JPH1021859A - ゲッタ装置、およびこれを用いる真空容器および画像表示装置 - Google Patents

ゲッタ装置、およびこれを用いる真空容器および画像表示装置

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JPH1021859A
JPH1021859A JP17111096A JP17111096A JPH1021859A JP H1021859 A JPH1021859 A JP H1021859A JP 17111096 A JP17111096 A JP 17111096A JP 17111096 A JP17111096 A JP 17111096A JP H1021859 A JPH1021859 A JP H1021859A
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JP17111096A
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Kumiko Kaneko
久美子 金子
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Canon Inc
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ゲッタ装置が自立し、基板等に無
接着で固定できる構造で、簡易にゲッタを設置すること
が可能である新規な構成のゲッタ装置を提供し、真空容
器、画像表示装置の製造工程において、作製の簡略化、
生産性向上、歩留まり向上、熱工程の減数による素子劣
化の低減することを目的とする。 【解決手段】 真空容器内にゲッタ材を飛散させるゲッ
タ装置であって、該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納する
ゲッタコンテナと該ゲッタコンテナを保持する変形構造
部材および非変形構造部材で構成されるか、またはゲッ
タコンテナと変形構造部材とで構成される自立構造であ
り、該変形構造部材は、高さが真空容器内部の高さ以上
であって、かつ弾性構造を有し、ゲッタ装置を真空容器
内に配置したときに変形してゲッタ装置を所定位置に固
定する無接着固定構造であることを特徴とするゲッタ装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空容器内にゲッ
タ材を飛散させることで真空を維持する真空容器や画像
表示装置、およびこれらに用いられるゲッタ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像表示装置として、プラズ
マデイスプレイ、EL表示装置、電子線を用いた画像表
示装置、蛍光表示装置等があり、大画面化、高精細化、
高品質化の要求が増大し、各画像表示装置が開発されて
いる。これらの画像表示装置は、ゲッタを使用して真空
維持を行っている。蛍光表示管、電界放出型及び表面伝
導型の電子放出素子を用いた表示装置など、主に蛍光体
を励起して発光させる画像表示装置は、平面でかつ明る
く見やすいなどの利点を有しており、産業上積極的に応
用され、また期待されている。その中で電子ビームの発
生源として、表面伝導型素子を用い、電子ビームを加速
し蛍光体に照射し、発光させ画像を表示させる薄型の画
像表示装置が各種提案されている。
【0003】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson、Radio Eng.Ele
ctron Pys.、10、1290、(1965)
等に開示されたものがある。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:”Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]、In23/Sn
2薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:”IEEE Trans.E
D Conf“,519(1975)]、カ−ボン薄膜
によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、2
2頁(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図10
に模式的に示す。同図において101は基板である。1
04は導電性薄膜で、H型形状のパターンに、スパッタ
で形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部105
が形成される。尚、図中の素子電極間隔Lは、0.5〜
1mm、Wは、0.1mmで設定されている。
【0006】本発明者らは、その中で電子ビームを発生
源として、表面伝導型素子を用い、電子ビームを加速し
蛍光体に照射し、発光させ画像を表示させる薄型の画像
表示装置を提案している(特開平3−261024)。
この表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成を図1
1に示す。本図において201はバックプレート、20
2、203は電気接続を得るための素子電極、204は
分散配置された微粒子導電材からなる導電薄膜である。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子を用いた
画像表示装置の作製方法について述べる。図12は、そ
の一例である画像表示装置の斜視図(a)と側面図
(b)である。この画像表示装置は、表示管内部を排気
するための排気管300(図では封じきり後の状態を示
している)、電子放出素子を構成した青板ガラスからな
るバックプレート301、一定の間隔を隔て設置された
電極302と303、電極302、303間に設けられ
た電子放出部を含む薄膜304、電子放出素子305、
メタルバック309及び蛍光体310が形成された青板
ガラスからなるフェースプレート308、外枠311で
構成され、さらに内部にゲッタ装置314、ゲッタが素
子側に飛散するのを防止する遮蔽板315が設けられて
いる。
【0008】ゲッタ装置314はパネル内の真空を維持
する目的の通常の蒸発型ゲッタ材を内部に収納してお
り、この蒸発型ゲッタ材はフェースプレート308また
はバックプレート301に蒸着される。真空容器内は排
気管300を通して真空排気され、さらにベーキングに
よって脱ガスを行った後、排気管の一部を加熱して熔融
させ、封じ切る(閉塞、切断)。最後に真空容器内部の
一端に設置されたゲッタ装置314を加熱して蒸発型ゲ
ッタ材をフェースプレート308またはバックプレート
301に蒸着する事によって画像表示装置として完成さ
せる。
【0009】また、画像表示装置の他の例として、従来
より図13(上面図(a)及び側面図(b))に示すよ
うな蛍光表示装置が知られている(特公昭56−445
34参照)。同図において401は表示面となるガラス
板などの透明な基板であるバックプレート、402はフ
ェースプレート、403は枠である。これらのバックプ
レート401、フェースプレート402、および枠40
3により真空容器が構成され内部が高真空に保たれてい
る。また、404は陽極パターン、405はコントロー
ルグリッド、406はフイラメント、407はゲッタ装
置、408はゲッタ遮蔽板、409は排気管である。
【0010】ゲッタ遮蔽板408の底部は、バックプレ
ート401の端部に固着されて直立配置されており、こ
のゲッタ遮蔽板408の立面部のほぼ中央にフィラメン
トの一端が固定されている。ゲッタ装置407はこのゲ
ッタ遮蔽板408の表示部とは反対側の立面部上に点溶
接またはろう付けなどの手段によって固着されている。
【0011】複数個の表示部をバックプレート401上
に作製し、次に枠403とゲッタ装置407を固定した
ゲッタ遮蔽板408をバックプレート401上に配置し
たのちに、フェースプレート402をバックプレート4
01、枠403上に重ね合わせて低融点ガラス等を塗布
し、電気炉内で加熱し、固着させ真空容器を形成する。
その後空間を排気管409を通して、真空ポンプによっ
て真空排気を行なう。
【0012】続いて、ホットプレート等の加熱手段によ
って加熱し、脱ガスを行い排気管をガスバーナーで加熱
し封じ切り、真空容器内に設置したゲッタ材を飛ばし、
表示装置を完成させる。
【0013】また、従来の他の蛍光表示装置としての図
14(上面図(a)及び側面図(b))も知られてい
る。この蛍光表示装置では、図13に示した装置とは異
なり、ゲッタ遮蔽板が無く、そして、ゲッタ装置407
はゲッタ固定用支持足を有している。このゲッタ固定支
持足を有するゲッタ装置407はバックプレート401
に固定されている。
【0014】複数個の表示部をバックプレート401上
に作製し、次に枠403とゲッタ装置407をバックプ
レート401上に配置したのちに、フェースプレート4
02をバックプレート401、枠403上に重ね合わせ
て低融点ガラス等を塗布し、電気炉内で加熱し、固着さ
せ真空容器を形成する。その後図13と同様にして表示
装置を完成させる。
【0015】これらの従来例において、一般にゲッタ装
置としては、一部が開放された金属管の内部にBaを主
成分とする蒸発型ゲッタ材をゲッタコンテナに収納した
ものであり、形状として直線、リング状のものが用いら
れている。この通常目的のゲッタ材は、誘導加熱もしく
は通電加熱によってフラッシュし、画像表示装置内に付
着する。画像表示装置内に付着したゲッタ材は、ガスを
吸着し、パネル内の真空維持作用をもつ。
【0016】一方、フラッシュされたゲッタ膜は金属膜
であり、配線や素子等に飛散すると配線間等のショート
や劣化の原因になり、表示装置が使用できなくなるの
で、表示部に飛散しないように様々な工夫がされてい
る。工夫の中の一つとして、ゲッタ装置と画像表示部と
の間を十分に距離を離して設置する方法、あるいは、ゲ
ッタフラッシュ方向を表示部とは反対方向になるように
傾ける方法、また、表示部とゲッタ装置の間に前記の従
来例のように遮蔽板を置いて、ゲッタフラッシュ後に、
ゲッタ膜が素子上に乗るのを防止する方法等がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の真空容器または画像表示装置に用いられている
ゲッタ装置では、以下のような問題点がある。ゲッタ装
置は、それ自身では自立できない形状をしており、ゲッ
タ装置の固定維持方法としては、ゲッタ装置に付属する
ゲッタタブ等と呼ばれる板状あるいは、線状の物を支持
足等の固定部材に接合し、その接合した固定部材をフェ
ースプレートあるいは、バックプレートにフリット等で
接合したり、あるいは、ゲッタタブを直接フェースプレ
ートあるいは、バックプレートにフリット等で接合し固
定する方法によってゲッタ装置を所望の位置に設置して
使用していた。
【0018】この方法では、例えば、フリットを用いて
接合する場合、支持足等の固定部材をゲッタ装置に接続
する熱工程の後、フェースプレートあるいは、バックプ
レートに再度フリットを塗布して固定部材を接合しなけ
ればならず、工程数の増加、作製時間の増大、部材の増
加等により生産性が悪く、また熱工程の回数増加によ
り、画像表示部が劣化するということも考えられる。
【0019】また、フリットによらない方法でも、何ら
かの方法により、固定部材が動かないように、フェース
プレートあるいは、バックプレートに接合しなければな
らず、接合に時間がかかり、フリットを使用して固定す
る場合と同様に工程数の増加、作製時間の増大、部材の
増加等により生産性が悪くなる。
【0020】また、支持足等の固定部材を使用しない方
法では、ゲッタ装置に付属しているタブ等を直接フェー
スプレートかバックプレートに固定することになるが、
この方法についても、例えば、フリットによって接合す
る場合、フェースプレートかバックプレートにゲッタ装
置を接続し固定する熱工程が必要であり、熱工程の回数
増加により、画像表示部が劣化するということも考えら
れる。フリットによらない場合でもフリットによる接合
と同様に工程数の増加、作製時間の増大等により生産性
が悪くなる。
【0021】また、遮蔽板(飛散防止用部材)を使用し
てゲッタ装置を固定する場合には、まずゲッタ装置ある
いはゲッタタブを遮蔽板にフリット等何らかの方法によ
って接合し、その後ゲッタ装置が固定された遮蔽板をフ
ェースプレート、あるいは、バックプレートにフリット
等により接合していた。しかし、この場合も例えばフリ
ットによって接合する場合、フェースプレートかバック
プレートにゲッタ装置を接続し固定する熱工程が必要で
あり、熱工程の回数増加により、画像表示部が劣化する
ということも考えられる。フリットによらない場合でも
フリットによる接合と同様に工程数の増加、作製時間の
増大等により生産性が悪くなる。
【0022】また、遮蔽板を使用しない場合には、ゲッ
タが表示部に飛散しないように表示部から十分な距離を
離してゲッタ装置を設置したり、あるいはゲッタ装置を
表示部と反対側や斜めに傾ける等の工夫が必要である
が、この場合、表示部から相当な距離を離す必要があ
り、表示部以外の無駄なスペースを広く取らなければな
らないという問題があった。
【0023】本発明は、ゲッタ装置が自立し、基板等に
無接着で固定できる構造で、簡易にゲッタを設置するこ
とが可能である新規な構成のゲッタ装置を提供すること
を目的とする。そして、このゲッタ装置により、真空容
器、画像表示装置の製造工程において、作製の簡略化、
生産性向上、歩留まり向上、熱工程の減数による素子劣
化の低減することを目的とする。また、部材の点数を少
なくすると共に、ゲッタのスペースを小さくし、設置さ
れる真空容器、画像表示装置の面積を小さくすることを
目的とする。また本発明は、より一定の位置に安定して
ゲッタ装置を設置できる画像表示装置を提供することを
目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空容器内に
ゲッタ材を飛散させるゲッタ装置であって、該ゲッタ装
置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと該ゲッタコ
ンテナを保持する変形構造部材および非変形構造部材で
構成されるか、またはゲッタコンテナと変形構造部材と
で構成される自立構造であり、該変形構造部材は、高さ
が真空容器の内部高さ以上であって、かつ弾性構造を有
し、ゲッタ装置を真空容器内に配置したときに変形して
ゲッタ装置を所定位置に固定する無接着固定構造である
ことを特徴とするゲッタ装置に関する。
【0025】また、本発明は、電子ビームを発生する電
子放出源が設けられたバックプレートと、前記電子源と
対向して配置され、電子ビームの衝突により発光する蛍
光体が設けられたフェースプレートと、外枠とを有する
画像表示装置において使用されるゲッタ装置であって、
該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと
該ゲッタコンテナを保持する変形構造部材および非変形
構造部材で構成されるか、またはゲッタコンテナと変形
構造部材とで構成される自立構造であり、該変形構造部
材は、高さが外枠の高さ以上であって、かつ弾性構造を
有し、ゲッタ装置を画像表示装置内に配置したときにフ
ェースプレ−トとバックプレートとに挟まれて変形し、
ゲッタ装置を所定位置に固定する無接着固定構造である
ことを特徴とするゲッタ装置に関する。
【0026】前記ゲッタが蒸発型ゲッタである場合に
は、前記変形構造部材をゲッタ飛散の遮蔽構造となるよ
うに構成することが好ましい。
【0027】さらに本願の異なる発明は、ゲッタ装置を
備える真空容器または画像表示装置において、該ゲッタ
装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと該ゲッタ
コンテナを保持する変形構造部材および/または非変形
構造部材で構成される自立構造であり、該ゲッタ装置を
配置する基板にゲッタ位置決め手段を設けた真空容器ま
たは画像表示装置に関する。
【0028】本発明によれば、真空容器や画像表示内部
ヘ設置するゲッタ装置は、変形構造部材等を用いること
で自立構造となっているので、このゲッタ装置を基板等
の他の部材に接合して固定しなくても、ゲッタ材を収納
しているゲッタコンテナを基板等から離して保持するこ
とができる。また、該変形構造部材は、真空容器または
画像表示装置のフェースプレート−バックプレート間距
離と同等もしくは高く、容器内に配置されたときにフェ
ースプレートとバックプレートとに挟まれて固定される
のでゲッタ装置を、簡易に真空容器内に設置することが
可能となる。そこで作製の簡略化、生産性向上、歩留ま
り向上、熱工程の減数が可能となるゲッタ装置を提供す
ることができる。またこれにより画像表示装置の素子の
劣化を低減できる。
【0029】また、該ゲッタ装置を配置する基板にゲッ
タ位置決め手段を設けることにより、ゲッタ装置をさら
に正確に所定位置に配置することが可能となり、この場
合、必ずしも変形構造部材を用いなくても良いが、ゲッ
タコンテナを保持する構造部材の少なくとも一つに、大
気圧に耐えうる耐大気圧構造の非変形構造部材を用いる
と真空容器や画像表示装置の耐大気圧性を向上させるこ
とができる。
【0030】本発明では、自立構造でかつ基板等に接着
して固定する必要が無く、変形構造部材が遮蔽構造も兼
ね備えることができるので、真空容器、画像表示装置の
余分な面積を小さくすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のゲッタ装置は、ゲッタを
使用することによって内部を真空に保つ必要のある真空
容器に適用できる。特に平面型の画像表示装置に用いる
ことが好ましい。このゲッタ装置を用いる画像表示装置
として、蛍光表示装置や、例えばフェースプレートとバ
ックプレートに挟まれた真空容器内に電子ビームを発生
する電子源を有し、その電子源には表面伝導型電子放出
素子を用い、その電子ビームを加速して蛍光体に照射
し、発光させて画像を表示させる薄型の画像表示装置を
挙げることができる。
【0032】本発明のゲッタ装置は、ゲッタコンテナを
変形構造部材(または変形構造部材と非変形構造部材)
によって、基板等から離して安定に保持(自立という)
する。
【0033】変形構造部材は、通常は、金属の板で形成
される弾性構造体であって、ゲッタコンテナの横に取り
付けられる。変形構造部材は、高さが、例えば画像表示
装置にあっては、外枠の高さ以上であるが、弾性構造で
あるので、フェースプレートとバックプレートとに挟ま
れて押さえられ変形して固定される構造となっている。
一方、変形弾性部材の横方向の長さおよび形状は、ゲッ
タコンテナを保持して自立できるような長さまたは形状
であれば制限はないが、ゲッタの飛散範囲を計算し、ゲ
ッタを表示部に飛散させないような長さおよび形状にす
ると、ゲッタの飛散を防止する遮蔽構造も兼ね備えるこ
とができるので特に好ましい。
【0034】変形構造部材は例えば、図4、図5、図8
の26、46、56、66の符号で示した構造をしてい
る。このような、上下両方の端がフェースプレートおよ
びバックプレート等の真空容器の基材と接触する形状の
変形構造部材を、以下「羽」ともいう。
【0035】一方、非変形構造部材は、前記変形構造部
材と共にゲッタコンテナを保持する部材である。通常
は、金属の板で形成されるが、必ずしも弾性構造である
必要はなく、ゲッタコンテナの横または下部に取り付け
られる。高さは、例えば画像表示装置にあっては、外枠
の高さ以下である。非変形構造部材の横方向長さ及び形
状は、前記の変形構造部材の形状との兼ね合いで、自立
できるように適宜決めることができる。例えば図4
(a)の25のような形状である。このような、上端が
フェースプレート等の真空容器の基材と接触しない形状
の非変形構造部材を、以下「タブ」ともいう。
【0036】ゲッタコンテナは、ゲッタ材を収納し、ゲ
ッタフラッシュできるようなものであれば特に制限はな
い。通常一部が解放された金属管の内部にBaを主成分
とするゲッタ材を収納したもので、直線状、リング状等
の形状が用いられる。通常は、羽の高さの中央付近に固
定されるのが好ましく、例えば、図4(a)のように、
羽とタブとの組み合わせによって、保持され自立構造と
なる。
【0037】タブは必ずしも必須ではなく、タブの代わ
りに羽を用いることにより、より強固な固定構造とする
ことができる。即ち本願では、1枚の羽と、さらにタブ
もしくはさらにもう1枚の羽で自立できる構造とすれば
よい。
【0038】タブを用いない構造としては、図4(b)
および(d)、図5(a)、図8(b)および(d)に
示すような形状とすることができる。また、羽は、くの
字に限ることなく弓型、M型等でもよく、図4、図5、
図8の例に示すような構造であってもよい。この図4、
図5、図8に示すような形状であれば、フェースプレー
トとバックプレートから挟まれた場合、押しつけられて
も壊れることがなく、かつ、挟まれた高さに変形するよ
うな構造であり、また、これらの構造に類似する構造で
あれば、なんら限定されない。
【0039】また、図8(a)〜(d)のような羽の構
造では、よりゲッタ面積を増加させることができる。
【0040】ゲッタコンテナ、羽、タブの材料は、金属
であることが好ましく、3者を同一材料とすることが好
ましい。例えば、Niメッキを施した鉄材又は非磁性ス
テンレス材が用いられるが、これに限ることなく他の金
属であってもよく、ゲッタコンテナ、羽およびタブが一
体となるように形成でき、多少の変形にも耐えうる材質
であり、自立かつ無接着固定する事ができる材料であれ
ば、なんら限定されるものではない。また、その板厚等
も変形圧力等を考慮して適宜設計できるが、例えば0.
05〜2mm程度である。
【0041】ゲッタコンテナと羽およびタブの接続は、
溶接あるいはろう付け等の加熱しても取れない方法で接
続されていればよい。あるいは、型によって一体成形し
てもよい。
【0042】また、本発明の位置決め手段は、前述の
羽、タブ等が滑らないで固定されるようなものであれば
良く、線状突起や溝が好ましい。線状突起は、2本線を
形成し、その間に羽、タブ等の端を挟めるようにするの
が好ましい。線状突起の線状突起の高さまたは溝の深さ
は、通常10μm〜1mm、好ましくは10〜500μ
m程度である。線状突起の形成方法は特に制限はない
が、素子部用配線を印刷で行うのであれば、配線と同じ
材料、例えばAgとバインダーによって印刷法で形成す
るのが簡便で好ましい。
【0043】位置決め手段を用いる場合は、必ずしも変
形構造部材を用いる必要はなく、変形構造部材の代わり
に、図6、図7に示すような、例えば画像表示装置にあ
っては、外枠の高さと同等の高さを有する非変形構造部
材を用いることができる。尚、このような上下両方の端
がフェースプレートおよびバックプレート等の真空容器
の部分と接触する形状の非変形構造部材をも、前記の
「羽」に含ませるものとする。この非変形の羽は、耐大
気圧構造部材としても働く。材料等は前述の変形構造の
羽と同様のものを用いることができるが、板厚は耐大気
圧構造となるように適宜設定する。
【0044】次に、本発明のゲッタ装置を上記表面伝導
型電子放出素子を用いた画像表示装置に適用した例につ
いて説明する。図9に基本的な表面伝導型電子放出素子
の構成を示す。図9において、バックプレート201に
は、一対の素子電極202、203が配置され、その素
子電極間を跨ぐようにして、スパッタで形成された金属
酸化物薄膜等からなる電子放出部形成用薄膜204が形
成されている。この電子放出部形成用薄膜204には、
フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部20
5が形成されている。
【0045】フォーミングとは前記素子電極202、2
03の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜
204を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気
的に高抵抗な状態にした電子放出部205を形成するこ
とである。尚、電子放出部では電子放出部形成用薄膜2
04の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が
行われる。
【0046】以下フォーミングにより形成した電子放出
部205を含む電子放出部形成用薄膜204を電子放出
部を含む薄膜と呼ぶ。前記フォーミング処理をした表面
伝導型電子放出素子は、上述の電子放出部を含む薄膜に
電圧を印加し、素子電極間に電流を流すことにより、上
述の電子放出部より電子が放出される。これらの素子電
極、電子放出部を含む全てを電子放出素子と呼ぶ。
【0047】電子放出部を含む薄膜は微粒子膜からな
る。尚、ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が集合
した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分
散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、ある
いは重なり合った状態(島状も含む)の膜もさす。
【0048】電子放出部を含む薄膜の具体例を挙げるな
らば、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金
属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23
の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB
4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、Ta
C、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN
等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン、Ag
Mg、NiCu、Pb、Sn等である。
【0049】表面伝導型電子放出素子の配列の方式には
表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素子の
両端を配線で接続するはしご型配置や、表面伝導型電子
放出素子の一対の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方
向配線を接続した単純マトリクス配置があげられる。
【0050】以上の説明では、蒸発型のゲッタの例を示
したが、非蒸発型ゲッタにおいても有効である。
【0051】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。
【0052】[実施例1]図1は本発明のゲッタ装置
を、蛍光表示装置に設置した例である。図1(a)は蛍
光表示装置を示す上面図であり、図1(b)に蛍光表示
装置の断面図を示す。表示面となるガラス板等の透明な
基板である基板11とフェースプレート12は、枠13
を介して互いに対向配置され真空容器を構成し、真空排
気のための排気管20が枠に取り付けられている。ゲッ
タ装置(ゲッタコンテナ14、15タブ、羽16)は、
表示部から離して設置されている。17は陽極パター
ン、18はコントロールグリッド、19はフイラメント
である。複数個の表示部を基板11に作製したのち、ゲ
ッタ装置をフラッシュさせるべき真空容器内の位置に置
く。次に基板11とフェースプレート12、枠13、排
気管20の接合すべき部位にフリットを塗布し、基板1
1とフェースプレート12を枠13を介して重ね、排気
管20を配置したのちに電気炉に入れる。電気炉をフリ
ットの封着熱処理温度まで上昇させる。その後、ゆっく
り冷却し室温に戻し真空容器を電気炉から取り出す。
【0053】次に排気管20より真空ポンプ等によっ
て、容器内を真空に引き、続いてホットプレート等の加
熱手段によって加熱し、脱ガスを行い排気管20をガス
バーナーで加熱し封じ切る。真空容器内に設置したゲッ
タ材を飛散させ、蛍光表示装置を完成させる。
【0054】本発明のゲッタ装置は、ゲッタコンテナ1
4、タブ15および羽16で構成されている。ゲッタコ
ンテナ部分には、ゲッタ材が充填されている。ゲッタコ
ンテナ14には四角の形状をしたタブ15と、くの字型
の羽16がとりつけられている。ゲッタコンテナの材質
はFeにNiメッキがされているものであり、同様に羽
16、タブ15の材質はFeにNiメッキがされており
同材質である。この羽16は、基板11とフェースプレ
ート12を枠13を介して重ねた時にできる空間の距離
(基板11−フェースプレート12間距離)と同じかそ
れ以上の高さである。ゲッタ装置をフェースプレートあ
るいはバックプレートに置いたときに、このタブ15と
羽16によって自立することができる。そして、基板1
1とフェースプレート12を重ねたとき、羽16がわず
かにおさえられ変形することにより固定される。
【0055】このように、ゲッタ装置形状を、ゲッタコ
ンテナにタブ15と羽16をとりつけた形状にすること
により、フリット等で接合しなくても自立でき、かつ固
定することができる。これにより部材の減少、作製方法
の簡略化ができるようになり、生産性の向上およびコス
ト低減が可能となった。また、熱工程も少なくすること
ができたので画像表示部の劣化の可能性も低減した。
【0056】[実施例2]次に本発明のゲッタ装置を、
表面伝導型電子放出素子を使用した画像表示装置に適用
した例を示す。図2(斜視図(a)と側面図(b))
は、この画像表示装置にゲッタを設置した例である。図
2において、電子ビームを発生する電子源として複数の
表面伝導型の電子放出素子35が形成されたバックプレ
ート21と、電子放出素子35から放出された電子に作
用して画像を表示するフェースプレート27とが外枠3
0を介して互いに対向配置され、真空排気のための排気
管31が配置されているている。本発明のゲッタ装置
(ゲッタコンテナ24、タブ25、羽26)は、表示部
と離して設置されている。バックプレート21と外枠3
0とフェースプレート27とはそれぞれフリットにより
気密接着され、これらで真空容器が構成されている。
【0057】フェースプレート27には、その内面に蛍
光体28及び加速電極であるメタルバック29が形成さ
れており、電子放出素子から放出された電子の衝突によ
り蛍光体28が発光することで画像を表示する。
【0058】本発明のゲッタ装置は、外径7mm、厚さ
0.85mmのリング状ゲッタコンテナ24に四角の形
状をしたタブ25およびくの字型の羽26が取り付けら
れて構成されている。ゲッタコンテナには、Baを主成
分とするゲッタ材4.5mgが充填されている。
【0059】ゲッタ装置の製作方法としてはいくつかあ
るが、この例では、まずゲッタコンテナにタブのついた
一体ものを型によって形成し、別途、羽26として長さ
40mm、高さ4.2mmのくの字型の金属板を製作
し、ゲッタコンテナと羽を溶接で接合し一体形成したも
のを用いた。
【0060】ゲッタコンテナの材質は非磁性のステンレ
スであり、同様に羽、タブの材質は非磁性のステンレス
である。
【0061】羽26は、バックプレート21とフェース
プレート27を外枠30を介して重ねた時にできる空間
の距離(バックプレート−フェースプレート間距離)と
同じかそれ以上の高さであり、バックプレート21とフ
ェースプレート27を重ねたとき、羽26が空間の距離
と同じ高さまでわずかにおさえられ変形することにより
固定される。
【0062】また、この構成において、羽26は素子側
にゲッタが飛ばないように、遮蔽構造も兼ねている。羽
26の上下は、フェースプレート27およびバックプレ
ート21に隙間無く接触しているので、ゲッタが羽の上
または下を通って表示部側に飛ぶことがない。また、左
右から回り込む飛散については、ゲッタが飛ぶ範囲を測
定、計算し、羽の左右から表示部上にゲッ夕が飛ばない
ように、羽の長さを設定する。
【0063】本実施例において、枠の高さは3.8mm
である。ゲッタから、約10mmの距離をおいて高周波
加熱コイルをセットして高周波をかけるとゲッタフラッ
シュされる。このゲッタフラッシュ後のゲッタ膜の広が
り範囲は、膜の抵抗値の上限を10Ωとすると、ゲッタ
から直径約42mmとなる。そこで、羽の長さを約40
mmとすれば、表示部上にゲッタが飛ぶことがなく、遮
蔽効果もあることがわかる。
【0064】この画像表示装置に用いられる電子放出素
子は例えば次のようにして製造される。この例では電子
放出材としてPdOを用いた単純マトリクス配置であ
る。
【0065】まず、ガラス基板上であるバックプレート
21にリフトオフ法によって、間隙幅2μm、間隙長さ
400μm、厚さ1000A°(オングストローム)の
Auの素子電極32、33を作製した。次に有機Pd溶
液(CCP4230奥野製薬株式会社製)を塗布し、3
00℃で15分焼成した。次にレジストパターンをパタ
ーニングし、エッチングを行い、電極に跨り面電極の間
隙を覆い、該間隙方向に長さ280μm、幅30μmの
パターンの電子放出用薄膜34を作製した。これらの工
程によって、表面伝導型電子放出素子を同一ガラス基板
上に600×400個作製した。
【0066】尚、電子放出部形成用薄膜はその他に、真
空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布
法、ディッピング法、スピンナー法等によって形成する
ことができる。次に、表面伝導型の電子放出素子35の
作製後、外部との電気的接続のため、フォトリソ工程を
用いて厚さ1μmのAu配線を形成した。
【0067】このようにして、図3のような単純マトリ
クス配置を持ったバックプレートを得た。図3におい
て、71は基板、72はX方向配線、73はY方向配
線、74は表面伝導型電子放出素子、75は結線であ
る。
【0068】また、画像表示装置のフェースプレート2
7の内側表面には、あらかじめ蛍光体28を塗布し、さ
らに蛍光体に表面に導電性を持たせたメタルバック29
を形成しておく。そして、前記フェースプレート27と
バックプレート21、外枠30の取り付けるべき部分
に、フリット(日本電気硝子(株)製LS−3081)
を塗布する。
【0069】次に、ゲッタ装置(ゲッタコンテナ24
等)をバックプレートの所定の位置に置き、ゲッタ装置
と外枠30を挟むようにしてバックプレート21とフェ
ースプレート27を対向させて貼り合わせる。治具等で
固定しながら装置全体を電気炉で加熱し封着し、その
後、ゆっくりと冷却して室温に戻し、画像表示装置を電
気炉から取り出す。フェースプレート27とバックプレ
ート21と外枠30とが、フリットによって固着し、接
着されることで、真空もれのない強固な接合を得ること
ができる。
【0070】ところで、バックプレート21と外枠3
0、及びフェースプレート27とを封着する封着材は、
バックプレート21とフェースプレート27と外枠30
を介して気密封着できる材料であれば、どのような材料
で構成されていても構わない。具体的には、非結晶性の
フリット、結晶性のフリット等があり、それらを有機溶
剤を混合したり、ニトロセルロース等のバインダーと、
そのバインダーを溶解させる有機溶剤とを混合させてペ
ースト状に調合したものを用いることができる。少なく
とも封着材の塗布作業温度では、粘着性があるものを用
いるのが作業上望ましい。
【0071】封着材の塗布方法は、塗布すべき箇所に所
望の封着材を塗布形成できればよく、スプレーやディス
ペンサー等どのような方法であってもよい。
【0072】次に画像表示装置に取り付けられた排気管
31から真空ポンプによって、真空容器内を10-6To
rr以下に真空排気する。その後、配線を通して素子電
極間に数V〜十数Vの電圧を印加し、前述したフォーミ
ングと呼ばれる通電処理を行って電子放出部を形成す
る。
【0073】次に、通電フォーミングが終了した素子に
活性化工程と呼ぶ処理を施す。活性化工程とは、例え
ば、10-4〜10-5Torr程度の真空度で、通電フォ
ーミング同様、パルス波高値が一定の電圧パルスを繰り
返し印加する処理のことであり、真空中に存在する有機
物質に起因する炭素及び炭酸化合物を導電薄膜上に堆積
させ素子電流If放出電流Ieを著しく変化させる処理
である。活性化工程は素子電流Ifと放出電流Ieを測
定しながら、例えば、放出電流Ieが飽和した時点で終
了する。また印加する電圧パルスは動作駆動電圧で行う
ことが好ましい。あるいは、有機物質に起因する炭素及
び炭酸化合物を導電薄膜上に堆積させることができるよ
うなガスを導入することによって同じような処理をする
ことができる。
【0074】尚、ここで炭素及び炭素化合物とはグラフ
ァイト(単、多結晶双方を示す)非晶質カーボン(非晶
質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合物を示す)
であり、その膜厚は500オングストローム以下が好ま
しく、より好ましくは300オングストローム以下であ
る。
【0075】こうして作成した電子放出素子を、フォー
ミング工程、活性化工程における真空度よりも高い真空
度の雰囲気下に置いて動作駆動させるのがよい。また更
に高い真空度の雰囲気下で80℃〜250℃、好ましく
は150〜250℃で加熱後動作駆動させることが望ま
しい。
【0076】続いて、ホットプレートによって本画像表
示装置を約130℃に加熱し、脱ガスを行う。そして、
画像表示装置の排気管31をガスバーナーで加熱し、溶
着し、真空容器の封止を行う。次いでゲッタフラッシュ
を行い、ゲッタを飛ばし画像表示装置を完成させる。
【0077】以上述べたように、ゲッタ装置の形状を、
ゲッタコンテナ24にタブ25と羽26を持った形状と
することにより、フリット等で接合しなくとも、自立・
固定することができる。また、羽26が遮蔽板も兼ねる
ので、ゲッタフラッシュしたときに、ゲッタが画像表示
部に飛散しなくなり、別途遮蔽板を置くことなく遮敵す
ることができるようになった。また、さらにタブ25と
羽26を持った一体型ゲッタにすることにより部材の減
数ができ、作製方法の簡略化ができるようになり、生産
性が向上し、コスト低減できるようになった。
【0078】また、この一体型ゲッタを用いることで、
熱工程も少なくすることができるので画像表示部の劣化
の可能性も低減した。
【0079】[実施例3]図6は本発明の異なる画像表
示装置の例である。図6(側面図)において、電子ビー
ムを発生する電子源として複数の表面伝導型の電子放出
素子が形成されたバックプレート21と、電子放出素子
から放出された電子に作用して画像を表示するフェース
プレート27とが外枠30を介して互いに対向配置さ
れ、ゲッタ装置(ゲッタ24等からなる)が配置されて
いる。バックプレート21と外枠30とフェースプレー
ト27とはそれぞれフリットにより気密接着され、これ
らバックプレート21、外枠30、及びフェースプレー
ト27、排気管31で真空容器が構成されている。
【0080】本実施例においては、実施例2と異なり、
バックプレート21及びフェースプレート27のゲッタ
を配置すべき位置にゲッタ位置決め用の線状突起40を
有している。
【0081】この例においては、この線状突起40は、
羽36およびタブ25の板厚を挟むことが可能な2本の
線で形成されており、線の高さは30μmである。位置
決め用線状突起40は、フェースプレート27及びバッ
クプレート21の所定位置に、Agとバインダー等から
なるペーストを用いてスクリーン印刷により印刷し、次
いで480℃60分の熱処理を行って形成した。
【0082】次に実施例2と同様にそのフェースプレー
ト27内面に蛍光体28及び加速電極であるメタルバッ
ク29を形成し、電子放出素子から放出された電子の衝
突により蛍光体28が発光することで画像を表示するフ
ェースプレートを完成させた。また、その他バックプレ
ート21等についても実施例2と同様に作製し、画像表
示装置を作製した。
【0083】作製した画像表示装置を最後にホットプレ
ートによってを約130℃に加熱し、脱ガスを行う。そ
して、排気管31をガスバーナーで加熱し、溶着し、真
空容器の封止を行う。適宜ゲッタを飛ばし画像表示装置
を完成させる。
【0084】この例のゲッタ装置において、ゲッタ材が
充填されたゲッタコンテナ24には四角の形状をしたタ
ブ25と非変形構造の板状の羽36が取り付けられてい
る。ゲッタ装置の羽36とタブ25を、位置決め用線状
突起40の2本の線間に置くことにより、所定の位置に
精度よく設置することができ、よりゲッタ装置の固定が
安定する。羽36は、バックプレート21とフェースプ
レート27を外枠30を介して対向する時にできる空間
の距離(バックプレート−フェースプレート間距離)と
ほぼ等しい高さであり、ゲッタ位置決め用線状突起40
によりゲッタ装置の移動が妨げられる。また、羽36が
多少、フェースプレート27と、バックプレート21の
空間の距離より短くても、ゲッタを固定することができ
る。
【0085】このように、ゲッタ装置に羽36とタブ2
5を設けることで、ゲッタ装置をフェースプレート27
あるいはバックプレート21に置いた時に自立できる構
造となり、また、羽36は、ゲッタが素子側に飛ぶのを
防ぐ遮蔽構造も兼ねている。羽36はフェースプレート
27とバックプレート21の空間の距離とほぼ等しい同
じ高さであるので、ゲッタが羽の上または下を通って表
示部側に飛ぶことがない。仮にわずかに低くても、位置
決め用線状突起に高さがあるので、羽36の上または下
とフェースプレート27およびバックプレート21との
間にはゲッタが飛ぶほどの隙間がないので、ゲッタが羽
の上または下を通って表示部側に飛ぶことがない。ま
た、左右から回り込む飛散については、ゲッタが飛ぶ範
囲を測定、計算し、羽の左右から表示部上にゲッ夕が飛
ぶことがないように、羽の長さを設定する。
【0086】本発明のゲッタ用位置決め手段は、ゲッタ
のタブあるいは、羽が固定できるような構造であれば制
限はなく、この例のように線状突起に限ることなく、図
7(b)に示すように溝等の構造を用いることもでき
る。
【0087】この例のように、ゲッタ形状が、ゲッタコ
ンテナ24にタブ25と羽26を持ったゲッタ形状にす
ることにより、フリット等により、接合せずに自立で
き、かつ固定することができるようになり、また、羽2
6が遮蔽板も兼ねるので、ゲッタフラッシュしたとき
に、ゲッタが画像表示部に飛散しなくなり、遮蔽板を置
くことなく遮蔽することができるようになった。また、
さらにタブ25と羽26を持った一体型ゲッタにするこ
とにより部材の減数ができ、作製方法の簡略化ができる
ようになり、生産性、コスト低減できるようになった。
また、この一体型ゲッタにより熱工程も少なくすること
ができたので画像表示部の劣化の可能性も低減した。特
にこの例ではゲッタ用位置決め構造を持つので、羽部分
が変形しない構造でもよく、この場合、羽形状は板状と
することができるので、耐大気圧構造部材としても有効
であり、さらに強固な画像表示装置が得られるようにな
った。
【0088】また、実施例2で示した羽は、ゲッタの上
部を部分的に被うような形状であって、この形状では、
ゲッタ飛散面積がやや少なくなる問題があったが、本実
施例では羽がゲッタコンテナの端に垂直に立っており、
ゲッタ飛散面積が多くなり、よりゲッタ効果が向上し
た。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、ゲッタ装置が自立し、
基板等に無接着で固定できる構造であるので、簡易にゲ
ッタを設置することが可能である。その結果、真空容
器、画像表示装置の製造工程において、作製の簡略化、
生産性向上、歩留まり向上を図ることができ、また、熱
工程の減数による素子劣化を低減することができる。
【0090】また本発明によれば、変形構造部材等が遮
蔽板としても働くので部材の点数を少なくすることがで
きる。また、ゲッタのスペースを小さくでき、設置され
る真空容器、画像表示装置の面積を小さくすることがで
きる。
【0091】また、該ゲッタを設置する真空容器、画像
表示装置にゲッタ位置決め手段を設けることにより、よ
り一定の位置に安定してゲッタを設置することができ、
さらに耐大気圧構造の非変形構造部材を用いることで真
空容器や画像表示装置の耐大気圧性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の蛍光表示装置に設置したゲ
ッタ装置を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の画像表示装置に設置したゲ
ッタ装置を示す図である。
【図3】本発明のマトリクス配線の構成である。
【図4】本発明のゲッタ装置形状を示した図である。
【図5】本発明のゲッタ装置形状を示した図である。
【図6】本発明の実施例3の画像表示装置に設置したゲ
ッタ装置を示す図である。
【図7】本発明の実施例3のゲッタ装置の形状である。
【図8】本発明のゲッタ装置形状を示す図である。
【図9】表面伝導型電子放出素子を示す図である。
【図10】表面伝導型電子放出素子を示す図である。
【図11】表面伝導型電子放出素子を示す図である。
【図12】従来のゲッタ装置を示す図である。
【図13】従来のゲッタ装置を示す図である。
【図14】従来のゲッタ装置を示す図である。
【符号の説明】
11、21:バックプレート 12、27:フェースプレ−ト 28:蛍光体 29:メタルバツク 13、30:外枠 32、33:素子電極 14、24:ゲッタコンテナ 16、26、36、46、56、66:羽 15、25:タブ 20、31:排気管 35:電子放出素子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内にゲッタ材を飛散させるゲッ
    タ装置であって、 該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと
    該ゲッタコンテナを保持する変形構造部材および非変形
    構造部材で構成されるか、またはゲッタコンテナと変形
    構造部材とで構成される自立構造であり、 該変形構造部材は、高さが真空容器内部の高さ以上であ
    って、かつ弾性構造を有し、ゲッタ装置を真空容器内に
    配置したときに変形してゲッタ装置を所定位置に固定す
    る無接着固定構造であることを特徴とするゲッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲッタが蒸発型ゲッタであり、前記
    変形構造部材がゲッタ飛散の遮蔽構造である請求項1記
    載のゲッタ装置。
  3. 【請求項3】 電子ビームを発生する電子放出源が設け
    られたバックプレートと、前記電子源と対向して配置さ
    れ、電子ビームの衝突により発光する蛍光体が設けられ
    たフェースプレートと、外枠とを有する画像表示装置に
    おいて使用されるゲッタ装置であって、 該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと
    該ゲッタコンテナを保持する変形構造部材および非変形
    構造部材で構成されているか、またはゲッタコンテナと
    変形構造部材とで構成される自立構造であり、 該変形構造部材は、高さが外枠の高さ以上であって、か
    つ弾性構造を有し、ゲッタ装置を画像表示装置内に配置
    したときにフェースプレ−トとバックプレートとに挟ま
    れて変形してゲッタ装置を所定位置に固定する無接着固
    定構造であることを特徴とするゲッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記ゲッタが蒸発型ゲッタであり、前記
    変形構造部材がゲッタ飛散の遮蔽構造である請求項3記
    載のゲッタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のゲッタ装置を
    用いる真空容器。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載のゲッタ装置を
    用いる画像表示装置。
  7. 【請求項7】 ゲッタ装置を備える真空容器において、 該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと
    該ゲッタコンテナを保持する変形構造部材および/また
    は非変形構造部材で構成される自立構造であり、 該ゲッタ装置を配置する基板にゲッタ位置決め手段を設
    けた真空容器。
  8. 【請求項8】 前記ゲッタ位置決め手段が線状突起また
    は溝である請求項7記載の真空容器。
  9. 【請求項9】 ゲッタ装置を備える画像表示装置におい
    て、 該ゲッタ装置が、ゲッタ材を収納するゲッタコンテナと
    該ゲッタコンテナを保持する変形構造部材および/また
    は非変形構造部材で構成される自立構造であり、 該ゲッタ装置を配置する基板にゲッタ位置決め手段を設
    けた画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記ゲッタ位置決め手段が線状突起ま
    たは溝である請求項9記載の画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記のゲッタコンテナを保持する構造
    部材の少なくとも一つに、耐大気圧構造の非変形構造部
    材を用いることを特徴とする請求項9または10に記載
    の画像表示装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100322453B1 (ko) * 1999-08-20 2002-03-13 김순택 형광 표시관
JP2006185813A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Hitachi Ltd 表示装置
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US7714496B2 (en) * 2006-03-31 2010-05-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Field emission display device and field emission type backlight device having a sealing structure for vacuum exhaust

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