が硬化する。
キュア工程後、防錆処理工程に進む(ステップS208)。防錆処理は、例えばエポキシ樹脂等をコイル1と圧粉体10とからなる成形体にスプレーコートすることによって行う。スプレーコートによる膜厚は、15μm程度である。防錆処理を施した後、120〜200℃で15〜45分間熱処理を行うことが望ましい。
上述の通り、本実施の形態に係るコイル封入圧粉磁芯では、コイル1の一部を端子部100としている。ところが、そもそも導体2としてエナメル等の絶縁皮膜が表面に形成されたものを用いている。そして、本発明者等の観察によると、ステップS207のキュア工程において、この絶縁皮膜の直下に銅の酸化皮膜が形成される。さらに、絶縁皮膜の上には、防錆処理工程(ステップS208)による塗装皮膜が形成される。この端子部100に形成された皮膜を除去するのが、サンドブラスト工程(ステップS209)である。
コイル1の表面に形成された3層の皮膜を除去する方法としては、薬品で腐食する方法がある。ところが、それぞれの皮膜を除去するために要する薬品が異なるため、3層の皮膜を除去するにあたっては複数回の処理を行わなければならない。また、薬品による腐食方法によれば、薬品を加熱する必要があり、加熱の際にアルカリ微粒子または酸微粒子が端子部100の塗装皮膜や絶縁皮膜上に付着するおそれがある。このような付着があると、長期間にわたり塗装皮膜や絶縁皮膜への経時的な腐食が進行し、防錆性能の低下やコイル1の層間短絡などの原因となりやすい。こうした危険性を避けるためには、工具を用いた機械的除去方法があるが、本実施の形態に係るコイル封入圧粉磁芯の端子部100の厚みは約5mm以下(0.1〜0.3mm程度)と薄いため、導体2の銅部分に損傷が生じるおそれのある工具を使用することはできない。したがって、本実施の形態においてはサンドブラストを用いて3層の皮膜を除去する方法を採用する。
端子部100を表面実装用端子部とする場合には、端子部100にはんだ付けがなされる(ステップS210)。その後、つぶし加工をして幅広となっている端子部100を必要に応じて折り曲げると、コイル封入圧粉磁芯を基板に装着する際に便利である。
アトマイズ法により作製された表1に示す5種類の強磁性金属粒子、絶縁材、潤滑剤を用意した。
絶縁材:シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン(株)製 SR2414LV)
潤滑剤:ステアリン酸アルミニウム(堺化学製 SA−1000)
Figure 2006210743
各強磁性金属粒子に対し、2.7wt%の絶縁材を添加し、これらを加圧ニーダにより室温で30分間混合した。ついで、空気中において110℃で30分間乾燥した。乾燥後の磁性粉末に、0.3wt%の潤滑剤を添加し、Vミキサーにより15分間混合した。続いて、図4に示す手順により成形を行い、外径:17mm、内径:10mm、厚さ:5mmの圧粉磁芯を作製した。なお、成形圧は490MPaとした。加圧後の成形体を240℃で15分間熱処理することにより、絶縁材としてのシリコーン樹脂を硬化した。得られた圧粉磁芯について、初透磁率(μi)、6000A/mの磁界を印加した時の透磁率(μ)を測定した。また、得られた圧粉磁芯について、300kHz、25mTの条件下でのコアロス(Pcv1)、6000A/mの磁界を印加した時のコアロス(Pcv2)を測定した。さらに、各圧粉磁芯の密度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006210743
次に、表1に示す5種類の強磁性金属粒子を用いてコイル封入圧粉磁芯を作製した。コイル封入圧粉磁芯の成形工程は、図4に示した手法に従っている。また、コイルは、10mm角、厚さ4mmの平角線を3.5回巻き回したものである。その他の条件は、上述の圧粉磁芯と同様とした。得られたコイル封入圧粉磁芯についてインダクタンスLを測定した。その結果を表3に示す。なお、表3のL0、L15は、インダクタンス測定用交流信号(0.05V、100kHz)に重畳した直流電流の値を示している。つまり、L0は直流電流を重畳しない状態のインダクタンス、L15は15Aの直流電流を重畳した状態のインダクタンスを示している。
Figure 2006210743
以上の結果より、Fe−Si−Al−Ni合金からなる強磁性金属粒子を用いたコイル封入圧粉磁芯は、透磁率が高く、かつ高い磁界を印加したときの透磁率の低下が低い。また、高い磁界を印加したときのコアロスが小さい。さらに、直流重畳時のインダクタンス値が大きい。
本実施の形態におけるコイル封入圧粉磁芯の平面図である。 本実施の形態におけるコイル封入圧粉磁芯の側面図である。 本実施の形態によるコイル封入圧粉磁芯の製造工程を示すフローチャートである。 本実施の形態によるコイル封入圧粉磁芯の成形工程を示す図である。
符号の説明
1…コイル、2…導体、3…巻回部、4a,4b…引出端部(端子部)、5…型枠、5A…上部型枠、5B…下部型枠、6…上パンチ、7…下パンチ、10…圧粉体、11…下部コア、12…上部コア、20…強磁性金属粒子

Claims (3)

  1. 絶縁材をコーティングした強磁性金属粒子からなる圧粉体と、
    前記圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、
    前記強磁性金属粒子は、Fe−Si−Al−Ni合金から構成されることを特徴とするコイル封入圧粉磁芯。
  2. 前記Fe−Si−Al−Ni合金は、Si:3〜8wt%、Al:2〜5wt%、Ni:6wt%以下(ただし、0を含まず)、残部実質的にFeの組成を有することを特徴とする請求項1に記載のコイル封入圧粉磁芯。
  3. 前記強磁性金属粒子は、平均粒径が1〜45μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル封入圧粉磁芯。
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