JP2006204158A - 黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】栽培瓶などに培地を充填して栽培するきのこの人工栽培にあって、黒あわび茸にかかる好適な栽培技術は確立していないため、良質な黒あわび茸を効率よく栽培できる黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設を提供すること。
【解決手段】黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、その栽培空気の温度幅の範囲で1時間から3時間の所定の時間ごとに繰り返し連続して冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行い、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、黒あわび茸の栽培方法と、黒あわび茸の栽培施設に関する。
きのこの人工栽培においては、栽培室の空調装置を制御し、栽培するきのこの品種に応じて一定の栽培環境を維持する栽培方法が実施されている。
例えば、きのこ栽培の栽培室内の温度、湿度等の環境条件を好適に維持するための栽培室の制御装置が提案されている。(特許文献1参照)。
特開平5−76243号公報(第1頁)
上記の栽培室の制御装置などは、既に人工栽培されている品種のきのこを対象にするものであり、栽培環境を一定に維持するためのものである。
これに対して、[黒あわび茸」という人工栽培をする対象としては新しい品種のきのこを、好適に栽培する栽培方法や栽培施設を提案するものはなかった。
黒あわび茸は、中華料理の高級食材の一つとして珍重されている。笠の表面が黒ずんだ色を呈し、調理したときの風味や歯応えが「あわび」に似ていることから、「黒あわび茸」と呼ばれている。一部はインターネットを介して販売されている。
黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設に関して解決しようとする問題点は、栽培瓶などに培地を充填して栽培するきのこの人工栽培にあって、黒あわび茸にかかる好適な栽培技術が確立していない点にある。
そこで、本発明の目的は、良質な黒あわび茸を効率よく栽培できる黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法の一形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で所定の時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行うことを特徴とする。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法の他の形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、一定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で一定時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行い、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却することを特徴とする。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法の他の形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で1時間から3時間の所定の時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行い、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却することを特徴とする。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法の一形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、子実体を発生させて生育させる栽培室内の湿度を高めるため、床に水を撒くことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法の一形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、子実体を発生させて生育させる栽培室内の湿度を高めるため、床に撒かれた水を好適に蒸発させるように栽培室内の空気循環を行うことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培施設の一形態によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程に用いられる黒あわび茸の栽培施設であって、子実体を発生させて生育させる栽培室内の栽培空気を冷却する冷房装置と、前記栽培室内の栽培空気を加熱する加熱装置と、前記冷房装置の動作を制御するために冷房装置の設定温度に対する栽培室内の温度を検出し、前記加熱装置による加熱を始めるか否かのモードを決定するために前記冷房装置によって冷却した後で所定の時間が経過した栽培室内の温度を検出すると共に、前記加熱装置の動作を制御するために栽培空気の加熱途中に栽培室内の温度を検出する温度センサーと、該温度センサーからの情報に基づいて冷房装置及び加熱装置を制御する制御装置とを具備することを特徴とする。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培施設の一形態によれば、前記温度センサーは、冷房装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を一つずつ発生させることのできる主力接点を一つと、モードの決定と加熱装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を二つずつ発生させることのできるイベント接点を複数備える温度指示調整計であり、前記制御装置は、一つのイベント接点について二つの温度制御用の論理接点を得るように論理回路を組むことのできるシーケンサーであることを特徴とすることができる。
本発明の黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設によれば、黒あわび茸を独特で好適な栽培環境で栽培することができる。
従って、良質な黒あわび茸を効率よく栽培できるという有利な効果を奏する。
以下、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設の最良の形態の一例を添付図面(図1)と共に詳細に説明する。図1は本発明にかかる黒あわび茸の栽培室の時間経過と制御された温度変化との関係を示す時間経過図である。
本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法によれば、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理する。所定の温度幅とは、例えば20℃(低温)から25℃(高温)を栽培空気の温度と設定した場合の温度差5℃のことである。その温度範囲から極力逸脱しないように空調管理をする。
なお、黒あわび茸は、通常のきのこの栽培温度よりも高い温度帯を好む性質があり、18℃から30℃程度が子実体を発生させて生育させる工程について好ましい温度範囲となっている。さらに、より好ましくは20℃から25℃程度の温度範囲となる。
また、温度差は4℃から7℃が好ましく、より好ましくは5℃前後である。温度差が小さ過ぎると刺激が不十分で効果が小さく、大き過ぎると黒あわび茸へのストレスが大きくなって逆効果となってしまう。
そして、栽培空気の温度幅の範囲で1時間から3時間の所定の時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行う。このように、冷却刺激は、一定の比較的短い時間のサイクルで繰り返し連続して行われることになる。
好ましくは1時間15分(75分間)から2時間(120分間)を1サイクルにするとよい。より好ましくは1時間30分(90分間)を1サイクルにするとよい。
適度な周期で適度な冷却刺激が行われると、品質の高い黒あわび茸を効率良く収穫できる。冷却刺激が頻繁過ぎると、落差のある冷却が十分になされず、効果が小さい。また、1サイクルの時間が長過ぎると、効率よく冷却刺激を与えることができないため、効果の小さいことが検証されている。なお、通常の加熱装置の能力との関係から1時間より短いサイクルは実施が難しいという制約もある。
また、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却するとよい。温度変化の勾配が冷却の際に急であることによって、衝撃的な冷却(温度ショック)を与えることができる。
なお、冷却は、冷房装置によって強制的に冷却する場合と外界の雰囲気によって自然に冷却される場合のどちらか或いは両方によってなされる。また、加熱は、暖房装置(加熱装置)によって強制的に加熱する場合と外界の雰囲気によって自然に加熱される場合のどちらか或いは両方によってなされる。
また、本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法においては、黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、子実体を発生させて生育させる栽培室内の湿度を高めるため、床に水を撒き、その床に撒かれた水を好適に蒸発させるように栽培室内の空気循環を行うとよい。黒あわび茸は高い湿度を好むため、湿度の設定は100%にしておくとよい。
以上のような栽培方法を実現するためには、以下のような空調関連装置を構成要素とする黒あわび茸の栽培施設を用いればよい。
すなわち、子実体を発生させて生育させる栽培室内の栽培空気を冷却する冷房装置、前記栽培室内の栽培空気を加熱する加熱装置、冷房装置の動作を制御するために冷房装置の設定温度に対する栽培室内の温度を検出し且つ加熱装置による加熱を始めるか否かのモードを決定するために冷房装置によって冷却した後で所定の時間が経過した栽培室内の温度を検出すると共に加熱装置の動作を制御するために栽培空気の加熱途中に栽培室内の温度を検出する温度センサー、その温度センサーからの情報に基づいて冷房装置及び加熱装置を制御する制御装置を構成要素とする。モードを決定することで、好適且つ効率良く加熱することができる。
そして、前記温度センサーは、冷房装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を一つずつ発生させることのできる主力接点を一つと、モードの決定と加熱装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を二つずつ発生させることのできるイベント接点を複数備える温度指示調整計とすることができる。
また、前記制御装置は、一つのイベント接点について二つの温度制御用の論理接点を得るように論理回路を組むことのできるシーケンサーとすることができる。
このような構成からなる栽培装置によれば、安価に構築できると共に信頼性の高い好適な空調制御ができる。
本発明にかかる黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設の実施例1を添付図面(図2〜8)に基づいて説明する。
先ず、黒あわび茸の子実体を発生させて生育させる栽培段階に関連するため、その前段階である菌糸の培養について概要を説明する。
培養室用の空調制御盤を使い、きのこ栽培瓶内の発生熱を適度に抑えながら培養する。
室内温度を所定の時間で所定の温度下げることで、栽培瓶内の温度を適正に保つ。例えば、室内温度を5分で2℃下げることにより、きのこ栽培瓶内のきのこ培地の温度を、約0.2℃だけ下げることができる。
また、冷房動作の終了後所定の時間が経過した時、室内温度が所定の温度上昇していなくとも一定以上上昇している場合は冷房運転を行い、きのこ培地の温度を適正に維持させる。例えば、冷房動作の終了後20分経過した時、室内温度が2℃上昇していなくとも0.2℃以上上昇している場合は、冷房動作をスタートさせ、きのこ栽培瓶内の温度が上昇することを抑えるようにする。
このようにきのこ培地の温度を制御することで、培養設定温度を通常より上げる(例えば、1℃〜2℃程度)ことができ、培養期間の短縮、夏場の冷房コストの削減が可能となる。
クーラーファンは、モード決定後、例えば約1時間(つまり3回に1回)に3分間休ませる他は常時空回しをする。このとき、乾燥を防ぐため、加湿器を動作させると共に、床に大量の水をまく。湿度設定は例えば80%程度とする。風速は床上で、例えば0.5m/sec〜1.2m/sec程度になるように、インバーター等を使う。これは通常の培養室の空気循環に比べ、かなり強め且つ長時間の設定であり、冷房効果及び酸素供給効果と共に、床上に撒いた水を蒸発させることが重要な目的の一つである。
また、換気は例えば約1時間から2時間に5分行う。その頻度は部屋の状況によって異なるが、制御盤の機能により、低温モードにおいては例えば3時間に1回、高温モードにおいては例えば1時間に1回程度となるように自動変更させ、換気寸前で二酸化炭素濃度が例えば9000ppm以下となるようにする。
また、換気の動作タイミングは、冷房動作が終了した後の例えば3分後から8分後の各回毎のモード決定中に行う。これは、外部の状況をモード決定に反映しやすくすると共に、モード決定後の3分間のクーラー空回し休止と重ならないようにするためである。
次に、黒あわび茸の子実体の発生と生育にかかる栽培段階について概要を説明する。
発生室専用の空調制御盤を使い、定期的(例えば1.5時間程度毎)に冷却刺激を与えながら、発生、生育させる。なお、温度調整の制御の詳細については、図2〜5に基づいて後述する。
冷却刺激が不足した場合、発芽が悪くなり、色も、薄茶色になり、肉も薄くなることがわかっている。
黒あわび茸の場合、菌かきは不要であるが、菌水は必要である。
また、発生、栽培温度は23℃から25℃と、高温が適温であるため、寒冷地にては加熱設備が必須であり、乾燥を防ぐためと制御及び安全面からも電気温度床線を天井に敷設して使用する。なお、クーラーの空回しにより、上下温度差は小さい。温床線の容量の目安は、その部屋を冷やす冷凍機の電動機出力程度(つまり、冷房出力の約1/4程度)であり、30立方メートルあたり約1kw程度である。これ以下の場合、寒冷地においては冬場に1時間半毎の冷却刺激は難しくなる。
クーラーファンは全速で、1時間に3分間休ませる他は常時空回しをする。風速は栽培棚下段において、ビン上で、0.5〜1.2m/sec程度は必要である。このとき、乾燥を防ぐため、加湿器を動作させると共に、床に水を定期的に撒く。湿度設定は100%とする。湿度が不十分であると、発芽が悪くなり、笠が逆開きに上がってしまい、ひどいときには、そのまま枯れてしまう。
換気は1.5時間に5分間程度行う。そのタイミングのとり方、頻度のモードごとの自動調節の方法は、培養室の場合と同様である。
二酸化炭素濃度は換気寸前で、1000ppm程度になるようにする。
次に、黒あわび茸の子実体の発生と生育にかかる栽培施設での温度制御について詳細に説明する。
図2〜5は、時間(冷房動作完了後経過時間)と制御された栽培室内温度(室内温度から冷房設定温度を引いた偏差)との関係を示した時間経過図である。図3は低温モード、図4は中温モード、図5は高温モード、図2は全てのモードについての折線グラフとなっている。なお、以下の説明の経過時間は、全て、冷房(電磁弁)動作が、終了した時点より計測した経過時間である。
冷房が停止してから所定の時間(例えば図2〜5に示すように約10分間)、冷房、暖房の運転(動作)を禁止し、ファンは継続して空回しを行い、各サイクル(ターン)毎の動作モード(高温、中温、低温)を決定する(3)。
通常冷房動作が終了しても、室温はオーバーシュートによって、基準温度よりも一旦ある程度下がってから徐々に上昇に転じる。このため、10分後の温度帯が、所定の高温側の設定温度(1)、所定の低温側の設定温度(2)を境にどこまで上昇しているかを調べ、モードを決定する。
以上に説明した10分間の内、例えば図2〜5に示すように約3分後から約8分後までの約5分間について、各ターン毎に換気動作を行い、室外の状況をモード決定にさらに反映させやすくする(4)。
モード決定後、約3分間クーラーファン(冷房も)を停止させる(5)。
低温モードであった場合、図2及び3に示すように、モード決定後即、すなわち経過時間約10分後より、第1加熱設定温度(18)を目標に加熱動作を開始する(6)。
中温モードであった場合、図2及び4に示すように、経過時間約20分後より、第1加熱設定温度(18)を目標に加熱動作を開始する(7)。
同様に、低温モードの場合は、(8)、(10)に示される経過時間後に、それぞれ、第2加熱設定温度(17)、第3加熱設定温度(16)を目標に加熱動作を開始する。
同様に、中温モードの場合は、(9)、(11)に示される経過時間後に、それぞれ、第2加熱設定温度(17)、第3加熱設定温度(16)を目標に加熱動作を開始する。
中温、低温モードの場合、約1時間25分後より冷房動作を許可する(12)。このとき第3加熱設定温度は冷房設定温度+入り切り差に等しいため(加熱設定温度の入り切り差は冷房設定温度のそれよりずっと小さいが)冷房動作はその近辺で開始する。
一旦冷房動作が開始すると、加熱動作は停止し、約5分〜約10分かけて、冷房設定温度まで、一気に冷却し、次回のターンを開始する。
高温モードの場合、図2及び図5に示すように、室外環境の影響を受けて、室温が上昇すると判断し、加熱動作は行わず、自然室温上昇により冷房設定温度に達した時点で、冷却動作を開始する(13)。
そのため、高温モードの場合だけは想定時間内に冷却動作を開始してしまう可能性があるが、これは、部屋の保温能力等を改善する以外は不可避となる。ただ、黒あわび茸の場合は、他でも述べているように発生室の設定温度が高いため、高温モードになる場合は真夏等少なく、また、ターンの間隔が多少短くなっても影響は少ない。
また、最初、高温モードになった場合でも、途中何らかの原因(主に室外環境の急変)により室温の自然温度上昇が、予測値を下回ってしまうと加熱動作を行わないために、逆に、想定時間内に冷却を開始できなくなってしまう。そこで、中程の時間(14)に第1加熱設定温度(18)まで達しているかどうかを調べ、達していない場合は中温モードにシフトし、加熱を開始するようにする。
この、中程のモード修正をクリアして高温モードのまま想定時間に達し、尚且つ冷却開始温度に達していない場合は、モードに関わらず、加熱を開始し、冷却開始温度を目指す。
逆に中温、低温モードの場合でも、室外環境の急変により、想定温度上昇を超えて室温が上昇し、想定時間前に冷却開始温度(第3加熱設定温度)(13)に達し、さらに上昇してしまう場合がある。この場合は、想定時間前であっても、第3加熱設定温度接点(入り切り差小)が、20分以上続いた場合に、高温モードを同時起動し、即、冷却動作を開始させる(15)。
なお、冷房動作時間による高温警報、冷房停止時間による低温警報等については時間経過図とは直接関係しないので、説明を省略する。
次に発生室の空調制御盤の実施例について図6〜8及び表1に基づいて詳細に説明する
本実施例においては、温度センサーとして、冷房装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を一つずつ発生させることのできる主力接点を一つと、モードの決定と加熱装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を二つずつ発生させることのできるイベント接点を複数備える温度指示調整計を用いる。
また、制御装置としては、一つのイベント接点について二つの温度制御用の論理接点を得るように論理回路を組むことのできるシーケンサーを用いる。
本実施例にかかる温度指示調整計としては、株式会社山武(横浜市神奈川区新浦島町1−1−32)のSDC15(商品名)を用いることができる。
この温度指示調整計の場合、主出力接点(OUT)の他にイベント接点を3つ(EV1、EV2、EV3)持っている。
主出力接点の設定温度をSP、その入り切り差をDIFFとする(図6のSP接点入力部分参照)。
各イベント接点は、その動作モードとして、PV(現在値)上限警報、PV下限警報の他に、PV上下限警報、PV偏差上、下、上下限警報等を設定することができるが、本実施例の場合(多点化)は上下限警報モード(PV、または偏差)の使用が必要となる。
実際には、主出力接点の設定温度SPの変更のみによって、温度制御カーブを変更(上下)させたいので、偏差上下限警報モードを使用することになるが、説明はPV上下限モードの方が、分かり易いので、それを使用し、例としてEV1について説明する。
第1イベント接点EV1にPV上下限警報モードを設定した場合、その上限値をEV1Hi、下限値をEV1Lo、それぞれの入り切り差をhys1とする(図6のEV1接点入力部参照)。
各温度帯を図6のように7区画(No.1〜7温度帯)にわけ、その各温度帯に直下の温度帯から温度上昇によって移った場合を[NO.1〜7上昇]、直上の温度帯から温度下降によって移った場合を[NO.1〜7下降]と表すことにする。また、その場合の各接点(物理、論理共)の状態を、[ON](必ずONになる)、[OFF](必ずOFFになる)、[ON、OFF→ON、OFF](移る直前と同じ)の3通りの状態で表すことにする。
以上の記法を使って、各場合毎の各接点の状態を表示すると表1のように示すことができる。ここで、シーケンサー等の内部論理接点として、NOT(EV1)を表し、さらに、NOT([ON、OFF→ON、OFF])=[ON、OFF→ON、OFF]であることに注意して、(OUT)AND(EV1)、(OUT)OR(NOT(EV1))を表1で示してみる。
すると、これら(OUT)AND(EV1)、(OUT)OR(NOT(EV1))の動作は、それぞれEV1Hi−hys1、EV1Loを設定値、hys1を入り切り値に持つ主接点の状態(言い換えるとEV1Hi、EV1Lo+hys1を設定値、入り切り値をhys1に持つPV上限警報接点の動作)に等しいことがわかり、内部論理接点として、(OUT)も含めて3つが使えるようになり(図7参照)、これをEV2接点、EV3接点に対しても行うことにより、合計7つの論理接点入力として使用できるようになる。
但し、図6から分かるように条件として、EV1に対しては、SP+DIFF<EV1Hi、SP<EV1Hi−hys1、EV1Lo<SP、EV1Lo+hys1<SP+DIFF、EV1Lo+hys1<EV1Hi−hys1の5つの条件が考えられる。
また、EV2、EV3に対してはそれぞれ、SP+DIFF<EV2Hi、SP<EV2Hi−hys2、EV2Lo<SP、EV2Lo+hys2<SP+DIFF、EV2Lo+hys2<EV2Hi−hys2、SP+DIFF<EV3Hi、SP<EV3Hi−hys3、EV3Lo<SP、EV3Lo+hys3<SP+DIFF、EV3Lo+hys3<EV3Hi−hys3が考えられる。
Figure 2006204158
なお、本実施例では、OUT接点入力を冷房指令入力として、そのまま使いたいので、DIFFは5℃〜7℃と、大きめにとる。これは主に、基準温度として、調節計で変更し易くするためである。
このとき、図2〜5の時間経過図における第1加熱設定温度、第2加熱設定温度、第3加熱設定温度、高温モード決定温度、低温モード決定温度に、他の論理接点を使いたいのだが、時間経過図から分かるように、これらの温度帯の設定値は、SPからSP+DIFFの範囲に入ってしまい、前述の十分条件を満足させられない。
そこで、EV1を上限警報モードに設定し、それを上下跨ぐような形で、EV2Hi、EV2Lo、EV3Hi、EV3Loを設定し、EV1、hys1を前述のSP、DIFFとみなして、論理回路を組めば、前述の十分条件を満足させ、論理接点を増設できる。つまり、1点を犠牲にして、実際には6点で制御していることになる(図8参照)。
接点の振り分けは、前述のように、先ず、OUT接点を冷房指令入力として使用し、高温モード決定温度にEV2Lo接点、低温モード決定温度にEV3Lo接点を使用する。
EV1接点は、第1加熱設定温度と、中程のモード変更基準温度として使用する。EV2Hi接点は第2加熱設定温度として使用する。また、EV3Hi接点については、第3加熱設定温度として使用と共に、高温モード同時起動用及び高温警報用としても使用している。
以上で、接点入力の多点化の説明は終わるが、接点入力の多点化のみの機能に関しては、シーケンサー等の温度入力ユニット(変換器)、ADコンバーター等を使うことにより、無数の設定温度を使用することができる。
しかし、それらの温度入力ユニット(変換器)、ADコンバーター等は、それらを使えるシーケンサー等を含めて、一般的に高価であり、また、その設定値を変更、温度表示するためには、別途そのシーケンサー用の表示器が必要になり、これもまた経済的負担が大きい。
これらの点を考えた場合、温度指示調節計と、簡便なプログラムリレー程度の安価な普及型シーケンサーのみで行える入力接点の多点化は、この黒あわび茸栽培のための空調制御において現実的に最適である。
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明に係る黒あわび茸の栽培方法の一形態を示す時間経過図である。 本発明に係る実施例の時間経過図である。 低温モードの時間経過図である。 中温モードの時間経過図である。 高温モードの時間経過図である。 温度センサーの動作を示す説明図である。 温度センサーの動作を示す説明図である。 温度センサーの動作を示す説明図である。
符号の説明
1 所定の高温側の設定温度
2 所定の低温側の設定温度
3 動作モードの決定時
4 換気動作
5 クーラーファンの停止
6、8、10 低温モードの加熱動作開始時
7、9、11 中温モードの加熱動作開始時
12 冷房動作許可時
13 冷却動作
14 中程の時間
15 冷却動作の開始時
16 第3加熱設定温度
17 第2加熱設定温度
18 第1加熱設定温度

Claims (7)

  1. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で所定の時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行うことを特徴とする黒あわび茸の栽培方法。
  2. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で所定時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行い、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却することを特徴とする黒あわび茸の栽培方法。
  3. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、所定の温度幅の範囲で栽培空気の温度を管理すると共に、該栽培空気の温度幅の範囲で1時間から3時間の所定の時間ごとに冷却刺激を与えるように冷却と加熱を交互に行い、少なくとも冷却をしている時間の方が加熱をしている時間よりも短くなるように急激に冷却することを特徴とする黒あわび茸の栽培方法。
  4. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、子実体を発生させて生育させる栽培室内の湿度を高めるため、床に水を撒くことを特徴とする請求項1、2又は3記載の黒あわび茸の栽培方法。
  5. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程について、子実体を発生させて生育させる栽培室内の湿度を高めるため、床に撒かれた水を好適に蒸発させるように栽培室内の空気循環を行うことを特徴とする請求項4記載の黒あわび茸の栽培方法。
  6. 黒あわび茸の人工栽培で子実体を発生させて生育させる工程に用いられる黒あわび茸の栽培施設であって、
    子実体を発生させて生育させる栽培室内の栽培空気を冷却する冷房装置と、
    前記栽培室内の栽培空気を加熱する加熱装置と、
    前記冷房装置の動作を制御するために冷房装置の設定温度に対する栽培室内の温度を検出し、前記加熱装置による加熱を始めるか否かのモードを決定するために前記冷房装置によって冷却した後で所定の時間が経過した栽培室内の温度を検出すると共に、前記加熱装置の動作を制御するために栽培空気の加熱途中に栽培室内の温度を検出する温度センサーと、
    該温度センサーからの情報に基づいて冷房装置及び加熱装置を制御する制御装置とを具備することを特徴とする黒あわび茸の栽培施設。
  7. 前記温度センサーは、冷房装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を一つずつ発生させることのできる主力接点を一つと、モードの決定と加熱装置の制御のために用いられ物理的接点によって温度変化に伴いONの切り替え信号とOFFの切り替え信号を二つずつ発生させることのできるイベント接点を複数備える温度指示調整計であり、
    前記制御装置は、一つのイベント接点について二つの温度制御用の論理接点を得るように論理回路を組むことのできるシーケンサーであることを特徴とする請求項6記載の黒あわび茸の栽培施設。
JP2005019078A 2005-01-27 2005-01-27 黒あわび茸の栽培方法及び栽培施設 Pending JP2006204158A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103435419A (zh) * 2013-08-17 2013-12-11 邬金飞 一种鲍鱼菇栽培料配伍及此栽培料的制作方法
CN104770209A (zh) * 2015-03-17 2015-07-15 邬方成 一种鲍鱼菇栽培方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103435419A (zh) * 2013-08-17 2013-12-11 邬金飞 一种鲍鱼菇栽培料配伍及此栽培料的制作方法
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