本発明は、画像表示装置に係わり、特にゲッタ装置を備えた画像表示装置に関し、詳細にはゲッタ装置内に配設されたゲッタの配置構造に好適なものである。
電子を蛍光面に衝突させて発光させて表示する表示装置は、例えば、電界放出型電子源を備えた電界放出型表示装置(Field Emission Display)や表面伝導型電子源を備えた表面伝導型表示装置に代表される薄型CRT(Thin Cathode Ray Tube)やブラウン管などがある。この種の表示装置は、容器の内部を高真空度に保持し、電子の移動を容易にすることが必要である。
従来の画像表示装置は、背面基板上の電子源の形成された面と同一面上にゲッタが配置されていた。電子源と同一面上にゲッタを設けると、表示領域部の面積を小さく形成するか、またはゲッタを設ける部分のみ領域を大きく形成しなければならない。さらに、ゲッタを活性環境(電子源を設けた空間)内に配置すると、電子源の電子放出部がゲッタ膜により被覆され、電子放出能力が減少する。
下記特許文献1には、ゲッタルームをディスプレイ装置の表示面側に結合して設けることにより、上述した課題を対策する構成が開示されている。また、下記特許文献2には、ゲッタルームをディスプレイ装置の背面側に結合して設けることにより、上述した課題を解決する構成が開示されている。
特開2003−528422号公報
特開平9−129161号公報
上記特許文献1には、補助チャンバー(ゲッタルーム)にゲッタ装置を配置することにより、電子放出部がゲッタに曝されない構造の表示装置が開示されている。しかしながら、このような構成による画像表示装置は、ゲッタの位置決めに起因する課題については全く考慮されていない。また、特許文献2には、ゲッタを支持具の弾性力を利用して固定する構造が開示されている。しかしながら、特許文献2も特許文献1と同様にゲッタの位置決め機構については開示されていない。
通常、パネル組立工程にはフリットを溶解させる工程がある。このとき、ゲッタサポートが変形してハウジングがルーム部材に接触することがある。その後、ゲッタを高周波加熱装置を用いて加熱する。このとき、ハウジングがルーム部材に接触していると、ルーム部材にクラックが生じることがある。また、ゲッタの配置位置が変わると、ゲッタの加熱状態が変動し、ゲッタ材が十分に飛散されなくなる。この結果、ゲッタ膜の性能が劣化し、残留ガスの吸着が不十分となる。また、ゲッタバリウムが貫通孔を通して電子放出部に侵入されることにより、表示パネル内部でのスパーク及びエミッション劣化を引き起こすなど課題があった。
本発明による画像表示装置は、複数の電子放出源が形成された背面基板と、この背面基板の電子放出源形成面と対向する内面に陽極及び蛍光体が形成された前面基板とが所定の間隔を有して対向配置され、背面基板と前面基板との間が気密封止されて形成された真空容器を有する。背面基板の背面には真空容器に連通するゲッタルームを有する。ゲッタルームを構成するルーム部材は封着部材を介して気密接合されて配置され、ゲッタルーム内にはゲッタ組立体が配置され、このゲッタ組立体は、ゲッタと、このゲッタを保持するゲッタハウジングと、このゲッタハウジングを支持するゲッタサポートと、ゲッタの配置位置を設定する位置決め棒とを有し、ルーム部材の内側には位置決め棒の先端部を挿入する位置決め溝を有し、この位置決め溝内に位置決め棒の先端部が挿入されることにより、ゲッタの位置決めが安定化される。
したがって、本発明は、ゲッタの位置決めを安定化させることによって表示特性の劣化を抑制した画像表示装置を提供できる。
また、本発明による他の画像表示装置は、好ましくは、上記構成において、ゲッタルームは背面基板に貫通孔を設け、この貫通孔を介して連通されることにより、真空容器内と同等の真空度に維持される。
また、本発明による他の画像表示装置は、好ましくは、上記構成において、ルーム部材は面板と枠体とを封着部材により固着させて形成され、位置決め溝は面板と枠体との封着面に形成されることにより、ゲッタの位置決めが安定化されるので、背景技術の課題を解決することができる。
また、本発明による他の画像表示装置は、好ましくは、上記構成において、ゲッタ組立体は位置決め棒を複数有し、ルーム部材は位置決め棒に対応する位置決め溝を複数有することにより、ゲッタの位置決めが安定化されるので、背景技術の課題を解決することができる。
また、本発明による他の画像表示装置は、好ましくは、上記構成において、ルーム部材の底面部に排気孔を設け、当該排気孔に排気管が連結されることにより、ゲッタルームからの排気が可能となるので、背景技術の課題を解決することができる。
また、本発明による他の画像表示装置は、好ましくは、上記構成において、貫通孔の近傍にゲッタの飛散を遮蔽する遮蔽板を設けることにより、ゲッタ材の真空容器内への飛散を防止できるので、背景技術の課題を解決することができる。
なお、本発明は、上記各構成及び後述する実施の形態に記載される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、ゲッタが確実に位置決めされ、その飛散量が安定化されることにより、ゲッタルームの亀裂を確実に防止でき、真空度が改善され、表示特性の劣化が抑制できるので、寿命及び画質性能が向上し、品質及び信頼性の高い画像表示装置が実現可能となるという極めて優れた効果が得られる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による画像表示装置の実施例1による電子放出型表示装置の概略構成を説明する要部平面図であり、図2は図1の要部拡大断面図である。図1及び図2において、参照符号1は、透光性ガラス板材からなる前面基板、2は前面基板1と同様に透光性ガラスまたはアルミナなどのセラミックス板材からなる背面基板である。これらの前面基板1及び背面基板2は板厚が例えば約3mm程度の絶縁性の基板である。
また、3はガラスまたはフリットガラス板材などの成形体を切断し、枠状に組み立てて接着固定させて形成された外枠を兼ねた支持体としての支持枠である。この支持枠3は、前面基板1と背面基板2との間の周縁部にフリットガラスなどからなる封着部材4により接着固定されて設置され、前面基板1と背面基板2との間の間隔を所定寸法、例えば約3mm程度に保持させている。
また、図2に示す参照符号5は、間隔保持部材としての板状のスペーサである。このスペーサ5は、例えば約0.1mm程度以下の薄いガラス板またはアルミナ等のセラミックス板材を約3mm程度の幅(高さ寸法)に切断して形成される。スペーサ5は図1に示すように前面基板1と背面基板2とで挟まれて形成された表示領域AR内に基板面にほぼ垂直で一方向(x方向)に延在し、他方向(y方向)に複数枚並設して図示しないフリットガラスなどの固定部材により固定配置され、支持枠3と協働して前面基板1と背面基板2との間の間隔を所定の寸法に保持させている。
また、6は電子放出素子群である。この電子放出素子群6は、陰極配線と、電子源と、制御電極などとから構成され、背面基板2上に所定の間隔で多数個配置されている。この陰極配線は、背面基板2の内側表面に複数本が一方向(x方向)に延在し、他方向(y方向)に並設されている。この陰極配線の端部は、陰極配線引き出し線61として背面基板2の二辺に分けられて気密封着部の外側に引き出されている。
この陰極配線は、例えば蒸着法などにより形成するか、または例えば粒径1〜5μm程度の導電性銀粒子に絶縁性を発現する低融点ガラスを混合した銀ペーストを厚膜印刷し、例えば約600℃の温度で焼成して形成することなどにより設けられている。
また、制御電極は、陰極配線の上方に陰極配線と電気的に絶縁されて配置され、この制御電極の端部は、制御電極引き出し線62として背面基板2の他の一辺で気密封着部の外側に引き出されている。
さらに、背面基板2上に所定の間隔で配置された電子放出素子群6は、メタル−インシュレータ−メタル(MIM)型の電子放出素子、量子論的トンネル効果による電子放出現象を利用する電子放出構造(表面伝導型電子源とも称される)素子、ダイアモンド膜やグラファイト膜またはカーボンナノチューブなどから形成されている。
また、参照符号7は、画像形成部材である。この画像形成部材7は、蛍光体膜と、この蛍光体膜上に被着されたメタルバック膜と、ブラックマトリクス(BM)膜などとから形成され、前面基板1の内面に形成された画像形成部材7は背面基板2上の電子放出素子群6と対向して配置される構造となっている。
また、参照符号10は、背面基板2の背面(外面)側の周縁部の一部分に設置されたゲッタ装置である。背面基板1と前面基板2と封止枠3とで構成される真空容器は背面基板2の表示領域ARから外れる部分にエッチング法またはサンドブラスト法などにより形成された貫通孔2hを有する。ゲッタ装置10は、この貫通孔2hに連通させて気密封着されて配置されている。したがって、このゲッタ装置10の内部は上記真空容器の内部とほぼ同等の真空度を有している。なお、このゲッタ装置10は、大型の表示装置パネルの場合には複数個設置される構造となる。本実施例では2個設置した場合について図示したが、何れも構造が同一であるので、1つのゲッタ装置について説明する。
このゲッタ装置10は、カップ状に形成されたルーム部材11の内部に真空容器と同等の所定の真空度に保持されたゲッタルーム12が形成される。このゲッタルーム12の内部には、背面基板2の背面とルーム部材11との対向間にゲッタ組立体13が挟持されて配置されている。
図3は、ゲッタ組立体13を示す上方から見た拡大平面図であり、図4は図3のI−I
線に沿って切断した拡大断面図である。図3及び図4に示すようにこのゲッタ組立体13は、一端が開放されて二重筒状に形成されたゲッタハウジング14内に円環状に成型されたゲッタ15が収納されて固定され、このゲッタハウジング14を3個所で保持するゲッタサポート16a,16b,16cによりそれぞれ支持され、さらにこのゲッタハウジング14の背面にはゲッタ位置決め棒17が例えばスポット溶接法により固定させて構成されている。
なお、これらのゲッタサポート16a,16b,16cは、その一端側(背面基板2の背面側)が曲面状のスプリング部16sで形成され、さらに、これらのゲッタサポート16a,16b,16cの他端側(ルーム部材11の底面側)にも同様な曲面状のスプリング部16s2で形成されている。
このように構成されたゲッタ組立体13は、背面基板2の背面とルーム部材11の底面との間にゲッタサポート16a,16b,16cの両端部に形成されている各一対のスプリング部16s,16s2の弾性力により接触されて挟持される。背面基板2の背面とルーム部材11の開口端とは例えばフリットガラスに代表される封着部材18を介して気密封着される。これによって背面基板2及びルーム部材11のクラックの発生を抑制することができる。
ルーム部材11は内壁面の一部に位置決め溝11aを例えばエッチング法または研削法などにより形成してある。また、このように構成されたゲッタ組立体13は、図5に要部拡大断面図で示すようにこの位置決め溝11a内にゲッタ組立体13の位置決め棒17の先端部を挿入することにより、ゲッタ組立体13が位置決めされ、ゲッタ15の取り付け位置が確定される。
したがって、ゲッタ組立体13は、ゲッタサポート16a,16b,16cの各一対のスプリング部16s,16s2の弾性特性によりパネル厚さ方向の位置が確定され、位置決め棒17により面方向の位置が確定される。これによってゲッタルーム12内へのゲッタ装置10の取り付け固定が容易となるので、画像表示装置の製造が極めて容易となる。
また、このように構成されたゲッタ組立体13は、ゲッタハウジング14の開口端を背面基板2の背面と対向させて配置される。ゲッタフラッシュ後に形成されるゲッタ膜19は背面基板2の背面の膜厚がルーム部材11の内面の膜厚より厚い。
このように構成された画像表示装置は、背面基板2上に形成された電子源から放射された電子が数KV〜10数KVの陽極電圧の印加されたメタルバック層(陽極)を通過して蛍光体層に射突して蛍光体を発光させ、映視像面に所望の表示を行う構成となっている。そして、陰極配線と制御電極とで囲まれた領域に単位画素が形成され、マトリクス配列された画素で表示領域ARが形成される。一般的には単位画素の三個のグループで赤(R),緑(G),青(B)からなるカラー画素が形成される。
なお、前述した実施例において、ルーム部材11の形状をカップ状とした場合について説明したが、本発明は、この形状に限定されるものではなく、碗状または皿状などの各種の形状で形成しても良いことは言うまでもない。
図6は、本発明による画像表示装置の実施例2によるゲッタ装置の要部拡大断面図、図7は図6の枠体の側面から見た平面図、図8は図6のゲッタルーム内の上面の平面図であり、前述した図と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6において、図5と異なる点は、貫通孔2hが形成された背面基板2の背面には、ガラス板材を矩形状に形成した枠体20と、ガラス板材からなる面板21とがフリットガラスなどからなる封着部材18により固着されてゲッタルーム部材11が構成されている。また、この枠体20の面板21との封着面には凹状の位置決め溝20aが一体的に形成されており、この位置決め溝20aにはゲッタルーム部材11内に挟持されたゲッタ組立体13の位置決め棒17の先端部が挿入される。この位置決め棒17の先端部は位置決め溝20a内においてフリットガラスなどからなる封着部材18により固着されてゲッタ装置10Aが構成されている。
ゲッタ組立体13がその位置決め棒17の先端部で封着部材18により支持固定されるので、外部振動によるゲッタ組立体13に移動または変移を抑制することができる。また、ゲッタ組立体13を固定させる封着部材溶着工程と、ゲッタルーム12を形成する封着部材溶着工程とを同時に行うことができるので、画像表示装置の製造工程を簡略化することができる。また位置決め棒17の先端部が位置決め溝20a内に収納されて固定される構造となるので、位置決め棒17の先端部がゲッタルーム12の外部に食み出ることがない。これによってゲッタルーム12内の真空度の低下を抑制することができる。
ゲッタ組立体13は、ゲッタサポート16a,16b,16cの各一対のスプリング部16s,16s2の弾性特性により面板21と背面基板2の背面との間に挟持され、一個の位置決め溝20aのみで支持固定されるので、ゲッタ15の過熱時の各種構成部材の変形及び変移などを確実に防止することができる。
図9は、本発明に係わるゲッタ装置の他の実施例によるゲッタルーム内の上面の平面図であり、前述した図と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図9において、ゲッタ組立体13には、ゲッタハウジングの背面に対称に一対の位置決め棒17a,17bが一体的に設けられている。また、この一対の位置決め棒17a,17bの先端部が挿入する枠体20の所定位置にはそれぞれ位置決め溝20a,20bが設けられている。
このような構成においては、ゲッタ組立体13が枠体20に安定して位置決めされて支持固定されるので、ゲッタ15の位置決めがより確実となり、ゲッタ膜19が貫通孔2h内に侵入しない位置にゲッタ組立体13を固定配置することができる。
図10は、本発明に係わるゲッタ装置のさらに他の実施例によるゲッタルーム内の上面の平面図であり、前述した図と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図10において、背面基板2に穿設された貫通孔2hの近傍にはゲッタ組立体13内のゲッタから飛散されるゲッタ材の真空容器内への侵入を遮蔽するガラス板材からなる遮蔽板22が背面基板2の背面に封着部材により固着させて固定配置されている。
また、このような構成において、背面基板2に穿設された貫通孔2hとゲッタ組立体13との間に遮蔽板22を配設したことにより、ゲッタ膜19が貫通孔2hに掛からない。ゲッタルーム12の形状を四角形状とすることにより、貫通孔2hの対角位置にゲッタ組立体13を取り付けることができるので、ゲッタ組立体13と貫通孔2hとの間の距離を大きく取ることができる。これによって飛散するゲッタ材の真空容器(パネル内部)への侵入が遮蔽されるので、パネル内部でのスパーク及びエミッション劣化を引き起こし難くなる。
図11は、本発明による画像表示装置の実施例3による電子放出型表示装置のゲッタ装置の構成を示す要部拡大断面図であり、上述した実施例1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図11において、ゲッタ装置10Bは、ルーム部材11の底面部11a、つまり面板21は貫通孔11bが穿設され、この貫通孔11bにはゲッタルーム12及び真空容器内を所定の真空度に排気させる排気管23が気密接合されて連結されている。
このように構成されたゲッタ装置10Bは、上述と同様の効果に加えて排気管23を介して真空容器内をゲッタルーム12を通して排気し、チップオフすることができるので、背面基板2に穿設する貫通孔2hの設置数量を最小限とすることができる。また、リークによる真空度劣化のポテンシャルを低減させることができる。
なお、前述した各実施例において、ゲッタ装置10,10A,10Bを構成するルーム部材11は、ガラスなどの絶縁性部材により形成され、ゲッタ15を収納するゲッタハウジング14及びこのゲッタハウジング14を支持する一対のゲッタサポート15a,16b,16c及びゲッタ位置決め棒17,17a,17b等は、例えばステンレス鋼板(SUS304)のプレス成形体により形成されている。また、ゲッタ15はBa蒸発型ゲッタが用いられ、さらに非蒸発型ゲッタと組み合わせて用いても良い。
図12は、本発明に係わる画像表示装置を構成するゲッタ装置の製作方法を一例を説明する工程のフローチャートである。図12に示すように、まず、最初にステップSP1において、ルーム部材11の開口端面に封着部材18を塗布する。次にステップSP2において、このルーム部材11と、ゲッタ組立体13とを背面基板2の背面上に位置合わせした後、所定の位置に配置する。次にステップSP3において、封着部材18を約380℃に加熱し、各部材を封着部材18により溶着した後、さらに約450℃まで加熱して固化させる。次にステップSP4において、真空容器内のガスを排気し、封止する。次にステップSP5において、ゲッタ15を高周波加熱装置を用いて所定温度で加熱して飛散させ(ゲッタフラッシュ)、ゲッタ膜19を形成する。
画像表示装置は、真空容器内を排気した後に封止される。封止された直後の真空容器内の真空度は約10-3〜10-4Paである。その後にゲッタフラッシュ及びエージングを行うことにより、約10-5〜10-6まで真空度を向上させることができる。ゲッタフラッシュ工程では、封止後、真空容器の外部から高周波を印加させることによりゲッタ15を加熱し、ゲッタ15を蒸発させてゲッタルーム12の内壁にゲッタ膜19を形成する。背面基板2に穿設された貫通孔2hからゲッタルーム12内に侵入したガスはゲッタルーム12内のゲッタ膜19に吸着される。このようにして画像表示に障害のない程度まで真空容器内のガスを低減する。
図13は、本発明による画像表示装置の実施例4による電子放出型表示装置のゲッタ装置の構成を示す要部拡大断面図、図14はゲッタ装置内部の要部平面図であり、上述した実施例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図13及び図14において、ゲッタ組立体13Aは一端が開放されて二重筒状に形成されたゲッタハウジング14内に円環状に成型されたゲッタ15が収納されて固定され、このゲッタハウジング14の背面には棒状のゲッタサポート24を例えばスポット溶接法により固定させて構成されている。
このように構成されたゲッタ組立体13Aは、ゲッタサポート24の両端側のフランジ部24a,24bが図14に示すように枠体20の封着面に形成されている各位置決め溝20a,20b内に挿入されている。また、フランジ部24a,24bは枠体20と面板21との封着面間に封着部材18により固着される。ゲッタ組立体13Aは、背面基板2に穿設された貫通孔2hから距離L1で離間させた位置に支持固定されて配置されている。つまり、ゲッタ組立体13Aと貫通孔2hとがゲッタルーム12内で対角配置されている。
図15は、ゲッタ組立体13Aの取り付け高さについて説明する図13のB部の拡大断面図である。ゲッタ15と面板21の内面との間の距離(間隔)H1は、ゲッタハウジング14の加熱時に面板21にゲッタハウジング14が接触しない距離とする。すなわち、その間隔H1は約0・5mm以上とする。また、ゲッタ15のフラッシュ面側については、ゲッタ15と背面基板2の背面との間の距離をゲッタ材が飛散できる距離とする。すなわち、ゲッタ15の加熱後にゲッタ材が飛散できる間隔H2は約1mm以上とする。
図16は、本発明による画像表示装置の実施例5による電子放出型表示装置のゲッタ装置の構成を示す要部拡大断面図、図17はゲッタ装置内部の要部平面図であり、上述した実施例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図16及び図17において、背面基板2に穿設された貫通孔2hの近傍にはこの貫通孔2hの周辺部をほぼ全面的に囲うようにガラス板材からなる遮蔽板22Aが配置されている。遮蔽板22Aは背面基板2の背面に固定されている。なお、この遮蔽板22Aの高さは、枠体20の高さ寸法よりも低くして形成されている。
背面基板2に穿設された貫通孔2hをほぼ全面的に囲うように遮蔽板22Aを配設したことにより、貫通孔2hの対角位置にゲッタ組立体13Aを取り付けることができるとともに、ゲッタ組立体13Aと貫通孔2hとの間の距離をさらに大きく取ることができる。これによって飛散するゲッタ材の真空容器(パネル内部)への侵入がほぼ確実に遮蔽されるので、パネル内部でのスパーク及びエミッション劣化をさらに引き起こし難くなる。
図18は、本発明に係わる画像表示装置を構成する背面基板の内面側から見た要部平面図である。図18において、ガラスまたはセラミックス材などを好適とする背面基板2の前面(主面)には、第1の方向(y方向)に延在して第1の方向と交差する第2の方向(x方向)に並設された複数のデータ線(または陰極ラインとも称する)DLと、第2の方向(x方向)に延在して第2の方向と交差する第1の方向(y方向)に並設された複数の走査線SLとを有している。マトリクス状に配置されたこれらのデータ線DL及び走査線SLの交差部または交差部近傍には電子放出源が形成されている。
走査線SLは、その一端が走査ドライバSDに接続されている。一方、データ線DLはその一端がデータドライバDDに接続されている。前面基板は、図中、破線部分に沿って対向配置される。前面基板と背面基板2とはその対向領域の外周に沿って接着され、内部ガスを排気して封止される。一方、背面基板2の背面には貫通孔2hに連通して前述した各ゲッタ装置が配設されている。
図19は、本発明に係わる画像表示装置を構成する前面基板の内面側から見た要部平面図である。図19において、透光性ガラス材からなる前面基板1の内面には、図18に示す複数のデータ線DLの長さ方向に沿って赤色蛍光体層PHR,緑色蛍光体層PHG及び青色蛍光体層PHBを有する蛍光面PHが形成され、さらにこの蛍光面PHには各赤色蛍光体層PHR,緑色蛍光体層PHG及び青色蛍光体層PHBを区画するブラックマトリクス膜BMが形成されている。
図20は、前面基板1の内面に形成された蛍光面PHの拡大断面図である。図20において、蛍光面PHを構成する各赤色蛍光体層PHR,緑色蛍光体層PHG及び青色蛍光体層PHBはブラックマトリクス膜BMの一部を覆って形成されている。また、この蛍光面PH上には各赤色蛍光体層PHR,緑色蛍光体層PHG及び青色蛍光体層PHBの発光光を効率的に反射させるメタルバック膜MTが形成されている。
また、前述した実施例においては、表示装置として内面に蛍光体及びブラックマトリクスを有し、蛍光体及びブラックマトリクスの背面に陽極を有する前面基板を用いたFEDに適用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ(PDP)やメタル−インシュレータ−メタル型電子放出源を有するパネル型ディスプレイに適用しても前述と全く同様の効果が得られることは勿論である。
本発明による画像表示装置の実施例1による構成を示す模式平面図である。
図1の画像表示装置の構成を示す要部拡大断面図である。
図2のゲッタ装置の構成を示す拡大断面図である。
図2のゲッタ組立体の構成を示す要部拡大斜視図である。
図2のゲッタ組立体の背面基板への取り付け構造を説明する要部拡大断面図である。
本発明による画像表示装置の実施例2によるゲッタ装置の構成を示す拡大断面図である。
図6の枠体の側面から見た平面図である。
図6のゲッタルーム内の上面の平面図である。
ゲッタ装置の他の実施例による構成を示すゲッタルーム内の上面の平面図である。
ゲッタ装置のさらに他の実施例による構成を示すゲッタルーム内の上面の平面図である。
本発明による画像表示装置の実施例3によるゲッタ装置の構成を示す拡大断面図である。
本発明による画像表示装置の製造工程を示すフローチャートである。
本発明による画像表示装置の実施例4によるゲッタ装置の構成を示す拡大断面図である。
図13のゲッタ装置内部の要部平面図である。
図13の図13のB部の拡大断面図である。
本発明による画像表示装置の実施例5によるゲッタ装置の構成を示す拡大断面図である。
図16のゲッタ装置内部の要部平面図である。
本発明による画像表示装置の背面基板の構成を示す要部平面図である。
本発明による表示装置の前面基板の構成を示す要部平面図である。
本発明による表示装置の前面基板に形成される蛍光面の構成を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1・・・前面基板、2・・・背面基板、2h・・・貫通孔、3・・・支持枠(支持体)、4・・・封着部材、5・・・スペーサ、6・・・電子放出素子群、61・・・陰極配線引き出し線、62・・・制御電極引き出し線、7・・・画像形成部材、10・・・ゲッタ装置、10A・・・ゲッタ装置、10B・・・ゲッタ装置、11・・・ルーム部材、11a・・・底面部、11b・・・貫通孔、12・・・ゲッタルーム、13・・・ゲッタ組立体、13A・・・ゲッタ組立体、14・・・ゲッタハウジング、15・・・ゲッタ、16a・・・ゲッタサポート、16b・・・ゲッタサポート、16c・・・ゲッタサポート、17・・・ゲッタ位置決め棒、17a・・・ゲッタ位置決め棒、17c・・・ゲッタ位置決め棒、18・・・封着部材、19・・・ゲッタ膜、20・・・枠体、20a・・・位置決め溝、20b・・・位置決め溝、21・・・面板、22・・・遮蔽板、22A・・・遮蔽板、23・・・排気管、24・・・ゲッタサポート、24a・・・フランジ部、24b・・・フランジ部、PHR・・・赤色蛍光体層、PHG・・・緑色蛍光体層、PHB・・・青色蛍光体層、PH・・・蛍光面、BM・・・ブラックマトリクス膜、MT・・・メタルバック膜、SL・・・走査線、DL・・・データ線、SD・・・走査ドライバ、DD・・・データドライバ。