JP4423244B2 - 衝撃式作業工具 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明に係る衝撃式作業工具は、工具本体と、工具本体の先端領域に配置される工具ビットと、工具本体内に設けられた筒状部と、筒状部内に工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置されるとともに、一端が開放された筒孔を有する駆動筒体と、駆動筒体の筒孔内に工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置された打撃子と、駆動筒体を摺動動作させる作動機構と、を有する。そして作動機構により駆動筒体を摺動動作させることによって、当該駆動筒体内の空気の圧力変化を介して打撃子を摺動動作させ、これによって工具ビットを打撃する。
ここで「筒状部」は、工具本体に一体に設けられる態様、あるいは工具本体と別体で形成したものを後付けする態様のいずれも好適に包含する。また「駆動筒体内の空気の圧力変化」とは、典型的には、駆動筒体が摺動動作を行うことによって、当該駆動筒体の内壁面と打撃子の軸方向端面とによって区画される空間の空気の圧力を増減させる態様がこれに該当する。また「工具ビットを打撃する」とは、駆動筒体内の空気の圧力変化によって打撃子を工具ビットに直接衝突させて駆動する形態、駆動筒体内の空気の圧力変化によって駆動された打撃子を他の衝撃力発生要素(例えばインパクトボルト)に衝突させるとともに、当該衝撃力発生要素を工具ビットに衝突させるといった間接的な駆動形態のいずれも好適に包含される。本発明における「衝撃式作業工具」は、工具ビットが長軸方向の打撃動作を行うことによって被加工材にハンマ作業を遂行するハンマ、ハンマドリルがこれに該当する。
なお駆動筒体を合成樹脂から形成する場合、例えば自己潤滑性の合成樹脂製とすることが考えられるが、これでは、成形材料の種類に制約を受けてしまう点で難点がある。本発明によれば、駆動筒体を合成樹脂から形成した上で、当該駆動筒体に潤滑剤溜りを設ける構成としたものであり、このことによって、当該潤滑剤溜りに貯留される潤滑剤によって駆動筒体を積極的に潤滑できるとともに、駆動筒体を自己潤滑性の合成樹脂製とする場合とは異なり、成形材料に制約を受けることなく衝撃式作業工具の駆動筒体として好適な樹脂材料を選択することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の衝撃式作業工具における潤滑剤溜りは、前記駆動筒体の外周面に軸方向に連続した領域が保有されるように設定された構成とされる。ここで「軸方向に連続した領域が保有される」とは、潤滑剤溜りが駆動筒体の周方向に螺旋状に延びる態様、潤滑剤溜りが駆動筒体の周方向に断続的に延びる態様、潤滑剤溜りが駆動筒体の軸方向に延びる態様等、広く包含する。このように、本発明によれば、駆動筒体の外周面は、潤滑剤溜りを有する構成でありながら、軸方向において連続した領域を保有する。つまり駆動筒体には軸方向に途切れのない外周面が形成される。これによって、駆動筒体が摺動動作する際の軸方向のガイド性が維持されることとなり、摺動動作の安定性が得られる。
請求項3に記載の発明に係る衝撃式作業工具は、工具本体と、工具本体の先端領域に配置される工具ビットと、工具本体内に設けられた筒状部と、筒状部内に工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置されるとともに、一端が開放された筒孔を有する駆動筒体と、駆動筒体の筒孔内に工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置された打撃子と、駆動筒体を摺動動作させる作動機構と、を有する。そして作動機構により駆動筒体を摺動動作させることによって、当該駆動筒体内の空気の圧力変化を介して打撃子を摺動動作させ、これによって工具ビットを打撃する。
ここで「筒状部」は、工具本体に一体に設けられる態様、あるいは工具本体と別体で形成したものを後付けする態様のいずれも好適に包含する。また「駆動筒体内の空気の圧力変化」とは、典型的には、駆動筒体が摺動動作を行うことによって、当該駆動筒体の内壁面と打撃子の軸方向端面とによって区画される空間の空気の圧力を増減させる態様がこれに該当する。また「工具ビットを打撃する」とは、駆動筒体内の空気の圧力変化によって打撃子を工具ビットに直接衝突させて駆動する形態、駆動筒体内の空気の圧力変化によって駆動された打撃子を他の衝撃力発生要素(例えばインパクトボルト)に衝突させるとともに、当該衝撃力発生要素を工具ビットに衝突させるといった間接的な駆動形態のいずれも好適に包含される。本発明における「衝撃式作業工具」は、工具ビットが長軸方向の打撃動作を行うことによって被加工材にハンマ作業を遂行するハンマ、ハンマドリルがこれに該当する。
本発明においては、駆動筒体を合成樹脂から形成する一方、筒状部および打撃子をそれぞれ金属材料から形成したことによって、同じ材料同士で摺動動作する場合に起こり易い「カジリ」の問題を解消できる。すなわち、本発明によれば、駆動筒体を合成樹脂から形成することで、当該駆動筒体の外側に配置される筒状部、および内側に配置される打撃子に対する合理的なカジリ対策が実現され、筒状部と打撃子との双方に対する良好な摺動性を得ることができる。また本発明では、駆動筒体を合成樹脂製とすることにより、その軽量化が可能となる結果、当該駆動筒体を駆動する作動機構の駆動エネルギを効率的に利用できる。また駆動筒体を合成樹脂から形成する構成としたことによって、当該筒状部材に対する、駄肉を排除するための肉盗みの設定、あるいは駆動筒体内の空気の圧力変化を制御する呼吸孔(吸気孔)や空打ち防止孔の設定等を、型を用いて駆動筒体を成形する際に適正な位置精度および寸法精度で容易に形成することができる。
そしてピストンシリンダ141に潤滑剤を貯留するべく設定される潤滑剤溜り151は、たとえ複雑な形状であっても、型を用いてピストンシリンダ141を樹脂成形する際に、同時に形成することが可能なことから、機械加工によって潤滑剤溜りを形成する場合に比べて容易に設定でき、コストダウンが図れる。
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
106 インナハウジング
107 ギアハウジング
109 グリップ
111 駆動モータ
112 アーマチュアシャフト
113 運動変換機構(作動機構)
114 動力伝達機構
115 打撃機構
117 トリガ
119 ドリルビット(工具ビット)
121 駆動ギア
123 被動ギア
124 連結軸
125 中間軸
126 ボールベアリング
127 回転体
128 揺動ロッド
128a 球面部
129 スワッシュプレート
131 第1伝達ギア
133 第2伝達ギア
135 スリーブ
137 ツールホルダ
141 ピストンシリンダ
141a 連接領域
141b 取付孔
141c 凹面
141d 開口部
142 シリンダ室
143 ストライカ
144 呼吸孔
145 インパクトボルト
146 空打ち防止孔
151 潤滑剤溜り
151a〜151d 溝
153 肉盗み
Claims (3)
- 工具本体と、
前記工具本体の先端領域に配置される工具ビットと、
前記工具本体内に設けられた筒状部と、
前記筒状部内に前記工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置されるとともに、一端が開放された筒孔を有する駆動筒体と、
前記駆動筒体の筒孔内に前記工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置された打撃子と、
前記駆動筒体を摺動動作させる作動機構と、を有し、
前記作動機構により前記駆動筒体を摺動動作させることによって、当該駆動筒体内の空気の圧力変化を介して前記打撃子を摺動動作させ、これによって前記工具ビットを打撃する衝撃式作業工具であって、
前記駆動筒体は、合成樹脂から形成されるとともに、外周面には当該駆動筒体と前記筒状部との摺動面間の潤滑に用いられる潤滑剤を貯留する潤滑剤溜りが形成されていることを特徴とする衝撃式作業工具。 - 請求項1に記載の衝撃式作業工具であって、
前記潤滑剤溜りは、前記駆動筒体の外周面に軸方向に連続した領域が保有されるように設定されていることを特徴とする衝撃式作業工具。 - 工具本体と、
前記工具本体の先端領域に配置される工具ビットと、
前記工具本体内に設けられた筒状部と、
前記筒状部内に前記工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置されるとともに、一端が開放された筒孔を有する駆動筒体と、
前記駆動筒体の筒孔内に前記工具ビットの長軸方向への摺動動作可能に配置された打撃子と、
前記駆動筒体を摺動動作させる作動機構と、を有し、
前記作動機構により前記駆動筒体を摺動動作させることによって、当該駆動筒体内の空気の圧力変化を介して前記打撃子を摺動動作させ、これによって前記工具ビットを打撃する衝撃式作業工具であって、
前記駆動筒体は、合成樹脂から形成されるとともに、当該駆動筒体に対して相対的に摺動動作される前記筒状部および打撃子がそれぞれ金属材料から形成されていることを特徴とする衝撃式作業工具。
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