JP2006199531A - 改質装置及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温始動時に改質原料が結露することによる暖機時間の遅れを抑制する。
【解決手段】 改質原料を改質部22にて改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置20であって、液化温度の異なる複数の改質原料として、ジメチルエーテル(DME)とメタノールを備える。改質装置20の暖機時は、改質部22にDMEを供給して部分酸化改質反応のみを行い、暖機後は、改質部22にメタノール水の混合蒸気を供給して水蒸気改質反応を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 改質原料を改質部22にて改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置20であって、液化温度の異なる複数の改質原料として、ジメチルエーテル(DME)とメタノールを備える。改質装置20の暖機時は、改質部22にDMEを供給して部分酸化改質反応のみを行い、暖機後は、改質部22にメタノール水の混合蒸気を供給して水蒸気改質反応を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、改質原料を水素リッチな燃料ガスに改質する改質装置及びこれを備えた燃料電池システムに関し、特に、暖機時間の短縮に有効な技術に関する。
近年、燃料ガスと酸化ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。燃料電池に供給される燃料ガスは、例えば、炭化水素系の改質原料を改質して生成される。改質装置としては、例えば、水蒸気改質反応と部分酸化改質反応とを併用するオートサーマル式の改質装置(ATR)があり、また、始動時における部分酸化改質反応の比率を定常運転時よりも高くすることによって、早期に暖機を行うようにした改質方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−089106号公報
改質装置は、改質触媒が機能する所定の改質反応温度(例えば、100℃以上)まで昇温してからでないと、高品質な改質ガス(燃料ガス)を生成することができない。特許文献1では、蒸発部でメタノール及び水の蒸気を生成させた後に、改質部にて改質反応を行うため、特に極低温での始動時などでは、温度の低い改質部でメタノールが結露する。この結露を解除するには、例えば10分以上の時間が必要なことから、暖機完了が遅れる虞がある。
そこで、本発明は、低温始動時に改質原料が結露することによる暖機時間の遅れを抑制することのできる改質装置及びこれを備えた燃料電池システムの提供を目的とする。
本発明に係る改質装置の運転方法は、改質原料を改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置の運転方法であって、改質装置の運転に際して液化温度の異なる複数の改質原料を用い、改質装置の暖機時は液化温度の低い改質原料を用いて改質を行い、暖機後は液化温度の高い改質原料を用いて改質を行うものである。
このような構成によれば、改質装置の暖機時、つまり、改質装置に供給された改質原料が冷やされて結露し易い環境下(特に、低温始動時)であっても、液化温度の低い改質原料を用いて改質を行うので、該改質原料の結露は抑制される。この結露抑制効果を高めるには、暖機時に用いる改質原料が少なくとも常温で気体であることが好ましい。
また、本発明に係る改質装置の運転方法は、暖機時の改質反応を部分酸化改質反応のみとし、暖機後に水蒸気改質反応を行うようにしてもよい。
このような構成によれば、起動(暖機)時における改質原料の結露を抑制しつつ、改質装置の暖機が完了して定常状態に移行した後は、より高効率での改質が可能となる。
本発明に係る改質装置は、改質原料を改質部にて改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置であって、液化温度の異なる複数の改質原料を備え、前記改質部に供給される改質原料が暖機時と暖機後とで選択可能とされている。
このような構成によれば、改質部の暖機時、つまり、改質部に供給された改質原料が冷やされて結露し易い環境下(特に、低温始動時)であっても、暖機時に用いる改質原料として相対的に液化温度の低い改質原料を選択して改質を行えば、該改質原料の結露は抑制される。
したがって、暖機時は前記改質原料のうち相対的に液化温度の低い改質原料が前記改質部に供給され、暖機後は前記改質原料のうち相対的に液化温度の高い改質原料が前記改質部に供給されることが好ましい。また、改質部における改質原料の結露抑制効果を高めるには、暖機時に前記改質部に供給される改質原料は少なくとも常温で気体であることが好ましい。
更に、前記改質部に水蒸気を供給する水蒸気供給手段を備え、暖機後に前記水蒸気供給手段から前記改質部に水蒸気を供給するようにしてもよい。
このような構成によれば、起動(暖機)時における改質原料の結露を抑制しつつ、改質装置の暖機が完了して定常状態に移行した後は、より高効率での改質が可能となる。
本発明に係る燃料電池システムは、上記いずれかの構成を備えた改質装置と、該改質装置からの改質ガスを燃料ガスとして用いて発電を行う燃料電池とを備えて構成される。
かかる構成によれば、改質原料が改質装置で結露することによる暖機時間の遅れを抑制して、高品質の改質ガスを起動後短時間で燃料電池に供給することが可能になるので、燃料電池システムの起動性が向上する。
本発明によれば、低温始動時に改質原料が結露することによる暖機時間の遅れを抑制することができ、高品質の改質ガスを起動後短時間でガス供給先に供給することが可能となる。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。この燃料電池システムは、例えば、車載発電システムや定置用発電システムに適用される。なお、図1では、燃料電池に対する酸化ガス給排系の図示は省略している。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。この燃料電池システムは、例えば、車載発電システムや定置用発電システムに適用される。なお、図1では、燃料電池に対する酸化ガス給排系の図示は省略している。
燃料電池10は、水素と酸素の電気化学反応によって発電するセルを備える。このセルは電解質膜を挟んで水素極(以下、アノード)と酸素極(以下、カソード)とが配置された構成となっている。
燃料電池10のアノードには、改質装置20より燃料ガスとしての水素リッチな改質ガスが供給され、燃料電池10のカソードには、図示しないコンプレッサにより酸化ガスとしての空気が供給される。アノードからの排気(以下、水素オフガス)の一部は、配管11を通じて改質装置20の蒸発部21に戻されて再利用される。一方、カソードからの排気は、図示せぬ配管を通じて外部に排出される。
改質装置20−燃料電池10間の配管12には、切替バルブ13を介して燃料電池10をバイパスさせるバイパス配管14が連結されている。切替バルブ13は、制御装置100からの制御指令に応じて流路を切り替える流路切替弁であり、例えば三方弁が採用される。
改質装置20は、炭化水素系燃料(改質原料)を水と共に気化させて改質原料ガスを生成する蒸発部21と、改質原料ガスを水素リッチな改質ガス、言い換えれば、改質原料ガスを燃料電池10に供給する燃料ガスへと改質する改質部22と、改質ガス中に含まれているCO濃度を低減するCO浄化部23と、を備えて構成されている。蒸発部21に供給される炭化水素系燃料としては、メタノール、ガソリン、軽油等の利用が可能である。以下、メタノールを例に説明する。
蒸発部21は、加熱媒体としての燃焼ガスと、被加熱媒体としてのメタノール及び水との間で熱交換を行いメタノールと水を蒸気化する熱交換装置である。蒸発部21は、燃焼ガスなどの加熱流体が通過する加熱流体流路31と、メタノール水などの被加熱流体が通過する被加熱流体流路32とを備えており、両流体間が熱交換可能に構成されている。
被加熱流体流路32には、タンク等の供給源(図示略)から改質原料供給路41を介してメタノールが供給される。タンク等の供給源は、メタノールを供給するメタノール供給源と、水を供給する水供給源とを含んで構成されており、これらメタノールと水は所定比率で混合され、改質ガスを生成するための原料として被加熱流体流路32に供給される。
加熱流体流路31の上流端には、水素オフガスや燃焼用メタノールなどの燃焼用燃料と、該燃焼用燃料と混合される燃焼用エアが供給される。加熱流体流路31には、これら燃焼用燃料と燃焼用エアとの混合ガスを触媒燃焼させる電気触媒加熱ヒータ(EHC)が配設されている。
加熱流体流路31を通過する燃焼ガスは、被加熱流体流路32を通過するメタノール水との間で熱交換を行い、メタノール水を蒸気化させて改質原料ガスを生成する。この熱交換により低温化した燃焼ガスは、燃焼排ガスとして改質装置20の外部に放出される。一方、蒸発部21にて生成された改質原料ガスは、第1の改質原料ガス流路42を介して改質部22に供給される。
このように、本実施形態では、少なくとも蒸発部21と水供給源とを備えることによって、改質部22に水蒸気を供給する水蒸気供給手段が構成されている。
改質部22は、触媒反応を利用して改質原料ガスを水素リッチな改質ガスに改質する部分であり、主として、改質原料ガスの改質反応を促進する改質触媒が充填された触媒層(図示略)と、この触媒層の温度を計測する温度センサ(図示略)とを備えて構成されている。
改質部22の上流端側には、水蒸気改質用の改質原料ガスを導入するための第1の改質原料ガス流路42と、部分酸化改質用の炭化水素ガス供給源から該炭化水素ガスを導入するための第2の改質原料ガス流路43と、水蒸気改質および部分酸化改質の双方に用いられる改質用エアを導入するための改質用エア流路44とが接続されている。
炭化水素ガス供給源から改質部22に供給される部分酸化改質用の炭化水素ガスとしては、例えば、ジメチルエーテル(以下、DME)、天然ガス、LPG等のような少なくとも常温で気体のものが利用可能である。以下、DMEを例に説明する。
第1の改質原料ガス流路42は、被加熱流体流路32と連通している。第1及び第2の改質原料ガス流路42,43には、それぞれ第1の遮断弁(不図示)及び第2の遮断弁(不図示)が設けられていて、水蒸気改質用の改質原料ガスと部分酸化改質用のDMEのいずれか一方のみを、例えば暖機時と暖機後とで、選択的に改質部22に供給することが可能になっている。
つまり、第1の遮断弁を開弁して第2の遮断弁を閉弁すると、メタノール水が気化してなる改質原料ガスと改質用エアが改質部22内に導入され、該改質部22では、メタノール水の水蒸気改質反応と、メタノールの部分酸化改質反応が行われる。一方、第1の遮断弁を閉弁して第2の遮断弁を開弁すると、DMEと改質用エアが改質部22内に導入され、該改質部22では、DMEの部分酸化改質反応が行われる。
DMEの部分酸化改質反応を式1に、メタノールの部分酸化改質反応を式2に、メタノール水の水蒸気改質反応を式3に示す。
CH3OCH3+ 3/2O2 → 3H2+2CO2+Q1 … 式1
CH3OH+ 1/2O2 → 2H2+CO2+Q2 … 式2
CH3OH+ H2O → 3H2+CO2−Q3 … 式3
CO浄化部23は、改質部22で生成された改質ガス中に含まれているCO濃度を低減するものであり、主として、COの選択酸化触媒が充填された触媒層(図示略)と、この触媒層の温度を計測する温度センサ(図示略)を備えて構成されている。改質部22で生成された改質ガスは、CO浄化部23にて数ppm程度以下のCO濃度に精製され、燃料ガスとして燃料電池10に供給される。
CH3OCH3+ 3/2O2 → 3H2+2CO2+Q1 … 式1
CH3OH+ 1/2O2 → 2H2+CO2+Q2 … 式2
CH3OH+ H2O → 3H2+CO2−Q3 … 式3
CO浄化部23は、改質部22で生成された改質ガス中に含まれているCO濃度を低減するものであり、主として、COの選択酸化触媒が充填された触媒層(図示略)と、この触媒層の温度を計測する温度センサ(図示略)を備えて構成されている。改質部22で生成された改質ガスは、CO浄化部23にて数ppm程度以下のCO濃度に精製され、燃料ガスとして燃料電池10に供給される。
制御装置100は、制御コンピュータシステムによって構成されていて、改質装置20を含む燃料電池システムの各部に設けられた図示しないセンサや各機器からの制御情報を受け取り、システム各部の弁類や機器類の動作を制御する。例えば、第1及び第2の改質原料ガス流路42,43に設けられた第1及び第2の遮断弁の開閉や、改質装置20−燃料電池10間の配管12に設けられた切替バルブ13による流路切替を制御する。
次に、図2のフローチャートを参照しながら、燃料電池システムの起動時の動作について説明する。
ステップS1では、改質装置20−燃料電池10間および改質装置20内の初期流路設定を行う。具体的には、改質装置20−燃料電池10間の切替バルブ13については、CO浄化部23からの改質ガスがバイパス配管14を流通して(燃料電池10をバイパスして)、蒸発部21に供給されるように流路を設定し、また、第1及び第2の改質原料ガス流路42,43に設けられた第1及び第2の遮断弁については、それぞれ閉状態及び開状態に設定する。
このように、起動時には蒸発部21を使用せず、つまり、メタノール水を改質原料としては用いず、改質部22に常温で気体のDMEと改質用エアを供給して部分酸化改質反応(式1)のみを起こさせ、改質部22を昇温する。これにより、暖機が始まる(ステップS3)。起動時の改質部22は低温であるが、DMEの部分酸化改質反応の反応熱Q1によって改質部22は直ちに昇温する。
ステップS5では、温度センサによる改質部22の触媒層温度の計測結果に基づき、改質部22が所定の暖機終了温度(例えば、100℃)に達したか否かを判定し、その判定結果が「NO」の場合は、暖機運転を継続し、判定結果が「YES」になるまで当該ステップS3の判断を繰り返す。一方、ステップS5の判定結果が「YES」の場合、つまり、改質部22の暖機終了が判定された場合には、ステップS7に進む。
ステップS7では、改質部22への改質原料ガスの供給流路を変更する。具体的には、第1の改質原料ガス流路42に設けられた第1の遮断弁を閉状態から開状態に切り替え、第2の改質原料ガス流路43に設けられた第2の遮断弁を開状態から閉状態に切り替える。すると改質部22に供給される改質原料ガスのうち、改質用エア以外の改質原料ガスは、DMEから蒸発部21で生成したメタノール水の混合蒸気に切り替わる。
これにより、改質部22では、メタノールの部分酸化改質反応(式2)とメタノール水の水蒸気改質反応(式3)が起き、水素リッチで高品質な改質ガスが高効率に生成される。高品質な改質ガスの生成後は、改質装置20−燃料電池10間の切替バルブ13を切り替え、CO浄化部23からの改質ガスを燃料電池10に供給し、定常運転を開始する(S9)。
なお、起動直後の蒸発部21においては、改質部22でDMEの部分酸化改質反応(式1)により生成された水素含有ガスが供給されていて、この水素含有ガスが燃焼用エアによって燃焼し、メタノール水を蒸発させている。改質部22で高品質な改質ガスが生成されるようになった後は、燃料電池10の水素オフガスが蒸発部21に供給されて、メタノール水の混合蒸気を生成する。蒸発部21での熱量コントロールには、燃焼用メタノールが用いられている。
以上説明したとおり、DMEの部分酸化改質反応(式1)では水蒸気を用いず、生成ガス中にも水分がほとんど含まれていないため、改質部22での結露は抑制される。その結果、改質部22は、DMEの部分酸化改質反応の反応熱Q1によって直ちに(例えば、30秒前後)昇温し、所定温度以上に昇温してから改質部22に供給されるメタノール水の混合蒸気によって、高品質な改質ガスを短時間(例えば、1分程度)で生成することができる。
このように、本実施形態の改質装置20及びこれを備えた燃料電池システムでは、低温始動時に改質原料が結露することによる暖機時間の遅れを抑制することができ、高品質改質ガスを短時間で燃料電池10に供給することが可能となる。また、改質部22での改質効率は、定常状態ではDMEよりもメタノールを用いた方が高いので、起動時は結露しないDMEを用い、その後DMEからメタノールに変えることにより、効率の良い改質を行うこともできる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。同図において、第1実施形態と共通する構成要素については、図1と同一の符号を付してその説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。同図において、第1実施形態と共通する構成要素については、図1と同一の符号を付してその説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
蒸発部21の被加熱流体流路32には、水供給源からの水のみが改質原料供給路41を介して供給される。加熱流体流路31の上流端には、水素オフガスや燃焼用炭化水素ガスなどの燃焼用燃料と、該燃焼用燃料と混合される燃焼用エアが供給される。被加熱流体流路32を流通する水は、加熱流体流路31を通過する燃焼ガスとの熱交換により水蒸気となり、第1の改質原料ガス流路42を介して改質部22に供給可能である。
第1実施形態と同様、第1及び第2の改質原料ガス流路42,43にはそれぞれ第1及び第2の遮断弁が設けられていて、水蒸気改質用の水蒸気と部分酸化改質用のDMEのいずれか一方のみを、例えば暖機時と暖機後とで、選択的に反応部51へ供給することが可能になっている。つまり、改質部22には、第1の改質原料ガス流路42からの水蒸気または第2の改質原料ガス流路43からのDMEと、改質用エア流路44からの改質用エアとが改質原料ガスとして供給される。
改質部22で行われるDMEの部分酸化改質反応を式4に、DMEの水蒸気改質反応を式5に示す。
CH3OCH3+ 3/2O2 → 3H2+2CO2+Q4 … 式4
CH3OCH3+ 3H2O → 6H2+2CO2−Q5 … 式5
本実施形態においても、起動時は、第1の改質原料ガス流路42に設けられた第1の遮断弁を閉状態とし、蒸発部21を使用しない。つまり、起動時は、水蒸気を改質部22に供給せずに、改質部22に直接常温で気体のDMEと改質用エアを供給して、DMEの部分酸化改質反応(式4)のみを起こさせているので、その反応熱Q4によって改質部22は直ちに昇温する。
CH3OCH3+ 3H2O → 6H2+2CO2−Q5 … 式5
本実施形態においても、起動時は、第1の改質原料ガス流路42に設けられた第1の遮断弁を閉状態とし、蒸発部21を使用しない。つまり、起動時は、水蒸気を改質部22に供給せずに、改質部22に直接常温で気体のDMEと改質用エアを供給して、DMEの部分酸化改質反応(式4)のみを起こさせているので、その反応熱Q4によって改質部22は直ちに昇温する。
よって、低温始動時に改質原料が結露することによる暖機時間の遅れを抑制することができ、高品質改質ガスを短時間で燃料電池10に供給することが可能となる。
暖機後は、蒸発部21を使用すべく、第1の改質原料ガス流路42に設けられた第1の遮断弁を閉状態から開状態に切り替え、水蒸気を改質部22に供給する。これにより、改質部22では、DMEの水蒸気改質反応(式5)も行われるようになるので、改質効率が向上する。
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。同図において、第1及び第2実施形態と共通する構成要素については、図1及び図3と同一の符号を付してその説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係る改質装置を備えた燃料電池システムの概略構成図である。同図において、第1及び第2実施形態と共通する構成要素については、図1及び図3と同一の符号を付してその説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
改質部50は、改質原料ガスの流通方向に所定の間隔をおいて配される複数(本実施形態では2段)の反応部51,52を備えている。これら反応部51,52は、改質原料ガスの改質反応を促進する改質触媒が充填された触媒層(図示略)と、改質原料ガスの改質反応を促進する改質触媒が充填された触媒層(図示略)とを個別に備えている。
改質部50内で前段(上流)に位置する反応部51には、第1の改質原料ガス流路42を介して蒸発部21からの水蒸気、第2の改質原料ガス流路43を介して例えばDME等の部分酸化改質用の炭化水素ガス、および改質用エア流路44を介して改質用エアが供給可能となっている。
第1及び第2実施形態と同様、第1及び第2の改質原料ガス流路42,43にはそれぞれ第1及び第2の遮断弁が設けられていて、水蒸気改質用の水蒸気と部分酸化改質用のDMEのいずれか一方のみを、例えば暖機時と暖機後とで、選択的に改質部50に供給することが可能になっている。
つまり、反応部51には、第1の改質原料ガス流路42からの水蒸気または第2の改質原料ガス流路43からのDMEと、改質用エア流路44からの改質用エアとが改質原料ガスとして供給される。一方、改質部50内で後段(下流)に位置する反応部52には、その前段に位置する反応部52からの改質ガスを含むガス(以下、改質ガス含有ガス)、および第2の改質用エア流路45を介して改質用エアが供給される。
改質ガス含有ガスは、反応部51で生成された改質ガスの他に、改質用エア不足によって反応部51で改質反応に供しなかったDMEの残余分を含んでなる。つまり、反応部52には、反応部51からのDMEの残余分と、第2の改質用エア流路45からの改質用エアとが改質原料ガスとして供給される。
本実施形態によれば、改質部50内で改質反応が行われる部分を改質原料ガスの流通方向に間隔をおいて配される2つの反応部51,52に分割しているので、改質部50内では部分酸化改質反応(式4)が2箇所で同時に起きることとなり、改質部50全体の昇温時間、ひいては高品質改質ガスが生成されるまでの時間を第1及び第2実施形態よりも更に早めることができる。また、改質部50の温度が均一化されるので、改質ガスの品質向上および改質部50の小型化を図ることもできる。
なお、本実施の形態では、改質部50内を2つの反応部51,52に分割しているが、更に多段に分割して各段に改質用エアを供給するように構成してもよい。かかる構成によれば、改質部50の昇温時間を更に短縮することができる。
10…燃料電池、20…改質装置、21…蒸発部(水蒸気供給手段の一部)、22,50…改質部、51,52…反応部、100…制御装置
Claims (8)
- 改質原料を改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置の運転方法であって、
改質装置の運転に際して液化温度の異なる複数の改質原料を用い、
改質装置の暖機時は液化温度の低い改質原料を用いて改質を行い、暖機後は液化温度の高い改質原料を用いて改質を行う改質装置の運転方法。 - 前記暖機時に用いる改質原料は少なくとも常温で気体である請求項1に記載の改質装置の運転方法。
- 暖機時の改質反応は部分酸化改質反応のみであり、暖機後に水蒸気改質反応を行う請求項1又は2に記載の改質装置の運転方法。
- 改質原料を改質部にて改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置であって、
液化温度の異なる複数の改質原料を備え、
前記改質部に供給される改質原料が暖機時と暖機後とで選択可能とされた改質装置。 - 暖機時は前記改質原料のうち相対的に液化温度の低い改質原料が前記改質部に供給され、暖機後は前記改質原料のうち相対的に液化温度の高い改質原料が前記改質部に供給される請求項4に記載の改質装置。
- 暖機時に前記改質部に供給される改質原料が少なくとも常温で気体である請求項4又は5に記載の改質装置。
- 前記改質部に水蒸気を供給する水蒸気供給手段を備え、
暖機後に前記水蒸気供給手段から前記改質部に水蒸気を供給する請求項4〜6のいずれかに記載の改質装置。 - 請求項4〜7のいずれかに記載の改質装置と、該改質装置からの改質ガスを燃料ガスとして用いて発電を行う燃料電池とを備えた燃料電池システム。
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WO2020004146A1 (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-02 | 株式会社豊田自動織機 | 水素製造装置 |
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2005
- 2005-01-20 JP JP2005012276A patent/JP2006199531A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020004146A1 (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-02 | 株式会社豊田自動織機 | 水素製造装置 |
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