JP2006200186A - 地中アンカ埋設用パイプ及びそれを用いた地中アンカの埋設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地中アンカを埋設するときにあけられた下穴を補強できるパイプを提供する。【解決手段】 地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の下穴工具を用いて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあけ、そのあけられた下穴に所定の粒径を有する骨材及び固結剤を投入し、その投入された骨材及び固結剤を所定の押圧工具を回転しながら押圧し、その骨材を破砕するとともにその下穴の壁面に圧入させ、次いで、その下穴に軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するときに用いられる地中アンカ埋設用パイプであって、前記地中アンカ埋設用パイプの本体は、前記下穴に挿入できる外径を有するとともに、前記所定の押圧工具が挿入できる内径を有し、かつ、所定の長さを有し、その下穴に挿入されて使用される。
【選択図】 図6
【選択図】 図6
Description
本発明は、地中アンカ埋設用パイプ及びそれを用いた地中アンカの埋設方法に係り、特に、地表面部分が崩落しやすい地盤を改良して地中アンカを効率よく埋設できるようにしたものに関する。
本出願人は、配電線や電話線等の電柱、あるいは信号機のポール等の構造物(以下、電柱で説明する。)を支持するための支線を地中において支持するのに好適な地中アンカを提案している(特許文献1〜3参照。)。この地中アンカは、地中に埋設される鋳鉄製の軸棒(支持棒)の先端側に間欠的に螺旋状の掘削刃を一体的に設けて構成されている。
すなわち、この提案に係る地中アンカは、鋳鉄製の棒状の軸棒(支持棒)に所定の間隔を保って、かつ、先端側(地中に埋設される側)よりも上部ほど直径が大きくなる螺旋状の掘削刃を一体的に設けて構成されている。そして、この地中アンカは、電柱を立設するときの穴掘建柱車の回転部を用いて地中の任意の深さに簡単に埋設できる特長を有している。また、この提案に係る地中アンカは、螺旋状の掘削刃の大きさ(直径)を大きくすると、その分だけ支線の耐張力(引張力)が増加するという特長を有しているので、N値が5以下のような軟弱な地盤(地中あるいは地面と同じ意味で用いている。)であっても地中アンカを埋設できるという特長がある。
しかしながら、上記提案に係る地中アンカは、その地中アンカの螺旋状の掘削刃の直径を大きくすると軟弱な地盤であっても適用できるという特長を有しているが、螺旋状の掘削刃が大きくなると地中アンカ全体が大型化し、質量も大きくなって扱いにくくなるという問題点を有している。そこで、本出願人は、上記問題点を解決するために、比較的小型の地中アンカ、例えば螺旋状の掘削刃の直径が140mmの地中アンカ(以下、140φの地中アンカのように表現する。)であっても軟弱な地盤用の地中アンカとして採用することができるようにした地中アンカの埋設方法を提案している(特許文献4参照。)。
上記提案に係る地中アンカの埋設方法は、地中アンカを埋設する地面の箇所に所定深さで所定の穴径を有する下穴(前穴と呼ばれることもある。)をあけ、そのあけられた下穴に所定の粒径を有する骨材を投入し、その投入された骨材を下端に超硬チップを有する工具を回転しながら押圧し、その骨材を破砕するとともにその下穴の壁面に圧入させ、次いで、その下穴に軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設することを特徴としている。
さらにまた、上記提案に係る地中アンカの埋設方法では、下穴に骨材同士を固結させることのできるセメント又はセメントモルタルからなる固結剤及び水を投入し、工具で押圧しながら回転させる地中アンカの埋設方法も提案している。この提案に係る地中アンカの埋設方法は、地中アンカの周囲に形成される骨材の塊は強固な大きな塊となるため、支線(地中アンカ)の耐張力をより高めることができるという特長がある。
特開2000−1850号公報
特開2001−59221号公報
特開2001−182058号公報
特開2004−236490号公報
上述のように、上記提案に係る地中アンカの埋設方法は、骨材の他にセメントやセメントモルタルからなる固結剤を用いると、地中アンカの耐張力を高めることができるという特長を有しているが、通常、電柱に用いられる支線は、地面に対して垂直以外の所定の角度を有しているために、地中アンカを埋設するときの下穴の軸方向も斜め方向にあけられる。ところが、地中アンカの埋設される場所の地質によっては、斜めにあけられた下穴の上部部分、すなわち、下穴の地表面近くが崩落(崩壊)して下穴への骨材、固結材及び水の投入がしにくくなる欠点があった。特に、このような欠点は、地中アンカの埋設される場所の地質が砂質ないし礫質の場合に生じやすかった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、下穴が斜め方向にあけられていても、その下穴に骨材、固結材及び水を容易に投入することのできる地中アンカ埋設用パイプを提供するとともに、その地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法を提供することにある。
本発明に係る地中アンカ埋設用パイプは、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の下穴工具を用いて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあけ、そのあけられた下穴に所定の粒径を有する骨材及び固結剤を投入し、その投入された骨材及び固結剤を所定の押圧工具を回転しながら押圧し、その骨材を破砕するとともにその下穴の壁面に圧入させ、次いで、その下穴に軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するときに用いられる地中アンカ埋設用パイプであって、前記地中アンカ埋設用パイプの本体は、前記下穴に挿入できる外径を有するとともに、前記所定の押圧工具が挿入できる内径を有し、かつ、所定の長さを有し、その下穴に挿入されて使用されることを特徴としている。
本発明に係る地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、(イ)地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあける下穴あけ工程、(ロ)あけられた前記下穴に所定の内径及び所定の長さを有する地中アンカ埋設用パイプを挿入してその下穴を補強する補強工程、(ハ)骨材、固結剤およびその固結剤が必要とする水を前記地中アンカ埋設用パイプを介して前記下穴内に投入する投入工程、(ニ)前記下穴に投入された骨材、固結剤及び水を所定の工具を用いて混合撹拌してその骨材を破砕させてその下穴の壁面に圧入させる混合破砕工程、(ホ)前記投入工程及び前記混合破砕工程を複数回繰返す繰返工程、(ヘ)前記繰返工程終了後に、前記下穴から前記地中アンカ埋設用パイプを引抜く引抜工程、(ト)前記引抜工程終了後に、軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するアンカ埋設工程、(チ)前記アンカ埋設工程後に、前記固結剤が固化するまで養生する養生工程からなることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、固結剤は、急硬成分を含有するセメント又はセメントモルタルであることを特徴としている。
本発明に係る地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、(イ)地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあける下穴あけ工程、(ロ)あけられた前記下穴に所定の内径及び所定の長さを有する地中アンカ埋設用パイプを挿入してその下穴を補強する補強工程、(ハ)骨材、固結剤およびその固結剤が必要とする水を前記地中アンカ埋設用パイプを介して前記下穴内に投入する投入工程、(ニ)前記下穴に投入された骨材、固結剤及び水を所定の工具を用いて混合撹拌してその骨材を破砕させてその下穴の壁面に圧入させる混合破砕工程、(ホ)前記投入工程及び前記混合破砕工程を複数回繰返す繰返工程、(ヘ)前記繰返工程終了後に、前記下穴から前記地中アンカ埋設用パイプを引抜く引抜工程、(ト)前記引抜工程終了後に、軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するアンカ埋設工程、(チ)前記アンカ埋設工程後に、前記固結剤が固化するまで養生する養生工程からなることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、固結剤は、急硬成分を含有するセメント又はセメントモルタルであることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のアンカ埋設用パイプは、地中アンカ埋設用パイプの本体は、下穴に挿入できる外径を有するとともに、所定の押圧工具が挿入できる内径を有し、かつ、所定の長さを有し、その下穴に挿入されて使用されるので、傾斜している下穴であってもその下穴内に骨材、固結材及び水を容易に投入することができる。
本発明の請求項2に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、上述のように、下穴あけ工程、補強工程、投入工程、混合破砕工程、繰返工程、引抜工程、アンカ埋設工程、養生工程からなるので、骨材、固結材及び水の投入が容易で、地中アンカの埋設作業を容易に行うことができる。
本発明の請求項3に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、固結剤は、急硬成分を含有するセメント又はセメントモルタルであるので、養生時間を短縮することができる。
本発明の請求項2に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、上述のように、下穴あけ工程、補強工程、投入工程、混合破砕工程、繰返工程、引抜工程、アンカ埋設工程、養生工程からなるので、骨材、固結材及び水の投入が容易で、地中アンカの埋設作業を容易に行うことができる。
本発明の請求項3に記載の地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法は、固結剤は、急硬成分を含有するセメント又はセメントモルタルであるので、養生時間を短縮することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係る地中アンカ埋設用パイプの斜視図である。この地中アンカ埋設用パイプの本体(以下、地中アンカ埋設用パイプ及びその本体を含めて「パイプ」という。)Pは、鋼製のパイプからなり、そのパイプの外形は、後述の図2に示される本発明の下穴工具及び押圧工具を兼用している工具1によって地面Gにあけられる下穴の直径D(後述の図3参照)とほぼ同じに、すなわち、パイプPが下穴Hに簡単に挿入できるように決められ、また、そのパイプPの内径は、上述の工具1が十分な余裕をもって挿入できるように決められている。具体例で説明すると、直径120mm(以下、120φのように記す。)の工具1で120φの下穴Hがあけられたときに、外径140φのパイプPが挿入される。なお、パイプPの外径が下穴Hの径よりも大きくとも、下穴Hの周囲は土砂等の崩れやすい性質なので、小さい押圧力で容易にパイプPを挿入することができる。そして、パイプPには内径130φの穴が設けられているので、そのパイプP内に工具1を十分な余裕をもって挿入することができる。
このパイプPの長さは、下穴Hの地表面から所定深さに挿入できるように決められている。具体的には、その長さは、1m前後とされる。なぜならば、工具1であけられた下穴Hの崩落(崩壊)は、地表面に近いところで起き易く、ある程度以上の深さでは、地盤が安定して下穴Hの崩落(崩壊)が起きないからである。したがって、このパイプPは、後述の図6に示されるように、工具1であけられた下穴Hのうち、地表面近くの下穴Hに挿入されて使用される。なお、パイプPを下穴Hの地表面近くに安定してセットするために、パイプPが下穴Hに必要以上挿入しないように、パイプPの一方の先端部(図1において上端部)の外周に所定の大きさのつばを設けるようにしてもよい。
図1中、P′は、パイプPの一方の先端部に貫通して設けられた孔であり、下穴Hに挿入されたパイプPを引き抜くときに用いられる。この貫通孔P′の使用については後述する。
次に、上述のパイプPを用いた地中アンカの埋設工程を図2〜図10を用いて説明する。図2は、地中アンカA(図10参照)を埋設する地面Gの所定位置に、本発明の下穴工具及び押圧工具を兼用している工具1を用いて所定の直径で所定の深さの下穴Hを地面(地表面)Gに対して所定の傾きを有して、すなわち、後述する図10に示される支線棒X及び支線Yの傾きに合わせて(支線棒X及び支線Yの傾きと同じ傾きで)開け始める状態を示している。この下穴Hの掘削作業で用いられる工具1は、通常、超硬ビットと呼ばれているもので、本出願人が特開2003−211437号公報で提案しているもので、鋼製の棒状体1aの先端及び上部のつば部下部に超硬チップ1b,1cをそれぞれ有している。この工具1には、パイプ状の補助工具(この補助工具については、本出願に係る特開2001−271345号公報に詳述されていて、通常、嵌入パイプと呼ばれている。)Mが工具1の頂部に設けられている角柱部1dに嵌められるように構成されている。そして、その工具1は、補助工具Mが図示しない電柱を地面に立設するときに用いられる周知の穴掘建柱車の回転部(オーガ)O(図4(a)参照)で押圧させながら回転させられると、地面G内に圧入され、所定深さの下穴Hが簡単に形成される。この工具1であけられる下穴Hは、図3に示されるように、工具1のつば部下部の超硬チップ1cによって決められる所定の直径Dで、標準型の工具1では直径Dが120φの下穴Hがあけられる。そして、この下穴Hの深さは、上記パイプPの長さと同じかそれよりも少し深い値、例えば100〜150cmとされる。
なお、地面Gに形成される下穴Hは、上述したような超硬チップを有する工具1を用いることなく、所定の深さで、かつ、所定の直径の穴を掘ることができる下穴工具であれば採用することができる。例えば、電柱の穴掘建柱車に設けられる螺旋状掘削刃を小型化したようなものを用いることができる。しかし、後述する骨材の破砕と圧入を兼ねる押圧工具と兼用することができるので、上述の超硬チップ1b,1cを有する工具1の方が便利である。
図4(a)は、工具1によってあけられた下穴HにパイプPを挿入する工程を示している。このパイプPの下穴Hへの挿入は、あけられた下穴HにパイプPを人力により挿入することもできるが、この下穴Hの地面Gの上部近くが既に崩落していることが多いので人力による挿入には困難を伴うことが多く、したがって、穴掘建柱車を用いて行われる。
この穴掘建柱車を用いたパイプPの下穴Hへの挿入は、図4(b)に示される押込工具10を補助工具Mに取付け、この押込工具10を介して行われる。この押込工具10は、上部に補助工具Mに挿入される筒部11を有するとともに、その筒部11には、補助工具Mに設けられている穴(この穴は、本来、支線棒X(図10参照)の先端部に設けられているリング部にピンを挿入して補助工具Mと支線棒Xとを連結するときに用いられる。)に押込工具10を連結するためのピン穴11aが設けられている。そして、その押込工具10の下部には、パイプPの上端部が挿入される筒部12が設けられている。
次いで、工具1の先端からパイプPを挿入し(パイプPの内径は、工具1のつば部下部の超硬チップ1c部分が余裕をもって挿入できる大きさに決められているとともに、補助工具Mも余裕をもって挿入できる大きさに決められている。)、パイプPの先端部を押込工具10の筒部12内に挿入し、補助工具Mを回転させながら押圧すると、パイプPは簡単に下穴Hに挿入される(図4(a)参照)。
パイプPが下穴Hに挿入された後に、押込工具10が補助工具Mから外され、工具1により下穴Hの穴掘が再び開始される。工具1によってあけられる下穴Hの深さは、通常、100〜200cm前後とされる。これは、N値が10以下の普通地盤や軟弱(軟質)地盤では、地表から100cmの深さまでが最も硬く、それよりも深くなると軟らかくなり、200cmよりも深く下穴Hを形成しても支線の耐張力を高める効果がそれほど期待できないからである。
また、この工具1であけられる下穴Hの直径(穴径)Dは、地中アンカA(図10参照)の螺旋状の掘削刃(上部の最も大きな直径の掘削刃)の直径D1 によって決められる。すなわち、下穴Hの直径Dと地中アンカAの直径D1 との関係は、D1 =D×1.1〜1.5とされる。例えば、140φの規格品の地中アンカAの場合、上部の超硬チップ1cの設けられているつば部部分の直径が120φの標準型の工具(超硬チップ)1が用いられる。
さて、この工具1を用いて図5に示されるような所定深さにあけられた下穴Hには、パイプPを介して所定量の骨材C、固結剤B及び水Wが投入され(図6参照)、その後、工具1で破砕圧入される(図7参照)。ここで用いられる骨材Cとしては、粒径50mm程度の礫や砕石、あるいは同程度に破砕されたコンクリート廃材でもよく、ある程度硬質のものであればその種類は問わない。また、地中アンカAがアース装置の電極と兼用されるようなときは、その骨材としてコークスを用いることもできる。上記固結剤Bとしては、例えばセメント又はセメントモルタル等からなる水硬性物質を有効成分とする材料(以下、セメントモルタルで説明する。)が用いられ、特に、急硬成分を含むセメント又は急硬成分を配合してなるセメントモルタルが養生時間を短縮できるので好ましい。下穴Hに投入される固結剤Bの投入量は、その下穴Hに投入される骨材Cの量によって決められる。なぜならば、この固結剤Bは、骨材C及び水Wと混練されてコンクリート塊を生成するために用いられるものだからである。したがって、投入される骨材C、固結剤B及び水Wの量も、周知のコンクリート形成のための混合比によって必然的に決まる性質を有している。なお、骨材C、固結剤B及び水Wの下穴Hへの投入は、パイプPを介して行われるので、下穴Hの底部近くまで容易に届かせることができる。
下穴Hに投入される1回分の骨材C及び固結剤Bの投入量は、下穴Hの穴径にもよるが、その下穴Hの穴径が120φのときは、スコップ1杯分の骨材量(骨材が礫や砕石の場合は、約5kg)に対し、1kgのセメントモルタル(又はセメント)及び500ccの水Wで足りる。そして、これら骨材C、固結剤B及び水Wの投入後に工具1で押圧しながら回転すると(図7参照)、骨材Cは破砕されるとともに、下穴Hの内壁面内に圧入される(図8のC′は、破砕された骨材Cの状態を示している。)。工具1による骨材Cの破砕圧入処理後、下穴Hには、上述と同量の骨材C、固結剤B及び水Wが投入され、工具1を用いて上述と同様に破砕圧入処理が行われる(図7及び図8参照)。
図9は、骨材C、固結剤B及び水Wの投入と工具1を用いた破砕圧入を複数回繰返して得られた下穴Hの下部に形成された骨材Cの圧密化された状態を示している。そして、下穴Hの底部が所定深さ圧密化されたときには、パイプPは下穴Hから引抜かれる。パイプPの引抜きは、パイプPの上部に設けられている貫通孔P′を用いることにより穴掘建柱車によって簡単に引抜くことができ、引抜かれたパイプPは、他の現場において再利用される。上述の下穴Hの下部における圧密化をする深さ、すなわち、下穴Hの底から圧密化する高さは、地中アンカAの長さ分あれば十分である(後述の図10参照)。
骨材C、固結剤B及び水Wを分割して投入し、その投入の都度、工具1で破砕と圧入を繰返すようにすると、破砕されて細片化された骨材C′をまんべんなく下穴Hの壁面に圧入させて、下穴Hの下部に硬い大きな塊(コンクリート塊)を作ることができる。なお、上述の破砕と圧入は、通常、超硬ビットと呼ばれている工具1を押圧工具として用いるが、この超硬ビットと同様に破砕と圧入ができる他の押圧工具を用いることもできる。
図10は、下穴Hの下部が骨材Cで圧密化された後に、その下穴Hにさらに骨材Cを投入し、地中アンカAを埋設した状態を示している。この地中アンカAは、鋳鉄製の軸棒a1 の先端側(図10において下部側)に間欠的に所定の間隔を保って螺旋状の掘削刃a2 ,a2 …を複数個(図示の例では4個)一体的に設けて構成されている。また、この地中アンカAの先端(図10において下端部)は、硬質のドリルで形成され、また、掘削刃a2 ,a2 …も硬質で、かつ、その外周は尖鋭に形成されているので、上述の工具1と同様の作用を有することができる。したがって、地中アンカAの埋設の際(地中アンカAのねじ込みの際)、骨材Cを破砕し、その破片を下穴Hの壁面に圧入させることができる。
上述のようにして下部部分が骨材Cの細片で圧密化された下穴Hには、地中アンカAが埋設される。この地中アンカAの埋設は、地中アンカAの角柱部a3 の頂部に設けられているアイ部に支線棒Xを接続し、その支線棒Xを補助工具M(図10では省略。図2及び図4参照。)の内部に収納しながらその補助工具Mを角柱部a3 に嵌め、その補助工具Mを図示しない穴掘建柱車の回転部で押圧させながら回転して行われる。そして、地中アンカAが所定深さに埋設された後、補助工具Mが外されると、地上には支線棒Xの先端部が現れる。次いで、その支線棒Xの先端に設けられているリング部に図示しないシンブルを介して支線Yが取付けられる。
P パイプ
1 工具(超硬ビット)
10 押込工具
H 下穴
G 地面
A 地中アンカ
C 骨材
B 固結剤
W 水
X 支線棒
Y 支線
1 工具(超硬ビット)
10 押込工具
H 下穴
G 地面
A 地中アンカ
C 骨材
B 固結剤
W 水
X 支線棒
Y 支線
Claims (3)
- 地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の下穴工具を用いて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあけ、そのあけられた下穴に所定の粒径を有する骨材及び固結剤を投入し、その投入された骨材及び固結剤を所定の押圧工具を回転しながら押圧し、その骨材を破砕するとともにその下穴の壁面に圧入させ、次いで、その下穴に軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するときに用いられる地中アンカ埋設用パイプであって、
前記地中アンカ埋設用パイプの本体は、前記下穴に挿入できる外径を有するとともに、前記所定の押圧工具が挿入できる内径を有し、かつ、所定の長さを有し、その下穴に挿入されて使用されることを特徴とする地中アンカ埋設用パイプ。 - 下記の(イ)〜(チ)の工程からなることを特徴とする地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法。
(イ)地面の所定の箇所に所定の構造物を支持する支線の傾きに合わせて所定の深さで所定の穴径を有する下穴をあける下穴あけ工程。
(ロ)あけられた前記下穴に所定の内径及び所定の長さを有する地中アンカ埋設用パイプを挿入してその下穴を補強する補強工程。
(ハ)骨材、固結剤およびその固結剤が必要とする水を前記地中アンカ埋設用パイプを介して前記下穴内に投入する投入工程。
(ニ)前記下穴に投入された骨材、固結剤及び水を所定の工具を用いて混合撹拌してその骨材を破砕させてその下穴の壁面に圧入させる混合破砕工程。
(ホ)前記投入工程及び前記混合破砕工程を複数回繰返す繰返工程。
(ヘ)前記繰返工程終了後に、前記下穴から前記地中アンカ埋設用パイプを引抜く引抜工程。
(ト)前記引抜工程終了後に、軸棒に螺旋状の掘削刃を有する地中アンカを埋設するアンカ埋設工程。
(チ)前記アンカ埋設工程後に、前記固結剤が固化するまで養生する養生工程。 - 請求項2に記載の地中アンカの埋設方法において、固結剤は、急硬成分を含有するセメント又はセメントモルタルであることを特徴とする地中アンカ埋設用パイプを用いた地中アンカの埋設方法。
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