JP2006198506A - パターン形成方法及び液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板上の画素形成領域の不良箇所の検査や修復を省略できるパターン形成方法及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 液滴吐出ヘッド26のノズルプレート27に液滴吐出ノズル28が複数形成されている。液滴吐出ヘッド26は、各液滴吐出ノズル28の直下に搬送されてきたガラス基板に形成されたバンクによって区画されたそれぞれ対応する凹部が相対向するように配置されたとき、各液滴吐出ノズル28から微小液滴が複数回吐出され、同凹部に機能液の液滴を付着させる。また、ノズルプレート27のノズル形成面27aには、各液滴吐出ノズル28毎に、液滴吐出ノズル28に対して反Y矢印方向に所定の間隔をおいた位置に刷毛体29を植設した。刷毛体29は、バンクBにて区画形成された凹部内に付着した機能液の液滴を攪拌する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、パターン形成方法及び液滴吐出装置に関する。
近年、液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタの製造方法として、インクジェット法による製造方法が用いられている。
このインクジェット法は、基板上にマトリクス状に多数形成された画素形成領域(クロム層で形成されたブラックマトリクスで囲まれた領域)に、液体吐出装置の吐出ノズルからカラーフィルタ形成材料を含む機能液の微小液滴を吐出して、その画素形成領域に付着させた機能液の液滴を乾燥・硬化させることによって画素形成領域にカラーフィルタを形成する。
このインクジェット法によれば、顔料分散法、電着法、印刷法等と比較して、製造工程が少なくてすむ。しかし、インクジェットヘッドによって画素形成領域に付着された機能液の液滴が画素形成領域の端まで濡れ広がらなかった場合には、画素形成領域で形成される画素について色抜けが生じてしまい、品質が低下してしまう。このため、後工程での検査、修復が必要となり、結果的に生産性が低下してコストアップにつながるという問題があった。
そこで、従来より、こうしたカラーフィルタの製造方法として、品質を維持しながら、生産性の低下を回避する提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1によれば、インクジェットヘッドによって画素形成領域を着色する場合、第1のヘッドが吐出する1つの着色剤毎に着色の良不良を判定し、即座に第1のヘッドに連続する第2のヘッドによって修復を行う。これにより、インクジェットヘッドの1回の走査で着色と修復が行われるため、後工程で検査と修復を行う場合に比較して短時間で良品のカラーフィルタが得られ、カラーフィルタのローコスト化を実現することができる。
特開平8−292311
しかしながら、上記特許文献1に記載されるカラーフィルタの製造方法では、不良箇所を検査し、その不良箇所に着色剤を描画して修復する時間が必要となる。これにより、時間的なロスが生じ、しいては生産性が低下してしまう問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板上に形成したパターン形成領域にパターン形成材料を含む機能液の微小液滴を吐出した後、再度の機能液の微小液滴の吐出による修復を省略でき、容易に機能液の液滴をパターン形成領域の端部にまで濡れ広がらせることのできるパターン形成方法を提供することにある。
また、別の目的は、基板上の画素を形成する画素形成領域の不良箇所の検査や修復を省略することができる液滴吐出装置を提供することにある。
本発明のパターン形成方法は、パターン形成材料を含む機能液を基板上に形成された複数のパターン形成領域に付着させた後、機能液攪拌部材を前記機能液と接触させるとともに、前記機能液攪拌部材と前記基板とを相対移動させて前記機能液攪拌部材にて前記機能液を前記パターン形成領域の端部にまで塗布させる。
本発明のパターン形成方法によれば、パターン形成領域に付着した機能液の液滴は、機能液攪拌部材によって攪拌されてパターン形成領域全体に塗り広げられる。従って、再度の機能液の吐出による修復を省略でき、容易に機能液をパターン形成領域の端部にまで濡れ広がらせることのできる。
このパターン形成方法は、前記機能液攪拌部材は、毛状の刷毛体である。このパターン形成方法によれば、機能液攪拌部材は、毛状の刷毛体で形成されているため、パターン形成領域内に付着した機能液の液滴を攪拌してパターン形成領域の端部にまで塗り広げることができる。従って、再度の機能液の吐出による修復を省略でき、容易に機能液をパターン形成領域の端部にまで濡れ広がらせることのできる。
このパターン形成方法は、前記機能液攪拌部材は、パターン形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成された。
このパターン形成方法によれば、機能液攪拌部材はパターン形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成されている。従って、パターン形成領域を傷つけることなく、パターン形成領域内に吐出された機能液の微小液滴をパターン形成領域の端部にまで塗り広げることができる。
このパターン形成方法は、前記機能液攪拌部材は、親液性の材料により形成された。このパターン形成方法によれば、機能液攪拌部材とパターン形成領域内に付着した機能液の液滴との濡れ性が高くなる。即ち、機能液攪拌部材との接触界面での付着力が向上する。従って、機能液攪拌部材によって機能液がより確実に引っ張られ、効率よくパターン形成領域の端部にまで塗り広げることができる。
本発明の液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドに形成された液滴吐出ノズルから画素形成材料を含む機能液の微小滴を吐出して、前記液滴吐出ヘッドと相対移動する基板に形成された画素形成領域に前記機能液の液滴を付着する液滴吐出装置において、前記画素形成領域に付着した前記液滴を、前記相対移動とともに前記画素形成領域内で攪拌させる液滴攪拌部材を設けた。
本発明の液滴吐出装置によれば、画素形成領域内に付着した液滴を攪拌させる液滴攪拌部材が設けられている。これにより、液滴吐出ノズルから吐出して画素形成領域内に付着した機能液の液滴が、液滴攪拌部材によって攪拌されて画素形成領域全体に塗り広げられる。従って、画素形成領域の不良箇所の検査や修復を省略することができ、即ち、生産性を低下させずに、画素形成領域全体に機能液を濡れ広げることができる。
この液滴吐出装置は、前記液滴攪拌部材は、前記液滴吐出ノズルが形成されたノズルプレートの前記液滴吐出ノズルに対して相対移動方向に所定間隔離間した位置に形成した。
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ノズルから吐出して画素形成領域内に付着した機能液の液滴が、液滴攪拌部材によって攪拌されて画素形成領域全体に形成領域に塗り広げられる。従って、画素形成領域の不良箇所の検査や修復に要する時間をかけることなく、即ち、生産性を低下させずに、画素形成領域全体に機能液を濡れ広げることができる。
この液滴吐出装置は、前記液滴攪拌部材は、毛状である。この液滴吐出装置によれば、液滴攪拌部材は毛状の刷毛体で形成されているため、画素形成領域内に付着した機能液の液滴を攪拌して画素形成領域の端部にまで塗り広げることができる。従って、画素形成領域の不良箇所の検査や修復に要する時間をかけることなく、画素形成領域全体に機能液を濡れ広げることができる。
この液滴吐出装置は、前記液滴攪拌部材は、画素形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成された。
この液滴吐出装置によれば、液滴攪拌部材は画素形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成されている。従って、画素形成領域を傷つけることなく、画素形成領域全体に機能液を濡れ広げることができる。
この液滴吐出装置は、前記液滴攪拌部材は、親液性の材料により形成された。この液滴吐出装置によれば、液滴攪拌部材と画素形成領域内に付着した機能液の液滴との濡れ性が高くなる。即ち、液滴攪拌部材との接触界面での付着力が向上する。従って、液滴攪拌部材によって機能液がより確実に引っ張られ、効率よく画素形成領域の端部にまで塗り広げることができる。
以下、本発明の液滴吐出装置を具体化した実施形態を図1〜図6に従って説明する。
まず、本発明の液滴吐出装置によって、製造される有機エレクトロルミミネッセンス表示装置(以下、単に有機EL装置という)について説明する。図1は有機EL装置の正面図、図2はその有機EL装置の図1中のa−a線の要部断面図である。
図1において、有機EL装置1は、本実施形態ではトップエミッション型の表示装置であって、平面板状の被処理基板としての光透過性のガラス基板2を備えている。そのガラス基板2の表面(画素形成面2a)の略中央位置には、四角形状の表示領域Rが形成されている。その表示領域R内には、図1に示すように、m×n個の画素3がマトリクス状に形成されている。ガラス基板2上であって、表示領域R以外の領域(非表示領域)には、走査線駆動回路5が形成されている。
表示領域Rには、1行当たりm個の画素3がn行、また、1列当たりn個の画素3がm列、形成されている。各画素3は、赤色の光を出射する赤色有機EL素子、緑色の光を出射する緑色有機EL素子、青色の光を出射する青色有機EL素子とから構成されている。そして、各画素3は、図1中X方向(行方向)に沿って、赤色の有機EL素子4R、緑色の有機EL素子4G、青色の有機EL素子4Bの順で配置されている。
即ち、図1中X方向(行方向)においては、赤色の有機EL素子4R、緑色の有機EL素子4G、青色の有機EL素子4Bの順が繰り返されて配置される。また、図1Y方向(列方向)においては、同色の有機EL素子4R,4G,4Bが配置される。
図2に示すように、発光素子としての各有機EL素子4R,4G,4Bは、ガラス基板2上の回路形成層6に形成される。回路形成層6は、表示領域Rに形成される各画素3を駆動させるための薄膜トランジスタ8等といった回路素子や、非表示領域に形成される走査線駆動回路5を構成する回路素子の一部又は全部が形成される層である。そして、回路形成層6の表示領域Rに対応した領域に各有機EL素子4R,4G,4Bを区画するバンクBが形成されている。
バンクBは、二酸化珪素よりなる第1バンクB1の上にアクリル樹脂、ポリイミド樹脂や、撥液性のあるフッ素有機樹脂等の有機樹脂よりなる第2バンクB2が積層されて形成されている。第2バンクB2は、有機EL素子4R,4G,4Bを形成することになる後工程のために、撥液性であることが好ましい。従って、フッ素系樹脂を除いて第2バンクB2をアクリル樹脂やポリイミド樹脂で形成する際には、CF4プラズマ処理により表面を撥液化する必要がある。
各バンクBによって区画されたパターン形成領域又は画素形成領域としての凹部9の底
面には陽極10が形成されている。各陽極10は、対応する薄膜トランジスタ8とコンタクトホール11を介して電気的に接続されている。各凹部9において、その陽極10上には、有機材料からなる有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)12が形成されている。有機EL層12は、本実施形態においては、正孔輸送層13、そして、正孔輸送層13の上に赤色発光層14、緑色発光層15又は青色発光層16の2層からなる有機化合物層である。赤色発光層14は、赤色の光を出射する有機発光材料で構成された発光層である。また、緑色発光層15は、緑色の光を出射する有機発光材料で構成された発光層である。青色発光層16は、青色の光を出射する有機発光材料で構成された発光層である。
この正孔輸送層13及び各発光層14,15,16は、本実施形態では、インクジェット法を利用して行う。詳述すると、正孔輸送層13は、パターン形成材料又は画素形成材料としての輸送材料(正孔輸送層有機材料)を溶媒に溶解または分散させた機能液を液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の液滴吐出ノズルから各バンクBによって区画された凹部9に吐出させる。そして、凹部9に吐出した機能液を乾燥し形成する。同様に、各発光層14,15,16は、パターン形成材料又は画素形成材料としての発光材料(発光層有機材料)を溶媒に溶解または分散させた機能液を液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の液滴吐出ノズルから正孔輸送層13が形成された凹部9に吐出させる。そして、凹部9に吐出した機能液を乾燥して形成する。
発光層14,15,16及びバンクBの上面には、ITOよりなる透明の陰極18が形成されている。また、陰極18は非表示領域上を覆うように形成されている。そして、陽極10、正孔輸送層13、発光層14,15,16及び陰極18で、各有機EL素子4R,4G,4Bが形成される。そして、陰極18の上側には、図示しない樹脂等のコーティング材で形成され、各種金属膜や有機EL層12の酸化等を防止するための封止部19が形成されている。
そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極10に供給されると、有機EL層12は、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層12から陰極18側(図2における上側)に、向かって発光された光は、陰極18、封止部19を通過する(以下、透過光という)。また、有機EL層12から陽極10側に向かって発光された光は、陽極10によって反射され(以下、反射光という)、有機EL層12、陰極18、封止部19を通過する。そして、前記透過光と反射光とが干渉した光が図示しない保護ガラス基板側に出射される。
次に、有機EL装置1の製造工程の一つであって、発光層14を形成するために、各バンクBによって区画された凹部9に、発光材料(発光層有機材料)を溶媒に溶解または分散させた機能液を吐出させる液滴吐出装置を説明する。
なお、画素3は、赤色の有機EL素子4R、緑色の有機EL素子4G、青色の有機EL素子4Bとから構成されていて、それぞれ形成する有機EL素子によって機能液に含まれる発光材料が異なる機能液が使用されるが、説明の便宜上、各凹部9には、同じ発光材料(発光層有機材料)を含む機能液を吐出させるとして説明する。
図3及び図4に示すように、液滴吐出装置20は、支持台21を有し、その支持台21には、搬送台22が設けられている。搬送台22は、支持台21に対して図示しないY軸
駆動機構により、Y矢印方向及び反Y矢印方向に沿って往復移動するようになっている。
この搬送台22には、ガラス基板2がその表面(画素形成面2a)を上側にして載置され、ガラス基板2を、Y矢印方向及び反Y矢印方向に搬送するようになっている。そして、搬送台22によって搬送されるガラス基板2は、その表示領域R内においてバンクBに
よって区画された凹部9内に形成される発光層14を形成するための発光材料(発光層有機材料)を含む機能液の微小液滴D1が吐出されるようになっている。
支持台21には、門形の支持フレーム23が、Y矢印方向(半Y矢印方向)に移動する搬送台22を跨ぐように立設されている。支持フレーム23は、X矢印方向に沿って、支持台21に架設されている。この支持フレーム23には、X矢印方向に延びるガイドレール24が配設されている。
ガイドレール24には、キャリッジ25が摺動可能に設けられている。このキャリッジ25は、X軸駆動機構により、ガイドレール24に沿って往復可能になっている。
また、キャリッジ25には、液滴吐出ヘッド26が一体に設けられている。図5は、液滴吐出ヘッド26の下面を上方に向けた場合の斜視図を示す。液滴吐出ヘッド26は、その下面にノズルプレート27を備え、ノズルプレート27のノズル形成面27aには、複数個(本実施形態では説明の便宜上16個)の液滴吐出ノズル28がX矢印方向に一列となって等間隔に貫通形成されている。
さらに、液滴吐出ヘッド26は、各液滴吐出ノズル28に対して圧電素子(図示しない)がそれぞれ内蔵されていて、その圧電素子に対して印加電圧を制御することにより、液滴吐出ヘッド26内に一時貯留されている発光材料を含む機能液をそれぞれ微小液滴D1にして吐出するようになっている。
つまり、図6(a)に示すように、各液滴吐出ノズル28の直下に、ガラス基板2上に形成されたバンクBによって区画されたそれぞれ対応する凹部9が相対向するように配置されたとき、各液滴吐出ノズル28から微小液滴D1が複数回吐出され、同凹部9に機能液の液滴D2が付着される。
図5に示すように、ノズルプレート27のノズル形成面27aには、各液滴吐出ノズル28毎に、液滴吐出ノズル28に対して反Y矢印方向に所定の間隔をおいた位置に機能液攪拌部材及び液滴攪拌部材としての刷毛体29が植設されている。刷毛体29は、毛状をなしており、可撓性を有している。刷毛体29の長さは、図6(b)に示すように、液滴吐出ヘッド26(ノズルプレート27のノズル形成面27a)とガラス基板2が対峙したとき、刷毛体29の先端が、バンクBにて区画形成された凹部9内に挿入することができる長さに形成されている。なお、刷毛体29は、エラストマ等のような柔軟性のある弾性体であって、バンクBを形成する材料よりも硬度の低い、親液性のある素材によって形成されている。
従って、ガラス基板2が反Y矢印方向に搬送されながら液滴吐出ノズル28から吐出された微小液滴D1によって凹部9に同機能液の液滴D2が付着される。そして、凹部9に付着された機能液の液滴D2は、後続の刷毛体29が凹部9を反Y矢印方向から進入し、Y矢印方向に移動して退出することによって攪拌され引き伸ばされる。その結果、例えば図6(a)に示すように、凹部9に付着された液滴D2が何らかの原因で凹部9の一側面9a側に偏って付着した場合、後続の刷毛体29によって、該液滴D2を凹部9の他側面9bまで濡れ広がらせることができる。
次に、液滴吐出装置20によって、ガラス基板2上にバンクBで区画された凹部9に発光層14を形成するための機能液の液滴D2を付着させる方法を説明する。
いま、搬送台22にガラス基板2を固定するとともに、支持フレーム23よりもY矢印側に配置する。そして、キャリッジ25は、液滴吐出ヘッド26の各液滴吐出ノズル28の直下をガラス基板2上にY矢印方向に形成された凹部9が反Y矢印方向に通過する位置に配置する。なお、搬送台22に固定されたガラス基板2は、図6(a)に示すようにバ
ンクBで区画形成された各凹部9に正孔輸送層13がそれぞれ形成されているガラス基板2である。
この状態から、搬送台22を反Y矢印方向に移動させる。やがて、各液滴吐出ノズル28の直下を、ガラス基板2上に形成されたバンクBによって区画された凹部9が相対向すると、各液滴吐出ノズル28から微小液滴D1が複数回吐出され、同凹部9に機能液の液滴D2が付着される。
続いて、図6(b)〜(d)に順に示すように、機能液の液滴D2が付着された凹部9は、ガラス基板2が反Y矢印方向に搬送されていることによって、刷毛体29が凹部9に反Y矢印方向側から進入し、Y矢印方向側に移動し退出していく。このとき、凹部9に付着された液滴D2は、刷毛体29によって凹部9内で攪拌される。以後、液滴吐出ヘッド26の直下を通過するガラス基板2に形成された凹部9は、液滴吐出ヘッド26によって、機能液の液滴D2が付着され、その付着された液滴D2が刷毛体29に攪拌され凹部9全体に濡れ広がる。従って、図6(a)に示すように凹部9に付着された液滴D2が何らかの原因で凹部9の一側面9a側に偏って付着した場合、後続の刷毛体29によって、該液滴D2を凹部9の他側面9bまで濡れ広がらせることができる。
そして、液滴吐出装置20によって、全ての凹部9に液滴D2を付着させると、図示しない乾燥工程に移り、機能液の液滴D2の溶媒を揮発させて発光層14が形成される。このとき、凹部9に付着された液滴D2が刷毛体29に攪拌され、凹部9全体に濡れ広がっているため、抜けのない膜厚が一様な発光層14が形成される。
次に、上記実施形態の効果を記載する。
(1)本実施形態によれば、ノズルプレート27に、各液滴吐出ノズル28に対して反Y矢印方向に所定の間隔をおいた位置に刷毛体29を植設した。これにより、液滴吐出ノズル28から吐出した微小液滴D1にて凹部9内に付着された液滴D2が、刷毛体29にて攪拌されるため、液滴D2は凹部9全体に塗り広げられる。従って、凹部9(画素形成領域)に形成された発光層14の不良箇所の検査や修復に要する時間をかけることなく、即ち、生産性を低下させずに、凹部9全体に液滴D2を濡れ広げることができる。
(2)本実施形態によれば、刷毛体29は、毛状に形状した。従って、刷毛体29は凹部9内の液滴D2を攪拌することができる。
(3)本実施形態によれば、刷毛体29は、バンクBを形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成した。従って、凹部9を傷つけることなく、凹部9内に付着した液滴D2を攪拌することができる。
(4)本実施形態によれば、刷毛体29は、親液性のある素材によって形成した。これにより、刷毛体29と凹部9内に付着した液滴D2との濡れ性が高くなる。即ち、刷毛体29との接触界面での付着力が向上する。従って、刷毛体29の攪拌に伴い、液滴D2は、刷毛体29によってより確実に引っ張られて効率よく攪拌される。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、液滴吐出ノズル28に対して1つ刷毛体29を設けた。これに代えて、図7に示すように、刷毛体29を、X矢印方向に対して連続して多数植設して液滴吐出ノズル28の列と平行なブラシ状に形成してもよい。
・上記実施形態では、液滴吐出ノズル28に対して反Y矢印方向側に1つ刷毛体29を
設けた。これを、図8に示すように、液滴吐出ノズル28に対してY矢印方向側にも刷毛体29を設けて実施してもよい。これにより、ガラス基板2を反Y矢印方向に搬送する以外に、ガラス基板2をY矢印方向に搬送するときにも液滴D2を付着し攪拌させることができる。
・上記実施形態では、刷毛体29は、毛状に成形したが、形状は特に限定されるものではなく、凹部9内を移動できる形状をしていればよい。
・上記実施形態では、刷毛体29は親液性のある素材により形成されている。これに代えて、例えば、親液性のない素材にて刷毛体29を形成した後、刷毛体29の表面に対して親液処理を施してもよい。
・上記実施形態では、刷毛体29は、ノズルプレート27(液滴吐出ヘッド26)に設けたが、液滴吐出ヘッド26と一体化して設ける必要はない。例えば、図9に示すように、キャリッジ25に刷毛体29を植設した補修用ユニット50を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、基板としてガラス基板2を使用した。これに代えて、樹脂材料からなる基板や半導体基板を使用してもよい。
・上記実施形態では、発光層14を形成するときの液滴吐出装置20に具体化した。これを、正孔輸送層13を形成する際に使用する液滴吐出装置、液晶表示装置のブラックマトリクスで囲まれた領域にカラーフィルタを形成する際に使用する液滴吐出装置等に応用してもよい。
有機EL装置の正面図。 有機EL装置の要部断面図。 液滴吐出装置の要部正面図。 液滴吐出装置の要部平面図。 液滴吐出ヘッドを説明するための斜視図。 (a)〜(d)は本発明の実施形態に係るパターン形成方法の説明図。 本発明の実施形態の変更例に係る液滴吐出ヘッドの斜視図。 本発明の実施形態の変更例に係る液滴吐出ヘッドの斜視図。 本発明の実施形態の変更例に係る補修ユニットの斜視図。
符号の説明
1…有機EL装置、2…ガラス基板、2a…画素形成面、3…画素、4R,4G,4B…有機EL素子、5…走査線駆動回路、6…回路形成路、8…トランジスタ、9…凹部、10…陽極、11…コンタクトホール、12…有機EL層、13…正孔輸送層、14…赤色発光層、15…緑色発光層、16…青色発光層、18…陰極、19…封止部、20…液滴吐出装置、21…支持台、22…搬送台、23…支持フレーム、24…ガイドレール、25…キャリッジ、26…液滴吐出ヘッド、27…ノズルプレート、27a…ノズル形成面、28…液滴吐出ノズル、29…刷毛体、B…バンク、D1…微小液滴、D2…液滴、R…表示領域。

Claims (9)

  1. パターン形成材料を含む機能液を基板上に形成された複数のパターン形成領域に付着させた後、機能液攪拌部材を前記機能液と接触させるとともに、前記機能液攪拌部材と前記基板とを相対移動させて前記機能液攪拌部材にて前記機能液を前記パターン形成領域の端部にまで塗布させることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載したパターン形成方法において、
    前記機能液攪拌部材は、毛状の刷毛体であることを特徴とするパターン形成方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載したパターン形成方法において、
    前記機能液攪拌部材は、パターン形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成されたことを特徴とするパターン形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載したパターン形成方法において、
    前記機能液攪拌部材は、親液性の材料により形成されたことを特徴とするパターン形成方法。
  5. 液滴吐出ヘッドに形成された液滴吐出ノズルから画素形成材料を含む機能液の微小滴を吐出して、前記液滴吐出ヘッドと相対移動する基板に形成された画素形成領域に前記機能液の液滴を付着する液滴吐出装置において、
    前記画素形成領域に付着した前記液滴を、前記相対移動とともに前記画素形成領域内で攪拌させる液滴攪拌部材を設けたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載した液滴吐出装置において、
    前記液滴攪拌部材は、前記液滴吐出ノズルが形成されたノズルプレートの前記液滴吐出ノズルに対して相対移動方向に所定間隔離間した位置に形成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載した液滴吐出装置において、
    前記液滴攪拌部材は、毛状であることを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1に記載した液滴吐出装置において、
    前記液滴攪拌部材は、画素形成領域を形成する材料よりも硬度の低い材料によって形成されたことを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか1に記載した液滴吐出装置において、
    前記液滴攪拌部材は、親液性の材料により形成されたことを特徴とする液滴吐出装置。
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