JP4426497B2 - 打撃工具 - Google Patents

打撃工具 Download PDF

Info

Publication number
JP4426497B2
JP4426497B2 JP2005121504A JP2005121504A JP4426497B2 JP 4426497 B2 JP4426497 B2 JP 4426497B2 JP 2005121504 A JP2005121504 A JP 2005121504A JP 2005121504 A JP2005121504 A JP 2005121504A JP 4426497 B2 JP4426497 B2 JP 4426497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal chamber
flow path
return flow
housing
striking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005121504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006297527A (ja
Inventor
義夫 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP2005121504A priority Critical patent/JP4426497B2/ja
Publication of JP2006297527A publication Critical patent/JP2006297527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4426497B2 publication Critical patent/JP4426497B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Percussive Tools And Related Accessories (AREA)

Description

本発明は、ハウジングに収容した打撃機構によって先端工具へ打撃作動を付与可能とした電動ハンマーやハンマードリル等の打撃工具に関する。
電動ハンマー等の打撃工具では、ハウジング内に、モータ駆動に伴うピストンの往復動で打撃子を連動させる打撃機構を収容して、ハウジングの先端に装着した先端工具へ打撃作動を付与可能としている。このような打撃工具においては、打撃機構を形成するシリンダや打撃子等の構成部の動作性や耐久性の維持のため、打撃機構の収容空間をシールして、その収容空間内にグリース等の潤滑剤を充填している。例えば特許文献1では、収容空間内で打撃機構のレシプロベアリングとファーストギヤとの間に壁を設けて、その壁際に羽根付き段付ワッシャをレシプロベアリングと一体に設けて、打撃機構の作動に伴うレシプロベアリングの回転時には、段付ワッシャの回転によってグリースを撹拌して、特に上向きで打撃工具を使用する際にも打撃機構の構成部にグリースを付着させるようにした発明が記載されている。
特開2000−237976号公報
しかし、このような撹拌構造を採用しても、上向きにしたハウジング内の底部に段付ワッシャが位置することから、収容空間の上側まで潤滑剤が充分に行き渡るとは限らず、潤滑不足のおそれは解消されない。よって、潤滑剤に冷却されないハウジングが高温となって使用者に不快感を与えたり、打撃機構の動作性や構成部の耐久性を低下させたりしてしまう。
そこで、本発明は、使用の際の向きにかかわらず打撃機構への潤滑剤の好適な供給が行えて潤滑不足を解消でき、打撃機構の良好な動作性や耐久性も維持可能となる打撃工具を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、打撃機構の収容空間を、ピストンの往復動に伴って圧力が増減する第一シール室と、その第一シール室に隣接し連通口を介して連通する第二シール室とに区画すると共に、第一シール室と第二シール室とをハウジングに設けた戻り流路で互いに連通するように連結して、連通口と、戻り流路と各シール室との2つの連結口の何れか一方とに、各シール室及び戻り流路間を循環する一方向への開弁方向へのみ開弁動作可能な弁体を夫々設けて、ピストンの往復動に伴う第一シール室内の圧力の増減で2つの弁体を交互に開閉動作させることで、収容空間に充填された潤滑剤を、各シール室及び戻り流路間で強制的に循環可能としたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、弁体を簡単に得るために、弁体を、ピストンが往復動しない常態で連通口又は連結口を閉塞し、弾性変形により開弁動作する弾性体としたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、潤滑剤の効果的な冷却を可能として長寿命化を図るために、戻り流路を蛇行状に形成したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、循環に伴って潤滑剤に混入した不純物を効果的に除去するために、戻り流路の途中に、流路幅が部分的に広くなるポケットを設けたものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの目的に加えて、特に循環に伴って潤滑剤に混入した鉄粉等の不純物を効果的に除去するために、戻り流路の途中に磁石を設けたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの目的に加えて、ハウジング内に、モータの冷却用空気の通気路を形成したものにおいて、潤滑剤のより効果的な冷却を可能とするために、戻り流路を通気路の近傍を通るように形成したものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの目的に加えて、戻り流路を省スペースでコンパクトに形成するために、戻り流路を、ハウジングの外面に凹設した溝と、その溝の外側を閉塞する閉塞部材とで形成したものである。
請求項1に記載の発明によれば、使用の際の向きにかかわらず、潤滑剤が打撃機構の各構成部へ均等且つ充分に行き渡って潤滑不足が解消され、好適な動作性や耐久性を維持可能となる。また、潤滑剤自体の冷却により、ハウジングの温度上昇が抑えられて作業者への不快感発生が防止される上、潤滑剤やシール部材等の長寿命化も図れる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、弾性体によって弁体を簡単に形成可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、蛇行状の戻り流路によって移動距離が長くなることで、潤滑剤の効果的な冷却が可能となって潤滑剤の長寿命化とハウジングの冷却作用とが促進される。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、循環に伴って潤滑剤に混入した不純物をポケットによって除去することができ、不純物による潤滑剤の質の低下を抑えて潤滑剤やシール部品等の長寿命化をより効果的に達成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、特に循環に伴って潤滑剤に混入した鉄粉等の不純物を磁石によって効果的に除去可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、モータの冷却用空気を利用して潤滑剤のより効果的な冷却が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、戻り流路を省スペースでコンパクトに形成可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、打撃工具の一例であるハンマードリルの縦断面図、図2は後述するインナーユニット部分の縦断面図で、ハンマードリル1は、下方にモータ5を上向きに収容し、後方(図1の右側)にハンドル3を延設したモータハウジング2と、そのモータハウジング2の上方に組み付けられる筒状のバレル4とを備え、バレル4とモータハウジング2の上方部とに跨って、回転及び打撃機構を収容するインナーユニット7が保持されている。8はハンドル3に設けられ、押し込み操作によってモータ5を駆動させるスイッチレバー、9はバレル4の前方で直交状に装着されたサイドハンドルである。
インナーユニット7は、バレル4内で同軸で保持される前端と、モータハウジング2内へ伸びる下端とを夫々開口させた倒L字状の筒体であるケーシング10と、そのケーシング10の後方下端を閉塞してモータ5の出力軸6をシール状態で軸支する皿状の下プレート11とを有し、ケーシング10内の後方部は、前端にケーシング10との間で隙間12aを残した仕切壁12によって連通状態で上下に仕切られている。この仕切壁12と下プレート11とにより、ボールベアリング或いはニードルベアリングを介してクランクシャフト13と中間シャフト14とが出力軸6と平行に軸支されている。まずクランクシャフト13は、軸方向へスライド可能にキー結合されてコイルバネ16で下方へ付勢される連結スリーブ15と、その連結スリーブ15の下方位置で噛合するギヤ17とを外装しており、ギヤ17に出力軸6が噛合している。クランクシャフト13の上面には、偏心ピン18が突設されて、偏心ピン18にピストン19がコネクティングロッド20を介して連結されて、クランクシャフト13の回転をピストン19の往復動に変換可能としている。このピストン19は、ケーシング10内で回転可能に保持されるシリンダ29内にシール状態で挿入される。
一方、中間シャフト14は、下端にフランジ22を延設したクラッチスリーブ21を一体回転可能にキー結合しており、そのクラッチスリーブ21のフランジ22上に、出力軸6と噛合するギヤ23を同軸で載置している。クラッチスリーブ21の上方では、皿バネ24,24によって下方へ押圧される押圧プレート25が外装され、この押圧プレート25下面のテーパによって放射方向へ付勢されるスチールボール26,26・・がギヤ23の内周と嵌合して、クラッチスリーブ21とギヤ23とを回転方向で一体に連結している。また、中間シャフト14の上端には、ベベルギヤが形成されて、インナーユニット7のケーシング10に設けた軸受27によって軸支されるベベルギヤ28と噛合している。このベベルギヤ28は、シリンダ29の後端で回転可能に外装されて、シリンダ29にスプライン結合されて後退位置へ付勢されるロックスリーブ30と噛合することで、中間シャフト14の回転をロックスリーブ30を介してシリンダ29に伝達するものである。シリンダ29内には、ピストン19の前方で空気室31を介して打撃子32が前後移動可能に収容されている。
また、ケーシング10内でシリンダ29の前方には、ドリルビット等の先端工具Tを挿着可能な小径部34から後方へ向けて中径部35,大径部36と段階的に大径となるツールホルダ33が、中径部35を軸支するボールベアリング37によって同軸で回転可能に保持されている。大径部36は、シリンダ29の前方に形成された拡開部38に挿入されて、連結ピン39,39によって一体回転可能に連結されている。ツールホルダ33の中径部35内には、中間子40が前後移動可能に収容されて、大径部36と拡開部38内へ前後移動可能に収容された受け部材41,41・・が拡開部38後方に形成された段部42に当接する図2の後退位置では、後端部をシリンダ29内に突出可能となっている。また、ボールベアリング37の前方でケーシング10の前端は、リングキャップ43及びシール部材44,44によってシールされている。45はツールホルダ33に挿入された先端工具Tを着脱する際に操作する操作スリーブである。
そして、インナーユニット7内では、仕切壁12におけるクランクシャフト13よりも後方位置に、仕切壁12の上下を連通させる連通口46が形成されている。仕切壁12の上方でケーシング10内は、ピストン19が挿入されるシリンダ29と、その外周に位置するベベルギヤ28及び軸受27を間にして前後に仕切られる格好となることから、インナーユニット7内には、クランクシャフト13の上方からシリンダ29内におけるピストン19の後方空間まで含む第一シール室47と、仕切壁12の下方空間とケーシング10内のシリンダ29の外周側空間とを隙間12aで繋ぐ第二シール室48との2つのシール室が形成され、第一シール室47と第二シール室48とが連通口46で連通することになる。連通口46における第二シール室48側には、弾性材料からなる弁体49が設けられて、常態(ピストン19が往復動しない状態を言う。以下同じ)では連通口46を閉塞している。50は、ケーシング10の上面後方に形成され、螺合されたキャップ51によって開閉可能なグリースの供給口で、ここからインナーユニット7内へグリース等の潤滑剤を充填することができる。
一方、インナーユニット7の側面には、図3にも示すように、第一シール室47とその前方側の第二シール室48とに対応する位置で外部へ開口する連結口52,53が形成され、連結口52における第一シール室47側には、弾性材料からなる弁体54が設けられて、常態では連結口52を閉塞している。また、インナーユニット7の側面には、連結口52,53を接続する格好で通過溝55が前後方向に凹設されると共に、その外側に、閉塞部材としての長円状の閉塞板56がネジ止めされている。通過溝55の周囲には、長円状のOリング57が全周に亘って埋設されて、通過溝55と閉塞板56との間をシールしている。よって、ここには、第一シール室47と第二シール室48とをケーシング10の外面で連通するように連結する戻り流路58が形成されることになる。
以上の如く構成されたハンマードリル1においては、ツールホルダ33に先端工具Tを挿着して地面等に押し付けると、先端工具Tと共に中間子40が後退して受け部材41がシリンダ29の段部42に当接する後方位置で停止する。ここでスイッチレバー8を押し込んでモータ5を駆動させると、出力軸6の回転がクランクシャフト13と中間シャフト14とに伝わる。クランクシャフト13の回転により、コネクティングロッド20を介してピストン19が往復動すると、これに連動して打撃子32が往復動し、シリンダ29内に突出する中間子40を打撃して、先端工具Tへ打撃作動を伝達する。
一方、中間シャフト14の回転により、ベベルギヤ28及びロックスリーブ30を介してシリンダ29が回転するため、これと一体のツールホルダ33も回転して先端工具Tを回転させる。よって、ハンマードリルモードが得られる。
なお、モータハウジング2の外側に設けられた図示しない切替部材の操作によって、クランクシャフト13の連結スリーブ15をギヤ17と噛合しない上方位置へスライドさせることができる。この状態では、クランクシャフト13は回転せず、打撃作動しないため、中間シャフト14から先端工具Tへ回転のみが伝わるドリルモードとなる。
このハンマードリルモード及びドリルモードにおいては、先端工具Tへの回転方向での負荷が高まると、クラッチスリーブ21とギヤ23とを連結するスチールボール26が皿バネ24の付勢に抗してギヤ23から離れ、ギヤ23のみを空転させてクラッチスリーブ21及び中間シャフト14への回転伝達を遮断する(トルクリミッタの作動)。
また、同じく切替部材の操作によって、ロックスリーブ30を、ベベルギヤ28から離れるニュートラル位置と、さらに前方で回り止め状態で保持される係止スリーブ59に係止するロック位置とにスライドさせることができる。何れの位置でもシリンダ29は回転せず、回転動作が発生しないため、ピストン19の往復動により先端工具Tへ打撃のみが伝わるハンマーモードとなるが、ニュートラル位置ではツールホルダ33及びシリンダ29が回転フリー状態となるため、先端工具Tの向きに合わせてツールホルダ33を回転させることができ、そのままロック位置で回転規制を行うと、先端工具Tの向きが固定されて使い勝手が良くなる。
そして、ハンマードリルモード及びハンマーモードの場合、インナーユニット7内では、ピストン19の往復動に合わせて第一シール室47内の圧力が変動することになる。すなわち、ピストン19の後退によって第一シール室47内の圧力が高まり、前進によって圧力が低くなるが、このピストン19後退時の高圧によって、連通口46の弁体49を図2の二点鎖線で示すように開弁させ、ピストン19前進時の負圧によって、連結口52の弁体54を同様に開弁させる。この弁体49,54の交互の開閉により、第一シール室47内のグリースが、連通口46から第二シール室48内へ押し出され、さらに第二シール室48では隙間12aを通ってシリンダ29の外周側へ移動した後、連結口53を通って戻り流路58の通過溝55内へ押し出されて、通過溝55内を移動して連結口52から再び第一シール室47内に流入する循環を繰り返すことになる。このグリースの循環により、インナーユニット7内の各構成部へグリースが均等に行き渡り、各構成部の動作性を維持すると共に、温度上昇も抑制する。特にインナーユニット7の外で戻り流路58を通る際にはグリース自体の温度が低下するため、インナーユニット7やバレル4の冷却作用も生じる。
このように上記形態のハンマードリルによれば、打撃機構の収容空間となるインナーユニット7の内部を、ピストン19の往復動に伴って圧力が増減する第一シール室47と、その第一シール室47に隣接して連通口46を介して連通する第二シール室48とに区画すると共に、第一シール室47と第二シール室48とを戻り流路58で連結して、連通口46と連結口52とに、各シール室47,48及び戻り流路58間を循環する一方向への開弁方向へのみ開弁動作可能な弁体49,54を夫々設けて、ピストン19の往復動に伴う第一シール室47内の圧力の増減で2つの弁体49,54を交互に開閉動作させることで、使用の際の向きにかかわらず、インナーユニット7内に充填されたグリースを、各シール室47,48及び戻り流路58間で強制的に循環可能としたことで、グリースが打撃機構の各構成部へ均等且つ充分に行き渡って潤滑不足が解消され、好適な動作性や耐久性を維持可能となる。また、グリース自体の冷却により、バレル4の温度上昇が抑えられて作業者への不快感発生が防止される上、グリースやシール部材等の長寿命化も図れる。
特にここでは、弁体49,54を、常態で連通口46又は連結口52を閉塞し、弾性変形により開弁動作する弾性体としたことで、弁体が簡単に形成可能となる。
また、戻り流路58を、インナーユニット7の外面に凹設した通過溝55と、その通過溝55の外側を閉塞する閉塞板56とで形成しているため、戻り流路58を省スペースでコンパクトに形成可能となっている。
以下、変更例について説明する。
上記形態ではインナーユニットの側面に戻り流路を設けているが、連結口や弁体等の設置スペースがあれば、図4に示すようにインナーユニット7の上面に同様の構成で戻り流路58を設けたり、反対側の側面に設けたりしても良い。また、図5に示すように蛇行状に形成した戻り流路60として、インナーユニット7外部でのグリースの移動距離を長くすれば、より効果的な冷却が可能となってグリースの長寿命化やバレル4等の冷却効果が促進される。特に、ここでは、モータ5の出力軸6に設けられた冷却ファン61の回転により、モータハウジング2の後面側に設けた吸気口62,62・・から外気を取り込み、モータ5を通過させてモータハウジング2の下面に設けた排気口63,63・・から排出する通気路が形成されていることから、この通気路に近づくように戻り流路60の後方側の蛇行部を下方に長く形成している。よって、モータ5の冷却用空気も利用したより効果的な冷却が可能となっている。
また、戻り流路では、図5のように通過溝55の途中に流路幅が部分的に広くなるポケット64を形成しておくと、グリースに混入した不純物(鉄粉やコンクリート粉等)を溜めて除去することができ、磁石65を配置しておくと、特に鉄粉等の磁性を有する粉塵を効果的に除去することができ、何れの場合もグリースやOリング等のシール部品の長寿命化に繋がる。さらに、潤滑剤としてはグリース以外に粘度の低いオイル等も使用可能であるため、低粘度の潤滑剤を使用する場合はポケットや磁石に代えてフィルタを配設しても良い。勿論このようなポケットや磁石、フィルタ等は図1,2のような直線状の戻り流路に採用することもできる。
さらに、上記形態では戻り流路をインナーユニットの外面に形成しているが、図6に示すように、インナーユニット7のケーシング10に嵌着されるエルボ66,66と、両エルボ66,66間を連結するパイプ67とで、インナーユニット7との外側で非接触となる戻り流路68を形成しても良い。この場合、第一シール室47側のエルボ66の出口に弁体54が設けられることになる。このような戻り流路68によれば、インナーユニット7からの熱伝導が少なくなり、戻り流路68を通過する際のグリースの冷却効果が高まる。特に、エルボ66やパイプ67をアルミニウム等の金属製とすれば、放熱効果が得られてグリースの冷却に有効である。
一方、インナーユニット等のハウジングの外面でなく、インナーユニット等のハウジングの内面に凹設した溝と閉塞部材とでハウジングの内側に戻り流路を形成することもできる。
なお、このようにインナーユニットの外面以外に戻り流路を設ける場合も、蛇行状に形成して移動距離を長くしたり、内部にポケットや磁石、フィルタ等を設けたり、モータの冷却用空気の通気路の近傍に設けたりする等、上記形態と同様の設計変更が可能である。
そして、第一シール室、第二シール室、戻り流路の順で潤滑剤を循環させる形態に限らず、例えば上記形態では、連通口46における第一シール室47側に弁体49を、連結口52における戻り流路58側に弁体54を夫々設けることで、循環方向を逆にすることもできる。また、第一シール室に近い連結口でなく、反対側の連結口に弁体を設けて戻り流路を第一シール室と常態で連通させ、当該連結口の開閉動作で潤滑剤を出入りさせることも可能である。
その他、上記形態ではバレルやモータハウジング内にインナーユニットを設ける二重構造のもので本発明を適用しているが、インナーユニットを有しない構造であっても、シールされたハウジング内で各シール室と戻り流路とが形成可能であれば当然本発明は適用可能である。
また、弁体も上記形態のように自身の弾性変形で開弁動作する弾性体でなく、合成樹脂やゴム等の弁体を、コイルバネや板バネ等の別途設けた付勢手段で閉弁方向へ付勢する構造としたり、第一シール室内の圧力を検出して他のアクチュエータで強制的に開閉動作させたりする設計変更も可能である。
さらに、打撃機構の具体的な構造も上記形態に限らず、中間子がなく打撃子が直接先端工具を打撃するものや、ピストンが、前方の開口から打撃子を収容してツールホルダ内で前後移動するピストンシリンダタイプのもの等であっても、打撃作動時のシール室内の圧力変動を利用可能であれば、本発明の採用は可能である。勿論打撃工具自体もハンマードリルに限らず、シリンダやツールホルダが回転しない電動ハンマーであっても差し支えない。
ハンマードリルの縦断面図である。 インナーユニット部分の縦断面図である。 インナーユニットのケーシングの説明図で、上が平面、下が閉塞板を取り外した状態の側面、左がA−A線断面を夫々示す。 変更例のケーシングの説明図で、上が閉塞板を取り外した状態の平面、下が側面、左がB−B線断面を夫々示す。 戻り流路の変更例を閉塞板を取り外した状態で示すハンマードリルの縦断面図である。 戻り流路の変更例を示す説明図で、上がインナーユニットを上方から見た一部断面図、下がインナーユニット部分の縦断面図である。
符号の説明
1・・ハンマードリル、2・・モータハウジング、4・・バレル、5・・モータ、6・・出力軸、7・・インナーユニット、10・・ケーシング、11・・下プレート、12・・仕切壁、13・・クランクシャフト、14・・中間シャフト、19・・ピストン、29・・シリンダ、31・・空気室、32・・打撃子、33・・ツールホルダ、40・・中間子、46・・連通口、47・・第一シール室、48・・第二シール室、49,54・・弁体、52,53・・連結口、55・・通過溝、56・・閉塞板、57・・Oリング、58,60,68・・戻り流路、66・・エルボ、67・・パイプ。

Claims (7)

  1. ハウジング内に、モータ駆動に伴うピストンの往復動で打撃子を連動させ、前記ハウジングの先端に装着した先端工具へ打撃作動を付与可能とした打撃機構を、シール状態で収容し、その収容空間内に潤滑剤を充填可能とした打撃工具であって、
    前記打撃機構の収容空間を、前記ピストンの往復動に伴って圧力が増減する第一シール室と、その第一シール室に隣接し連通口を介して連通する第二シール室とに区画すると共に、前記第一シール室と第二シール室とを前記ハウジングに設けた戻り流路で互いに連通するように連結して、前記連通口と、前記戻り流路と各シール室との2つの連結口の何れか一方とに、前記各シール室及び戻り流路間を循環する一方向への開弁方向へのみ開弁動作可能な弁体を夫々設けて、前記ピストンの往復動に伴う前記第一シール室内の圧力の増減で前記2つの弁体を交互に開閉動作させることで、前記収容空間に充填された潤滑剤を、前記各シール室及び戻り流路間で強制的に循環可能としたことを特徴とする打撃工具。
  2. 弁体を、ピストンが往復動しない常態で連通口又は連結口を閉塞し、弾性変形により開弁動作する弾性体とした請求項1に記載の打撃工具。
  3. 戻り流路を蛇行状に形成した請求項1又は2に記載の打撃工具。
  4. 戻り流路の途中に、流路幅が部分的に広くなるポケットを設けた請求項1乃至3の何れかに記載の打撃工具。
  5. 戻り流路の途中に磁石を設けた請求項1乃至4の何れかに記載の打撃工具。
  6. ハウジング内に、モータの冷却用空気の通気路を形成したものにあっては、戻り流路を前記通気路の近傍を通るように形成した請求項1乃至5の何れかに記載の打撃工具。
  7. 戻り流路を、ハウジングの外面に凹設した溝と、その溝の外側を閉塞する閉塞部材とで形成した請求項1乃至6の何れかに記載の打撃工具。
JP2005121504A 2005-04-19 2005-04-19 打撃工具 Expired - Fee Related JP4426497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121504A JP4426497B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 打撃工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121504A JP4426497B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 打撃工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006297527A JP2006297527A (ja) 2006-11-02
JP4426497B2 true JP4426497B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=37466225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005121504A Expired - Fee Related JP4426497B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 打撃工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4426497B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017019081A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 株式会社マキタ 打撃工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006297527A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7705497B2 (en) Power tool cooling
EP2281662B1 (en) Power tool
EP2103389A1 (en) Impact tool
JP5015697B2 (ja) 打撃工具
EP1561547A2 (en) Drilling machine
JP2006175591A (ja) 動力工具と動力工具のトランスミッションハウジング
JP4446248B2 (ja) ハンマドリル
JP2006175586A (ja) 動力工具と動力工具の駆動機構
US20110155402A1 (en) Power Tool Having Lubricant Leakage Preventing Structure
US11529727B2 (en) Power tool having hammer mechanism
US8286725B2 (en) Drive mechanism for power tool
JP4726732B2 (ja) 作業工具
JP4426497B2 (ja) 打撃工具
JP5194554B2 (ja) 動力工具
US11845170B2 (en) Power tool
US9956675B2 (en) Hammer drive mechanism
JP2006175590A (ja) 動力工具と動力工具のトランスミッションハウジング
US11642769B2 (en) Power tool having a hammer mechanism
CN114939850A (zh) 冲击工具
JP4423244B2 (ja) 衝撃式作業工具
EP3812098A1 (en) Rotary hammer
JP2004114250A (ja) 打撃工具の潤滑機構
JP2006198718A (ja) 穿孔機
JP2002144121A (ja) ハンマドリル
KR20000017784U (ko) 해머 및 해머드릴의 피스톤 및 컨넥팅 로드

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees