JP2006199521A - 焼成台およびそれを用いた焼成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミック成形体の焼成において、収縮不均一、反りや変形、焼結状態不均一の課題を同時に解決し、かつ低コストで大規模な焼成を容易に可能にする焼成台及びそれを用いた焼成方法を提供する。
【解決手段】セラミック成形体の焼成台であって、前記セラミック成形体が載置される載置台が可動する可動載置台を備えることを特徴とするセラミック成形体の焼成台。また、前記可動載置台が可動促進部を備えることを特徴とする焼成台。また前記可動促進部を1つの前記載置台に複数備えることを特徴とする焼成台を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】セラミック成形体の焼成台であって、前記セラミック成形体が載置される載置台が可動する可動載置台を備えることを特徴とするセラミック成形体の焼成台。また、前記可動載置台が可動促進部を備えることを特徴とする焼成台。また前記可動促進部を1つの前記載置台に複数備えることを特徴とする焼成台を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、セラミック成形体の焼成に好適な焼成台及びそれを用いた焼成方法に関する。特には長尺のセラミック成形体の焼成に好適な焼成台に関する発明である。
従来、セラミック成形体の高温焼成において、吊り焼成が出来ない場合は、焼成台に載置して焼成する方法が採用されている。前記焼成方法の課題には反りと収縮不均一がある。反りは、長尺の両端が反り上がるという問題を指している。焼成収縮過程において、長尺セラミック成形体の焼成台非接触面側に比較して接触面側は輻射熱を受けにくいことから発生すると考えられている。収縮不均一とは、成形体断面における載置時の上下左右方向および長尺方向それぞれの部位ごとに焼成収縮率が異なることを指している。
反りの課題に対して、焼成中に反り上がるセラミック成形体の、長尺方向における両端を押さえつける治具を備えた焼成台が従来から報告されている。その内容は特許文献1と特許文献2に示されている。前記焼成台を用いることで両端部の反り上がりは抑制される。しかし、収縮不均一については対策がなされていないので、課題は残されている。
また、従来報告されている特許文献の中で、焼成方法に可動部がある技術報告例として、特許文献3と特許文献4がある。焼成炉自体が回転するケースと、炉床が移動するケースとがあるが、いずれも円筒セラミックが円筒中心線を軸として回転するものであった。これにより前記課題のうち、反り及び成形体断面における上下左右方向の収縮不均一に関しては効果が報告されている。しかし、長尺方向の収縮不均一に関しては効果が明確ではない。更に、焼成炉自体やその一部の回転部を設けるために、焼成設備の規模が大きくなる。したがって、低コスト大量焼成に向かないという課題があった。
特開2002−348179号公報(第5頁、第4−7図)
特開2002−284581号公報(第6頁、第6図)
特開平5−170554号公報(第4−5頁、第1−5図)
特開2000−320976号公報(第4頁、第2図)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。加えて、燃料電池の電極など多孔体を所望する場合においては、焼結状態不均一も本発明で解決する課題である。ここで言う焼結状態不均一とは、セラミック成形体を焼成台に載置して焼成する場合、焼成台接触表面と非接触表面や長尺長さ方向において、部位別の開口気孔率に違いが生じることを指している。本発明の目的は、セラミック成形体の焼成において、収縮不均一、焼結状態不均一、反りや変形といった課題を抑制し、かつ低コストで大量焼成を容易に可能にすることにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、セラミック成形体が戴置される戴置台が可動する可動戴置台を備えることを特徴とするセラミック成形体の焼成台を提供する。
また、請求項2記載の発明によれば、前記可動戴置台が可動促進部を備えることを特徴とする請求項1記載の焼成台を提供する。
また、請求項3記載の発明によれば、前記可動促進部を1つの前記戴置台に複数備えることを特徴とする請求項2に記載の焼成台を提供する。
また、請求項4記載の発明によれば、前記可動戴置台が対向して形成され、対向している前記可動戴置台の間に第2戴置部を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の焼成台を提供する。
本発明によれば、セラミック成形体の焼成において、第1に収縮不均一が抑制できる。第2に収縮不均一の抑制により、反りや変形の低減が図れる。第3に焼結状態不均一の抑制ができる。以上のように3件の課題解決を同時に対策でき、しかも低コスト大量焼成に向く焼成台とそれを用いた焼成方法を提供する。
本発明の第1実施例について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は第1実施例の概略図、図2は焼成台組立図、図3は複数成形体焼成台図、図4は焼成時の成形体を表した模式図である。なお図では一部透視表示した。
本実施例で使用されたセラミック成形体は、固体酸化物燃料電池の空気極原料として一般的に使用されているランタンマンガナイトからなり、全長200mm以上の長尺円筒成形体である。
図1の焼成台は下部に基台1を備え、その基台1の上面にボール11を複数個備える複数の基台溝13を有している。各基台溝13に配置されたボール11はその上部にボール11を挟み込む形で可動戴置台2〜7の下面側の可動載置台溝12との間に位置する。本明細書の実施例では、載置台は全て可動載置台であり、以下は単に載置台と表記する。
本実施例の載置台形状は台形の断面を持つ6面体であり、下面には溝を2本備えている。載置台側面の斜面部分は成形体を載置する面になっている。成形体15は白抜き矢印の方向に載置される。
ここで載置台の配置を詳しく述べると、各載置台ごとに2本の平行な溝の組み合わせを備えている。言い換えると1つの載置台につき、下部に2つの可動促進部を備えている。可動促進部は対向する2本の溝と複数のボールからなる構造をしている。例えば、載置台2で説明をすると、載置台2の下面に2本の平行な載置台溝12と基台溝13の間にボール11を挟むことで可動促進部14を構成している。
次に第1実施例の使用方法を図2、図3を用いて説明する。
図2の基台1に備えた基台溝13にボール11を複数個配置する。そのボールの位置に載置台下部の載置台溝12を合わせて、ボール11を挟み込むように対向する載置台2、5を白抜き矢印の方向に配置する。同様に載置台3、4、6、7も配置する。計6個の載置台を配置する。対向する載置台2、3、4と載置台5、6、7の間にセラミック成形体15を載置して焼成炉で焼成する。この時、対向する載置台2と5、載置台3と6、載置台4と7の間に挟まれた基台上面の部分が第2載置部1aである。図4のようにセラミック成形体載置下面16と第2載置部1aの間には空隙がある状態で、セラミック成形体15が載置される。
図3は基台上に複数のセラミック成形体15を載置する場合の説明図(一部透視表示)である。載置台2、3、4からなる載置台の列と、載置台5、6、7からなる載置台の列との間にセラミック成形体15を載置する。載値の際は、セラミック成形体15が載置台側面の斜面2a、5aと線接触するように載置する。同様に載置台5、6、7からなる載置台の列と載置台8、9、10からなる載置台の列との間にもう1本のセラミック成形体15を載置する。その状態で焼成炉にて焼成される。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮不均一の抑制について説明する。図3のように載置されたセラミック成形体15は焼成が進行するにつれて徐々に収縮する。その収縮に伴ない、載置台2、5、8は図面奥側に、載置台4、7、10は図面手前側に可動する。すなわち内側に向かって中央方向に移動する。焼成開始時は図3の位置に載置台があるが、焼成終了後の載置台2、5、8は図面奥側に、載置台4、7、10は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体15と載置台2から10との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体15は収縮不均一の抑制が図れる。また、ボール11と載置台溝12、基台溝13の組み合わせからなる可動促進部14を設けることで、基台1と載置台2から10が点接触で連結される状態となるので、載置台2から10の可動が容易になる。その結果として載置台が可動することによる焼成収縮不均一の抑制効果を確実なものと出来る。また、可動推進部14を一つの載置台に平行に複数備えることで、載置台の位置精度が確保される。言いかえると可動中も載置台側面の斜面2a、5a、第2載置部1aの相対位置が確保され、成形体の変形を防ぐ。一例として、載置台2の下部に備えられた平行な載置台溝12の2本と基台溝13の2本の間にボール11を複数挟み込んだ状態について説明する。特に本実施例では、溝の本数を2本とすることで載置台を支持する点接触数も増加し、基台1と載置台2との相対位置が変化しにくい構造が形成される。その結果、焼成台としての形状安定性も保持される。したがって、焼成後の変形も低減できる。
次に図4を使用して、焼結状態不均一の抑制について説明する。焼成開始時はセラミック成形体載置下面16と基台1の間には空隙がある。この部分が焼成中に脱離するバインダーの排出経路となると共に、対流伝熱の経路にもなるので、上下左右方向ごとの焼結状態不均一の抑制が図れる。
最後に図4を使用して反りに対する第2載置部の効果について説明する。第2載置部は対向している前記可動戴置台の間にある。焼成が進行するとともに、セラミック成形体は15a、15b、15c、15dの順に移動する。その過程でセラミック成形体と載置台2、5の接触部は載置台側面の斜面2a、5aを下の方向に徐々に移動していく。更に焼成が進行すると、最終的にセラミック成形体は15dの位置となり、第2載置部1aに到達する。これにより、セラミック円筒体15は第2載置部、対向する載置台側面の斜面2a、5aとの合わせて3ヶ所の線接触で支持されることになる。この構造により、反りや変形を低減することができる。
図1は第1実施例の概略図、図2は焼成台組立図、図3は複数成形体焼成台図、図4は焼成時の成形体を表した模式図である。なお図では一部透視表示した。
本実施例で使用されたセラミック成形体は、固体酸化物燃料電池の空気極原料として一般的に使用されているランタンマンガナイトからなり、全長200mm以上の長尺円筒成形体である。
図1の焼成台は下部に基台1を備え、その基台1の上面にボール11を複数個備える複数の基台溝13を有している。各基台溝13に配置されたボール11はその上部にボール11を挟み込む形で可動戴置台2〜7の下面側の可動載置台溝12との間に位置する。本明細書の実施例では、載置台は全て可動載置台であり、以下は単に載置台と表記する。
本実施例の載置台形状は台形の断面を持つ6面体であり、下面には溝を2本備えている。載置台側面の斜面部分は成形体を載置する面になっている。成形体15は白抜き矢印の方向に載置される。
ここで載置台の配置を詳しく述べると、各載置台ごとに2本の平行な溝の組み合わせを備えている。言い換えると1つの載置台につき、下部に2つの可動促進部を備えている。可動促進部は対向する2本の溝と複数のボールからなる構造をしている。例えば、載置台2で説明をすると、載置台2の下面に2本の平行な載置台溝12と基台溝13の間にボール11を挟むことで可動促進部14を構成している。
次に第1実施例の使用方法を図2、図3を用いて説明する。
図2の基台1に備えた基台溝13にボール11を複数個配置する。そのボールの位置に載置台下部の載置台溝12を合わせて、ボール11を挟み込むように対向する載置台2、5を白抜き矢印の方向に配置する。同様に載置台3、4、6、7も配置する。計6個の載置台を配置する。対向する載置台2、3、4と載置台5、6、7の間にセラミック成形体15を載置して焼成炉で焼成する。この時、対向する載置台2と5、載置台3と6、載置台4と7の間に挟まれた基台上面の部分が第2載置部1aである。図4のようにセラミック成形体載置下面16と第2載置部1aの間には空隙がある状態で、セラミック成形体15が載置される。
図3は基台上に複数のセラミック成形体15を載置する場合の説明図(一部透視表示)である。載置台2、3、4からなる載置台の列と、載置台5、6、7からなる載置台の列との間にセラミック成形体15を載置する。載値の際は、セラミック成形体15が載置台側面の斜面2a、5aと線接触するように載置する。同様に載置台5、6、7からなる載置台の列と載置台8、9、10からなる載置台の列との間にもう1本のセラミック成形体15を載置する。その状態で焼成炉にて焼成される。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮不均一の抑制について説明する。図3のように載置されたセラミック成形体15は焼成が進行するにつれて徐々に収縮する。その収縮に伴ない、載置台2、5、8は図面奥側に、載置台4、7、10は図面手前側に可動する。すなわち内側に向かって中央方向に移動する。焼成開始時は図3の位置に載置台があるが、焼成終了後の載置台2、5、8は図面奥側に、載置台4、7、10は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体15と載置台2から10との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体15は収縮不均一の抑制が図れる。また、ボール11と載置台溝12、基台溝13の組み合わせからなる可動促進部14を設けることで、基台1と載置台2から10が点接触で連結される状態となるので、載置台2から10の可動が容易になる。その結果として載置台が可動することによる焼成収縮不均一の抑制効果を確実なものと出来る。また、可動推進部14を一つの載置台に平行に複数備えることで、載置台の位置精度が確保される。言いかえると可動中も載置台側面の斜面2a、5a、第2載置部1aの相対位置が確保され、成形体の変形を防ぐ。一例として、載置台2の下部に備えられた平行な載置台溝12の2本と基台溝13の2本の間にボール11を複数挟み込んだ状態について説明する。特に本実施例では、溝の本数を2本とすることで載置台を支持する点接触数も増加し、基台1と載置台2との相対位置が変化しにくい構造が形成される。その結果、焼成台としての形状安定性も保持される。したがって、焼成後の変形も低減できる。
次に図4を使用して、焼結状態不均一の抑制について説明する。焼成開始時はセラミック成形体載置下面16と基台1の間には空隙がある。この部分が焼成中に脱離するバインダーの排出経路となると共に、対流伝熱の経路にもなるので、上下左右方向ごとの焼結状態不均一の抑制が図れる。
最後に図4を使用して反りに対する第2載置部の効果について説明する。第2載置部は対向している前記可動戴置台の間にある。焼成が進行するとともに、セラミック成形体は15a、15b、15c、15dの順に移動する。その過程でセラミック成形体と載置台2、5の接触部は載置台側面の斜面2a、5aを下の方向に徐々に移動していく。更に焼成が進行すると、最終的にセラミック成形体は15dの位置となり、第2載置部1aに到達する。これにより、セラミック円筒体15は第2載置部、対向する載置台側面の斜面2a、5aとの合わせて3ヶ所の線接触で支持されることになる。この構造により、反りや変形を低減することができる。
本発明の第2実施例について、図5〜図7を用いて説明する。
第2実施例は、第1実施例の可動促進部を含まない例である。この実施例は焼成台の作製コストや、容易さにおいて優位な特徴を有している。
図5は第2実施例の概略図、図6は焼成台組立図、図7は円筒載置図である。
本実施例に使用したセラミック成形体はアルミナの長尺成形体を使用している。
図6の焼成台は基台レール30、31を有する基台21を下部に備え、その上部に白抜き矢印の方向に載置台22〜27が位置する。本実施例の載置台は図6に示すように円筒パイプを半分に切断したような形状をしている。載置台22、23、24と載置台25、26、27の間にセラミック円筒体34を載置して焼成炉で焼成する。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮不均一の抑制について説明する。実施例1と同様に載置台22〜27が可動することで収縮不均一の抑制が図れる。焼成時の成形体収縮に伴ない、載置台22、25は図面奥側に、載置台24、27は図面手前側に可動する。すなわち内側に向かって中央方向に移動する。焼成開始時は図7の位置に載置台22〜27があるが、載置台22、25は図面奥側に、載置台24、27は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体34と載置台22から27との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体34は収縮不均一の抑制が図れる。
次に焼結状態不均一の抑制について説明する。第1実施例と同様に、焼成開始時は成形体下部と基台の間には空隙がある。この部分が焼成中に脱離するバインダーの排出経路となると共に、対流伝熱の経路にもなるので、上下左右方向ごとの焼結状態不均一の抑制が図れる。
最後に反りに対する第2載置部の効果について説明する。第1実施例と同様に焼成が進行すると円筒径方向の収縮も進行するので、載置台側面の側面を下の方向に徐々に移動していく。更に焼成が進行すると、ついには円筒下部が第2載置部に到達する。これにより、対向する載置台側面の2つと合わせて3ヶ所の線接触でセラミック成形体を支持することになるので、反りや変形を低減することができる。
第2実施例は、第1実施例の可動促進部を含まない例である。この実施例は焼成台の作製コストや、容易さにおいて優位な特徴を有している。
図5は第2実施例の概略図、図6は焼成台組立図、図7は円筒載置図である。
本実施例に使用したセラミック成形体はアルミナの長尺成形体を使用している。
図6の焼成台は基台レール30、31を有する基台21を下部に備え、その上部に白抜き矢印の方向に載置台22〜27が位置する。本実施例の載置台は図6に示すように円筒パイプを半分に切断したような形状をしている。載置台22、23、24と載置台25、26、27の間にセラミック円筒体34を載置して焼成炉で焼成する。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮不均一の抑制について説明する。実施例1と同様に載置台22〜27が可動することで収縮不均一の抑制が図れる。焼成時の成形体収縮に伴ない、載置台22、25は図面奥側に、載置台24、27は図面手前側に可動する。すなわち内側に向かって中央方向に移動する。焼成開始時は図7の位置に載置台22〜27があるが、載置台22、25は図面奥側に、載置台24、27は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体34と載置台22から27との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体34は収縮不均一の抑制が図れる。
次に焼結状態不均一の抑制について説明する。第1実施例と同様に、焼成開始時は成形体下部と基台の間には空隙がある。この部分が焼成中に脱離するバインダーの排出経路となると共に、対流伝熱の経路にもなるので、上下左右方向ごとの焼結状態不均一の抑制が図れる。
最後に反りに対する第2載置部の効果について説明する。第1実施例と同様に焼成が進行すると円筒径方向の収縮も進行するので、載置台側面の側面を下の方向に徐々に移動していく。更に焼成が進行すると、ついには円筒下部が第2載置部に到達する。これにより、対向する載置台側面の2つと合わせて3ヶ所の線接触でセラミック成形体を支持することになるので、反りや変形を低減することができる。
本発明の第3実施例について、図8および図9を用いて説明する。
第3実施例は、第2実施例の第2載置部を含まない例である。図8は第3実施例の概略図、図9は円筒載置図である。本実施例に使用したセラミック成形体は第一実施例と同様のランタンマンガナイトからなる長尺円筒成形体である。
図8の焼成台は下部に溝を複数有した基台41、42を備え、その基台溝に円柱53、54を載置する。その円柱53、54外周に円筒パイプ形状の載置台43〜52を、間隔を空けて配置する。1本の円柱に5本ずつの載置台を差し込む形で配置する。載置台43〜47と載置台48〜52の間にセラミック円筒体55を載置して焼成炉で焼成する。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮均一化について説明する。実施例1と同様に載置台が可動することで収縮の均一化が図れる。焼成時の成形体収縮に伴ない、載置台43、44、48、49は図面奥側に、載置台46、47、51、52は図面手前側に可動する。焼成開始時は図9の位置に載置台があるが、載置台43、44、48、49は図面奥側に、載置台46、47、51、52は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体55と載置台43から52との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体55は均一に収縮可能となる。
第3実施例は、第2実施例の第2載置部を含まない例である。図8は第3実施例の概略図、図9は円筒載置図である。本実施例に使用したセラミック成形体は第一実施例と同様のランタンマンガナイトからなる長尺円筒成形体である。
図8の焼成台は下部に溝を複数有した基台41、42を備え、その基台溝に円柱53、54を載置する。その円柱53、54外周に円筒パイプ形状の載置台43〜52を、間隔を空けて配置する。1本の円柱に5本ずつの載置台を差し込む形で配置する。載置台43〜47と載置台48〜52の間にセラミック円筒体55を載置して焼成炉で焼成する。
本実施例の効果について説明する。
初めに、収縮均一化について説明する。実施例1と同様に載置台が可動することで収縮の均一化が図れる。焼成時の成形体収縮に伴ない、載置台43、44、48、49は図面奥側に、載置台46、47、51、52は図面手前側に可動する。焼成開始時は図9の位置に載置台があるが、載置台43、44、48、49は図面奥側に、載置台46、47、51、52は図面手前側に移動している。このように収縮と共に載置台が可動するので、セラミック成形体55と載置台43から52との摩擦抵抗が大幅に削減でき、セラミック成形体55は均一に収縮可能となる。
本発明におけるセラミック成形体は、全長200mm以上を有するものが好ましい。また、形状については、前記の実施例で円筒形状を用いて説明したが、この限りではない。例えば、楕円円筒、フラットチューブ、直方体などであっても良く、さらに、ムク状のものであっても良い。特に全長200mm以上を有する長尺の成形体であれば円筒形状と同様な効果を得ることができるので好ましい。
本発明の焼成台を用いて得られたセラミック焼成体は、収縮の均一性、直進性、焼結状態の均一性などの特徴を有している。この観点から固体酸化物形燃料電池の空気極支持体、燃料極支持体、ローラーハースキルン用のローラー、アルコール分離用セラミックフィルター用の支持体などに好適である。
ここで固体酸化物形燃料電池について説明する。固体酸化物燃料電池はセラミックから構成される燃料電池の種類である。その空気極材料には一般的にランタンマンガナイトやランタンコバルタイト等が使用される。空気極は酸素との反応場となるために気体の透過性が要求されるので、多孔体である必要がある。しかも均一な酸素の拡散を図るためには均一な気孔率が理想とされる。
(実施例)
原料に、(La0.8Sr0.2)MnO3組成からなるランタンマンガナイトを用い、熱処理・造粒・粉砕後、分級して平均粒径30μmにしたものを用いた。前記原料粉末100重量部に対して、セルロース系のバインダー10重量部と適量の水を加え、はい土とした。前記はい土を用いて、押し出し成形法で片端を封止した成形体を作製した。前記成形体を第3実施例の焼成台を用いて1460℃、10hrキープの条件で焼成した。
原料に、(La0.8Sr0.2)MnO3組成からなるランタンマンガナイトを用い、熱処理・造粒・粉砕後、分級して平均粒径30μmにしたものを用いた。前記原料粉末100重量部に対して、セルロース系のバインダー10重量部と適量の水を加え、はい土とした。前記はい土を用いて、押し出し成形法で片端を封止した成形体を作製した。前記成形体を第3実施例の焼成台を用いて1460℃、10hrキープの条件で焼成した。
(比較例)
焼成台として図10に示すような、可動部の無いR溝焼成台を使用した。焼成台以外の因子である円筒成形体の製造条件、形状、焼成条件などは実施例と全く同条件した。
焼成台として図10に示すような、可動部の無いR溝焼成台を使用した。焼成台以外の因子である円筒成形体の製造条件、形状、焼成条件などは実施例と全く同条件した。
焼成後の評価は、図11に示すように焼成前に長さ50mmごとに印をつけておき、焼成後に前記印間の長さを測定して行った。図のP側が封止部であり、反対側のA側が開放部である。なお、測定部位の上下左右は開放側から見ての上下左右である。焼成後の評価項目は、焼成収縮率と、焼成後の開口気孔率とした。
焼成収縮率は(焼成前50mm−焼成後長さmm)/50mm×100で計算され、単位は%である。実施例と比較例の焼成収縮率の一覧表を表1に示す。表1によると、比較例の各部位ごとの収縮率の最大値と最小値の差は 11.1%(Pの上部とHの下部)に対して、第3実施例の各部位ごとの収縮率の最大値と最小値の差は6.1%(Pの上部とHの上部)になっており、収縮不均一の抑制が図れている。
開口気孔率は見かけ密度とも呼ばれる数値で、オープンポアのみを考慮した気孔率である。測定はアルキメデス法によって実施された。実施例と比較例の開口気孔率の一覧表を表2に示す。表2によると、比較例の各部位ごとの開口気孔率の最大値と最小値の差は5.1%(Hの下部とOの上部)に対して、第3実施例の各部位ごとの開口気孔率の最大値と最小値の差は2.4%(Hの下部とOの上部)と開口気孔率に見られる焼結状態不均一が抑制されている。
焼成収縮率は(焼成前50mm−焼成後長さmm)/50mm×100で計算され、単位は%である。実施例と比較例の焼成収縮率の一覧表を表1に示す。表1によると、比較例の各部位ごとの収縮率の最大値と最小値の差は 11.1%(Pの上部とHの下部)に対して、第3実施例の各部位ごとの収縮率の最大値と最小値の差は6.1%(Pの上部とHの上部)になっており、収縮不均一の抑制が図れている。
開口気孔率は見かけ密度とも呼ばれる数値で、オープンポアのみを考慮した気孔率である。測定はアルキメデス法によって実施された。実施例と比較例の開口気孔率の一覧表を表2に示す。表2によると、比較例の各部位ごとの開口気孔率の最大値と最小値の差は5.1%(Hの下部とOの上部)に対して、第3実施例の各部位ごとの開口気孔率の最大値と最小値の差は2.4%(Hの下部とOの上部)と開口気孔率に見られる焼結状態不均一が抑制されている。
1:基台
1a:第2載置部
2:載置台
2a:載置台側面の斜面
3:載置台
4:載置台
5:載置台
5a:載置台側面の斜面
6:載置台
7:載置台
8:載置台
9:載置台
10:載置台
11:ボール
12:載置台溝
13:基台溝
14:可動促進部
15:セラミック成形体
15a:セラミック成形体焼成過程の変化1
15b:セラミック成形体焼成過程の変化2
15c:セラミック成形体焼成過程の変化3
15d:セラミック成形体焼成過程の変化4
16:セラミック成形体載置下面
21:基台
22:載置台
23:載置台
24:載置台
25:載置台
26:載置台
27:載置台
30:基台レール
31:基台レール
34:セラミック成形体
41:基台
42:基台
43:載置台
44:載置台
45:載置台
46:載置台
47:載置台
48:載置台
49:載置台
50:載置台
51:載置台
52:載置台
53:円柱
54:円柱
55:セラミック成形体
71:R溝焼成台
72:セラミック成形体
1a:第2載置部
2:載置台
2a:載置台側面の斜面
3:載置台
4:載置台
5:載置台
5a:載置台側面の斜面
6:載置台
7:載置台
8:載置台
9:載置台
10:載置台
11:ボール
12:載置台溝
13:基台溝
14:可動促進部
15:セラミック成形体
15a:セラミック成形体焼成過程の変化1
15b:セラミック成形体焼成過程の変化2
15c:セラミック成形体焼成過程の変化3
15d:セラミック成形体焼成過程の変化4
16:セラミック成形体載置下面
21:基台
22:載置台
23:載置台
24:載置台
25:載置台
26:載置台
27:載置台
30:基台レール
31:基台レール
34:セラミック成形体
41:基台
42:基台
43:載置台
44:載置台
45:載置台
46:載置台
47:載置台
48:載置台
49:載置台
50:載置台
51:載置台
52:載置台
53:円柱
54:円柱
55:セラミック成形体
71:R溝焼成台
72:セラミック成形体
Claims (5)
- セラミック成形体の焼成台であって、前記セラミック成形体が載置される載置台が可動する可動載置台を備えることを特徴とするセラミック成形体の焼成台。
- 前記可動載置台が可動促進部を備えることを特徴とする請求項1記載の焼成台。
- 前記可動促進部を1つの前記載置台に複数備えることを特徴とする請求項2に記載の焼成台。
- 前記可動載置台が対向して形成され、対向している前記可動載置台の間に第2載置部を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の焼成台。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の焼成台にセラミック成形体を載せ、焼成炉で焼成するセラミック成形体の焼成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005011395A JP2006199521A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 焼成台およびそれを用いた焼成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005011395A JP2006199521A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 焼成台およびそれを用いた焼成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006199521A true JP2006199521A (ja) | 2006-08-03 |
Family
ID=36957855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005011395A Pending JP2006199521A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 焼成台およびそれを用いた焼成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006199521A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008184337A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-14 | Tosoh Corp | セラミックス焼結体の製造方法 |
JP2009082881A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-23 | Nok Corp | ガラス封止多孔質セラミックス中空糸の製造法 |
JP2015048514A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-03-16 | 株式会社Ihi | 焼結体の製造方法およびそれに用い得る治具 |
-
2005
- 2005-01-19 JP JP2005011395A patent/JP2006199521A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008184337A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-14 | Tosoh Corp | セラミックス焼結体の製造方法 |
JP2009082881A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-23 | Nok Corp | ガラス封止多孔質セラミックス中空糸の製造法 |
JP2015048514A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-03-16 | 株式会社Ihi | 焼結体の製造方法およびそれに用い得る治具 |
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