JP2006208334A - 微小流量の流体制御方法及び抵抗体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 入口から出口まで0.5μm〜100μmの貫通した連続孔を持つモノリス構造体を抵抗体として用いて、液体或いは気体の流れを分岐することにより、モノリス構造体に対応した所望の流速を得る。
【選択図】 図6
Description
図1に示すように、入口から流速Q1で流された流体1は、分岐され、夫々の圧力の異なる抵抗体4,5,6に導入される。流速Q1は、2側流速Q2と3側流速Q3の和であり、2側と3側の圧力は等しく次式が成立する。
Q1=Q2+Q3 r1×u×Q2+r2×u×Q2=r3×u×Q3
r1:抵抗R1の抵抗係数、r2:抵抗体6の抵抗係数、r3:抵抗体4の抵抗係数、u:流体の粘性
2側の流速 Q2=r3/(r1+r2+r3)Q3となる。即ち、用いる抵抗体によって、必要な流速を得ることが出来る。
例えば、生体試料分析によく使用されるLC−MS分析では、流速4μL/min以下の流速でMSに送液する必要があるが、その領域で再現よく流せる汎用LCポンプは少ない。そのため、圧力抵抗で分析カラムに入る前に、移動相を分岐させたり、分析カラムから出てきた移動相を分岐させ、MSに必要な流速を流す方法が行われている。この分析装置としては、調圧器によってスプリット比を調整する装置や、細いキャピラリー管をとりつけて、その抵抗比でスプリットする装置が製品化されており、ポンプカラム間やカラムMS間に接続して使われている。
それらの装置では、得られる流速としては、2μL/minが限界であり、低い流量での精度のよい分岐を行うことは出来ない。
その原因として、正確な分岐を行うための、低流量で安定した負荷が得られる抵抗体が存在しないことである。
例えば、図2のようなHPLCシステムに於いて、抵抗体として、ポンプ流速40μL/minで、5Mpaの圧力が得られる長さ20cmの内径30μmFSシリカチューブを抵抗管として使えば、流速0.4μL/minで5Mpaの分析カラムに移動相を分岐して導入することができる。しかし、スプリット比が大きく、外気の影響を受け、カラム側に流れる流量の再現性が得られない。又、実際の分析に用いる溶離液の大半を廃棄することになり、無駄となる。
再現性ある流量を得るためには、10分の1以下のスプリットが理想的となるが、FSシリカチューブなどの中空パイプでこのようなスプリット比を得ようとすると、細い内径の30μmFSチューブを用いた場合でも、1m以上の抵抗管をつける必要がある。
長くなると、詰まりが生じて現実的に使用できない。このような内径の細いチューブでは、数10cmが限界であり、10分の1以下のスプリットを得ることが出来ない。
実際に内径0.03mm、長さ500cmのフューズドシリカチューブを用いた抵抗管に、流速1μL/minで送液したところ、送液開始時の送液圧力は4.8Mpaであったのに対して、送液2時間後には10Mpaに上昇し、2.5時間後には送液圧力が35Mpa以上に上昇してしまい。送液不能となってしまった。
更に、目的の抵抗を持ったカラムを自由に作る事ができない。当然充填手数が必要となり、抵抗体としては高価となる。
更に、当然抵抗管側の方が流速が早くなるため、詰まり易くなる。
分岐してMSへの導入や分岐した成分を回収する場合などに、それらの充填剤粒子へ吸着が生じ、液体に含まれている成分が変化する可能性もある。
モノリス構造体の製造方法として、下記の各種が提案されている。
特開平6−265534号公報、特開平7−247180号公報、特表平7−501140号公報、特開平6−107461号公報。
カラム圧力と抵抗管の比でスプリットして低流速を得るため、抵抗管として内径の細いチューブ等を細く長く形成しなければならないことによる従来の欠点たる詰まり易さ、圧力変動の生じ易さを解消し、短く形成でき、圧力変動が少ない抵抗体が要望されている。
本発明に於いては、作成時の出発原料の選択により、所望のスルーポアを形成できるモノリス構造体を利用することにより、目的に応じた抵抗を得て、高圧下でも空間の変化はなく、安定な抵抗が得られると共に、管の中だけでなく、フィルター状等種々の形状でも作成利用することができ、種々の形で、各種装置にも組み込むことができ、更に出発原料の選択によりその吸着性能もコントロールすることができる抵抗体及びそれを利用した装置・器具を提案せんとするものである。
この結果、極少量の試料を高感度に分析する必要のある質量分析やHPLC分析に必要な2μL/minの流量以下の正確な分岐を行うできる方法を提供できる。
又、請求項2の発明によれば、モノリス構造体のメソ孔が2nm未満であるので、請求項1の発明の効果の他に、圧力が一定になり、安定するまでの時間が短く、ごみ等による詰まりがなく、高圧下で試料の流れに影響が少ないため、更に低流量の迅速且つ安定した分岐ができ、一層の高感度分析が可能である。
従って、その長さを短く形成することが出来、短時間で分岐の可能な短くかつつまりが無い抵抗体を提供できる。又、圧力は作成する管の断面積にも反比例するので、目的に合せてスルポアの制御と合せて自由に抵抗を制御できる。
この結果、再現性のよい結果が得られた。特に、タンパクの捕集に於いては、タンパクの分解も無く、その変性がないことも確認されている。
この結果、装置自体も簡略化されイオン化装置も廉価となり、イオン化感度もよくなり、スプレーイオン化法をより有効たらしめた。
ガラス又はガラスセラミックスより成り、孔径500nm以上で3次元網目上に連続した貫通孔と、この貫通孔の内壁面に形成された孔径5〜100nmの細孔とを有し、細孔の全容積が10m3/t以下であって、全体に対して貫通孔の占める容積率が20〜90%で、全気孔中の細孔の閉める容積率が10%以上であることを特徴とする無機系多孔質カラム。(特開平6−265534号公報参照)少なくとも1個の金属・炭素結合を介して結合した非加水分解性の有機官能基と、加水分解性の官能基とを含む有機金属化合物を、加水分解・重合して反応溶液系のゲル化を行った後、ゲル中の不要物質を除去し、加熱する。少なくとも1個の金属・炭素結合を介して結合した非加水分解性の有機官能基と、加水分解性の官能基とを含む有機金属化合物を、加水分解・重合して反応溶液系のゲル化を行った後、ゲル中の不要物質を除去し、加熱することを特徴とする有機官能基の結合した無機系多孔質体の製造方法。(特開平5−501935号公報参照)両端末を閉じた管に、ポルゲンを含んでいる脱気した重合混合物を加え、この混合物を重合させることでマクロ細孔有機ポリマーフラグを生じさせ、そしてこのマクロ細孔ポリマーグラフを洗浄することでポロゲンを除去し、そして約200nm端末の直径を有する小さい孔と、約600nm以上の直径を有する大きい孔とを含んでいるプラグを生じさせる方法で、作成された液体クロマトグラフィーカラム。少なくとも1個の金属・炭素結合を介して結合した非加水分解性の有機官能基と、加水分解性の官能基とを含む有機金属化合物を、加水分解・重合して反応溶液系のゲル化を行った後、ゲル中の不要物質を除去し、加熱することを特徴とする有機官能基の結合した無機系多孔質体の製造方法。(a)Rが炭素数1〜6のアルキルである式:Ti(OR)4で示されるチタン・アルコキシドの溶媒中溶液を調製し、(b)得られた溶液に対し、水を、各アルコシド分子の1つのアルコシド基と等しい化学量論量〜各アルコシド分子の全てのアルコシド基と、等しい化学量論量で混合し、所定の温度にて所定の時間加熱して加水分解及び縮合を生じさせ、(c)工程(b)で得られた成形性ゾルを膜又はモノリスに成形し、次いで(d)成形した膜又はモノリスを所定の温度に1000℃,以上の速度で加熱し、この温度を1秒〜60分間保持することにより、当該層を硬化させ、次いで室温まで冷却することを構成とする。
特に、シリコン元素やチタニア元素を含む有機金属化合物を出発原料としたモノリス体は、不活性であり、高耐圧のため抵抗体として適している。
又、モノリス構造体に於いては、作成工程で液体の流れるスルポアー孔以外に、メソ孔が存在してしまう場合があるが、このメソ孔の存在は圧力が一定になるまでの時間がかかり、メソ孔は高圧下で影響の与えない2nm未満のモノリス構造体の方が適している。
メソ孔は900度以上で焼成することによって、2nm未満に漬すことができるので、メソ孔のあるモノリス体を焼成してもよい。
それらのモノリス構造体をパイプ内に作成した抵抗体と従来の細いパイプの抵抗管との比較を考えると、モノリス構造体は、3次元網目上に連続した貫通孔があり、その貫通孔が従来の細いパイプの内径に対応することになる。
例えば、貫通孔の内径であるスルポアー30μmのモノリス構造と内径30μmのパイプで同等の抵抗を得ることが出来る。内径30μmのパイプ部では、その中に流体が流れることになり、ごみ等による詰まりが生じてしまい、抵抗体として使えないが、モノリス構造体では、貫通孔は互いに3次元状に繋がっており、詰まりに関しては、モノリス体全体の径、この場合では作成したパイプ内径による影響になる。モノリス構造体を用いることで、詰まりの無い抵抗体を得ることが出来る。モノリス構造体を作成する骨格がパイプ内に30〜80%存在しており、同じ径のパイプと比較すると内部容積としては20〜70%にすることができる。この内容積は、小さい方が遅れ時間が出ないため、抵抗体としては適している。ここで、抵抗体は、モノリス構造体そのものをさす場合と、チューブ、パイプ等の各種形状内に形成する場合がある。
スルポアに影響を与えるホルムアミド割合を代え、メチルトリメトキシシラン、共存物質としてのホルムアミド及び触媒としての1mol/l硝酸水溶液を1:2.5:2.8の割合で混合し、均一溶液を得た。スルポア1μm(表1抵抗体2A〜4A)
窒素ガス圧で、内径0.1mm、長さ100mmのフューズドシリカカラムに入れて、両端をポリプロピレンシールフィルムでシールして、40℃で15時間ゲル化後、メタノール2mLで洗浄し、モノリス構造体からなる抵抗体2Aを8本得た。
同じ溶液を同時に内径0.05mm、長さ5mのフューズドシリカカラムに入れて、両端をポリプロピレンシールフィルムでシールして、40℃で15時間ゲル化後、メタノール2mLで洗浄し、モノリス構造体からなる抵抗体を得た。
その抵抗体を長さ70mmに切断して抵抗体3Aを7本、長さ170mmに切断して抵抗体4Aを7本得た。
窒素ガス圧で、内径0.1mm、長さ150mmのフューズドシリカカラムに入れて、両端をポリプロピレンシールフィルムでシールして、40℃で15時間ゲル化後、メタノール2mLで洗浄し、モノリス構造体からなる抵抗体1Aを8本得た。
各1本及び切れ端を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、3次元網目状に連続したゲル骨格と貫通孔が観察された。又、窒素吸着法にて、上記残存溶液から作成したモノリスロッドを検査したところ、メソ孔が2nm未満であることが観察された。
これらの抵抗体に、イオン交換水を流し、圧力再現性を検査した。
その結果を表1に示した。
又、比較として、スルーポア2μm、メソポア10nmの市販されているHPLCモノリスキャピラリーカラム(MonoCapRC18)の4ロットに、1μL/minで送液した圧力抵抗を調べた。流し始めから圧力が安定するまでの時間が、メソ孔の小さい本発明抵抗体の10倍以上かかり、10分以上経過してから安定した。メソ孔への液の出入りに時間がかかり、メソ孔が小さい本発明抵抗体に比べて安定までの時間が大幅にかかったと考えられる。分岐を行うための抵抗体としては、安定までの時間がかかることは、入口流量に対して、分岐した流量が追従しなくなり、問題となる。HPLCなどのカラムの入口に使う場合には、カラム均衡の時間も掛かり、それほどの影響はない。しかし、分離後や直接各装置に分岐する場合や質量分析計に導入する場合には、致命的な欠陥となり、分岐するための抵抗体としては使用できない。
抵抗体としては、メソ孔が2nm未満であることが重要な条件となる。
更に、現存する市販モノリス体は、化学種が結合されており、結合された化学種の脱落による流体の汚染が考えられる。又、当然高価であり、現実としては抵抗体としては用いられない。
メソ孔が2nm未満のモノリス構造体は、抵抗体として低流速でも充分な圧力を得られ、且つ自由にその抵抗をコントロールできるので、抵抗体として有効であることが分かった。
又、同じシステムに於いて、1μL/minで送液した際に、3.5Mpaの圧力が得られるHPLCカラムを装着したところ、8.76〜8.87分と同様の高い再現性が得られた。(図7)
上記2例の溶出時間の違いは、カラムの送液抵抗の違い(4.8Mpaと3.5Mpa)によりスプリット比が変化して3.5Mpaのほうでは早く溶出するようになったのである。(図7)
管の中にスルポアーが0.5〜20μmのモノリス構造を作成した抵抗体を用いれば、高圧力でより短い抵抗管ができ、又、抵抗管内に直接モノリス構造を作成できるので、充填工程がなく均質で高い再現性が得られた。
カラム:Mono Cap Fast−flow 100μm×270mm
溶離液:メタノール/水=80/20
流速 :ナノスプリッター常時3.0μL/min送液
カラム温度:室温(20℃〜25℃)
サンプル 1.ウラシル2.トルエン3.エチルベンゼン4.プロピルベンゼン
5.ブチルベンゼン6.アミルベンゼン
このようなカラム圧力変動の影響を小さくする方法として、カラム前にも内部抵抗体13を入れる図8に示すような構成が理想的である。これに用いる内部抵抗体は短い方が液の置換が早くなり、又、粒子の漏れはカラムの詰まりの原因となるので、短くても高圧力が得られ、且つ粒子の漏出のないモノリス構造体の使用は必然的となる。
一方、本発明モノリス抵抗体を用いた場合、短い抵抗体で高い送液抵抗を得ることが出来るため、抵抗体内のデットボリュームを抑えることができる。
図9の構成は、ポンプからの流路は、コネクタ14を介して接続され、スプリッター装置15内に送液される。送液された液体は、素管16の流路を通り分器具18に達する。分岐部18に達した液体は、それ以降に続く廃液側モノリス抵抗体17と、カラム側モノリス抵抗体19の送液抵抗の比によって分岐される。カラム側モノリス抵抗体19を通った液体は、スプリッター出口側コネクタ20を介してカラムに接続される。ポンプからの流路を接続するコネクタ14には、フィルターを内蔵し、ごみの侵入を防ぐことがも出来る。
使用する抵抗体としては、カラム側抵抗体21として、内径50μmの本発明モノリス抵抗体7cm、カラム側抵抗体22として、内径50μmの本発明モノリス抵抗体17cm、廃液側抵抗体17として、内径100μmの本発明モノリス充填抵抗体9cmを用いた。夫々の抵抗管に20%アセトニトリル溶液を流速0.4μL/minで送液した際の送液圧力は、カラム側抵抗体21は15Mpa、カラム側抵抗体22は36Mpa、廃液側抵抗体17は4Mpaとした。図9,10の実施例に於いて使用されるモノリス構造体のスルポアは1μmである。
実際に上記の設定スプリッター15を用いて表3に示した各内径の分析カラムを測定した結果、表4のような結果が得られた。異なる種類の夫々のカラムで本発明モノリス抵抗体を用いた分岐では、最適の流速が得られた。
スプリッターにポンプ(MP711)とUV検出器(MU701)を接続し、以下の条件により吸光度の推移をモニターした。モニター結果は図11に示すようになった。
分析条件
A.MeOH;B,0.5%acetone in MeOH
A/B
90/10−(10min)−90/10−80/20−(10min)−80/20−70/30−(10min)70/30−60/40−(10min)−60/40−50/50−(10min)−50/50−40/60―(10min)−40/60−90/10
検出波長:254nm
各遅れ時間を表5に示した。表中使用チャンネルColumn1は図10中21を用い、Column2は22を用いた結果である。
これは、FSシリカチューブを抵抗体として用いたスプリッターに比べ小さなものであった。これは、モノリス抵抗体は短くても高い圧力抵抗を得られるために、デットボリュームが小さく抑えられた結果である。
ナノフロースプリッターにポンプ(MP711)とUV検出器(MU701)を接続し、評価には抵抗体22側の接続部を使用した。評価時のカラム側の流速は0.16μL/minであった。図12が示すように、0.16L/minという微少流量域でも高い再現性(N=3)があることが分かった。
これは、モノリス抵抗体が安定した抵抗を生ずるものであることを証明している。
分析条件
A.MeOH;B,0.5%acetone (in MeOH)
A/B:90/10−(5min)−90/10−(15min)−0/100(20min)−0/100
検出波長:254nm
実施例1におけるスルポア1μmの抵抗体3Aを長さ10mmに切断し、3方ジョイント23に直接取付けた。両端とも同じ抵抗体50,51を取付け、流体を半分に分割し、異なる電気化学検出器24と紫外検出器25に導入した。(図13)
イナートシル(登録商標)ODS−3、内径0.3mm、長さ150mmのカラムを用いて、0.1M燐酸カリウム+1mMEDTA、水溶液(pH3.0)で3μL/minで尿中にビタミンCを添加した試料をECD(200mV)24とUV(254nm)25で同時分析を行った。
各検出器へは、1.5μL/minずつ均等に導入していることが確認できた。
UVでのモニター結果を図14に、ECDのモニター結果を図15に示した。保持時間5.5minにビタミンC成分溶出が見られた。
分析の結果から抵抗体の内部容量によるピーク形状の変化もなく、各検出器とも同じ時間に検出されていることから、3μL/minという微量領域の流速でも、再現よく分岐され、かつ分岐された液にも影響を与えないことが確認できた。
このように、微量での分析を必要とする生体試料成分の異なる検出に分岐する場合に、本発明抵抗管を用いた分岐装置は有効であることが実証された。
例えば図16の市販3方ジョイント23に直接抵抗管を接続し、分岐を行い、一部を検出器26に導入し、それをモニターしながら必要部分を採取することができる。
実施例1における抵抗体1Aを長さ10mmに切断し、抵抗体42として3方ジョイント23に直接取付けた。検出側として、抵抗体3Aを長さ20mmに切断し抵抗体43として、3方ジョイント23に直接取付けた。抵抗体43の先には、フレキシブルなテフロン(登録商標)チューブ27を介して検出器26に導入させた。3方ジョイント23は、フラクショクコレクター28に直接取付け、出口を分割捕集するように設置した。30対1に分割され、一部検出しながら分割捕集された。
抵抗体1Aはスルポア2μm、抵抗体3Aはスルポア1μmである。
図17に、モニターした結果例を示した。再現性のよい結果が得られた。
捕集された各成分を、13%濃度アクリルアミド電気泳動ゲルで各フラクションの成分の分解状態を確かめた。
図18に電気泳動写真を示した。1レーンは標準マーカーで、2レーンは混合成分で、3,4,5レーンは夫々図17の各1,2,3に対応する各フラクション成分である。
その結果、微量でも再現性よく捕集できており、本発明抵抗管は吸着が無いことが確認された。更に、捕集されたたんぱくの分解も生じておらず、微量の分解し易いたんぱくを通しても変性が無いことが確認された。
これをイオン化し易い外径0.2mm以下の外径0.15mmの内径0.05mm、長さ5mのフュズドシリカチューブ入れて、両端をポリプロピレンシールフィルムでシールして、40℃で15時間ゲル化後、メタノール2mLで洗浄し、抵抗体を得た。この抵抗体を5cmに切断し、抵抗体12を質量分析計28のイオン化室に接続した。
抵抗体13には、実施例1で作成したスルポア2μmの抵抗体1Aを取付けた。(図19)
内径0.3mm、長さ150mmのイナートシル(登録商標)ODS−3 3μm HPLCカラムを用いて、流速6μL/minで、0.1%蟻酸を含む20%アセトニトリル水溶液から1%蟻酸を含む60%アセトニトリル水溶液への40分グラジエントにより、βカゼインのトリプシン消化物の分析を行った。UV側波長は210nmで質量分析装置28はナノESIプラスで検出した。
6μL/minの流速の流体は、抵抗体12と抵抗体13に対応して、UV検出器25に5μL/min、質量分析計28に1μL/minに再現よく分岐された。
更に、特別なスプレヤーなしに、抵抗体12による効果により、イオン化され、感度よく分析された。(図20)がUV検出器、図21が質量分析計の結果で、容量を少なく出来るモノリス抵抗体では、分岐後も遅れ時間なく検出することができた。
内径0.3mm、長さ10mmのイナートシル(登録商標)CXを第1カラムとして、内径0.3MM、長さ150mmのイナートシル(登録商標)ペプチドC18を第2カラムとして2次元LCを組んだ。
第1カラムで塩濃度を変化させ、pKaで分離させ、第2カラムで逆相グラジエントを行った。第2カラム分析条件は、流速1.4μL/min、0.1%蟻酸を含む25%アセトニトリル水溶液から0.1%蟻酸を含む蟻酸を含む40%アセトニトリル水溶液までの30分リニアグラジエント分析を行った。
本発明抵抗体の効果により、質量分析28側に0.4μL/min、マルディプレート29側に1μL/minで再現よく導入された。30よりマトリクスα−cyano-4-hydroxycinnamic acid(CHCA)10mg/0.3%TFAを添加して、AngiotensinIを含むペプチドを分析した結果、紫外線検出器25の結果を図22に示した。
本発明抵抗体を通していない溶離液のMALDI−TOF−MS結果を図23に、AngiotensinIの溶出する11〜12分間の部分をMALDI検出した結果を図24に示した。
メソ孔作成に使用される界面活性剤などを添加せずに作成した2nm未満のメソ孔の本発明抵抗体では、溶液ブランクと同じバックグラウンド且つ再現よく最適流速に分割され、MADI−プレートにスポティングできることが実証できた。
又、13の抵抗体を29にスポテツィングする先部分に直接取付けて行った結果、同等の効果が得られた。
本発明抵抗体は、少量でも高圧が得られるので、抵抗体間にマトリクス添加などの別導入口などを設けても、再現のよい分岐が得られる。
図25に示したクロマトグラフは、下から内径200μm、表3に示したモノリス型カラム、内径100μm、50μmの分析カラムを用いて、同一生体タンパク質混合サンプル、同一グラジェントプログラムにて、同一線速となる流速にて分析を行った結果である。カラムの長さはともに150mmである。実際の流速は、内径200μmのカラムに於いては、スプッターを用いずにポンプから流速2.0μL/minで直接送液し、内径100μmのカラムに於いては、ポンプからの3μL/minの送液をスプリッターを用いて分岐し、カラムへは0.50μL/min送液されると設定し、内径50μmのカラムに於いては、ポンプからの2μL/minの送液をスプリッターを用いて分岐し、カラムへは0.15μL/min送液されると設定した。
分析条件
溶液:A;H2O(0.1%TFA),B;CH3CN(0.1%TFA)
A/B=80/20−(30min)−50/50(40min)−50/50
ポンプからの直接送液と比較しても、スプリッターを用いたクロマトグラム(上二つ)が同等の溶出パターンを示した。
このことは全ての分析に於いて、同一線速度、同一グラジェント条件で分析されたことを示し、スプリッターにより正確に設定流量をスプリットできたことを示している。
夫々の抵抗体をロータリーバルブ35(一つの入口(出口)と複数の)を介して接続し、バルプの切り換えにより単一の抵抗管を選択する形態を取ることも可能である。このほうが、流路を閉鎖する必要もなく、簡便に使用目的に合せた抵抗管を選択することが可能である(図27)。ロータリーバルブとは一つの入口(出口)と複数の出口(入口)を有し、入口と出口をつなぐ流路を回転させて選択することの出来る流路切替え装置である。
4にスルポア5μmの抵抗体、31にスルポア2μmの抵抗体、32にスルポア5μmの抵抗体、33にスルポア1μmの抵抗体34にはスルポア20μmの抵抗体を取付けると、略スルポア断面積に反比例するので、31のラインを用いる場合では、4ラインに対して、6:1に分割された流量が得られる。
同様に、32ラインでは1:1、33ラインでは1:4、34ラインでは1:16に分割された流量が得られる。
又、図28のように分析カラムに接続する抵抗管の上流・下流側双方に同期させたロータリーバルブ35,36を接続することにより、抵抗管の下流の分析カラム接続用の流路を単一に統一することが可能となり、抵抗管に合せてカラムを接続しなおす必要性がなくなる。これは、特に径の小さなカラムを接続する際の煩雑な操作を軽減させることができる。
同様に、38にスルポア10μmの抵抗体、39にスルポア2μmの抵抗体、40にスルポア1μmの抵抗体、38と39のラインを用いる場合では、25:1に分割された流量が得られる。
39と40のラインを用いる場合では、1:4に分割された流量が得られる。
これらのように、スルポアの異なるモノリス構造体と各種バルブを組合せることにより、自動で流量を切換えたりすることもできるようになる。
本発明品実施例4の温度による流速の変化を示す。
スプリッター装置をオーブン内に配し、温度を10℃、23℃、40℃に制御し、20%アセトニトリル水溶液及び水を送液し、カラム側出口の流速を測定した。(表6)
その結果、20%アセトニトリル水溶液、水の双方で、0.005μL/minの変動が確認された。しかし、この変動値は使用流速の1%程度の変動であり、実際の分析には充分無視できる変動である。
実施例2で示したようなスプリット機構に於いて、カラムから送出された液体の流量を測定することの出来る流量センサー41を設置する。センサーによって計測される流量がカラムの適正流量でない場合、センサーからポンプへのフィードバックにより、ポンプからの送液量を調整することにより、カラムへの最適流量を安定して供給することが可能である。
12 廃液側抵抗
13 カラム側抵抗
14 コネクタ
15 スプリター装置
16 素管
17 廃液側抵抗体
19 モノリス側抵抗体
15 コネクタ
Claims (6)
- 入口から出口まで0.5μm〜100μmの貫通した連続孔を持つモノリス構造体を抵抗体として用いて、液体或いは気体の流れを分岐することにより、モノリス構造体に対応した所望の流速を得ることを特徴とする微小流量の流体制御方法。
- モノリス構造体のメソ孔が2nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の微小流量の流体制御方法。
- 液体或いは気体の流れを分岐することにより、目的の流速に対応した入口から出口まで0.5μm〜100μmの貫通した連続孔を持つモノリス構造体より成る抵抗体。
- モノリス構造体のメソ孔が2nm未満であることを特徴とする請求項3に記載の抵抗体。
- 液体或いは気体の流れを分岐する分岐部或いは分岐管に設けたことを特徴とする請求項3又は請求項4の何れかに記載の抵抗体。
- 外径0.2mm以下のキャピラリー内に入口から出口まで0.1μm〜20μmの貫通した連続孔を持ち、且つメソ孔が2nm未満のモノリス構造体を作製したMSスプレヤー用抵抗体。
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