JP2006202825A - 液浸型露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液浸法を適用した場合に、基板の端部を露光する際にも、液体が投影光学手段の下面と基板表面との間に留まり、液体を介して露光を行うことが可能であり、基板の端部を含み基板全面を露光することが出来る液浸型の露光手段を提供すること。
【解決手段】原版101を照明する照明手段211と、基板111を直接的にはZステージ113に保持する基板保持手段112と、原版101のパターンを基板111の上に転写する投影光学手段121と、を備えるとともに、その投影光学手段121の基板111側の光学素子の先端部123と、基板111の表面と、の間が、液体301で満たされる液浸型露光装置100の提供による。この液浸型露光装置100は、基板保持手段112が、基板111の外周を囲う基板治具40を有するところに特徴がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、投影光学手段の基板側の光学素子(レンズ等)の先端部と、ステージ上に配置された基板の表面と、の間を液体で満たしつつ、基板の側面、裏面に液体を漏洩することなく、基板の端部の露光を可能とした露光装置に関する。
半導体素子、撮像素子等の電子デバイスを製造する際に、原版(レチクル(又はマスクと呼ぶ))のパターンの像を投影光学手段を介して、感光材であるレジストが塗布された基板(ウェーハ、又は液晶表示素子等に用いられるガラスプレート等)上の各ショット領域に転写する(投影型の)露光装置が使用されている。
電子デバイスには、より小型化、より高集積化が求められることから、電子デバイスの回路を、より微細化する必要が生じてくる。そして、この微細化の要求に応えるためには、露光装置に備えられている投影光学手段の解像度を向上させる必要がある。この投影光学手段の解像度は、使用する露光波長を短くする程、又、投影光学手段の開口数が大きい程、高くなるものである。従って、回路の微細化に伴って、露光装置で使用される露光波長は、より短波長化してきており、投影光学手段の開口数も、より増大してきている。近時の露光波長は、KrFエキシマレーザの248nmが主流であるが、より短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化されつつある。一方、露光を行う際には、解像度と同様に、焦点深度も重要となる。ここで、解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の式で表される。
R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA2 (ii)
上記(i)式及び(ii)式において、λは露光に用いるレーザ光源の真空中の波長、NAは投影光学手段の開口数(Numerical Aperture)、k1,k2はプロセス係数である。尚、NAは、投影光学手段のレンズと基板との間の空間の屈折率をnとし、(露光)光の(基板上に塗られた)レジスト表面への最大入射角をθとしたとき、次式で表される
NA=nsinθ (iii)
上記(i)式及び(ii)式により、解像度Rを高めるために、露光波長λを短くして、開口数NAを大きくすると、焦点深度δが狭くなることが理解される。従って、半導体素子等の回路の一層の高集積化に対応するため、露光波長を更に短波長化していくと、焦点深度が狭くなり過ぎて、露光動作時のマージンが不足するおそれが生じてくる。
そこで、実質的に露光波長を短くし且つ焦点深度を広くする方法として、液浸型露光方法(液浸法ともいう)が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この方法は、投影光学手段の下面と基板表面との間を液体で満たし、液体中での露光光源の波長が、液体の屈折率をnとしたときに、空気中の1/n倍になることを利用して、解像度を向上するとともに、焦点深度を約n倍に拡大する方法である。即ち、液浸法によれば、解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の式で表される。
R=k1・(λ/n)/NA (iv)
δ=k2・nλ/NA2 (v)
特開平11−176727号公報
しかし、液浸法においては、投影光学手段の下面と基板表面との間を液体(液浸型露光用液体ともいう)で満たすことに由来して、基板(例えばシリコンウェーハ)の端部における露光が困難であるという解決すべき問題があった。
基板の中央部領域を露光する場合には、投影光学手段の下面と基板表面との間の距離(間隔)は、その全面で概ね一定であり、この間隔は、通常、極狭いことから、液体が自らの表面張力によって、その間に留まることが出来る。又、液体を供給しながら、同時に液体を回収することで、所望の領域を液体で満たすことが可能となる。従って、液体を介して、即ち、安定して存在するその液体に(露光)光を透過させて、露光を行うことが可能である。しかし、基板の端部(エッジ)領域を露光する場合には、その露光しようとする領域の一部において基板が存在しないため、露光しようとする領域におけるその基板が存在しない部分において段差が生じ、液体が自らの表面張力によって投影光学手段の下面と基板表面との間に留まることが出来なくなり、投影光学手段の下面と基板表面との間から供給した液体が流出してしまう。従って、液体を介して露光を行うことが不可能であり、原版のパターンはレジストが塗られた基板において結像せず、精度よくパターンを転写することが出来なくなる。加えて、流れ出た液体が、湿度、温度等の露光装置内の環境変化を招来させたり、露光装置における機械構造部分にダメージを与える(錆の発生等)等の問題を併発するおそれがある。又、基板の側面や裏面に残存した液体が、のちのベーク時の温度ムラの原因になるおそれがある。
このような問題に対し、基板の端部については露光を行わずパターン形成・現像をしないという対応が考えられるが、そうすると、露光を行った部分の間において、露光を行わなかった端部により近い部分と、そうではないより離れた中央部とで、パターン密度に大きな差が生じるために、露光後の現像・エッチングが良好に行えない、という問題が生じ得る。又、例えば、露光しなかったレジストで覆われた領域の酸化膜等の被エッチング膜が端部のみにおいて累積的に残存して基板内の段差が大きくなり、例えば、後のCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程において研磨が良好に行えず、基板レベルでの所望の平坦化が図れない、という問題が生じ得る。これらの問題が生じれば、何れにしても電子デバイスの歩留まりを悪化させるおそれが高まり好ましくない。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液浸法を適用した場合に、基板の端部を露光する際にも、液体が投影光学手段の下面と基板表面との間に留まり、液体を介して露光を行うことが可能であり、基板の端部を含み基板全面を露光することが出来る液浸型の露光手段を提供することを目的とする。研究が重ねられた結果、以下に示す手段により、上記目的を達成出来ることが見出された。
即ち、先ず、本発明によれば、原版を照明する照明手段と、基板をステージに保持する基板保持手段と、原版のパターンを基板の上に転写する投影光学手段と、を備えるとともに、その投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と、基板の表面と、の間が、液体で満たされる露光装置であって、基板保持手段が、基板の外周を囲う基板治具を有する液浸型露光装置が提供される。
本発明に係る液浸型露光装置においては、原版とはマスク及びレチクルを指し、基板とは例えばシリコンウェーハ、液晶等のディスプレイ素子用のガラスプレート、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウェーハ、あるいは露光装置で用いられる合成石英等からなる原版(マスク又はレチクル)等を指す。露光とはレジスト(感光剤)に光をあてることを意味するから、露光にかかる対象を単に基板と呼ぶ場合において、その基板とはレジストが塗布された基板であることは理解されるべきである。原版を照明するための露光の光(光源)は限定されず、ArFエキシマレーザ(193nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2エキシマレーザ(157nm)等を使用出来、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)であってもよいが、短波長の方が微細なパターンを解像するには望ましい。投影光学手段とは、主に鏡筒で支持された複数の光学素子で構成され、その光学素子とは通常レンズやミラー等が単独に又は組み合わされたものである。基板保持手段は、限定されるものではないが、更に移動機能を備えるものであることが好ましく、例えば、基板を載置するステージと、そのステージを三次元方向に自由に精度よく位置決めし得る直動システムと、で構成することが出来る。投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と基板の表面との間を満たす液体(液浸型露光用液体)は限定されず、純水を使用する場合も有効であるし、有機化合物を含む液体等であってもよい。又、本発明に係る液浸型露光装置は、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型の露光装置であってもよく、レチクルとウェーハとを同期走査して露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置であってもよい(上記内容は、後述の本発明に係る液浸型露光方法においても同様である)。本明細書における基板治具とは、基板にかかる治具であり、その治具とは、位置決め等の目的に限定されず広く製造・生産に用いて有用・便宜な道具(物)を意味する。
本発明に係る液浸型露光装置においては、基板治具の表面と基板の表面とが概ね一の平面を形成するように、基板治具が基板の外周を囲ってなるものであることが好ましい。
概ね一の平面とは、実際にはその平面が2つ以上の物(部材)の面で構成されているが、平らな面としては1つであり外見上1つの物(部材)で構成されているように評価出来る平面を意味し、ここで、2つ以上の物(部材)の面が、基板治具の表面と基板の表面とにあたる。例示すれば、一の物(部材)に他の物(部材)が接しており、一の物(部材)の面と他の物(部材)の面との段差が限りなく小さく、好ましくは面と面との間の平面度が挙げられる。尚、平面度は、日本工業規格 B 0621の定義に従い、平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさを意味する。
又、本発明に係る液浸型露光装置においては、上記基板保持手段のステージに、基板の厚さ方向の概ね半分を嵌め込む凹部が形成されていることが好ましい。
基板の厚さ方向の概ね半分とは、(露光)光を受ける面である基板の表面に対し、基板保持手段を構成するステージに載置される基板の、そのステージに接する面を基板の裏面とし、裏面を基準として表面までの厚さを100%としたときに、限定されるものではないが、50〜80%程度の嵌め込まれる(基板の)実体部分を意味する。凹部とは、嵌め込まれる基板の形状に合う相補的な形状の凹みである。
更に、本発明に係る液浸型露光装置においては、上記基板治具が、少なくとも基板の表面側において一体的に形成されていることが好ましい。
一体的に形成されているとは、継ぎ目のない状態を意味し、表面側のみを認識する限りにおいては、基板治具が1つの物(部材)として構成されていると評価出来ることを意味する。少なくとも基板の表面側において、であるから、実際には、1つの物(部材)として構成されていなければならない必要はなく、例えば、厚さ方向に分割可能な物であってよい。
尚更には、本発明に係る液浸型露光装置においては、上記基板治具が、液体との接触角の比較において、基板と概ね同一の接触角を持つ主材料で形成されていることが好ましい。通常、基板表面にはレジスト(膜)や、更にそのレジスト(膜)上にトップコート膜が形成されるので、これらの材料と同じような接触角を持つような材料が好ましい。基板治具の主材料としては、シリコン、ガラス、合成石英、セラミック等が採用出来、又、それらを表面にコーティングして基板治具を形成することが可能である。
加えて、本発明に係る液浸型露光装置においては、基板治具の表面の少なくとも一部が、液体に対して撥水性を持つように処理されていることが好ましい。
次に、本発明によれば、原版を照明し、その原版のパターンを、投影光学手段と、その投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と基板の表面との間に満たされた液体と、を介して、基板の上に転写する露光方法であって、基板の外周を囲う基板治具を用いて露光を行う液浸型露光方法が提供される。
本発明に係る液浸型露光方法においては、基板治具の表面と基板の表面とが概ね一の平面を形成するように、基板治具で基板の外周を囲って露光を行うことが好ましい。
次に、本発明によれば、原版を照明し、その原版のパターンを、投影光学手段と、その投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と基板の表面との間に満たされた液体と、を介して、基板の上に転写する液浸型の露光装置又は露光方法に用いられる基板の治具であって、基板の外周を囲うように取り付けられ、基板の外周を囲ったときに基板の表面と合わせて概ね一の平面を形成し得る形状を有する液浸型露光用基板治具が提供される。
次に、本発明によれば、原版を照明する照明手段と、基板をステージに保持する基板保持手段と、原版のパターンを基板の上に転写する投影光学手段と、を備えるとともに、投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と、基板の表面と、の間が、液体で満たされる露光装置であって、基板保持手段が複数のステージを備えるとともに、個々のステージ毎に基板の外周を囲う基板治具を有し、一のステージにおいて基板の外周に基板治具を取り付け露光動作の準備を行っているときに、他のステージにおいて、投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と、基板治具で外周を囲われた基板の表面と、の間に、液体を供給して露光動作を行い得る液浸型露光装置が提供される。
本発明の液浸型露光装置は、液浸法を採用しているので、原版のパターンの像の焦点深度を、空気中における焦点深度の約n倍以上に拡大出来、微細な回路等のパターンを、高NAレンズの実現により高い解像度で安定的に転写することが可能である。そして、基板保持手段が、基板の外周を囲う基板治具を有するので、基板の端部(エッジ)領域を露光する場合にも、その露光しようとする領域の全てにおいて基板及び基板治具が存在し、露光しようとする領域において急激な段差は存在せず、液体が投影光学手段の下面と基板表面との間に容易に保持することが出来る。投影光学手段の下面と基板表面との間から流出する、といった事態が生じない。従って、基板の端部を含む基板の全面に対し、液体を介して露光を安定的に行うことが可能であり、上記液浸法の効果を失することなく原版のパターンを精度よく基板の上に(レジストに)転写することが出来る。液体の流出が防止されるので、露光装置内の環境変化を招来させたり、露光装置における機械構造部分にダメージを与える(錆の発生等)等の問題は発生しない。
基板の端部を含む基板の全面に露光が可能であるから、基板の所望の領域にパターンを形成出来、急激なパターン密度の変化を抑えることが可能となり、露光後の現像・エッチングが良好に行える。又、端部のみにおいて酸化膜等が累積的に残存することがないから、基板内は、回路形成に伴う僅かな凹凸形成に留まり、CMP工程における研磨不良等が防止される。
本発明の液浸型露光装置は、その好ましい態様において、基板治具の表面と基板の表面とが概ね一の平面を形成するように、基板治具が基板の外周を囲ってなるものであるため、上記露光しようとする領域の全てにおいて基板及び基板治具による平面を存在させることが出来る。従って、液体が投影光学手段の下面と基板表面との間に容易に保持する、という上記効果を、より確実に享受出来る。
又、このような態様は、特に、基板を移動させながら露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置において、露光光の走査方向に合わせて、投影光学手段の下面と基板表面との間に連続的に液体の供給を行い、そこから(連続的に)液体の回収をする場合に好適に用いられる。液体が走査方向にリンクして基板及び基板治具の表面を移動することになるが、その表面が平面であるため、液体が障害にあたることなく滑らかに流れ得るからである。液体の流れが均一でなくなると気泡や液体の局所的な流れ(例えば渦)等が発生し、その気泡や渦等の存在によって、光学的にみた場合に液体の屈折率が局所的に変化し露光不良を招来したり、レジスト(膜)に到達する光の量が局所的に変化し、最適な転写速度に不均一を生じて最適な露光を補正する必要が生じ、スループットを低下させるおそれがあるが、本発明のこの態様によれば、そのおそれを排除出来る。従って、微細な寸法の電子デバイスの歩留まりを、従来より向上させ、生産効率をより高めることが可能である。
本発明の液浸型露光装置は、その好ましい態様において、基板保持手段のステージに、基板の厚さ方向の概ね半分を嵌め込む凹部が形成されているので、基板が嵌め込まれて位置決めされ固定され得るとともに、一般に、基板はその端面(厚さを認識させる側面)が丸みを帯びているものが多いから、概ね半分を埋め込むことによって基板治具の基板に対する脱着が容易になる。
本発明の液浸型露光装置は、その好ましい態様において、基板治具が、少なくとも基板の表面側において一体的に形成されているから、特に上記した投影光学手段の下面と基板表面との間に連続的に液体の供給を行い回収する液浸型の露光装置において、より液体の流れを円滑に出来、気泡発生等による露光不良の問題を回避出来る。
本発明の液浸型露光装置の好ましい態様は、基板治具が、液体との接触角の比較において、基板と概ね同一の接触角を持つ主材料で形成されているため、端部を含む基板の全面を露光したときに、基板端部表面や基板治具の表面の接触角が、基板中央部の接触角と概ね同一になり、液体の流れが概ね均一に保たれるような状態が実現出来る。従って、露光後の現像・エッチングが、より良好に行える。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。
図1は、本発明に係る液浸型露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。図3(a)及び図3(b)は、図1に示される液浸型露光装置の基板保持手段のステージ(Zステージ)に載置された基板とその外周を囲う基板治具を示す拡大図であり、図3(a)は平面図であり、図3(b)は側面図である。
図1に示される液浸型露光装置100は、原版101(マスク)を支持する原版保持手段102と、予めレジストが塗布された基板111を支持する基板保持手段(ステージ)112と、原版保持手段102に支持されている原版101を露光光201で照明する照明手段211と、露光光201で照明された原版101のパターンの像を基板保持手段112に支持されている基板111に投影露光する投影光学手段121を備えている。この液浸型露光装置100は、原版101と基板111とを、走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつ原版101に形成されたパターンを基板111に露光する走査型の液浸型露光装置の例である。尚、以下の説明においては、投影光学手段121の光軸202と一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面において原版101と基板111との移動方向をX軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向をY軸方向とする(図1参照)。
照明手段211は、原版保持手段102に支持されている原版101を露光光201で照明する手段である。照明手段211から射出される露光光201は、(例えば)ArFエキシマレーザ光(波長193nm)である。原版保持手段102は、原版101を支持するものであり、原版保持手段102上の原版101の位置はレーザ干渉計等によりリアルタイムで計測され、所定位置に精度よく位置決めされる。投影光学手段121は、原版101のパターンを所定の投影倍率(例えば、縮小系)で基板111に投影露光するものであり、(例えば)ステンレスで形成された鏡筒122で支持された複数の光学素子(レンズ)で構成されている。投影光学手段121の先端部123は、光学素子と、これを保持する鏡筒122の一部により構成されている。
基板保持手段112は、基板111を保持するものであって、基板治具40が基板11の外周を囲っており、その基板治具40によって外周を囲われた基板111を直接保持するZステージ113と、Zステージ113を支持するXYステージ114と、XYステージ114を支持する基台115とを備える直動システムであり、図示しない駆動装置によって駆動される。Zステージ113を駆動することにより、それに保持されている基板111のZ軸方向における位置が制御され、XYステージ114を駆動することにより、基板111のXY方向における位置、即ち、投影光学手段121の像面と平行な面の位置、が制御される。
液浸型露光装置100では、基板111の表面と投影光学手段121の先端部123との間に液体301が満たされる。上述したように、投影光学手段121の先端部123には鏡筒122及びそれに支持された光学素子の一部が配置されており、液体301は光学素子と鏡筒122の一部に接触する。液体301には、透過性に優れ、半導体工場で入手容易な、(例えば)予め脱酸素処理を施した超純水が用いられているが、純水よりも屈折率の大きな液体の方が望ましい。尚、使用中に気泡が現れて露光に悪影響を与えないように、液体301(例えば超純水や有機系液体等)には、その供給の直前に、脱酸素処理の他に脱気処理によって、液体中に溶存する気体を除いておくことが、より好ましい。液体301の製造過程において、シール等のために、不活性ガス(窒素等)が過飽和に含まれている場合があるからである。
液浸型露光装置100は、投影光学手段121の先端部123と基板111との間の空間116に所定の液体301を供給する液体供給装置131と、空間116の液体301を回収する液体回収装置132とを備えている。液体供給装置131は、投影光学手段121と基板111との間の少なくとも一部に、基板111の走査方向と平行に液体301を流す装置である。液体供給装置131は、液体301を収容するタンク、加圧ポンプ等を有し、供給管133を介して空間116に液体301を供給する。液体回収装置132は、吸引ポンプ、回収した液体301を収容するタンク等を有し、回収管134を介して空間116の液体301を回収する。液体301は、液体供給装置131から供給管133を介して空間116に対して単位時間当たり所定量だけ供給され、回収管134を介して液体回収装置132へ、同じく単位時間当たり所定量が回収される。これにより、投影光学手段121の先端面7と基板111との間の空間116に液体301が満たされる。
液浸型露光装置100は、基板保持手段112が基板111の外周を囲う基板治具40を有し、基板治具40の表面と基板111の表面とが概ね一の平面を形成するように、基板治具40が基板111の外周を囲っており、露光しようとする領域が基板111の端部の場合であっても、その領域は基板111及び基板治具40による一体化した平面として存在し、液体を供給し回収する動作に影響を与えるような急激な段差は形成されておらず、液体301は投影光学手段121の先端部123(投影光学手段の下面)と基板111(の表面)との間に容易に保持することが出来る。
図2は、本発明に含まれない液浸型露光装置の一例を示す概略構成図である。図2に示される液浸型露光装置200では、基板保持手段112に基板111の外周を囲う基板治具40が備わっていないため、露光しようとする基板の領域の端部の一部において基板111が存在しなくなり、基板111の端部(端面)とZステージ113との間で急激な段差が生じ、供給管133を介して空間116に対して供給された液体が、回収されるまでの間に投影光学手段121の先端部123と基板111との間(投影光学手段の下面と基板表面との間)に液体を保持することが出来なくなり、図2に示されるようにXYステージ114及び基台115側へ流出し、回収管134を介して液体回収装置132へ円滑に回収されなくなる。本発明に係る図1に示される液浸型露光装置100では、このような事態は生じない。
尚、液浸型露光装置100においては、投影光学手段121の先端部123に液体301との親和性に応じた表面処理が施され、基板111の表面にも液体301との親和性に合わせて表面処理(例えばトップコート膜)が施され、他方、それ以外の液体の周り(例えば投影光学手段121の先端部123以外の鏡筒122部分)には疎水(液)性(例えば撥液化処理)の表面処理が施される。従って、空間116から液体301が逃げ難くなっており、空間116内に安定して保持される。これら表面処理にかかる材料は、液体301に対して非溶解性の材料が用いられる。
露光時には、投影光学手段121の先端部123の直下の投影領域に、原版101の一部のパターン像が投影される。固定されている投影光学手段121に対して、原版101が(例えば)−X方向に所定の速度で移動し、それに同期して、XYステージ114を介して基板111が(例えば)+X方向に投影倍率を考慮した所定の速度で移動し、露光が行われる。そして、1つの領域の露光が終了したら、基板111を移動させて、次の領域が走査開始位置に移動し、同様に、走査露光が、順次、行われる(ステップ・アンド・スキャン方式)。尚、基板治具40で囲われた基板111の移動方向と、液体301の流れる方向は概ね平行になっている。
液浸型露光装置100の基板治具40は、図3(a)に明示されるように、少なくとも基板111の表面側においては一体的に形成されている。しかし、基板111のうち特にシリコンウェーハでは、その端面(厚さを認識させる側面)が丸みを帯びていて、表面及び裏面に対し垂直に形成されていないので、基板治具40が全体として一体的な形状であると、平面であるZステージ113に載置された基板111の外周に基板治具40を取り付ける場合、あるいは、平面であるZステージ113に先に基板治具40を置きその中へ基板111を載置する場合、の何れにおいても、その作業が困難になることがあり得る。図4〜図8は、このような問題を解決し得る基板治具を示す図である。
図4は、基板治具の一の実施形態を示す図であり、基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図である。図4に示された断面は、図3(b)に示される基板治具40における丸で囲われたAに相当する部分である。図4に示される態様では、Zステージ113aには基板111の厚さ方向の概ね下半分を嵌め込む凹部151が形成されており、そこに基板111が嵌め込まれて、例えば真空チャック法等により固定され、基板治具40aは、基板111の厚さ方向の概ね上半分のみを囲っているため、図示されるように、基板111の端面(厚さを認識させる側面)が丸みを帯びていても、(図中の上方向へ)基板治具40aの脱着は容易に行える。
図5は、基板治具の他の実施形態を示す図である。図4と同様に、基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図であり、図5に示された断面は、図3(b)に示される基板治具40における丸で囲われたAに相当する部分である。図5に示される基板治具40bは、少なくとも基板111の表面側において一体的に形成されているものの、表面側の治具部材41aと裏面側(Zステージ113側)の治具部材41bに分割されている。従って、基板111の端面(厚さを認識させる側面)が丸みを帯びていても、例えば取り付ける際には、先ず、治具部材41bをZステージ113におき、次に基板111を載せ、最後に治具部材41aを取り付けることで、基板治具40bの脱着が行える。
図6は、基板治具の更に他の実施形態を示す図である。図4と同様に、基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図であり、図6に示された断面は、図3(b)に示される基板治具40における丸で囲われたAに相当する部分である。図6に示される基板治具40cは、全体が一体的に形成されているものであり、裏面側(Zステージ113側)の開口を、基板111の最大径(丸みを帯びた端面の最も突き出た部分における基板111の直径)より大きくすることで、基板111からの脱着を容易にしたものである。この態様において、基板治具の裏面と基板の裏面とは不連続になるが、基板治具の表面と基板の表面とは概ね一の平面を形成するように、基板治具が基板の外周を囲っているので、基板の端部を露光する場合においても液体が投影光学手段の下面と基板表面との間から流出しないという本発明の効果は享受出来る。
上記した図4、図5、及び図6に示される態様は、共通して、基板治具の表面と基板の表面とが概ね一の平面を形成するように、基板治具が基板の外周を囲っており、少なくとも表面側(図中における上側)において、基板治具と基板との間には、殆ど隙間が存在していないように設計されている。基板との間で、このような関係を実現し得る、大変に精密に加工された断面形状を有する基板治具は、一般に、ミクロンオーダーの精密機械加工手段で作製することが出来る。
図11は、図6に示される基板治具の実施形態において基板と基板治具との間にOリングを挿入した場合の、基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図である。図11に示されるように、基板111と基板治具40cとの間にOリング43を挿入すると、基板治具40cの加工精度が劣ったときに、その誤差、即ち、設計値より大きくなってしまった基板と基板治具との間の隙間、をOリング43で調整することが出来る。Oリング43は、液体に対して悪影響を与えないような材料でなるものが好ましく、例えばフッ素を含む材料で作製されたゴム等を採用することが出来る。Oリングという形態のシール材ではなく、他の形態を呈する弾力性のあるシール材を用いてもよい。
次に、図7及び図8は、基板治具の尚更に他の実施形態を示す図であり、図7は基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図であり、図8は平面図である。図7に示された断面は、図3(b)に示される基板治具40における丸で囲われたAに相当する部分であり、図8は、図3(a)に相当する図である。図7及び図8に示される基板治具40dは、治具部材42aと治具部材42bに分割されており、基板111の端面(厚さを認識させる側面)が丸みを帯びていても、基板111の両側から挟み込んで外周を囲うように、基板治具40dを容易に取り付けられる。この態様は、基板治具40dが2つの治具部材42a,42bに分割されているから、基板治具40d側(外側)から基板111に対して一定の圧力をかけて密着させることが可能である。
図12及び図13は、図7及び図8に示される実施形態と同様に、基板治具が2つの治具部材に分割されている態様の実施形態を示す図であり、図12は基板と基板治具とが接する部分を拡大した断面図であり、図13は斜視図である。上記基板治具40dは基板111を外周で囲った状態で基板111と同様の円形を呈するが(図8参照)、図13に示されるように、基板治具40eは基板111を外周で囲った状態で四角形になるものである。図12に示されるように、2つの治具部材44a,44bからなる基板治具40eと、基板111と、の間に、2つのOリング43を挿入し、基板治具40e側(外側)から基板111に対して一定の圧力をかけて密着させると、基板治具40e(治具部材44a,44b)と基板111との密着性が増し、両者の隙間を最小にすることに有効である。又、この態様を採用すると、基板111の外周に基板治具40eを予め取り付けておいて、ステージ上に移動させ、露光を行った後に、基板111から基板治具40eを外すことが容易に行える。このようにすると、液浸型露光装置の内部において、あるいは、露光装置の外部で、基板111に基板治具40eを取り付けて外すという操作が可能となり露光処理のスループットが向上し、又、露光装置のシステムがより簡便になるというメリットがある。
尚、図3(a)及び図8では、基板治具の平面形状が円形として示されているが、本発明に係る液浸型露光装置において、基板治具の平面的な形状は限定されず、シリコンウェーハ等の基板と同じ円形であってもよく、基板が円形の場合に四角形であってもよい。図9は基板治具が円形の場合の一の実施形態を示す平面図である。図9において、投影光学手段及び基板保持手段を固定して行える露光領域91は、基板111の端部を含めて全部で31個存在し、基板治具50は、円形を呈し、基板111の端部の露光を行う場合にも、その露光領域91に余裕を持って含まれるような大きさであり、露光領域91において、基板111のみが存在しあるいは基板111も基板治具50も存在せずに急激な段差が生じてしまうという問題は生じない。図10は基板治具が四角形の場合の一の実施形態を示す平面図である。図10では、投影光学手段及び基板保持手段を固定して行える露光領域92は、基板111の端部を含めて全部で15個存在し、基板治具60は、正方形を呈し、基板111の端部の露光を行う場合にも、その露光領域92に余裕を持って含まれるような大きさであり、露光領域92において、基板111のみが存在しあるいは基板111も基板治具60も存在せずに段差が生じてしまうという問題は生じない。又、基板治具40に基板111の熱歪み等の影響を低減出来るような材料を用いることにより、強度的な問題の解決ばかりでなく、熱的な歪みの問題等も緩和出来るメリットがある。
次に、上記した液浸型露光装置100を用いた露光方法について説明する。先ず、原版101が原版保持手段102に送られ保持される。一方、予め所望のレジストが基板111の上に膜状に塗布され、必要に応じてレジストの上にレジストと液体301とを遮断する上層膜(トップコート膜とも呼ぶ)が形成された基板111が基板保持手段112に送られ、所定の場所に位置決めされる。そして、(例えば)基板治具40cが基板111の外周を囲うように取り付けられる。
次に、液体供給装置131により、空間116へ液体301が供給され、同時に、液体回収装置132により液体301の回収が行われる。そして、所定時間が経過した後に、露光を行う。露光は、照明手段211から射出される露光光201(例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm))で原版101を照明し、投影光学手段121及び液体301を介して、基板111(レジスト(膜))に原版101のパターンを転写する。液浸型露光装置100では、ステップ・アンド・スキャン方式により、順次、基板111の領域毎に走査露光が行われる。
全ての基板111上の所望の位置の露光が終了したら、先ず、液体供給装置131を停止して液体301の供給を止め、所定時間経過後に(あるいは液体301が投影光学手段121の先端部123と基板111との間に存在しなくなったことを確認して)、液体回収装置132を停止する。そして、基板111をカセットに回収し、必要であれば、次の基板をステージに移動させて同じ工程を行う。このようにして必要な全ての基板の露光工程を終了する。尚、原版101は所定の収容場所へ戻される。
図14は、基板保持手段が2つのステージを備え、且つ、それぞれのステージに基板の外周を囲う基板治具が備わる液浸型露光装置の概略構成図である。この実施形態においては、1つのステージA(又はB)は、Zステージ113、XYステージ114、及び基台115からなる1組のセットを意味している。図14に示される液浸型露光装置では、基板保持手段112は2つのステージA,Bを有し、ステージBにおいて基板111の外周に基板治具40を取り付けて、例えば基板111とZステージ113との間の位置合わせ等の露光動作の準備を行っているときに、ステージAにおいて、投影光学手段121の基板111側の光学素子の先端部123と、基板治具40で外周を囲われた基板111の表面と、の間に、液体を供給して、例えばステップ・アンド・スキャン方式で露光動作を行うことが可能である(尚、図13では液体は省略し図中に示していない)。このような態様によれば、露光処理のスループットを増大することが可能である。
本発明の液浸型露光装置は、あらゆる用途の露光手段として利用出来る。特に、半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等の電子デバイスの製造に際し、原版のパターンを基板(ウェーハ)上の感光性材料に転写する露光工程に好適に利用される。
本発明に係る液浸型露光装置の一の実施形態を示す概略構成図である。 従来の液浸型露光装置の一例を示す概略構成図である。 図1に示される液浸型露光装置の基板保持手段のステージ(Zステージ)に載置された基板とその外周を囲う基板治具を示す平面図である。 図1に示される液浸型露光装置の基板保持手段のステージ(Zステージ)に載置された基板とその外周を囲う基板治具を示す側面図である。 基板の外周を囲う基板治具の一の実施形態を示す図であり、1部分を拡大した断面図である。 基板の外周を囲う基板治具の他の実施形態を示す図であり、1部分を拡大した断面図である。 基板の外周を囲う基板治具の更に他の実施形態を示す図であり、1部分を拡大した断面図である。 基板の外周を囲う基板治具の尚更に他の実施形態を示す図であり、1部分を拡大した断面図である。 図7に示される基板治具の平面図である。 基板の外周を囲う基板治具が円形の場合の一の実施形態を示す平面図である。 基板の外周を囲う基板治具が四角形の場合の一の実施形態を示す平面図である。 基板の外周を囲う基板治具の一の実施形態を示す図であり、基板と基板治具との間にOリングを挿入した一の態様の1部分を拡大した断面図である。 基板の外周を囲う基板治具の一の実施形態を示す図であり、基板と基板治具との間にOリングを挿入した他の態様の1部分を拡大した断面図である。 図12に示される基板治具の斜視図である。 本発明に係る液浸型露光装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
40,40a,40b,40c,40d,40e,50,60…基板治具、41a,41b,42a,42b,44a,44b…治具部材、43…Oリング、100…液浸型露光装置、113…Zステージ、114…XYステージ、115…基台、121…投影光学手段、123…(投影光学手段の)先端部、131…液体供給装置、132…液体回収装置、200…(本発明に属さない)液浸型露光装置、301…液体。

Claims (10)

  1. 原版を照明する照明手段と、基板をステージに保持する基板保持手段と、前記原版のパターンを前記基板の上に転写する投影光学手段と、を備えるとともに、前記投影光学手段の前記基板側の光学素子の先端部と、前記基板の表面と、の間が、液体で満たされる露光装置であって、
    前記基板保持手段が、前記基板の外周を囲う基板治具を有する液浸型露光装置。
  2. 前記基板治具の表面と前記基板の表面とが略一の平面を形成するように、前記基板治具が基板の外周を囲ってなる請求項1に記載の液浸型露光装置。
  3. 前記基板保持手段の前記ステージに、前記基板の厚さ方向の略半分を嵌め込む凹部が形成されている請求項1又は2に記載の液浸型露光装置。
  4. 前記基板治具が、少なくとも前記基板の表面側において一体的に形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の液浸型露光装置。
  5. 前記基板治具が、前記液体との接触角の比較において、前記基板と略同一の接触角を持つ主材料で形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の液浸型露光装置。
  6. 前記基板治具の表面の少なくとも一部が、前記液体に対して撥水性を持つように処理されている請求項1〜5の何れか一項に記載の液浸型露光装置。
  7. 原版を照明し、その原版のパターンを、投影光学手段と、その投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と基板の表面との間に満たされた液体と、を介して、基板の上に転写する露光方法であって、
    前記基板の外周を囲う基板治具を用いて露光を行う液浸型露光方法。
  8. 前記基板治具の表面と前記基板の表面とが略一の平面を形成するように、前記基板治具で前記基板の外周を囲って露光を行う請求項7に記載の液浸型露光方法。
  9. 原版を照明し、その原版のパターンを、投影光学手段と、その投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と基板の表面との間に満たされた液体と、を介して、基板の上に転写する液浸型の露光装置又は露光方法に用いられる前記基板の治具であって、
    前記基板の外周を囲うように取り付けられ、前記基板の外周を囲ったときに前記基板の表面と合わせて略一の平面を形成し得る形状を有する液浸型露光用基板治具。
  10. 原版を照明する照明手段と、基板をステージに保持する基板保持手段と、前記原版のパターンを前記基板の上に転写する投影光学手段と、を備えるとともに、前記投影光学手段の前記基板側の光学素子の先端部と、前記基板の表面と、の間が、液体で満たされる露光装置であって、
    前記基板保持手段が複数のステージを備えるとともに、個々のステージ毎に前記基板の外周を囲う基板治具を有し、
    一のステージにおいて前記基板の外周に前記基板治具を取り付け露光動作の準備を行っているときに、他のステージにおいて、前記投影光学手段の前記基板側の光学素子の先端部と、前記基板治具で外周を囲われた基板の表面と、の間に、液体を供給して露光動作を行い得る液浸型露光装置。
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