JP3981164B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、一般に液晶表示装置およびその製造方法に関し、特に光硬化性樹脂と液晶の混合物に光照射を行って樹脂を重合・硬化させて形成した、いわゆる高分子分散型液晶表示装置あるいは高分子安定化コレステリックテクスチャ(PSCT)液晶表示装置に関する。
【0003】
液晶表示装置は、低消費電力、薄型、携帯性の点で優れた特徴を有し、携帯情報端末等に広く使われている。このような携帯情報端末では、特にバックライトを必要としない低消費電力の反射型液晶表示装置が望ましい。
【従来の技術】
【0004】
高分子分散型液晶表示装置、あるいは高分子安定化コレステリックテクスチャ(PSCT)液晶表紙装置は、このような望ましい特性を備えた反射型液晶表示装置に特に適しており、広範な研究開発の努力がなされている。
【0005】
高分子分散型液晶パネルは、高分子マトリクス中に液晶分子からなる液滴を分散させた構成のもので、例えば図10(A)に示す構造を有する。
【0006】
図10(A)を参照するに、液晶分子1は液滴2を形成し、液滴2は高分子マトリクス層3中に分散される。さらに高分子マトリクス層3は、一対の基板1A,1Bの間に挟持される。基板1A,1Bはそれぞれ少なくとも一方が透明な電極1a,1bを有し、電極1a,1bの間に電界を印加することにより、液晶液滴2中の液晶分子1の配向性が制御される。
【0007】
図10(B)は電極1a,1bの間に電界を印加していない状態を示すが、この状態では、液滴2中において液晶分子1はランダムな配向を有するのがわかる。その結果、入射する光ビームは液晶分子1、液晶液滴と高分子マトリクスとの界面により散乱され、液晶表示装置は明るく白濁した表示状態を示す。
【0008】
これに対し、電極1a,1bの間に電界を印加すると、図10(C)に示すように液晶分子1は電界の方向に配向し、入射光ビームは液晶液滴2および高分子マトリクス層3中を通過する。そこで、基板1Aの背後に光吸収層を設けておけば、液晶表示装置は暗い透過表示状態になる。
【0009】
高分子分散型液晶表示装置において、液晶の状態は図10に示す液滴状に限定されるものではなく、図11(A)に示すような液晶分子1が連続層2を形成し、高分子領域3Aが液晶層2中に離散的に存在する構成、あるいは図11(B)に示すように、連続した液晶層2中に高分子の3次元的な網目構造3Bが形成される構成等も可能である。また、カラー液晶表示を可能にするために、例えば図1に示す液晶の液滴2中に色素を添加することも研究されている。
【0010】
一方、高分子安定化コレステリックテクスチャを使ったPSCT液晶表示装置では、コレステリック液晶の選択反射を利用して表示を行う。例えば、D. K. Yang, SID '92 DIGEST p.759 や J. L. West, SID, '94 DIGEST, p.608 を参照。PSCT液晶表示装置は、反射特性は優れているが、色を呈する場合がある。例えば、全体的に緑がかる場合は真の白黒表示を行うため、PSCT層中に色素を添加する。
【0011】
高分子分散型液晶表示装置の製造では、含浸法、乳化法、溶媒揮発法、相分離法等が知られているが、光散乱性が強く、かつ駆動電圧が低い液晶表示装置を製造するには、光重合を利用した相分離法が適している。
【0012】
図12(A)〜(C)は光重合を利用した相分離法による、高分子分散型液晶表示装置の製造工程を示す図である。
【0013】
図12(A)を参照するに、液晶と光硬化性樹脂を混合して、均一な混合物(プレミクスチャ)を形成する。
【0014】
次に、図12(B)の工程で、前記プレミクスチャは、シールSを介して重ね合わされた基板1Aと1Bとの間の隙間に注入され、プレミクスチャ層3Cが封止される。
【0015】
さらに、図12(C)の工程で、前記注入されたプレミクスチャ層3Cに光照射がなされ、その結果光硬化性樹脂が重合を生じ、それに伴って液晶が、図10(A)に示す液滴の形で分離する。
【0016】
図13は、図12(C)の工程で生じる重合、相分離およ高分子分散型液晶散乱層の形成をフローチャートの形で示す図である。
【0017】
図13を参照するに、段階S1において、光照射によりプレミクスチャ3Cを構成する光硬化性樹脂が重合を開始し、これに伴って液晶が、段階S2において、液滴2の形で前記均一プレミクスチャから相分離を始める。さらに、光重合が進行することにより、段階S3において、図10(A)に示す構成の高分子分散型液晶散乱層が得られる。典型的には、前記光照射の工程で高圧水銀ランプ等の紫外線ランプが使われ、総照射量は、十分な光重合を達成するために数百mJ以上に設定される。
【0018】
図14(A)は、このようにして得られた高分子分散型液晶表示装置の電圧−透過率曲線(V−T曲線)を、また、図14(B)はかかるV−T曲線を求める評価系の構成を示す。
【0019】
図14(B)を参照するに、光源10で形成された光ビームを、図10(A)に示した構成の高分子分散型液晶表示装置に入射させ、通過した光ビームを取込み角がθの光検出器により、電極1a,1bの間に印加する電圧を様々に変化させながら検出する。図14(A)の結果は、取込み角θが12°の場合についてのもので、測定は25°Cの温度で行われた。
【0020】
図14(A)を参照するに、印加電圧Vがゼロの場合、入射光の散乱は最大になり、透過率は最小値T0 になることがわかる。換言すると、T0 は散乱性を表し、T0 が小さいほど散乱性が向上する。一方、印加電圧を増大させると、図10(C)で説明したように、液晶の液滴2中における液晶分子1のダイレクタが徐々に変化し、これに伴い光ビームの透過率が徐々に増加する。
【0021】
液晶表示装置では、コントラストの高い鮮明な表示を行うため、前記最小値T0はできるだけ小さいことが好ましく、また、特にTFTを使ったアクティブ駆動装置により駆動する表示装置では、できるだけ低い駆動電圧で透過率が飽和値Tsatに達することが好ましい。
【0022】
高分子分散型液晶表示装置の散乱性T0および飽和時の駆動電圧は、液晶の液滴2と高分子マトリクス3の分散性により決定されるが、分散性は前記図4の工程S2における相分離過程における光硬化性樹脂の硬化速度に依存する。すなわち、強い散乱性T0を得るためには分散性が密であるほど良く、密な分散性を実現するためには、照射光が強いほど良い。例えば、図12(C)の光照射工程における光強度が大きいほど硬化速度が増大し、分散性が密になり、散乱性T0が向上する。また、照射量が多いほど樹脂の硬化性は良くなる。前記分散性は、特に光重合工程初期の光照射強度および光照射量に依存する。
【0023】
図15は光硬化性樹脂に含まれる代表的な光開始剤(イルガキュア製)の光吸収特性を示した図であり、図16は光照射工程を行う際に光源として用いたランプのスペクトルを示す。
【0024】
図15を参照するに、ランプからのスペクトル成分を開始剤が吸収してラジカルが生じ、反応が開始する。反応はラジカルがほぼ消費されるで継続する。
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかし、高圧水銀ランプなどの光源を使った光照射工程において、光照射強度が大きくなると照射後の液晶パネルの温度が高くなり、さらに照射量、すなわち照射時間が長くなればなるほど温度上昇が激しくなる問題点が生じる。その結果、一たん強い散乱性T0が得られても、これらの熱により液晶の液滴2が劣化してしまい、散乱性が弱くなってしまう問題点が生じていた。
【0026】
この問題を解決する方法として、光源から出た光ビームをオプティカルバンドパスフィルタに通し、特定の単一光波長成分を取り出して照射する方法が知られている(特開平5−181118)。この方法では、光硬化性樹脂中に添加された光開始剤の吸収ピークを含む±20nmの範囲の波長の単一の光波長成分をフィルタにより取り出し、プレミクスチャに照射する。特に、380nmから420nmの範囲のHgのh線に対応する光波長成分が使われる。一方、光開始剤の吸収ピークに対応する波長成分を取り出しても得られる光強度は不十分で、得られた液晶パネルの分散性、従って散乱性は不満足なものになる。また、高分子マトリクスを形成する樹脂の重合も不十分で、温度等による状態変化の問題やヒステリシスの問題が顕著に現れてしまう。
【0027】
以上をまとめると、プレミクスチャの光重合工程において、高圧水銀ランプなどの光源から得られる光をそのまま照射しても、高分子分散型液晶表示装置において強い散乱性を維持することができず、十分なコントラストが得られない。また、温度上昇が生じないように特定の単一光波長成分を選択して照射しても、十分な光量が得られず、樹脂の硬化速度等、相分離過程の制御が十分に行えず、その結果得られた液晶表示装置の電気光学特性は温度依存性を示すのを免れない。 さらに、高分子分散型液晶表示装置において、液晶の液滴中に二色性色素を添加し、カラー表示を行わせる場合があるが、このような場合には、色素が光重合過程において、照射光により劣化してしまう可能性がある。同様な、プレミクスチャの光重合工程における色素の劣化の問題は、高分子分散型液晶表示装置のみならず、PSCT液晶表示装置においても生じる。
【0028】
そこで、本発明は、液晶と光硬化性樹脂よりなるプレミクスチャに、限定された範囲の波長の光波長成分を、熱の影響を除外しつつ、かつ十分な光量で照射し、散乱性が高く大きなコントラストでの表示が可能で、しかもTFTによる駆動が可能な低い駆動電圧の高分子分散型液晶表示装置製造する製造方法、およびかかる製造方法により製造された高分子分散型液晶表示装置を提供することを一の目的とする。
【0029】
本発明の別の目的は、液晶と光硬化性樹脂よりなるプレミクスチャに、限定された範囲の波長の光波長成分を、液晶に添加された色素の吸収波長を回避して照射し、色素の劣化を回避した液晶表示装置の製造方法、およびかかる液晶表示装置を提供することにある。かかる液晶表示装置には、高分子分散型液晶表示装置のみならず、PSCT液晶表示装置あるいはその他の液晶表示装置をも含む。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は上記の課題を、
請求項1に記載したように、
一対の基板の間に光硬化性樹脂と液晶の混合物を導入する工程と、前記混合物に光照射を行い、前記光硬化性樹脂を硬化させ、前記光硬化性樹脂の硬化により形成された樹脂層中に、液晶の液滴あるいは液晶の連続層を、相分離により形成する工程とよりなる、液晶表示装置の製造方法において、
前記光照射を行う工程は、赤外域の波長を、光フィルタにより除いた波長領域の複数の光波長成分により実行され、
前記光照射を行う工程は、高圧水銀ランプのi線,h線,g線のうち少なくとも2本の光波長成分を使って実行され、
前記光照射を行う工程は、前記樹脂層の昇温が生じないような波長領域の光波長成分により実行されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法により、または
請求項2に記載したように、
前記光照射を行う工程は、光源で形成された光ビームを光学的に濾波する工程を特徴とする請求項1記載の方法により、または
請求項3に記載したように、
前記光照射を行う工程は、照射される光波長成分の総光量が600mJ以上になるように実行されることを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の液晶表示装置の製造方法により、または
請求項4に記載したように、
前記液晶は色素を含み、前記光照射を行う工程は、前記色素が吸収する波長域を避けた光波長成分により実行されることを特徴とする請求項1〜のうち、何れか一項記載の液晶表示装置の製造方法により、または
請求項5に記載したように、
前記光照射を行う工程は、前記色素を劣化させる波長成分をカットして実行されることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置の製造方法により、または
請求項6に記載したように、
前記光照射を行う工程は、前記混合物の温度を、室温よりも高い所定の温度に保持して実行され、前記液晶は、前記硬化した樹脂層中において、高分子安定化コレステリックテクスチャを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の液晶表示装置の製造方法により、解決する。
【0031】
本発明では、高分子分散型液晶表示装置を製造する場合、前記光照射を行う工程において、光源から出射した光ビームを光フィルタにより濾波し、プレミクスチャを昇温させるような赤外域の波長成分をカットし、しかもプレミクスチャに添加された光開始剤の吸収波長に対応する複数の輝線波長を取り出してこれをプレミクスチャに照射する。赤外域を除く複数の輝線波長を使うため、昇温が押さえられると同時に光照射量が増大し、初期の硬化速度が早くなる。その結果、硬化した高分子マトリクス中における液晶の分散性が向上し、これに伴い散乱性T0も向上し、高いコントラストの表示が得られる。また、低い駆動電圧での駆動が可能になる。さらに、複数の輝線波長を使う結果、光照射量が増大し、プレミクスチャ中の光硬化性樹脂の重合が十分に進行し、V−T特性にヒステリシスが現れる等の問題を解消する。
【0032】
また、色素を添加した液晶を使う液晶表示装置では、色素の吸収波長を避けて光照射を行うため、色素の劣化が生じることがない。
【発明の実施の形態】
【0033】
以下、本発明を、実施例について、詳細に説明する。
【0034】
図1は、図12(C)の工程に対応する、本発明の一実施例による光照射工程を説明する図である。
【0035】
図1を参照するに、高圧水銀ランプ22を含む光源21で形成された平行光ビームは図2に示す透過特性を有する多層膜フィルタ23で濾波され、基板1Aと基板1Bとの間に保持されたプレミクスチャ層3Cに照射される。フィルタ23は、図2に示すように、実質的に340nm〜490nmの、光開始剤の吸収波長帯域を含む限られた範囲に透過帯域を有し、水銀ランプ22から放出される760nm以上の赤外線および300nm以下の紫外線をカットする。一方、前記フィルタ23の透過帯域中には、水銀のj線、i線、h線、g線の少なくとも2本が含まれ、その結果プレミクスチャ層3Cに照射される総光量が、単一の輝線のみを使う場合に比べて約2倍、あるいはそれ以上に増加する。本発明では、十分な光重合を達成するため、プレミクスチャに照射される光ビームの各波長成分の光量を合計した総光量が600mJ以上になるように、高圧水銀ランプあるいはマイクロ波励起無電極ランプ等の高出力光源を使う。
【0036】
以下、図1の構成により光重合を行った実験例について詳細に説明する。
[実施例1]
液晶TL205(メルク製)と、光硬化性樹脂PN393(メルク製)を、重量比4:1の割合で混合し、攪拌してプレミクスチャを調製した。
【0037】
さらに、透明電極1aとしてITO層を形成されたガラス基板1(日本電気硝子製OA2)上にミクロバールのスペーサ(積水ファインケミカル製SP10100)を散布し、熱硬化性樹脂によりシールSを形成した。さらに、透明電極1bとして作用するITO膜を形成された同様なガラス基板1Bを基板1A上に、電極1a,1bを形成された面が対面するように配設し、シールSにおいて接着してセル厚が10μmの空パネルを形成した。
【0038】
さらに、このようにして形成された空パネルに、上記プレミクスチャを毛管現象により注入し、プレミクスチャ層3Cを形成した。注入後、形成された液晶パネルに様々な透過帯域特性(例えば図2に示す)を有する多層膜フィルタ(朝日分光製)を載置し、高圧水銀ランプ(オーク製作所、Hシリーズ)により、フィルタ通過後の照射光の光量が10mW/cm2以上の出力光量(350nm、センサで測定)になるような条件で3分間照射し、樹脂の光重合を行った。ただし、出力光量の測定は、オーク製作所製、デジタル指示型紫外線照度計UV−35により行った。
【0039】
【表1】
Figure 0003981164
表1は、このようにして得られた液晶パネルの特性を示す。
【0040】
表1中、「実施例1」として示した段は、このようにして得られた液晶パネルの散乱性T0(取込み角θが12°、駆動電圧が0Vの場合の光透過率)および駆動電圧が7Vの場合のコントラスト比を、光照射をフィルタ無しで行った場合、Hgのi線(365nm)のみを使って行った場合、Hgのh線(405nm)のみを使って行った場合、Hgのg線(436nm)のみを使って行った場合、Hgのi線とh線とを使って行った場合、Hgのh線とg線とを使って行った場合、さらにHgのi線と、h線と、g線とを使って行った場合について示す。ただし、表1の各段において、上段は散乱性T0を、下端はコントラスト比を示す。
【0041】
表1より明らかなように、複数の輝線を使って照射した場合の方が、フィルタを使わなかった場合、あるいは単独の輝線のみを使った場合に比べて散乱性が向上しており、従ってコントラスト比が向上している。
【0042】
複数の輝線を照射して得られた高分子分散型液晶パネルをレーザ顕微鏡(レーザーテック製)で観察したところ、高分子マトリクス3中に分散している液晶の液滴2の径が大体0.8〜1.8μmの範囲、特に1.0〜1.3μm近辺に集中していることが見いだされた。従って、かかる液晶の液滴径の分布が分散性の向上に寄与し、引いてはこのようなコントラスト比の向上および分散性T0の向上に寄与しているものと思われる。
【0043】
また、図3は、実施例1の組成物について、フィルタを使わなかった場合およびフィルタを使って赤外域の放射をカットした場合について、プレミクスチャの昇温を測定した結果を示す。
【0044】
図3を参照するに、フィルタを使わなかった場合、赤外域にHgの主要な輝線が存在しなくても、照射開始後数分後にはプレミクスチャの温度が100°Cを突破し、相分離状態等、モホロジーの劣化を招くことがわかる。これに対し、フィルタにより、赤外域の波長をカットしておくと、プレミクスチャの昇温は実質的に生じないことがわかる。
[実施例2]
液晶TL205(メルク製)と、エポキシ系アクリレートからなる光硬化性樹脂A(日本化薬製)を、重量比7:3の割合で混合し、攪拌してプレミクスチャを調製した。さらに、光開始剤として、イルガキュアー184(チバガイギー製)を樹脂に対して重量比2パーセントの割合で混合した。
【0045】
さらに、前記実施例1の場合と同様に、透明電極1aとしてITO層を形成されたガラス基板1(日本電気硝子製OA2)上にミクロバールのスペーサ(積水ファインケミカル製SP10100)を散布し、熱硬化性樹脂によりシールSを形成した。さらに、透明電極1bとして作用するITO膜を形成された同様なガラス基板1Bを基板1A上に、電極1a,1bを形成された面が対面するように配設し、シールSにおいて接着してセル厚が10μmの空パネルを形成した。
【0046】
さらに、このようにして形成された空パネルに、上記プレミクスチャを真空注入法により注入し、プレミクスチャ層3Cを形成した。注入後、形成された液晶パネルに様々な透過帯域特性(例えば図2に示す)を有する多層膜フィルタ(朝日分光製)を載置し、高圧水銀ランプ(オーク製作所、Hシリーズ)により、実施例1の場合と同様な出力光量で、3分間照射し、樹脂の光重合を行った。
【0047】
表1の「実施例2」として示した段は、このようにして得られた液晶パネルの散乱性T0(取込み角θが12°、駆動電圧が0Vの場合の光透過率)および駆動電圧が7Vの場合のコントラスト比を、光照射をフィルタ無しで行った場合、Hgのi線(365nm)のみを使って行った場合、Hgのh線(405nm)のみを使って行った場合、Hgのg線(436nm)のみを使って行った場合、Hgのi線とh線とを使って行った場合、Hgのh線とg線とを使って行った場合、さらにHgのi線と、h線と、g線とを使って行った場合について示す。表1より明らかなように、実施例2においても、複数の輝線を使って照射した場合の方が、フィルタを使わなかった場合、あるいは単独の輝線のみを使った場合に比べて散乱性T0が向上しており、従ってコントラスト比が向上している。また、この実施例では、実施例1に比べて、樹脂依存性が無い。
[実施例3]
液晶TL205(メルク製)と、ウレタン系アクリレートからなる光硬化性樹脂B(日本化薬製)を、重量比7:3の割合で混合し、攪拌してプレミクスチャを調製した。さらに、光開始剤として、イルガキュアー184(チバガイギー製)を樹脂に対して重量比2パーセントの割合で混合した。
【0048】
さらに、前記実施例1,2の場合と同様に、透明電極1aとしてITO層を形成されたガラス基板1(日本電気硝子製OA2)上にミクロバールのスペーサ(積水ファインケミカル製SP10100)を散布し、熱硬化性樹脂によりシールSを形成した。さらに、透明電極1bとして作用するITO膜を形成された同様なガラス基板1Bを基板1A上に、電極1a,1bを形成された面が対面するように配設し、シールSにおいて接着してセル厚が10μmの空パネルを形成した。
【0049】
さらに、このようにして形成された空パネルに、上記プレミクスチャを真空注入法により注入し、プレミクスチャ層3Cを形成した。注入後、形成された液晶パネルに様々な透過帯域特性(例えば図2に示す)を有する多層膜フィルタ(朝日分光製)を載置し、高圧水銀ランプ(オーク製作所、Hシリーズ)により、実施例1,2の場合と同様な出力光量で、3分間照射し、樹脂の光重合を行った。
【0050】
表1の「実施例3」として示した段は、このようにして得られた液晶パネルの散乱性T0(取込み角θが12°、駆動電圧が0Vの場合の光透過率)および駆動電圧が7Vの場合のコントラスト比を、光照射をフィルタ無しで行った場合、Hgのi線(365nm)のみを使って行った場合、Hgのh線(405nm)のみを使って行った場合、Hgのg線(436nm)のみを使って行った場合、Hgのi線とh線とを使って行った場合、Hgのh線とg線とを使って行った場合、さらにHgのi線と、h線と、g線とを使って行った場合について示す。表1より明らかなように、実施例においても、複数の輝線を使って照射した場合の方が、フィルタを使わなかった場合、あるいは単独の輝線のみを使った場合に比べて散乱性T0が向上しており、従ってコントラスト比が向上している。この実施例では、液晶材料、光硬化性樹脂などの材料依存性が無い。
【0051】
表1よりわかるように、本実施例においても、複数の輝線を使って光重合を行うことにより、フィルタを使わないで、あるいは単独の輝線のみを使って光重合を行う場合に比べて散乱性T0が向上し、コントラスト比が向上している。また、分散剤のような添加剤が含まれる場合においても同様な効果がある。
[実施例5]
前記実施例1と同様に、液晶205(メルク製)と光硬化性樹脂(メルク製)を重量比4:1の割合で混合・攪拌してプレミクスチャを形成し、実施例1と同様な液晶パネルに注入した。その際、図4に示すように、液晶パネルを構成する基板1A,1Bの、相対面する側には、透明電極層1a,1b上に、ポリビニルアルコール(クラレ製)の薄膜1a’,1b’を、それぞれ60nmの厚さで形成した。さらに、このようにして形成された液晶パネル上に様々な透過特性の多層膜フィルタ(朝日分光製)を載置し、高圧水銀ランプ(オーク製作所、Hシリーズ)により、先の実施例と同様に、3分間の照射を行った。
【0052】
表1よりわかるように、本実施例においても、複数の輝線を使って光重合を行うことにより、フィルタを使わないで、あるいは単独の輝線のみを使って光重合を行う場合に比べて散乱性T0が向上し、コントラスト比が向上している。
[実施例6]
さらに、光源からの光を濾波する際使われるフィルタは多層膜フィルタに限定されるものではなく、例えば特定の波長を反射し、赤外線を透過させる多層膜ミラーであってもよい。
【0053】
図5は、かかる多層膜ミラー23’を使った例であり、ミラー23’は光源21で形成された光ビームの光路に対して所定の角度(図示の場合は45°)で設けられ、反射光により、基板1Aおよび1Bの間に封入されたプレミクスチャ3Cを照射する。
【0054】
【表2】
Figure 0003981164
表2は、プレミクスチャ3Cとして液晶TL205と光硬化性樹脂PN393の4:1混合物を使い、ミラー23’としてHOYA製FJ300を使った場合の結果を示す。この場合、ミラー23’は340nmから490nmの範囲の波長を選択的に反射する。表1と同様に、上段が散乱性T0を、下段がコントラスト比を示す。
【0055】
表2を参照するに、ミラーを使わず直接に光源21からの光をプレミクスチャ3Cに照射した場合に比べ、散乱性T0が大きく向上し、またコントラスト比も同様に大きく向上しているのがわかる。
[実施例7]
ところで、高分子分散型液晶を使った反射型液晶表示装置において、カラー表示を行う場合、液晶に色素あるいは染料を添加することが行われるが、このようなカラー高分子分散型液晶パネルの製造においては、特に光重合工程において、液晶に添加された色素あるいは染料の劣化を防止する必要がある。
【0056】
図6は、このような、色素を添加した高分子分散型液晶パネルの構成を示す。ただし、図6中、先に説明した部分には対応する参照符号を付し、説明を省略する。
【0057】
図6を参照するに、基板1Aの下には光吸収板1Cが設けられ、基板1Aと光吸収板1Cの間にはレンチキュラー板1Dがさらに設けられている。ただし、レンチキュラー板1Dは省略してもよい。液晶は、図10Aの構成と同様に、高分子マトリクス3中に液晶の液滴2が分散し、液滴2中には液晶分子1の他に色素1’が含まれる。そこで、基板1Bを通って入射する入射光は、液滴2で散乱される際、色素1’により着色される。
【0058】
液滴2は、先の実施例の場合と同じように、液晶、光硬化性樹脂および色素のプレミクスチャに光を照射し、光硬化性樹脂を重合させることにより形成されるが、図6の構成では、液晶中に色素1’が含まれているため、照射光の波長に先の実施例で説明した以外の制約が加わる。
【0059】
図7(A)は図16に対応する図であり、高圧水銀ランプが形成する光スペクトルを示し、一方図7(B)は図15に対応し、典型的な光開始剤の吸収スペクトルを示す。さらに、図7(C)は、液晶に添加されたシアン色素の典型的な吸収スペクトルを示す。
【0060】
図7(A)〜(C)を参照するに、光開始剤は600nm以下の波長に吸収帯域を有するのに対し、色素は500nm以上の波長に吸収帯域を有し、従って光源からの照射光を、光開始剤の吸収帯域に合わせて600nm以下の波長で濾波すると、500nmから600nmの範囲で色素の吸収波長との重複が生じてしまう。換言すると、この波長域では色素1’が強力な照射光により照射され、劣化してしまう可能性がある。
【0061】
そこで、本発明では、図1に示すフィルタ23の特性を、図7(D)に示すように、光源で形成された光ビームのうち、色素の吸収帯域と重複する波長がカットされるように設定する。その結果、光重合工程における色素の劣化は生じない。
【0062】
一例として、液晶TL205(メルク製)と紫外線硬化性樹脂A(日本化薬製)とを、2−エチルヘキシルアクリレート(日本化薬製EHA)により希釈されたエポキシアクリレート系オリゴマー(日本化薬製)と、重量比75:25で混合した。さらに、紫外線硬化性樹脂Aには、光重合開始剤としてイルガキュアー184(チバガイギー製)を、樹脂に対して2重量%の割合で含ませた。さらに、こうして得られた液晶と樹脂の混合物に、二色性色素SI−497(三井東圧製)をさらに2重量%添加してプレミクスチャを形成した。
【0063】
さらに、こうして得られたプレミクスチャを、12μm径のスペーサ(積水ファインケミカル製)を隔てて基板1Aおよび1Bをはりあわせて形成した空の液晶パネル中に、毛管現象により注入した。
【0064】
注入後、液晶パネル中のプレミクスチャに対して、色素の吸収波長帯域(500nm〜760nm)を避けて、450nmの波長の照射光を、30mW/cm2の強度で5分間照射した。照射光は、高圧水銀ランプ21(図1)で形成された光を、図7(D)に示す特性を有する多層膜フィルタ23(ケンコー製)により濾波して得た。
【0065】
かかる構成によれば、色素が劣化しないため、良好な二色性を有し、散乱性が良好で、コントラスト比の高いカラー反射液晶表示装置を得ることができる。図7(D)の特性よりわかるように、本実施例で使ったフィルタは、赤外域の放射をもカットし、その結果得られた液晶パネルが熱により劣化することがない。また、短波長の紫外線もカットされるため、液晶自体の劣化も防止できる。さらに、図7(D)のフィルタ23は、光源21が形成する単一の輝線波長のみならず、複数の輝線波長を通過させるため、プレミクスチャには十分な光量の照射光が照射され、高分子マトリクス中における液滴の分散性が非常に良好になる。その結果、液晶表示装置の散乱性が向上し、高いコントラスト比での表示が可能になると同時に、TFTアクティブマトリクス方式を使った低い駆動電圧での駆動が可能になる。
[実施例8]
図8(A)は、図6の構成において、複数の色素A,Bを液晶の液滴2中に導入したもので、色素Aと色素Bとは互いに異なった液滴2または2’中に凝集する。ただし、図8(A)中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0066】
図8(A)を参照するに、色素Aを含む液滴2と色素Bを含む液滴2’とでは、液滴形状の違いに起因してVーT特性が異なっており、このため、駆動電圧範囲を選択することにより、色素Bを含む液滴を2’、色素Aを含む液滴2に対して別個に駆動することが可能である。
【0067】
図8(B)は、高分子マトリクス3中に画成された画素内において、色素Aを含む液滴2の領域と色素Bを含む液滴2’の領域とを分離させた構成を示す。かかる構成は、空の液晶パネルへのプレミクスチャの注入の順序を、所定の順序でくりかえし行うことで得られ、カラー表示に有効である。
【0068】
また、図8(C)は、基板1Aと1Bとの間に挟持された高分子マトリクス3中において、色素Aを含む液滴2と色素Bを含む液滴2’とが、別々の層に含まれている。
[実施例9]
以上は、高分子分散型液晶についての説明であったが、先にも説明したように、本発明は他の液晶表示装置、例えばPSCT液晶を使った液晶表示装置に対しても有用である。
【0069】
例えば、液晶E48(メルク製)を60% カイラル剤CE2(メルク製)を20%、カイラル剤CB15(メルク製)を20%の割合で、120°Cで混合し、液晶混合物4gを作製した。これに、光硬化性樹脂UV10(メルク製)を80:20の割合で混合し、5gのプレミクスチャを形成した。さらに、得られたプレミクスチャに色素SI−497(三井東圧製)を2%加え、十分に攪拌した。
【0070】
攪拌後、得られたプレミクスチャを、透明電極1a,1bを担持する基板1A,1Bを10μmの径のスペーサ(積水ファインケミカル製)を介在して接合して形成した空の液晶パネルに、毛管現象により注入し、液晶パネルを形成した。さらに、プレミクスチャを注入された液晶パネルを70°Cの温度に保持し、色素の吸収波長(500nm〜760nm)をカットした照射光を、30mW/cm2の光量で10分間照射した。照射光は、高圧水銀ランプの光を図7(D)に示す特性の多層膜フィルタで濾波して得た。このようにして得られたPSCT液晶パネルは、電圧無印加時にはシアンを呈し、また5Vの矩形波を印加した場合にコントラスト比として10が得られることが確認された。
[実施例10]
本発明により得られる液晶パネルは、良好な散乱性を示すのみならず、低い駆動電圧で駆動が可能であり、このため、TFTを使ったアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置に特に有効である。
【0071】
図9は、かかるアクティブマトリクス駆動方式の反射型液晶表示装置の構成を示す図である。
【0072】
図9を参照するに、基板1Aの下にはレンチキュラー板1Dを介して光吸収層1Cが配設され、さらに透明電極層1aは複数の画素電極1a1,1a2,・・・にパターニングされている。さらに、基板1A上には複数の行バスB1,B2、・・・および列バスC1,・・・が縦横に走り、各交点に対応して薄膜トランジスタTFTが形成される。かかる構成では、基板1Bの側には光を遮断する要素は設けられず、TFTを介した各画素電極の駆動により、液晶液滴2の透過・散乱が制御される。ただし、透過型の液晶表示装置の場合には、レンチキュラー板あるいは光吸収層は設けられない。
【0073】
以上の各実施例の照射工程において、光学多層膜フィルタ23(図1)あるいは光学多層膜ミラー23’(図5)は一般に入射角依存性を示すため、光源21は照射光を平行光ビームの形で照射するものであるのが好ましく、光学多層膜フィルタに光ビームを入射させる場合、入射角は0°±10°の範囲に制御するのが好ましい。
【発明の効果】
【0074】
本発明の一の特徴によれば、光硬化性樹脂と液晶とよりなるプレミクスチャの光重合の際に、赤外域を除いた所定の波長領域の光波長成分を照射することにより、プレミクスチャの昇温に伴う液晶の劣化を回避でき、また、複数の光波長成分を照射することにより、十分な光量が得られ、分散性および光散乱性に優れ、高いコントラスト比の表示が可能で、しかもTFTによる低い駆動電圧での駆動が可能な高分子分散型液晶パネルを得ることができる。
【0075】
本発明の他の特徴によれば、光重合工程で使われる赤外域をカットした、しかも所定の範囲の波長領域をカバーする照射光を、容易に得ることができる。
【0076】
本発明の他の特徴によれば、光重合工程において十分な光量の照射光を照射することにより、早い硬化速度と十分な重合反応が得られ、良好な分散性を有し、しかも特性の温度依存性が少ない高分子分散型液晶パネルを得ることができる。
【0077】
本発明の他の特徴によれば、光重合工程で、添加された色素の波長を避けて光照射を行うことにより、色素の劣化の少ない高分子分散型液晶パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光重合工程を示す図である。
【図2】図1の工程で使われる光フィルタの特性を示す図である。
【図3】図2のフィルタを使った光重合工程におけるプレミクスチャの昇温を従来の場合と比較して示す図である。
【図4】本発明の一実施例による液晶パネルの構成を示す図である。
【図5】本発明による光重合工程の別の例を示す図である。
【図6】本発明の別の実施例によるよる液晶パネルの構成を示す図である。
【図7】本発明の光重合工程で使われる照射光のスペクトルを説明する図である。
【図8】本発明の別の実施例による液晶パネルの構成を示す図である。
【図9】本発明の別の実施例による液晶パネルの構成を示す図である。
【図10】従来の高分子分散型液晶パネルの構成および動作を説明する図である。
【図11】従来の高分子分散型液晶パネルの別の例を示す図である。
【図12】従来の光重合過程を伴う液晶パネルの製造工程を示す図である。
【図13】光重合過程による高分子分散型液晶パネルの形成過程を説明する図である。
【図14】従来の高分子分散型液晶表示装置の動作特性およびその測定系の構成を説明する図である。
【図15】従来の光重合過程を伴う液晶パネルの製造工程で使われている光開始剤の吸収特性を示す図である。
【図16】従来の光重合過程を伴う液晶パネルの製造工程で使われている高圧水銀ランプの発光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 液晶分子
1’ 色素
1A,1B 基板
1C 光吸収層
1D レンチキュラー板
1a,1b 透明電極
1a’,1b’ ポリビニルアルコール層
2,2’ 液晶液滴
3 高分子マトリクス
3A 高分子領域
3B 高分子3次元ネットワーク
3C プレミクスチャ
10,21 光源
11 ディテクタ
22 水銀ランプ
23 光多層膜フィルタ
23’光多層膜ミラー
TFT 薄膜トランジスタ

Claims (6)

  1. 一対の基板の間に光硬化性樹脂と液晶の混合物を導入する工程と、前記混合物に光照射を行い、前記光硬化性樹脂を硬化させ、前記光硬化性樹脂の硬化により形成された樹脂層中に、液晶の液滴あるいは液晶の連続層を、相分離により形成する工程とよりなる、液晶表示装置の製造方法において、
    前記光照射を行う工程は、赤外域の波長を、光フィルタにより除いた波長領域の複数の光波長成分により実行され、
    前記光照射を行う工程は、高圧水銀ランプのi線,h線,g線のうち少なくとも2本の光波長成分を使って実行され、
    前記光照射を行う工程は、前記樹脂層の昇温が生じないような波長領域の光波長成分により実行されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 前記光照射を行う工程は、光源で形成された光ビームを光学的に濾波する工程を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記光照射を行う工程は、照射される光波長成分の総光量が600mJ以上になるように実行されることを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の液晶表示装置の製造方法。
  4. 前記液晶は色素を含み、前記光照射を行う工程は、前記色素が吸収する波長域を避けた光波長成分により実行されることを特徴とする請求項1〜のうち、何れか一項記載の液晶表示装置の製造方法。
  5. 前記光照射を行う工程は、前記色素を劣化させる波長成分をカットして実行されることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 前記光照射を行う工程は、前記混合物の温度を、室温よりも高い所定の温度に保持して実行され、前記液晶は、前記硬化した樹脂層中において、高分子安定化コレステリックテクスチャを有することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の液晶表示装置の製造方法。
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