JP2006200937A - ゴム材料の変形挙動予測方法及びゴム材料の変形挙動予測装置 - Google Patents

ゴム材料の変形挙動予測方法及びゴム材料の変形挙動予測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 実際のゴム材料の構造に基づいてゴム材料のミクロレベルでの変形挙動を解析する。
【解決手段】充填剤配合のゴム材料について内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得し、CPU40において、ゴム材料に配合した充填剤とゴムとを判別するための画像濃度のしきい値を予め定め、各画素の濃度値と前記しいき値とに基づいて前記各スライス画像を2値化画像に変換し、変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定めた3次元モデルを生成し、生成された前記3次元モデルの各格子領域に対して前記2値化された値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与し、前記3次元モデルを用いて変形挙動を解析を行う。
【選択図】図2

Description

この発明は、ゴムに充填剤を配合したゴム材料における変形挙動予測方法及びゴム材料の変形挙動予測装置に関するものである。
従来からゴムにカーボンブラック等の充填剤を配合すると補強効果があるが知られており、ゴムに充填剤を配合したゴム材料がタイヤ等のゴム製品に広く用いられている。このようなゴム材料では力が加わった際の変形挙動等を実験によって測定し、測定結果を評価して充填剤の配合量の設計が行われていた。
一方、最近では、有限要素法(FEM)等の数値解析手法や計算機環境の発達により、ゴム材料の充填剤部分及びゴム部分の3次元モデルを作成して変形挙動等を解析する方法が各種提案されている。非特許文献1には、ゴム材料の充填剤部分を剛体球を見立てた3次元モデルを作成し、ゴム材料を伸張した際に発生する応力と歪みを有限要素法により解析することが記載されており、解析結果は、ゴム材料に配合された充填剤の体積効果による弾性率の増加を示すグース(GUTH)の式、並びに実験結果と一致することが見出されている。
また、非特許文献2には、ゴム材料の充填剤部分を形状を球からロッド状に替えた3次元モデルを作成し、有限要素法による解析を行うことが記載されており、これにより充填剤のまわりのミクロレベルでの歪み及び応力分布を解析することが可能となった。
深堀美英、「設計のための高分子の力学」、技報堂、2000、P188、P340など。 J.Busfield and Alan Muhr、「Consilitutive Models for Rubber III」、Balkema、2003、P301など。
しかしながら、実際のゴム材料の充填剤部分の構造は、複数の充填剤が連なった複雑なネットワーク構造を形成していることが判っており、ゴム材料の充填剤部分を球やロッド状と見立てた単純な3次元モデルでは、実際のゴム材料のゴム部分及び充填剤部分の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができない、という問題があった。また、ゴム材料内で充填剤の分布が偏っている場合もあり、実際のゴム材料の充填剤の分布の偏りの度合に応じた変形挙動を精密に解析することもできなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、実際のゴム材料のゴム部分及び充填剤部分の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができるゴム材料の変形挙動予測方法及びゴム材料の変形挙動予測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ゴムに充填剤を配合した所定形状のゴム材料について所定平面により所定間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得し、前記ゴム材料に配合した充填剤とゴムとを判別するための前記スライス画像における画像濃度のしきい値を予め定め、前記スライス画像を縦横所定数で分割した各画素の濃度値と前記しいき値とに基づいて前記各スライス画像を2値化画像に変換し、変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定めた3次元モデルを生成し、生成された前記3次元モデルの各格子領域に対して前記2値化された値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与し、構成条件が付与された前記3次元モデルを用いて変形挙動を解析する、ことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ゴム材料を所定間隔でスライスしたスライス画像を取得する。このスライス画像について、充填剤とゴムとを判別するための画像濃度のしきい値を予め定める。このしきい値と各スライス画像の各画素の濃度値とに基づいて各スライス画像を2値化画像に変換する。従って、2値化画像の画素の値の一方に対応する領域はゴム材料の充填剤部分に相当し、他方の領域はゴム部分の領域に相当する。変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層して3次元モデルを生成する。この3次元モデルでは2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定める。生成された3次元モデルの各格子領域には、2値化された画素の値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与する。これによって、格子領域単位すなわち画素単位で歪みや応力を計算することができ、実際のゴム材料のゴム部分及び充填剤部分の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ゴムの歪と応力の関係を定めた構成条件は、一般化ムーニ・リブリン方程式、一般化オグデン方程式、下記に示す式(1)の方程式、の何れか1つである、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、3次元モデルのゴム部分の構成条件として一般化ムーニ・リブリン(MOONEY−RIVLIN)方程式、一般化オグデン(OGDEN)方程式、上記式(1)の方程式、の何れか1を付与する。これらの何れか1つの方程式を用いることにより、ゴム部分での弾性率及び応力分布を適性に解析することができる。
なお、3次元モデルの充填剤部分の構成条件として、充填剤の歪と応力の関係を示す構成条件が予め求まっている場合は、当該構成条件を3次元モデルの充填剤部分の構成条件として付与することが好ましく、予め実験等により充填剤の硬さを測定して求めた実測値、又は、充填剤の結晶部とアモルファス部の比率から計算した推定値を用いてもよい。また、一般的にゴム材料に配合される充填剤は、ゴムと比較して硬く、ゴムよりもヤング率(弾性率)が大きいため、3次元モデルの充填剤部分の構成条件として、ゴム部分に付与した構成条件から導かれるヤング率を所定倍したヤング率を付与してもよい。これにより、充填剤部分の変形挙動を精密に解析することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記3次元モデルのゴム部分と充填剤部分との界面に対して滑りを示す構成条件をさらに付与することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、ゴム部分と充填剤部分との界面に一定以上の相互にずれる方向の力が発生すると滑りを生じる。従って、この界面の構成条件に滑りを示す構成条件をさらに付与することにより、より精密に変形挙動を解析することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、構成条件が付与された前記3次元モデルの変形挙動を有限要素法を用いて解析することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、構成条件が付与された3次元モデルは有限要素法を用いて解析が行われる。この3次元モデルは、実際のゴム材料の構造に近いモデルであるため、有限要素法によりゴム材料の内部の弾性率及び応力分布を精密に解析することができる。
請求項5に記載の発明のゴム材料の変形挙動予測装置は、ゴムに充填剤を配合した所定形状のゴム材料について所定平面により所定間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得する取得手段と、前記ゴム材料に配合した充填剤とゴムとを判別するための前記スライス画像における画像濃度のしきい値を予め定め、前記スライス画像を縦横所定数で分割した各画素の濃度値と前記しいき値とに基づいて前記各スライス画像を2値化画像に変換する変換手段と、前記変換手段により変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定めた3次元モデルを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記3次元モデルの各格子領域に対して前記2値化された値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与する付与手段と、前記付与により構成条件が付与された前記3次元モデルを用いて変形挙動を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果を提示する提示手段と、を備えている。
請求項5記載の発明によれば、取得手段で取得したスライス画像を、変換手段で2値化し、生成手段で3次元モデルに再構成した後、付与手段で構成条件を付与して変形挙動を解析するので、実際のゴム材料の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ゴムに充填剤を配合した所定形状のゴム材料のスライス画像を2値化画像に変換して3次元モデルに再構成し、3次元モデルの各格子領域に予め定めた構成条件を付与した後に、変形挙動を解析しているので、実際のゴム材料のゴム部分及び充填剤部分の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1には、第1の実施の形態に係るゴム材料変形挙動予測システム10の構成が示されている。
ゴム材料変形挙動予測システム10は、CTスキャナ(コンピュータ・トモグラフィ・スキャナ)11と、コンピュータ12と、から構成されている。CTスキャナ11とコンピュータ12とはケーブル20により接続されている。
CTスキャナ11は、透過型電子顕微鏡と試料台とを内蔵している。CTスキャナ11は、試料台に載置された解析対象ゴム材料を前記透過型電子顕微鏡により撮影し、撮影により得られたデータを計算機トモグラフィー法(CT法)により3次元基本モデルに再構成する。CTスキャナ11は、再構成した当該3次元基本モデルを所定平面により所定間隔でスライスした複数枚のスライス画像データを生成する。
コンピュータ12は、解析を行う際の各種条件を入力するためのキーボード15と、予め記憶された処理プログラムに従ってゴム材料の変形挙動を解析するコンピュータ本体13と、及びコンピュータ本体13の演算結果等を表示するディスプレイ14と、から構成されている。コンピュータ12は、CTスキャナ11により生成されたスライス画像データを用いてゴム材料の変形挙動等の解析を実施する。
また、コンピュータ本体13には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(以下、FDという。)16が挿抜可能なフレキシブルディスクドライブユニット(以下、FDUという。)18を備えている。
次に、図2を参照して、コンピュータ12の電気系の要部構成を説明する。
コンピュータ12は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、コンピュータ12を制御する制御プログラムを含む各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM42と、各種データを一時的に記憶するRAM48と、ケーブル20に接続されたコネクタ59に接続され、コネクタ59を介してCTスキャナ11からスライス画像データを取得する外部I/O制御部60と、取得したスライス画像データを記憶するHDD(ハードディスクドライブ)56と、FDU18に装着されたFD16とのデータの入出力を行うフレキシブルディスクI/F部52と、ディスプレイ14への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ44と、キーボード15へのキー操作を検出する操作入力検出部46と、を備えている。
CPU40、RAM48、ROM42、HDD56、外部I/O制御部60、フレキシブルディスクI/F部52、ディスプレイドライバ44、及び操作入力検出部46は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、RAM48、ROM42、HDD56へのアクセス、フレキシブルディスクI/F部52を介してのFDU18に装着されたFD16へのアクセス、外部I/O制御部60を介したデータの送受信の制御、ディスプレイドライバ44を介したディスプレイ14への各種情報の表示、を各々行うことができる。また、CPU40は、キーボード15に対するキー操作を常時把握できる。
なお、後述する3次元モデル生成処理プログラム、解析処理プログラム、スライス画像のゴム部分と充填剤部分とを判別する濃度値のデータ、及び3次元モデル等は、FDU18を用いてFD16に対して読み書き可能である。従って、後述する3次元モデル生成処理プログラム、解析処理プログラム、濃度値のデータ、及び3次元モデル等はを予めFD16に記録しておき、FDU18を介してFD16に記録された各処理プログラムを実行してもよい。また、FD16に記録された各処理プログラムをHDD56へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、記録テープ、CD−ROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDU18に代えてまたはさらに対応する読み書き装置を用いればよい。
次に、第1の実施の形態の係るゴム材料の変形挙動の予測を行う際の動作を簡単に説明する。
第1の実施の形態では、ユーザよって解析対象の所定形状のゴム材料に対して金コロイドでマーキングが行われ、CTスキャナ11に設けられた試料台に載置され、CTスキャナ11に対して処理開始の所定操作が行われると後述するスライス画像生成処理が実行される。
第1の実施の形態に係るCTスキャナ11は、透過型電子線トモグラフィー法(Transmission Electron Microtomography、TEMT)を用いたコンピュータ構成を含む計測装置として構成されている。CTスキャナ11は、透過型電子顕微鏡とゴム材料が載置された試料台とを所定の角度範囲(本実施の形態では、−60度から+60度の範囲)で所定角度(例えば、2度間隔)ずつ相対的に回転移動させつつスキャンすることによりゴム材料の連続傾斜画像を撮影する。CTスキャナ11は、撮影した61枚の傾斜画像の画像データを用い、各画像間の回転軸を求め、計算機トモグラフィー法により3次元基本モデルに再構成する。そして、CTスキャナ11は、再構成した3次元基本モデルを各面に平行な所定間隔でスライスしたスライス画像を生成する。この生成されたスライス画像データはケーブル20を介してコンピュータ12へ出力される。
コンピュータ12は、ケーブル20を介して取得したスライス画像データをHDD56に記憶する。
コンピュータ12は、ユーザによりキーボード15を介して3次元モデルの生成開始の所定操作が行われると後述する3次元モデル生成処理を実行する。後述する3次元モデル生成処理では、HDD56に記憶されたスライス画像データにより示される3次元モデルを生成し、生成した3次元モデルをHDD56に記憶させる。
さらに、コンピュータ12は、ユーザによりキーボード15を介して解析対象とする3次元モデルと解析条件とが指定され、解析開始の所定操作が行われると、後述する解析処理を実行して解析を行う。第1の実施の形態に係る解析処理では、解析条件として、3次元モデルを変化させる方向と、その方向へ3次元モデルを伸張又は圧縮変化させる変化率を指定することができる。解析処理では、3次元モデルを解析条件として指定されて方向へ伸張又は圧縮した場合の3次元モデルの歪み、内部応力分布、3次元モデル全体で応力値を解析して解析結果をディスプレイ14に表示する。
なお、第1の実施の形態に係る解析処理では、3次元モデルのゴム部分の構成条件として、歪と応力の関係を定めた一般化MOONEY−RIVLIN方程式の1次項までを用いている。また、充填剤はゴムよりも十分に硬いため、3次元モデルの充填剤部分の構成条件として、予め実験等により充填剤の硬さを測定して求めた実測値、又は、充填剤の結晶部とアモルファス部の比率から計算した推定値(10[GPa]から100[GPa]程度の値)を用いる。なお、3次元モデルの充填剤部分の構成条件として、ゴム部分で指定された構成条件より求まるヤング率(弾性率)の所定倍(本実施の形態では、1000倍)のヤング率を用いてもよい。また、3次元モデルのゴム部分の構成条件として、一般化OGDEN方程式、及び本出願人が開示(特願2004−168401号)した下記の式(2)に示す弾性率の温度及び歪依存性を表す構成方程式を用いてもよい。
Figure 2006200937
但し、Gはヤング率を表し、Sはゴム変形時のエントロピー変化を表し、P及びQは弾性率と関係する係数を表し、I1は歪の不変量を表し、Tは絶対温度を表す。βは1/(kΔT)に等しく、kはボルツマン定数、ΔTはゴムのガラス転移温度からの差分を表す。
次に、図3を参照しつつ、CTスキャナ11により実行されるスライス画像生成処理の作用を詳細に説明する。なお、図3は、スライス画像生成処理プログラムの流れを示すフローチャ−トである。
同図のステップ100では、初期処理として所定形状のゴム材料が載置された試料台と透過型電子顕微鏡とを相対的に移動させて位置関係を初期位置(本実施の形態では−60度の位置)とする。次のステップ102では、透過型電子顕微鏡によりゴム材料の撮影を行いゴム材料の傾斜画像を取得する。
次のステップ104では、透過型電子顕微鏡と試料台と位置関係が所定の角度範囲の終了位置(本実施の形態では、+60度)であるか否かから、所定の角度範囲(本実施の形態では、−60度から+60度まで)での撮影が完了したか否かを判定しており、肯定判定の場合はステップ108へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。ステップ106では、透過型電子顕微鏡と試料台とを相対的に所定角度(例えば、2度)だけ回転移動させてステップ102へ移行し、再度ゴム材料の撮影を行う。
一方、ステップ108では、上述した所定の角度範囲での撮影が完了しているので、撮影によって得られた各傾斜画像からゴム材料にマーキングされた金コロイドの位置を特定し、各傾斜像の金コロイドの位置の変化(軌跡)からゴム材料の回転軸を特定する。そして、この特定した回転軸と複数の傾斜画像の画像データからCT法により3次元基本モデルを生成する。
次のステップ110では、生成した3次元基本モデルを所定平面によりこの所定平面に平行な面で所定間隔(本実施の形態では、4[nm]間隔)毎にスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数枚(本実施の形態では、67枚)のスライス画像を生成する。このスライス画像のスライス画像データは、ケーブル20を介してコンピュータ12へ出力される。なお、この所定間隔は、ゴム材料に配合される充填剤により変更可能あり、予め実験的に求めた値を用いることができる。
ここで、図6には、本実施の形態に係るCTスキャナ11により生成されたスライス画像の1例が示されている。
図6に示されるスライス画像では、ゴム材料を構成するゴムと充填剤とで物質的に透過率が異なるため、充填剤部分が濃く(濃度値が大きく)、ゴム部分が薄く(濃度値が小さく)示されている。よって、スライス画像の各画素の濃度に基づいてスライス画像のゴム部分と充填剤部分とを判別することができる。このスライス画像のゴム部分と充填剤部分とを判別することができる濃度値は、予め実験等により定めることができる。
次に、図4を参照しつつ、コンピュータ12により実行される3次元モデル生成処理の作用を詳細に説明する。なお、図4は、3次元モデル生成処理プログラムの流れを示すフローチャ−トである。
同図のステップ150では、実験等により予め定められているスライス画像のゴム部分と充填剤部分とを判別する濃度値をしきい値hとして設定する。次のステップ152では、カウンタnに1を設定する。次のステップ154では、HDD58からn枚目のスライス画像を示すスライス画像データを読み込みを行う。次のステップ156では、読み込んだスライス画像データにより示されるスライス画像の各画素の濃度値をしきい値hと比較して各画素を2値化した2値化画像の2値化画像データを生成する。図7には、図6に示されるスライス画像を2値化した2値化画像が示されている。
なお、スライス画像生成処理では、ゴム材料内の充填剤と他に配合された部材とを区別して充填剤部分をより的確に抽出するため、スライス画像の各画素の濃度値をしきい値hと比較して、濃度値がしきい値h以上の画素が上下左右で所定個数(例えば、5個以上)連続している部分の各画素を黒とし、その他の画素を白とした2値化画像の2値化画像データを生成する。
次のステップ158では、2値化画像データに対して2値化画像の黒の部分の画素の値を「1」、その他の画素の値を「0」とした2値化画像データにフォーマット変換する。図8には、図7に示される2値化画像の各画素を数値に変換した2値化画像データがその配列を含めたイメージとして示されている。
次のステップ160では、全てのスライス画像データ(本実施の形態では、67枚のスライス画像の各スライス画像データ)に対して読み込みからフォーマット変換までの処理が終了したか否かを判定しており、肯定判定の場合はステップ164へ移行し、否定判定の場合はステップ162へ移行する。ステップ162では、カウンタnを1カウントアップしてステップ154へ移行し、次のスライス画像データの読み込みを行う。
一方、ステップ164では、フォーマット変換した各2値化画像データに基づき、2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ上述した所定間隔で積層して3次元の構造とする。そして、各2値化画像における各画素を単一要素とするメッシュ(格子領域)と定めた3次元モデルを生成する。この3次元モデルでは、画素の値が「1」の部分は充填剤部分、画素の値が「0」の部分はゴム部分となっている。次のステップ166では、生成したゴム材料の3次元モデルの3次元モデルデータをHDD56に記憶する。
次のステップ168では、上記ステップ164で生成された3次元モデルについて、各2値化画像の間で同一値の画素を同一の要素として統合した3次元領域を形成する画像処理を行い、ゴム材料の計算上の立体像を生成し、当該立体像をディスプレイ14に表示する。
ここで、図9には、ディスプレイ14に表示される立体像の1例が示されている。図9に示されるように、充填剤はゴム材料の内部でネットワーク構造を形成しており、複雑な3次元構造となっている。なお、図9に示す立体像は、スライス画像として取得したゴム材料の範囲内で再構築を行っているので、取得したスライス画像の境界までのゴム材料が表示される。このため、ゴム材料がスライス画像をまたいで連続する場合、境界部分は、所定の平面で切断されたようになる。本実施の形態では、その切断面について充填剤が存在する場合、充填剤の内部に向かうほど濃い濃度となると仮定し、その差異を示した。
次に、図5を参照しつつ、コンピュータ12により実行される解析処理の作用を詳細に説明する。なお、図5は、解析処理プログラムの流れを示すフローチャ−トである。
ステップ200では、本処理を遂行するための初期処理を行う。まず、ユーザにより指定された3次元モデルを解析対象の3次元モデルとして設定する。次に、本解析処理における解析条件を設定する。解析条件は、解析対象の3次元モデルに付与するエネルギーの種類、エネルギーの付与の方法、エネルギー付与後に変動または発生する構造や状態の種類、その取得方法、など何れかが対応する。本実施の形態では、付与するエネルギーの種類として、圧縮または伸張のための圧力や応力を対応させると共にその付与方向も対応させる。また、エネルギー付与後の変動として、圧力分布や応力分布を対応させる。これらの設定は、予めユーザーによる入力で実施してもよいし、予めプログラム上で規定してもよい。これにより、解析条件として、3次元モデルを変化させる方向、3次元モデルを伸張又は圧縮変化させる圧力や応力、そして変化量や変化率、それらの分布を設定することができる。なお、解析条件では、3次元モデルのゴム部分の構成条件を上述した一般化MOONEY−RIVLIN方程式の1次項とすること設定することを含んでいる。また、充填剤部分のメッシュの構成条件として上記実測値、又は推定値より求まるヤング率を設定することも含んでいる。
ステップ202では、ステップ200において設定した解析対象の3次元モデルの3次元モデルデータをHDD56から読み込む。
ステップ204では、HDD56から読み込んだ3次元モデルデータにより示される3次元モデルのゴム部分及び充填剤部分の各メッシュの構成条件として、ステップ200において設定した解析条件を付与し、3次元モデルデータを再構成する。
次のステップ206では、再構成した3次元モデルデータを用いてステップ200において設定した構成条件で3次元モデルを変化させた際の3次元モデルの歪み、内部応力分布、3次元モデル全体で応力値を有限要素法により解析する。
次のステップ208では、解析により求まった3次元モデルの歪み状態、内部応力分布、3次元モデル全体で応力値をディスプレイ14に表示して処理終了となる。
図10、図11には、第1の実施の形態に係る解析処理による解析結果の1例が示されている。なお、図10、図11は、3次元モデルデータを用いて3次元モデル全体をZ方向へ10%伸張させる解析を行った際の歪状態及び応力分布の解析結果である。応力分布は応力値が高い部分ほど濃い濃度として表している。
図10は、3次元モデルを生成する際に積層された2値化画像の1つの面(XY面)での歪状態及び当該面を構成する各メッシュでの応力分布を示している。図11は、3次元モデルの2値化画像の面と直交する方向の断面(XZ面)での歪状態、及び当該断面を構成する各メッシュでの応力分布を示している。
このように、第1の実施の形態によれば、実際のゴム材料から生成した3次元モデルを用いることによりミクロレベルでの応力及び歪状態の解析が可能となった。このミクロレベルでの応力及び歪状態の解析により、ゴム材料における充填剤の配合量等の最適化が可能となり、ゴム材料のより高い精度での性能コントロールが可能となった。
一方、図12は、3次元モデルデータを用いてZ方向への伸張率を変化させて解析を行った際の伸張率と3次元モデル全体の応力値とを関係を示している。図12の線Aは、充填剤が配合されたゴム材料の3次元モデルデータを用いて3次元モデル全体をZ方向へ1%、5%、10%それぞれ伸張させた際の伸張率と解析結果の応力値との関係を示している。また、図12の線Bは、充填剤が配合されていないゴム材料の3次元モデルデータ(すなわち、3次元モデルの全てメッシュをゴム部分。)を用いて3次元モデル全体をZ方向へ1%〜10%まで1%刻みで伸張させた際の伸張率と解析結果の応力値との関係を示している。
また、図13は、図12を伸張率[%]とヤング率(=応力/伸張率)[MPa]の関係として示している。
第1の実施の形態に係る解析処理によれば、図12、図13に示されるように、ゴム材料に充填剤が配合されたことによる応力及びヤング率(弾性率)の増大効果を解析結果においても再現することができた。
一方、図14には、実際のゴム材料の伸張率とヤング率とを実験によって測定した結果(図14の線D参照)と、当該ゴム材料に対して本実施の形態に係るゴム材料変形挙動予測システム10を用いて解析を行った結果(図14の線C参照)と、が示されている。なお、図14の線Cは、ゴム材料から生成した3次元モデルデータを用いて3次元モデル全体をZ方向へ0.01%、0.07%、0.1%それぞれ伸張させた際の解析結果の応力値からヤング率(=応力/伸張率)を求めた結果である。
図14に示されるように、実験による測定結果の応力歪曲線(図14の線D)と解析結果の応力歪曲線(図14の線C)には約20%程度の差が認められるが、解析結果はゴム部分の構成条件として付与したMOONEY−RIVLIN方程式の1次項までを用いた近似範囲でほぼ測定結果を表していると考えられる。
一方、図15には、ゴム材料A及びゴム材料Bに対して本実施の形態に係るゴム材料変形挙動予測システム10を用いてそれぞれ解析処理を行った結果の応力分布から求まるゴム部分の応力の最大値と、当該ゴム材料A及びゴム材料Bに対して摩擦実験を行った際の磨耗速度と、が示されている。なお、磨耗速度は、ゴム材料Aを基準とした相対値で示されている。このゴム材料A及びゴム材料Bは、同一ゴム及び充填剤を同じ量だけ配合しており、材料の構成が同一となっている。ゴム材料Aは充填剤の分散の良く(充填剤が一様に分布している)、ゴム材料Bは充填剤の分散が悪い(充填剤の分布が偏っている)。
ゴム材料は、応力分布の最大値が大きいとゴム部分に亀裂等が生じやすくなるため消耗が早くなると考えられる。従って、充填剤の分散が悪いゴム材料Bの方が、ゴム材料Aと同じ構成であっても、早く消耗すると予測される。これは、図15に示される摩擦実験の実験結果と一致し、解析処理により求まる応力分布の最大値からゴム材料の磨耗速度を予測することができる。
以上のように第1の実施の形態によれば、コンピュータ12は、ゴム材料の複数のスライス画像データをケーブル20を介して外部I/O制御部60から取得する。CPU40は、3次元モデル生成処理が実行されると、スライス画像の各画素の濃度値としいき値hとに基づいて各スライス画像を2値化画像に変換する。また、CPU40は、3次元モデル生成処理において、変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とするメッシュと定めた3次元モデルを生成する。CPU40は、解析処理が実行されると、生成された3次元モデルのメッシュに対してゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与し、変形挙動を解析を行う。これにより、実際のゴム材料のゴム部分及び充填剤部分の変形挙動をミクロレベルで精密に解析することができる。
また、CTスキャナ11により実際のゴム材料を撮影して得られたスライス画像をしきい値hに基づいて2値化し、2値化画像の各画素をメッシュとした3次元モデルを生成しているため、実際のゴム材料の構造に近い構造の3次元モデルを生成することができる。
また、実際のゴム材料の構造に近い構造の3次元モデルを用いて有限要素法により解析を行うことにより、ゴム材料の内部の弾性率及び応力分布を精密に解析することができ、ゴム材料に含まれる充填剤の分布度合いに応じた磨耗速度を予測することもできる。
なお、第1の実施の形態では、生成された3次元モデルの全ての領域において解析処理を行ったが、例えば、実際にゴム材料に配合された充填剤の体積比率をキーボード15から入力し、解析処理において充填剤部分の体積比率が実際の充填剤の体積比率となる3次元モデルの領域を解析対象の領域としてもよい。これにより、実際のゴム材料の充填剤の体積比率の領域の3次元モデルを用いて解析を行うことができるため、実際の充填剤の配合量に応じた弾性率及び応力分布を適切に解析することができる。
また、第1の実施の形態では、コンピュータ12はケーブル20でCTスキャナ11と接続してスライス画像データを取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、記録テープ、MO、メモリーカード、CD−ROM等の記録媒体を介して取得する構成としてもよい。これらを用いるときには、コンピュータ12に対応する読み書き装置を備えるようにすればよい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の特徴は、3次元モデルの充填剤部分とゴム部分の界面の滑りを構成条件としてさらに付与して解析を行う点にある。
第2の実施の形態に係るゴム材料変形挙動予測システム10の構成及びコンピュータ12の電気系の要部構成は、第1の実施の形態の図1及び図2と同様であるため説明を省略する。また、第2の実施の形態に係るCTスキャナ11により実行されるスライス画像生成処理の流れについても、第1の実施の形態の図3と同様であるため説明を省略する。
図17には、第2の実施の形態に係る3次元モデル生成処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、図17に示される3次元モデル生成処理は、第1の実施の実施の形態の3次元モデル生成処理(図4)と異なる処理の部分に符号にAを付しており、同一符号箇所は同様の処理である。このため、以下では符号にAを付した部分についてのみ説明し、図4と同一符号箇所の説明を省略する。
次のステップ158Aでは、2値化画像データに対して2値化画像の黒の部分の画素の値を「1」(充填剤部分)、その他の画素の値を「0」とし(ゴム部分)とする。さらに、画素の値が「1」であり且つ隣接する画素の値が「0」である画素の値を「2」とした多値化画像データにフォーマット変換する。すなわち、充填剤部分の画素からゴム部分と隣り合っている画素の値を「2」(界面層)としている。
ステップ164Aでは、フォーマット変換した各多値化画像データに基づき、多値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ上述した所定間隔で積層して3次元の構造とする。そして、各多値化画像における各画素を単一要素とするメッシュ(格子領域)と定めた3次元モデルを生成する。なお、この3次元モデルでは、画素の値が「1」の部分は充填剤部分、画素の値が「0」の部分はゴム部分、画素の値が「2」の部分は充填剤部分のうちの界面層部分となる。
次に、第2の実施の形態に係る解析処理について説明する。
第2の実施の形態に係る解析処理では、3次元モデルのゴム部分の構成条件を上述した式(2)に示す弾性率の温度及び歪依存性を表す構成方程式を用いている。3次元モデルの充填剤部分の構成条件には、上述した実測値又は推定値より求まるヤング率(弾性率)を用いている。また、3次元モデルの界面層となる充填剤部分の構成条件には、ゴムのガラス転移温度付近のヤング率を用いる。すなわち、界面層となる充填剤部分の構成条件には、(2)に示した構成方程式のΔTを1〜10として演算したヤング率を用いている。これは、例えば、充填剤としてカーボンブラックを配合したゴム材料では、界面層にゴムとカーボンブラックとが吸着したと高密度のポリマー(所謂、カーボンゲル)が存在するため、当該ポリマーの影響を考慮したためである。なお、3次元モデルのゴム部分の構成条件を一般化MOONEY−RIVLIN方程式あるいは一般化OGDEN方程式とした場合は、3次元モデルの界面層となる充填剤部分の構成条件に一般化MOONEY−RIVLIN方程式あるいは一般化OGDEN方程式より求まるヤング率を所定倍(本実施の形態では、1000倍)したヤング率を用いればよい。
また、実際のゴム材料では、界面層に充填剤とゴムとが吸着しているため、ゴムと充填剤との間で相互にずれる方向に生じる力が一定以上となると滑りを生じる。従って、第2の実施の形態に係る解析処理では、3次元モデルの界面層での充填剤部分の構成条件として、ゴム層と間に所定の静止摩擦係数を与えている。
次に、図18を参照しつつ、第2の実施の形態に係る解析処理についての作用を詳細に説明する。なお、図18に示される解析処理において、第1の実施の形態の図5と同一符号箇所は、図5と同様の処理であるため説明を省略し、異なる部分についてのみ符号にAを付して説明する。
ステップ200Aでは、ユーザにより指定された3次元モデルを解析対象の3次元モデルを設定する。また、ユーザにより指定された解析条件を3次元モデルに対する処理条件として設定する。
また、ステップ200Aでは、解析処理の処理条件として、3次元モデルのゴム部分の構成条件を上述した式(2)に示す構成方程式とすることを設定する。また、充填剤部分のメッシュの構成条件を実測値又は推定値より求まるヤング率とすることを設定する。さらに、界面層となる充填剤部分の構成条件をゴムのガラス転移温度付近のヤング率とすることを設定する。
さらに、ステップ200Aでは、界面層の充填剤とゴムの間に所定の静止摩擦係数(本実施の形態では、静止摩擦係数μ=5)を3次元モデルの構成条件として設定する。
ステップ204Aでは、3次元モデルのゴム部分、充填剤部分、及び界面層となる充填剤部分の各メッシュの構成条件として、ステップ200Aにおいて処理条件として設定した構成条件を付与する。さらに、3次元モデルの界面層に充填剤部分とゴム部分の間の滑りの構成条件として所定の静止摩擦係数μを付与する。そして、構成条件が付与された3次元モデルを再構成する。次のステップ206では、再構成した3次元モデルデータを用いて有限要素法により解析を行う。
図16には、実際のゴム材料の伸張率とヤング率とを実験によって測定した結果(図16の線F参照)と、当該ゴム材料を用いて3次元モデルデータを生成して第2の実施の形態に係る解析処理を行った結果(図16の線E参照)が示されている。なお、図16の線Eは、3次元モデルデータを用いて3次元モデル全体をZ方向へ1%、5%、10%それぞれ伸張させた際の伸張率と解析結果である。
図16に示されるように、3次元モデルに界面層を加え、当該界面層の構成条件として滑りの構成条件を付与することにより解析結果と実験による測定結果と良い一致を示している。
以上のように第2の実施の形態によれば、ゴム部分と充填剤部分との界面に一定以上の相互にずれる方向の力が発生すると滑りを生じるため、3次元モデルのゴム部分と充填剤部分との界面に滑りを示す構成条件を付与することにより、より正確に変形挙動を解析することができる。
なお、第1実施の形態で説明したCTスキャナ11及びコンピュータ12の構成は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、第1実施の形態及び第2の実施の形態で説明したスライス画像生成処理、3次元モデル生成処理、解析処理の処理の流れ(図3〜図5、図17、図18参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
第1の実施の形態に係るゴム材料変形挙動予測システムの全体構成図である。 第1の実施の形態に係るコンピュータの電気系の構成図である。 第1の実施の形態に係るスライス画像生成処理の処理の流れを示すフローである。 第1の実施の形態に係る3次元モデル生成処理の処理の流れを示すフローである。 第1の実施の形態に係る解析処理の処理の流れを示すフローである。 第1の実施の形態に係るスライス画像の1例を示す図である。 第1の実施の形態に係る図6のスライス画像を2値化した2値化画像を示す図である。 第1の実施の形態に係る図7に示される2値化画像の各画素を数値に変換した2値化画像データの配列を含めたイメージを示す図である。 第1の実施の形態に係るディスプレイに表示される3次元モデルの立体像の断面画像の1例を示す図である。 第1の実施の形態に係るディスプレイに表示される解析結果の断面画像の1例を示す図である。 第1の実施の形態に係るディスプレイに表示される解析結果の側面側からの断面画像の1例を示す図である。 第1の実施の形態に係る3次元モデル全体の伸張率と応力値とを関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る図12に示される関係を伸張率とヤング率の関係とした図である。 第1の実施の形態に係る実際のゴム材料の伸張率とヤング率とを実験によって測定した結果と、当該ゴム材料を用いて3次元モデルを生成して解析を行った結果を示す図である。 第1の実施の形態に係るゴム材料A及びゴム材料Bの解析結果による応力分布の最大値と、実験により測定された磨耗速度とを示す図である。 第2の実施の形態に係る実際のゴム材料の伸張率とヤング率とを実験によって測定した結果と、当該ゴム材料を用いて3次元モデルを生成して解析を行った結果を示す図である。 第2の実施の形態に係る3次元モデル生成処理の処理の流れを示すフローである。 第2の実施の形態に係る解析処理の処理の流れを示すフローである。
符号の説明
10 ゴム材料変形挙動予測システム
12 コンピュータ(変形挙動予測装置)
14 ディスプレイ(提示手段)
40 CPU(変換手段、生成手段、付与手段、解析手段)
60 外部I/O制御部(取得手段)

Claims (5)

  1. ゴムに充填剤を配合した所定形状のゴム材料について所定平面により所定間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得し、
    前記ゴム材料に配合した充填剤とゴムとを判別するための前記スライス画像における画像濃度のしきい値を予め定め、前記スライス画像を縦横所定数で分割した各画素の濃度値と前記しいき値とに基づいて前記各スライス画像を2値化画像に変換し、
    変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定めた3次元モデルを生成し、
    生成された前記3次元モデルの各格子領域に対して前記2値化された値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与し、
    構成条件が付与された前記3次元モデルを用いて変形挙動を解析する
    ゴム材料の変形挙動予測方法。
  2. 前記ゴムの歪と応力の関係を定めた構成条件は、一般化ムーニ・リブリン方程式、一般化オグデン方程式、下記に示す式(1)の方程式、の何れか1つである
    ことを特徴とする請求項1記載のゴム材料の変形挙動予測方法。
    Figure 2006200937
    〔但し、Gはヤング率を表し、Sはゴム変形時のエントロピー変化を表し、P及びQは弾性率と関係する係数を表し、I1は歪の不変量を表し、Tは絶対温度を表す。βは1/(kΔT)に等しく、kはボルツマン定数、ΔTはゴムのガラス転移温度からの差分を表す。〕
  3. 前記3次元モデルのゴム部分と充填剤部分との界面に対して滑りを示す構成条件をさらに付与する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2載のゴム材料の変形挙動予測方法。
  4. 構成条件が付与された前記3次元モデルの変形挙動を有限要素法を用いて解析する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のゴム材料の変形挙動予測方法。
  5. ゴムに充填剤を配合した所定形状のゴム材料について所定平面により所定間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表す複数のスライス画像を取得する取得手段と、
    前記ゴム材料に配合した充填剤とゴムとを判別するための前記スライス画像における画像濃度のしきい値を予め定め、前記スライス画像を縦横所定数で分割した各画素の濃度値と前記しいき値とに基づいて前記各スライス画像を2値化画像に変換する変換手段と、
    前記変換手段により変換した複数の2値化画像を各スライス画像のスライス位置の順序でかつ前記所定間隔で積層し、当該2値化画像における各画素を単一要素とする格子領域と定めた3次元モデルを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記3次元モデルの各格子領域に対して前記2値化された値に基づいてゴムあるいは充填剤の歪と応力の関係を定めた構成条件を付与する付与手段と、
    前記付与により構成条件が付与された前記3次元モデルを用いて変形挙動を解析する解析手段と、
    前記解析手段による解析結果を提示する提示手段と、
    を備えたゴム材料の変形挙動予測装置。
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