JP2006208567A - 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006208567A
JP2006208567A JP2005018264A JP2005018264A JP2006208567A JP 2006208567 A JP2006208567 A JP 2006208567A JP 2005018264 A JP2005018264 A JP 2005018264A JP 2005018264 A JP2005018264 A JP 2005018264A JP 2006208567 A JP2006208567 A JP 2006208567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal element
color
substrate
surface tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005018264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4700972B2 (ja
Inventor
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
Mayuka Araumi
麻由佳 荒海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005018264A priority Critical patent/JP4700972B2/ja
Publication of JP2006208567A publication Critical patent/JP2006208567A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4700972B2 publication Critical patent/JP4700972B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

【課題】複数の色のカラーフィルタを用いてカラー表示を行う方式の液晶素子において、各色の表示の明るさを均一にし、高品質な多色表示を実現する。
【解決手段】本発明では、透明電極を有する一対の透明な基板11a,11b間に液晶を用いた調光層13を有し、一方の基板11a側に配置された複数の色のカラーフィルタ15を用いてカラー表示を行う方式の液晶素子20において、少なくとも一方の基板11aは、カラーフィルタ15の各色のフィルタ部15R,15G,15Bに対応する部分の表面層12aが、各色毎に異なる臨界表面張力パターンを有する基板であり、該基板11aと他の一方の基板11b間に、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層13を配し、該調光層が前記臨界表面張力パターンに対応して異なる高分子マトリックス構造となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、外部電界により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子分散型液晶素子に係り、特に、高品質なカラー表示を行うことができる液晶素子とその製造方法、及びその液晶素子を用いた液晶表示装置に関するものである。
従来、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能な液晶素子としては、高分子分散型液晶カプセル(以下、NCAPと表記する:特許文献1(特公平7−36068号公報)参照)や高分子マトリックス中に液晶を分散させた方式(以下、PNLCと表記する:特許文献2(特許第2724596号公報)参照)及びネマチック液晶のDSM方式等がある。
ただし、NCAP及びPNLCは電界無印加で光散乱状態を示し、電界印加で光透過状態になる方式である。また、DSM方式は、この逆に動作し、電界印加で光散乱、電界無印加で光透過となる。
ここでNCAP方式の液晶層構造のモデル図を図10に示す。同図においては、透明電極を有する透明な一対の基板103の間に、高分子樹脂102に囲まれて液晶カプセル101が分散した構造となっており、電界無印加では液晶カプセル101内の液晶分子配向が均一でないために、高分子樹脂102の屈折率と不整合とすることで入射光が散乱され、その後方散乱光により白色状態として観測される。また、基板間に電界を印加すると液晶分子が電界方向に配列し(図10の基板103面に垂直に配列する)、この状態で液晶カプセル101の屈折率と高分子樹脂102の屈折率が同等になるために光透過状態とすることができる。
次にPNLC方式の液晶層構造のモデル図を図11に示す。同図においては、透明電極を有する透明な一対の基板103の間に、高分子マトリックス樹脂112の中に液晶111が連続相として分散した構造となっており、図10のNCAP方式の場合と同様に、電界無印加では液晶分子配向が均一でないために、高分子マトリックス樹脂112の屈折率と不整合とすることで入射光が散乱され、その後方散乱光により白色状態として観測される。また、基板間に電界を印加すると液晶分子が電界方向に配列し(図11の基板103面に垂直に配列する)、この状態で液晶111の屈折率と高分子マトリックス樹脂112の屈折率が同等になるために光透過状態とすることができる。
図10に示す構造のNCAPの作製方法には、カプセル化法、光重合相分離法、熱相分離法及び溶媒蒸発相分離法等、様々な技術がある。特に光重合を用いる光重合相分離法は大面積に対応できる方式とされている。
光重合相分離法とは、光重合性モノマーもしくはオリゴマーと液晶材料及び重合開始剤を混合した溶液(以後、調光層前駆体と呼ぶ)に紫外線(UV)を照射することで、その重合反応過程において高分子樹脂102と液晶の相分離をさせながら液晶カプセル101を形成する方法である。UVの強度が大きいほど直径が小さくなり、逆にUVの強度が小さいほど直径の大きな液晶カプセル101が形成される。同一組成の場合、液晶カプセル101の直径をUV照射強度により制御することで、電界無印加時の光散乱の度合いが異なる。一般に、光の波長レベルの直径に近いほど散乱性が強くなり、高い白色状態として観測できる。
図11に示す構造のPNLCの液晶相の作製方法としては、光重合相分離法が用いられる。この方法はNCAPでの光重合相分離法と同様で、光重合性モノマーもしくはオリゴマーと液晶材料及び重合開始剤を混合した溶液(以後、調光層前駆体と呼ぶ)にUVを照射することで、その重合反応過程において高分子樹脂と液晶の相分離をさせながら高分子マトリックス樹脂112を形成し、そのマトリックス中に液晶111を連続相として分散させる方法である。
同一組成であっても、PNLC作製時の、UVの強度が大きいほど高分子マトリックスが細かく密に形成され、逆にUVの強度が小さいほど高分子マトリックスが粗く疎に形成される。この高分子マトリックスのメッシュ径をUV照射強度により制御することで、電界無印加時の光散乱の度合いが異なる。一般に、光の波長レベルのメッシュ径に近いほど散乱性が強くなり、高い白色状態として観測できる。
従来、高分子分散型液晶素子は白黒表示のような濃淡表示に用いられてきたが、最近では一方の基板に複数の色のカラーフィルタを設けて、多色のカラー表示も行われている。
しかし、単色の濃淡表示を行わせる場合には、画面全体の明るさがほぼ均一な良好な表示が得られるが、複数の色のカラーフィルタを設けて多色カラー表示を行わせると、表示の明るさが色ごとに異なるという不具合を生じる。
図12は、赤、緑、青の三色のカラーフィルタを有する従来の高分子分散液晶素子の電圧−透過率特性を示している。図12から各色の光の透過率が異なっていることが理解できる。これは液晶/高分子マトリックス複合膜の光透過特性に波長依存性があり、長波長域の光に対する透過率は高いが、短波長域の光に対する透過率が低いためであり、図12に示すように各色の電圧に対する透過率曲線がずれてしまう。
この複合膜の波長依存性を補償して、各色の表示の明るさを均一化するために、以下の方法が考えられる。
(1) 各色のカラーフィルタの厚さを変えて透過光量を調整する。
(2) 各色のカラーフィルタに対応して印加電圧を変えて液晶分子の配列状態を調整することで補償する。
(3) 各色のカラーフィルタに対応する複合膜の高分子マトリックスの構造を異ならせて補償する。
上記(1) の方法では、カラーフィルタの厚さを変えるため、その形成方法が煩雑になるだけでなく、カラーフィルタの色によってその厚さが薄くなったり厚くなったりするため、色純度が確保しにくく表示品質が低下してしまう。
上記(2) の方法では、各色のカラーフィルタに対応する部分の印加電圧を変えるための素子の駆動方法が複雑になってしまう。
上記の(1)、(2)の方法での不具合を改善するために、例えば特許文献3(特開平6−281916号公報)に上記の(3) の方法が開示されている。この従来技術では、複数の色のカラーフィルタが、長波長域の光を透過させる赤色フィルタと、中間波長域の光を透過させる緑色フィルタと、短波長域の光を透過させる青色フィルタである場合、各カラーフィルタに対応する複合膜の厚さ方向の高分子マトリックスの平均的な寸法を、赤色フィルタが対応する部分、緑色フィルタが対応する部分、青色フィルタが対応する部分の順で順次大きくする。そして、この液晶素子の製造方法では、光重合相分離法を用いており、光重合性モノマーもしくはオリゴマーと液晶材料及び重合開始剤を混合した調光層前駆体を封入した素子の基板外面からUVビームで走査し、かつこのUVビームの強度を、前記複数の色のカラーフィルタが対応する部分ごとにこれらカラーフィルタの透過波長域に応じて制御して、前記調光層前駆体を光重合させるものである。ところが、この方式のように異なる強度のUVビームを順次操作する場合、例えば最初に形成するカラーフィルタに対応する部分でのUV照射において、そのビーム境界部の外側にも調光層前駆体が存在するため、高分子樹脂と液晶の相分離がうまく進まず、照射部を均一な構造にすることが困難である。また、最終的には各カラーフィルタに対応する境界部分の構造の解像度が低いパターンになってしまう。
なお、上記の従来技術以外にも、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能なNCAP及びPNLCのような液晶素子において、無電界状態で同一素子内に光散乱状態(もしくは高分子マトリックスの構造)の異なるパターンを形成しようとする場合、
(1) 光散乱状態の異なるパターンに対応して、調光層材料が異なる、
(2) パターンに合わせたUV光の透過率の異なるマスクを使用する、
等の方法が考えられるが、上記(1) では、2枚の対向する基板間に異なる材料を混じり合わないように配置することは、生産性上、非常に困難が伴うため現実的ではない。
また、上記(2) の方法では、調光層前駆体に、ある異なる強度パターンのUV光が同時に照射されることになる。UV照射強度が異なる場合、高分子が重合し始めると同時に開始される相分離の速度が異なるため、パターン境界での構造が不均一になってしまい解像度が低いパターンとなってしまう。
特公平7−36068号公報 特許第2724596号公報 特開平6−281916号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、外部電界により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子分散型液晶素子のカラー化において、カラーフィルターに対応する部分毎に調光部の高分子マトリックス構造を制御することで各色の表示の明るさが均一な液晶素子と、その製造方法を提供することを目的とする。
より詳しく述べると、本発明は、透明電極を有する一対の透明な基板間に液晶を用いた調光層を有し、一方の基板側に配置された複数の色のカラーフィルタを用いてカラー表示を行う方式の液晶素子において、各色の表示の明るさを均一にすること、高品質な多色表示を実現することを目的とし、さらには、高精細で生産性の高い液晶素子を提供すること、高品位の表示品質が得られる液晶素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、高精細で、生産性の高い液晶素子の製造方法を提供すること、低コストで生産性の高い液晶素子の製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、液晶素子を用いた高品位で省エネルギーなカラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段として、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、透明電極を有する一対の透明な基板間に液晶を用いた調光層を有し、一方の基板側に配置された複数の色のカラーフィルタを用いてカラー表示を行う方式の液晶素子において、一対の基板のうち少なくとも一方は、前記複数の色のカラーフィルタの各色のフィルタ部に対応する部分の表面層が、各色毎に異なる臨界表面張力パターンを有する基板であり、該基板と他の一方の基板間に、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を配し、該調光層が前記臨界表面張力パターンに対応して異なる高分子マトリックス構造となっていることを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の手段は、第1の手段の液晶素子において、前記カラーフィルタの複数の色は赤色、緑色、青色の3色であり、前記表面層の臨界表面張力が赤色フィルタに対応する部分、緑色フィルタに対応する部分、青色フィルタに対応する部分の順に小さくなっており、この順で該調光層の高分子マトリックスの平均的な寸法が大きくなっていることを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の液晶素子において、前記臨界表面張力の異なる臨界表面張力パターンの表面層が、エネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなることを特徴とする(請求項3)。
本発明の第4の手段は、第3の手段の液晶素子において、前記表面層が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料からなることを特徴とする(請求項4)。
また、本発明の第5の手段は、第3または第4の手段の液晶素子において、前記臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が紫外線照射であることを特徴とする(請求項5)。
本発明の第6の手段は、第3乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を作製する際の液晶素子の製造方法において、一方の基板にエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力異なるパターンを形成する工程を施し、他方の基板にもエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層に、第一の基板と略対向するように同様のエネルギー付与による臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、第3乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を作製する際の液晶素子の製造方法において、一方の基板にエネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、他方の基板には全面に均一な臨界表面張力を有する表面層を形成する工程を施し、かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、正の誘電異方性を有する液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することを特徴とする(請求項7)。
本発明の第8の手段は、液晶素子を用いてカラー画像表示を行う液晶表示装置において、前記液晶素子として、第1乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を備えたことを特徴とする(請求項8)。
本発明の第1の手段の液晶素子では、一対の基板のうち少なくとも一方は、前記複数の色のカラーフィルタの各色のフィルタ部に対応する部分の表面層が、各色毎に異なる臨界表面張力パターンを有する基板であり、該基板と他の一方の基板間に、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を配し、該調光層が前記臨界表面張力パターンに対応して異なる高分子マトリックス構造となっていることにより、各色の表示の明るさを均一にすることができ、同一印加電界で均一な透過率を有する高品質なカラー液晶素子を実現することができる。
本発明の第2の手段の液晶素子では、第1の手段の構成及び効果に加え、前記カラーフィルタの複数の色は赤色、緑色、青色の3色であり、前記表面層の臨界表面張力が赤色フィルタに対応する部分、緑色フィルタに対応する部分、青色フィルタに対応する部分の順に小さくなっており、この順で該調光層の高分子マトリックスの平均的な寸法が大きくなっていることにより、高品質な多色表示を実現することができる。
また、本発明の第3の手段の液晶素子では、第1または第2の手段の構成及び効果に加えて、前記臨界表面張力の異なる臨界表面張力パターンの表面層が、エネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなることにより、高精細で生産性の高い液晶素子を実現することができる。
本発明の第4の手段の液晶素子では、第3の手段の構成及び効果に加え、前記表面層が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料からなることにより、材料入手が容易であるばかりでなく、任意の臨界表面張力に対応して均一性の高い構造制御により、高品位の表示品質を得ることができる。
また、本発明の第5の手段の液晶素子では、第3または第4の手段の構成及び効果に加えて、前記臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が紫外線照射であることにより、高精細で、生産性の高い液晶素子を得ることができる。
本発明の第6の手段の液晶素子の製造方法では、第3乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を作製する際に、一方の基板にエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力異なるパターンを形成する工程を施し、他方の基板にもエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層に、第一の基板と略対向するように同様のエネルギー付与による臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することにより、高精細で、生産性の高い液晶素子の製造方法を実現することができる。
本発明の第7の手段の液晶素子の製造方法では、第3乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を作製する際に、一方の基板にエネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、他方の基板には全面に均一な臨界表面張力を有する表面層を形成する工程を施し、かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、正の誘電異方性を有する液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することにより、低コストで生産性の高い液晶素子の製造方法を実現することができる。
本発明の第8の手段の液晶表示装置では、液晶素子として、第1乃至第5のいずれか一つの手段の液晶素子を備えたことにより、高品位で省エネルギーなカラー液晶表示装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、高分子材料からなる臨界表面張力が異なる表面層を有する基板間に形成されるPNLCが、その臨界表面張力が大きいほど光散乱性が高く、かつ駆動電圧が高くなることを実験的に見いだしたことを利用することにより創案されたものである。
一般的に、2枚の基板間での液晶分子の均一な分子配向を制御することで種々の動作モードの液晶素子が用いられている。この液晶分子の配向には、配向剤と呼ばれる高分子材料であるポリイミド樹脂が用いられている。液晶分子を基板にホモジニアス配向もしくはホメオトロピック配向させ、さらには基板に対してある角度(プレチルト角と呼ぶ)で傾いた配向を実現することのできる種々の配向剤が開発されている。これらのポリイミド材料において、その臨界表面張力の違いが液晶分子の配向に大きく寄与していることは良く知られている。つまり液晶のポリイミド表面に対する濡れ性が大きく関与しているといえる。
本発明者らは、臨界表面張力の異なるポリイミド樹脂を表面層として、PNLCの反射率に対する表面層の影響を検討し、以下の知見を得ることができた。
図1に、本発明を評価するための液晶素子の素子構造を示す。この液晶素子10は、透明電極(図示せず)を有する2枚の透明基板11の表面にそれぞれ表面層12を形成し、この表面層12が形成された2枚の基板11を対向して配置した構成のセル間に、調光層13としてPNLCが形成されたものである。この液晶素子10の反射率は図3に示す構成の測定系で測定した。具体的には、黒色板22上に載置した液晶素子10に対して光源21からの光を30度の入射角で入射させ、液晶素子10からの反射光を受光ユニット23で受光して反射率を測定した。
液晶素子10の表面層12に用いたポリイミド樹脂は、チッソ石油化学製のPIA-X491、PIA-5310とJSR製のAL-3046の3種類である。それぞれのポリイミド樹脂を用いた表面層12の臨界表面張力、PNLC素子としての反射率及びPNLC調光層13の高分子マトリックスのメッシュ径(SEM観察)を下記の表1に示す。
また、参考のため臨界表面張力測定時の純水の接触角(濡れ性の目安となる)も提示した。なお、この液晶素子10は2枚の基板11に同一の材料により表面層12を形成したものであり、基板間の厚み(セル厚)は22μmとした。
Figure 2006208567
臨界表面張力の大きな表面層(高エネルギー表面)を配したPNLC構造が、その高分子マトリックスのメッシュ径が小さく、反射率が高いことがわかる。PNLCの反射率を高くするためには、高分子マトリックスのメッシュ径が光の波長レベルのサイズに近い場合が最も高くなることは、良く知られている事実であり、上記の結果は整合するものである。しかしながら、表面層12の違いでメッシュ径が異なる要因は明確でないが、その臨界表面張力がPNLC調光層13の形成時のUV照射による相分離過程に何らかの相関を有していると考えられている。
さらに、一方の基板に臨界表面張力の小さなPIA-X491、他方の基板に臨界表面張力の大きなAL-3046の表面層12を形成して同様の液晶素子10を作製し、評価したところ、反射率13.7%、メッシュ径約2μm程度であった。これは、PIA-X491同士の表面層を持つ反射率10.6%とAL-3046での反射率15.3%の中間的な特性であり、高分子マトリックス構造も、この特性を反映している。このことは、2枚の基板11に異なる臨界表面張力を持つ材料の表面層12を配置することで、任意の高分子マトリックス構造を持つ液晶素子10が得られることを示唆している。
PNLCでカラーフィルタを用いて液晶素子を構成する場合、電界印加によりPNLCの調光層が透明状態であるときに、対応するカラーフィルタを透過する光の色を見ることになる。
そこで、図1に示した素子の透過率の電圧依存性を測定した。図4に透過率の測定系の構成を示す。表1の異なるポリイミド樹脂を表面層にした素子での透過率−電圧特性の測定結果を図5に示す。図5より、臨界表面エネルギーが大きく、高分子マトリックスのメッシュ径が小さくなる表面層(AL-3046)を有する素子の駆動電圧が高くなることがわかる。
上記の知見をもとに、本発明の構成を説明する。図2に本発明に係る液晶素子の基本構成を示す。
図2は液晶素子の概略断面図である。この液晶素子20は、一方の基板(第一の基板)11aにカラーフィルタ15を形成し、各色のカラーフィルタに対応する部分に、臨界表面張力の異なる表面層12aを形成する。そして長波長域の光を透過させる赤色フィルタ15Rと、中間波長域の光を透過させる緑色フィルタ15Gと、短波長域の光を透過させる青色フィルタ15Bで、各カラーフィルタに対応する高分子マトリックスのメッシュ径を、赤色フィルタ15Rが対応する部分、緑色フィルタ15Gが対応する部分、青色フィルタ15Bが対応する部分の順で順次大きくすることで、電圧に対する透過率特性を調整することができる。そのためには赤色フィルタ15Rが対応する部分、緑色フィルタ15Gが対応する部分、青色フィルタ15Bが対応する部分の順で臨界表面張力が小さい表面層12aを形成する。この異なる臨界表面張力の表面層パターンの形成方法としては、例えば、それぞれの色のフィルタ部に対応するパターンの印刷版で順次フレキソ印刷法で行うことができる。実際には、スピンコーティング法、フレキソ印刷法、ディッピング法、インクジェット法、キャスト法、バーコート法等の塗布方法を適便、組み合わせることによりパターン形成できる。
さて、他方の基板(第二の基板)11bにも同様の表面層12bのパターンを対向するように形成し、この第二の基板15bと第一の基板15aとをスペーサ(図示せず)及びシール剤14を介して所望の間隔で重ね合わせることで、調光層のない空のセルが作製される。この基板間に調光層前駆体を封入し、高圧水銀ランプにより波長365nm中心(300nm以下の短波長の紫外線は、調光層前駆体材料が分解する可能性があるためカットした)の紫外線(UV)を全面に照射することで、PNLC調光層13を形成する。PNLC形成時に照射する紫外線(UV)の波長に対して、表面層およびカラーフィルタの材料が極端に異なる吸収がないものを使用することで、第一の基板11a及び第二の基板11bのいずれからでも紫外線(UV)が照射できる。また、セル全面で紫外線透過率をほぼ同等にすることで、パターン部間での調光層前駆体への照射強度のばらつきがなくなり、高分子が重合し始めると同時に開始される相分離の速度を均一にできる。このため、各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bに対応した部分の表面層12aの臨界表面張力の違いにより制御される、解像度の優れた高分子マトリックス構造の異なるパターンを、カラーフィルタ15の色に合わせた部分に対応して形成することができるため、各色の表示の明るさが均一なカラー液晶素子20を実現することができる。
また、一方の基板11aにカラーフィルタ15と各色に対応する臨界表面張力の異なるパターンの表面層12aを形成し、他の一方の基板11bには全面にある臨界表面張力を有する材料の表面層12bを形成しても良い。すなわち所望する透過率−電圧を示す高分子マトリックスのメッシュ径が形成される、臨界表面張力の異なる表面層の組合せを用いることができる。
さらに、本発明者らは、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する材料からなる表面層であって、該表面層に所望のパターンに紫外線等のエネルギービームを照射することで得られる臨界表面張力パターンを形成した基板を用いることで、第1の手段と同様の液晶素子を作製できることを見いだした。
臨界表面張力の異なるパターンにおいて、その異なる臨界表面張力の差が大きいほど、液晶素子での透過率−電圧特性の設定の自由度が増すので、エネルギーの付与により、より大きく臨界表面張力が変化する材料が好ましい。かような材料としては、凝集性の側鎖を有する高分子材料を用いるのが望ましい。具体的には図6の概念図に示すように、ポリイミドやアクリレート等の骨格を有する主鎖Lにアルキル基(−(CH)CH)等の凝集力の強い側鎖Rが結合しているもの等が挙げられる。このアルキル基はハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。Rの結合部位が多いほど臨界表面張力が小さくなると考えられる。紫外線照射(好ましくは100〜300nmの短波長の紫外線)等によって、結合の一部が切断される、あるいは配向状態が変化するために臨界表面張力が増加すると推察される。
異なる材料で臨界表面張力の異なるパターンを実現するためには、製造上、それぞれの塗布工程による塗り分けが必要となるために生産性が悪くなってしまう。また、前記のようなフレキソ印刷法等の塗布方法を用いる場合は、より高精細なパターンを形成する上で不利である。
エネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料で、臨界表面張力の異なるパターンを形成する場合には、例えば、その材料で基板全面に均一な表面層を形成後、所望のパターンのメタルマスク、もしくは石英ガラス基板のフォトマスク等を用いて、該表面層に短波長の紫外線を照射することで、容易にパターン形成ができるために生産性が高いというメリットがある。また、メタルマスク、フォトマスクでのパターン形成は、印刷等の方式に比較して、より高精細にできる利点もある。
また、エネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料においては、付与するエネルギー量により、臨界表面張力をある範囲内で制御できるため、2枚の基板11a,11bの表面層12a,12bでの異なる臨界表面張力の組合せに対応する場合でも、同一材料だけで実現できるため、低コスト化にも有利である。
本発明のカラー表示装置は、上述の構成の液晶素子20を用いるので、従来のTN(twisted nematic)方式の液晶素子等を用いたものに比較して、偏光板を用いないPNLC方式で構成されるので、光の利用効率が高く明るいカラー表示が可能であり、バックライトでのエネルギー消費も低くできるため省エネルギーな液晶表示装置を提供できる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
図2に示す構成の液晶素子20を作製した。
まず、一方の基板11aとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ15を形成した透明電極付きのガラス基板を準備した。この基板11aの、赤色フィルター15Rに対応する部分にポリイミド膜であるJSR製のAL-3046を、緑色フィルタ15Gに対応する部分にはチッソ石油化学製のPIA-5310、青色フィルタ15Bに対応する部分にはチッソ石油化学製のPIA-X491をフレキソ印刷で成膜して表面層12aを形成した。膜厚はいずれも約80nmであった。さらに透明電極付きの他方の基板11b上にも、カラーフィルタ15を形成した基板11aと対応する部分に上記3種類のポリイミド膜を成膜して表面層12bを形成した。膜厚はいずれも約80nmであった。以上の異なる表面層12a,12bが形成された一方の基板にシール剤14としてアミン硬化エポキシ樹脂をディスペンサー塗布し、他方の基板にはスペーサとして22μm粒径の樹脂ビーズをイソプロピルアルコールを溶媒として、約100個/mmの密度で散布し、互いの表面層の同一のポリイミド膜部分を対向するように貼り合わせ、加熱硬化させて空セルを作製した。この空セルに、大日本インキ化学工業(株)製のPNLC用の液晶組成物、モノマー組成物、および重合開始剤の混合物である調光層前駆体材料(製品名:PNM-101)を封入した後、高圧水銀ランプにより波長365nm中心の紫外線(照射光強度50mW/cm)をカラーフィルタが形成されていない基板11bの側から2分間照射し、PNLC調光層13を形成した。
作製したカラー液晶素子20の各色の透過率−電圧曲線はほぼ重なり、駆動電圧に対して均一な明るさを得ることができた。また、この液晶素子20に電圧30V、周波数60Hzの矩形波電界を印加したところ、各色部分の透過率はいずれも約80%であった。
[実施例2]
実施例1と同様に、まず、一方の基板11aとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ15を形成した透明電極付きのガラス基板を準備した。この基板11aの、赤色フィルター15Rに対応する部分にポリイミド膜であるJSR製のAL-3046を、緑色フィルタ15Gに対応する部分にはチッソ石油化学製のPIA-5310、青色フィルタ15Bに対応する部分にはチッソ石油化学製のPIA-X491をフレキソ印刷で成膜して表面層12aを形成した。膜厚はいずれも約80nmであった。さらに、透明電極付きの他方の基板11b上には、スピンコーティングにより、ポリイミド膜であるチッソ石油化学製のPIA-5310を全面に成膜して表面層12bを形成した。この、膜厚は約60nmであった。この2枚の基板11a,11bで実施例1と同様に空セルを作製し、PNLC調光層13も同様の材料、作製条件で形成した。
このカラー液晶素子20においても、各色部分の電圧印加での透過率特性は似通っており、充分に明るさの均一性がとれた。さらに、透過特性を合わせるにはカラーフィルタ15の透過特性のわずかな変更で実現することができる(各色のカラーフィルタ厚みを異ならせない範囲での調整が可能である)。この液晶素子20も電圧30V、周波数60Hzの矩形波電界を印加したところ、各色の透過率は約80%であった。
[実施例3]
エネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料として、ポリイミド骨格に疎水部分を有するチッソ石油化学製のPIA-X491の紫外線照射による臨界表面張力の変化を評価した。評価用試料は、ガラス基板上にPIA-X491をスピンコートし、210℃で焼成し成膜したものを用いた。膜厚は約80nmである。
(1)高圧水銀ランプを用い、250nmの光の強度が5mW/cmとなるように光源と基板との距離を調整し、照射時間を変化させることにより(250nmの波長に対する)照射量を変え、水に対する接触角の変化を観測した。図7は紫外線照射量と水に対する接触角の関係を示したものである。未照射時には接触角が90°を超え疎水性(撥水性)であるが、照射量10J/cm以上では20°程度に低下し親水性に変化している。この変化を誘起するのに有効な光の波長に合わせた光源を用いることによって照射量をさらに小さくすることが可能であると考えられる。
(2)上記紫外線を9J/cm照射した場合と未照射の場合において、表面エネルギーの異なる数種類の液体の接触角を測定した。図8は液体の表面張力と接触角の関係を示したものである。図8から臨界表面張力は未照射の場合に約24mN/m、紫外線照射した場合に約40mN/mであることがわかる。このように、紫外線照射量によりその臨界表面張力を制御した表面層を得ることができる。
PIA-491を表面層として、紫外線照射量の異なる素子(図1に示す素子構造)を作製し、その透過率−電圧特性を測定した。測定結果を図9に示す。また、下記の表2に、紫外線照射量の異なる表面層の臨界表面張力および形成されたPNLC調光層の高分子マトリックスのメッシュ径を示した。
Figure 2006208567
この結果から、紫外線照射量が多くなると、表面層の臨界表面張力が大きくなり、その臨界表面張力に対応して高分子メッシュ径が小さくなることで、透過率−電圧曲線を高電圧側にシフトさせることが可能であると理解できる。
以上の知見をもとに、図2に示す構成の液晶素子20を作製した。
まず、一方の基板11aとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ15を形成した透明電極付きのガラス基板を準備した。この基板11aにスピンコーティングにより、PIA-X491を膜厚約80nmで成膜した。この基板11aの緑色フィルタ15Gに対応する部分のみに、石英基板のフォトマスクを介して、250nmの光強度が5mW/cmの紫外線を7分間照射(照射量2.1J/cm)した。さらに、同様に赤色フィルタ15Rに対応する部分にのみ紫外線を15分間照射(照射量4.5J/cm)した。また、青色フィルタ15Bに対応する部分は紫外線未照射とした。以上の方法により、各色のカラーフィルタに対応して、表面層上に異なる臨界表面張力パターンが形成されたことになる。他方の透明電極基板11bにも、スピンコーティングによりPIX-491(膜厚80nm)を成膜し、カラーフィルタ付き基板11aの臨界表面張力パターンに対向するように同様の条件で紫外線を照射した。この2枚の基板11a,11bで、実施例1と同様の工程及び材料で空セルを作製し、さらに調光層13を作製した。
作製したカラー液晶素子20の各色の透過率−電圧曲線はほぼ重なり、駆動電圧に対して均一な明るさを得ることができた。また、この液晶素子20に電圧30V、周波数60Hzの矩形波電界を印加したところ、各色部分の透過率はいずれも約80%であった。
[実施例4]
実施例3と同様に、まず、一方の基板11aとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ15を形成した透明電極付きのガラス基板を準備した。同様の手順で各色のカラーフィルタ15R,15G,15Bに対応して、表面層12a上に異なる臨界表面張力パターンを形成した。
他方の透明電極基板11bにも、スピンコーティングによりPIX-491(膜厚80nm)を成膜し、全面に250nmの光強度が5mW/cmの紫外線を7分間照射(照射量2.1J/cm)し、均一な臨界表面張力を有する表面層12bを形成した。この2枚の基板11a,11bで、実施例1と同様の工程及び材料で空セルを作製し、さらに調光層13を作製した。
このカラー液晶素子20においても、各色部分の電圧印加での透過率特性は似通っており、充分に明るさの均一性がとれた。この液晶素子20も電圧30V、周波数60Hzの矩形波電界を印加したところ、各色の透過率は約80%であった。
以上説明したように、本発明によれば、透明電極を有する一対の透明な基板間に液晶を用いた調光層を有し、一方の基板側に配置された複数の色のカラーフィルタを用いてカラー表示を行う方式の液晶素子において、各色の表示の明るさを均一にすることができ、高品質な多色表示を実現することができ、さらには、高精細で生産性が高く、高品位の表示品質が得られる液晶素子を実現することができる。そして、この液晶素子を利用することにより、高品位で省エネルギーなカラー液晶表示装置を実現することができる。このカラー液晶表示装置は、透過型や反射型のカラー液晶ディスプレイの他、投射型カラー液晶プロジェクタや、投射型カラー液晶ディスプレイ、あるいはヘッドマウントディスプレイ等、様々なカラー表示装置に利用することができる。
本発明を評価するための液晶素子の素子構造を示す概略要部断面図である。 本発明に係る液晶素子の基本構成を示す概略断面図である。 液晶素子の反射率の測定に用いた測定系の構成を示す図である。 液晶素子の透過率の測定に用いた測定系の構成を示す図である。 異なるポリイミド樹脂での透過率−電圧特性を示す図である。 凝集性の側鎖を有する高分子材料の一例を示す図である。 実施例3の評価試料における紫外線照射量と水に対する接触角の関係を示す図である。 実施例3の評価試料に紫外線を照射した場合と未照射の場合において、表面エネルギーの異なる数種類の液体の接触角を測定したときの、液体の表面張力と接触角の関係を示す図である。 PIA-491を表面層として紫外線照射量の異なる素子を作製し、その透過率−電圧特性を測定した結果を示す図である。 NCAP方式の液晶層構造のモデルを示す図である。 PNLC方式の液晶層構造のモデルを示す図である。 赤、緑、青の三色のカラーフィルタを有する従来の高分子分散液晶素子の電圧−透過率特性を示す図である。
符号の説明
10:液晶素子
11,11a,11b:基板
12,12a,12b:表面層
13:調光層
14:シール剤
15:カラーフィルタ
15R:赤色フィルタ
15G:緑色フィルタ
15B:青色フィルタ
20:カラー液晶素子

Claims (8)

  1. 透明電極を有する一対の透明な基板間に液晶を用いた調光層を有し、一方の基板側に配置された複数の色のカラーフィルタを用いてカラー表示を行う方式の液晶素子において、
    一対の基板のうち少なくとも一方は、前記複数の色のカラーフィルタの各色のフィルタ部に対応する部分の表面層が、各色毎に異なる臨界表面張力パターンを有する基板であり、該基板と他の一方の基板間に、外部電場により光散乱状態と透明状態が制御可能な高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を配し、該調光層が前記臨界表面張力パターンに対応して異なる高分子マトリックス構造となっていることを特徴とする液晶素子。
  2. 請求項1記載の液晶素子において、
    前記カラーフィルタの複数の色は赤色、緑色、青色の3色であり、前記表面層の臨界表面張力が赤色フィルタに対応する部分、緑色フィルタに対応する部分、青色フィルタに対応する部分の順に小さくなっており、この順で該調光層の高分子マトリックスの平均的な寸法が大きくなっていることを特徴とする液晶素子。
  3. 請求項1または2記載の液晶素子において、
    前記臨界表面張力の異なる臨界表面張力パターンの表面層が、エネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなることを特徴とする液晶素子。
  4. 請求項3記載の液晶素子において、
    前記表面層が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料からなることを特徴とする液晶素子。
  5. 請求項3または4記載の液晶素子において、
    前記臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が紫外線照射であることを特徴とする液晶素子。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一つに記載の液晶素子を作製する際の液晶素子の製造方法において、
    一方の基板にエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力異なるパターンを形成する工程を施し、
    他方の基板にもエネルギーの付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層に、第一の基板と略対向するように同様のエネルギー付与による臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、
    かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、
    少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することを特徴とする液晶素子の製造方法。
  7. 請求項3乃至5のいずれか一つに記載の液晶素子を作製する際の液晶素子の製造方法において、
    一方の基板にエネルギー付与により臨界表面張力が変化する材料からなる表面層を形成する工程と、該表面層の各色のカラーフィルターに対応する部分に所定のエネルギーを付与することにより臨界表面張力の異なるパターンを形成する工程を施し、
    他方の基板には全面に均一な臨界表面張力を有する表面層を形成する工程を施し、
    かつ前記2枚の基板を表面層が対向するように配置し、該2枚の基板間に、紫外線硬化型の高分子モノマーもしくはオリゴマー、正の誘電異方性を有する液晶材料、及び重合開始剤を含有する調光層構成材料を介在させ、
    少なくとも一方の基板を通して紫外線を照射し、高分子マトリックス中に液晶を分散させた散乱性の調光層を形成することを特徴とする液晶素子の製造方法。
  8. 液晶素子を用いてカラー画像表示を行う液晶表示装置において、
    前記液晶素子として、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の液晶素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
JP2005018264A 2005-01-26 2005-01-26 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置 Expired - Fee Related JP4700972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005018264A JP4700972B2 (ja) 2005-01-26 2005-01-26 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005018264A JP4700972B2 (ja) 2005-01-26 2005-01-26 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006208567A true JP2006208567A (ja) 2006-08-10
JP4700972B2 JP4700972B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=36965524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005018264A Expired - Fee Related JP4700972B2 (ja) 2005-01-26 2005-01-26 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4700972B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025835A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 セイコーエプソン株式会社 カラーフィルター基板、電気光学装置、投射型表示装置およびカラーフィルター基板の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07159762A (ja) * 1993-12-08 1995-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶パネルとその製造方法およびそれを用いた液晶投写型テレビ
JPH07248500A (ja) * 1994-03-08 1995-09-26 Fujitsu Ltd 液晶表示パネル及びその製造方法
JPH08129163A (ja) * 1994-10-31 1996-05-21 Casio Comput Co Ltd 高分子分散型液晶表示素子の製造方法
JPH1114974A (ja) * 1996-11-28 1999-01-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子分散型液晶表示素子とその製造方法
JP2001281642A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示素子

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07159762A (ja) * 1993-12-08 1995-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶パネルとその製造方法およびそれを用いた液晶投写型テレビ
JPH07248500A (ja) * 1994-03-08 1995-09-26 Fujitsu Ltd 液晶表示パネル及びその製造方法
JPH08129163A (ja) * 1994-10-31 1996-05-21 Casio Comput Co Ltd 高分子分散型液晶表示素子の製造方法
JPH1114974A (ja) * 1996-11-28 1999-01-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子分散型液晶表示素子とその製造方法
JP2001281642A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025835A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 セイコーエプソン株式会社 カラーフィルター基板、電気光学装置、投射型表示装置およびカラーフィルター基板の製造方法
US9671640B2 (en) 2013-07-24 2017-06-06 Seiko Epson Corporation Color filter substrate, electro-optical device, and projection-type display device

Also Published As

Publication number Publication date
JP4700972B2 (ja) 2011-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100206445B1 (ko) 지연막 및 그 제조방법, 및 액정 표시 소자
US9151993B2 (en) Liquid crystal display device and fabrication method thereof
US6636291B2 (en) Liquid crystal display device with patterned layer having fixed cholesteric order and method of manufacturing the same
JPWO2018105545A1 (ja) 液晶表示素子
KR20020079602A (ko) 액정 조성물, 컬러필터 및 액정표시장치
JPH0973075A (ja) 液晶表示素子の製造方法および液晶表示素子の製造装置
JPH07120728A (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP3259946B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JP3271316B2 (ja) 光変調素子の製造方法
KR20160143526A (ko) 액정 광학 소자
KR20000029277A (ko) 액정표시소자와 그 제조방법 및 그 평가방법
US5682218A (en) Electrooptical device having specific polymerized columnar spacers and method for forming the same
JP4700972B2 (ja) 液晶素子とその製造方法及び液晶表示装置
US5686978A (en) Method for manufacturing a polymer-dispersed liquid crystal display panel
TW201721245A (zh) 光學元件之製造方法及光學元件
JP4460889B2 (ja) 液晶素子、その製造方法及び調光パネル
JP3981164B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法
JPH09292602A (ja) 液晶表示パネルの製造方法および製造装置
JPH07104282A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP3092899B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JP2000199895A (ja) 高分子分散型液晶表示装置およびその製造方法ならびに投射型ディスプレイ装置
JP2000066177A (ja) 高分子分散型液晶の光吸収評価法、液晶表示素子および液晶プロジェクター
JP3250836B2 (ja) 液晶パネルおよびその液晶パネルを用いた投写型表示装置
KR100213182B1 (ko) 마이크로 칼라 렌즈를 채용한 액정표시소자
JP2000330099A (ja) 液晶表示素子とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110307

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees