JP2006203323A - 伝達係数推定回路および伝達係数推定方法 - Google Patents

伝達係数推定回路および伝達係数推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 サブキャリア毎の伝達係数行列あるいは伝達係数毎に伝達係数を更新することにより、演算量を低減し、小さな回路規模で実現する。
【解決手段】 伝達係数行列初期推定回路4−3は、送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて初期伝達係数推定行列を推定する。伝達係数推定行列更新回路4−4は、初期伝達係数推定行列と復号された受信信号系列から生成されるレプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数を推定する。干渉キャンセラ4−5は、推定された伝達係数を用いてデータ信号の干渉キャンセルを行い、サブキャリア毎、送信アンテナ毎の信号点を推定する。復調器4−6−1〜4−6−Mは、推定されたK系統の信号点に対応するビット系列に復号する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広帯域移動体通信を実現するMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)チャネルを用いて複数の異なる情報信号系列同士を同一の周波数上に多重化し、受信器で干渉キャンセルを行うことにより送信信号の多重数と同数倍の周波数利用効率の増加を達成することを目的とした高速・大容量の無線通信を実現する空間多重信号送受信装置の伝達係数推定回路および伝達係数推定方法に関する。
広帯域移動体通信においては、限られた周波数資源を用いて大容量化を図るための周波数利用効率の向上が必須となっている。周波数利用効率の向上に対する技術として、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて同一周波数帯の空間上に空間多重チャネルを構成し、受信側において送信アンテナと受信アンテナとの間の伝達係数を推定し、推定した伝達係数と受信信号系列とから送信信号の推定を行うことにより、送信アンテナ数と同数倍だけ伝送レートを向上させる技術が提案されている。
また、周波数選択性フェージングの対策として、変調方式に信号を複数の互いに直交するサブキャリア群に分割して送信するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が無線LANシステムなどにおいて用いられている。OFDM方式は、各サブキャリアの帯域を狭くすることにより周波数選択性フェージングの影響をフラットフェージング化することが可能である。さらに、ガードインターバルを付加することによりマルチパスフェージングによるシンボル間干渉の影響を軽減し、複雑な等化回路が不要となるので、MIMO伝送との親和性が高い。
パケット伝送を行うMIMOチャネルを用いたOFDM方式においては、受信側における伝達係数の推定は、バーストの先頭に付加されている既知のパイロット信号を用いて行われる。しかしながら、バーストに含まれるデータシンボル数が多くなると、マルチパスフェージング通信路の時間変動に伴い、バーストの後方になればなるほど、パイロット信号で推定した伝達係数の初期推定値と現在の伝搬路推定値の真の値との間の差がより大きくなり、情報が正しく復調できる確率が下がり、その結果誤り率が増加するという問題点があった。
この問題点を解決するために、従来からバーストの途中に既知のパイロット信号を挿入し、伝達係数のトラッキングを行う手法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。該手法では、パイロット信号の挿入は伝送効率の低下をまねくため、既知信号を利用しない伝達係数トラッキング法が採用されている。
以下に、従来の技術によるパイロット信号を用いないMIMOチャネルを用いたOFDM信号送受信装置の一例を図17に示す(例えば非特許文献2参照)。図17に示す従来技術では、OFDM信号送信装置1とOFDM信号受信装置2とから構成される。OFDM信号送信装置1では、K系統(Kは2以上の整数)の送信情報信号系列T,T,…,TがK個の多重化器1−2−1〜1−2−Kに入力される。パイロット信号発生器1−1では、伝達係数推定のためのパイロット信号が出力される。K個のパイロット信号多重化器1−2−1〜1−2−Kにおいては、送信情報信号系列T,T,…,Tと伝搬路推定用のパイロット信号とが時間軸上あるいは周波数軸上において多重化される。
パイロット信号が多重化された信号は、K個のサブキャリア変調器1−3−1〜1−3−Kに入力され、サブキャリア毎に信号点マッピングが行われる。信号点マッピングされた各サブキャリア信号は、K個の逆高速フーリエ変換1−4−1〜1−4−Kにより周波数領域の信号から時間領域の信号系列に変換され、K個の送信アンテナ1−5−1〜1−5−Kにより空間に送信される。OFDM信号送信装置1により送信されるバースト信号の一例を図18に示す。
OFDM信号受信器2では、上記送信アンテナ1−5−1〜1−5−Nから送信され空間において多重化されたM個の受信信号系列(M≧1、Mは整数)が、M個の受信アンテナ2−1−1〜2−1−Mにより受信される。M個の受信アンテナ2−1−1〜2−1−Mにおいて受信された受信信号系列は、M個の高速フーリエ変換器2−2−1〜2−2−Mにより高速フーリエ変換され、時間領域の信号から周波数領域、すなわちサブキャリア毎の信号に変換される。伝達係数推定回路2−3は、M個の高速フーリエ変換器2−2−1〜2−2−Mの出力信号系列におけるパイロット信号に対応する受信信号系列を用いて伝達係数の初期値を推定する。干渉キャンセラ2−4は、推定された初期値を用いて、データ信号の干渉キャンセルを行い、空間多重された受信信号からサブキャリア毎、送信アンテナ毎の信号点を推定する。
干渉キャンセル手法としては、ZF(Zero-Forcing)、MMSE(Minimum Mean-Square Error)線形フィルタリング、MLD(Maximum Likelihood Detection)、BLAST(Bell labs LAyerd Space Time)等のアルゴリズムがこれまでに提案されているが、伝達係数行列に対するQR分解とMLDおよびK−best法を組み合わせたQRD−Mアルゴリズムが少ない演算量と良好な誤り率特性とを両立することが知られている。以下にQRD−Mアルゴリズムについて説明する。
ある時刻(OFDMシンボル)における送信アンテナk(k=1,2,…,K)から送信されたサブキャリアiに対する送信信号をt(i,k)、受信アンテナm(m=1,2,…,M)により受信された信号をy(i,m)、y(i,m)に含まれる熱雑音をn(i,m)、送信アンテナkと受信アンテナm(m=1,2,…,M)との間のサブキャリアiに対する伝達係数の推定値をh(i,m,k)とすると、送信信号と受信信号の関係は、数式(1)のように表される。なお、本式には時刻を表すパラメータは煩雑さを避けるため省略している。
Figure 2006203323
伝達係数行列、送信信号ベクトル、熱雑音ベクトル、受信信号ベクトルをそれぞれH(i)、t(i)、n(i)、y(i)と表記すると、数式1は数式2のように表記される。
Figure 2006203323
QRD−Mアルゴリズムでは、はじめに伝達係数H(i)に対してQR分解を行う。
Figure 2006203323
ここで、Q(i)はM行K列の直交行列、R(i)はK行K列の上三角行列である。
求められたQ(i)のエルミート共役行列Q(i)を数式(2)の両辺に左から乗算し、数式(3)を代入すると、数式(4)、数式(5)のようになる。
Figure 2006203323
Figure 2006203323
但し、y’(t)およびn’(t)はそれぞれQ(i)y(i)およびQ(i)n(i)であり、n’(t)はQ(i)がユニタリ行列であるため、n(i)と同じ統計的性質を持つ。
数式(5)の行列の各要素を表記すると、数式(6)のようになる。
Figure 2006203323
ここで、数式(6)のK行目に着目すると、y’(i,K)=r(i,K,K)t(i,K)+n’(i,K)となっていることが分かる。すなわち、t(i,K)の最尤判定を行うためには、t(i,K)に対するレプリカのみを考慮すればよいことになる。例えば各サブキャリアにC−QAM(Quadrature Amplitude Modulation:Cは2以上の整数)を用いているのであれば、t(i,K)の取り得るパターンはC種類存在するため、C回の演算を行い、受信信号との距離が最低となるレプリカを選択すればよい。
Figure 2006203323
ここで、Txは送信信号の取り得る全てのパターンから構成される集合を表し、tMLD(i,k)は送信信号t(i,k)に対応する硬判定値を表す。K−1行目の尤度算出の際にtMLD(i,K)を利用すれば、K−1行目の最尤判定においても、C回の演算を行えばよい。
Figure 2006203323
以下同様に、K−m’(m’=1,2,…,K−1)行目以降に対してK−m’+1行目までの(m’−1)個の硬判定結果を用いた上で最尤判定を行えばよい。
Figure 2006203323
上記手法により、各サブキャリアの全ての送信信号に対する判定は、C×K回の演算を行えば求められる。しかしながら、前段で硬判定を行った結果を後段で利用し続ける場合、前段の判定誤りにより特性劣化が大きくなるため、各尤度計算において尤度が高い上位B個を判定値の候補として選択し、次段の判定値に反映させ、特性改善を図るK−best法を組み合わせる手法が用いられる。
干渉キャンセラ2−4においてQRD−MLD法を用いて送信信号の推定を行い、K個の復調器2−5−1〜2−5−Kに対して出力する。K個の復調器2−5−1〜2−5−Kでは、入力された送信信号の推定値から、送信信号の情報ビット系列を復号する。
以下に、従来提案されていたQRD−MLD法を用いた伝達係数トラッキング回路について説明する。伝達係数トラッキング回路2−3の内部構成を図19に示す。はじめに、バーストの先頭に含まれる既知のパイロット信号に対応する受信信号と、既知のパイロット信号パターンを用いて、各サブキャリアの伝達係数が伝達係数初期値推定器2−3−1により推定される。
伝達係数の初期値の推定は、図18に示されるようなバーストの先頭のパイロット信号を用いる方法がある。ある送信アンテナがパイロット信号を送信している間においては、他の全ての送信アンテナが信号を送信しないことにより、当該時刻においてパイロット信号を送信しているアンテナと全ての受信アンテナとの間の伝達係数を推定することができる。同様の操作をK本全ての送信アンテナに対して行うことにより、全ての送信アンテナと受信アンテナとの間の伝達係数を推定することができる。推定された伝達係数は、送信アンテナと受信アンテナとの間の各遅延プロファイルとして伝達係数推定値記憶回路2−3−4に出力され記憶される。
K個の高速逆フーリエ変換器2−3−2−1〜2−3−2−Kでは、送信信号のレプリカとして用いる干渉キャンセラ2−4の出力である送信信号の信号点の推定値をOFDMシンボル毎の時間波形に変換する。K個の高速逆フーリエ変換器2−3−2−1〜2−3−2−Nにより生成された送信信号のレプリカの時間波形と、伝達係数推定値記憶回路2−3−4において記憶されている全ての送信アンテナと受信アンテナの間の伝搬路に対する遅延プロファイルの現在に最も近い過去における推定値と、M個の高速フーリエ変換器2−2−1〜2−2−Mの出力である現在の受信信号とを用いてカルマンフィルタ2−3−3によりカルマンフィルタリングが行われる。
そして、過去から現在に遷移する間の伝搬路の時変動を考慮した現在の時刻における全ての送信アンテナと受信アンテナとの間の伝搬路の遅延プロファイルが推定される。推定された各送受信アンテナ間の遅延プロファイルは、伝達係数推定値記憶回路2−3−4に入力され記憶される。なお、伝達係数推定値記憶回路2−3−4は、伝達係数初期値推定器2−3−1とカルマンフィルタ2−3−3双方からの出力が入力されるが、バーストの先頭における初期推定値が計算された直後は、伝達係数初期値推定器2−3−1からの入力を記憶し、初回のカルマンフィルタリングが行われた後は、カルマンフィルタ2−3−3からの入力を記憶する動作を行う。
カルマンフィルタ2−3−3により推定された全ての送信アンテナと受信アンテナとのK×M個の伝搬路の組み合わせに対する遅延プロファイル推定系列は、遅延プロファイル推定値分配器2−3−5により伝搬路毎の遅延プロファイルに分配され、K×M個の高速フーリエ変換器2−3−6−1〜2−3−6−K×Mに入力され、K×M個の高速フーリエ変換器2−3−6−1〜2−3−6−K×Mによりサブキャリア毎の伝達係数に変換され、干渉キャンセラ2−4に入力される。干渉キャンセラ2−4では、更新された伝達係数を用いて、QR−MLD演算を行う。これにより、伝搬路変動による追従性を高め、高品質の通信を実現する。
黒崎、内田、浅井、杉山、梅比良「広帯域SDM‐COFDMの実験的検討(2)−伝送係数行列のトラッキングによる伝送特性改善−」、2003年電子情報通信学会総合大会 Jiang Yue, Kyeong Jin Kim, Tony Reid and Jerry D. Gibson, "Joint Semi-Blind Channel Estimation and Data Detection for MIMO-OFDM", 2004 IEEE 6th CAS Symposium on Emerging Technologies: Mobile and Wireless Communications)
従来の伝達係数推定方法においてはカルマンフィルタを用いているが、全ての伝搬路の遅延プロファイルを一括で推定する必要がある。したがって、伝搬路の遅延プロファイルの広がりの増加、送信および受信アンテナ本数の増加に対して推定の対象となる全ての伝搬路の遅延プロファイルから構成される推定系列の行列の規模が非常に大きくなる。カルマンフィルタでは、推定系列と同規模の行列の逆行列を演算する必要があるため、演算量が非常に大きくなり、回路規模の指数関数的増大という問題点があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、従来の伝達係数推定方法のように全ての伝搬路の遅延プロファイルを一括で求めるのではなく、サブキャリア毎の伝達係数行列あるいは伝達係数毎に伝達係数を更新することにより、演算量を低減し、小さな回路規模で実現することができる伝達係数推定回路および伝達係数推定方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、送信側における複数の送信アンテナから送信される空間多重されたOFDM送信信号系列を、受信側における複数の受信アンテナで受信する際に、OFDM受信信号系列に対して高速フーリエ変換を行い、送信側から送信される既知のパイロット信号と、該パイロット信号に対応する高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて、空間多重された受信信号からサブキャリア毎の信号点を出力するためのアンテナ間の伝達係数を推定する伝達係数推定回路であって、前記サブキャリア毎の信号点に対する復調出力である送信データ系列を再変調し、サブキャリア毎に送信信号レプリカを生成する再変調器と、前記再変調器により生成される送信信号レプリカを要素とするレプリカ行列をサブキャリア毎に生成するレプリカ行列生成器と、前記サブキャリア毎のレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を求める擬似逆行列演算器と、前記高速フーリエ変換後のサブキャリア毎に出力される受信信号を要素とする受信信号行列をサブキャリア毎に生成する受信信号行列生成器と、前記受信信号行列に対して前記擬似逆行列演算器の出力であるレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を乗算し、乗算結果をレプリカ推定伝達係数行列として出力する行列乗算器と、前記送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する前記高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて伝達係数行列の初期値を推定し、初期伝達係数推定行列として出力する伝達係数行列初期推定回路と、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数推定値として出力する伝達係数推定行列更新回路とを具備することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記擬似逆行列演算器は、レプリカ行列の逆行列をサブキャリア毎に生成し出力する機能を持つことを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列更新回路は、前記レプリカ推定伝達係数行列に対する重み係数を計算する行列重み演算回路と、前記行列重み演算回路により計算された重み係数を用いて、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数推定行列とをサブキャリア毎に重み付け合成する行列重み付け合成回路とから構成されていることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記行列重み演算回路は、過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列に対する前記重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に利用したレプリカ行列の擬似逆行列の各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とすることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列更新回路は、サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する前記重み係数を同一サブキャリア毎に加算する行列重み加算器と、前記行列重み加算器による加算結果が既定のしきい値を越えている場合、前記伝達係数推定行列更新回路に対して当該サブキャリアに対する更新命令を出力する伝達係数推定行列更新判定回路とを有し、前記行列重み付け合成回路は、前記伝達係数推定行列更新判定回路から更新命令が通知されたサブキャリアに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列のそれぞれを重み付け合成し、現在の伝達係数推定行列として出力し、更新命令が通知されないサブキャリアに対しては、過去の伝達係数推定行列を出力することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列更新回路は、前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、サブキャリア毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻との差を計算し、伝達係数推定行列の非更新期間として出力する伝達係数推定行列非更新期間計算回路と、前記伝達係数推定行列の非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力する伝達係数行列履歴情報制御回路とを有し、前記伝達係数履歴情報制御回路による消去命令が通知されたサブキャリアに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数に対応する行列重みの履歴を消去することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列として出力するレプリカ推定伝達係数行列フィルタを有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記レプリカ推定伝達係数行列フィルタは、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記行列乗算器からの出力であるのレプリカ推定伝達係数行列との差をサブキャリア毎に計算し、伝達係数差分行列として出力する行列減算器と、前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全ての幾何学的距離の和を計算し、伝達係数差分値として出力する行列幾何学的距離計算回路と、前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力しない伝達係数推定行列選択回路とから構成されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列を出力する伝達係数推定行列フィルタを有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列フィルタは、前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差をサブキャリア毎に計算し、伝達係数差分行列として出力する行列減算器と、前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全てに対する幾何学的距離の和を計算し、伝達係数差分値として出力する行列幾何学的距離計算回路と、前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記過去に推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力する伝達係数推定行列選択回路とから構成されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記行列幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記行列幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列更新回路は、前記擬似逆行列演算器の出力を用いて各時刻におけるサブキャリア毎のレプリカ推定伝達係数行列、前記現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列および前記過去に推定された伝達係数推定行列の各列ベクトルに対する重み係数を計算するベクトル重み演算回路と、前記重み係数を用いて、前記レプリカ推定伝達係数行列と前記過去の伝達係数推定行列とを列ベクトル毎に重み付け合成する行列重み付け合成回路とから構成されていることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記ベクトル重み演算回路は、前記過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルに対する重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に用いたレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列の行ベクトルの各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とすることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定値更新回路は、前記サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する重み係数を同一列ベクトル毎に加算するベクトル重み加算器と、前記行列重み加算器の加算結果が既定のしきい値を越えている場合には、当該列ベクトルに対する更新命令を出力する伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路と、前記伝達係数推定行列更新判定回路から更新命令が通知された列ベクトルに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列との各々の列ベクトルを重み付け合成して現在の伝達係数推定行列の列ベクトルとして出力し、更新命令が通知されない列ベクトルに対しては、前記レプリカ推定伝達係数行列または前記過去の伝達係数推定行列をそのまま出力する伝達係数推定行列列ベクトル更新回路とを有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列更新回路は、前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、列ベクトル毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻の差を計算し、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間として出力する伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路と、前記伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力する伝達係数行列履歴情報制御回路を有し、前記伝達係数履歴情報制御回路による消去命令が通知された列ベクトルに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルの一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数の当該列ベクトルに対応する行列重みの履歴を消去することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の列ベクトルの各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみレプリカ推定伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力するレプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタを有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタは、過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列との差を列ベクトル毎に計算し、伝達係数差分ベクトルとして出力するベクトル減算器と、サブキャリア毎の伝達係数差分ベクトル毎に、ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗の和を計算し、ベクトル差分値として出力するベクトル幾何学的距離計算回路と、前記ベクトル差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力しない伝達係数行列列ベクトル推定精度判定回路とから構成されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各列ベクトルに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみ過去にレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、有効と判断されなかった列ベクトルに対しては過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力する伝達係数推定行列列ベクトルフィルタを有することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記伝達係数推定行列列ベクトルフィルタは、現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差を列ベクトル毎に計算し、差分ベクトルとして出力する行列減算器と、サブキャリア毎の差分ベクトル毎に、列ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗和を計算するベクトル幾何学的距離計算回路と、前記ベクトル幾何学的距離計算回路の出力が既定のしきい値を下回っている場合には、現在時刻において推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上回っている場合は過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力する伝達係数推定行列列ベクトル選択回路とから構成されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、送信側における複数の送信アンテナから送信される空間多重されたOFDM送信信号系列を、受信側における複数の受信アンテナで受信する際に、OFDM受信信号系列に対して高速フーリエ変換を行い、送信側から送信される既知のパイロット信号と、該パイロット信号に対応する高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて、空間多重された受信信号からサブキャリア毎の信号点を出力するためのアンテナ間の伝達係数を推定する伝達係数推定方法であって、前記サブキャリア毎の信号点に対する復調出力である送信データ系列を再変調し、サブキャリア毎に送信信号レプリカを生成し、前記送信信号レプリカを要素とするレプリカ行列をサブキャリア毎に生成し、前記サブキャリア毎のレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を求め、前記高速フーリエ変換後のサブキャリア毎に出力される受信信号を要素とする受信信号行列をサブキャリア毎に生成し、前記受信信号行列に対して前記レプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を乗算し、レプリカ推定伝達係数行列を求め、前記送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する前記高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて伝達係数行列の初期値を推定し、初期伝達係数推定行列として求め、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数推定値として出力することを特徴とする。
この発明によれば、再変調器により、前記サブキャリア毎の信号点に対する復調出力である送信データ系列を再変調してサブキャリア毎に送信信号レプリカを生成し、レプリカ行列生成器により、前記再変調器により生成される送信信号レプリカを要素とするレプリカ行列をサブキャリア毎に生成し、擬似逆行列演算器により、前記サブキャリア毎のレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を求め、受信信号行列生成器により、前記高速フーリエ変換後のサブキャリア毎に出力される受信信号を要素とする受信信号行列をサブキャリア毎に生成し、行列乗算器により、前記受信信号行列に対して前記擬似逆行列演算器の出力であるレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を乗算し、乗算結果をレプリカ推定伝達係数行列として出力し、伝達係数行列初期推定回路により、前記送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する前記高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて初期伝達係数推定行列を推定し、伝達係数推定行列更新回路により、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数推定値として出力するようにした。したがって、伝達係数推定を送信信号レプリカの擬似逆行列を用いてサブキャリア毎に行うことにより、従来のカルマンフィルタを用いる場合と比べて伝達係数推定のために必要となる演算量を低減させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記擬似逆行列演算器により、レプリカ行列の逆行列をサブキャリア毎に生成するようにした。したがって、伝達係数推定を送信信号レプリカの逆行列を用いてサブキャリア毎に行うことにより、従来のカルマンフィルタを用いる場合と比べて伝達係数推定のために必要となる演算量を低減させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列更新回路では、行列重み演算回路により、前記レプリカ推定伝達係数行列に対する重み係数を計算し、行列重み付け合成回路により、前記行列重み演算回路により計算された重み係数を用いて、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数推定行列とをサブキャリア毎に重み付け合成するようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成することにより、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記行列重み演算回路により、過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列に対する前記重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に利用したレプリカ行列の擬似逆行列の各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とするようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成する際に、レプリカ推定伝達係数行列の推定精度に応じて重み付けを適応的に変更することにより、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列更新回路では、行列重み加算器により、サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する前記重み係数を同一サブキャリア毎に加算し、伝達係数推定行列更新判定回路により、前記行列重み加算器による加算結果が既定のしきい値を越えている場合、前記伝達係数推定行列更新回路に対して当該サブキャリアに対する更新命令を出力し、前記行列重み付け合成回路により、更新命令が通知されたサブキャリアに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列のそれぞれを重み付け合成し、現在の伝達係数推定行列として出力し、更新命令が通知されないサブキャリアに対しては、過去の伝達係数推定行列を出力するようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成する際に、複数のレプリカ推定伝達係数行列の重み付け合成後の推定精度を一定レベル以上に維持することができ、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列更新回路では、伝達係数推定行列非更新期間計算回路により、前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、サブキャリア毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻との差を、伝達係数推定行列の非更新期間として計算し、伝達係数行列履歴情報制御回路により、前記伝達係数推定行列の非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力し、前記伝達係数履歴情報制御回路による消去命令が通知されたサブキャリアに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数に対応する行列重みの履歴を消去するようにした。したがって、一定時間以上過去のレプリカ推定伝達係数行列の重み付け合成を避けることができ、また、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、レプリカ推定伝達係数行列フィルタにより、前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列として出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列を伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記レプリカ推定伝達係数行列フィルタでは、行列減算器により、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記行列乗算器からの出力であるのレプリカ推定伝達係数行列との差をサブキャリア毎に計算して伝達係数差分行列を求め、行列幾何学的距離計算回路により、前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全ての幾何学的距離の和を計算して伝達係数差分値を求め、伝達係数推定行列選択回路により、前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力しないようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列を伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いるようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列を伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いるようにした。したがって、差分行列のマンハッタン距離の自乗和をもちいることにより、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列の検出を行う際の計算量を削減することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、伝達係数推定行列フィルタにより、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列を出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列を排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列フィルタでは、行列減算器により、前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差をサブキャリア毎に計算して伝達係数差分行列を求め、行列幾何学的距離計算回路により、前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全てに対する幾何学的距離の和を計算して伝達係数差分値を求め、伝達係数推定行列選択回路により、前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記過去に推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列を排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記行列幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いるようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列を排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記行列幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いるようにした。したがって、差分行列のマンハッタン距離の自乗和を用いることにより、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の検出を行う際の計算量を削減することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列更新回路では、ベクトル重み演算回路により、前記擬似逆行列演算器の出力を用いて各時刻におけるサブキャリア毎のレプリカ推定伝達係数行列、前記現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列および前記過去に推定された伝達係数推定行列の各列ベクトルに対する重み係数を計算し、行列重み付け合成回路により、前記重み係数を用いて、前記レプリカ推定伝達係数行列と前記過去の伝達係数推定行列とを列ベクトル毎に重み付け合成するようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを列ベクトル単位で重み付け合成することにより、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記ベクトル重み演算回路では、前記過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルに対する重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に用いたレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列の行ベクトルの各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とするようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを列ベクトル単位で重み付け合成する際に、レプリカ推定伝達係数行列の列ベクトル毎の推定精度に応じて重み付けを適応的に変更することにより、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定値更新回路では、ベクトル重み加算器により、前記サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する重み係数を同一列ベクトル毎に加算し、伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路により、前記行列重み加算器の加算結果が既定のしきい値を越えている場合には、当該列ベクトルに対する更新命令を出力し、伝達係数推定行列列ベクトル更新回路により、更新命令が通知された列ベクトルに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列との各々の列ベクトルを重み付け合成して現在の伝達係数推定行列の列ベクトルとして出力し、更新命令が通知されない列ベクトルに対しては、前記レプリカ推定伝達係数行列または前記過去の伝達係数推定行列をそのまま出力するようにした。したがって、伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列とを列ベクトル単位で重み付け合成する際に、複数のレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトル毎の重み付け合成後の推定精度を一定レベル以上に維持することが可能となり、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列更新回路では、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路により、前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、列ベクトル毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻の差を計算し、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間として出力し、伝達係数行列履歴情報制御回路により、前記伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力し、消去命令が通知された列ベクトルに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルの一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数の当該列ベクトルに対応する行列重みの履歴を消去するようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルを伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタにより、前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の列ベクトルの各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみレプリカ推定伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルを伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタでは、ベクトル減算器により、過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列との差を列ベクトル毎に計算して伝達係数差分ベクトルを求め、ベクトル幾何学的距離計算回路により、サブキャリア毎の伝達係数差分ベクトル毎に、ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗の和を計算してベクトル差分値を求め、伝達係数行列列ベクトル推定精度判定回路により、前記ベクトル差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力しないようにした。したがって、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルを伝達係数推定行列の更新に用いることを避けることが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記ベクトル幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いるようにした。したがて、差分行列のマンハッタン距離の自乗和を用いることにより、過度に推定精度の低いレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルの検出を行う際の計算量を削減することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記ベクトル幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いるようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の列ベクトルを排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、伝達係数推定行列列ベクトルフィルタにより、前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各列ベクトルに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみ過去にレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、有効と判断されなかった列ベクトルに対しては過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の列ベクトルを排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記伝達係数推定行列列ベクトルフィルタでは、行列減算器により、現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差を列ベクトル毎に計算して差分ベクトルを求め、ベクトル幾何学的距離計算回路により、サブキャリア毎の差分ベクトル毎に、列ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗和を計算し、伝達係数推定行列列ベクトル選択回路により、前記ベクトル幾何学的距離計算回路の出力が既定のしきい値を下回っている場合には、現在時刻において推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上回っている場合は過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力するようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の列ベクトルを排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記ベクトル幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いるようにした。したがって、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の列ベクトルを排除することが可能となるため、伝達係数推定精度を向上させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記ベクトル幾何学的距離計算回路では、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いるようにした。したがって、差分行列の列ベクトルのマンハッタン距離の自乗和を用いることにより、過度に推定精度の低い伝達係数推定行列の列ベクトルの検出を行う際の計算量を削減することができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態による伝達係数推定回路を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態(請求項1)
図1は、本発明の第1実施形態による伝達係数推定回路を含むOFDM信号送受信装置を示すブロック図である。図において、OFDM信号送信装置3は、パイロット信号生成器3−1、K個の多重化器3−2−1〜3−2−K、K個のサブキャリア変調器3−3−1〜3−3−K、K個の逆高速フーリエ変換器3−4−1〜3−4−K、K本の送信アンテナ3−5−1〜3−5−Kから構成される。
パイロット信号発生器3−1は、伝達係数推定のためのパイロット信号を出力する。K個のパイロット信号多重化器3−2−1〜3−2−Kは、送信情報信号系列T,T…Tと伝搬路推定用のパイロット信号とを、時間軸上あるいは周波数軸上において多重化する。パイロット信号が多重化された信号は、K個のサブキャリア変調器3−3−1〜3−3−Kに入力され、サブキャリア毎に信号点マッピングが行われる。信号点マッピングされた各サブキャリア信号は、K個の逆高速フーリエ変換3−4−1〜3−4−Kにより周波数領域の信号から時間領域の信号系列に変換され、K個の送信アンテナ3−5−1〜3−5−Kにより同一の周波数帯で空間に送信される。
OFDM信号受信装置4は、M本の受信アンテナ4−1−1〜4−1−M、M個の高速フーリエ変換器4−2−1〜4−2−M、初期伝達係数推定回路4−3、伝達係数推定回路4−4、干渉キャンセラ4−5、復調器4−6−1〜4−6−Kから構成される。
K本の送信アンテナ3−5−1〜3−5−Nから送信され空間において多重化された信号系列が、M個の受信アンテナ4−1−1〜4−1−Mにより受信される。M個の受信アンテナ4−1−1〜4−1−Mにおいて受信されたM個の受信信号系列は、M個の高速フーリエ変換器4−2−1〜4−2−Mにより高速フーリエ変換が行われ、時間領域の信号から周波数領域、すなわちサブキャリア毎の信号に変換される。
初期伝達係数推定回路4−3は、M個の高速フーリエ変換器4−2−1〜4−2−Mの出力信号系列におけるパイロット信号に対応する受信信号系列を用いて伝達係数行列の初期値を推定する。伝達係数推定回路4−4は、復号された受信信号系列から生成される送信信号のレプリカならびに伝達係数行列の履歴を用いて伝達係数を推定する。干渉キャンセラ4−5は、推定された初期値を用いてデータ信号の干渉キャンセルを行い、空間多重された受信信号からサブキャリア毎、送信アンテナ毎の信号点を推定する。推定されたK系統の信号点は、それぞれK個の復調器4−6−1〜4−6−Kへ入力され、信号点に対応するビット系列に復号される。復号された信号系列は、送信信号のレプリカを作成するために伝達係数推定回路4−4へ入力される。
次に、図2は、本第1実施形態における伝達係数推定回路4−4の構成を示すブロック図である。伝達係数推定回路4−4は、K個の再変調器4−4−1−1〜4−4−1−K、レプリカ行列生成器4−4−2、擬似逆行列演算器4−4−3、受信信号行列生成器4−4−4、行列乗算器4−4−5、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6、伝達係数推定行列更新回路4−4−7から構成される。
K個の復調器4−6−1〜4−6−Kにおいて復調された信号系列に対して、OFDM信号送信器側と同様の動作を用いてサブキャリア毎の送信信号のレプリカを生成する。すなわち、本第1実施形態のブロック図には含まれていないが、本第1実施形態に対して誤り訂正符号化、インタリーブ等の操作が含まれている場合には、同様の操作を行う機能を有するものとする。また、無線区間が時分割多重方式である場合、受信信号を処理している途中において信号を送信する必要がないため、送受信器一体型のシステムにおいては、本再変調器は、OFDM信号送信器に含まれる同様のブロックで代用することができる。また、従来技術のように干渉キャンセラ出力の信号点を直接送信信号のレプリカとして用いることも可能であるが、その場合には、K個の復調器4−6−1〜4−6−Kは不要となる。
K個の再変調器4−4−1−1〜4−4−1−Kにおいて生成された各サブキャリアのレプリカは、レプリカ行列生成器4−4−2に入力される。時刻d+1においてサブキャリアiから送信アンテナ3−5−kにより送信された送信信号に対応するレプリカをtrep(i,k,d+1)とし、時刻d+1、サブキャリアiにおける送信信号ベクトルをtrep(i,d+1)とすると、
Figure 2006203323
と表現することができる。ここで、()は行列の転置を表す。レプリカ行列生成器4−3−2は、サブキャリア毎にL列(LはM以上の整数)の送信信号ベクトルをグループ化し、レプリカ行列Trep(i)を生成する。
Figure 2006203323
擬似逆行列演算器4−4−3では、レプリカ行列の擬似逆行列を(Trep(i))計算する。
Figure 2006203323
ここで、t’rep(i,l,k)は(Trep(i))のl行k列目の成分とし、擬似逆行列(Trep(i))は右側擬似逆行列とし、
(Trep(i))・(Trep(i)・(Trep(i))−1で定義される。但し、(A)は行列Aのエルミート変換、(A)は行列Aの逆行列をそれぞれ表す。
受信信号の高速フーリエ変換器出力は、受信信号行列生成器4−3−4に入力される。時刻d+1においてサブキャリアiから受信アンテナ4−1−kによって受信された受信信号の高速フーリエ変換器出力をy(i,k,d+1)とし、時刻d+1、サブキャリアiにおける受信信号ベクトルをyrep(i,d+1)とすると、
Figure 2006203323
と表現することができる。受信信号行列生成器4−4−4は、サブキャリア毎にL列(Lは、M以上の整数)の送信信号ベクトルをグループ化し、下式のような受信信号行列Y(i)を生成する。
Figure 2006203323
受信信号と送信信号との関係は、数式(2)のように表現されるが、もしレプリカ行列が正しければ、送信信号ベクトルおよび受信信号ベクトルをそれぞれレプリカ行列、受信信号行列に置き換えることにより数式(15)のように表される。
Figure 2006203323
ここで、N(i)はM行L列の雑音行列を表す。
行列乗算器4−4−5では、数式(15)の両辺右からレプリカ行列の擬似逆行列を乗算することにより、時刻d+Lにおける伝達係数行列の推定値であるレプリカ推定伝達係数行列H’rep(i)を求める。
Figure 2006203323
求められたレプリカ推定伝達係数行列H’rep(i)は、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6に入力されて記憶される。また、伝達係数行列記憶回路4−4−6では、初期伝達係数推定回路4−3においてバーストの先頭において付加されるパイロット信号を用いて行われた伝達係数行列の初期推定結果が入力される。
伝達係数推定行列更新回路4−4−7では、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6に記憶されているレプリカ推定伝達係数行列と、過去に推定された伝達係数推定行列とを用いて現在の伝達係数推定行列を決定し、干渉キャンセラ4−5に出力する。
伝達係数推定行列更新回路4−4−7の動作例として、現在推定されたレプリカ推定伝達係数のみを利用して、忘却係数を用いた伝達係数推定方法を示す。忘却係数をμ(μは0以上1以下の値をとる)として、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6に記憶されている過去の伝達係数推定行列をH’OLD(i)、更新された伝達係数推定行列をH’NEW(i)とすると、数式(17)で与えられる。
Figure 2006203323
忘却係数μの値は、伝搬路の変動速度に対して最適値を与えればよい。もしμ=0の場合には、過去の伝達係数推定行列を全く反映させないため、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6において過去に推定された伝達係数推定行列を記憶する必要はない。
更新された伝達係数推定行列は、干渉キャンセラ4−5および伝達係数推定行列記憶回路4−4−6に出力される。
上記構成においても、従来技術と同様に逆行列演算は含んではいるが、サブキャリア毎の逆行列演算となるため、1つ1つの行列の大きさが従来技術と比べて小さいため、逆行列の演算量を従来技術に対して削減することが可能となり、回路規模削減を実現することができる。
B.第2実施形態(請求項2)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態において、擬似逆行列演算器4−4−3をK行K列の行列の逆行列を求める機能を持たせる。レプリカ行列の擬似逆行列を用いる場合に比べて、逆行列を用いる場合には、単位期間当りに生成することができるレプリカ行列の数を増加させ、伝播路の変動に対する追従性を高めることが可能になる。また、K行L列の擬似逆行列演算に比べて、K行K列の逆行列演算の方が演算量を削減することができる。
C.第3実施形態(請求項3)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、前述した第1および第2実施形態に対して、伝達係数推定値更新回路4−4−7を変更する。ここで、図3は、本第3実施形態による伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。図において、伝達係数推定行列更新回路5は、行列重み演算回路5−1、重み係数記憶回路5−2、行列重み付け合成回路5−3から構成される。
第1および第2実施形態においては、過去の伝達係数推定行列と現在のレプリカ推定伝達係数行列との2つの行列の重み付け合成を既定の忘却係数μを用いて行っていたが、レプリカ推定伝達係数行列の推定精度は、自身を導出した際に用いたレプリカ行列の逆行列や受信信号行列のパターンに応じて異なってくる。
そこで、第3実施形態では、重み付け合成する際に忘却係数μ以外にレプリカ行列の逆行列の各要素の自乗和を用いる。レプリカ推定伝達係数行列に含まれる雑音成分について考えると、雑音成分の行列項は、数式(16)より、レプリカ行列の擬似逆行列あるいは逆行列と雑音行列との積で与えられるため、レプリカ推定伝達係数行列に含まれる要素の自乗和が大きければ大きいほど雑音が増長され、逆に小さければ小さいほど雑音は抑圧される。そこで、行列重み付け合成回路5−3において、数式(17)の代わりに下式を用いて伝達係数推定行列の更新を行う。
Figure 2006203323
ここで、pimat(i)は、レプリカ行列の擬似逆行列あるいは逆行列の全ての要素の自乗和であり、次式で与えられる。
Figure 2006203323
()は複素共役を表す。また、擬似逆行列演算回路4−4−3の代わりに逆行列演算回路を用いる場合はL=Kとなる。
また、数式(18)におけるw(pimat(i))は、入力されたpimat(i)に対する重みを与える関数である。一般に、pimat(i)が大きい場合には、雑音を増幅する傾向にあるので、レプリカ推定伝達係数行列の推定精度が低く、そのため更新された伝達係数推定行列の信頼度が低いので、重みを小さく設定する。逆にpimat(i)が小さい場合には、雑音は抑圧される傾向にあるので重みを大きく設定する。pimat(i)ならびにμw(pimat(i))は、行列重み演算回路5−1において計算される。
計算された行列重みμw(pimat(i))は、重み係数記憶回路5−2に出力され、行列重み付け合成回路5−3において伝達係数推定行列の重み付け合成を行う際に用いられる。
上述した第3実施形態によれば、レプリカ推定伝達係数行列を用いた伝達係数行列更新をサブキャリア毎に異なる精度を反映させて実行するため、特性改善を実現することが可能となる。
D.第4実施形態(請求項4)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本第4実施形態では、行列重み演算回路5−1において計算するレプリカ推定伝達係数行列に対する重み係数をpimat(i)の逆数に比例、すなわち所定の正の定数C及びαに対して、重み係数をC×pimat(i)−αで与える。
E.第5実施形態(請求項5)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図4は、本第5実施形態による伝達係数推定行列更新回路6の構成を示すブロック図である。伝達係数推定値更新回路6は、行列重み演算回路6−1、重み係数記憶回路6−2、行列重み付け合成回路6−3、行列重み加算器6−4、伝達係数推定行列更新判定回路6−5から構成される。伝達係数推定値更新回路6は、前述した第3実施形態の伝達係数推定行列更新回路5に対して、行列重み加算器6−4および伝達係数推定行列更新判定回路6−5を含む点で異なる。
行列重み加算器6−4は、重み係数記憶回路4−3−9−2において保存されている、最後に伝達係数推定行列の更新を行ってから現在までのサブキャリア毎のレプリカ推定伝達係数推定行列に対する重み係数の履歴の和pinv_mat_sum(i)を計算する。
Figure 2006203323
ここで、pimat(i,b)は、サブキャリアiに対してb回前に推定されたレプリカ推定伝達係数行列導出時のpimat(i)であり(b=0は、現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列を表す)、B(i)は、前回伝達係数推定行列が更新されてから現在までに推定されたレプリカ推定伝達係数行列の数である。
伝搬路の変動が十分緩やかである場合には、連続する複数回のレプリカ推定伝達係数行列を重み付け合成することにより、合成後の伝達係数推定行列の精度を向上させることが可能となる。pinv_imat_sum(i)は、過去の全てのレプリカ推定伝達係数行列を合成した後の行列全体の平均SNRを反映させる量であるため、重み付け合成後のSNRを既定のレベルに維持するために、pinv_imat_sum(i)が既定のしきい値を越えているかどうかの判定を伝達係数推定行列更新判定回路4−3−9−5において行い、判定結果を行列重み付け合成回路6−5に対して出力する。
重み付け合成回路4−3−9−3においては、伝達係数推定行列更新判定回路6−5においてpinv_imat_sum(i)が既定のしきい値を越えていると判定したサブキャリアに対しては、レプリカ推定伝達係数行列と直前に用いていた伝達係数推定行列とを重み付け合成し、干渉キャンセラに出力する。pinv_imat_sum(i)が既定のしきい値を越えていないと判定されたサブキャリアに対しては、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6から入力された過去の伝達係数推定行列を出力する。
重み付け合成の一例としては、レプリカ推定伝達係数行列を重み付け合成した後に、重み付け合成結果と直前の伝達係数推定行列とを忘却係数を用いた重み付け合成する方法がある。
Figure 2006203323
ここで、H’rep(i,b)は、b回前に推定されたレプリカ推定伝達係数推定行列である。
なお、数式(20)および数式21は一例であり、第4実施形態に関する説明にも示したとおり、pimat(i,b)をそれぞれpimat(i,b)αと置き換えても構わない。
F.第6実施形態(請求項6)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図5は、本第6実施形態による伝達係数推定行列更新回路7の構成を示すブロック図である。伝達係数推定値更新回路7は、行列重み演算回路7−1、重み係数記憶回路7−2、行列重み付け合成回路7−3、行列重み加算器7−4、伝達係数推定行列更新判定回路7−5、伝達係数推定行列非更新期間計算回路7−6、伝達係数行列履歴情報制御回路7−7から構成される。伝達係数推定値更新回路7は、前述した第5実施形態の伝達係数推定値更新回路6に対して、伝達係数推定値非更新期間計算回路7−6および伝達係数行列履歴情報制御回路7−7を有する点で異なる。
伝達係数推定値非更新期間計算回路7−6には、伝達係数行列更新判定回路の判定結果が入力される。伝達係数推定値非更新期間計算回路7−6では、判定結果を参照することにより、前回伝達係数推定行列が更新された時刻から現在の時刻までの期間をサブキャリア毎に計算する。例えば、OFDMベースの処理であれば、伝達係数推定行列が更新されていない期間をOFDMシンボル単位で数えるのが簡単な方法である。
全てのサブキャリアに対する伝達係数推定行列の非更新期間が既定のしきい値を越えているかどうかを伝達係数行列履歴情報制御回路4−3−9−7が判定する。既定のしきい値を越えているサブキャリアに対しては、重み付け合成するレプリカ推定伝達係数行列の情報の全体あるいは一部の情報が現在の伝達係数行列を十分反映していないものとみなして、レプリカ推定伝達係数行列の履歴情報を消去する指示を伝達係数推定行列記憶回路4−4−6ならびに重み付け合成回路7−2に対して出力する。
伝達係数行列履歴情報制御回路7−7から履歴情報の消去指示を受けたレプリカ推定伝達係数行列記憶回路7−6ならびに重み付け合成回路7−2は、記憶しているレプリカ推定伝達係数推定行列および重み係数の一部あるいは全体を消去する。
これにより、現在の伝達係数情報を十分に反映していないレプリカ推定伝達係数行列の影響を軽減し、伝達係数推定精度を向上させることが可能となる。
G.第7実施形態(請求項7、8、9)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図6は、本第7実施形態による伝達係数推定回路8の構成を示すブロック図である。伝達係数推定回路8は、K個の再変調器8−1−1〜8−1−K、レプリカ行列生成器8−2、擬似逆行列演算器8−3、受信信号行列生成器8−4、行列乗算器8−5、伝達係数推定行列記憶回路8−6、伝達係数推定行列更新回路8−7、レプリカ推定伝達係数行列フィルタ8−8から構成される。伝達係数推定回路8は、第1ないし第6実施形態に対して、レプリカ推定伝達係数行列フィルタ8−8を含んでいる点で異なる。
次に、図7は、レプリカ推定伝達係数行列フィルタ8−8の内部構成を示すブロック図である。レプリカ推定伝達係数行列フィルタ8−8は、行列減算器8−8−1、行列ユークリッド距離計算回路8−8−2、レプリカ推定伝達係数行列選択回路8−8−3から構成される。行列減算器8−8−1では、行列乗算器4−4−5からの出力である現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列と、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6の出力である直前に更新した伝達係数推定行列との差、すなわちH’OLD(i)−H’rep(i)をサブキャリア毎に計算し差分行列として出力する。
行列ユークリッド距離計算回路8−8−2では、差分行列を構成する全ての要素のユークリッド距離の自乗を計算し、レプリカ推定伝達係数行列選択回路8−8−3に出力する。レプリカ推定伝達係数行列選択回路8−8−3では、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値を越えているサブキャリアに対しては、当該サブキャリアのレプリカ推定伝達係数行列の精度が低いと判断し、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6に出力せず、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値以下であった場合、当該サブキャリアのレプリカ推定伝達係数行列の精度が十分得られていると判断し、レプリカ推定伝達係数行列記憶回路4−4−6に出力する。
雑音等やレプリカ行列の擬似逆行列によっては、算出したレプリカ推定伝達係数行列が十分な精度を得られず、後段の重み付け合成結果による伝達係数推定行列の推定精度が低下することがあるが、本第7実施形態を用いることにより、推定精度の低いレプリカ推定伝達係数推定行列が重み付け合成される事を未然に防ぐことが可能となる。
なお、ここでは、行列ユークリッド距離計算回路にて、差分行列を構成する全ての要素のユークリッド距離の自乗を計算していたが、一般的にはユークリッド距離以外の幾何学的な距離を用いても構わない。例えば、ユークリッド距離のべき乗などであっても構わない。さらに、次の第8実施形態では、ユークリッド距離の代わりにマンハッタン距離を用いている。
H.第8実施形態(請求項10)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本第8実施形態では、上述した第7実施形態における行列ユークリッド距離計算回路8−8−2の代わりに行列マンハッタン距離計算回路を用いる。行列マンハッタン距離計算回路では、入力された差分行列H’OLD(i)−H’rep(i)を構成する全ての要素のマンハッタン距離(実数部と虚数部の絶対値の和)の差分行列全体の和として計算し、レプリカ推定伝達係数行列選択回路4−3−10−3に出力する。レプリカ推定伝達係数行列選択回路4−3−10−3は、入力された差分行列のマンハッタン距離の和に対して、上述した第7実施形態におけるユークリッド距離の和と同様にしきい値に対する大小判定を行い、レプリカ推定伝達係数を出力するか否かの選択を行う。
本第8実施形態によれば、上述した第7実施形態と比較して、ユークリッド距離の代わりにマンハッタン距離を用いているため、差分行列の全要素のスカラー量の和を比較する計算が簡易になり、回路の簡易化が可能となる。
I.第9実施形態(請求項11、12、13)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図8は、本第9実施形態による伝達係数推定回路9の構成を示すブロック図である。伝達係数推定回路9は、K個の再変調器9−1−1〜9−1−K、レプリカ行列生成器9−2、擬似逆行列演算器9−3、受信信号行列生成器9−4、行列乗算器9−5、伝達係数推定行列記憶回路9−6、伝達係数推定行列更新回路4−3−7、レプリカ推定伝達係数推定行列フィルタ9−8、伝達係数推定行列フィルタ9−9から構成される。伝達係数推定回路9は、前述した第7実施形態に対して、レプリカ推定伝達係数行列フィルタ9−9を含んでいる点で異なる。
また、図9は、本第9実施形態による伝達係数行列フィルタ9−9の構成を示すブロック図である。伝達係数行列フィルタ9−9は、行列減算器9−9−1、行列ユークリッド距離計算回路9−9−2、伝達係数推定行列選択回路9−9−3から構成される。前述した第7実施形態においては、レプリカ推定伝達係数行列に対するフィルタリングを行っていたが、本第9実施形態においては、更新された伝達係数推定行列に対するフィルタリングを行うことが目的である。
行列乗算器4−3−11−1では、伝達係数行列更新回路9−7からの出力である更新された伝達係数推定行列と、伝達係数推定行列記憶回路9−6の出力である直前の伝達係数推定行列との差、すなわちH’OLD(i)−H’NEW(i)をサブキャリア毎に計算し差分行列として出力する。行列ユークリッド距離計算回路9−9−2では、差分行列を構成する全ての要素のユークリッド距離の自乗を計算し、伝達係数推定行列選択回路9−9−3に出力する。
伝達係数推定行列選択回路9−9−3では、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値を越えているサブキャリアに対しては、当該サブキャリアにおいて更新された伝達係数推定行列の精度が低いと判断し、干渉キャンセラに対しては過去に推定した伝達係数推定行列H’OLD(i)を出力し、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値以下であった場合、当該サブキャリアの伝達係数推定行列の精度が十分得られていると判断し、現時刻において更新した伝達係数推定行列H’NEW(i)を干渉キャンセラに対して出力する。
雑音等やレプリカ行列の擬似逆行列によっては、算出したレプリカ推定伝達係数行列が十分な精度を得られず、伝達係数推定行列の推定精度が低下することがあるが、本第9実施形態を用いることにより、推定精度の低い伝達係数推定行列が出力されることを未然に防ぐことが可能となる。
J.第10実施形態(請求項14)
次に、本発明の第10実施形態について説明する。本第10実施形態では、第9実施形態における行列ユークリッド距離計算回路9−9−2の代わりに行列マンハッタン距離計算回路を用いる。行列マンハッタン距離計算回路では、入力された差分行列H’OLD(i)−H’NEW(i)を構成する全ての要素のマンハッタン距離(実数部と虚数部の絶対値の和)の差分行列全体の和として計算し、伝達係数推定行列選択回路9−9−3に出力する。レプリカ推定伝達係数行列選択回路は、入力された差分行列のマンハッタン距離の和に対して、第9実施形態におけるユークリッド距離の和と同様にしきい値に対する大小判定を行い、現在更新した伝達係数推定行列か過去に推定した伝達係数推定行列のどちらを出力するかを選択する。
本第10実施形態では、前述した第9実施形態と比較して、ユークリッド距離の代わりにマンハッタン距離を用いているため、差分行列の全要素のスカラー量の和を比較する計算が簡易になり、回路の簡易化が可能となる。
なお、前述した第9実施形態に関しても、ユークリッド距離またはマンハッタン距離として説明を行ってきたが、その他の幾何学的距離を用いても構わない。具体的にはユークリッド距離のべき乗、またはマンハッタン距離のべき乗であっても良い。
K.第11実施形態(請求項15)
次に、本発明の第11実施形態について説明する。図10は、本第11実施形態による伝達係数推定行列更新回路10の構成を示すブロック図である。伝達係数推定行列更新回路10は、ベクトル重み演算回路10−1、重み係数記憶回路10−2、ベクトル重み付け合成回路10−3から構成される。伝達係数推定行列更新回路10は、前述した伝達係数推定行列更新回路4−4−7に代わるものである。
前述した第3実施形態においては、重み付け合成する際に忘却係数μ以外にレプリカ行列の逆行列の各要素の自乗和を用いる例を挙げたが、レプリカ推定伝達係数行列に含まれる雑音成分について考えると、雑音成分の行列項は、数式(16)より、レプリカ行列の擬似逆行列あるいは逆行列と雑音行列の積で与えられるため、レプリカ推定伝達係数行列に含まれる要素の自乗和が大きければ大きいほど雑音が増長され、逆に小さければ小さいほど雑音は抑圧される。ここで、レプリカ行列の擬似逆行列のk(kは、1以上K以下の整数)列目を構成する列ベクトルをt’rep(i,k)と表記すると、レプリカ行列の擬似逆行列は、数式(22)のように表記される。
Figure 2006203323
また、雑音行列N(i)を数式(23)のように定義する。
Figure 2006203323
数式(22)および数式(23)の定義を用いて、数式(16)における雑音項を表記すると、
Figure 2006203323
となる。数式(24)のm行k列の成分は、
Figure 2006203323
となる。各雑音成分が同一の分散σを持つと仮定した場合、数式(24)のm行k列の成分の分散は、
Figure 2006203323
となる。数式(26)より、数式(24)のm行k列の雑音成分の分散は、kにのみ依存することが分かる。すなわち、数式(16)におけるレプリカ推定伝達係数行列の各要素に含まれる雑音項の分散は、同一の列であれば、行が異なっていても同じである事が分かる。
本第11実施形態では、前述した第3および第4実施形態のように行列全体で伝達係数推定行列の更新を行うのではなく、各サブキャリアの伝達係数推定行列を構成する列ベクトル単位で個別に行う手法をとる。重み付け合成の一例として次の数式(27)を考える。
Figure 2006203323
ここで、h’OLD(i,k)はH’OLD(i)のk列目の列ベクトル、h’OLD(i,k)はH’OLD(i)のk列目の列ベクトル、h’rep(i,k)はH’rep(i)のk列目の列ベクトルを表す。
はじめに、ベクトル重み演算回路10−1において、レプリカ行列の擬似逆行列(あるいは逆行列)を構成するk列目の列ベクトル毎の自乗和pimat_col(i,k)が計算される。
Figure 2006203323
求めたpimat_col(i,k)に対して、既定の関数wcol(pimat_col(i,k))を用いてサブキャリアiのk列目の列ベクトルに対する重みを計算し、重み係数記憶回路4−3−9−2に出力する。pimat_col(i,k)は、レプリカ推定伝達係数行列のk列目の各要素に含まれる雑音の分散に比例する項であるため、pimat_col(i,k)が小さいときは、レプリカ推定伝達係数行列の信頼度が高いため、wcol(pimat_col(i,k))は大きくなり、pimat_col(i,k)が大きいときは、レプリカ推定伝達係数行列の信頼度が低いため、wcol(pimat_col(i,k))を小さくする。
ベクトル重み付け合成回路10−3では、過去の伝達係数推定行列とレプリカ推定伝達係数行列を重み付け合成した結果を、現在の伝達係数推定行列として干渉キャンセラ4−4および伝達係数推定行列記憶回路4−4−6へ出力する。ベクトル重み付け合成回路では、重み係数記憶回路10−2から入力された重み係数を用いて、数式(27)に基づいて伝達係数推定行列の列ベクトル毎に重み付け合成を行い、伝達係数推定行列の更新を行う。
これにより、本第11実施形態では、ベクトル毎に異なる伝達係数推定精度を考慮した重み付け合成が可能となるため、より精度の高い伝達係数推定行列を求めることが可能となる。
L.第12実施形態(請求項16)
次に、本発明の第12実施形態について説明する。本第12実施形態では、上述した第11実施形態におけるベクトル重み演算回路10−1において計算するレプリカ推定伝達係数行列の各列ベクトルに対する重み係数をpimat_col(i)の逆数に比例させる、例えば所定の正の定数C及びαに対して、重み係数をC×pimat_col(i)−αで与える。
M.第13実施形態(請求項17)
次に、本発明の第13実施形態について説明する。図11は、本第13実施形態における伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。伝達係数推定値更新回路11は、ベクトル重み演算回路11−1、重み係数記憶回路11−2、ベクトル重み付け合成回路11−3、ベクトル重み加算器11−4、伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路4−3−9−5から構成される。本第13実施形態では、上述した第12実施形態に対して、ベクトル重み加算器11−4および伝達係数推定行列更新判定回路11−5を含む点で異なる。ベクトル重み加算器11−4は、重み係数記憶回路11−2において保存されている、最後に伝達係数推定行列の更新を行ってから現在までのレプリカ推定伝達係数推定行列の列ベクトル毎に、重み係数の履歴の和pinv_imat_col_sum(i,k)を計算する。
Figure 2006203323
ここで、pimat_col(i,k,b)は、サブキャリアiのレプリカ推定伝達係数行列のk列目の列ベクトルに対してb回前に推定されたレプリカ推定伝達係数行列導出時のpimat_col(i,k)を表し(b=0は、現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列を表す)、B(i,k)は、前回当該の伝達係数推定行列の列ベクトルが更新されてから現在までに推定されたレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルの数である。
伝搬路の変動が十分緩やかである場合には、連続する複数回のレプリカ推定伝達係数行列を重み付け合成することにより、合成後の伝達係数推定行列の精度を向上させることが可能となる。pinv_imat_col_sum(i,k)は、過去の全てのレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを最大比合成した後のSNRに比例する量であるため、重み付け合成後のSNRを既定のレベルに維持するために、pinv_imat_col_sum(i,k)が既定のしきい値を越えているかどうかの判定を伝達係数推定行列更新判定回路11−5において行い、判定結果をベクトル重み付け合成回路11−3に対して出力する。
重み付け合成回路11−3においては、伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路11−5においてpinv_imat_col_sum(i,k)が既定のしきい値を越えていると判定したサブキャリアに対しては、レプリカ推定伝達係数行列と直前に用いていた伝達係数推定行列の当該列ベクトルを重み付け合成し、干渉キャンセラに出力する。pinv_imat_col_sum(i,k)が既定のしきい値を越えていないと判定された列ベクトルに対しては、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6からの入力をそのまま出力する。
重み付け合成の一例としては、レプリカ推定伝達係数行列を最大比合成した後に、重み付け合成結果と直前の伝達係数推定行列とを忘却係数を用いた重み付け合成する方法がある。
Figure 2006203323
ここで、h’rep(i,k,b)はb回前に推定されたレプリカ推定伝達係数推定行列の当該列ベクトルである。
また、伝達係数行列列ベクトル更新判定回路11−5における判定結果は、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6、重み係数記憶回路11−2に対しても出力され、pinv_imat_col_sum(i,k)が既定のしきい値を越えていると判定した列ベクトルに対しては、レプリカ推定伝達係数および重み係数の当該列ベクトルに関する履歴を消去することにより、記憶回路の効率利用を実現する。
なお、数式(29)および数式(30)は1つの例であり、第12実施形態に関する説明にも示したとおり、pimat_col(i,k,b)をそれぞれpimat_col(i,k,b)αと置き換えても構わない。
N.第14実施形態(請求項18)
次に、本発明の第14実施形態について説明する。図12は、本第14実施形態における伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。伝達係数推定値更新回路12は、ベクトル重み演算回路12−1、重み係数記憶回路12−2、ベクトル重み付け合成回路12−3、ベクトル重み加算器12−4、伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路12−5、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路12−6、伝達係数行列履歴情報制御回路12−7から構成される。本第14実施形態は、第11実施形態に対して、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路12−6および伝達係数行列履歴情報制御回路12−7を有する点で異なる。
伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路12−6に対して、伝達係数行列列ベクトル更新判定回路の判定結果が入力される。伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路12−6では、判定結果を参照することにより前回伝達係数推定行列が更新された時刻から現在の時刻までの期間を列ベクトル毎に計算する。例えば、OFDMベースの処理であれば、伝達係数推定行列が更新されていない期間をOFDMシンボル単位で数えるのが簡単な方法である。
全てのサブキャリアに対する伝達係数推定行列の列ベクトル毎に非更新期間が既定のしきい値を越えているかどうかを伝達係数行列履歴情報制御回路12−7が判定する。既定のしきい値を越えている列ベクトルに対しては、重み付け合成するレプリカ推定伝達係数行列の情報の全体あるいは一部の情報が現在の伝達係数行列を十分反映していないものとみなして、レプリカ推定伝達係数行列の履歴情報を消去する指示をレプリカ推定伝達係数行列記憶回路4−4−6ならびに重み係数記憶回路12−2に対して出力する。
伝達係数行列履歴情報制御回路12−7から履歴情報の消去指示を受けた、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6ならびに重み係数記憶回路12−2は、当該サブキャリアの列ベクトルに対して記憶しているレプリカ推定伝達係数推定行列および重み係数の一部あるいは全体を消去する。
本第14実施形態によれば、現在の伝達係数情報を十分に反映していないレプリカ推定伝達係数行列の影響を列ベクトル単位で軽減し、伝達係数推定精度を向上させることが可能となる。
O.第15実施形態(請求項19、20、21)
次に、本発明の第15実施形態について説明する。図13は、本第15実施形態における伝達係数推定回路の構成を示すブロック図である。伝達係数推定回路13は、K個の再変調器13−1−1〜13−1−K、レプリカ行列生成器13−2、擬似逆行列演算器13−3、受信信号行列生成器13−4、行列乗算器13−5、伝達係数推定行列記憶回路13−6、伝達係数推定行列更新回路13−7、レプリカ推定伝達係数推定行列列ベクトルフィルタ13−8から構成される。本第15実施形態は、上述した第14実施形態に対して、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタ13−8を含んでいるか点で異なる。
また、図14は、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタ13−8の内部構成を示すブロック図である。レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタ13−8は、行列減算器13−8−1、ベクトルユークリッド距離計算回路13−8−2、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトル選択回路13−8−3から構成される。行列減算器13−8−1では、行列乗算器13−5からの出力であるレプリカ推定伝達係数行列と、伝達係数推定行列記憶回路13−6の出力である、直前に更新した伝達係数推定行列との差、すなわちH’OLD(i)−H’rep(i)をサブキャリア毎に計算し差分行列として出力する。
行列ユークリッド距離計算回路13−8−2では、差分行列の列ベクトル毎に、列ベクトルを構成する全ての要素のユークリッド距離の自乗和を計算し、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトル選択回路13−8−3に出力する。レプリカ推定伝達係数行列列ベクトル選択回路13−8−3では、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値を越えている列ベクトルに対しては、当該サブキャリアのレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルの精度が低いと判断し、レプリカ推定伝達係数行列記憶回路に出力せず、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値以下であった場合には、当該サブキャリアのレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルの精度が十分得られていると判断し、レプリカ推定伝達係数行列記憶回路に出力する。
雑音等やレプリカ行列の擬似逆行列によっては、算出したレプリカ推定伝達係数行列が十分な精度を得られず、後段の重み付け合成結果による伝達係数推定行列の推定精度が低下することがあるが、本第15実施形態を用いることにより、推定精度の低いレプリカ推定伝達係数推定行列が重み付け合成される事を列ベクトル単位で未然に防ぐことが可能となる。
P.第16実施形態(請求項22)
次に、本発明の第16実施形態について説明する。本第16実施形態では、第15実施形態におけるベクトルユークリッド距離計算回路13−8−2の代わりにベクトルマンハッタン距離計算回路を用いる。ベクトルマンハッタン距離計算回路では、入力された差分行列H’OLD(i)−H’rep(i)の列ベクトル毎に、列ベクトルを構成する全ての要素のマンハッタン距離(実数部と虚数部の絶対値の和)の和を計算し、レプリカ推定伝達係数行列列ベクトル選択回路13−8−3に出力する。レプリカ推定伝達係数行列選択回路13−8−3は、入力された差分行列のマンハッタン距離の和に対して、請求項19から21の実施例におけるユークリッド距離の和と同様にしきい値に対する大小判定を行い、レプリカ推定伝達係数を出力するか否かの選択を行う。
本第16実施形態は、上述した第15実施形態と比較して、ユークリッド距離の代わりにマンハッタン距離を用いているため、乗算器の数を減らすことが可能となり、回路の簡易化が可能となる。
なお、上述した第15実施形態に関しても、ユークリッド距離またはマンハッタン距離として説明を行ってきたが、その他の幾何学的距離を用いても構わない。具体的にはユークリッド距離のべき乗、またはマンハッタン距離のべき乗であっても良い。
Q.第17実施形態(請求項23、24、25)
次に、本発明の第17実施形態について説明する。図15は、本第17実施形態における伝達係数推定回路の構成を示すブロック図である。伝達係数推定回路14は、K個の再変調器14−1−1〜14−1−K、レプリカ行列生成器14−2、擬似逆行列演算器14−3、受信信号行列生成器14−4、行列乗算器14−5、伝達係数推定行列記憶回路14−6、伝達係数推定行列更新回路14−7、レプリカ推定伝達係数推定行列列ベクトルフィルタ14−8、伝達係数推定行列列ベクトルフィルタ14−9から構成される。本第17実施形態は、前述した第1実施形態に対して、レプリカ推定伝達係数行列フィルタ14−9を含んでいる点で異なる。
また、図16は、伝達係数推定行列列ベクトルフィルタ14−9の構成を示すブロック図である。伝達係数行列フィルタ14−9は、行列減算器14−9−1、ベクトルユークリッド距離計算回路14−9−2、伝達係数推定行列列ベクトル選択回路14−9−3から構成される。第13実施形態ないし第15実施形態においては、レプリカ推定伝達係数行列に対する列ベクトル毎のフィルタリングを行っていたが、本第17実施形態においては、更新された伝達係数推定行列に対するフィルタリングを列ベクトル単位で行うことが目的である。
行列減算器14−9−1では、伝達係数行列更新回路14−7からの出力である更新された伝達係数推定行列と、伝達係数推定行列記憶回路4−4−6の出力である、直前の伝達係数推定行列との差、すなわちH’OLD(i)−H’NEW(i)をサブキャリア毎に計算し差分行列として出力する。ベクトルユークリッド距離計算回路14−9−2では、差分行列の列ベクトルを構成する全ての要素のユークリッド距離の自乗の和を計算し伝達係数推定行列列ベクトル選択回路14−9−3に出力する。
伝達係数推定行列列ベクトル選択回路14−9−3では、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値を越えている列ベクトルに対しては、当該列ベクトルにおいて更新された伝達係数推定行列の精度が低いと判断し、干渉キャンセラ4−5に対して過去に推定した伝達係数推定行列H’OLD(i)の当該列ベクトルを干渉キャンセラ4−5に対して出力し、入力されたユークリッド距離の自乗和が既定のしきい値以下であった場合には、当該サブキャリアの伝達係数推定行列の精度が十分得られていると判断し、現時刻において更新した伝達係数推定行列H’NEW(i)の当該列ベクトルを干渉キャンセラ4−5に対して出力する。
雑音等やレプリカ行列の擬似逆行列によっては、算出したレプリカ推定伝達係数行列が十分な精度を得られず、伝達係数推定行列の推定精度が低下することがあるが、本第17実施形態を用いることにより、推定精度の低い伝達係数推定行列が出力されることを列ベクトル単位で未然に防ぐことが可能となる。
R.第18実施形態(請求項26)
次に、本発明の第18実施形態について説明する。本第18実施形態では、上述した第17実施形態におけるベクトルユークリッド距離計算回路14−9−2の代わりにベクトルマンハッタン距離計算回路を用いる。行列マンハッタン距離計算回路では、入力された差分行列H’OLD(i)−H’NEW(i)の列ベクトルを構成する全ての要素のマンハッタン距離(実数部と虚数部の絶対値の和)の和を計算し、伝達係数推定行列列ベクトル選択回路14−9−3に出力する。伝達係数推定行列列ベクトル選択回路14−9−3は、入力された差分行列のマンハッタン距離の和に対して、前述した第15実施形態と同様に、しきい値に対する大小判定を行い、現在更新した伝達係数推定行列か過去に推定した伝達係数推定行列のどちらを出力するかを選択する。
本第18実施形態は、第15実施形態と比較して、ユークリッド距離の代わりにマンハッタン距離を用いているため、差分行列の列ベクトルのスカラー量の和を比較する計算が簡易になり、回路の簡易化が可能となる。
なお、上述した第17実施形態に関しても、ユークリッド距離またはマンハッタン距離として説明を行ってきたが、その他の幾何学的距離を用いても構わない。具体的にはユークリッド距離のべき乗、またはマンハッタン距離のべき乗であっても良い。
なお、上述した実施形態においては、初期伝達係数推定回路4−3や伝達係数推定回路4−4などは、コンピュータシステム内で実行される。そして、上述した初期伝達係数推定回路4−3や伝達係数推定回路4−4による一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。すなわち、初期伝達係数推定回路4−3や伝達係数推定回路4−4における、各処理手段、処理部は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されるものである。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
本発明の第1実施形態による伝達係数推定回路を含むOFDM信号送受信装置を示すブロック図である。 本第1実施形態における伝達係数推定回路4−4の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態による伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態による伝達係数推定値更新回路6の構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態による伝達係数推定行列更新回路7の構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施形態による伝達係数推定回路8の構成を示すブロック図である。 本第7実施形態のレプリカ推定伝達係数推定行列フィルタ8−8の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第9実施形態による伝達係数推定回路9の構成を示すブロック図である。 本第9実施形態による伝達係数行列フィルタ9−9の構成を示すブロック図である。 本発明の第11実施形態による伝達係数推定行列更新回路10の構成を示すブロック図である。 本発明の第13実施形態における伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第14実施形態における伝達係数推定値更新回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第15実施形態における伝達係数推定回路の構成を示すブロック図である。 本第15実施形態のレプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタ13−8の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第17実施形態における伝達係数推定回路の構成を示すブロック図である。 本第17実施形態の伝達係数推定行列列ベクトルフィルタ14−9の構成を示すブロック図である。 従来技術によるOFDM信号送受信装置の構成例を示すブロック図である。 従来技術におけるバースト信号の一例を示す図である。 従来技術による伝達係数推定回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
4 OFDM信号受信装置
4−1−1〜4−1−K 受信アンテナ
4−2−1〜4−2−K 高速フーリエ変換器
4−3 初期伝達係数推定回路
4−4、8 伝達係数推定回路
4−5 干渉キャンセラ
4−6−1〜4−6−K 復調器
4−4−1−1〜4−4−1−K、8−1−1〜8−1−K、9−1−1〜9−1−K、13−1−1〜13−1−K、14−1−1〜14−1−K 再変調器
4−4−2、8−2、9−2、13−2、14−2 レプリカ行列生成器
4−4−3、8−3、9−3、13−3、14−3 擬似逆行列演算器
4−4−4、8−4、9−4、13−4、14−4 受信信号行列生成器
4−4−5、8−5、9−5、13−5、14−5 行列乗算器
4−4−6、8−6、9−6、13−6、14−6 伝達係数推定行列記憶回路
4−4−7、8−7、9−7、13−7、14−7 伝達係数推定行列更新回路
5、6、7、10,11,12 伝達係数推定回路
5−1、6−1、7−1 行列重み演算回路
5−2、6−2、7−2 重み係数記憶回路
5−3、6−3、7−3 行列重み付け合成回路
6−4、7−4 行列重み加算器
6−5、6−5 伝達係数推定行列更新判定回路
7−6 伝達係数推定行列非更新期間計算回路
7−7 伝達係数行列履歴情報制御回路
8−8、9−8、14−8 レプリカ推定伝達係数行列フィルタ
8−8−1、9−9−1、13−8−1、14−9−1 行列減算器
8−8−2、9−9−2 行列ユークリッド距離計算回路
8−8−3 レプリカ推定伝達係数行列選択回路
9−9、14−9 伝達係数推定行列フィルタ
9−9−3 伝達係数行列選択回路
10−1、11−1、12−1 ベクトル重み演算回路
10−2、11−2、12−2 重み係数記憶回路
10−3、11−3、12−3 ベクトル重み付け合成回路
11−4、12−4 ベクトル重み加算器
11−5、12−5 伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路
12−6 伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路
12−7 伝達係数行列履歴情報制御回路
13−8 レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタ
13−8−2、14−9−2 ベクトルユークリッド距離計算回路
13−8−3 レプリカ推定伝達係数行列列ベクトル選択回路
14−9−3 伝達係数行列列ベクトル選択回路

Claims (27)

  1. 送信側における複数の送信アンテナから送信される空間多重されたOFDM送信信号系列を、受信側における複数の受信アンテナで受信する際に、OFDM受信信号系列に対して高速フーリエ変換を行い、送信側から送信される既知のパイロット信号と、該パイロット信号に対応する高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて、空間多重された受信信号からサブキャリア毎の信号点を出力するためのアンテナ間の伝達係数を推定する伝達係数推定回路であって、
    前記サブキャリア毎の信号点に対する復調出力である送信データ系列を再変調し、サブキャリア毎に送信信号レプリカを生成する再変調器と、
    前記再変調器により生成される送信信号レプリカを要素とするレプリカ行列をサブキャリア毎に生成するレプリカ行列生成器と、
    前記サブキャリア毎のレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を求める擬似逆行列演算器と、
    前記高速フーリエ変換後のサブキャリア毎に出力される受信信号を要素とする受信信号行列をサブキャリア毎に生成する受信信号行列生成器と、
    前記受信信号行列に対して前記擬似逆行列演算器の出力であるレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を乗算し、乗算結果をレプリカ推定伝達係数行列として出力する行列乗算器と、
    前記送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する前記高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて伝達係数行列の初期値を推定し、初期伝達係数推定行列として出力する伝達係数行列初期推定回路と、
    前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数推定値として出力する伝達係数推定行列更新回路と
    を具備することを特徴とする伝達係数推定回路。
  2. 前記擬似逆行列演算器は、レプリカ行列の逆行列をサブキャリア毎に生成し出力する機能を持つことを特徴とする請求項1記載の伝達係数推定回路。
  3. 前記伝達係数推定行列更新回路は、
    前記レプリカ推定伝達係数行列に対する重み係数を計算する行列重み演算回路と、
    前記行列重み演算回路により計算された重み係数を用いて、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数推定行列とをサブキャリア毎に重み付け合成する行列重み付け合成回路と
    から構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の伝達係数推定回路。
  4. 前記行列重み演算回路は、
    過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列に対する前記重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に利用したレプリカ行列の擬似逆行列の各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とすることを特徴とする請求項3記載の伝達係数推定回路。
  5. 前記伝達係数推定行列更新回路は、
    サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する前記重み係数を同一サブキャリア毎に加算する行列重み加算器と、
    前記行列重み加算器による加算結果が既定のしきい値を越えている場合、前記伝達係数推定行列更新回路に対して当該サブキャリアに対する更新命令を出力する伝達係数推定行列更新判定回路とを有し、
    前記行列重み付け合成回路は、前記伝達係数推定行列更新判定回路から更新命令が通知されたサブキャリアに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列のそれぞれを重み付け合成し、現在の伝達係数推定行列として出力し、更新命令が通知されないサブキャリアに対しては、過去の伝達係数推定行列を出力することを特徴とする請求項4記載の伝達係数推定回路。
  6. 前記伝達係数推定行列更新回路は、
    前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、サブキャリア毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻との差を計算し、伝達係数推定行列の非更新期間として出力する伝達係数推定行列非更新期間計算回路と、
    前記伝達係数推定行列の非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力する伝達係数行列履歴情報制御回路とを有し、
    前記伝達係数履歴情報制御回路による消去命令が通知されたサブキャリアに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数に対応する行列重みの履歴を消去することを特徴とする請求項5記載の伝達係数推定回路。
  7. 前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列として出力するレプリカ推定伝達係数行列フィルタを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の伝達係数推定回路。
  8. 前記レプリカ推定伝達係数行列フィルタは、
    前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記行列乗算器からの出力であるのレプリカ推定伝達係数行列との差をサブキャリア毎に計算し、伝達係数差分行列として出力する行列減算器と、
    前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全ての幾何学的距離の和を計算し、伝達係数差分値として出力する行列幾何学的距離計算回路と、
    前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、入力されたレプリカ推定伝達係数行列を出力しない伝達係数推定行列選択回路と
    から構成されることを特徴とする請求項7記載の伝達係数推定回路。
  9. 前記幾何学的距離計算回路は、
    前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする請求項8記載の伝達係数推定回路。
  10. 前記幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする請求項8記載の伝達係数推定回路。
  11. 前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断されたサブキャリアのみレプリカ推定伝達係数行列を出力する伝達係数推定行列フィルタを有することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の伝達係数推定回路。
  12. 前記伝達係数推定行列フィルタは、
    前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差をサブキャリア毎に計算し、伝達係数差分行列として出力する行列減算器と、
    前記サブキャリア毎の伝達係数差分行列ごとに、行列を構成する要素の全てに対する幾何学的距離の和を計算し、伝達係数差分値として出力する行列幾何学的距離計算回路と、
    前記伝達係数差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記現在時刻において推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記過去に推定された伝達係数推定行列を前記干渉キャンセラに出力する伝達係数推定行列選択回路と
    から構成されることを特徴とする請求項11記載の伝達係数推定回路。
  13. 前記行列幾何学的距離計算回路は、
    前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする請求項12記載の伝達係数推定回路。
  14. 前記行列幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分行列の各要素の幾何学的距離として、行列を構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする請求項12記載の伝達係数推定回路。
  15. 前記伝達係数推定行列更新回路は、
    前記擬似逆行列演算器の出力を用いて各時刻におけるサブキャリア毎のレプリカ推定伝達係数行列、前記現在推定されたレプリカ推定伝達係数行列および前記過去に推定された伝達係数推定行列の各列ベクトルに対する重み係数を計算するベクトル重み演算回路と、
    前記重み係数を用いて、前記レプリカ推定伝達係数行列と前記過去の伝達係数推定行列とを列ベクトル毎に重み付け合成する行列重み付け合成回路と
    から構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の伝達係数推定回路。
  16. 前記ベクトル重み演算回路は、
    前記過去および現在に推定されたレプリカ推定伝達係数行列の列ベクトルに対する重み係数を、各レプリカ推定伝達係数行列を導出する際に用いたレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列の行ベクトルの各成分の絶対値の二乗和に反比例した重み係数とすることを特徴とする請求項15記載の伝達係数推定回路。
  17. 前記伝達係数推定値更新回路は、
    前記サブキャリア毎の異なる時刻に推定された複数のレプリカ伝達係数推定行列に対応する重み係数を同一列ベクトル毎に加算するベクトル重み加算器と、
    前記行列重み加算器の加算結果が既定のしきい値を越えている場合には、当該列ベクトルに対する更新命令を出力する伝達係数推定行列列ベクトル更新判定回路と、
    前記伝達係数推定行列更新判定回路から更新命令が通知された列ベクトルに対しては、過去および現在のレプリカ推定伝達係数行列と過去の伝達係数推定行列との各々の列ベクトルを重み付け合成して現在の伝達係数推定行列の列ベクトルとして出力し、更新命令が通知されない列ベクトルに対しては、前記レプリカ推定伝達係数行列または前記過去の伝達係数推定行列をそのまま出力する伝達係数推定行列列ベクトル更新回路と
    を有することを特徴とする請求項16記載の伝達係数推定回路。
  18. 前記伝達係数推定行列更新回路は、
    前記伝達係数推定行列更新判定回路による判定結果に基づいて、列ベクトル毎に過去の伝達係数推定行列が更新された時刻と現在時刻の差を計算し、伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間として出力する伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間計算回路と、
    前記伝達係数推定行列列ベクトル非更新期間に対して既定のしきい値を上回った場合、履歴消去命令を出力する伝達係数行列履歴情報制御回路を有し
    前記伝達係数履歴情報制御回路による消去命令が通知された列ベクトルに対して、過去のレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルの一部あるいは全体の履歴を消去するとともに、該消去された過去のレプリカ推定伝達係数の当該列ベクトルに対応する行列重みの履歴を消去することを特徴とする請求項17記載の伝達係数推定回路。
  19. 前記伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各サブキャリアの前記伝達係数推定行列の列ベクトルの各成分に対する、更新処理の有効または無効の判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみレプリカ推定伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力するレプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタを有することを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の伝達係数推定回路。
  20. 前記レプリカ推定伝達係数行列列ベクトルフィルタは、
    過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列との差を列ベクトル毎に計算し、伝達係数差分ベクトルとして出力するベクトル減算器と、
    サブキャリア毎の伝達係数差分ベクトル毎に、ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗の和を計算し、ベクトル差分値として出力するベクトル幾何学的距離計算回路と、
    前記ベクトル差分値が既定のしきい値を下回っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、既定のしきい値を上待っている場合には、前記レプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力しない伝達係数行列列ベクトル推定精度判定回路と
    から構成されることを特徴とする請求項19記載の伝達係数推定回路。
  21. 前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、
    前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする請求項20記載の伝達係数推定回路。
  22. 前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする請求項20記載の伝達係数推定回路。
  23. 前記過去に推定された伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とに基づいて、各列ベクトルに関して、出力の選択のための判断を行い、該判断結果で有効と判断された列ベクトルのみ過去にレプリカ推定伝達係数行列の当該列ベクトルを出力し、有効と判断されなかった列ベクトルに対しては過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを出力する伝達係数推定行列列ベクトルフィルタを有することを特徴とする請求項1または2、あるいは請求項15ないし22のいずれかに記載の伝達係数推定回路。
  24. 前記伝達係数推定行列列ベクトルフィルタは、
    現在時刻において推定された伝達係数推定行列と前記過去に推定された伝達係数推定行列との差を列ベクトル毎に計算し、差分ベクトルとして出力する行列減算器と、
    サブキャリア毎の差分ベクトル毎に、列ベクトルを構成する要素の全ての幾何学的距離の自乗和を計算するベクトル幾何学的距離計算回路と、
    前記ベクトル幾何学的距離計算回路の出力が既定のしきい値を下回っている場合には、現在時刻において推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力し、既定のしきい値を上回っている場合は過去に推定された伝達係数推定行列の当該列ベクトルを前記干渉キャンセラに出力する伝達係数推定行列列ベクトル選択回路と
    から構成されることを特徴とする請求項23記載の伝達係数推定回路。
  25. 前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、
    前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の絶対値または該絶対値の二乗値を用いることを特徴とする請求項24記載の伝達係数推定回路。
  26. 前記ベクトル幾何学的距離計算回路は、
    前記伝達係数差分ベクトルの各要素の幾何学的距離として、該ベクトルを構成する要素の実数部の絶対値および虚数部の絶対値の和または該値の二乗値を用いることを特徴とする請求項24記載の伝達係数推定回路。
  27. 送信側における複数の送信アンテナから送信される空間多重されたOFDM送信信号系列を、受信側における複数の受信アンテナで受信する際に、OFDM受信信号系列に対して高速フーリエ変換を行い、送信側から送信される既知のパイロット信号と、該パイロット信号に対応する高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて、空間多重された受信信号からサブキャリア毎の信号点を出力するためのアンテナ間の伝達係数を推定する伝達係数推定方法であって、
    前記サブキャリア毎の信号点に対する復調出力である送信データ系列を再変調し、サブキャリア毎に送信信号レプリカを生成し、前記送信信号レプリカを要素とするレプリカ行列をサブキャリア毎に生成し、前記サブキャリア毎のレプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を求め、前記高速フーリエ変換後のサブキャリア毎に出力される受信信号を要素とする受信信号行列をサブキャリア毎に生成し、前記受信信号行列に対して前記レプリカ行列の逆行列または擬似逆行列を乗算し、レプリカ推定伝達係数行列を求め、前記送信側から送信される既知のパイロット信号とパイロット信号に対応する前記高速フーリエ変換後の受信信号とを用いて伝達係数行列の初期値を推定し、初期伝達係数推定行列として求め、前記初期伝達係数推定行列と前記レプリカ推定伝達係数行列とを重み付け合成し、現在の伝達係数推定値として出力することを特徴とする伝達係数推定方法。


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