JP2006200657A - 締結構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、複数層からなる被締結部材を締結部材により締結する場合に、締結部材の軸力が低下しても各層の相対的な移動を阻止することができる締結構造を提供する。
【解決手段】 本発明の締結構造は、複数層11、12からなる被締結部材1を締結部材2により締結するものであって、ボルト21を第二層12の下孔にねじ込み締結することにより被締結部材1に食い込んで、第一層11を貫通して第二層12に達して、第一層11と第二層12との相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材3を座金4に設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の締結構造は、複数層11、12からなる被締結部材1を締結部材2により締結するものであって、ボルト21を第二層12の下孔にねじ込み締結することにより被締結部材1に食い込んで、第一層11を貫通して第二層12に達して、第一層11と第二層12との相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材3を座金4に設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は締結構造に関し、特に、複数層からなる被締結部材を締結部材により締付け締結する締結構造に関するものである。
複数層からなる被締結部材をボルトなどの締結部材により締付け締結する場合、一般にボルトヘッドから最も離れた層(第n層)の被締結部材にメネジ部を設けるとともにこの層とボルトヘッドとの間の層に孔を形成して孔にボルトを挿通しメネジ部にボルトを螺合するか、あるいは、被締結部材の各層に孔を形成して孔に挿通されたボルトにナットを螺合している。被締結部材の各層は、締結されたボルトの軸力による摩擦によって互いにずれないよう相対的な動きが規制される。
このような締結構造においては、時間の経過に伴って被締結部材を締付け締結している被締結部材にかかる応力が緩和しボルトの軸力が低下すると、外力や振動が加わったときに、被締結部材の各層が相対的に移動し、これにより異音が発生することとなる。
ところで、木材など単一の被締結部材に挿通されたボルトに対して締結されたナットが緩まないようにすることを目的とした特許文献1が知られている。特許文献1には、端部に螺子とキー溝を設けたボルトと、このキー溝に嵌合する係止片を有し、このボルトを貫通させるとともに、その上面部に凸状面部を設けた座金、及び下面部に、この座金の上面部の凸状面部に対応する凹状面部を設けたナットの三者構成を特徴とする締結具が記載されている。そして、特許文献1には、外方端部に木材等の被締結材の表面部に食い込む鉤片が下方に向けて設けられた座金が開示されている。特許文献1では、被締結材に鉤片が食い込み固定された座金の凸面状部に対してナットの凹面状部が係合することにより、ナットが緩まないようその回転を防止するものであり、鉤片は座金の被締結材に対する回り止として機能する。
上記特許文献1にあっては、ボルトに対して締結されたナットが緩まないようにすることを目的としたもので、被締結部材が単一であり、鉤片は座金の被締結材に対する回り止として機能するだけのものであった。そのため、特許文献1では、複数層からなる被締結部材を締結部材により締付け締結する場合に、ボルトの軸力が低下したときに各層が相対的に移動するという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、複数層からなる被締結部材を締結部材により締付け締結する場合に、締結部材の軸力が低下しても各層の相対的な移動(ズレ)を阻止することができる締結構造を提供することを目的とする。
本発明の締結構造は、上記目的を達成するため、複数層からなる被締結部材を締結部材により締付け締結する締結構造であって、締結部材を締結することにより被締結部材に食い込んで各層の相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、締結部材を締結することにより、相対移動阻止部材が被締結部材の各層にわたって食い込むため、時間経過により被締結部材にかかる応力の低下が発生するなど締結部材の軸力が低下しても、振動や外力を受けた場合に被締結部材の各層の相対的な移動が阻止される。
請求項1の発明によれば、締結部材を締結することにより被締結部材に食い込んで各層の相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材を設けたことにより、時間経過により被締結部材にかかる応力の低下が発生するなど締結部材の軸力が低下しても、振動や外力を受けた場合に被締結部材の各層の相対的な移動を阻止できる締結構造を提供することができる。
本発明の締結構造は、概略、複数層11、12…からなる被締結部材1を締結部材2により締付け締結するものであって、締結部材2を締結することにより被締結部材1の複数層11、12…にわたって食い込んで各層11、12…の相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材3が設けられている。
本発明の締結構造の実施の一形態を、被締結部材1が二層11、12からなるものであり、締結部材2としてボルト21を、第一層11を介して第二層(第n層)12に対して直接螺合して締結する場合より、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明の締結構造の実施の一形態を、被締結部材1が二層11、12からなるものであり、締結部材2としてボルト21を、第一層11を介して第二層(第n層)12に対して直接螺合して締結する場合より、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
被締結部材1の各層11、12は、それぞれ例えば同種または異種の樹脂などにより構成されている。第一層(ボルトヘッド21bに最も近い層)11は、第二層(ボルトヘッド21bから最も遠い層)12と比較して薄く成形されている。第一層11にはボルト21の軸部21aを挿通し得る径の孔11aが形成されている。第二層12には、図3に示すように、ボルト21のオネジ部6の主要な部分の谷径とほぼ同じ径の下孔12aが形成されている。ボルト21の軸部21aは、第二層12の下孔12aにねじ込んでこの下孔12aにメネジ7を形成することができるように、そのオネジ部6の先端が漸次小径となるようなテーパ状で且つ端面を有する形状で、また、ボルトヘッド21bは六角に形成された六角ヘッドタッピンボルトが採用されている。ボルトヘッド21bと被締結部材1の第一層11の表面との間には座金4が介装される。なお、本発明でいう締結部材2には、この実施の形態で示した六角ヘッドタッピンボルト21の外に、オネジ部6の先端の径が変化することなく同径でナット27と螺合される六角ボルト(後述する別の実施の形態で説明する)22、23、あるいは小ネジや木ネジなど、被締結部材1に直接またはナット27に螺合するものが含まれる。
図2に示すように、座金4の被締結部材1と接する面の外周縁には3つの突起状の相対移動阻止部材3が周方向に等間隔で一体に形成されている。すなわち、座金4は、その本来の機能の外に、複数の相対移動阻止部材3を連結保持するよう機能している。座金4の中央にはボルト21の軸部21aを挿通し得る径の孔4aが形成されている。座金4の形状は円環状に限定されることなく、多角形などとすることができ、また、平座金に限定されることなく、ばね座金や歯付き座金など、他の形式の座金とすることもできる。
各相対移動阻止部材3は、樹脂製の被締結部材1に食い込ませることができるように、基端部から先端部に向かって断面の大きさが漸次縮小するテーパ状またはクサビ状に成形されたもので、その長さは第一層11を貫通して重合された第二層12に達するように設定されている。各相対移動阻止部材3の断面形状は、円形や多角形など、必要に応じて設定することができる。また、相対移動阻止部材3の数は、必要に応じて単数または複数とすることができる
各相対移動阻止部材3は、樹脂製の被締結部材1に食い込ませることができるように、基端部から先端部に向かって断面の大きさが漸次縮小するテーパ状またはクサビ状に成形されたもので、その長さは第一層11を貫通して重合された第二層12に達するように設定されている。各相対移動阻止部材3の断面形状は、円形や多角形など、必要に応じて設定することができる。また、相対移動阻止部材3の数は、必要に応じて単数または複数とすることができる
この実施の形態において締結構造を構成する場合には、図3に示すように、第一層11と第二層12とをその孔11aと下孔12aとが整合するように重合し、相対移動阻止部材3が第一層11と対面するように配置して座金4の孔4aにボルト21の軸部21aを挿通し、第一層11の孔11aにボルト21の軸部21aを挿通してオネジ部6を第二層12の下孔12aにねじ込む。ボルト21のオネジ部6は、第二層12の下孔12aにメネジ7を形成しながら第二層12に直接螺合されて、第一層11と第二層12とが締付け締結される。このとき、ボルトヘッド21bにより座金4が押圧されて、各相対移動阻止部材3が被締結部材1に食い込み第一層11を貫通して第二層12に達する。そのため、時間経過などに伴ってボルト21の軸力が低下した状態で振動などの外力を受けた場合であっても、第一層11と第二層12とが互いに相対移動することを拘束・規制し、したがって、第一層11と第二層12とが相対的に移動することにより発生する異音などが確実に阻止される。
また、図4に示すように、被締結部材1の第一層11と第二層12の締結を解除して解体する場合には、ボルト21のオネジ部6が第二層12のメネジ7から抜ける方向にボルト21を軸周りに回転させ、相対移動阻止部材3を被締結部材1から抜いて座金4を取り除く。この実施の形態では、締結部材2として第二層12の下孔12aに直接螺合するタッピンネジを採用したため、第一層11と第二層12とを容易に短時間で締結することができ、しかも、ボルト21を抜いて座金4を取り除くだけで第一層11と第二層12との締結状態を容易に短時間で解除することができると共に、締結状態が解除され解体された第一層11と第二層12とのいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
次に、本発明の締結構造の第2の実施の形態を図5に基づいて説明する。この第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態においては、締結部材2として、六角ボルト22が使用されており、この六角ボルト22を螺合するナット27として例えば自動車のボデーなどを構成する鋼板17に溶接されたウエルドナットが使用されている。また、複数の相対移動阻止部材3は、上述した実施の形態における座金4と同様の連結部材5(図2を参照)に周方向に等間隔で一体成形されている。そして、この実施の形態における第二層12は、第一層11の孔11aと同様の孔12bが形成されている。また、鋼板17は、ナット27のネジ孔と整合する孔17aが、ボルト22の軸部22aを挿通し得る大きさで所定の位置に形成されている。
この実施の形態においては、締結部材2として、六角ボルト22が使用されており、この六角ボルト22を螺合するナット27として例えば自動車のボデーなどを構成する鋼板17に溶接されたウエルドナットが使用されている。また、複数の相対移動阻止部材3は、上述した実施の形態における座金4と同様の連結部材5(図2を参照)に周方向に等間隔で一体成形されている。そして、この実施の形態における第二層12は、第一層11の孔11aと同様の孔12bが形成されている。また、鋼板17は、ナット27のネジ孔と整合する孔17aが、ボルト22の軸部22aを挿通し得る大きさで所定の位置に形成されている。
この実施の形態において締結構造を構成する場合には、第一層11と第二層12とナット27が溶接された鋼板17とを、その孔11aおよび12bとナット27のネジ孔とが整合するように重合し、相対移動阻止部材3が第一層11と対面するように配置して連結部材5の孔5aにボルト22の軸部22aを挿通し、第一層11、第二層12、および鋼板17の孔11a、12b、17aにボルト22の軸部22aを挿通して、オネジ部6を鋼板17に溶接されたナット27に螺合し、第一層11および第二層12を鋼板17に締付け締結する。このとき、ボルトヘッド22bにより連結部材5が押圧されて、各相対移動阻止部材3が被締結部材2に食い込み第一層11を貫通して第二層12に達する。そのため、時間経過などに伴ってボルト22の軸力が低下した状態で振動などの外力を受けた場合であっても、第一層11と第二層12とが互いに相対移動したり鋼板17に対して移動することを規制され、したがって、異音の発生などが確実に阻止される。
また、被締結部材1の締結構造を解除して解体する場合には、ナット27に対してボルト22を緩める方向に回転させてその螺合を解除し、相対移動阻止部材3を被締結部材2から抜いて連結部材5と共に取り除く。この実施の形態では、締結部材2としてボルト22を被締結部材1の孔11a、12bに挿通して鋼板17に溶接されたナット27に螺合するだけで第一層11と第二層12とを鋼板17に対して容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット27からボルト22を抜いて相対移動阻止部材3が設けられた連結部材5を取り除くだけで、第一層11と第二層12とを鋼板17に対する締結状態から容易に短時間でそれぞれ解除し解体することができると共に、締結状態が解除された第一層11と第二層12とのいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
また、被締結部材1の締結構造を解除して解体する場合には、ナット27に対してボルト22を緩める方向に回転させてその螺合を解除し、相対移動阻止部材3を被締結部材2から抜いて連結部材5と共に取り除く。この実施の形態では、締結部材2としてボルト22を被締結部材1の孔11a、12bに挿通して鋼板17に溶接されたナット27に螺合するだけで第一層11と第二層12とを鋼板17に対して容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット27からボルト22を抜いて相対移動阻止部材3が設けられた連結部材5を取り除くだけで、第一層11と第二層12とを鋼板17に対する締結状態から容易に短時間でそれぞれ解除し解体することができると共に、締結状態が解除された第一層11と第二層12とのいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
次に、本発明の締結構造の第3の実施の形態を図6に基づいて説明する。この第3の実施の形態においては、上述した第1および第2の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態においては、締結部材2としてフランジ23c付き六角ボルト23が使用されており、また、複数の相対移動阻止部材3は、ボルトヘッド23bのフランジ部23cの被締結部材1と接する面に周方向に等間隔で直接設けられている。
この実施の形態においては、締結部材2としてフランジ23c付き六角ボルト23が使用されており、また、複数の相対移動阻止部材3は、ボルトヘッド23bのフランジ部23cの被締結部材1と接する面に周方向に等間隔で直接設けられている。
この実施の形態において締結構造を構成する場合には、第一層11と第二層12との孔11aおよび12bを整合させて重合し、この孔11a、12bにボルト23の軸部23aを挿通してナット28を軸周りに回転させて螺合することにより、第一層11と第二層12と互いに締付け締結する。このとき、ボルトヘッド23bのフランジ部23cに成形された各相対移動阻止部材3が被締結部材1に食い込み第一層11を貫通して第二層12に達する。そのため、時間経過などに伴ってボルト23の軸力が低下した状態で振動などの外力を受けた場合であっても、第一層11と第二層12とが互いに相対移動することを規制され、したがって、異音の発生などが確実に阻止される。
また、被締結部材1の締結構造を解除して解体する場合には、ナット28を緩める方向に回転させてボルト23の螺合を解除し、その軸部23aを第一層11および第二層12の孔11a、12bから抜くだけで、相対移動阻止部材3も第一層11および第二層12から取り除くことができる。
この実施の形態では、締結部材2としてボルト23を被締結部材1の孔11a、12bに挿通してナット28を回転させて螺合するだけで、第一層11と第二層12と容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット28からボルト23を抜いて取り除くだけで、第一層11と第二層12との締結状態を容易に短時間で解除し解体することができると共に、締結状態が解除された第一層11と第二層12とのいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
また、被締結部材1の締結構造を解除して解体する場合には、ナット28を緩める方向に回転させてボルト23の螺合を解除し、その軸部23aを第一層11および第二層12の孔11a、12bから抜くだけで、相対移動阻止部材3も第一層11および第二層12から取り除くことができる。
この実施の形態では、締結部材2としてボルト23を被締結部材1の孔11a、12bに挿通してナット28を回転させて螺合するだけで、第一層11と第二層12と容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット28からボルト23を抜いて取り除くだけで、第一層11と第二層12との締結状態を容易に短時間で解除し解体することができると共に、締結状態が解除された第一層11と第二層12とのいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
次に、本発明の締結構造の第4の実施の形態を図7に基づいて説明する。この第4の実施の形態においては、上述した第1〜3の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
この実施の形態における被締結部材1は、第一層11、第二層12、および第三層13の三層からなるものであり、例えばそれぞれ同種または異種の樹脂などにより構成されている。第一層(ボルトヘッドに最も近い層)11と第三層(ナットに最も近い第n層)13は、これらの間に配置される第二層12と比較して薄く成形されている。各層11、12、13にはそれぞれボルト22の軸部22aを挿通し得る径の孔11a、12b、13aが形成されている。
締結部材2としては、六角ボルト22とこの六角ボルト22と螺合するナット28とが使用されている。また、ボルトヘッド22bと第一層11との間には、上述した第2の実施の形態と同様に、複数の相対移動阻止部材3が設けられた連結部材5が介在され、ナット28と第三層13との間には、上述した第1の実施の形態と同様に、複数の相対移動阻止部材3が設けられた座金4が介在されている。各相対移動阻止部材3は、ボルト22とナット28を螺合して各層11、12、13を締結したときに、第一層11または第三層13を貫通して第二層12にそれぞれ食い込む長さに設定されている。
この実施の形態における被締結部材1は、第一層11、第二層12、および第三層13の三層からなるものであり、例えばそれぞれ同種または異種の樹脂などにより構成されている。第一層(ボルトヘッドに最も近い層)11と第三層(ナットに最も近い第n層)13は、これらの間に配置される第二層12と比較して薄く成形されている。各層11、12、13にはそれぞれボルト22の軸部22aを挿通し得る径の孔11a、12b、13aが形成されている。
締結部材2としては、六角ボルト22とこの六角ボルト22と螺合するナット28とが使用されている。また、ボルトヘッド22bと第一層11との間には、上述した第2の実施の形態と同様に、複数の相対移動阻止部材3が設けられた連結部材5が介在され、ナット28と第三層13との間には、上述した第1の実施の形態と同様に、複数の相対移動阻止部材3が設けられた座金4が介在されている。各相対移動阻止部材3は、ボルト22とナット28を螺合して各層11、12、13を締結したときに、第一層11または第三層13を貫通して第二層12にそれぞれ食い込む長さに設定されている。
この実施の形態において締結構造を構成する場合には、各層11、12、13の孔11a、12b、13aを整合させて重合し、連結部材5に設けられた相対移動阻止部材3が第一層11と対面するとともに、座金4に設けられた相対移動阻止部材3が第三層13と対面するように配置して、連結部材5、被締結部材2の各層11、12、13、および座金4の孔5a、11a、12b、13a、4aにボルト22の軸部22aを順次挿通し、ボルト22とナット28とを軸周りに相対的に回転させて螺合し、各層11、12、13を互いに締付け締結する。このとき、ボルトヘッド22bにより連結部材5が押圧されて、各相対移動阻止部材3が食い込み第一層11を貫通して第二層12に達する。また、ナット28により座金4が押圧されて、各相対移動阻止部材3が食い込み第三層13を貫通して第二層12に達する。そのため、時間経過などに伴ってボルト22の軸力が低下した状態で振動などの外力を受けた場合であっても、各層11、12、13が互いに相対移動することを規制され、したがって、異音の発生などが確実に阻止される。
また、被締結部材1の締結構造を解除する場合には、ボルト22とナット28を緩める方向に相対的に回転させて両者の螺合を解除し、相対移動阻止部材3、3を被締結部材1から抜いて連結部材5および座金4を取り除く。
この実施の形態では、締結部材2としてボルト22の軸部22aを被締結部材1の孔11a、12b、13aに挿通してナット28を相対的に回転させて螺合するだけで各層11、12、13を互いに容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット28からボルト22を抜いて相対移動阻止部材3、3が設けられた連結部材5および座金4を取り除くだけで、各層11、12、13の締結状態を容易に短時間でそれぞれ解除し解体することができると共に、締結状態が解除された各層11、12、13のいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
また、被締結部材1の締結構造を解除する場合には、ボルト22とナット28を緩める方向に相対的に回転させて両者の螺合を解除し、相対移動阻止部材3、3を被締結部材1から抜いて連結部材5および座金4を取り除く。
この実施の形態では、締結部材2としてボルト22の軸部22aを被締結部材1の孔11a、12b、13aに挿通してナット28を相対的に回転させて螺合するだけで各層11、12、13を互いに容易に短時間で締結することができ、しかも、ナット28からボルト22を抜いて相対移動阻止部材3、3が設けられた連結部材5および座金4を取り除くだけで、各層11、12、13の締結状態を容易に短時間でそれぞれ解除し解体することができると共に、締結状態が解除された各層11、12、13のいずれにも締結部材2および相対移動阻止部材3が残らないため、被締結部材1をそれぞれ単独の素材として容易にリサイクルすることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、例えば図7に示した実施の形態において、連結部材5を介在させることなく、座金4に設けられた相対移動阻止部材3を、第三層13および第二層12を貫通して第一層11に達する長さに設定したり、あるいは、座金4に相対移動阻止部材3を設けることなく、連結部材5に設けられた相対移動阻止部材3を、第一層11および第二層12を貫通して第三層13に達する長さに設定することもできる。また、図7に示した実施の形態において、連結部材5を介在させることなく、ボルト22に替えて、図6に示したように、複数の相対移動阻止部材3が直接設けられたフランジ23c付き六角ボルト23を使用することもできる。
すなわち、本発明の相対移動阻止部材3は、締結部材2を締付け締結することによって各層11、12、13…1nにわたって食い込み、各層11、12、13…1nの相対的な移動を阻止できるものであれば、座金4や連結部材5あるいはボルトヘッドのフランジ部23cなどのように設けられる部材、設ける数、長さ、断面形状などを必要に応じて変更することができる。
すなわち、本発明の相対移動阻止部材3は、締結部材2を締付け締結することによって各層11、12、13…1nにわたって食い込み、各層11、12、13…1nの相対的な移動を阻止できるものであれば、座金4や連結部材5あるいはボルトヘッドのフランジ部23cなどのように設けられる部材、設ける数、長さ、断面形状などを必要に応じて変更することができる。
1:被締結部材、 2:締結部材、 3:相対移動阻止部材、 4:座金、 5:連結部材、 11:第一層、 12:第二層、 13:第三層、 21:タッピンボルト、 22:ボルト、 23:ボルト、 27:ナット、 28:ナット
Claims (1)
- 複数層からなる被締結部材を締結部材により締付け締結する締結構造であって、
締結部材を締結することにより被締結部材に食い込んで各層の相対的な動きを阻止する相対移動阻止部材を設けたことを特徴とする締結構造。
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JP (1) | JP2006200657A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014088116A1 (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-12 | 国立大学法人 鹿児島大学 | スクリューの結合力維持具及び結合力維持具付きスクリュー |
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2005
- 2005-01-21 JP JP2005014316A patent/JP2006200657A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014088116A1 (ja) * | 2012-12-07 | 2014-06-12 | 国立大学法人 鹿児島大学 | スクリューの結合力維持具及び結合力維持具付きスクリュー |
JPWO2014088116A1 (ja) * | 2012-12-07 | 2017-01-05 | 国立大学法人 鹿児島大学 | スクリューの結合力維持具及び結合力維持具付きスクリュー |
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