JP6459475B2 - プリプレグ、及び成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリプレグ、及び成形品の製造方法に関する。
繊維強化複合材料(以下、「FRP」という。)は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、釣り竿やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用途、自動車や航空機等の産業用途などの幅広い分野で用いられている。FRPの製造には、強化繊維等の長繊維からなる繊維補強材に樹脂を含浸した中間材料であるプリプレグを使用する方法が好適に用いられる。プリプレグを所望の形状に切断した後に賦形し、金型内で加熱硬化させることによりFRPからなる成形品を得ることができる。例えば特許文献1には、加熱温度が140〜190℃、加圧が1〜5MPa、成形時間が30〜90分の条件でプレス成形を行い、成形品を得ることができるプリプレグが開示されている。また、特許文献2には、加熱温度が120℃以上、加圧が0.5MPa以上の条件でプレス成形を行い、FRPを製造する方法が開示されている。
プリプレグに用いられる樹脂としては、高物性であり、取り扱い性が良好なエポキシ樹脂組成物が一般的に使用されている。
しかし、繊維補強材にエポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグを用いたプレス成形は成形時間が長いため、自動車部材のような量産性を求められる部材の製造に使用するには不向きであった。
自動車用途に多用される成形方法としては、高温高圧の条件下でプレス成形を行うハイサイクルプレス成形が知られている。
ハイサイクルプレス成形では、通常、100〜150℃、1〜15MPaの高温高圧条件下で1〜10分間、加熱加圧することにより成形品を製造する。このような高温高圧条件下で成形を行うことで、硬化速度が速まり硬化時間を短縮でき、しかも金型内においてエポキシ樹脂組成物が適度に流動することにより金型内からガスを排出できる。よって、ハイサイクルプレス成形はFRP(成形品)の生産性が高く、自動車用途に多用される成形方法として好適である。
特許文献3、4には、5〜10分程度で硬化可能なプリプレグが開示されている。
しかし、プリプレグには、より短時間で硬化が可能であること(速硬化性)が求められている。より短時間で硬化が可能であれば、FRPの量産性をより高めることができる。
特開2005−213352号公報 国際公開第2004/48435号 特開2009-292977号公報 特開2010-248379号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、速硬化性を有し、繊維強化複合材料の量産性に優れたプリプレグ、及び成形品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有するエポキシ樹脂組成物を繊維補強材に含浸してなる、プリプレグ。
成分(A):N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
成分(B):尿素化合物
成分(C):ジシアンジアミド
[2] ハイサイクルプレス成形用である、[1]に記載のプリプレグ。
[3] 前記エポキシ樹脂組成物が前記成分(A)以外のエポキシ樹脂を含有し、当該エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量%中、前記成分(A)の含有量が81〜95質量%である、[1]または[2]に記載のプリプレグ。
[4] 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量%中、前記成分(A)の含有量が91〜95質量%である、[3]に記載のプリプレグ。
[5] 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、前記成分(B)の含有量が2〜10質量部である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
[6] 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、前記成分(C)の含有量が4〜8質量部である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
[7] 前記成分(B)が2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
[8] 前記成分(B)がフェニルジメチルウレアである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
[9] 前記エポキシ樹脂組成物が下記成分(D)をさらに含有する、[1]〜[8]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
成分(D):ビスフェノールA型エポキシ樹脂
[10] 前記成分(D)のエポキシ当量が180〜270g/eqである、[9]に記載のプリプレグ。
[11] 前記成分(D)のエポキシ当量が180〜194g/eqである、[10]に記載のプリプレグ。
[12] 前記エポキシ樹脂組成物が下記成分(E)をさらに含有する、[1]〜[11]のいずれか1つに記載のプリプレグ。
成分(E):熱可塑性樹脂
[13] 前記成分(E)が質量平均分子量10,000〜60,000のポリエーテルスルホン樹脂であり、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、当該成分(E)の含有量が4〜10質量部である、[12]に記載のプリプレグ。
[14] 前記成分(E)が質量平均分子量50,000〜80,000のフェノキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、当該成分(E)の含有量が5〜25質量部である、[12]に記載のプリプレグ。
[15] [1]〜[14]のいずれか1つに記載のプリプレグを用いたプリフォームを金型内に配置し、該プリフォームを130〜150℃、1〜15MPaの条件下で1〜10分間加熱加圧する、成形品の製造方法。
本発明のプリプレグは、速硬化性を有し、繊維強化複合材料の量産性に優れる。
本発明の成形品の製造方法によれば、硬化時間を短縮できるので、成形品を量産できる。
本発明の成形品の製造方法に使用できる金型の一実施形態例を示した断面図であり、(A)は金型が開いている状態であり、(B)は金型が閉じている状態である。 キュラストメーターにて測定したエポキシ樹脂組成物の硬化挙動の100%キュアー時間(最大トルク値に到達する時間)を求めるときに使用するグラフである。 硬化物の温度に対する貯蔵弾性率(G’)の対数値をプロットしたグラフであり、ガラス状態でのグラフの接線と転移領域での接線の交点から該硬化物のガラス転移温度を求めるときに使用するグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「エポキシ樹脂」という用語は熱硬化性樹脂の一つのカテゴリーの名称、及び分子内に複数の1,2−エポキシ基を有する化合物という化学物質のカテゴリーの名称として用いられるが、本発明においては後者の意味で用いられる(ただし、エポキシ樹脂の質量平均分子量は50,000未満であるものとする)。また、「エポキシ樹脂組成物」という用語は、エポキシ樹脂と硬化剤(硬化促進剤を含む)と、場合により他の添加剤とを含む組成物を意味する。
ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。例えば、テトラヒドロフランや水等の溶媒を溶離液とし、ポリスチレン換算分子量として求めることができる。
「エポキシ樹脂組成物」
本発明のプリプレグに用いられるエポキシ樹脂組成物は、成分(A):N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、成分(B):尿素化合物、及び成分(C):ジシアンジアミドを含有する。また、エポキシ樹脂組成物は、成分(A)以外のエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、任意成分などを含有してもよい。
以下、各成分について説明する。
<成分(A)>
成分(A)は、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンである。成分(A)を用いることで、エポキシ樹脂組成物の硬化時間を飛躍的に短縮することができる。よって、成分(A)を含有するエポキシ樹脂組成物を繊維補強材に含浸させることで、速硬化性を有するプリプレグが得られる。
成分(A)としては、市販品を用いることができる。成分(A)の市販品としては、例えばTG3DAS(小西化学工業株式会社製)などが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分として成分(A)のみを含有してもよいし、成分(A)に加えて後述する成分(A)以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。
エポキシ樹脂組成物が、成分(A)以外のエポキシ樹脂を含有する場合、成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計(以下、「エポキシ樹脂総量」という。)100質量%中、81〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは85〜95質量%であり、さらに好ましくは91〜95質量%である。成分(A)の含有量が上記範囲内であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化時間をより短縮でき、より速硬化性に優れたプリプレグが得られる。
<成分(B)>
成分(B)は、尿素化合物である。成分(B)は、エポキシ樹脂の硬化剤または硬化促進剤としての役割を果たす。
成分(B)としては、例えば3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン(TBDMU)、メチレンジフェニルビス(ジメチルウレイド)、フェニルジメチルウレア(PDMU)、4,4’−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)(MBDMU)などが挙げられる。これらの中でもエポキシ樹脂組成物の硬化時間をより短縮できる点で、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、フェニルジメチルウレア、4,4’−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)が好ましく、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンが特に好ましい。
成分(B)としては、市販品を用いることができる。例えば2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンは、オミキュア24(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)として工業的に入手でき、フェニルジメチルウレアは、オミキュア94(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)として工業的に入手でき、メチレンジフェニルビス(ジメチルウレイド)は、オミキュア52(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)として工業的に入手でき、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素は、DCMU99(保土ヶ谷化学株式会社製)として工業的に入手できる。
成分(B)の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量部に対して、2〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜7質量部である。成分(B)の含有量が2質量部以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化時間をより短縮でき、得られるプリプレグの速硬化性がより高まる。成分(B)の含有量が多いほど硬化時間が短縮する傾向にあるが、成分(B)の含有量が多すぎるとエポキシ樹脂組成物のポットライフが短くなる傾向にある。よって、プリプレグの保存安定性を良好に維持する観点では、成分(B)の含有量は10質量部以下であることが好ましい。
<成分(C)>
成分(C)は、ジシアンジアミドである。成分(C)は、エポキシ樹脂の硬化剤または硬化促進剤としての役割を果たす。
成分(C)としては、市販品を用いることができる。成分(C)の市販品としては、例えばDICY7、DICY15(以上、三菱化学株式会社製)、DICY−F、DICY−M(以上、ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製)などが挙げられる。
成分(C)の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量部に対して、4〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜7質量部である。成分(C)の含有量が4質量部以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化時間をより短縮でき、得られるプリプレグの速硬化性がより高まる。成分(C)の含有量が多いほど硬化時間が短縮する傾向にあるが、成分(C)の含有量が多すぎるとプリプレグを用いて製造した成形品の耐熱性が低下する傾向にある。よって、成形品の耐熱性を良好に維持する観点では、成分(C)の含有量は8質量部以下であることが好ましい。
<成分(A)以外のエポキシ樹脂>
エポキシ樹脂組成物は、成分(A)以外のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」という。)を含有してもよい。成分(A)と他のエポキシ樹脂とを併用することで、エポキシ樹脂組成物の粘度を適宜に調整できるので、プリプレグのタック、ドレープ性を取扱い性に適したレベルに容易に合わすことができる。また、FRPの耐熱性や靭性等の機械特性を改良することもできる。詳しくは後述するが、他のエポキシ樹脂の中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂がエポキシ樹脂組成物に含まれていると、速硬化性を維持しつつ、エポキシ樹脂組成物の粘度、タック、ドレープ性を適宣に調整することが容易であるので好ましい。
他のエポキシ樹脂としては、例えば分子内に水酸基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に二重結合を有する化合物を酸化することにより得られる脂環式エポキシ樹脂、複素環構造を有するエポキシ樹脂、あるいはこれらから選ばれる2種類以上のタイプの基が分子内に混在するエポキシ樹脂などが用いられる。
他のエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(グリシジルエーテル型エポキシ樹脂)
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、及びこれらの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体などが挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばEPON825、jER826、jER827、jER828、jER834(以上、三菱化学株式会社製)、エピクロン850(DIC株式会社製)、エポトートYD−128(新日鐵住金化学株式会社製)、DER−331、DER−332(以上、ダウ・ケミカル日本株式会社製)、Bakelite EPR154、Bakelite EPR162、Bakelite EPR172、Bakelite EPR173、Bakelite EPR174(以上、Bakelite AG社製)などが挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばjER806、jER807、jER1750(以上、三菱化学株式会社製)、エピクロン830(DIC株式会社製)、エポトートYD−170、エポトートYD−175(以上、新日鐵住金化学株式会社製)、Bakelite EPR169(Bakelite AG社製)、GY281、GY282、GY285(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばエピクロンEXA−1514(DIC株式会社製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばデナコールEX−201(ナガセケムテックス株式会社製)などが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばjER152、jER154(以上、三菱化学株式会社製)、エピクロン740(DIC株式会社製)、EPN179、EPN180(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。
トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばTactix742(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、EPPN501H、EPPN501HY、EPPN502H、EPPN503H(以上、日本化薬株式会社製)、jER1032(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
ナフタレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばHP−4032、HP−4700(以上、DIC株式会社製)、NC−7300(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばXD−100(日本化薬株式会社製)、HP7200(DIC株式会社製)などが挙げられる。
アントラセン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばYL7172YX−8800(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)
グリシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類、アミノフェノールのグリシジル化合物、アミノクレゾールのグリシジル化合物、グリシジルアニリン類、キシレンジアミンのグリシジル化合物などが挙げられる。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類の市販品としては、例えばスミエポキシELM434(住友化学株式会社製)、アラルダイトMY720、アラルダイトMY721、アラルダイトMY9512、アラルダイトMY9612、アラルダイトMY9634、アラルダイトMY9663(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、jER604(三菱化学株式会社製)、Bakelite EPR494、Bakelite EPR495、Bakelite EPR496、Bakelite EPR497(以上、Bakelite AG社製)などが挙げられる。
アミノフェノールのグリシジル化合物、アミノクレゾールのグリシジル化合物の市販品としては、例えばjER630(三菱化学株式会社製)、アラルダイトMY0500、アラルダイトMY0510、アラルダイトMY0600(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、スミエポキシELM120、スミエポキシELM100(以上、住友化学株式会社製)などが挙げられる。
グリシジルアニリン類の市販品としては、例えばGAN、GOT(日本化薬株式会社製)、Bakelite EPR493(Bakelite AG社製)などが挙げられる。
キシレンジアミンのグリシジル化合物としては、例えばTETRAD−X(三菱瓦斯化学株式会社製)などが挙げられる。
(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)
グリシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルや、これらの種異性体などが挙げられる。
フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えばエポミックR508(三井化学株式会社製)、デナコールEX−721(ナガセケムテックス株式会社製)などが挙げられる。
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えばエポミックR540(三井化学株式会社製)、AK−601(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えばjER871(三菱化学株式会社製)、エポトートYD−171(新日鐵住金化学株式会社製)などが挙げられる。
(脂環式エポキシ樹脂)
脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、1,2−エポキシシクロヘキサン環を部分構造として有する化合物などが挙げられる。
1,2−エポキシシクロヘキサン環を部分構造として有する化合物の市販品としては、例えばセロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド3000(以上、株式会社ダイセル製)、CY179(ハンツマン・アドバンスド・マテリアル社製)などが挙げられる。
(複素環構造を有するエポキシ樹脂)
複素環構造を有するエポキシ樹脂の具体例としては、オキサゾリドン環を部分構造として有する化合物、キサンテン骨格を部分構造として有する化合物などが挙げられる。
オキサゾリドン環を部分構造として有する化合物の市販品としては、例えばAER4152、AER4151、LSA4311、LSA4313、LSA7001(以上、旭化成イーマテリアルズ株式会社製)などが挙げられる。
キサンテン骨格を部分構造として有する化合物の市販品としては、例えばEXA−7335(DIC株式会社製)などが挙げられる。
上述した他のエポキシ樹脂の中でも、分散性に優れる点で25℃における粘度が1〜30Pa・sのエポキシ樹脂が好ましい。
なお、エポキシ樹脂の25℃における粘度は、例えば、レオメトリック社製の「AR−G2」又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。
他のエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組成物の硬化時間に影響を及ぼしにくい点(すなわち、プリプレグの速硬化性を良好に維持できる点)で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、「成分(D)」という。)が好ましい。
成分(D)のエポキシ当量は、プリプレグの速硬化性を更に維持できる点で、180〜270g/eqであることが好ましく、より好ましくは180〜194g/eqである。
成分(D)のエポキシ当量は、JIS K−7236に準拠した測定により求められる。
成分(D)の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量%中、5〜19質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜9質量%である。成分(D)の含有量が上記範囲内であれば、成分(A)の効果を妨げることなく(すなわち、エポキシ樹脂組成物の硬化時間に影響を及ぼすことなく)、エポキシ樹脂組成物の粘度を適宜に調整できるので、プリプレグのタック、ドレープ性を取扱い性に適したレベルに容易に合わすことができる。
エポキシ樹脂組成物は、成分(D)以外の他のエポキシ樹脂も含有していてもよいが、プリプレグの速硬化性を良好に維持する観点から、成分(D)以外の他のエポキシ樹脂の含有量はエポキシ樹脂総量100質量%中、0.1質量%以下とすることが好ましい。特に、エポキシ樹脂組成物が、他のエポキシ樹脂として4員環以上の環構造を2つ以上有し、かつ環構造に直結したアミン型グリシジル基またはエーテル型グリシジル基を1つ有するエポキシ樹脂を含有する場合は、その含有量はエポキシ樹脂総量100質量%中、0.1質量%以下とすることが好ましい。
<熱可塑性樹脂>
エポキシ樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(以下、「成分(E)」という。)を含有してもよい。エポキシ樹脂組成物が成分(E)を含有することで、プリプレグを用いたプリフォームをプレス成形する際に、エポキシ樹脂組成物が金型内で過剰に流動し、プリプレグが蛇行(以下、「繊維蛇行」ともいう。)するのを抑制できる。上述したように、エポキシ樹脂組成物が金型内で適度に流動することは金型内からガスを排出できる点では好ましいが、金型内でのエポキシ樹脂組成物の過剰な流動によりプリプレグが蛇行すると、得られる成形品の機械特性が低下したり、外観不良を招いたりするおそれがある。
成分(E)としては、例えばポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニールホルマール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂など、エポキシ樹脂に溶解可能なものが使用できる。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の硬化時間に影響を及ぼすことなく(すなわち、プリプレグの速硬化性を損なわずに)、エポキシ樹脂組成物の流動性を容易に制御できる点で、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂が好ましく、ポリエーテルスルホン樹脂がより好ましい。
(ポリエーテルスルホン樹脂)
ポリエーテルスルホン樹脂の質量平均分子量は10,000〜60,000であることが好ましく、より好ましくは20,000〜50,000である。ポリエーテルスルホン樹脂の質量平均分子量が10,000以上であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなりすぎることを防ぐことができ、適正な配合量でエポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整できる。一方、ポリエーテルスルホン樹脂の質量平均分子量が60,000以下であれば、エポキシ樹脂への溶解が可能であり、極少量の配合量でもエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎることを防ぐことができ、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整できる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、ウルトラゾーンE1010、E2020P、E3010、E6020P、S3010、S6010(以上、BASF社製)、スミカエクセルPES3600P、PES4800P、PES5003P(以上、住友化学株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、少量の添加でエポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に調整でき、またエポキシ樹脂への溶解性にも優れる点から、E2020P(BASF社製、質量平均分子量32,000)が好適である。
ポリエーテルスルホン樹脂の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量に対して、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは4〜10質量部であり、さらに好ましくは4〜8質量部である。ポリエーテルスルホン樹脂の含有量が1質量部以上であれば、プレス成形時(特にハイサイクルプレス成形時)において、エポキシ樹脂組成物が流動しすぎることによる金型からの流出を抑制でき、樹脂枯れ等の表面欠陥が抑制された成形品を得ることができる。一方、ポリエーテルスルホン樹脂の含有量が15質量部以下であれば、エポキシ樹脂への溶解が容易となり、またエポキシ樹脂組成物の硬化物(成形品)のガラス転移温度(Tg)の低下や硬化速度の低下を抑制することができる。特に、ポリエーテルスルホン樹脂の含有量が、4質量部以上であればエポキシ樹脂組成物の金型からの流出をより抑制でき、10質量部以下であればエポキシ樹脂への溶解がより容易となり、またエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgの低下や硬化速度の低下をより抑制できる。
(フェノキシ樹脂)
フェノキシ樹脂の質量平均分子量は50,000〜80,000であることが好ましい。フェノキシ樹脂の質量平均分子量が50,000以上であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなりすぎることを防ぐことができ、適正な配合量でエポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整できる。一方、フェノキシ樹脂の質量平均分子量が80,000以下であれば、エポキシ樹脂への溶解が可能であり、極少量の配合量でもエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎることを防ぐことができ、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整できる。
フェノキシ樹脂の具体例としては、YP50、YP50S、YP70(以上、東都化成株式会社製)、jER1256、jER4250、jER4275(以上、三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
フェノキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量に対して、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜25質量部であり、さらに好ましくは10〜20質量部である。フェノキシ樹脂の含有量が1質量部以上であれば、プレス成形時(特にハイサイクルプレス成形時)において、エポキシ樹脂組成物が流動しすぎることによる金型からの流出を抑制でき、樹脂枯れ等の表面欠陥が抑制された成形品を得ることができる。一方、フェノキシ樹脂の含有量が30質量部以下であれば、エポキシ樹脂への溶解が容易となり、またエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgの低下や硬化速度の低下、成形品表面の硬化樹脂(エポキシ樹脂組成物の硬化物)の濁りを抑制することができる。特に、フェノキシ樹脂の含有量が、5質量部以上であればエポキシ樹脂組成物の金型からの流出をより抑制でき、25質量部以下であればエポキシ樹脂への溶解がより容易となり、またエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgの低下や硬化速度の低下、硬化物の濁りをより抑制できる。
<任意成分>
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、任意成分を含んでいてもよい。
任意成分としては、ゴム粒子、シリカ粉末、二酸化ケイ素、マイクロバルーン、三酸化アンチモン、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の無機粒子、リン化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の難燃剤、カーボンブラック、活性炭等の炭素粒子、消泡剤、湿潤剤、内部離型剤などの添加剤が挙げられる。これら添加剤は、目的に応じてエポキシ樹脂組成物に配合される。
<製造方法>
エポキシ樹脂組成物は、公知の方法に従って製造できる。例えば、上述した成分(A)、成分(B)、及び成分(C)と、必要に応じて他のエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、任意成分とを適量ずつ添加して混合することにより、エポキシ樹脂組成物を製造する。
各成分を混合する際の混合温度は、50〜65℃であることが好ましく、より好ましくは55〜60℃である。混合温度が50℃以上であれば、各成分を容易に混合できる。一方、混合温度が65℃以下であれば、エポキシ樹脂組成物が混合中に硬化することを抑制できる。
なお、成分(B)が固体状である場合は、液状の成分(A)や他のエポキシ樹脂に予め均一に混合した後に、残りの成分と混合してもよい。成分(C)についても同様である。
また、熱可塑性樹脂は、液状の成分(A)や他のエポキシ樹脂に予め溶解させた後に、残りの成分と混合してもよい。
<物性>
(粘度)
エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度は、2.00〜20.00Pa・sであることが好ましく、より好ましくは2.00〜10.00Pa・sであり、さらに好ましくは3.00〜8.00Pa・sである。
ここで、100〜150℃における最低粘度とは、エポキシ樹脂組成物を加熱した場合に100℃から150℃までの温度範囲内における粘度(昇温粘度)の最低値を意味する。
昇温粘度は、例えば、レオメトリック社製の「AR−G2」又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。
100〜150℃における最低粘度を2.00Pa・s以上とすることにより、エポキシ樹脂組成物が適度な流動性を示し、プレス成形時(特にハイサイクルプレス成形時)にエポキシ樹脂組成物が金型内で過剰に流動することを抑えることができ、高品質な成形品が得られる。さらに、金型のシアエッジ部からエポキシ樹脂組成物が流出して成形品に外観不良が生じたり、繊維蛇行が生じたりすることを抑制することができる。また、金型内のエジェクターピンやエアー弁等にエポキシ樹脂組成物が流入して金型の動作不良が生じることを防止できる。一方、100〜150℃における最低粘度を20.00Pa・s以下とすることにより、成形時の粘度が高すぎるためにエポキシ樹脂組成物の流動が不十分になり、金型からガスが抜け難くなって欠陥になったり、成形品に未充填部分が残ったりすることを防止できる。プレス成形時におけるエポキシ樹脂組成物の金型内での過剰な流動、金型のシアエッジ部からの流出、金型内のエジェクターピンやエアー弁等への流入や、繊維蛇行をより抑制でき、しかも金型からガスが抜け難くなって欠陥になったり、成形品に未充填部分が残ったりすることをより防止できる観点から、エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度は、2.00〜10.00Pa・sであることがより好ましく、さらに好ましくは3.00〜8.00Pa・sである。
また、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度は、10,000〜100,000Pa・sであることが好ましい。プリプレグのプレス成形においては、通常、成形前にプリプレグを所定の形状に切断し、積層してプリフォームとするが、30℃における粘度が10,000Pa・s以上であれば、常温における積層作業でプリプレグのベタツキが少なく、良好な作業性が得られる。一方、30℃における粘度が100,000Pa・s以下であれば、プリプレグが十分な柔軟性を維持しており、プリフォーム作成作業でプリプレグを金型の形状に合わせて積層していくために必要な賦形性が維持できる。
エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度は、前記最低粘度と同様に、例えば、レオメトリック社製の「AR−G2」又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。
エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度、及び30℃における粘度は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、他のエポキシ樹脂、及び熱可塑性樹脂の種類や含有量により調節することができる。
(ガラス転移温度)
エポキシ樹脂組成物の硬化物(成形品)のTgは、硬化温度の−30℃以上であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物の硬化物のTgが硬化温度の−30℃以上であれば、成形型(金型)からの脱型が容易でかつ脱型後の変形が起こり難い。
「プリプレグ」
本発明のプリプレグは、上述したエポキシ樹脂組成物を繊維補強材に含浸してなるものである。
<繊維補強材>
繊維補強材としては、FRPの補強材として通常用いられる繊維を用いることができ、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、鉱物繊維(例えばバサルト繊維等)などが挙げられる。これらの中でも、軽量かつ高強度で高弾性率を有し、耐熱性、耐薬品性にも優れる点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN系)、レーヨン系等の種類が挙げられ、いずれの炭素繊維を用いてもよいが、炭素繊維の生産性の面からPAN系炭素繊維の使用がより好ましい。繊維補強材の形態としては、ミルドファイバー状、チョップドファイバー状、連続繊維、各種織物等の形態が挙げられる。
<プリプレグの製造方法>
本発明のプリプレグは、繊維補強材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることで得られる。プリプレグの製造方法としては、例えば、離型紙上に薄く塗布したエポキシ樹脂組成物と各種形態の繊維強化材とを接触させて含浸させるプリプレグ法が挙げられる。
<作用効果>
以上説明した本発明のプリプレグは、上述した特定のエポキシ樹脂組成物が繊維補強材に含浸してなる。該エポキシ樹脂組成物は短時間で硬化が可能であるため、本発明のプリプレグは速硬化性を有する。よって、本発明のプリプレグは、自動車部材のような量産性が求められる部材の材料に適しており、特に、ハイサイクルプレス成形に用いれば、高品質なFRPからなる成形品を高い生産性で製造できる。このように、本発明のプリプレグは、ハイサイクルプレス成形用として好適である。
また、エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度、及び30℃における粘度を制御すれば、常温における取り扱い性に優れ、かつ成形時において金型内でのエポキシ樹脂組成物の過剰な流動が抑制される。さらに、エポキシ樹脂組成物が成分(E)として特定量のポリエーテルスルホン樹脂やフェノキシ樹脂を含有していれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物のTgの低下及び硬化速度の低下を抑制することができる。よって、より高品質なFRPからなる成形品を作業性よく製造できる。
「成形品の製造方法」
本発明の成形品の製造方法は、本発明のプリプレグを用いたプリフォーム(成形材料)を金型に配置し、高温高圧の条件下で加熱加圧し、プリフォームを硬化させて成形することにより成形品を得る方法である。
<金型>
本発明の成形品の製造方法に用いる金型としては、プリフォームを高温高圧下で硬化させることのできる金型であればよく、金型を閉じた時に該金型の内部を気密に保つことのできる構造を有する金型を用いることが好ましい。
ここで、「気密」とは、金型を満たすのに十分な量のプリフォームを金型内に入れ、加圧した際にもプリフォームを構成するエポキシ樹脂組成物が金型から実質的に漏れ出さないことをいう。
内部を気密に保つ金型としては、金型を締めた時に上型・下型(雄型・雌型)が接触する部分にシアエッジ構造(図1参照)やゴムシール構造を採用した金型が挙げられる。また、金型の内部を気密に保つものであれば公知のいかなる構造を採用した金型であってもよい。
図1は、本発明の成形品の製造方法に使用できる金型の一実施形態例を示した断面図である。
この例の金型1は、上型(雌型)2と下型(雄型)3とを有する。上型2には雌型シアエッジ部4が設けられており、下型3には雄型シアエッジ部5が設けられている。そして、シアエッジ構造(雌型シアエッジ部4及び雄型シアエッジ部5)により、上型2と下型3を閉じた際に金型1の内部が気密に保たれる。
また、金型1を閉じた時に金型1の内部に残存する空気は、成形品(FRP)表面のピンホールや成形品内部のボイドの原因となる場合があるが、金型1として脱気機構(図示略)を有する金型を用い、金型1の内部のすべてをプリフォームで満たす際に、脱気機構を用いて脱気することにより、金型1の内部に残存する空気を効果的に脱気することが可能である。脱気機構としては、例えば、金型1の下型3に開閉可能な孔(例えば、国際公開第2004/048435号に記載の孔)を設けて空気を金型1外部に開放する機構や、該孔に更にポンプを設け、減圧する機構等が挙げられる。この場合、脱気は、金型1の内部全てをプリフォームで満たす瞬間まで開孔しておき、加圧時に閉じることにより行なわれる。
さらに、成形品の成形終了後、該成形品の取り出しを容易にするために、エジェクターピンやエアー弁等の成形品を脱型する機構(図示略)を金型1に取り付けることもできる。この機構は、金型1の冷却を待たずに容易に成形品を取り出すことが可能となるので大量生産に好適である。
なお、脱型する機構は、エジェクターピン、エアー弁以外の従来公知のいかなる機構であっても構わない。
<製造方法>
以下、本発明の成形品の製造方法の実施形態の一例として、図1に例示した金型1を用いた方法について説明する。
まず、金型1をエポキシ樹脂組成物の硬化温度以上まで調温した後、下型3上にプリフォーム(成形材料)6を配置する(図1(A))。プリフォーム6は、本発明のプリプレグを積層したものである。プリプレグは、予め必要に応じて切断しておいてもよい。
ついで、上型2及び下型3を閉じ、加圧して成形する(図1(B))。
エポキシ樹脂組成物は金型1の外へはほとんど流出することはなく、プリフォーム6は加圧されて金型1の内部の全てを満たすこととなる。
また、金型1内でのエポキシ樹脂組成物の流動を抑えて成形品の繊維蛇行を抑制する点から、金型1に入れる前のプリフォーム6(図1(A)におけるプリフォーム6)の片面表面積を、金型1を閉じた時にプリフォーム6のその片面と接触する金型内部の表面積(得られる成形品の片面表面積と同じ表面積である。)に近づけておくことが好ましい。ここで、プリフォーム6の片面表面積とは成形品を構成する2面(上型2及び下型3と接する面)のうちの一方の面の表面積であり、いずれの面についても同様のことが言える。
具体的には、プリフォーム6の片面表面積Sと、金型1を閉じた時の金型内部における前記プリフォーム6の片面との接触面の表面積Sとの比S/Sが0.8〜1であることが好ましい。S/Sが0.8以上であれば、金型1の内部におけるエポキシ樹脂組成物の流動を抑えやすいため、繊維蛇行が生じ難くなる。また、S/Sが1以下であれば、プリフォームの周縁部が金型1からはみ出して金型1を閉じる際に障害や成形品内のプリフォーム不足が生じたりすることを抑制しやすい。また、金型1内でプリフォーム6が折り畳まれて繊維配向の乱れが生じることを防止しやすい。
また、特に高品質な成形品を得る場合は、プリフォーム6の体積及び高さについても、得られる成形品(金型1を閉じた時の金型内部の形状)に近いものを用いることが好ましい。具体的には、金型1の内部に入れるプリフォーム6の体積を得られる成形品の体積の100〜120%、プリフォーム6の厚みを得られる成形品の厚みの100〜150%とすることが好ましい。
金型1の内部に入れるプリフォーム6の体積が得られる成形品の体積の100%未満であると、プリフォーム6に十分な圧力がかかり難くなる。一方、金型1の内部に入れるプリフォーム6の体積が得られる成形品の体積の120%を超えると、金型1を閉める際に金型1の気密性が得られる以前にプリフォーム6が流出しやすくなる。
また、プリフォーム6の厚みが得られる成形品の厚みの100%未満の場合、及び150%を超える場合には、プリフォーム6の全面を均等に加圧することが難しくなる。ここで、プリフォーム6の厚み及び得られる成形品の厚みとは、それぞれプリフォーム6及び得られる成形品の厚みを平均した厚みである。
硬化温度は、130〜150℃である。硬化温度が130℃以上であれば、充分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性で成形品を得ることができる。一方、成形温度が150℃以下であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなり過ぎることによる、金型1内におけるエポキシ樹脂組成物の過剰な流動を抑えることができ、金型1からのエポキシ樹脂組成物の流出や繊維蛇行を抑制できるため、高品質な成形品が得られる。
また、成形時の圧力は、1〜15MPaであり、好ましくは10〜15MPaである。圧力が1MPa以上であれば、エポキシ樹脂組成物の適度な流動が得られ、ガス抜けが悪いことによる外観不良やボイドの発生を防ぐことができ、プリフォームがしっかりと金型に密着するため良好な外観品質を得ることができる。一方、圧力が15MPa以下であれば、エポキシ樹脂組成物を必要以上に流動させることによる外観不良や、金型に必要以上の負荷をかけることによる変形等の問題を抑制できる。
また、硬化時間は1〜10分間である。これにより高い生産性で優れた品質の成形品を製造することができる。
<作用効果>
以上説明した本発明の成形体の製造方法によれば、硬化時間の短縮により成形品を量産できる。しかも、本発明によれば、成形時に金型に不良が生じることを抑制することができ、また外観不良、性能不良等を抑えた高品質な成形品を高い生産性で得ることができる。
本発明の成形体の製造方法は、特に、自動車部材等の用途で使用される成形時間が1〜10分程度と極めて成形サイクルの短い、成形品(FRP)のハイサイクルプレス成形に好適に用いることができる。
なお、本発明の成形体の製造方法は、図1に例示した金型1を用いる方法には限定されない。前述の高温高圧下において短時間で硬化させることができる金型であれば、図1に例示した金型1以外の金型を用いる方法であってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各例で用いたエポキシ樹脂組成物の原料、及び各種測定方法を以下に示す。
なお、実施例5、6は参考例である。
「原料」
<成分(A)>
TG3DAS:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(小西化学工業株式会社製、「TG3DAS」、エポキシ当量:136g/eq)
<成分(B)>
PDMU:フェニルジメチルウレア(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、「オミキュア94」)
MBDMU:4,4'−メチレンビス(ジフェニルジメチルウレア)(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、「オミキュア52」)
TBDMU:2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、「オミキュア24」)
<成分(C)>
DICY:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社製、「jERキュアDICY15」)
<成分(D)>
jER834:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER834」、エポキシ当量:250g/eq)
jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER828」、エポキシ当量:189g/eq)
<成分(E)>
E2020P:ポリエーテルスルホン樹脂(BASF社製、「ウルトラゾーンE2020P」、質量平均分子量:32,000)
YP50S:フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、「フェノトートYP50S」、質量平均分子量:50,000〜70,000)
<成分(A)〜成分(E)以外の成分(その他の成分)>
jER807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER807」、エポキシ当量:168g/eq)
jER604:4−4’テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(三菱化学株式会社製、「jER604」、エポキシ当量:120g/eq)
予備反応エポキシ樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER828」、エポキシ当量:189g/eq)100質量部に、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製、「セイカキュアーS」、活性水素当量:62g/eq)9質量部を配合し、160℃で6時間、予備反応させて得られたエポキシ樹脂。
EXA1514:ビスフェノールS型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、「EPICLON EXA1514」、エポキシ当量:300g/eq)
「測定方法」
(100〜150℃における最低粘度、及び30℃における粘度の測定)
エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度、及び30℃における粘度は、以下の条件にて測定した。なお、最低粘度については、100℃付近で最低の粘度が確認され、それ以降粘度が上昇したため、120℃までの測定とした。
装置:ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、「AR−G2」
測定モード:パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)
周波数:1Hz
温度設定:30℃から2℃/分で120℃にまで昇温しながら粘度を測定した。
(成形品Tgの測定)
成形品Tgは、以下のようにして測定した。
湿式カッターを用いて成形品を幅12.6mm、長さ55mmの寸法にてカットし、これを動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、「ARES−RDA」にセットし、昇温速度5℃/ステップ、周波数10ラジアン/秒の測定条件で測定を行い、図3に示すように、温度に対して貯蔵弾性率(G’)の対数値をプロットし、得られたG’曲線のガラス弾性領域の接線(I)と転移領域の接線(I)の交点での温度を成形品Tgとした。
(100%キュアー時間の測定)
エポキシ樹脂組成物の100%キュアー時間(最大トルク値に到達する時間)は、以下のようにして求めた。
まず、日合商事株式会社製の「キュラストメーター IIF−HT」を使用し、ダイ温度140℃でのトルク値(N・m)の変化を測定し、図2に示すような時間−トルク曲線を得た。ついで、該曲線からトルク値が変化しなくなる最大トルク値(Tmax)を求め、測定開始からTmaxに到達するまでに要した時間を求め、これを100%キュアー時間(t100)とした。測定条件を以下に示す。
装置:キュラストメーター(日合商事株式会社製、「キュラストメーター IIF−HT」)
測定モード:P.P.(ピーク測定モード)
振動数:6 CPM
振幅角度:±3°
測定温度:140℃
(ゲルタイムの測定)
エポキシ樹脂組成物の100%キュアー時間の測定方法と同様にして、ダイ温度140℃でのトルク値(N・m)の変化を測定した。測定開始からトルク値が0.04N・mに到達するまでに要した時間を求め、これをゲルタイムとした。
(樹脂フローの測定)
エポキシ樹脂組成物の樹脂フロー(金型シアエッジからの樹脂流出量)は、下記式(1)より求めた。なお、式(1)中の「W1」は成形前のプリフォームの質量(g)であり、「W2」は成形後の成形品(バリ除去後)の質量(g)である。
樹脂フロー(質量%)=(W2−W1)/W1×100 ・・・(1)
「実施例1」
<エポキシ樹脂組成物の調製>
表1に記載の配合組成に従って各原料を容器に秤量した後、攪拌機(株式会社キーエンス製、「ハイブリッドミキサーHM−500」)を使用して内容物が均一となるまで65℃で混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
なお、表1中の各成分の数値は、エポキシ樹脂組成物に配合する各成分の質量部数を表す。
得られたエポキシ樹脂組成物について、100〜150℃における最低粘度、30℃における粘度、100%キュアー時間、及びゲルタイムを測定した。結果を表1に示す。
<プリプレグの作製>
先に調製したエポキシ樹脂組成物を簡易型ロールコーターで離型紙上に樹脂目付133g/mで均一に塗布して樹脂層を形成した。ついで、前記樹脂層に繊維補強材として3K平織り炭素繊維クロス(三菱レイヨン株式会社製、「TR3110M」)を貼り付けた後、ローラーで100℃、線圧0.1MPaで加熱及び加圧してエポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させ、繊維目付が200g/m、樹脂含有率が40質量%のプリプレグを作製した。
<成形品の製造>
先に作製したプリプレグを縦298mm×298mmに切断し、繊維の配向方向が0°と90°が交互になるように10枚(厚さ22mm、層体積195.4cm、片面表面積S(下面の表面積)888.0cm)積層したプリフォームを用意した。
金型は図1に例示した金型1を用いた。金型1の下型3のプリフォーム6と接触する面(プリフォームの厚み部分と接触する面を除く)の表面積Sは900.0cmであった。S/Sは、888.0/900.0=0.987であった。
金型1の上型2及び下型3を予め140℃に加熱し、下型3上に前記プリフォーム6を配置し、すぐに上型2を降ろして金型1を閉め、10MPaの圧力をかけて5分間加熱加圧して硬化させ、硬化後に金型1から取り出して成形品を得た。
得られた成形品のTg(成形品Tg)を測定し、また、樹脂フローを測定した。結果を表1に示す。
「実施例2〜21、比較例1、2」
配合組成を表1〜表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、各測定を行った。結果を表1〜表4に示す。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグを作製した。該プリプレグを用いて成形品を製造し、各測定を行った。結果を表1〜表4に示す。
Figure 0006459475
Figure 0006459475
Figure 0006459475
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表1〜表3の結果から明らかなように、各実施例で調製したエポキシ樹脂組成物は、成形時間の目安となる100%キュアー時間が短かった。よって、これらエポキシ樹脂組成物を用いて作製した各実施例のプリプレグは、速硬化性を有し、FRP(成形品)の量産性に優れていることが示された。
また、各実施例の場合、金型のシアエッジからの樹脂フローが抑えられており、樹脂枯れが生じておらず、外観に優れた成形品を得ることができた。特に、エポキシ樹脂組成物が成分(E)を含有する実施例16〜21は、樹脂フローがより抑えられていた。
一方、成分(A)の代わりに、その他の成分として予備反応エポキシ樹脂AまたはEXA1514を用いて調製した各比較例のエポキシ樹脂組成物は、その他の成分以外は配合組成が同じである実施例1のエポキシ樹脂組成物に比べて、100%キュアー時間が長かった。
本発明のプリプレグ及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法は、優れた品質の成形品を高い生産性で製造できるため、自動車部品等の用途のFRPのハイサイクルプレス成形による製造に好適に使用できる。
1 金型
2 上型
3 下型
4 雌型シアエッジ部
5 雄型シアエッジ部
6 プリフォーム

Claims (14)

  1. 下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含有するエポキシ樹脂組成物を繊維補強材に含浸してなり、
    前記エポキシ樹脂組成物が下記成分(A)以外のエポキシ樹脂を含有し、当該エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量%中、下記成分(A)の含有量が81〜95質量%である、プリプレグ。
    成分(A):N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
    成分(B):尿素化合物
    成分(C):ジシアンジアミド
  2. ハイサイクルプレス成形用である、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量%中、前記成分(A)の含有量が91〜95質量%である、請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、前記成分(B)の含有量が2〜10質量部である、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、前記成分(C)の含有量が4〜8質量部である、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ。
  6. 前記成分(B)が2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンである、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ。
  7. 前記成分(B)がフェニルジメチルウレアである、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ。
  8. 前記エポキシ樹脂組成物が下記成分(D)をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ。
    成分(D):ビスフェノールA型エポキシ樹脂
  9. 前記成分(D)のエポキシ当量が180〜270g/eqである、請求項に記載のプリプレグ。
  10. 前記成分(D)のエポキシ当量が180〜194g/eqである、請求項に記載のプリプレグ。
  11. 前記エポキシ樹脂組成物が下記成分(E)をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリプレグ。
    成分(E):熱可塑性樹脂
  12. 前記成分(E)が質量平均分子量10,000〜60,000のポリエーテルスルホン樹脂であり、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、当該成分(E)の含有量が4〜10質量部である、請求項11に記載のプリプレグ。
  13. 前記成分(E)が質量平均分子量50,000〜80,000のフェノキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂の含有量の合計100質量部に対して、当該成分(E)の含有量が5〜25質量部である、請求項11に記載のプリプレグ。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のプリプレグを用いたプリフォームを金型内に配置し、該プリフォームを130〜150℃、1〜15MPaの条件下で1〜10分間加熱加圧する、成形品の製造方法。
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