JP2006207958A - セラミックス用焼成容器、セラミックス用焼成装置及びセラミックス焼成方法 - Google Patents

セラミックス用焼成容器、セラミックス用焼成装置及びセラミックス焼成方法 Download PDF

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勝彦 松崎
Keiichiro Suzuki
恵一朗 鈴木
Masakatsu Fujisaki
正勝 藤崎
Kanji Arai
完爾 荒井
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Abstract

【課題】 窒化ケイ素質成形体、特に金属ケイ素粒子及び/又は窒化ケイ素粒子を含むハニカム成形体を、容器に複数個多段収容して焼成する場合でも、複雑な構造、機構を必要とせず、容易に全体に均一に窒素ガスを当てることができ、変形や欠陥等なく形状精度よく、高品質で高効率に、窒化、焼結等の熱処理ができる窒化ケイ素質セラミックス用焼成容器、セラミックス用焼成装置及びセラミックス焼成方法を提供する。
【解決手段】 複数個の成形体15を容器本体1a内に多段収容するセラミックス用焼成容器1であって、前記容器本体1aの任意の少なくとも一壁面に形成したガス導入孔2と、前記容器本体1aの該壁面とは別の壁面に形成したガス排出孔3とが備わる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属ケイ素粒子及び/又は窒化ケイ素粒子を含む成形体、特にハニカム成形体を窒化、焼成等の熱処理により窒化ケイ素質体とする製造工程で該成形体を収納する焼成容器、焼成装置及び焼成方法に関する。
窒化ケイ素等の非酸化物セラミックスの焼成では雰囲気により製品の品質が左右されるため、焼成容器内のガス流れを制御して被処理物の分解・蒸発を防止することが重要になる。金属ケイ素を窒素ガスと反応させて窒化ケイ素とする(以下、窒化という)場合には、特に焼成容器内のガス流れ制御が重要である。また、多孔質の薄壁からなるハニカム成形体は、サイズも大きいため変形その他の不良品が発生しやすいことから、窒化ケイ素質ハニカム成形体(特に、金属ケイ素粒子を含む場合)の熱処理では、焼成容器内のガス流れ制御が製品の良否に重大な影響を与える。なお、焼成容器はサヤと称されることもある。
セラミックス焼成用容器が特許文献1に記載されている。このセラミックス焼成用容器は、容器の内部と外部とを連通するガス導入孔を容器側壁に穿設したものである。しかし、このガス導入孔は、成形体等から発生した炭素分を容器外部に放出するために各側壁の中央部に1つずつ設けたものであり、容器内のガス流れを考慮したものではない。特に、複数の成形体を容器に多段収容した場合に、上下の段間でのガスの分布むら及び各段において各段に搭載した成形体に対するガスの分布むらを生じる。このため、容器内に収容した全ての成形体に均一にガスを当てることは困難であり、焼結の程度にばらつきを生じるおそれがある。
一方、本出願人は、特に多段に成形体を搭載収容した場合に、各段でのガス流れを均一に制御して品質のばらつきを抑えたセラミックス用焼成容器を既に先願において提案している(特許文献2)。この先願における焼成容器では、容器内焼成室の上面周縁部及び各段の仕切板の周縁部に複数のガス導入孔を設け、焼成室下面にガス排出口を設けている。
セラミックス用焼成容器に複数個の成形体を多段収容して焼成する場合、焼成炉内を窒素等の非酸化性雰囲気にして行っている。焼成炉には、炉内にガスを導入するガス導入管及び炉内のガスを排出するガス排出管が備わる。容器には、炉内の窒素ガスを容器内に取り込むためのガス導入孔とガス排出孔が設けられる。容器内の成形体は、ガス導入孔を有する側の段(容器上面にガス導入孔が備わる場合は上段)から反応する。この場合、窒素ガスは徐々にガス排出孔を有する側の段(容器下面にガス排出孔が備わる場合は下段)へと流通する。したがって、上段と下段では成形体焼成の進行に時間差が生ずる。このため、成形体に気孔付与、焼結促進等の目的で酸化物を添加したような場合には、成形体の焼結時に、上段では一度焼結した成形体が分解され、SiOやCO等のガスが発生し、成形体の質量増加率が下段に比べて低くなる。また、下段では成形体が完全に分解されず、SiO等の酸化物が生成し、上段と下段では成形体の結晶組成に差が生じる。さらに、成形体の収縮率や強度等においても上段と下段においてばらつきが生じている。この現象は多段収容(特に4段以上)のセラミックス用焼成容器を用いた場合に顕著に発生する。このような容器内上下段の品質のばらつきは、前述の先願提案での焼成容器においても十分に解消されていない。
特開平5−124870号公報 特願2004−215958号明細書
本発明は、窒化ケイ素質成形体、特に金属ケイ素粒子及び/又は窒化ケイ素粒子を含むハニカム成形体を、容器に複数個多段収容して焼成する場合でも、複雑な構造、機構を必要とせず、容易に全体に均一に窒素ガスを当てることができ、変形や欠陥等なく形状精度よく、高品質で高効率に、窒化、焼結等の熱処理ができる窒化ケイ素質セラミックス用焼成容器、セラミックス用焼成装置及びセラミックス焼成方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、複数個の成形体を容器本体内に多段収容するセラミックス用焼成容器であって、前記容器本体の任意の少なくとも一壁面に形成したガス導入孔と、前記容器本体の該壁面とは別の壁面に形成したガス排出孔とが備わることを特徴とするセラミックス用焼成容器を提供する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ガス導入孔を形成した壁面と前記ガス排出孔を形成した壁面とが対向することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記容器本体の上面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面にガス排出孔を備えることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記容器本体の側面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面に前記ガス排出孔を備えることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、前記容器本体の上面と側面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面に前記ガス排出孔を備えることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記ガス導入孔は、選択的に開閉可能又は開度調整可能であることを特徴としている。
請求項7の発明では、請求項1〜6いずれか記載のセラミックス用焼成容器と、前記焼成容器を収容する密閉焼成炉とを含むセラミックス用焼成装置であって、該焼成炉は、ガス導入管とガス排出管とを有し、前記ガス導入管から前記焼成炉内に導入されたガスは、該焼成炉内の容器本体の上面及び側面周囲に充填され、該ガス排出管は前記ガス排出孔と連通することを特徴とするセラミックス用焼成装置を提供する。
請求項8の発明では、請求項7記載のセラミックス用焼成装置を用い、予め、前記容器本体の上面及び/又は側面のガス導入孔の開口率を変えて容器内の焼成体の質量増加率を測定し、該質量増加率が均一となるように前記開口率を調整して焼成することを特徴とするセラミックス焼成方法を提供する。
請求項1の発明によれば、ガス導入孔及びガス排出孔が容器本体の異なる壁面に備わるため、ガス導入孔からガス排出孔へと容器本体内部をガスが循環し、均一にガスを流通させることができる。
請求項2の発明によれば、ガス導入孔及びガス排出孔が容器本体の対向する壁面に形成されるため、ガス導入孔から導入されたガスが、容器本体内部を循環する。このため、ガス導入孔側の段に収容された成形体に集中してガスが当たることなく、容器内全体に均一にガスを流通させて成形体を焼成できる。したがって、各成形体の焼結品質のばらつきが抑えられる。
請求項3の発明によれば、容器本体の上面に備わるガス導入孔から下面に備わるガス排出孔へと容器本体内部をガスが循環するため、均一にガスを流通させることができる。
請求項4の発明によれば、容器本体の側面に備わるガス導入孔から下面に備わるガス排出孔へと容器本体内部をガスが循環するため、均一にガスを流通させることができる。
請求項5の発明によれば、容器本体の上面及び側面のガス導入孔を通してガスが容器内の各段に導入され、容器下面から排出されるため、各段に収容された成形体を均一に焼成できる。
請求項6の発明によれば、容器本体に備わる複数個のガス導入孔の開閉個数又は開度を調整することにより、容器本体内の各段に流入するガスを調節できる。これにより、焼成炉や焼成容器の形状や大きさ若しくは収容構造等、又は成形体の形状、数量等に応じて最適な条件で容器内各段へのガスの導入を実現でき、成形体の均一な焼成を行うことができる。
請求項7の発明によれば、ガス導入管から導入されたガスを密閉された焼成炉内に充填し、該ガスが、炉内に収容された焼成容器の上面及び側面周囲を充填するため、焼成容器の上面及び側面のガス導入孔から容器内の各段に対し最適なガスの流れを形成することができる。これにより、均一な雰囲気内で成形体の焼成を行えるとともに、ガスは容器本体下面のガス排出孔を通して炉外へ排出されるので、ガスは一方向に流通し、ガス流通の制御が容易となる。
請求項8の発明によれば、焼成炉や焼成容器の形状や大きさ又は収容構造等に基づく個々の焼成装置の条件に合わせて、容器内に多段に収容した各焼成体の質量増加率が均一となるように容器上面及び側面のガス導入孔の開口率が予め調整されるため、容器内の成形体に均一にガスを当てることができ、均一に焼成できる。なお、開口率とは、容器上面及び/又は側面の各壁面それぞれにおいて、各壁面に形成した複数のガス導入孔がすべて開口した場合の開口面積に対する一部を閉じた場合の開口面積の割合をいう。
図1は本発明に係るセラミックス用焼成容器の実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は上面図、(C)は下面図である。
図示したように、本発明に係るセラミックス用焼成容器1は容器本体1a(図では四角柱形状)からなり、上面にガス導入孔2が形成される。ガス導入孔2は上面の周縁部に沿って複数個(図では8個)形成される。ガス導入孔2の位置は周縁部に形成するのが好ましいが、それに限定されるものではない。容器1の下面の中央部には、ガス排出孔3が形成される。なお、図では上面にガス導入孔2、下面にガス排出孔3を形成したが、必ずしも対向する上下面に形成する必要はなく、これらは容器1の任意の対向する壁面に形成してもよい。また、容器1の形状は四角柱に限定されず、他の角柱や円柱でもよい。
図2はセラミックス用焼成容器の断面図である。
(A)に示すように、本発明に係るセラミックス用焼成容器1は成形体(不図示)を多段収容(図では4段)するものであり、各段7a〜7dは仕切板4によってそれぞれ仕切られる。仕切板4には複数個の貫通孔5が形成される。この貫通孔5の仕切板4に対する位置、大きさ等は特に限定されないが、仕切板4の周縁部に沿ってガス導入孔2に対応した貫通孔5を形成すれば、ガス導入孔2から流入したガスが容器1の内壁面に沿って対流循環するため、容器内に均一にガスを流通させることができる。このような構成とすれば、各段7a〜7dに収容された成形体に対して均一にガスを当てることができ、各成形体に対してばらつきなく焼成を行うことができる。なお、仕切板4は成形体を載置できるものであれば複数本の棒材を使用してもよいし、格子状の板材を使用してもよい。
ガス導入孔2から流入したガスを容器1内で対流循環させるために、(B)に示すように、ガス導入孔2と連通するパイプ材6を形成してもよい。このパイプ材6により、ガス導入孔2から流入したガスは、確実に下段7dに流通するようにガイドされるため、より正確なガスの対流循環流れを形成できる。なお、パイプ材6に切欠き等を形成し、又はパイプ材6を複数のパイプ材で構成することによりガスの一部を7a,7b,7cに流入させるようにしてもよい。
図3は本発明に係る別のセラミックス用焼成容器の実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
(A)で示す容器1は、図1の例と同様に容器本体1aの上面周縁部にガス導入孔2が形成され、下面にガス排出孔3(不図示)が形成される。本実施形態ではさらに、対向する側面にガス導入孔8が形成される。側面のガス導入孔8は容器1内の各段7a〜7dに対応する位置に複数個(図では6個)並べて形成される。なお、ガス導入孔8は容器1の四側面すべてに形成してもよい。このようにガス導入孔8を容器上面のガス導入孔2とは別にさらに容器1の側面に設けることにより、側面のガス導入孔8からもガスが容器1内へ流入するために、容器1内のガスを各段に対して均一に流通させることができる。
このときのガスの流れは、(B)の矢印で示すように、上面のガス導入孔2及び側面のガス導入孔8から容器1内に流入し、下面のガス排出孔3から排出される。側面のガス導入孔8は、上述したように容器1内の各段7a〜7dに形成されるため、ガスは各段7a〜7dに均一かつ十分に流入する。容器1内では、仕切板4に形成された貫通孔5を通って、対流循環するように流通する。このように容器1内を流れるガスは、容器1に収容された成形体15に均一に当たるので、焼成を均一に行うことができる。
また、ガス導入孔2,8をそれぞれ開閉可能あるいは開度調整可能とすることにより、容器1内へのガスの流入量を調節でき、最適な条件によりさらに均一に成形体にガスを当てて焼成することができる。これらの開閉は例えばガス導入孔2,8を栓等で塞いで行う。なお、ガス導入孔2を全部閉状態とし、ガス導入孔8だけでガス導入してもよい。
上記焼成容器1の容器本体1aの壁面を構成する材料としては、カーボン製板に穴を加工し、その後、少なくとも容器内表面に窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む坏土(スラリー)を塗布・乾燥してもよく、窒化ケイ素質の板部材に穴を形成してもよい。
他の材質としては、炭化ケイ素質部材を使用すると、耐熱性が高く、繰り返し使用しても変形しにくく耐久性が高いため好ましい。このような炭化ケイ素質部材の原料粒子としては高純度の炭化ケイ素粒子を使用すると雰囲気制御の点で好ましい。高純度炭化ケイ素粒子を原料とした、再結晶炭化ケイ素品や焼結助剤で焼結した焼結品などが好ましい炭化ケイ素質部材として挙げられる。なお、炭化ケイ素質部材を使用する場合には、少なくとも内表面に窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む坏土(スラリー)を塗布・乾燥して使用してもよい。
カーボン板の内面に窒化ケイ素又は炭化ケイ素部材を積層又はコーティングした二重構造の壁体でもよい。なお、内側と外側の部材は、一体物である必要はなく、板材を組み合わせて構成してもよい。また、内側と外側とは密着させてSiO、Si蒸気などが入らないようにすると外側部材の耐久性の点で好ましい。
本焼成容器1を2重のカーボン質容器とする場合、焼成雰囲気に直接晒されるのが内側容器であるため、外側容器のカーボン質は、変質することがほとんどなく、高強度で高品質のものを採用すると耐久性に優れるため好ましい。高強度で高品質なカーボン材としては冷間静水圧成形(CIP)品が好適に採用される。
本焼成容器1は、内表面が窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む材質で構成されるのが好ましい。前記構成を形成する方法として、カーボン質部材および/または炭化ケイ素質部材の表面に、窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む坏土(スラリー)を塗布または噴霧して窒化ケイ素粒子を含む被覆層とする方法や、炭化ケイ素質部材または窒化ケイ素質部材をそのまま使用する方法が挙げられる。
炭化ケイ素質部材または窒化ケイ素質部材をそのまま使用する場合は、全てを炭化ケイ素質部材または窒化ケイ素質部材で構成してもよく、またカーボン質部材の密閉容器内にさらに全てを炭化ケイ素質部材または窒化ケイ素質部材で構成した密閉容器を入れて構成してもよく、または該炭化ケイ素質部材または該窒化ケイ素質部材の一部を、表面に前記窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含む坏土(スラリー)を塗布または噴霧、乾燥させたカーボン質部材で置換して構成してもよい。
なお、これら窒化ケイ素粒子を含む材質は、使用とともに表面に雰囲気中のCOと窒化ケイ素粒子、またはSiO、Siとカーボン容器の反応等により、生成する炭化ケイ素粒子が付着等してくるが、本明細書では、このような窒化ケイ素粒子または金属ケイ素粒子の一部が炭化ケイ素粒子になった状態も含むものとする。
図4は本発明に係るセラミックス用焼成装置を示し、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
図示したように、本発明に係るセラミックス用焼成装置9は、内部に前述の焼成容器1を収容した円筒状の焼成炉10を含んで構成される。焼成炉10は、上部にガス導入管11を有し、下部に焼成容器1を搭載する支持台13を備える。支持台13の下面側にガス排出管12が備わる。円筒型焼成炉10の前後は扉14で密閉されている。焼成容器1は、一方又は両方の扉14を開いて、コンベヤ等により又は人手により炉内に搬入する。複数個の焼成容器1の搭載位置に対応して、容器ごとにガス排出管12が備わる。各ガス排出管12は、それぞれ焼成容器の容器本体1aの下面に設けたガス排出孔3と連通する。なお、前記焼成装置9は、図示しないが温度制御手段、ガス制御手段、排気手段を備えることが好ましい。
ガス導入管11の下端部の吹出口から矢印のように焼成炉10の上部に導入されたガスは、連続して支持台13上に搭載された焼成容器1の上側両隅部と焼成炉10の円筒内壁面との間の隙間16等を通して炉内全体に拡散し、焼成容器1の上面及び側面を覆って充填される。このガスは、前述のように、容器本体1aの上面及び側面のガス導入孔2,8を通して容器内に導入され、下面のガス排出孔3及びこれに連通するガス排出管12を通して炉外に排出される。
本焼成容器1を用いて焼成後に窒化ケイ素質セラミックスとなる成形体(以下、単に成形体と略す)を窒化、焼成等の熱処理する方法としては、成形体を焼成容器1内に載置して焼成炉10に入れ、所定量の雰囲気ガスを導入し、所定の温度プログラムに従って昇温、熱処理する。まず、焼成すべき成形体を4段に収容した焼成容器1を焼成炉10内にセットする。次に、ガス導入管11を通してAr、N等の非酸化性ガスを炉内に導入して充填する。Arガスを使用する場合について、以下説明する。このとき、容器1の上面及び側面のガス導入孔2,8からArガスが容器内に流入し容器内を均一に充満して下面のガス排出孔3からArガスが排出される。続いて、ガス導入管11を通してNガスを炉内に導入してArガスをパージしながら炉を加熱して成形体を窒化する。このとき、容器1の上面及び側面のガス導入孔2,8からNガスが容器内に流入し容器内を均一に充満して下面のガス排出孔3からAr及びNガスが排出される。
窒化後、Nガスを導入しながら焼成炉を昇温し、窒化された成形体を焼結する。この焼結時に、焼結体からSiOやCO等の分解ガスが発生する。この分解ガスの放出により、窒化物の質量が減少する。すなわち、成形体が窒化物を経て焼結されたときの焼結体の質量増加率が減少する。容器内の上下段や配置場所に応じて成形体に対する温度分布やガス分布にむらがあると分解ガス放出量がばらつき焼結体の品質が不均一になる。しかし、本発明によれば、容器上面及び容器内の各段に対応して形成したガス導入孔の開度を適宜調整することにより、個々の焼成容器や焼成炉の形状や大きさあるいは収容構造等に応じた最適な開口面積のガス導入孔を設定することができる。これにより、焼結体の質量増加率を均一化しばらつきのない品質の焼結体を得ることができる。すなわち、予め実験等により、質量増加率が均一になるような容器上面及び側面の最適なガス導入孔の開口率を求めておき、実際の焼結時に各ガス導入孔をこの最適開口率に設定することにより、ばらつきのない安定した品質の焼結体を得ることができる。
焼成すべき成形体が窒化ケイ素粒子および/または金属ケイ素粒子を含むハニカム成形体である場合、ハニカム成形体を仕切板4上に載置することが好ましい。ハニカム成形体を多孔質の窒化ケイ素質リング状敷板を介して仕切板4上に載置するとハニカム成形体の下面に反応・焼結むらが生じにくく、均一な焼結体が得られるためさらに好ましい。
本発明の焼成装置を用いて実際に焼結体を形成した試験結果を以下に示す。
試験は、図3(A)に示すような四角柱形状の焼成容器1の内部を4段に仕切り、各段にハニカム成形体として、金属ケイ素粒子と、ガラス質の酸化物セラミックス粒子と、有機バインダ、イオン交換水を含む坏土を混練、押出成形して断面が60mm角で長さ150mm、セル密度200セル/2.54cm、セル厚0.3mmのハニカム成形体とし、これを脱脂炉で脱脂して試験体を作成し、搭載した。ガス導入孔2,8の孔径は、上面側面とも20mmであり、上面周縁部に合計20個、対向する側面のそれぞれに、各段8個ずつ形成した。
最初に炉内雰囲気はAr、0.1MPaとした。温度条件は、室温〜1200℃まで5℃/分で昇温し、1200℃で1時間保持後、窒素ガスの導入を開始した。窒素ガスの導入量は90L/分とした。この状態で1200℃〜1400℃までを1℃/分で昇温し、1400℃で2時間保持後、窒素ガスの導入量を10L/分とし、1400℃〜1750℃までを3℃/分で昇温し、1750℃で3時間保持後、炉冷した。
試験は、上面及び側面のガス導入孔の開口率を変えて11種類の条件で行った。開口条件は試験結果の最下段に記号で示す。記号の○は全開、●は全閉、▲は半開(すべてのガス導入孔のうち1つおきの半数を閉じて半数のガス導入孔を開いた状態)である。5つ並んだ記号は、左端が上面の開口率、2〜5番目がそれぞれ上段から最下段の4段の開口率を示す。
図5は試験結果を示す。
グラフの4つのプロットは左端が最上段のハニカム焼成体を示し、右側がその下段側のハニカム焼成体を示す。気孔率はハニカム焼成体の気孔率であり、気孔率が大きいほど気孔の割合が高い。質量増加率はハニカム焼成体の質量から脱脂後のハニカム成形体質量を引き、それを脱脂後のハニカム成形体質量で割ったものである。いずれも、上段と下段で差が少ないことがハニカム焼成体の形状、特性等のばらつきが小さくなるため好ましい。
試験結果からわかるように、開口条件を変えることにより、質量増加率が変わる。したがって、個々の焼成容器の形状等に応じて質量増加率が均一になるような開口条件を予め求めておくことができる。本試験によれば、試験8〜11が特に好ましい開口条件といえる。なお、試験2,9,10,11のハニカム成形体の組成は、同一の組成であるが、それ以外のハニカム成形体の組成は、試験2,9,10,11の組成と多少異なるが一定である。
本発明は、ハニカム成形体の焼成に適用できる。
本発明に係るセラミックス用焼成容器の実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は上面図、(C)は下面図。 セラミックス用焼成容器の断面図。 本発明に係る別のセラミックス用焼成容器の実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は断面図。 本発明に係るセラミックス用焼成装置を示し、(A)は縦断面図、(B)は横断面図。 実施例の試験結果。
符号の説明
1:セラミックス用焼成容器、1a:容器本体、2:ガス導入孔、3:ガス排出孔、4:仕切板、5:貫通孔、6:パイプ材、7a〜7d:段、8:ガス導入孔、9:セラミックス用焼成装置、10:焼成炉、11:ガス導入管、12:ガス排出管、13:支持台、14:扉、15:成形体、16:隙間。

Claims (8)

  1. 複数個の成形体を容器本体内に多段収容するセラミックス用焼成容器であって、
    前記容器本体の任意の少なくとも一壁面に形成したガス導入孔と、
    前記容器本体の該壁面とは別の壁面に形成したガス排出孔とが備わることを特徴とするセラミックス用焼成容器。
  2. 前記ガス導入孔を形成した壁面と前記ガス排出孔を形成した壁面とが対向する請求項1記載のセラミックス用焼成容器。
  3. 前記容器本体の上面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面にガス排出孔を備える請求項2記載のセラミックス用焼成容器。
  4. 前記容器本体の側面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面に前記ガス排出孔を備える請求項1記載のセラミックス用焼成容器。
  5. 前記容器本体の上面と側面に前記ガス導入孔を備え、前記容器本体の下面に前記ガス排出孔を備える請求項3又は4記載のセラミックス用焼成容器。
  6. 前記ガス導入孔は、選択的に開閉可能又は開度調整可能である請求項1〜5のいずれか記載のセラミックス用焼成容器。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のセラミックス用焼成容器と、前記焼成容器を収容する密閉焼成炉とを含むセラミックス用焼成装置であって、該焼成炉は、ガス導入管とガス排出管とを有し、前記ガス導入管から前記焼成炉内に導入されたガスは、該焼成炉内の容器本体の上面及び側面周囲に充填され、該ガス排出管は前記ガス排出孔と連通することを特徴とするセラミックス用焼成装置。
  8. 請求項7記載のセラミックス用焼成装置を用い、予め、前記容器本体の上面及び/又は側面のガス導入孔の開口率を変えて容器内の焼成体の質量増加率を測定し、該質量増加率が均一となるように前記開口率を調整して焼成することを特徴とするセラミックス焼成方法。
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