JP2006207440A - 可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ - Google Patents

可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】 カムシャフトで燃料ポンプを駆動する場合のカムシャフトのジャーナル打音と駆動トルク変動とを低減する。
【解決手段】 内燃機関のカムシャフト1に、弁駆動用カム13に加えて、カム位相可変機構100とポンプ駆動用カム150を設け、燃料ポンプ200を駆動する。カム位相可変機構は、機関運転中に弁駆動用カムに対するポンプ駆動用カムの回転位相を変更する。機関のアイドル運転ではポンプ駆動用カムの回転位相は、カムシャフトに作用するポンプ駆動反力と弁駆動用反力とが互いに打ち消す位置に変更され、ポンプ駆動反力による打音の増大が抑制される。また、アイドル運転以外の機関運転状態では、ポンプ駆動用カムの回転位相は、ポンプ駆動反力トルクと弁駆動反力トルクとが互いに打ち消す位置に変更され、カムシャフトの駆動トルク変動が抑制されるため、タイミングベルト7等の動力伝達部材の寿命低下が防止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射ポンプに関し、詳細には内燃機関のカム軸に設けられた可変位相カムにより駆動される可変位相カム駆動燃料噴射ポンプに関する。
内燃機関の各気筒のバルブを開閉駆動する弁カム軸に、弁駆動用カムに加えてポンプ駆動用カムを設けて機関の燃料ポンプを駆動する形式の機関が知られている。
このように、弁カム軸にポンプ駆動用カムを設けた場合には、弁カム軸にはバルブ開閉駆動に伴う反力トルクの変動に加えて燃料ポンプ駆動に伴う反力トルクの変動が加わることになる。
このため、弁駆動用カムに加わる反力トルクととポンプ駆動用カムに加わる反力トルクとが互いに重なると弁カム軸に加わるトルク変動が増大してしまう場合がある。通常、カム軸はクランク軸からタイミングチェーン、タイミングベルト、またはタイミングギヤなどの動力伝達部材を介して駆動されているが、弁カム軸に加わる反力トルク変動が増大するとタイミングチェーンやベルトに加わる張力やタイミングギヤの歯面荷重の変動が大きくなり、これらの動力伝達部材の寿命が低下する問題が生じる。
例えば、特許文献1には、弁カム軸に燃料ポンプを駆動するポンプ駆動用カムを設ける際に、ポンプ駆動用カムに加わるポンプ駆動反力トルクにより、弁駆動反力トルクにより弁カム軸に生じるトルク変動が相殺される位相にポンプ駆動用カムを配置するようにして、上記動力伝達部材の寿命低下を防止している。
特開平10−176508号公報 特開平5−98997号公報 特開平9−236065号公報 特開2002−295337号公報
上記特許文献1の機関では、弁カム軸にポンプ駆動用カムを設ける際にポンプ駆動用カムの設置位相の設定により、弁カム軸の駆動トルク変動増大による動力伝達部材の寿命低下を防止している。
ところが実際には、弁カム軸上ポンプ駆動用カムを配置した場合には弁カム軸の駆動トルク変動以外にも問題が生じる場合がある。
例えば、一般的な燃料ポンプではポンプ駆動用カムは例えばプランジャなどの燃料ポンプの被駆動部材を押動することにより燃料の圧送を行うが、その際ポンプ駆動用カムにはプランジャの押動反力が作用する。
この反力は弁カム軸の軸線に垂直な方向に作用し、弁カム軸をプランジャ側と反対方向に押圧する。この、弁カム軸に作用する軸線に垂直な方向の周期的な押圧力は、弁カム軸からカム軸の軸受に伝達され支承されるが、その際カム軸軸受のクリアランス内で弁カム軸が押圧力に応じて遊動し軸受ジャーナル部に衝突し打音(いわゆるジャーナル打音)を発生する問題がある。
特に、コモンレール式燃料噴射装置などを備えた機関では燃料ポンプの吐出圧が高いため、弁カム軸に作用する押圧反力も大きくなり、他の騒音が比較的小さくなる機関のアイドル運転時などではポンプの押圧反力によるジャーナル打音が相対的に大きくなる問題がある。
上記特許文献1の機関では、燃料ポンプ駆動反力トルクによる弁カム軸の駆動トルク変動の増大を抑制することはできるものの、上記押圧反力によるジャーナル打音を同時に抑制することはできない。
本発明は、上記問題に鑑み弁カム軸に作用する燃料ポンプ駆動反力トルクによる弁カム軸駆動トルク変動による動力伝達部材の寿命低下のみならず、同時に燃料ポンプ駆動反力による機関アイドル時の打音発生の問題をも解決することを可能とする手段を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の弁駆動用カムと燃料噴射ポンプ駆動用カムとを同軸上に備えたカム軸により弁駆動と同時に燃料噴射ポンプ駆動を行う燃料噴射ポンプであって、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を機関運転状態に応じて変更するカム位相可変手段を備えた、可変位相カム駆動燃料噴射ポンプが提供される。
すなわち、請求項1の発明では、同一カム軸上に設けられたポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を機関運転状態に応じて変更するカム位相可変手段が設けられている。
このため、本発明では弁駆動トルク変動が問題になる機関運転状態(例えば高負荷運転時)では、ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの相対回転位相を、弁駆動用カムとポンプ駆動用カムとからそれぞれカム軸に加わる反力トルクの合計変動幅が最小になるような位置に変更するとともに、ジャーナル打音が問題になる機関運転状態(例えば低負荷運転時)では、ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの相対回転位相をポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとからそれぞれカム軸に加わる押動反力の合計値が最少になる位置に変更することができるため、弁カム軸の動力伝達部材の寿命低下と、ジャーナル打音の問題との両方を解決することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記ポンプ駆動用カムと前記弁駆動用カムは、前記カム軸軸線に対して互いに対向する側でそれぞれポンプ被駆動部材と弁被駆動部材とを押動することにより燃料ポンプ及び弁を駆動し、前記カム位相可変手段は、燃料ポンプ駆動用カムに作用するポンプ被駆動部材の押圧反力が最大になる燃料ポンプ駆動用カムの回転位相と、前記弁駆動用カムに作用する弁被駆動部材の押圧反力が最大になる弁駆動用カムの回転位相とが一致するように、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を変更する、請求項1に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプが提供される。
請求項2の発明では、ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムはカム軸軸線に対して互いに対向する側でポンプ被駆動部材と弁被駆動部材とを押動する。このため、ポンプ駆動用カムに加わる押圧反力と弁駆動用カムに加わる押圧反力とは互いに逆方向にカム軸に作用する。
また、カム位相可変手段は機関運転状態に応じて、ポンプ駆動用カムに加わる押圧反力が最大になる回転位相と弁駆動用カムに加わる押圧反力が最大になる回転位相とが一致するようにポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの相対回転位相を変更する。これにより、カム軸にはポンプ駆動用カムを介して作用するポンプ駆動最大押圧反力と弁駆動用カムを介して作用する弁駆動最大押圧反力とが同時に逆向きに作用し互いに打ち消し合うため、カム軸のジャーナル打音が低減される。
請求項3に記載の発明によれば、前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと前記弁駆動用カムとの間の相対回転位相の前記変更を、機関が予め定めた値より低い負荷で運転されている場合にのみ行う、請求項2に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプが提供される。
すなわち、請求項3の発明では請求項2のジャーナル打音低減のためのカム相対回転位相の変更は機関負荷が所定値より低い運転状態においてのみ行う。機関負荷が低い運転状態(例えばアイドル時)などでは、機関で発生する他の騒音の大きさが比較的小さいため、機関の騒音の大きな部分をジャーナル打音が占めている。このため、機関負荷が低い運転状態ではジャーナル打音を低減する位置にカム相対回転位相を変更することにより、全体として機関騒音を大きく低減することができる。
また、機関負荷が比較的高い運転状態ではジャーナル打音が機関全体の騒音に占める割合は小さい、このため機関負荷が比較的高い運転状態ではカム相対回転位相を他の位置(例えば、カム軸駆動トルク変動を抑制可能な位置)に変更することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとからカム軸に作用するポンプ駆動反力トルクと弁駆動反力トルクとの合計値の変動幅が最小になるように前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を変更する、請求項1に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプが提供される。
すなわち、請求項4の発明ではカム軸に作用するポンプ駆動反力トルクと弁駆動反力トルクとの合計値の変動幅が最少になるようにカム間の相対回転位相が変更される。
例えば、ポンプ駆動カムと弁駆動カムとにはそれぞれカム軸回転に応じて周期的に変動する駆動反力トルクが作用している。請求項4の発明では、ポンプ駆動カムに作用するポンプ駆動反力トルクの最大値がいずれかの弁駆動カムに作用する弁駆動反力トルクの最小値と一致するように、或いはポンプ駆動カムに作用するポンプ駆動反力トルクの最小値が何れかの弁駆動カムに作用する弁駆動反力トルクの最大値と一致するように、ポンプ駆動カムと弁駆動カムとの相対回転位相を機関運転状態に応じて変更する。
これにより、ポンプ駆動カムに作用するポンプ駆動反力トルクの変動と弁駆動カムに作用する弁駆動反力トルクの変動とが互いに打ち消し合うようになり、カム軸に作用する両方のカムの反力トルクの合計値の変動幅が最少になるため、カム軸駆動トルク変動の増大が抑制され、カム軸への動力伝達部材の寿命の低下が防止される。
請求項5に記載の発明によれば、前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相の前記変更を、機関が予め定めた値より高い負荷で運転されている場合にのみ行う、請求項4に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプが提供される。
すなわち、請求項5の発明では機関負荷が所定値より高い状態で運転されている場合にのみ、カム軸駆動トルク変動抑制のための請求項4の発明のカム相対回転位相の変更を行う。これにより、機関の低負荷運転時には、ジャーナル打音の低減のためのカム相対回転位相変更を行い、機関の高負荷運転時にはカム軸駆動トルク変動抑制のためのカム相対回転位相の変更を行ってタイミングチェーンなどの動力伝達部材の寿命低下を防止することが可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、同一のカム軸上に設けたポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの相対回転位相を機関運転状態に応じて変更することにより、機関低負荷運転におけるカム軸ジャーナル打音の抑制と機関高負荷運転におけるカム軸駆動トルク変動の抑制による動力伝達部材の寿命低下の抑制との両方を達成することを可能とする共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、自動車用直列4気筒DOHC機関に本発明を適用した実施形態のカムシャフト配置を説明する図である。
図1において、1は吸気カムシャフト、3は排気カムシャフト、5は機関のクランクシャフトを示す。カムシャフト1と3は、タイミングベルト7を介してクランクシャフト5に同期して駆動されている。
又、本実施形態では各気筒にはそれぞれ吸気弁11、排気弁31がそれぞれ2つずつ、合計4つの弁が設けられており、それぞれの弁に対応して吸気カムシャフト1には各気筒毎に2つの吸気弁駆動用カム(吸気カム)13が、また排気カムシャフト3には各気筒毎に2つの排気弁駆動用カム(排気カム)33が、それぞれ設けられている。
図1に150で示すのは、後述するカム位相可変機構100を介して吸気カムシャフト1の端部に設けられた燃料ポンプ駆動用カムである。
図2は、図1の吸気カムシャフト1部分を示す図である。
図2に示すように、燃料ポンプ駆動用カムは150は吸気カムシャフト1の上部(図1において吸気カムシャフト1に対してクランクシャフト5と反対側)に配置された燃料ポンプ200のプランジャ(図示せず)端部と係合し、吸気カムシャフト1の回転に同期して燃料ポンプ200のプランジャを上方向に押動することにより、燃料ポンプ200から燃料を吐出する。
このため、吸気カムシャフト1は燃料ポンプ駆動用カム150のカムローブ部が燃料ポンプのプランジャを押動する毎に下向きの反力が作用する。
本実施形態では、ポンプ駆動用カム150は2つのローブを有する2ローブカムとされている。このため、本実施形態の吸気カムシャフト1には周期的に変化しカムシャフト1回転毎に2回のピークを有する下向きのポンプ駆動反力が作用する。
また、このポンプ駆動反力はカムを介して吸気カムシャフト1に駆動反力トルクとして作用する。吸気カムシャフト1に作用するポンプ駆動反力トルクは、カムローブがプランジャと係合している期間のうち、カムリフト最大位置より前の期間(燃料の圧送工程)ではカムシャフト1の回転を妨げる方向のトルク(正方向のトルク)として作用し、カムリフト最大位置より後の期間ではカムシャフト1の回転方向のトルク(負のトルク)として作用する。
このため本実施形態では、吸気カムシャフト1には、上述した下向きのポンプ駆動反力に加えて、カムシャフト1回転当たり2回ずつ正負に変動する駆動反力トルクが作用する。
これらの駆動反力及び駆動反力トルクの大きさは燃料ポンプ200の吐出圧が高いほど大きくなるため、コモンレール式燃料噴射装置などのように高圧燃料ポンプを使用する場合には駆動反力や反力トルクもそれに応じて大きくなる。
従って、高圧燃料ポンプを使用している場合にはカムシャフト1には周期的に大きな駆動反力が作用することとなり、燃料ポンプ駆動反力が作用する毎にカムシャフト1が軸受クリアランス内を押動されて軸受に衝突し、比較的大きなジャーナル打音が発生するようになる。
特に機関のアイドル運転などの低負荷運転時では、機関の他の騒音が比較的小さくなるためジャーナル打音が機関騒音の大きな部分を占めるようになる。
また、上述したようにポンプ駆動反力によりカムシャフト1には正負に変動する駆動反力トルクが作用するが、駆動反力が大きくなると駆動反力トルクも大きくなり、それに応じて駆動反力トルクの変動幅も大きくなる。このため、高圧燃料ポンプを使用する場合には、ムシャフト1を駆動するための駆動トルクも大きく変動するようになり、カムシャフト1駆動用のタイミングベルト7の張力も周期的に大きく変動するようになる。
このため、タイミングベルト7の寿命が短くなる等の問題が生じるのである。
前述した特許文献1のように、変動トルク幅が小さくなるような位相でポンプ駆動用カムをカムシャフト上に設置することにより、カムシャフト駆動トルクの変動を抑制することは可能である。しかし、通常、燃料ポンプの駆動反力の変化位相と反力トルクの変化位相とは異なっているため、単に変動トルク幅が小さくなるようにポンプ駆動用カムの回転位相を設定しただけでは駆動反力によるジャーナル打音の発生を防止することはできない。
本実施形態では、吸気カムシャフト1に、機関運転中に弁駆動用カム(吸気カム)13とポンプ駆動用カム150との相対回転位相を変更可能なカム位相可変機構100を設け、吸気カム13とポンプ駆動用カム150との間の回転位相を機関運転条件に応じて変更することにより上記の問題を解決している。
図3は、本発明に使用可能なカム位相可変機構100の構造の一例を示す図である。
本実施形態では、吸気カム13は吸気カムシャフト1に固定されており、カム位相可変機構100はポンプ駆動用カム150を吸気カムシャフト1廻りに回転させて係止する位置を変えることにより吸気カム13とポンプ駆動用カム150との相対回転位相を変更する。
図3に示すように、本実施形態のカム位相可変機構100は、カムシャフト1のポンプ駆動用カム150取付部に形成された中空部1a内に摺動可能に配置されたスプール101と、中空部1aの一端とスプール101との間に配置されスプール101を押圧する押圧スプリング103とを備えている。
また、中空部1aのスプール101に対してスプリング103と反対側の空間は、油圧通路105を介して作動油としての潤滑油が供給される油圧室110を形成している。油圧通路105を介して潤滑油が油圧室110に供給されると、スプール101はスプリング103の押圧力に抗して図3右方向に移動し、油圧通路105が図示しない切換弁によりドレーンに接続されると、油圧室内110内の潤滑油は油圧通路105からドレーンに流出する。このため、油圧室110内の油圧が低下し、スプール101はスプリング103に押圧され図3の左方向に移動する。
本実施形態では、ポンプ駆動用カム150はカムシャフト1とは別体とされており、ボア151を介してカムシャフト1に回転可能に装着されている。また、カム150のボア151内周には後述するキー107を受承する複数のキー溝111が形成されている。
また、スプール101外周にはキー107を収納する収納溝113が設けられている。キー107は、収納溝113内に配置された押圧スプリング109により半径方向外側に押圧されている。また、カムシャフト1の中空部1a壁面にはスプール101のキー収納溝113に対応する位置にキー孔115が開口しており、油圧室110内に油圧が作用していない状態では、キー107はスプリング109に付勢されてキー孔115からカムシャフト1半径方向外側に突出し、ポンプ駆動用カム150のボア151内周のキー溝111に受承された状態となっている。
これにより、ポンプ駆動用カム150はキー107を介してカムシャフト1に固定され一体に回転する。
次に、ポンプ駆動用カム150の回転位相変更について説明する。
上述したように、油圧室110内に油圧が作用していない状態では、ポンプ駆動用カム150はキー107を介してカムシャフト1に固定され、カムシャフト1と一体に回転する。この状態で、機関運転中にポンプ駆動用カム150の位相を変更する場合には、図示しない切換弁を切り換えて油圧室110に作動油としての潤滑油を供給する。これにより、油圧室内には潤滑油圧が作用し、スプール110は押圧スプリング103の押圧力に抗して図3右方向に移動する。
図3に示すように、キー107のスプリング103側端部は傾斜面107Cが形成されている。このため、スプール101が右方向に移動すると、キー107の傾斜面107Cはカムシャフト1のキー孔115開口縁部に当接して押圧され、スプール101の移動とともにキー107はキー収納溝113内に後退する。
キー107がキー収納溝113内に後退すると、ポンプ駆動用カム150のキー溝111からキー107が外れ、ポンプ駆動用カム150はカムシャフト1の周囲を自由に回転するようになる。
この状態で、油圧通路105をドレーンに接続して油圧室110内の油圧を抜くと、スプール101はスプリング103に押動される。そして、スプール101のキー収納溝113とキー孔115との位置が整合するとキー107はスプリング109に押されてキー孔115から突出し、ポンプ駆動用カム150のボア151内面に押しつけられる。これにより、次にキー溝111とキー孔115とが合致する位置までポンプ駆動用カム150が回転するとキー107はポンプ駆動用カム150のキー溝111内に嵌入し、再度ポンプ駆動用カム150がカムシャフト1に固定される。
本実施形態では後述するように、ポンプ駆動用カム150のボア151内面にはポンプ駆動用カム150の回転位相を、カムシャフト駆動トルク変動増大を抑制する位相に固定する位置とジャーナル打音を抑制する位相に固定する位置との2種類の位置にそれぞれキー溝111が設けられており、油圧室110内に作用する油圧をオン・オフすることによりポンプ駆動用カム150の回転位相を上記2つの回転位相間で切り換えることが可能となっている。
次に、ポンプ駆動用カム150の上記2つの固定位置について説明する。
まず、最初にカムシャフト駆動トルク変動増大を抑制する位相について説明する。
前述したように、本実施形態ではポンプ駆動用カム150は2ローブカムとされており、カムシャフト1の1回転(クランク軸2回転)当たり2回燃料を圧送するため、カムシャフト1回転当たり2回ずつ正負のトルク変動を生じる。このトルク変動は燃料吐出圧が大きいほど、すなわち機関負荷が高い程大きくなる。
一方、カムシャフトには弁駆動反力による駆動反力トルクが作用している。本実施形態では4気筒機関が使用されているため、吸気カムシャフト1には、1回転当たり4回ずつ周期的に正負に変動する吸気弁駆動反力トルクが作用する。
本実施形態では、上記吸気弁駆動反力トルクとポンプ駆動反力トルクとが互いに打ち消し合う位置になるように、ポンプ駆動カム150の回転位相を変更することにより、カムシャフトトルク変動の増大を抑制する。このポンプ駆動用カム150位置は、例えば吸気カム13からカムシャフト1に作用する吸気弁駆動反力トルクの周期的変動が正方向のピークになるタイミングと、ポンプ駆動用カム150からカムシャフトに作用するポンプ駆動反力トルクの周期的変動が負方向のピークになるタイミングとが一致する位置に設定される。
これにより、ポンプ駆動反力トルクによる吸気カムシャフト1の駆動トルク変動の増大が防止され、タイミングベルト7等の動力伝達部材の寿命低下が防止されるようになる。
なお、本実施形態ではDOHCエンジンが使用されているため、タイミングベルト7は吸気カムシャフト1のみならず排気カムシャフト3をも駆動している。このため、タイミングベルト7に加わる張力の変動は吸気カムシャフト1の駆動トルク変動と排気カムシャフト3の駆動トルク変動との和になる。上記実施形態では、吸気カムシャフト1の駆動トルク変動のみを考慮して、吸気カムシャフト1の駆動トルク変動が最少となる回転位相にポンプ駆動用カム150の位相を変更しているが、吸気カムシャフト1だけでなく、吸気カムシャフトの駆動トルク変動と排気カムシャフトの駆動トルク変動との合成トルク変動を打ち消す位置にポンプ駆動用カム150の回転位相を変更するようにすれば、更に効果的にタイミングベルト7の張力変動を抑制することが可能となる。
次に、ジャーナル打音を抑制することが可能なポンプ駆動用カム150の回転位相について説明する。
本実施形態では、ポンプ駆動用カム150は吸気カムシャフト1回転あたり2回燃料を圧送する。また、燃料ポンプのプランジャはカムシャフト1の上側(機関燃焼室と反対側)に位置しているため、カムシャフト1にはポンプ駆動用カム150のプランジャ駆動反力として、下向きの力が1回転あたり2回作用する。
一方、本実施形態では4気筒機関が使用されているため、吸気カムシャフト1には、同様に吸気弁駆動反力として上向きの力がカムシャフト1回転当たり4回作用する。
そこで、ジャーナル打音の抑制のためのポンプ駆動用カム150回転位相の位置として、本実施形態では何れかの吸気弁駆動反力(上向き)が最大になるタイミング(例えば、バルブリフトの加速度が最大になるタイミング)とポンプ駆動反力(下向き)が最大になるタイミング(例えば、プランジャ加速度が最大になるタイミング)とが一致する位置にポンプ駆動用カム150の位相を設定している。これにより、カムシャフト1にポンプ駆動反力が作用するときには必ずポンプ駆動反力を打ち消す方向に吸気弁駆動反力が作用するようになり、ポンプ駆動反力によるジャーナル打音の発生が抑制される。
ところで、上記駆動反力トルク変動を抑制するポンプ駆動用カム150の回転位相とジャーナル打音を抑制するポンプ駆動用カム150の回転位相とは通常一致しない。
そこで、本実施形態では機関運転状態に応じて上記2つの回転位相を切り換えることにより、タイミングベルト7の寿命低下防止とジャーナル打音の抑制とを同時に達成している。
すなわち、本実施形態では機関が低負荷運転(例えばアイドル運転)されている場合にのみポンプ駆動用カム150は上記のジャーナル打音抑制のための回転位相に変更され、それ以外の中高負荷運転ではポンプ駆動カム150はカムシャフト駆動トルク変動を抑制する回転位相に変更される。
すなわち、機関低負荷運転時は、他の機関騒音や振動が比較的小さいため相対的にジャーナル打音の騒音に占める比率が大きくなる。このため、機関低負荷運転時にはジャーナル打音を抑制することにより大きな騒音低減効果を得ることができる。また、前述したようにポンプの駆動反力トルクは機関負荷(燃料ポンプ吐出圧力)が大きいほど大きくなる。このため、低負荷運転以外の運転領域ではカムシャフトの駆動反力トルク変動を抑制することにより、タイミングベルトなどの動力伝達部材の寿命低下防止効果を高めることができるためである。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する図である。 図1の機関のカムシャフトを示す図である。 図1、2の実施形態におけるカム位相可変機構の構成を示す図である。
符号の説明
1 吸気カムシャフト
2 排気カムシャフト
5 クランクシャフト
7 タイミングベルト
13 吸気カム
100 カム位相可変機構
150 燃料ポンプ駆動用カム
200 燃料ポンプ

Claims (5)

  1. 内燃機関の弁駆動用カムと燃料噴射ポンプ駆動用カムとを同軸上に備えたカム軸により弁駆動と同時に燃料噴射ポンプ駆動を行う燃料噴射ポンプであって、
    前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を機関運転状態に応じて変更するカム位相可変手段を備えた、可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ。
  2. 前記ポンプ駆動用カムと前記弁駆動用カムは、前記カム軸軸線に対して互いに対向する側でそれぞれポンプ被駆動部材と弁被駆動部材とを押動することにより燃料ポンプ及び弁を駆動し、
    前記カム位相可変手段は、燃料ポンプ駆動用カムに作用するポンプ被駆動部材の押圧反力が最大になる燃料ポンプ駆動用カムの回転位相と、前記弁駆動用カムに作用する弁被駆動部材の押圧反力が最大になる弁駆動用カムの回転位相とが一致するように、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を変更する、請求項1に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ。
  3. 前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと前記弁駆動用カムとの間の相対回転位相の前記変更を、機関が予め定めた値より低い負荷で運転されている場合にのみ行う、請求項2に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ。
  4. 前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとからカム軸に作用するポンプ駆動反力トルクと弁駆動反力トルクとの合計値の変動幅が最小になるように前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相を変更する、請求項1に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ。
  5. 前記カム位相可変手段は、前記ポンプ駆動用カムと弁駆動用カムとの間の相対回転位相の前記変更を、機関が予め定めた値より高い負荷で運転されている場合にのみ行う、請求項4に記載の可変位相カム駆動燃料噴射ポンプ。
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