JP2006204104A - 風船グミ - Google Patents

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Norito Waki
範人 脇
Hideto Kawamoto
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Abstract

【課題】
風船のように膨らませることができるグミキャンディ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
風船のように膨らませることができるグミキャンディで、膨らませるために、空気を導くための吹き口と、前記吹き口から通じ、内部に可食性フィルムの重なりにより形成された内壁部を有するグミキャンディと以下の製造方法を提供する。すなわち、型の上に載置した、グミキャンディまたは粒状グミキャンディの上に第1の可食性フィルムを載せ、前記フィルムの上に前記グミキャンディの外側に突出するように小径中空管又は棒を置き、その後第2の可食性フィルムを第1の可食性フィルムに重なるように載せ、溶融したグミキャンディ生地を流し込み、完全に両可食性フィルムを覆い尽くした後に冷却することを特徴とする製造方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、風船のように膨らませることができるグミキャンディおよびその製造方法に関する。
風船のように膨らませることができる食品としては、風船ガムがある。風船ガムは、軟質で、成膜性のあるガムベースを使用したもので、口中で咀嚼したガムに空気を入れて風船のように膨らませるものである。一方、グミキャンディは、ゼラチンによりゼリー状に形成された弾力性のあるキャンディであり、チューイング性を有するが、風船のように膨らませることのできるグミキャンディは今までに存在していない。
特許文献1には、伸縮性に富む紐状ゼリー菓子が開示されている。このゼリー菓子は、ゼリー菓子の持つ伸縮性を利用して紐玩具として使用することができるものであるが、風船のように膨らませるものではない。
ストローに支持された菓子(特許文献2及び特許文献3)については知られているが、これらに使用されるストローは、単に菓子を担持するのみであり、菓子も膨らむものではない。
特開平6−343405号公報 実開昭61−128988号公報 実開昭61−170288号公報
本発明は、風船のように膨らませることができるグミキャンディを提供することで、グミキャンディのバリエーションを広げて今までにない楽しさを有する製品及びその製造方法を提供することを課題とした。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記のようなグミキャンディとその製造方法を提供することにより課題を解決した。
すなわち、
(1)吹き口と吹き口から通ずる内壁部を有し、膨らませることができるグミキャンディ。
(2)内壁部が可食性フィルムの重なりから構成される(1)に記載のグミキャンディ。
(3)可食性フィルムがオブラートである(1)又は(2)に記載のグミキャンディ。
(4)吹き口に小径中空管が固定されている(1)乃至(3)のいずれかに記載のグミキャンディ。
(5)型の上に載置した、グミキャンディまたは粒状グミキャンディの上に第1の可食性フィルムを載せ、前記可食性フィルムの上に小径中空管又は棒を置き、その後第2の可食性フィルムを第1の可食性フィルムに重なるように載せ、溶融したグミキャンディ生地を流し込み、完全に両可食性フィルムを覆い尽くした後に冷却することを特徴とする、膨らませることができるグミキャンディの製造方法。
(6)可食性フィルムがオブラートである(5)に記載のグミキャンディの製造方法。
本発明により、風船のように膨らませることができるという今までにない新しい機能を持ったグミキャンディを提供することができ、それにより消費者に楽しさ、おもしろさを提供するものである。
本発明は、風船のように膨らませることができるグミキャンディで、膨らませるために、空気を導くための吹き口と、前記吹き口から通じ、内部に可食性フィルムの重なりにより形成された内壁部を有するグミキャンディである。前記吹き口には前記内壁部に一部達するストローのような小径中空管が固定されていてもよい。喫食者が吹き口の孔の端から空気を入れると、グミキャンディ内部の可食性フィルムの重なりにより形成された内壁部に空気が入り、グミキャンディは膨らむ。
本発明のグミキャンディの製造方法は以下の2通りの方法がある。
第1の製造方法は、型に溶融したグミキャンディ生地を流し込み、型を冷却してグミキャンディ生地を固め、グミキャンディとする。冷却後、前記グミキャンディの上に第1の可食性フィルムを載せ、第1の可食性フィルムの上に前記グミキャンディの外側まで出るように棒を載せる。前記棒の上にまた、第1の可食性フィルムと重なるように第2の可食性フィルムを載せる。第2の可食性フィルムの上に他のグミキャンディ生地を流し込み冷却する。2枚の可食性フィルムの重なった部位には、グミキャンディ生地は入り込まない。また、可食性フィルムの重なりのない部位では、最初のグミキャンディと後のグミキャンディ生地が接着するため、可食性フィルムの重なりにより作られた内壁に送り込まれた空気が外に漏れず、グミキャンディは伸び広がり、空気は内部に留まることになり、結果として風船のように膨らむこととなる。可食性フィルムの間に入れた棒を引き抜くと、そこが吹き口となり、可食性フィルムにより作られた空間に空気を吹き込むことができる。棒がストロー等、中空である場合は、棒を引き抜かず、吹き口に固定したままの状態でも、空気を吹き込むことができる。
第2の製造方法は、型に、粒状のグミキャンディを入れておき、前記粒状グミキャンディの上に第1の可食性フィルムを載せ、前記可食性フィルムの上に棒を載せる。前記棒の一端は可食性フィルム上にあり、他の先端が可食性フィルムの外側に出るようにし、型全体からはみだして前記棒を載せてもよい。さらに、第1の可食性フィルムと重なるように第2の可食性フィルムを載せる。前記可食性フィルムの上に、第2の可食性フィルムを完全に覆い尽くすまでグミキャンディ生地を流し込み、冷却する。第1の可食性フィルムの下側に粒状グミキャンディが存在することで第1の可食性フィルムが型の底面に接触しないため、前記グミキャンディ生地の充填で第1の可食性フィルムの下側にもグミキャンディ生地が充填され、粒状グミキャンディと接着して、可食性フィルムの周りを完全に覆うことができ、吹き口から吹き込まれた空気が漏れることなく、風船のように膨らませることができる。
本発明のグミキャンディ生地は、通常グミキャンディに使用される原料を使用してよく、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、トレハロース、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、パラチノース、還元パラチノース、ラクチトール、水飴等の糖類、ゼラチン、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、アルギン酸等のゲル化剤、増粘剤、オレンジ、グレープ、メロン、レモン、桃等の果汁及び濃縮果汁、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉類、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、アナトー色素、クチナシ色素等の色素、果実香料、ミント香料等の香料、クエン酸、リンゴ酸等の酸味料を使用できる。また、ヤシ油、パーム油、コーン油、菜種油、大豆油、綿実油等の油脂をグミキャンディ生地に配合すると、空気を入れて、膨らませたときの伸びが良くなるため好ましい。
可食性フィルムは、オブラートが好ましい。グミキャンディ生地を接触した場合でも溶解せず、また得られたグミキャンディに空気を入れて膨らませると、オブラートはグミキャンディ生地の膨張に従い簡単に破れるため、グミキャンディ生地の膨張を妨げることはない。上側の可食性フィルムを下側の可食性フィルムよりも少し大きくしておくと、下側のグミキャンディ生地と上側の可食性フィルムが接触する部分ができるため、上側の可食性フィルムがずれにくくなり、作業性が向上するため好ましい。
本発明のグミキャンディは、可食性フィルムや型の形状によって、楕円形、ハート形、ひし形、動物型、魚型、果実型等色々な形状に膨らませることが可能であるが、なるべく大きく膨らませるには円形であることが好ましい。
本発明のグミキャンディは、パンタ型でもスターチ型でも成型可能であるが、スターチ型の場合、スターチの粉が吹き口より内部に入ってしまったり、外面に付着したスターチの除去が困難であるため、パンタ型が好ましい。パンタ型で成型する場合は、グミキャンディ生地を流し込む前に型に油を塗布しておくと、型から剥離しやすくなるため好ましい。また、パンタ型の材質は耐熱性合成樹脂で、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等が挙げられる。
また、グミキャンディの吹き口を形成するには、可食性フィルム間に棒を差し込み、グミキャンディ生地が固まった後に棒を引き抜くことが必要である。棒は、耐熱性の棒であれば何でも良いが、例えば、金属棒、木製の棒や合成樹脂製棒などが挙げられる。棒をストローのように小径中空のものにしておけば、引き抜く必要が無く、安定した吹き口となるためより好ましい。ストローは合成樹脂製でよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等が挙げられる。可食性フィルムの重なりにより形成された内壁部の中心付近に空気が吹き込まれるように吹き口を形成すると、均等に膨らみやすくなり、膨らみによる破損が抑制されるため好ましい。
本発明の第1の製造方法において、最初に型に充填するグミキャンディ生地と可食性フィルムを載せたあとに流し込むグミキャンディ生地は同じ配合のものでも異なった配合のものでもよい。色や味の異なったグミキャンディ生地を使用すると、表裏で味や色が異なり、膨らませたときに2色の風船様となり、食したときも異なった風味のものとなる。
本発明の第2の製造方法において、予め型に入れておく粒状グミキャンディと、型に充填されるグミキャンディ生地は、同じ配合のものでも異なった配合のものでもよい。粒状グミキャンディと、型に充填されるグミキャンディ生地が、色や味の異なったものであると、グミキャンディ生地の内部に存在するグミキャンディ生地が透けて見えて異なった色合いとなり、食したときも異なった風味のものとなる。また、粒状グミキャンディは、可食性フィルムの下面側に存在することは必須であるが、可食性フィルムの上面側に載せておいてもかまわない。成型するには、可食性フィルムの下面側に粒状グミキャンディがあればよいが、上下両面に粒状グミキャンディが存在すると、面にかかわらず粒状グミキャンディが後で流し込んだグミキャンディ生地の内部に存在する。
以下実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示であり本発明を限定するものではない。
実施例1
表1に示す配合にて、グミキャンディ生地を作成した。すなわち、表1のア(水飴、砂糖、ソルビトール、ゲルアップSA−3(商品名:三栄源社製)の混合物)の原料及び15重量部の水を混合し、120℃まで煮詰めた。次に2倍量の水を加え60℃で溶解したゼラチンを、煮詰めて得られた、前記ア主体の原料に加えよく混合した。その後、表1のイの原料(グレープ果汁、リンゴ酸、クエン酸、グレープフレーバー、ヤシ油の混合物)を加え混合し、Bxが82になるように調整し、グミキャンディ生地を得た。
図1に示されるポリエチレンテレフタレート製のパンタ型(円部の直径65mm、深さ15mmm)を用意し、固化後のグミキャンディの剥離を容易にするために、グミキャンディ生地を流し込む部分にコーン油を塗った。そのパンタ型に品温75℃の前記グミキャンディ生地(20g)を流し込んだ。冷蔵庫にて、型に流し込んだグミキャンディ生地の表面温度を30℃前後まで冷却した後、グミキャンディ生地の上に直径50mmの円形のオブラートをグミキャンディ生地からはみ出さないように載せ、その上に長さ70mm、径4mmのストローを型の窪み部分に沿うように入れ、ストローの上から直径55mmの円形のオブラートを、下のオブラートと重なるように載せた。その上から、品温75℃のグミキャンディ生地(26g)を流し込み、25℃以下で24時間エージングを行い、図2に示されるグミキャンディを得た。前記グミキャンディを型から剥離し、ストローより息を吹き込むと、グミキャンディが風船のように膨らんだ。グミキャンディは、何度でも膨らませることができ、かつ通常のグミキャンディのように食すことができた。
Figure 2006204104
実施例2
表2に示す配合にて、常法により作られたグミキャンディ小片(大きさ5mm前後)を、予めコーン油を塗布した図1のパンタ型に20〜30粒入れた。その粒状グミキャンディの上に、直径50mmの円形のオブラートをパンタ型からはみ出さないように載せ、その上に長さ70mm、径4mmのプラスチック製の棒を型の窪み部分に沿うように入れ、その棒の上から直径55mmの円形のオブラートを、下のオブラートと重なるように載せた。その上から、品温75℃の実施例1のグミキャンディ生地(26g)を流し込み、25℃以下で24時間エージングを行い、棒を引き抜いて吹き口を作り、図4に示されるグミキャンディを得た。該グミキャンディを型から剥離し、吹き口より息を吹き込むと、グミキャンディが風船のように膨らんだ。グミキャンディは、何度でも膨らませることができ、かつ通常のグミキャンディのように食すことができた。
Figure 2006204104
本発明は、グミキャンディに利用でき、グミキャンディに新たな楽しさ、おもしろさを付加するものである。
パンタ型 実施例1のグミキャンディの透視図 実施例1のグミキャンディ(図2)をAA′線で切った断面図 実施例2のグミキャンディの透視図 実施例2のグミキャンディ(図4)をBB′線で切った断面図
符号の説明
1 グミキャンディ生地
2 オブラート(2枚重ね)
3 ストロー
4 粒状グミキャンディ
5 吹き口孔


































Claims (6)

  1. 吹き口と吹き口から通ずる内壁部を有し、膨らませることができるグミキャンディ。
  2. 内壁部が可食性フィルムの重なりから構成される請求項1に記載のグミキャンディ。
  3. 可食性フィルムがオブラートである請求項1又は2に記載のグミキャンディ。
  4. 吹き口に小径中空管が固定されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグミキャンディ。
  5. 型の上に載置した、グミキャンディまたは粒状グミキャンディの上に第1の可食性フィルムを載せ、前記可食性フィルムの上に小径中空管又は棒を置き、その後第2の可食性フィルムを第1の可食性フィルムに重なるように載せ、溶融したグミキャンディ生地を流し込み、完全に両可食性フィルムを覆い尽くした後に冷却することを特徴とする、膨らませることができるグミキャンディの製造方法。
  6. 可食性フィルムがオブラートである請求項5に記載のグミキャンディの製造方法。



















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