JP2006206795A - エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料、及び繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料、及び繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性と耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物、および繊維強化複合材料、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】60〜180℃の範囲に含まれる硬化温度Tcにおいて、次式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。(1)1≦t10≦10、(2)3≦t90≦30、(3)1≦t90/t10≦3、(4)Tg≧Tc+20、t10:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間(分)、t90:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが90%に到達するまでの時間(分)、Tg:t90(分)経過した時点でのエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(℃)
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化複合材料に好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた繊維強化複合材料、及びこれを用いた繊維強化複合材料の製造方法に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリックス樹脂の利点を活かした材料設計ができるため、航空宇宙分野をはじめ、スポーツ分野、一般産業分野等に広く用途が拡大されている。
強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が用いられる。マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いられるが、強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられる。
繊維強化複合材料の製造には、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワイディング法、RTM(Resin Transfer Molding)法等の方法が適用される。このうち、RTM法は、型内に配置した強化繊維基材に液状の熱硬化性樹脂組成物を含浸し、加熱硬化する方法であり、複雑な形状を有する繊維強化複合材料を成形できるという特長を有する。
この特長を生かし、近年自動車用途の繊維強化複合材料部材の成形にRTM法を適用する動きがある。自動車部材は航空部材、宇宙部材と比べて大量に生産する必要があるため、高い生産性、すなわち短時間で成形可能であることが要求される。具体的には、RTM法により繊維強化複合材料を成形する場合において、型内に液状樹脂を注入してから脱型するまでの時間を30分以内にすることが求められる。
これに加えて、自動車用途に用いられる繊維強化複合材料部材は塗装して使用されることが多く、塗料の硬化時には通常100℃以上の高温に晒されることから、塗装時の変形を防ぐために繊維強化複合材料には耐熱性が要求される。
すなわち、自動車用途に適用する繊維強化複合材料部材は、製造方法においては高い生産性、物性においては高い耐熱性が要求されている。
一般にエポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させるには、1分子内にエポキシ基を3つ以上有する多官能エポキシ樹脂を配合する方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、該特許文献1で開示されるエポキシ樹脂組成物は、硬化に2時間以上もの時間を要することから、生産性は不十分である。
一方、繊維強化複合材料部材成形の生産性を向上させるには、エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂にイミダゾール誘導体、および1分子中に2個以上の水酸基を有するアルコール類を配合した組成が知られている(例えば、特許文献2)。該特許文献2で開示されるエポキシ樹脂組成物は30分以内の硬化時間で脱型が可能という高い生産性を有している。また、該特許文献2で開示されるエポキシ樹脂組成物の耐熱性向上を目的として1分子内にエポキシ基を3つ以上有する多官能エポキシ樹脂を配合が示唆されている。しかしながら、該特許文献2において、多官能エポキシ樹脂の具体的構成は特に開示されておらず、公知公用のいずれのものを使用してもよいとされており、耐熱性が向上する具体的な多官能エポキシの種類については何ら例示されていない。
このように、高い耐熱性を有するものの生産性が低いか、高い生産性を有するものの耐熱性が低いかのいずれかであり、生産性と耐熱性とを両立したエポキシ樹脂組成物は、知られていなかった。
特開2002−145986号公報(第1頁) 国際公開第02−81540号パンフレット(第1頁)
本発明の目的は、生産性と耐熱性が共に優れたエポキシ樹脂組成物、および繊維強化複合材料、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らはかかる課題に取り組み、エポキシ樹脂組成物の配合について鋭意検討した結果、ある特定の構造を有する多官能エポキシを配合した時に、特異的に耐熱性が向上することを見いだし、生産性と耐熱性とを両立した本発明に至った。すなわち、本発明は、60〜180℃の範囲に含まれる硬化温度Tcにおいて、以下の式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
1≦t10≦10 ・・・(1)
3≦t90≦30 ・・・(2)
1≦t90/t10≦3 ・・・(3)
Tg≧Tc+20 ・・・(4)
10:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間(分)
90:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが90%に到達するまでの時間(分)
Tg:t90(分)経過した時点でのエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(℃)
また、本発明の繊維強化複合材料は、上記エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とを含む。
また、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、型内に配置した強化繊維基材に、上記エポキシ樹脂組成物を注入し、硬化せしめる繊維強化複合材料の製造方法である。
硬化反応が速い場合、通常の粘度測定では粘度の変化を追跡することは困難である。ところが、誘電測定によってイオン粘度の変化を追跡することは硬化反応が速くても比較的容易である。さらにイオン粘度は、ゲル化以降も測定が可能であり、硬化の進行とともに増加し、硬化完了に伴って飽和するという性質をもつため初期の粘度変化だけではなく硬化反応の進行を追跡するためにも用いることができる。イオン粘度の対数を初期値が0%になり、イオン粘度の対数の飽和値(最大値)が100%になるように規格化した数値をキュアインデックスといい、熱硬化性樹脂の硬化プロファイルを記述するために用いられる。初期の粘度上昇の速さに関わる指標としてキュアインデックスが10%に到達する時間を用い、硬化時間に関わる指標としてキュアインデックスが90%に到達する時間を用いると、初期の粘度上昇が小さく、短時間で硬化できるために好ましい条件を記述することができる。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、60〜180℃の範囲に含まれる硬化温度Tcにおいて、次式(1)〜(4)を満たす必要がある。
1≦t10≦10 ・・・(1)
3≦t90≦30 ・・・(2)
1≦t90/t10≦3 ・・・(3)
Tg≧Tc+20 ・・・(4)
ここで、t10は硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間(分)、t90は硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが90%に到達するまでの時間(分)、Tgはt90(分)経過した時点でのエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(℃)をそれぞれ指す。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、t10が1分以上、10分以下である必要がある。t10がこの範囲内であると、初期の粘度上昇が小さく、注入可能な時間が長いため、強化繊維への含浸が良好となる。t10がこの範囲よりも小さいと、粘度上昇が大きいために得られる繊維強化複合材料に未含浸部ができることがあり、一方この範囲よりも大きいと、強化繊維への含浸に時間を要し、生産性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、t90が3分以上、30分以下である。t90がこの範囲内であると、短時間での硬化が可能となる。t90がこの範囲よりも小さいと、粘度上昇が大きいため得られる繊維強化複合材料に未含浸部ができることがあり、一方この範囲よりも大きいと硬化に時間を要し、生産性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物はt90/t10が1以上、3以下である必要がある。t90/t10がこの範囲内であると、注入可能時間が長く、かつ短時間での硬化が可能となる。t90/t10がこの範囲よりも小さくなることは実質上不可能であり、一方この範囲よりも大きいと硬化に時間を要し、生産性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、Tgが(Tc+20)以上である必要がある。Tgが(Tc+20)未満であると、エポキシ樹脂組成部の硬化が不十分となり、脱型の際に変形を起こしたり、あるいは塗装時に変形を起こすことがある。
本発明において用いられる構成要素(A)は、1分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。1分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、一般式[化1]で表されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、一般式[化2]で表されるトリスフェノール型エポキシ樹脂、一般式[化3]で表されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、一般式[化4]で表されるナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、式[化5]で表される4官能ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
なかでも、一般式[化2]で示されるトリスフェノール型エポキシ樹脂はそれ自身の溶融粘度が低いため、エポキシ樹脂組成物としたときの粘度が低くなるために好ましい。
Figure 2006206795
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[式中、nは0以上の整数を表す]
なお、エポキシ樹脂とは分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を指し、エポキシ樹脂組成物とはエポキシ樹脂と硬化剤を含む未硬化の組成物を指し、エポキシ樹脂硬化物はエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物を指す。
本発明において、構成要素(A)の配合量は、全エポキシ樹脂100重量部に対して、30〜70重量部であることが好ましい。構成要素(A)の配合量が30重量部未満であると、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性が不十分な場合があり、70重量部を超えると、エポキシ樹脂組成物が高粘度となるため、強化繊維への含浸性が不十分となる場合がある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素(A)以外のエポキシ樹脂を含むことができる。構成要素(A)以外のエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、水酸基を複数有するフェノールから得られる芳香族グリシジルエーテル、水酸基を複数有するアルコールから得られる脂肪族グリシジルエーテル、アミンから得られるグリシジルアミン、カルボキシル基を複数有するカルボン酸から得られるグリシジルエステル、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。
芳香族グリシジルエーテルの例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールADのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル等のビスフェノール骨格を有するジグリシジルエーテル、フェノールやアルキルフェノール、ハロゲン化フェノール等から得られるノボラックのポリグリシジルエーテル、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、ヒドロキノンのジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルのジグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンのグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルと2官能イソシアネートを反応させて得られるオキサゾリドン骨格を有するジグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂肪族グリシジルエーテルとしては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、グリセリンのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタンのジグリシジルエーテル、トリメチロールエタンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ドデカヒドロビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ドデカヒドロビスフェノールFのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルアミンとしては、ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、グリシジルエーテルとグリシジルアミンの両構造を併せ持つ、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジル−p−アミノフェノール等が挙げられる。
グリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
上記した以外に、トリグリシジルイソシアヌレート、また、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られる、分子内にエポキシクロヘキサン環を有するエポキシ樹脂や、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
中でも、ビスフェノールAから得られるビスフェノールAエポキシ樹脂は、注入特性または樹脂硬化物の耐熱性に優れることから、好適に用いることができる。
構成要素(A)以外のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物の粘度および樹脂硬化物の耐熱性に応じて適宜選択すればよく、本発明の効果を損なわない範囲で選択し得る。
また、本発明において、構成要素(A)以外のエポキシ樹脂の配合量(構成要素(A)以外のエポキシ樹脂を複数種用いる場合はその合計)は、全エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは70〜30重量部である。
構成要素(A)以外のエポキシ樹脂として、低粘度エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂100重量部に対して、30重量部以上配合すると、エポキシ樹脂組成物を低粘度とすることができるため、強化繊維への含浸性を良好とすることができる、一方、構成要素(A)以外のエポキシ樹脂の配合量が70重量部を超えると、樹脂硬化物の耐熱性が低下する場合があることから上記範囲が好ましい。
本発明において、エポキシ樹脂組成物中の構成要素(A)と構成要素(A)以外のエポキシ樹脂は、均一に混合していることが好ましい。構成要素(A)もしくは構成要素(A)以外のエポキシ樹脂のどちらかが、相溶せずに析出したりしていると、樹脂硬化物の耐熱性や機械的物性が低下する場合がある。構成要素(A)以外のエポキシ樹脂の一部が固形である場合には、液状エポキシ樹脂に加熱しながら溶解させるなどの手段により、均一な液状にすることが好ましい。
本発明において、構成要素(B)は、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるアニオン重合開始剤である。アニオン重合開始剤とは、エポキシ樹脂のアニオン重合を開始する能力のある化合物を指す。
構成要素(B)の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、4級アンモニウムヒドロキシド等の水酸化物、ナトリウムアルコキシド等のアルコキシド類、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、4級アンモニウムヨウ化物等のヨウ化物、3級アミン等が挙げられる。
中でも、アニオン重合開始剤としての能力が高いことから、構成要素(B)として、3級アミンが好適に用いられる。3級アミンの具体例としては、トリエチルアミンジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、1−ジエチルアミノ−4−アミノペンタン、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルプロパンジアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、3−(3−ジメチルアミノプロピル)プロピルアミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、イミダゾール誘導体等が挙げられる。
中でも、アニオン重合開始剤としての能力が高く、エポキシ樹脂組成物を短時間で硬化できるという理由から、構成要素(B)として、イミダゾール誘導体が好適に用いられる。
イミダゾール誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
構成要素(B)の配合量は、全エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲内であるのが良い。この範囲より大きいと、構成要素(B)の残留分が可塑剤として作用し、得られる樹脂硬化物の耐熱性や、弾性率等の力学物性が低下することがある。
本発明において、構成要素(C)は、プロトン供与体である。プロトン供与体とは、塩基性の化合物にプロトンとして供与できる活性水素を有する化合物のことを指す。
なお、本発明では、活性水素とは、塩基性の化合物にプロトンとして供与される水素原子のことを指す。
プロトン供与体は、プロトン供与後に生じるアニオン種が適度な求核性を有していると、連鎖移動剤として作用する。適切な連鎖移動反応が重合初期に起こると、エポキシ樹脂の高分子量化、ゲル化を妨げ、粘度上昇を抑える結果、注入可能な時間を長く確保できる。さらにプロトン供与体の存在は、アニオン重合を加速する効果も持つ。これらの2つの効果により、反応初期の粘度上昇を抑えながら、硬化反応の完結の速い熱硬化性樹脂組成物を設計することが可能になる。
以上の理由から好ましい構成要素(C)は、アルコール、フェノール、メルカプタン、カルボン酸、1,3−ジカルボニル化合物から選ばれるプロトン供与体であることが好ましい。構成要素(C)は、上記複数のカテゴリーに該当する化合物、例えばアルコール性水酸基とフェノール性水酸基の両方を有する化合物であっても良い。
なお、エポキシ樹脂には、分子中に水酸基を有するものがあるが、本発明での構成要素(C)には含めないものとする。
構成要素(C)は、1分子中に2個以上の活性水素を有し、さらに好ましくは3個以上を有するものが好ましい。1分子中に1個の活性水素を有する化合物を用いると、得られる樹脂硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性や、弾性率等の力学物性が低下することがある。
構成要素(C)は水酸基当量が、20〜140g/mol、好ましくは20〜120g/mol、より好ましくは20〜100g/molであると良い。(ここで水酸基当量(He)とは、構成要素(C)の全重量を、構成要素(C)中の全水酸基数を除して得られる数をいう。)140を超えると、得られる樹脂硬化物の耐熱性や弾性率等の機械物性が低下することがある。
本発明において構成要素(C)は、常圧における沸点(以下、Bpという)が、80℃以上、好ましくは100℃以上であるアルコールであることが良い。80℃未満であると、注入中や硬化中に構成要素(C)が揮発し、得られる樹脂成形体にボイドが生じる場合がある。
なお、本発明ではBpの異なる、複数種の構成要素(C)を配合する場合、最もBp値の小さな構成要素(C)のBp値を採用するものとする。
構成要素(C)中、1分子中に1個の活性水素を含むものの具体例としては、メチルアルコール(Bp=65、He=32)、エチルアルコール(Bp=78、He=46)、n−プロピルアルコール(Bp=97、He=60)、イソプロピルアルコール(Bp=83、He=60)、n−ブチルアルコール(Bp=118、He=74)、イソブチルアルコール(Bp=108、He=74)、sec−ブチルアルコール(Bp=100、He=74)、tert−ブチルアルコール(Bp=83、He=74)、n−ペンチルアルコール(Bp=138、He=88)、n−ヘキシルアルコール(Bp=157、He=102)、n−ヘプチルアルコール(Bp=176、He=116)、n−オクチルアルコール(Bp=195、He=130)シクロペンタノール(Bp=140、He=86)、シクロヘキサノール(Bp=162、He=100)、ベンジルアルコール(Bp=205、He=108)
構成要素(C)中1分子に2個の水酸基を含むものの具体例として、1,2−エタンジオール(Bp=197、He=31)、1,2−プロパンジオール(Bp=187、He=38)、1,3−プロパンジオール(Bp=215、He=38)、1,3−ブタンジオール(Bp=208、He=45)、1,4−ブタンジオール(Bp=228、He=45)、1,5−ペンタンジオール(Bp=239、He=52)、1,1−ジメチル−1,3−プロパンジオール(Bp=203、He=52)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(Bp=211、He=52)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(Bp=198、He=59)、1,4−シクロヘキサンジオール(Bp=150[2.66kPa]、He=58)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(Bp=162℃[1.33kPa])、ジエチレングリコール(Bp=244、He=53)、トリエチレングリコール(Bp=287、He=75)、一般式[化6]で表されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(Bp:データなし、He=158)、一般式[化7]で表されるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(Bp:データなし、He=172)、一般式[化8]で表されるドデカヒドロビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(Bp:データなし、He=164)、一般式[化9]で表される水素添加ヒドロビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(Bp:データなし、He=178)などが挙げられる。
Figure 2006206795
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さらに、1分子中に3個の水酸基を含むものの具体例としては。グリセリン(Bp=290、He=31)、トリメチロールエタン(Bp=165〜171[0.864kPa]、He=40)、トリメチロールプロパン(Bp=292、He=45)等が挙げられる。
また、1分子中に4個の水酸基を含むものの具体例としては、ペンタエリスリトール(Bp:データなし、He=34)等が挙げられる。
構成要素(C)の配合量は、全エポキシ樹脂100重量部に対して1〜30重量部の範囲内である必要があり、好ましくは1〜20重量部の範囲内であるのが良い。この範囲より小さいと、粘度上昇を効果的に抑えながら、硬化時間を短くするのが困難となることがあり、この範囲より大きいと、得られる樹脂硬化物の耐熱性や、弾性率等の力学物性が低下することがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、70℃での初期粘度が、好ましくは1〜1000mPa・s、より好ましくは1〜500mPa・sの範囲内である必要がある。この範囲より大きいと、樹脂組成物の強化繊維への含浸に時間がかかることがある。ここで、初期粘度とはISO 2884−1における円錐−平板型回転粘度計を使用した測定方法に準拠して測定され、粘度計で測定を開始してから30秒経過後の粘度を指す。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも注入温度において、構成要素(A)が液体でかつ構成要素(B)および(C)が構成要素(A)に対して均一に溶解していることが必要である。これらの構成要素の一部が固体であったり、液状であっても分離した相をなす場合は、含浸過程において成分の局所的な不均一性を招く恐れがあるため、好ましくない。ただし、室温においてこれらの成分が均一溶液とならない組成であっても、加熱により上記の要件を満たすならば問題はない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記構成要素以外の添加剤として、界面活性剤、内部離型剤、色素、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
これらの添加剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物中に均一に溶解するものであることが最も好ましい。ただし、均一に溶解しないものであっても、液滴あるいは粒子の形態で安定なコロイド状態を保つ場合は問題ない。この場合、液滴あるいは粒子の径は1μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であればさらに好ましい。液滴や粒子の径が大きいと、強化繊維の間隙の通過に困難をきたし、組成の不均一性を招く恐れがある。
本発明において、エポキシ樹脂硬化物は曲げ弾性率が3.0GPa以上であることが必要である。曲げ弾性率が3.0GPa未満であると、得られる繊維強化複合材料の曲げ弾性率が低下するため好ましくない。
本発明の繊維強化複合材料は、上記エポキシ樹脂組成物と強化繊維とからなる。強化繊維の例として、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が挙げられるが、なかでも炭素繊維は軽量、かつ高強度であるので好ましい。
プリフォームとしては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維を、マット、織物、ニット、ブレイド、一方向シート等に加工したものを好適に用いることができる。
なお、本RTM成形法では、多様な用途に対応するため、金属板、フォームコア、ハニカムコア等、前記したプリフォーム以外の素材を成形型内に予めセットしておくこともできる。
前記成形型には、密閉されたものを用いることが好ましいが、いわゆる真空バギングを使用することもできる。また、成形型の材料には、通常アルミニウム、鋼、ステンレス等の金属を用いるのが好ましいが、70〜80℃程度の比較的低温で成形する場合は、FRP(Fiber Reinforced Plastics、繊維強化樹脂)を用いることができる。また、ここでは、成形型の加熱のため、熱媒の循環やヒーターによる加熱機能を付与する事が好ましい。
本発明では、エポキシ樹脂組成物を成形型内に注入する際に、構成要素(A)〜(C)を、所定の組み合わせでバッチ混合後、容器に保持しておき、その後ポンプへ送液、型内へ注入する方法ができる。
また、構成要素(A)〜(C)の液体をそれぞれ別々の容器に保持しておき、それぞれをポンプ等で混合機に送液し、混合後の液を成形型内に注入する事もできるし、構成要素(C)を、予め、構成要素(A)、および(B)に混合後、構成要素(A)、及び、または、構成要素(B)及び(C)からなる液を別々の容器に保持しておき、それぞれをポンプ等でさらに別の混合機に送液し、混合後の液を成形型内に注入する事もできる。
本発明において、樹脂を注入する際の成形型の温度は20〜180℃が好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。20℃未満であると、樹脂の粘度が高く、成形型内への樹脂注入が困難になることがあり、180℃を越えると、樹脂の粘度上昇が過大となり、短時間でゲル化が進行し、成形が困難になることがある。
また、本発明では、樹脂硬化温度、即ち、樹脂を硬化せしめる成形型の温度は、60〜180℃であることが好ましく、70〜150℃であることがさらに好ましい。60℃未満であると、得られる樹脂成形体の耐熱性や、弾性率等の力学特性が低下することがあり、180℃を越えると、硬化に要する熱エネルギーが過大となり、製造コストが増加する事がある。また、この際、樹脂の硬化時間は、硬化に要する熱エネルギーを低減させる観点から、3〜30分とすることが好ましい。ここで、樹脂硬化温度は、成形型の昇温や降温に要する時間を低減するため、樹脂の注入温度との差を極力小さくするのが好ましい。具体的には、かかる差を実質的に0℃とするのがよいが、実際上、0〜70℃、好ましくは0〜50℃の範囲するのがよい。
本発明では、繊維強化複合材料をさらに効率よく製造するため、繊維強化複合材料の製造過程において、加熱温度を60〜180℃の範囲の一定温度に設定し、加熱時間を3〜30分として硬化せしめる工程が含まれることが望ましい。また、このとき、成形型の変動は、設定温度の±10℃以内、好ましくは±5℃以内に抑えるのが好ましい。
本発明により、得られる樹脂硬化物が優れた耐熱性を有し、かつ短時間硬化での繊維強化複合材料に好適なエポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、このエポキシ樹脂組成物は繊維強化に液状の熱硬化性樹脂を含浸させる工程を含むRTM法などにより、航空機部材、宇宙機部材、および自動車部材などを効率よく製造することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。ここでは、各物性の測定は次に示す方法によった。また、実施例、および比較例では次に示す樹脂原料を用いた。
構成要素(A):エポキシ樹脂
・“エピコート” (登録商標)E1032S50:ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ樹脂(トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂)
構成要素(A)以外のエポキシ樹脂
・“アライダイト” (登録商標)MY721:ハンツマン アドバンスト マテリアルズ製、エポキシ樹脂(テトラグリシジル−4,4’ジアミノジフェニルメタン)
・“エピコート” (登録商標)630:ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ樹脂(p−アミノフェノール型液状エポキシ樹脂)
・“エピコート” (登録商標)825:ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
構成要素(B):アニオン重合開始剤
・2−メチルイミダゾール:四国化成工業(株)製、イミダゾール誘導体
構成要素(C):プロトン供与体
・プロピレングリコール:和光純薬工業(株)製、アルコール
・“リカレジン” (登録商標)PO−20:新日本理化(株)製、アルコール(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物)
<樹脂組成物の粘度測定>
ISO 2884−1における円錐−平板型回転粘度計を使用した測定方法に準拠し、エポキシ樹脂組成物の70℃における粘度を測定した。装置は東機産業(株)製のTVE−30H型を用いた。ここで、ローターは1゜34’×R24を用い、サンプル量は1cmとした。
<誘電測定>
本実施例および比較例において、エポキシ樹脂組成物の硬化を追跡するために、誘電測定を行った。
誘電測定装置はHolometrix−Micromet社製のMDE−10キュアモニターを使用した。TMS−1インチ型センサーを下面に埋め込んだプログラマブルミニプレスMP2000の下面に厚さ3.3mmのバイトン製Oリングを設置し、プレスの温度を所定温度Tに設定し、Oリングの内側にエポキシ樹脂組成物を注ぎ、プレスを閉じ、樹脂組成物のイオン粘度の時間変化を追跡した。誘電測定は、1、10、100、1000、及び10000Hzの各周波数で行った。
次に、次式(D)により、キュアインデックスを求め、キュアインデックスが10%に到達する時間t10に対する、キュアインデックスが90%に到達する時間t90の比t90/t10を求めた。
キュアインデックス={log(α)−log(αmin)}/{log(αMAX)−log(αmin)}×100 ・・・(D)
log :常用対数
キュアインデックス :(単位:%)
α :イオン粘度 (単位:Ω・cm)
αmin :イオン粘度の最小値(単位:Ω・cm)
αMAX :イオン粘度の最大値(単位:Ω・cm)
<樹脂硬化物のガラス転移温度測定>
プログラマブルミニプレスMP2000の下面に厚さ3.3mmのバイトン製Oリングを設置し、プレスの温度を所定温度Tに設定し、Oリングの内側に樹脂組成物を注ぎ、プレスを閉じ、所定時間硬化させた。得られた樹脂硬化物を幅12mm、長さ40mmに切り出した試験片を用い、Rheometric Scientific社製の粘弾性測定装置ARESにより、Rectangular Torsionモードにおいて、昇温速度20℃/min、周波数1Hzで測定を行い、貯蔵弾性率G’の変曲点からガラス転移温度を求めた。
<樹脂硬化物の曲げ弾性率測定>
上述の方法で作成した樹脂硬化物から、幅10mm、長さ60mmに切り出した試験片を用い、ISO 178に準拠し、3点曲げ試験により曲げ弾性率を測定した。装置はインストロン社製の4201型万能材料試験機を用いた。ここで、クロスヘッドスピードは2.5mm/min、スパン間は32mm、測定温度を23℃とした。
実施例1〜4
表1に示す配合量で構成要素(B)を構成要素(C)に添加し、90℃で1時間加温して構成要素(B)を溶解させた。次に、この溶液を70℃に保持し、別途予め70℃に加温した構成要素(A)、および構成要素(A)以外のエポキシ樹脂を加えて1分間撹拌して、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物は、70℃において淡黄色の均一な溶液であった。
実施例1〜4のエポキシ樹脂組成物の70℃における粘度を測定した結果、表1に示す通り十分に低粘度であった。
つぎに、硬化過程における最高到達温度Tcを100℃、硬化時間Tcを30分とし、エポキシ樹脂組成物の誘電測定を行った。この結果、表1に示す通りt90/t10はいずれも良好な値であった。実施例1〜4に示すエポキシ樹脂硬化物のTgは表1に示す通り十分に高いものであった。
また、エポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率は表1に示す通り十分に高いものであった。

比較例1〜5
構成要素(A)を配合しない以外は実施例1〜4と同様にして、表1に示す配合量でエポキシ樹脂組成物を得た。
比較例1〜5のエポキシ樹脂組成物の70℃における粘度を測定した結果、表1に示す通り十分に低粘度であった。
つぎに、実施例1〜4と同様の方法で、硬化過程における最高到達温度Tcを100℃、硬化時間Tcを30分とし、エポキシ樹脂組成物の誘電測定を行った。この結果、表1に示す通りt90/t10はいずれも良好な値であった。しかしながらエポキシ樹脂硬化物のTgは表1に示す通り低いものであった。
Figure 2006206795
実施例5〜8
表2に示す配合量で構成要素(B)を構成要素(C)に添加し、90℃で1時間加温して構成要素(B)を溶解させた。次に、この溶液を70℃に保持し、別途予め70℃に加温した構成要素(A)、および構成要素(A)以外のエポキシ樹脂を加えて1分間撹拌して、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物は、70℃において淡黄色の均一な溶液であった。
実施例5〜8のエポキシ樹脂組成物の70℃における粘度を測定した結果、表2に示す通り十分に低粘度であった。
つぎに、硬化過程における最高到達温度Tcを130℃、硬化時間Tcを30分とし、エポキシ樹脂組成物の誘電測定を行った。この結果、表2に示す通りt90/t10はいずれも良好な値であった。実施例5〜8に示すエポキシ樹脂硬化物のTgは表2に示す通り十分に高いものであった。

比較例6〜10
構成要素(A)を配合しない以外は実施例5〜8と同様にして、表2に示す配合量でエポキシ樹脂組成物を得た。
比較例6〜10のエポキシ樹脂組成物の70℃における粘度を測定した結果、表2に示す通り十分に低粘度であった。
つぎに、実施例5〜8と同様の方法で、硬化過程における最高到達温度Tcを130℃、硬化時間Tcを30分とし、エポキシ樹脂組成物の誘電測定を行った。この結果、表2に示す通りt90/t10はいずれも良好な値であった。しかしながらエポキシ樹脂硬化物のTgは表2に示す通り低いものであった。
Figure 2006206795
本発明のエポキシ樹脂組成物の誘電測定により得られる、キュアインデックスの時間変化を示す図である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、注入可能な時間が長く、かつ、短時間で硬化できるという特徴を有するため、生産性に優れ、さらに得られるエポキシ樹脂硬化物は高い耐熱性を有するため、優れた性能を有する繊維強化複合材料を生産性よく製造することができる。
中でも、ボンネット、ルーフ、フェンダー、スポイラー、ディフューザー、ドアパネル、インテリアパネル等の自動車用部材、鉄道車両部材、航空機用部材、船舶用部材、建設用部材、電子機器用部材等の繊維強化複合材料として好ましく利用することができる。

Claims (12)

  1. 60〜180℃の範囲に含まれる硬化温度Tcにおいて、次式(1)〜(4)を満たすことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    1≦t10≦10 ・・・(1)
    3≦t90≦30 ・・・(2)
    1≦t90/t10≦3 ・・・(3)
    Tg≧Tc+20 ・・・(4)
    10:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間(分)
    90:硬化温度Tcでの誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが90%に到達するまでの時間(分)
    Tg:t90(分)経過した時点でのエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度(℃)
  2. 少なくとも次の構成要素(A)、(B)、(C)を含む請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    構成要素(A):1分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    構成要素(B):アニオン重合開始剤
    構成要素(C):プロトン供与体
  3. 構成要素(A)が下記の一般式[化1]で表されるトリスフェノール型エポキシ樹脂である請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006206795
    [式中、nは0以上の整数を表す]
  4. 構成要素(B)がイミダゾール誘導体である請求項2または3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 構成要素(C)が1分子内に複数の水酸基を有する化合物である請求項2〜4に記載のエポキシ樹脂組成物
  6. 構成要素(A)の配合量が全エポキシ樹脂100重量部中30〜70重量部の範囲である請求項2〜5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 70℃における初期粘度が1〜1000mPa・sの範囲である請求項1〜6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率が3.0GPa以上である請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料。
  10. 前記強化繊維が炭素繊維である請求項9に記載の繊維強化複合材料。
  11. 型内に配置した強化繊維基材に、請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を注入し、硬化せしめる繊維強化複合材料の製造方法。
  12. 60〜180℃の範囲内の一定温度に保持した型内で、3〜30分間、前記エポキシ樹脂組成物を硬化せしめる請求項11に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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