JP2006198975A - 反射板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶表示装置などの光源であるバックライトユニットに用いる、放熱性に優れた反射板を提供する。
【解決手段】 金属基板に熱放射性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の片面に、波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色のエチレン・プロピレン共重合体からなる有機樹脂フィルムを積層して反射板とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 金属基板に熱放射性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の片面に、波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色のエチレン・プロピレン共重合体からなる有機樹脂フィルムを積層して反射板とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は液晶表示装置などの光源に用いる反射板に関し、特に放熱性に優れた反射板に関する。
カラーテレビやパーソナルコンピュータなどに用いられる液晶表示装置のバックライトによる照明方式としては、光源からの光を透明樹脂などの導光板を介して液晶表示用のパネルに照射するサイドライト方式、および光源からの光を液晶表示用のパネルに直接照射する直下型方式が用いられており、ノート型パソコンなどの汎用の比較的小画面の液晶画面においては高輝度が必要とされるために直下型方式が用いられている。
サイドライト方式を用いたバックライトユニットの例の概略断面を図1に示す。バックライトユニット1において、透明な導光板5の片側に配設された光源2から照射された光線は導光板5に直接入射し、また反射板3で反射して導光板5に入射する。これらの入射光は導光板5の下側に配設された反射板4で反射し、再度導光板5を通過して導光板5の上側に配設された光拡散体6で拡散し、光拡散体6の上側に配設された液晶表示体7を均一に照射する。
直下型方式を用いたバックライトユニットの例の概略断面を図2に示す。バックライトユニット1において、反射板4と光拡散体6の間に配設された光源2から照射された光線は、直接、または反射板4で反射して光拡散体6で拡散し、光拡散体6の上側に配設された液晶表示体7を均一に照射する。
このように構成されるバックライトユニットに用いる反射板の例として、特許文献1に、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂に炭酸カルシウムや酸化チタンなどの無機系充填材を含有させた樹脂組成物を溶融押出等により未延伸シートを形成し、次いで得られた未延伸シートを一軸または二軸延伸してなる多孔性バックライトユニット用光反射板が提案されている。この公報によれば、無機系充填材を含有させた未延伸シートを一軸または二軸延伸して、無機系充填材の粒子の間に開口部を形成させて多孔性シートとすることにより、550nmの光の波長における95%以上の光線反射率が得られる、としている。そして、この多孔性シートを図1に示すサイドライト方式を用いたバックライトユニットにおいて導光板と一体成形して光反射シートとして用いるものである。
また、特許文献2には直下型方式を用いたバックライトユニットに用いる反射板が提案されている。この公報の反射板は、微細な気泡を有する白色ポリエステル層の両面に無機系微粒子を含有する白色ポリエステル層が積層されてなる3層の延伸フィルムをアルミや銅などの金属板に積層したもので、図2に示すように、延伸フィルム被覆金属板からなる平板を、両側の2カ所でプレス加工して略コの字状に折り曲げて反射板としている。
これらのサイドライト方式または直下型方式を用いたバックライトユニットにおいては、光源の熱により液晶表示装置の内部温度が上昇して、機器の誤作動を生じるおそれがあり、特に片側に熱伝導性の小さい樹脂を被覆した反射板においては熱が蓄積しやすく、内部温度の上昇を抑制するため、反射面の裏面の熱放射を向上させることが求められている。
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
特開平07−230004号公報
特開平10−177805号公報
本発明は、液晶表示装置などの光源であるバックライトユニットに用いる、放熱性に優れた反射板を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の反射板は、金属基板の少なくとも片面に熱放射性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の、少なくとも熱放射性を向上させる層を形成しない片面に、波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色の有機樹脂フィルムを積層してなる反射板(請求項1)であり、
上記(請求項1)の反射板において、白色の有機樹脂フィルムの破断伸びが150〜1500%であること(請求項2)、
上記(請求項1又は2)の金属基板がめっき鋼板、めっきステンレス鋼板、またはめっきAl板であること(請求項3)を特徴とし、また
上記(請求項1〜3のいずれか)の反射板において、熱放射性を向上させる層が水性の有機樹脂に着色顔料を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層であること(請求項4)、または
熱放射性を向上させる層が、水性の有機樹脂に金属粉末を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層であること(請求項5)を特徴とし、また
上記(請求項1〜5のいずれか)の反射板において、表面処理金属板の熱放射率が0.1〜0.9であること(請求項5)を特徴とし、また
上記(請求項1〜6のいずれか)の反射板において、メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満であること(請求項7)を特徴とし、また
上記(請求項1〜7のいずれか)の反射板において、有機樹脂フィルムがエチレン・プロピレン共重合体からなるフィルムであること(請求項8)を特徴とする。
上記(請求項1)の反射板において、白色の有機樹脂フィルムの破断伸びが150〜1500%であること(請求項2)、
上記(請求項1又は2)の金属基板がめっき鋼板、めっきステンレス鋼板、またはめっきAl板であること(請求項3)を特徴とし、また
上記(請求項1〜3のいずれか)の反射板において、熱放射性を向上させる層が水性の有機樹脂に着色顔料を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層であること(請求項4)、または
熱放射性を向上させる層が、水性の有機樹脂に金属粉末を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層であること(請求項5)を特徴とし、また
上記(請求項1〜5のいずれか)の反射板において、表面処理金属板の熱放射率が0.1〜0.9であること(請求項5)を特徴とし、また
上記(請求項1〜6のいずれか)の反射板において、メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満であること(請求項7)を特徴とし、また
上記(請求項1〜7のいずれか)の反射板において、有機樹脂フィルムがエチレン・プロピレン共重合体からなるフィルムであること(請求項8)を特徴とする。
本発明の反射板は、金属基板に熱放射性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の片面に波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色の有機樹脂フィルムを積層したものであり、液晶表示装置の光源であるバックライトユニットの反射板として用いた場合、放熱性に優れているので、光源の熱により液晶表示装置の内部温度が上昇しにくく、そのため温度上昇による機器の誤作動を生じるおそれがなくなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射板において、白色の有機樹脂フィルムを積層する表面処理金属板の基板となる金属板としては、Znめっき鋼板、Snめっき鋼板、Zn−Sn合金めっき鋼板、Zn−Coめっき鋼板、Niめっき鋼板、Cuめっき鋼板、ハンダめっき鋼板などの耐食性を有し、かつ他の部材やリード線などとハンダを介して接続することができるようにハンダ付けが可能なめっき鋼板やめっきステンレス鋼板、もしくは純Al板およびJIS規格の1000系、2000系、3000系、5000系、6000系、7000系のいずれかのAl合金板、これらのAl板にZnを置換めっきし、その上に単層のNiめっき、またはNiめっきとその上にZn、Sn、Cuのいずれかのめっきを施した2層めっきを形成させたハンダ付けが可能なめっきAl板のいずれかを用いることが好ましい。上記のZn−Sn合金めっき鋼板は、Zn−Sn合金めっき浴を用いてZn−Sn合金めっき層を形成させてもよいし、Znめっきを施した後Snめっきを施し、次いで加熱してZn−Sn合金層を形成させてもよい。また上記のめっきAl板は、それぞれのめっき層を形成させた後、加熱してAl板とめっき層、および各めっき層同士で金属元素を拡散させて、密着力を向上させてもよい。
本発明の反射板において、白色の有機樹脂フィルムを積層する表面処理金属板の基板となる金属板としては、Znめっき鋼板、Snめっき鋼板、Zn−Sn合金めっき鋼板、Zn−Coめっき鋼板、Niめっき鋼板、Cuめっき鋼板、ハンダめっき鋼板などの耐食性を有し、かつ他の部材やリード線などとハンダを介して接続することができるようにハンダ付けが可能なめっき鋼板やめっきステンレス鋼板、もしくは純Al板およびJIS規格の1000系、2000系、3000系、5000系、6000系、7000系のいずれかのAl合金板、これらのAl板にZnを置換めっきし、その上に単層のNiめっき、またはNiめっきとその上にZn、Sn、Cuのいずれかのめっきを施した2層めっきを形成させたハンダ付けが可能なめっきAl板のいずれかを用いることが好ましい。上記のZn−Sn合金めっき鋼板は、Zn−Sn合金めっき浴を用いてZn−Sn合金めっき層を形成させてもよいし、Znめっきを施した後Snめっきを施し、次いで加熱してZn−Sn合金層を形成させてもよい。また上記のめっきAl板は、それぞれのめっき層を形成させた後、加熱してAl板とめっき層、および各めっき層同士で金属元素を拡散させて、密着力を向上させてもよい。
これらの金属板の少なくとも片面に熱放射性を向上させる層を形成させる。熱放射性を向上させる層は、水性の有機樹脂に着色顔料または金属粉末を分散させてなる樹脂液を、金属板に塗布し乾燥することにより形成させる。水性の有機樹脂としては水溶性のアクリル樹脂や水溶性のウレタン樹脂などを用いることができる。着色顔料としては有機系顔料、無機系顔料のいずれでもよく、カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化チタンなどの白色顔料、クロムイエローなどの有彩色顔料を単独で、または混合してこれらの樹脂液に含有させる。金属粉末としては、球状または鱗片状のAl粉、Cu粉、Ag粉などを用いることができる。またこれらの有機樹脂粉末以外に、ハンダ性を向上させるためのロジン、樹脂皮膜の強度を向上させるためのシリカ、滑り性を向上させるフッ素化合物、金属板が鋼板である場合に耐錆性を向上させるための防錆剤などを、必要に応じて含有させてもよい。このようにして水性の有機樹脂液に着色顔料または金属粉末を含有させ、またはさらに上記の種々の特性を向上させる添加物を含有させた樹脂液を金属板の少なくとも片面に塗布し乾燥させて、熱放射性を向上させる層とする。
このようにして金属板上に形成させる熱放射性を向上させる皮膜(層)の熱放射率は0.1〜0.9であることが好ましい。皮膜中の着色顔料や金属粉末、および種々の特性を向上させる添加物の量や水溶性樹脂の固形分濃度を調整して、この適正な熱放射率とすることができる。また、この熱放射性を向上させる皮膜(層)を形成させることにより、ハンダ濡れ性も向上する。ハンダ濡れ性はメニスコグラフ法を用いた場合10秒未満であることが好ましく、5秒未満であることがより好ましい。金属板の片面には光源からの光を反射させるための白色の有機樹脂フィルムを積層するので、フィルムを積層する片面には熱放射性を向上させる層を設けなくてもよい。
上記のようにして得られる熱放射性を向上させる層を設けた金属板の片面に積層する白色の有機樹脂フィルムとしては、曲率半径の小さな折り曲げ加工を施してもフィルムが金属板から剥離したり破断することがなく、光線の均一な反射が得られる、有機樹脂に白色顔料を含有させた破断伸びが大きく加工性に優れた未延伸フィルムを適用する。そのため、本発明の反射板に用いる有機樹脂フィルムとしては、未延伸のポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムが好ましく、特に低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ノルボルネンなどのポリオレフィンからなる未延伸フィルムが好適に用いることができる。中でもエチレン−プロピレン共重合体の未延伸フィルムは破断伸びが大きく、加工性に優れており、好ましい。
有機樹脂フィルムに含有させる白色顔料としては、炭酸カルシウム、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、ボロンナイトライドなどの無機顔料や白色の有機顔料などを用いることができる。またシリカバルーンやガラスマイクロバルーンなどの微小中空体も白色顔料として用いることができる。さらに、蛍光増白剤を併用することも可能である。白色顔料を含有させたフィルムに光線を照射すると、反射光はフィルム中の白色顔料の粒子界面で反射して干渉するが、白色顔料の粒子径が光線の波長の2分の1であると干渉効果が強められ、反射光が強くなる。そのため、白色顔料の粒子径は、下記に示す波長の光線に対して干渉して反射光が強まる0.2〜0.5μm程度であることが好ましい。これらの白色顔料は樹脂中に20〜80重量%含有させることが好ましい。このように白色顔料を含有させてなる白色樹脂フィルムは、440〜700nmの波長の光線、代表的には550nmの波長の光線の反射率が85%以上であることが好ましい。550nmの波長の光線の反射率が85%未満の白色フィルムを用いると、十分な明るさを有する液晶表示装置が得られない。
このようにして、破断伸びが大きく、加工性に優れた樹脂に白色顔料を含有させてなる白色の樹脂フィルムは、150〜1500%の破断伸びを有していることが好ましい。破断伸びが150%未満であると加工性に乏しく、樹脂フィルム被覆金属板を小さい曲率半径で折り曲げ加工した際にフィルムに亀裂が生じる。破断伸びが1500を超えるとフィルムが軟化して取り扱いの際にフィルム表面に疵が付きやすくなる。
このようにして得られる白色の有機樹脂フィルムを、上記の熱放射性を向上させる層を設けた金属板の片面に、接着剤を介して積層接着して本発明の反射板とする。接着剤としては有機樹脂フィルムと上記の金属板が接着可能な如何なる接着剤も用いることができるが、有機樹脂フィルムとしてポリオレフィンフィルムを用いた場合は、ポリオレフィン樹脂にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸やそれらの無水物を2%以下グラフト重合してなる、いわゆる酸変性ポリオレフィ樹脂系の接着剤を用いることが好ましい。
以上のようにして得られる本発明の反射板は、図1に示すようなサイドライト方式を用いたバックライトユニットや、図2に示すような反射板と光拡散体の間にやや大型の光源を1個配設し、1個の光源から照射された光線を直接、または反射体で反射させて光拡散体で拡散させ、光拡散体の上側に配設された液晶表示体を均一に照射するように構成される直下型方式を用いたバックライトユニットに好適に適用することができるが、図3に示すような、複数個の小型の光源のそれぞれを囲うように反射板を略コの字状に折り曲げてなる小さな反射スペースを複数個並設して構成される直下型方式のバックライトユニットに特に好適に適用することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
<めっき鋼板の作製>
焼鈍および調質圧延を施した冷延鋼板(板厚0.2mm)をめっき基板として、アルカリ脱脂、硫酸酸洗による清浄化処理を行った後、表1に示す金属または合金を、表1に示すめっき法を用いて表1に示すめっき量でめっきし、めっき番号1〜11で示すめっき鋼板を作製した。
<めっき鋼板の作製>
焼鈍および調質圧延を施した冷延鋼板(板厚0.2mm)をめっき基板として、アルカリ脱脂、硫酸酸洗による清浄化処理を行った後、表1に示す金属または合金を、表1に示すめっき法を用いて表1に示すめっき量でめっきし、めっき番号1〜11で示すめっき鋼板を作製した。
<めっきステンレス鋼板の作製>
ステンレス鋼板(JIS 304、板厚0.2mm)をめっき基板として、アルカリ脱脂、硫酸酸洗による清浄化処理を行った後、ウッド浴を用いてストライクNiめっきを施した後、ワット浴を用いてNiめっきを施した。さらに一部は引き続いてフェロスタン浴を用いてSnめっきを施した。このようにして表2にめっき番号12〜16で示すめっきステンレス鋼板を作製した。
ステンレス鋼板(JIS 304、板厚0.2mm)をめっき基板として、アルカリ脱脂、硫酸酸洗による清浄化処理を行った後、ウッド浴を用いてストライクNiめっきを施した後、ワット浴を用いてNiめっきを施した。さらに一部は引き続いてフェロスタン浴を用いてSnめっきを施した。このようにして表2にめっき番号12〜16で示すめっきステンレス鋼板を作製した。
<めっきAl板の作製>
Al合金板(JIS 5052 H19、板厚0.5mm)をめっき基板として、アルカリ液中で脱脂し、次いで硫酸中に浸漬するエッチング処理を施し、引き続いて硝酸中で脱スマット処理を施した後、水酸化ナトリウム:150g/L、ロッシェル塩:50g/L、酸化亜鉛:25g/L、塩化第一鉄:1.5g/Lを含む処理液中に浸漬する第一Zn置換めっき処理を行い、次いで400g/Lの硝酸水溶液中に浸漬して置換析出したZnを除去した後、第一Zn置換めっき処理で用いたのと同一の処理液中に浸漬して第二Zn置換めっき処理を行った。この第二Zn置換めっき処理において、浸漬時間を種々変化させて、表3に示す皮膜量のZn層を形成したZnめっきAl板を得た。次いで、ZnめっきAl板に無電解めっき法を用いて、Zn層上にNi−12重量%P合金めっき皮膜を、表3に示す皮膜量で形成した。一部は引き続いてZn層とNi層を形成したAl板に電気めっき法を用いてNi層上にSn、Cu、Znのいずれかのめっき層を、表3に示す皮膜量で形成して表3にめっき番号17〜24で示すめっきAl板を作製した。
Al合金板(JIS 5052 H19、板厚0.5mm)をめっき基板として、アルカリ液中で脱脂し、次いで硫酸中に浸漬するエッチング処理を施し、引き続いて硝酸中で脱スマット処理を施した後、水酸化ナトリウム:150g/L、ロッシェル塩:50g/L、酸化亜鉛:25g/L、塩化第一鉄:1.5g/Lを含む処理液中に浸漬する第一Zn置換めっき処理を行い、次いで400g/Lの硝酸水溶液中に浸漬して置換析出したZnを除去した後、第一Zn置換めっき処理で用いたのと同一の処理液中に浸漬して第二Zn置換めっき処理を行った。この第二Zn置換めっき処理において、浸漬時間を種々変化させて、表3に示す皮膜量のZn層を形成したZnめっきAl板を得た。次いで、ZnめっきAl板に無電解めっき法を用いて、Zn層上にNi−12重量%P合金めっき皮膜を、表3に示す皮膜量で形成した。一部は引き続いてZn層とNi層を形成したAl板に電気めっき法を用いてNi層上にSn、Cu、Znのいずれかのめっき層を、表3に示す皮膜量で形成して表3にめっき番号17〜24で示すめっきAl板を作製した。
<熱放射性を向上させる皮膜の形成>
以上のようにして作製した表1、表2、表3に示しためっき番号1〜24のめっき鋼板、めっきステンレス鋼板、めっきAl板の片面に、ロールコート法を用いて表4に示す組成の処理液を用いて、表5に示す皮膜厚さで熱放射性を向上させる皮膜(層)を形成した。このようにして金属基板の片面に熱放射性を向上させる層を形成してなる表5に示す試料番号1〜24で示す表面処理金属板を作製した。
以上のようにして作製した表1、表2、表3に示しためっき番号1〜24のめっき鋼板、めっきステンレス鋼板、めっきAl板の片面に、ロールコート法を用いて表4に示す組成の処理液を用いて、表5に示す皮膜厚さで熱放射性を向上させる皮膜(層)を形成した。このようにして金属基板の片面に熱放射性を向上させる層を形成してなる表5に示す試料番号1〜24で示す表面処理金属板を作製した。
<表面処理金属板の特性評価>
上記のようにして得られた試料番号1〜24の表面処理金属板について、下記の特性を評価した。
(熱放射率)
上記の各表面処理金属板から幅5mm、長さ10mmの試験片を切り出し、放射率計(D and S AERD放射率計、京都電子工業製)を用いて熱放射率を測定し、下記に示す基準で評価した。
◎:熱放射率0.2以上
○:熱放射率0.1〜0.2未満
×:熱放射率0.1未満
上記のようにして得られた試料番号1〜24の表面処理金属板について、下記の特性を評価した。
(熱放射率)
上記の各表面処理金属板から幅5mm、長さ10mmの試験片を切り出し、放射率計(D and S AERD放射率計、京都電子工業製)を用いて熱放射率を測定し、下記に示す基準で評価した。
◎:熱放射率0.2以上
○:熱放射率0.1〜0.2未満
×:熱放射率0.1未満
(ハンダ濡れ性)
メニスコグラフ法(MIL−STD−883B)により、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を使用し、上記の各表面処理金属板から切り出した幅7mmの試片をフラックス(NA−200、タムラ化研製)に浸漬し、その後250℃に保持したハンダ浴(JIS Z 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布した試片を、浸漬速度2mm/秒で2mm浸漬し、ハンダが濡れるまでの時間(ゼロクロスタイム)を測定し、下記に示す基準でハンダ濡れ性を評価した。短時間であるほどハンダ濡れ性が良好であることを示す。
◎:5秒未満
○:5〜10秒未満
×:10秒以上
熱放射率およびハンダ濡れ性の評価結果を表5に示す。
メニスコグラフ法(MIL−STD−883B)により、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を使用し、上記の各表面処理金属板から切り出した幅7mmの試片をフラックス(NA−200、タムラ化研製)に浸漬し、その後250℃に保持したハンダ浴(JIS Z 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布した試片を、浸漬速度2mm/秒で2mm浸漬し、ハンダが濡れるまでの時間(ゼロクロスタイム)を測定し、下記に示す基準でハンダ濡れ性を評価した。短時間であるほどハンダ濡れ性が良好であることを示す。
◎:5秒未満
○:5〜10秒未満
×:10秒以上
熱放射率およびハンダ濡れ性の評価結果を表5に示す。
次いで、試料番号1〜24の表面処理金属板の熱放射性を向上させる皮膜を形成しない面に、下記のようにして作製した白色の有機樹脂フィルムを積層して反射板とした。
<白色有機樹脂フィルムの作製>
エチレン・プロピレン共重合体(エチレン40モル%)のペレットと、このエチレン・プロピレン共重合体に平均粒径0.4μmの酸化チタンを150重量%含有させてなるマスターバッチの白色ペレットを混合し、押出機を用いて230℃で加熱溶融させて、Tダイから押出し、表6に示す酸化チタン量および厚さを有するフィルム番号I〜VIIで示す未延伸フィルムとして製膜し、反射板積層用のフィルムとした。
<白色有機樹脂フィルムの作製>
エチレン・プロピレン共重合体(エチレン40モル%)のペレットと、このエチレン・プロピレン共重合体に平均粒径0.4μmの酸化チタンを150重量%含有させてなるマスターバッチの白色ペレットを混合し、押出機を用いて230℃で加熱溶融させて、Tダイから押出し、表6に示す酸化チタン量および厚さを有するフィルム番号I〜VIIで示す未延伸フィルムとして製膜し、反射板積層用のフィルムとした。
これらのフィルム番号I〜VIIの未延伸フィルムの550nmの波長の光線の反射率を、分光光度計(商品名:U−3400、(株)日立製作所製)を用いて作製した。また、破断伸びをテンシロンを用いて測定した。また、比較用に、微細な気泡を有する白色ポリエステル層の両面に無機系微粒子を含有する白色ポリエステル層が積層されてなる、厚さ188μmの市販の二軸延伸白色積層ポリエステルフィルム(商品名:E−60V、東レ(株)製)の破断伸びもテンシロンを用いて測定した(表6中、フィルム番号VIII)。
これらのフィルム番号I〜VIIIのフィルムを、試料番号1〜24で示す表面処理金属板に酸変性ポリオレフィン樹脂系の接着剤(商品名:SC−481、ソニーケミカル(株)製)を用いて積層接着して反射板用の加工供試材とした。比較用のポリエステルフィルム(フィルム番号VIII)はポリエステル樹脂系の接着剤(商品名:オリバイン−GX、東洋インキ(株)製)を用いて積層接着して反射板用の加工供試材とした。これらの加工供試材のフィルム面に、カッターナイフを用いて5mmの間隔で井桁状に金属基板に達する深さの疵を入れた後、2mmの張出量でエリクセン張出加工を施し、張出加工後のフィルムの剥離状況を肉眼観察し、下記の基準で加工密着性を評価した。
○:剥離は認められない。
×:剥離が認められる。
○:剥離は認められない。
×:剥離が認められる。
また、加工供試材に0T折曲げを施し、加工後の折曲げ加工部のフィルムのクラックの発生状況を肉眼観察し、下記の基準で折曲げ加工性を評価した。
○:クラックの発生は認められない。
×:クラックの発生が認められる。
これらの結果を表7に示す。
○:クラックの発生は認められない。
×:クラックの発生が認められる。
これらの結果を表7に示す。
表7に示すように、本発明の反射板においては、白色の未延伸のエチレン・プロピレン共重合体からなるフィルムの破断伸びが大きく、金属板に積層接着して厳しい折曲げ加工を施してもフィルムが剥離したり、フィルムにクラックが発生することがない。また、550nmの波長の光線の反射率が大きく、長時間光線を照射しても反射率が殆ど低下しない。
本発明の反射板は、金属基板に熱放射性を向上させ、かつハンダ性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の片面に波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色の未延伸のエチレン・プロピレン共重合体からなるフィルムを積層接着したものであり、液晶表示装置の光源であるバックライトユニットの反射板として用いた場合、放熱性に優れているので、光源の熱により液晶表示装置の内部温度が上昇しにくく、そのため温度上昇による機器の誤作動を生じるおそれがない。また、厳しい折曲げ加工を施してもフィルムが剥離したり、フィルムにクラックが発生することがなく、550nmの波長の光線の反射率が大きく、長時間光線を照射しても反射率が殆ど低下することがない。そのため、液晶表示装置などの光源であるバックライトユニットに好適に適用できる。
1 バックライトユニット
2 光源
3 反射板
4 反射板
5 導光板
6 光拡散体
7 液晶表示体
2 光源
3 反射板
4 反射板
5 導光板
6 光拡散体
7 液晶表示体
Claims (8)
- 金属基板の少なくとも片面に熱放射性を向上させる層を形成してなる表面処理金属板の、少なくとも熱放射性を向上させる層を形成しない片面に、波長550nmの光線の平均反射率が85%である白色の有機樹脂フィルムを積層してなる反射板。
- 白色の有機樹脂フィルムの破断伸びが150〜1500%である請求項1記載の反射板。
- 金属基板がめっき鋼板、めっきステンレス鋼板、またはめっきAl板である、請求項1又は2に記載の反射板。
- 熱放射性を向上させる層が、水性の有機樹脂に着色顔料を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層である、請求項1〜3のいずれかに記載の反射板。
- 熱放射性を向上させる層が、水性の有機樹脂に金属粉末を含有してなる樹脂液を塗布乾燥してなる層である、請求項1〜3のいずれかに記載の反射板。
- 表面処理金属板の熱放射率が0.1〜0.9である、請求項1〜5のいずれかに記載の反射板。
- メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満である、請求項1〜6のいずれかに記載の反射板。
- 有機樹脂フィルムがエチレン・プロピレン共重合体からなるフィルムである、請求項1〜7のいずれかに記載の反射板。
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JP2009129801A (ja) * | 2007-11-27 | 2009-06-11 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 金属ベース回路基板 |
WO2013073075A1 (ja) * | 2011-11-17 | 2013-05-23 | パナソニック株式会社 | バックライト装置および液晶表示装置 |
AU2020220086B2 (en) * | 2020-04-20 | 2022-02-24 | Ningbo Radi-Cool Advanced Energy Technologies Co., Ltd. | Radiative cooling metal plate, preparation method and application thereof |
-
2005
- 2005-01-24 JP JP2005015291A patent/JP2006198975A/ja not_active Withdrawn
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US11833780B2 (en) | 2020-04-20 | 2023-12-05 | Ningbo Radi-Cool Advanced Energy Technologies Co., Ltd. | Radiative cooling metal plate, preparation method and application thereof |
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