JP2006198718A - 穿孔機 - Google Patents

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Hiroyuki Oda
裕幸 尾田
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政幸 小倉
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Abstract

【課題】刃具の回転にかかる動力の低下を防止し、かつ打撃の強さの調節による騒音の低減が可能な穿孔機の提供。
【解決手段】第1カム面59Aとスチールボール53とを当接させて、第2供給通路48と半径方向通路50aとを連通させ、第1排出通路38とシリンダカバー21外との連通を流量制御バルブ50により遮断する。これにより圧縮空気は、ドリル刃60へ流れそれを冷却する。ノブ57の回動により流量制御バルブ50を後方へ移動させ第2カム面59Bとスチールボール53とを当接させる。よって、流量制御バルブ50により第2供給通路48と半径方向通路50aとの連通を遮断し、第2溝50cを第2排出通路47に対向させることにより第1排出通路38とシリンダカバー21外とを連通させる。これにより圧縮空気は、第2空間29aへ流れピストン28を往復移動させドリル刃60に打撃を与える。
【選択図】図3

Description

本発明は穿孔機に関し、特に圧縮空気を用いてドリル刃に衝撃を加える穿孔機に関する。
従来、コンクリート等を最も速く穿孔するため、刃具の回転動作に加え、刃具に打撃振動を与えてコンクリート等を粉砕して穿孔している。例えば、穿孔機の刃具を回転させモータ等の回転運動の一部を穿孔機内に設けられたピストン等の往復運動に変え、このピストンの往復運動により打撃力を発生させる穿孔機が公知となっている。
しかしながら、このような構成の穿孔機では、打撃時に打撃音を発して騒音源となるため、騒音規制されている場所では使用することができない。これに対して、騒音規制がされている場所で、低騒音で穿孔する事を目的とした穿孔機が知られている。例えば、コンクリート構造用穿孔機のような、主にダイヤモンド粉末焼結金属で構成された刃具を回転させる構成となっており、ドリル本体には刃具を打撃する打撃手段は設けられていない(例えば、特許文献1参照)。
実開昭62−201642号公報
しかし、前述の打撃振動を与える穿孔機では、刃具を回転する動力の一部を打撃の動力としているため、刃具の回転にかかる動力が低下する場合があった。また、打撃の強さの調節ができないため騒音の低減ができなかった。また、前述の低騒音で穿孔する回転のみの穿孔機では、刃具を打撃する打撃手段が設けられていないので、コンクリートへの穿孔時、粗骨材等の硬い骨材に当たった場合には、穿孔速度が極端に遅くなり、作業効率が低下するという問題があった。
そこで本発明は、刃具の回転にかかる動力の低下を防止し、かつ打撃の強さの調節による騒音の低減が可能な穿孔機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮流体供給源に接続される流体接続部を備えたフレームと、該フレーム内に固定されて、該フレーム一端方向に出力軸を延出するモータと、一端部が該出力軸に連結されて該フレーム内一端方向に延設され、内部に空気室が形成され、他端部が該空気室に連通する圧縮流体貫通路が形成されたドリル刃を取付可能に設けられ、出力軸方向に摺動可能な回転軸と、圧縮流体の供給と排出により駆動され、該回転軸に打撃を与え該回転軸及び該刃部を往復移動させる打撃手段とを有する穿孔機を提供している。
該フレームには、該流体接続部と該打撃手段とを連通する第1流体供給通路と、該流体接続部と該空気室及び該圧縮流体貫通路とを連通する第2流体供給通路と、該打撃手段に供給された圧縮流体を該フレーム外へ排出するための流体排出通路とが形成されている。該第2流体供給通路内には、該流体排出通路と大気とを選択的に連通させると共に、該流体接続部と該空気室とを選択的に連通させる流量制御バルブが第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられている。該フレームには該流量制御バルブを該第1位置と該第2位置との間で移動させるバルブ移動手段が設けられている。
該流量制御バルブが該第1位置にあるときは、該第2流体供給通路と該空気室とが連通して該流体接続部から該圧縮流体貫通路へ圧縮流体が流れ該ドリル刃を冷却すると共に該流体排出通路と大気との連通が遮断されて該打撃手段の駆動が規制され、該流量制御バルブが該第2位置にあるときは、該第2流体供給通路と該空気室との連通が遮断されて該流体接続部から該圧縮流体貫通路への圧縮流体の流れが遮断されると共に該流体排出通路と大気とが連通して該打撃手段が駆動する。
ここで、該流量制御バルブが第1位置と第2位置との間の位置にあるときには、該第2流体供給通路と該空気室との連通状態及び該流体排出通路と大気との連通状態が該流量制御バルブの位置に応じて調整可能であることが好ましい。
更に、該バルブ移動手段は、該流量制御バルブの一端に設けられたカムフォロアと、該カムフォロアに対向するように配置され、一端部が該フレームに回転可能に取り付けられ、他端部が該フレームから突出して設けられたカムシャフトと、該カムシャフトの該他端部に固定された保持部と、該カムフォロアに対向する位置において該カムシャフトに設けられたカムと、該流量制御バルブの他端と該フレームとの間に介装され該流量制御バルブを常に該カムに向かって付勢し、該カムフォロアを常に該カムに当接させるばねとを備え、該保持部の回動に伴う該カムの回転によって該流量制御バルブは該第1位置と該第2位置との間を移動することが好ましい。
また、該カムは、該流量制御バルブが該第1位置にある時に該カムフォロアーに当接する第1カム面及び該フレームに当接する第1位置維持面と、該流量制御バルブが該第2位置にある時に該カムフォロアーに当接する第2カム面及び該フレームに当接する第2位置維持面とを有することが好ましい。
また、該保持部は、該フレームを保持するサイドハンドルを兼ねることが好ましい。
請求項1に記載の穿孔機によれば、圧縮流体により打撃手段が駆動されるので、刃具を回転駆動させるモータの駆動力の低下を防止することができる。また、流量制御バルブの移動のみの単純な動作で圧縮流体の流れを制御することにより、圧縮流体によるドリル刃の冷却(ドリル刃の回転のみによる穿孔)と、ドリル刃に打撃を与えての穿孔とを切換えることができる。よって、必要に応じてドリル刃の回転のみによる穿孔と、ドリル刃に打撃を与えての穿孔とを頻繁に切換えながら穿孔作業を行うことができ、必要以上にドリル刃を被穿孔物に打撃させてドリル刃の寿命を縮めることもなく、そのランニングコストの増加を防止することができる。更に、ドリル刃の回転のみによる穿孔と、ドリル刃に打撃を与えての穿孔との選択を一つの流量制御バルブのみで行えるため、穿孔機を安価かつ軽量に製造することができる。
請求項2に記載の穿孔機によれば、第2流体供給通路と空気室との連通状態及び流体排出通路と大気との連通状態が流量制御バルブの位置に応じて調整可能であるので、両者を連通させることにより、圧縮流体によるドリル刃の冷却(ドリル刃の回転のみによる穿孔)と、ドリル刃に打撃を与えての穿孔とを同時に行うことができる。
また、第2流体供給通路と空気室との連通状態及び流体排出通路と大気との連通状態は、一方が増加すると他方が減少し、他方が増加すると一方が減少する関係にある。従って、流量制御バルブの第1位置と第2位置との間における、第2流体供給通路と空気室との連通状態及び流体排出通路と大気との連通状態は、反比例の関係にあるといえる。ゆえに、ドリル刃の冷却圧縮に用いられる圧縮流体の量及びドリル刃に打撃を与えての穿孔に用いられる圧縮流体の量は、流量制御バルブの位置に応じて、相対的に変化させることが可能である。従って、ドリル刃の冷却の強さとドリル刃への打撃の強さとを相対的かつ無段階に調節することができる。
よって、打撃モードによる穿孔を望むが、騒音規制等により打撃音をあまり大きくすることができない作業場所においては、流量制御バルブの位置を調整して、ドリル刃に打撃を与えての穿孔に用いられる圧縮流体の量を少なくすることにより、低騒音でのドリル刃に打撃を与えての穿孔作業を行うことができる。
請求項3に記載の穿孔機によれば、保持部の回動によってカムの回転させて、流量制御バルブを第1位置と第2位置との間を移動させるので、圧縮流体によるドリル刃の冷却(ドリル刃の回転のみによる穿孔)と、ドリル刃に打撃を与えての穿孔との切換を容易に行うことができる。更に、流量制御バルブの移動は、カムとカムフォロアからなるカム機構により行われるので、流量制御バルブを滑らかに移動させることができる。
請求項4に記載の穿孔機によれば、カムは、流量制御バルブが第1位置にある時にカムフォロアに当接する第1カム面及びフレームに当接する第1位置維持面と、流量制御バルブが第2位置にある時にカムフォロアに当接する第2カム面及びフレームに当接する第2位置維持面とを有している。よって、第1カム面がカムフォロアに当接しているときには、第1位置維持面がフレームに当接しているので、流量制御バルブを第1位置に維持することができる。また、第2カム面がカムフォロアに当接しているときには、第2位置維持面がフレームに当接しているので、流量制御バルブを第2位置に維持することができる。
請求項5に記載の穿孔機によれば、保持部は、フレームを保持するためのサイドハンドルを兼ねるので、穿孔時にフレームと保持部とを把持することができるので、安定した穿孔作業を行うことができる。更に、被穿孔物の穿孔を行いながら保持部を回転させて、圧縮流体によるドリル刃の冷却(ドリル刃の回転のみによる穿孔)とドリル刃に打撃を与えての穿孔との切換えを容易に行うことができるので、穿孔機の操作性が向上する。
本発明の実施の形態による穿孔機について図1から図9を参照して説明する。以下の説明においては、穿孔機1の、後述のドリル刃60が設けられている一端側を前側、ハンドル3が設けられている他端側を後側とする。図1に示す穿孔機1は、ドリル本体であるハウジング2、ハウジング2の前部に連接して設けられた減速部10、減速部10の前方に連接して設けられ内部に打撃手段を内蔵するシリンダ部20、同じくハウジング2の前部に連接して、かつシリンダ部20の下部に連接して設けられた圧縮空気供給排出部40、及びシリンダ部20の前部に付設されるドリル刃60により主に構成される。また、ハウジング2及びハンドル3は、穿孔機1の外郭となるフレームの一部をなしている。
ハウジング2内には、穿孔機1の動力となる図示せぬモータが内蔵されている。図示せぬモータより出力軸6が減速部10側に向かって延設されており、この出力軸6にはモータを空冷するファン5が固定されている。ハウジング2の後方下部にはハウジング2と一体のハンドル3が延設されている。ハンドル3はトリガ4を備えており、ハンドル3内部には、トリガ4に連動する図示せぬスイッチング回路が内蔵されて、トリガ4の動作によりモータの駆動が制御される。
図2に示す減速部10は、ギヤカバー11と、インナーカバー12とを外郭としている。また、ギヤカバー11は、穿孔機1の外郭となるフレームの一部をなしている。ギヤカバー11の前端部には、円筒状のシリンダ保持部11Aが前方に向かって突出されており、シリンダ保持部11Aの後端は、シリンダ保持部11Aの内径よりも縮径した縮径部を有している。ギヤカバー11とインナーカバー12とにより画成される空間には、第1ギヤ13と第2ギヤ14とが内蔵されている。インナーカバー12はハウジング2(図1)と接して、図示せぬネジによりハウジング2に固定されている。出力軸6の先端部はインナーカバー12を貫通し、出力軸6の先端部には、ピニオンギヤ7が出力軸と同軸的に設けられている。インナーカバー12の出力軸6が貫通している箇所にはベアリング17が嵌着されている。よって、モータより延設されている出力軸6は、インナーカバー12及びベアリング17により、回転可能に支承されている。
第1ギヤ13は、ピニオンギヤ7と噛合するファーストギヤ13Aと、ファーストギヤ13Aと一体に構成されるファーストピニオンギヤ13Bとを備えている。ファーストギヤ13Aとファーストピニオンギヤ13Bとは、ギヤカバー11に嵌入されたベアリング15Aとインナーカバー12に嵌入されたベアリング15Bとにより回転可能に支承されている。第2ギヤ14は、第1ギヤ13のファーストピニオンギヤ13Bと噛合している。第2ギヤ14の中心軸部分には、後述のメインシャフト23のメインシャフト後端部23Dが同軸的に嵌合されている。そしてギヤカバー11に嵌入されたベアリング16Aとインナーカバー12に嵌入されたベアリング16Bとは、メインシャフト後端部23Dを回転可能に支承している。
シリンダ部20は、ギヤカバー11とシリンダカバー21とを外郭として構成されている。中空状のシリンダカバー21は、パッキン9を介してギヤカバー11に当接し、図示せぬネジでギヤカバー11に固定されている。このシリンダカバー21の図1、図2における後述のメインシャフト23より下側部分は、シリンダ部20の下部に設けられる圧縮空気供給排出部40の外郭の一部をなす。シリンダカバー21の前側部には、シリンダ当接部21Aがシリンダ21から内方に延出して設けられている。また、シリンダカバー21は、穿孔機1の外郭となるフレームの一部をなしている。
シリンダカバー21内部には、筒状のシリンダ22が設けられている。このシリンダ22は円筒形状をなし、その内部にはメインシャフト23が貫通している。またシリンダ22はシリンダ前端部22A、シリンダ後端部22Bを備え、シリンダ前端部22Aは、シリンダ当接部21Aに係合している。また、シリンダ22の半径方向においてシリンダ前端部22Aはシリンダカバー21と当接し、この当接箇所にはOリング24が嵌着されており、このOリング24によってシリンダ前端部22Aの前後間の気密性を保っている。
またシリンダ後端部22Bは、ギヤカバー11に設けられたシリンダ保持部11A内に嵌入されており、前述のシリンダ保持部11Aの後端の縮径部とで、ウレタンワッシャ25、ワッシャ26を挟んでいる。よって、シリンダ22は、シリンダカバー21のシリンダ当接部21Aと、ギヤカバー11とによって挟まれて、シリンダカバー21内に固定される。また、シリンダカバー21、ギヤカバー11、シリンダ22により、シリンダ22外周部分に略円筒状の第1空間27が画成される。
シリンダ22の前後方向の中央内面には、周方向全周に渡って内方に突出した環状凸部であるシリンダ凸部22Cが設けられる。またシリンダ凸部22Cとシリンダ後端部22Bの間のシリンダ胴部22Dには、シリンダ22内空間と、第1空間27とを連通する環状凸部側部孔である複数の側部孔22eが形成されている。
このシリンダ22内部には、筒状のピストン28がメインシャフト23及びシリンダ22に対して摺動可能に設けられている。ピストン28は、ピストン胴部28A及び、このピストン胴部28Aより大径のピストン後端部28Bより構成されている。ピストン胴部28Aがシリンダ22内部であってシリンダ凸部22Cに対向する位置に嵌入され、ピストン後端部28Bが、シリンダ22のシリンダ胴部22D内に嵌入されている。また、ピストン胴部28Aはシリンダ凸部22C内径より若干小径に形成され、かつピストン後端部28Bもシリンダ胴部22D内径より若干小径に形成されている。よってピストン胴部28Aとシリンダ凸部22Cとの間、及びピストン後端部28Bとシリンダ胴部22Dとの間に隙間が形成されるが、この隙間には潤滑油が充填されてシール効果を備えるため、シリンダ凸部22Cの前後間、及びピストン後端部28Bの前後間で気密性が保たれ、かつピストン28の摺動性も良好になる。
ピストン胴部28Aとシリンダ凸部22Cの間の隙間、及びピストン後端部28Bとシリンダ胴部22Dとの間の隙間が潤滑油によりシールされるため、シリンダ凸部22C後面と、シリンダ凸部22C後方のシリンダ胴部22D内周面と、ピストン後端部28B前面と、ピストン後端部28B前方のピストン胴部28A外周面と、で第2空間29aが画成される。この第2空間29aは、側部孔22eを介して第1空間27と連通しており、シリンダ22に対するピストン28の位置に応じてその体積が変化する。
ピストン胴部28Aには、その外周面からピストン28の中心方向に延びる第1孔28cが穿設されている。またピストン28には、ピストン後端部28Bの後端面に一端の開口部、第1孔28c内壁面に他端の開口部が形成されてピストン28の軸方向と平行に延びる第2孔28dが形成されている。回転軸であるメインシャフト23は、ピストン28を貫通することにより、ピストン28がメインシャフト23に対して摺動可能になっている。して設けられている。メインシャフト後端部23Dは、ギヤカバー11を貫通して、第2ギヤ14に同軸的に固定されている。この貫通箇所には、オイルシール39が設けられており、シリンダカバー21内とギヤカバー11内との間の気密性を保持している。
メインシャフト胴部23Cはピストン28内径より若干小径に形成されている。よってピストン28内面とメインシャフト胴部23Cとの間に隙間が形成されるが、この隙間に潤滑油が充填されてシール効果を備えるため、ピストン28の前後間での気密性が保たれ、かつピストン28の摺動性、メインシャフト23の回転性が確保される。また、メインシャフト胴部23C、ピストン後端部28B後端面、シリンダ22内面、ワッシャ26で第3空間29bが画成されている。この第3空間29bは、第2孔28dを介して第1孔28cと連通している。
メインシャフト23のメインシャフト前端部23Aは、メインシャフト胴部23Cより小径に形成されている。そしてメインシャフト前端部23Aの外周面には、メインシャフト23の軸方向と平行にメインシャフト前端部23Aの先端部分からシャフト溝23bがメインシャフト前端部23Aの直径方向位置に一対形成されている(図2においては一方のみを示す。)。尚、シリンダ22、メインシャフト23及びピストン28により打撃手段を構成している。
メインシャフト前端部23Aには、回転軸の一部をなす筒状のスピンドル31が、メインシャフト23に対して同軸的に摺動自在に外挿され、後述するメタルピース32及びスリーブ33により支持されている。スピンドル31の前端部であるスピンドル前端部31Aは、シリンダカバー21前端より突出しており、このスピンドル前端部31Aの内面には、後述のドリル刃60に形成された雄ネジと螺合する雌ネジが形成されている。また、スピンドル31の後端部であるスピンドル後端部31Bは、ピストン28により打撃される被打撃部となる。
スピンドル31の内周面後方側であってスピンドル31の直径方向位置には、メインシャフト23の半径方向内方に突出した一対のスピンドル凸部31Cが設けられている(図2においては一方のみを示す。)。スピンドル凸部31Cが、メインシャフト23のメインシャフト前端部23Aに穿設された一対のシャフト溝23bに挿入係合されることにより、スピンドル31は、メインシャフト23に対して回転不可かつメインシャフト23の軸方向への摺動のみ可能となる。また、スピンドル31表面の後述するスリーブ33が当接する箇所には、スピンドル31軸方向と平行に縦長の縦溝31dが穿設されている。またスピンドル31は内部に空気室31eが画成されており、スピンドル31の空気室31eの後端付近には空気孔31fが穿設されて、空気室31eとスピンドル31外部とを連通している。
また、環状のメタルピース32はシリンダカバー21に嵌着されており、その内径はスピンドル31の外径より僅かに大きく形成されている。よって、メタルピース32とスピンドル31との間に隙間が形成されるが、この隙間に潤滑油が充填されるため、メタルピース32に対してスピンドル31は、回転、摺動可能になる。また、環状のスリーブ33は、シリンダカバー21に嵌着されているベアリング34の内輪に嵌着されている。よって、スリーブ33はシリンダカバー21に対して回転可能である。
スリーブ33には孔33aが形成されており、この孔33a内には、スリーブ33内周面より一部が突出するスチールボール35が挿入されている。そして、当該突出するスチールボール35の一部は、スピンドル31の縦溝31dに係合されている。よって、スチールボール35は、スピンドル31の摺動移動を規制するストッパとして機能し、スピンドル31は縦溝31dの軸方向の長さ分のみ摺動可能である。またスリーブ33とベアリング34とシリンダカバー21とにより空気孔31fを介して空気室31eと連通する第1供給通路36が画成される。
シリンダカバー21のメタルピース32の前方にはオイルシール37が嵌着されており、シリンダカバー21より突出して大気に曝されているスピンドル31表面に付着するゴミがシリンダカバー内に侵入するのを防止すると共に、シリンダカバー21内と大気とを遮断している。また、スピンドル後端部31B、メインシャフト23、ピストン28、シリンダ22、スリーブ33により第1排出通路38が画成されている。
図1に示すようにドリル刃60は、その後端の雄ねじが前述のスピンドル31の雌ネジと螺合しており、スピンドル31の前端から延設されている。ドリル刃60の軸心には、空気室31eに連通する空気貫通路60aが形成されている。またドリル刃60は、その先端にロウ付け固定された超合金製で尖頭形状の刃部61を有している。またドリル刃60の外周には、刃部61から後端に向って延びる逃がし溝60bが螺旋状に形成されている。そして、逃がし溝60bの刃部61近傍には、空気貫通路60aに連通する空気排出口60cが形成されている。
次に、圧縮空気供給排出部40について図2乃至図4に基づき説明する。圧縮空気供給排出部40は、シリンダカバー21と、シリンダカバー21の前方に連接して設けられたフロントキャップ41とを外郭としている。圧縮空気供給排出部40の後部には、シリンダカバー21とパッキン9とより空気蓄積室42が画成されている。シリンダカバー21の第1空間27に面する箇所には、第1供給孔43(図3)が形成されている。空気蓄積室42の前方のシリンダカバー21には、空気蓄積室42及び第1供給孔43に連通し、ピストン28の軸方向と平行に延びるメインシャフト23に直交する断面が円形の空気流入孔44が形成されている。空気流入孔44の反第1供給孔43側には、圧縮空気取り入れ箇所であって所定量の圧縮空気を吐出する図示せぬコンプレッサが連結される空気接続部45が設けられている。空気流入孔44、第1供給孔43、第1空間27及び側部孔22eにより、空気接続部45と第2空間29aとを連通する第1流体供給通路をなす。
またシリンダカバー21には、空気流入孔44の前端から前方に向かって延びシリンダカバー21前端に開口する断面円形のバルブ収納孔46が形成されている。バルブ収納孔46は空気流入孔44に連通し、バルブ収納孔46の直径は空気流入孔44の直径よりも大きく構成されている。そして、シリンダカバー21のスリーブ33の下方に位置する部分には、第1排出通路38に連通し、バルブ収納孔46をその直径方向に横断し、かつシリンダカバー21の下部に開口し大気と連通する第2排出通路47が形成されている。
またシリンダカバー21の第2排出通路47の前方には、第1供給通路36に連通し、バルブ収納孔46をその直径方向に横断し、シリンダカバー21の下部に開口する第2供給通路48が形成されている。バルブ収納孔46内の空気流入孔44側には、コイルばね49が配置されている。コイルばね49の内方空間と空気流入孔44とは連通している。バルブ収納孔46内のコイルばね49の前方には、断面円形の流量制御バルブ50が第2排出通路47及び第2供給通路48の直径方向に横断するように嵌入され、その一端はコイルばね49に当接し他端はバルブ収納孔46から突出しており、流量制御バルブ50はバルブ収納孔46内において摺動可能である。
よって、流量制御バルブ50は、コイルばね49によって常に前方に付勢されている。流量制御バルブ50はバルブ収納孔46内径より若干小径に形成されている。よって流量制御バルブ50とシリンダカバー21との間に隙間が形成されるが、流量制御バルブ50の第2排出通路47とコイルばね49との間及び第2排出通路47と第2供給通路48との間におけるシリンダカバー21に当接する箇所には、それぞれOリング51、52が嵌着されている。よって、第2排出通路47とコイルばね49の内方空間と間の連通、及び第2排出通路47と第2供給通路48との間の連通は、Oリング51、52により遮断されている。
また、図3において流量制御バルブ50の第2供給通路48に対向する箇所には、第2供給通路48に連通する半径方向通路50aが、流量制御バルブ50の直径方向の一端から他端へ貫通して形成されている。半径方向通路50aが形成された位置における流量制御バルブ50の外周には、周方向全周に渡って断面半円形状の第1溝50bが形成されている。また、流量制御バルブ50の第2排出通路47に面する位置の前方には、第1溝50bと同様の第2溝50cが形成されている。更に流量制御バルブ50の軸心位置には、その後端面に一端がコイルばね49の内方空間に開口し、半径方向通路50aに他端が開口する軸方向通路50dが形成されている。また、流量制御バルブ50の前端には、円錐状の凹部50fが形成されている。凹部50f内にはカムフォロアであるスチールボール53が保持され、スチールボール53の一部は凹部50fから突出している。
図3において第2供給通路48と半径方向通路50aとは連通しているが、流量制御バルブ50を後方への移動させ、第1溝50b及び半径方向通路50aをシリンダカバー21に対向させることにより、当該連通を遮断することができる。同様に第1排出通路38とシリンダカバー21外との連通は、流量制御バルブ50によって遮断されているが、流量制御バルブ50を後方への移動させ、第2溝50cを第2排出通路47に対向させることにより連通させることができる。
尚、第1排出通路38、第2排出通路47及び第2溝50cにより、前述の打撃手段とフレームの一部を構成するシリンダカバー21の下部の大気とを連通する流体排出通路をなしている。また、空気流入孔44、コイルばね49の内方空間、軸方向通路50d、半径方向通路50a、第1溝50b、第2供給通路48及び第1供給通路36とにより、空気接続部45と空気室31eとを連通する第2流体供給通路をなす。
フロントキャップ41は、圧縮空気供給排出部40の前端において、シリンダカバー21の前端から突出した流量制御バルブ50及びスチールボール53を覆うようにボルトにより取り付けられている。また、フロントキャップ41は、穿孔機1の外郭となるフレームの一部をなしている。フロントキャップ41の後端部は、第2供給通路48とシリンダカバー21外との連通を遮断している。このフロントキャップ41とシリンダカバー21の前端とによってカム収容室54が画成され、シリンダカバー21の前端から突出した流量制御バルブ50及びスチールボール53は、カム収容室54内に位置している。
図4に示すように、フロントキャップ41には軸受55が固定されており、スチールボール53(図3)に対向する位置において、カムシャフト56の一端部が軸受55に回転可能に支承されている。カムシャフト56は、図4の紙面に対し左右方向に延びており、その他端部はフロントキャップ41から突出して設けられている。カムシャフト56の他端部には、保持部である樹脂製のノブ57が第1ネジ58により取り付けられている。よって、ノブ57を図3において時計回りに回動させることにより、カムシャフト56を回転させることができる。
カムシャフト56のスチールボール53に対向する位置には、カム59が圧入固定されスチールボール53に当接している。カム59は、平坦面からなる第1カム面59Aと、第1カム面59Aに隣接する円弧状の曲面からなる第2カム面59Bとを有している。図3において第1カム面59Aがスチールボール53に当接しているが、図5に示すようにカムシャフト56を回転させることにより第2カム面59Bもスチールボール53に当接可能である。カム59は更に、第1カム面59Aに対向する平坦面からなる第1位置維持面59Cと、第2カム面59Bに対向する平坦面からなる第2位置維持面59Dとを有している。
図3に示すように、第1カム面59Aの第1端部59A1がスチールボール53に当接している時(後述する流量制御バルブ50が第1位置にある時)は、第1位置維持面59Cがフロントキャップ41に当接するように、第1カム面59Aと第1位置維持面59Cとは位置付けられている。更に、図5に示すように、第2カム面59Bがスチールボール53に当接している時(後述する流量制御バルブ50が第2位置にある時)は、第2位置維持面59Dがフロントキャップ41に当接するように、第2カム面59Bと第2位置維持面59Dとは位置付けられている。また、カムシャフト56は、上記の第1カム面59Aの反第2カム面59B側端部と第2カム面59Bとの間のみ、即ち、図3と図5とに示す位置の間のみ(約60°)で回転可能に設けられている。
次に本実施の形態にかかる穿孔機1の動作について説明する。作業者がドリル刃60を図示せぬ被穿孔物、例えばコンクリート壁等に押しつけた状態で、トリガ4を引くと、図示せぬモータの出力軸6が回転する。この時に出力軸6に固定されているファン5も回転し、ハウジング2に形成された図示せぬ空気流入口より大気を取り込んでモータを冷却する。
出力軸6の先端に設けられたピニオンギヤ7は、第1ギヤ13のファーストギヤ13Aと噛合しているため、第1ギヤ13は回転する。第1ギヤ13はファーストピニオンギヤ13Bにより第2ギヤ14と噛合しているため、第1ギヤ13の回転は第2ギヤ14に伝達される。この第2ギヤ14の中心軸部分にはメインシャフト後端部23Dが同軸的に嵌合しているため、メインシャフト23は第2ギヤ14とともに回転する。
前述のように、スピンドル31は、メインシャフト23に対して軸方向には自由に移動できるが、回転方向には固定されているので、スピンドル31はメインシャフト23とともに回転する。スピンドル31の前端部にはドリル刃60が固定されているため、ドリル刃60も回転し、コンクリート壁等を穿孔する。
ドリル刃60の回転によりコンクリート壁等を穿孔する場合は、刃部61をコンクリート壁等に押し当ててコンクリート壁を削り取るが、この時に刃部61は摩擦により高熱となる。これを放置すると、強熱による材料特質の変化等により、穿孔性能が低下する。また、穿孔することにより、刃部61周辺にはコンクリート粉が多量に発生するが、このコンクリート粉が刃部61とコンクリート壁との間にあると、刃部61がコンクリート壁と直接接触できず穿孔性能が低下する。よって、刃部61を冷却するとともにコンクリート粉を穿孔内より排出する必要がある。
具体的には、図3に示すように第1カム面59Aの第1端部59A1とスチールボール53とを当接させて、第2供給通路48と半径方向通路50aとを連通させ、第1排出通路38とシリンダカバー21外との連通を流量制御バルブ50により遮断する。この時の流量制御バルブ50の位置を第1位置とする。そして、第1位置維持面59Cはフロントキャップ41に当接しているので、流量制御バルブ50は第1位置に維持される。この状態で、図示せぬコンプレッサより空気接続部45を介して空気流入孔44に圧縮空気が流入する。流入した圧縮空気は、コイルばね49の内方空間、軸方向通路50d、半径方向通路50a、第2供給通路48及び第1供給通路36を介して空気室31eに流入する。空気室31eに流入した圧縮空気は、空気貫通路60aを介して空気排出口60cから外部へ排出される。
よって、圧縮空気が排出される際に、圧縮空気が刃部61周辺の熱を奪うため、刃部61は冷却される。また、穿孔の内部で空気排出口60cより吐出された圧縮空気は、逃がし溝60bに沿って穿孔外に排出されるが、この時に刃部61付近で発生するコンクリート粉も一緒に排出される。また、流量制御バルブ50にはOリング51、52が嵌着されているので、圧縮空気が流量制御バルブ50とシリンダカバー21との間の隙間から第2排出通路47へ流出することがない。従って、効率よく圧縮空気を利用することができる。以下、上述のように第2供給通路48と半径方向通路50aとが連通し、圧縮空気が空気室31e及び空気貫通路60aを介して空気排出口60cから外部へ排出され、刃部61が冷却される穿孔機1の穿孔状態を冷却モードとする。
以上、ドリル刃60の回転のみによっても、コンクリート壁等に穿孔することは可能である。また、ドリル刃60の回転のみであるため、穿孔時に発生する騒音は小さい。しかし、祖骨材等に当たった場合や、高強度コンクリート等のコンクリート自体が硬い場合では、ドリル刃60の回転のみによる穿孔では、作業効率が低下する。よってこの場合はドリル刃60に打撃を加える。
ドリル刃60の打撃は、ピストン28でスピンドル後端部31Bを打撃することにより行う。具体的には、ノブ57を図2に示す状態から図5に示す位置まで回動させる。この時、第1カム面59Aがスチールボール53に常に当接した状態でカムシャフト56を中心にカム59が回転するので、流量制御バルブ50を滑らかに移動させることができる。ノブ57の回動により、流量制御バルブ50は後方へ移動してゆき、第2カム面59Bとスチールボール53とが当接する。よって、半径方向通路50aより前方に位置する流量制御バルブ50の部分により第2供給通路48と半径方向通路50aとの連通を遮断し、第2溝50cを第2排出通路47に対向させることにより第1排出通路38とシリンダカバー21外とを連通させる。この時の流量制御バルブ50の位置を第2位置とする。そして、第2位置維持面59Dはフロントキャップ41に当接しているので、流量制御バルブ50は第2位置に維持される。
この状態で図示せぬコンプレッサより空気接続部45を介して空気流入孔44に圧縮空気が流入する。流入した圧縮空気は、第2供給通路48と半径方向通路50aとの連通が遮断されているので、第1供給孔43及び第1空間27を介して側部孔22eより第2空間29aに流入する。図5に示すピストン28の位置において、第2空間29aは側部孔22e以外には連通していない。よって、第2空間29aに圧縮空気が流入・蓄積されることにより内部圧力が高まり、第3空間29bとの間に圧力差が生じて、ピストン28が後端部に移動させられて第2空間29aが拡大する。
そして、図6に示すように、ピストン28が第1孔28cと第2空間29aとが連通する位置まで移動すると、第2空間29aと第3空間29bは第1孔28c及び第2孔28dを介して連通するため、第2空間29aと第3空間29bとは同気圧となる。ピストン28の前方に位置する第1排出通路38は、大気に連なる第2排出通路47に連通しているため、気圧は大気圧と略同一となっているのに対し、ピストン28の後方に位置する第3空間29bは圧縮空気にかかる圧力と同圧である。よって、ピストン28の前後間で圧力差が発生し、図7に示すように、ピストン28は低圧である前側に向かって移動する。
ピストン28が前側に移動して第1孔28cがシリンダ凸部22Cより前側に移動することにより、第3空間29bと第1排出通路38とは、第1孔28cと第2孔28dとを介して連通する。よって、第3空間29b及び第2孔28d内の圧縮空気は、第1排出通路38及び第2排出通路47を通ってシリンダカバー21外へ排出される。これにより第3空間29bと第1排出通路38との気圧は、略同一圧になるが、ピストン28の慣性力により、ピストン28はそのまま前進する。そして、図8に示すようにスピンドル後端部31Bに衝突し、スピンドル31に固定されたドリル刃60に打撃力を加える。これにより祖骨材等や高強度コンクリート等を穿孔することができ、穿孔機の作業性の低下を防止することができる。また、図示せぬモータの駆動力ではなく、圧縮空気によりピストン28を往復移動させるので、ドリル刃60の回転駆動に用いられる図示せぬモータの駆動力の低下を防止することができる。以下、第1排出通路38とシリンダカバー21の大気とを第2溝50c及び第2排出通路47を介して連通させ、ピストン28を摺動移動させて、ドリル刃60に打撃力を加える穿孔機1の穿孔状態を打撃モードとする。
また、ピストン28の重心である中心軸と回転軸の一部であるスピンドル31の重心である中心軸とは同軸上にあるため、打撃時に力の分散等があまり発生せず、ピストン28の運動量は好適にスピンドル31に伝達される。スピンドル31は、メインシャフト23に係ることなく自由に軸方向摺動可能であるので、ピストン28により打撃された場合に動作する箇所は、スピンドル31及びドリル刃60のみとなる。スピンドル31とドリル刃60とは慣性質量が小さいため、ピストン28による打撃をより好適に刃部61に伝達することが可能となる。また、スピンドル31は、メインシャフト23に対して、軸方向について自由に動けるため、スピンドル31に伝えられる打撃力は、メインシャフト23に伝達されることはない。よって、メインシャフト後端部23Dに固定される第2ギヤ14等に打撃による衝撃が伝えられることはない。
その後、ピストン28は衝突による反力により後方に移動し、図5に示す初期位置に戻る。この一連の動作が繰り返されることにより、連続的にスピンドル31が打撃されることになる。また、流量制御バルブ50が第1位置にあるときは、第1排出通路38とシリンダカバー21外との連通が遮断されているため、ピストン28の前後間で大きな圧力差が生じず、かつ圧縮空気を外部へ排出できないので、ピストン28は摺動動作することができない。従って、スピンドル31は、ピストン28によって打撃されない。
また、図9に示すように第1カム面59Aの第2端部59A2とスチールボール53とを当接させれば、第2供給通路48と半径方向通路50aとを連通させ第2溝50cを第2排出通路47に対向させることにより、第1排出通路38とシリンダカバー21外とを連通させることができる。これにより、上記の冷却モードと打撃モードとを同時に行うことができる。また、第2供給通路48と半径方向通路50aとの連通状態(第2供給通路48と半径方向通路50aとの重なり具合)と、第1排出通路38とシリンダカバー21下部の大気との連通状態(第2排出通路47と第2溝50cとの重なり具合)とは、一方が増加すると他方が減少し、他方が増加すると一方が減少する関係にある。
従って、流量制御バルブ50の第1位置と第2位置との間の移動における、第2供給通路48と半径方向通路50aとの連通状態と、第1排出通路38とシリンダカバー21下部の大気との連通状態とは反比例の関係にあるといえる。ゆえに、冷却モードに用いられる圧縮空気の量及び打撃モードに用いられる圧縮空気の量は、使用者によるノブ57の回動加減による流量制御バルブ50の位置に応じて、相対的に変化させることが可能である。従って、刃部61の冷却の強さとドリル刃60への打撃の強さとを相対的かつ無段階に調節することができる。
よって、打撃モードによる穿孔を望むが、騒音規制等により打撃音をあまり大きくすることができない作業場所においては、ノブ57の回動により流量制御バルブ50の位置を調整して、第2空間29aへ供給される圧縮空気の量を少なくすればよい。これにより、ドリル刃60へのピストン28の往復移動による打撃力を低減することができ、被穿孔物への刃部61の打撃による騒音を低減することができる。
また、上記の構成によれば、流量制御バルブ50の移動による冷却モードと打撃モードとの切換えを、ノブ57の回動による一つの流量制御バルブ50の移動のみの単純な操作で行うことができる。よって、必要に応じて冷却モードと打撃モードとを頻繁に切換えながら穿孔作業を行うことができ、必要以上にドリル刃60を被穿孔物に打撃させてドリル刃60の寿命を縮めることもなく、そのランニングコストの増加を防止することができる。更に、冷却モードと打撃モードとの選択を一つの流量制御バルブ50のみで行えるため、圧縮空気供給排出部40の構造の単純化を図ることができ、穿孔機1を安価かつ軽量に製造することができる。
本発明によるドリル装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、図10に示すように、カムシャフト56の他端にノブ57ではなく、サイドハンドル57Aを第2ネジ57Bにより着脱可能に取り付けても良い。かかる構成によれば、穿孔時にハンドル3とサイドハンドル57Aとを把持することができるので、安定した穿孔作業を行うことができる。更に、被穿孔物の穿孔を行いながら、サイドハンドル57Aを回転させて、冷却モードと打撃モードとの切換えを容易に行うことができるので、穿孔機1の操作性が向上する。
また図11に示すように、カムシャフト56の両端にサイドハンドル取り付け部56Aを設けて、それらをフロントキャップ41から突出させて、穿孔機101の図における左右両側にサイドハンドル57Aを第2ネジ57Bにより着脱可能に構成しても良い。かかる構成によれば、作業者の好みに合わせた姿勢でハンドル3とサイドハンドル57Aとを把持しながら穿孔作業を行うことができる。また、サイドハンドル57Aは第2ネジ57Bにより着脱可能に取り付けられているので、穿孔機1を使用しない時には、サイドハンドル57Aを取り外すことにより穿孔機1をコンパクトに収納することができる。
また、流量制御バルブ50を移動させる手段として、カム59とカムフォロアであるスチールボール53とからなるカム機構を用いたが、クランク機構等の回転運動を直線運動に変換する機構であっても良い。
実施の形態に係る穿孔機の側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機の側面断面詳細図。 実施の形態に係る穿孔機の圧縮空気供給排出部の側面断面詳細図。 実施の形態に係る穿孔機の部分断面正面図。 実施の形態に係る穿孔機の流量制御バルブが第2位置にある時を示す側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機のピストンの動作を示す側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機のピストンの動作を示す側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機のピストンの動作を示す側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機の流量制御バルブが第1位置と第2位置との間にある時を示す側面断面図。 実施の形態に係る穿孔機の変更例の斜視図。 実施の形態に係る穿孔機の変更例の部分断面正面図。
符号の説明
1 穿孔機 2 ハウジング 3 ハンドル 11 ギヤカバー
21 シリンダカバー 22 シリンダ 22e 側部孔 23 メインシャフト 27 第1空間 28 ピストン 31 スピンドル 31e 空気室
36 第1供給通路 38 第1排出通路 41 フロントキャップ
43 第1供給孔 44 空気流入孔 45 空気接続部 47 第2排出通路 48 第2供給通路 49 コイルばね 50a 半径方向通路
50 流量制御バルブ 50b 第1溝 50c 第2溝 50d 軸方向通路
53 スチールボール 56 カムシャフト 57A サイドハンドル
57 ノブ 59 カム 59A 第1カム面 59B 第2カム面
59C 第1位置維持面 59D 第2位置維持面 60 ドリル刃
60a 空気貫通路

Claims (5)

  1. 圧縮流体供給源に接続される流体接続部を備えたフレームと、
    該フレーム内に固定されて、該フレーム一端方向に出力軸を延出するモータと、
    一端部が該出力軸に連結されて該フレーム内一端方向に延設され、内部に空気室が形成され、他端部が該空気室に連通する圧縮流体貫通路が形成されたドリル刃を取付可能に設けられ、出力軸方向に摺動可能な回転軸と、
    圧縮流体の供給と排出により駆動され、該回転軸に打撃を与え該回転軸及び該刃部を往復移動させる打撃手段と、を有し、
    該フレームには、該流体接続部と該打撃手段とを連通する第1流体供給通路と、該流体接続部と該空気室及び該圧縮流体貫通路とを連通する第2流体供給通路と、該打撃手段に供給された圧縮流体を該フレーム外へ排出するための流体排出通路と、が形成され、
    該第2流体供給通路内には、該流体排出通路と大気とを選択的に連通させると共に、該流体接続部と該空気室とを選択的に連通させる流量制御バルブが第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられ、
    該フレームには該流量制御バルブを該第1位置と該第2位置との間で移動させるバルブ移動手段が設けられ、
    該流量制御バルブが該第1位置にあるときは、該第2流体供給通路と該空気室とが連通して該流体接続部から該圧縮流体貫通路へ圧縮流体が流れ該ドリル刃を冷却すると共に該流体排出通路と大気との連通が遮断されて該打撃手段の駆動が規制され、該流量制御バルブが該第2位置にあるときは、該第2流体供給通路と該空気室との連通が遮断されて該流体接続部から該圧縮流体貫通路への圧縮流体の流れが遮断されると共に該流体排出通路と大気とが連通して該打撃手段が駆動することを特徴とする穿孔機。
  2. 該流量制御バルブが第1位置と第2位置との間の位置にあるときには、該第2流体供給通路と該空気室との連通状態及び該流体排出通路と大気との連通状態が該流量制御バルブの位置に応じて調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機。
  3. 該バルブ移動手段は、該流量制御バルブの一端に設けられたカムフォロアと、該カムフォロアに対向するように配置され、一端部が該フレームに回転可能に取り付けられ、他端部が該フレームから突出して設けられたカムシャフトと、該カムシャフトの該他端部に固定された保持部と、該カムフォロアに対向する位置において該カムシャフトに設けられたカムと、該流量制御バルブの他端と該フレームとの間に介装され該流量制御バルブを常に該カムに向かって付勢し、該カムフォロアを常に該カムに当接させるばねと、を備え、
    該保持部の回動に伴う該カムの回転によって該流量制御バルブは該第1位置と該第2位置との間を移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔機。
  4. 該カムは、該流量制御バルブが該第1位置にある時に該カムフォロアに当接する第1カム面及び該フレームに当接する第1位置維持面と、該流量制御バルブが該第2位置にある時に該カムフォロアに当接する第2カム面及び該フレームに当接する第2位置維持面とを有することを特徴とする請求項3に記載の穿孔機。
  5. 該保持部は、該フレームを保持するためのサイドハンドルを兼ねることを特徴とする請求項3に記載の穿孔機。
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