JP2006192294A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】体内挿入時の摺動抵抗を低減し、かつその摺動性を損なうことなく、操作者の操作性を向上させたガイドワイヤを提供する。
【解決手段】先端側及び基端側を有するガイドワイヤであって、該先端側には潤滑性樹脂被覆6を被覆してなり、該基端側には該先端側潤滑性樹脂被覆とは異なる潤滑性樹脂被覆5を被覆してなり、該先端側潤滑性樹脂被覆の該ガイドワイヤ上における基端側と先端側とは摩擦抵抗が異なり、該先端側潤滑性樹脂被覆には該基端側から該先端側にかけて摩擦抵抗が小さくなるように前記潤滑性樹脂の密度勾配を有することを特徴とするガイドワイヤ。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面に潤滑性樹脂被覆を有するガイドワイヤに関するものである。
気道、気管、消化管、尿道、血管、その他の体腔あるいは組織中に挿入されるカテーテル等の医療用器具、さらにはこれらに挿入されて体内に挿入されるガイドワイヤー、スタイレット等の各種医療用具は、組織を損傷させず、また目的部位まで確実に挿入することを可能とする円滑性が要求され、さらには組織内に留置している間に摩擦によって粘膜を損傷したり、炎症を引き起こしたりすることを避けるために、表面にすぐれた潤滑性を有することが要求される。このような要求を満足するため、体内に挿入する医療器具の基材表面全体に、無水マレイン酸系高分子物質等の水溶性高分子を共有結合させて、潤滑性樹脂の被覆を形成することが知られている(特許文献1乃至3)。
しかしながら、これら従来技術のように基材の全表面に被覆を形成すると、体内での摩擦抵抗が小さくなるとともに、体外の基端部操作部分の摩擦抵抗も小さくなるため、術者の手が滑りやすくなり、操作性が低下する。このため、術者は操作部分が濡れないように注意したり、あるいは特許文献4に示されるような操作用の特殊なアダプターを用いたりする必要があった。
また、これらの問題を鑑みて、ガイドワイヤにおいて手元側に潤滑性樹脂被覆を行わないもの(特許文献5)や手元部分に潤滑性をなくす処理を施したもの(特許文献6)が考えられているが、潤滑性の無い部分を長く取るとカテーテル導入時や抜去時にガイドワイヤの潤滑性のない部分がカテーテルの中で高い摩擦抵抗を発生し、また潤滑性の無い部分を手元側の短い部分のみにすると術者が潤滑性のある部分に触れる機会が増え、操作性をおとすという欠点があった。
特開昭59−81341号公報 特開平1−195863号公報 特公平1−33181号公報 特開平3-82478号公報 特公平4-45189号公報 特公平7-83761号公報
本発明は、上述した従来の技術の欠点を克服することを目的とし、更に体内挿入時の摺動抵抗を低減減少し、かつ、その摺動性を損なうことなく、操作性を向上させたガイドワイヤを提供することを目的とする。
このような目的は、次の本発明によって達成される。
先端側及び基端側を有するガイドワイヤであって、該先端側には潤滑性樹脂被覆を被覆してなり、該基端側には該先端側潤滑性樹脂被覆とは異なる潤滑性樹脂被覆を被覆してなり、該先端側潤滑性樹脂被覆の該ガイドワイヤ上における基端側と先端側とは摩擦抵抗が異なり、該先端側潤滑性樹脂被覆には該基端側から該先端側にかけて摩擦抵抗が小さくなるように該先端側潤滑性樹脂の密度勾配を有することを特徴とするガイドワイヤ。
該先端側に先端側芯金を有し、該基端側には基端側芯金を有し、該先端側芯金と該基端側芯金は接続してなることが好ましい。該先端側芯金と該基端側芯金をパイプにて接続することが好ましい。該潤滑性樹脂被覆は該基端側から該先端側にかけて段階的に摩擦抵抗が小さくなることが好ましい。
前記潤滑性樹脂被覆は前記先端側の方が前記基端側より高密度で被覆されていることが好ましい。前記潤滑性樹脂被覆の前記基端側の摩擦抵抗が、前記先端側の摩擦抵抗の1.2倍以上かつ20倍未満の大きさであることが好ましい。前記樹脂被覆は、水溶性高分子物質またはその誘導体を含むことが好ましい。前記水溶性高分子物質は、無水マレイン酸系高分子物質であることが好ましい。前記水溶性高分子物質は、基材表面に存在する反応性官能基と共有結合していることが好ましい。上記樹脂被覆は、水溶性または水膨潤性重合体の架橋物または高分子化合物が、ガイドワイヤの基材表面で、相互貫入網目構造を形成することが好ましい。該重合体がエポキシ基を有するブロックポリマーであることが好ましい。該重合体がマクロモノマーであることが好ましい。
水溶性または水膨潤性重合体をガイドワイヤの基材が膨潤する溶媒に溶解して該重合体溶液を作製し、該溶液にガイドワイヤの基材を浸漬して膨潤させ、さらに基材表面で該重合体を架橋または高分子化させたことが好ましい。
本発明によれば、ガイドワイヤの操作性が大きく向上する。
以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。本発明のガイドワイヤの潤滑性の樹脂被覆を形成するのに用いる水溶性高分子物質は、ガイドワイヤ基材上に共有結合により固定されることが好ましい。このような水溶性高分子物質は、原則として鎖状で架橋のない高分子が−OH,−CONH2,−COOH,−NH2,−COO-,−SO3-,−NR3+などの親水基をもつもので、具体的に天然水溶性高分子としては、カルボキシルメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン系、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系、タンニン、ニグニン系、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、タマリント種、キチン、キトサン等の多糖類系、ゼラチン、カゼイン、にかわ、コラーゲン合成水溶性高分子等のタンパク質等が考えられる。合成水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等のポリエチレンオキサイド系、ポリアクリル酸ソーダ等のアクリル酸系、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸系、ポリヒドロキシエチルフタル酸エステル等のフタル酸系、ポリジメチルロールプロピオン酸エステル等の水溶性ポリエステル、メチルイソプロピルケトンホルムアルデヒド樹脂等のケトンアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド等のアクリルアミド系、ポリビニルピロリドン、ポリアミン、ポリ電解質、水溶性ナイロン等が考えられる。これらのうちでは、特に無水マレイン酸系高分子物質、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、水溶性ナイロンが湿潤時の潤滑性およびその持続性が高いため好ましい。
そして、このような効果は、特に無水マレイン酸系高分子物質を用いたとき、きわめて高いものとなる。この場合、無水マレイン酸系高分子物質としては無水マレイン酸のホモポリマーであっても、コポリマーであってもよい。これらの中では、特に、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体が好適である。このようなものとしては、G.A.F.コーポレーションからGANTREZ AN(商品名)として市販されているほぼ1:1の共重合体が挙げられる。
また、その誘導体とは水溶性に限定されず、上記水溶性高分子物質を基本構成としていれば、特に制限はなく、不溶化されたものについても後述の如く分子鎖に自由度があり、かつ含水するものであればよい。例えば、上記水溶性高分子物質の縮合、付加、置換、酸化、還元反応などで得られるエステル化物、塩、アミド化物、無水物、ハロゲン化物、エーテル化物、加水分解物、アセタール化物、ホルマール化物、アルキロール化物、4級化物、ジアゾ化物、ヒドラジド化物、スルホン化物、ニトロ化物、イオンコンプレックス;ジアゾニウム基、アジド基、イソシアネート基、酸クロリド基、酸無水物基、イミノ炭酸エステル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、アルデヒド基等、反応性官能基を2個以上有する物質との架橋物;ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、ジエン系化合物、無水マレイン酸等との共重合物などがある。
このような水溶性高分子物質は、水によく溶解し、その溶液をある物体間に存在せしめると、両者間の摩擦抵抗を著しく低下させることができ、潤滑剤として用いることができる。また、これらの水溶性高分子物質の縮合または付加反応や置換反応などで得られる誘導体や、一部架橋などにされたものも潤滑剤として効果的である。これらを基材中もしくは基材表面に存在または導入された反応性官能基と共有結合させることにより、基材上に担持された潤滑層を得ることが可能となり、水に溶けることなく持続的な潤滑性表面を得ることができる。これら水溶性高分子物質の平均分子量は、特に制限はないが、1〜500万程度のものが潤滑性も高く、適度な厚さに、しかも含水時における膨潤度も著しく大きくない潤滑層が得られ好適である。
基材中もしくは基材表面上に、存在または導入される反応性官能基は、前記水溶性高分子物質と反応し、結合ないし架橋して固定するものであれば、特に制限はないが、ジアゾニウム基、アジド基、イソシアネート基、酸クロリド基、酸無水物基、イミノ炭酸エステル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、アルデヒド基等が考えられ、特にイソシアネート基、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基が好適である。反応性官能基含有基材としては、ポリウレタン、ポリアミドなどが好適である。
また、各種ガイドワイヤの外壁などを構成する基材としては、通常、これら反応性官能基を含有していないものも用いられる。このようなときには前述のように反応性官能基を有する物質にて処理し、反応性官能基を基材に存在させ、この上に水溶性高分子物質を共有結合させる。結合形態は、共有結合、イオン結合、物理的付着など種々あるが、持続性に点を考慮すると、共有結合が最も好ましい。このような反応性官能基を有する物質としては、例えば、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、トルフェニルメタントリイソシアネート、トルエントリイソシアネートなどのポリイソシアネート、およびこれらポリイソシアネートとポリオールのアダクトまたはプレポリマー等や、さらに、例えば低分子ポリアミンとしてエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、デドカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアシン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、,N−ジエチルトリメチレンジアミン、N,N−ジメチルトリメチレンジアミン、N,N−ジブチルトリメチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N−メチルトリメチレンジアミン、N−N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ノナエチレンデカミン、1,3−ビス(2’−アミノエチルアミノ)プロパン、ビス(3−ダミノプロパル)アミン、N1,3−ビス(3’−アシノプロピルアミノ)プロパン、1,2,3−トリアミノプロパン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラ(アミノメチル)メタン、メチルイミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスエチルアミン、エチルイミノビスエチルアミン、N−アミノプロピル−2−モルホリン、N−アミノプリピル−2−ピペコリン、N−(2−ヒドロキシエチル)トリメチレンジアミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−アミノエチルピペラジン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルテトラメチレンジアミンなどが挙げられ、高分子ポリアミンとして〔I〕アミンとアルキレンジハライドあるいはエピクロルヒドリンから合成されるポリ(アルキレンポリアミン)〔エンサイクロピディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー(Encyclopedia of Polymer Scienceand Technology)10巻、616ページ〕、〔II〕エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミンの開環重合によって得られるアルキレンイミン重合体〔エンサウクロピディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー、1巻、734ページ〕、〔III〕その他、ポリビニルアミン、ポリリジンなどのポリアミン、さらに、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、ジアルデヒド、でんぷん、ガリオキサール、マロンアルデヒド、コハク酸アルドヒド、アジプアルデヒド、ピメリンジアルデヒド、スベリンジアルデヒド、マレインアルデヒド、2−ペンテン−1,5−ジアルデヒドなどのポリアルデヒド、さらにエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリンジルエーテル、ポリプロピレンジグリンシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチエロールプロパントリグリシジルエーテルなどのポリエポキシドがある。なお、これらのうちでは特に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト(付加体)、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト、あるいはそのトリマー、ジエチレントリアミンが最も好ましい。
本発明において、水溶性高分子物質に用いる基材の材質上の制限はきわめて少ない。従って、用いる基材としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ無水マレイン酸、ポリエチレンイミン。ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、シリコール樹脂、各種ラテックス、さらにはこれらの各種共重合体、ブレンド体等の各種有機高分子基材や、ガラス、セラミックス、ステンレス等の各種無機ないし金属基材のいずれであってもよい。そして、これら基材中には、必要に応じ各種添加剤が含有されていてもよい。
なお、基材として、特にその潤滑性持続効果が高いのは、有機高分子樹脂であり、そのうち、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ラテックス系、ポリエステル系は最もその効果が高い。
従って、これらの他の樹脂ないし金属、ガラス等を基材とするときには、前述の基材に用いたと同様の各種有機高分子樹脂からなる層を、予め基材表面に形成しておき、反応性官能基を導入したり、該樹脂と反応性官能基を有する物質をブレンドしたりして潤滑層を設けるとより好ましい結果をうる。
湿潤時に潤滑性を有する水溶性または水膨潤性重合体は、要求される機械的強度や潤滑性の機能により異なるが、加熱処理や触媒を添加することにより架橋するエポキシ基を有するブロックポリマーや高分子化するマクロモノマーが好適に使用される。また、患者の体温(30〜40℃)において吸水し、潤滑性を発現する重合体であり、架橋または不溶化した際に吸水率が100%以下のものである。
さらにブロックポリマーにおいては、潤滑性を発現する部位とエポキシ基を有する部位とからなるブロック共重合体であることが望ましい。潤滑性を発現する部位は、体液や水系溶媒中において潤滑性を発現すればいかなるものであっても良いが、合成の容易性や操作性などを考慮すると、アクリルアミド、アクリルアミド誘導体よりなる重合体、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、糖、リン脂質を側鎖に有する単量体を構成成分とする重合体あるいは無水マレイン酸系重合体などが挙げられる。無水マレイン酸系重合体としては、水溶解性に限定されず、無水マレイン酸系高分子を主成分としていれば不溶化されたものであっても、湿潤時に潤滑性を発現するものであれば良い。さらに、基材を膨潤させる溶媒に、重合体を溶解させてコーティングすることを考慮すると、有機溶媒にも可溶な重合体、すなわち両親媒性重合体が好ましい。
一方マクロモノマーにおいては、枝の部分が潤滑性を発現する部位で、幹の部分が加熱処理により架橋または高分子化するドメインを有する部位であることが望ましい。具体的には、グリシジルメタアクリレートとジメチルアクリルアミドとのマクロモノマー、グリシジルメタアクリレートと無水マレイン酸・ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体とのマクロモノマー、グリシジルメタアクリレートと無水マレイン酸・アクリルアミド共重合体とのマクロモノマー等が例示される。またその基材は、機械的強度が大きく寸法が著しく変化しなければ、溶媒に対して膨潤すればいかなるものであっても構わないが、好ましくは数1の式により算出された膨潤率が、1〜100%、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%の条件で該重合体をコーティングできる基材と溶媒の組み合わせであることが望まれる。
Figure 2006192294
また、膨潤率は以下の方法で測定する。
(1)ガイドワイヤを構成する基材を1cm×3cm×0.3mmのシートに切断し(この時の重量をWoとする)、溶媒25mlに浸漬させる。
(2)浸漬後、即座に表面に存在する溶媒を拭き取り、重量変化(ΔW)を算出する。浸漬時間に関しては、基材の寸法が著しく変化せず、要求されている物性が保持される範囲内であれば、いかなる時間でも構わないが、操作性の観点から1秒〜10分、好ましくは10秒〜5分、より好ましくは30秒〜3分であることが望まれる。
さらに、具体的な素材としては、ポレオレフィン、変性ポレオレフィン、ハロゲン化ポレオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、あるいはこれらのブロックまたはグラフト共重合体やアロイ化成型物や多層化成形物であり、アルカリ金属アルコラート基、アミノ基、アルカリ金属アミド基、カルボン酸基、スルホン酸基、マグネシウムハライド基およびフッ素ホウ素系錯体基を含有する必要はなく、使用する溶媒に膨潤すれば良い。
本発明における、先端側と基端側とで摩擦抵抗の異なる潤滑性樹脂被覆を有することを特徴とするガイドワイヤは、水系の液体にぬれた状態で、挿入時や、摺動時や、体内留置時等に、低い摩擦抵抗を要求される表面をもつものである。なお、水系の液体にぬれた状態で、挿入時や、摺動時や、体内留置時等に、低い摩擦抵抗を要求される表面をもつ医療用具には、ガイドワイヤも含めて、具体的に下記のようなものがある。
1)胃管カテーテル、栄養カテーテル、ED(経管栄養用)チューブ、内視鏡などの経口ないし経鼻的に消化管内に挿入ないし留置されるカテーテル類およびこれらのためのガイドワイヤ。
2)酸素カテーテル、酸素カヌラ、気管内チューブのチューブやカフ、気管切開チューブのチューブやカフ、気管内吸引カテーテルなどの経口ないし経鼻的に気道ないし気管内に挿入ないし留置されるカテーテル類。
3)尿道カテーテル、導尿カテーテル、バルーンカテーテルのカテーテルやバルーンなどの尿道ないし尿管挿入ないし留置用のカテーテル類の外表面。
4)吸引カテーテル、排液カテーテル、直腸カテーテルなど各種体腔ないし組織内挿入ないし留置用のカテーテル類。
5)留置針、IVHカテーテル、サーモダイリューションカテーテル、血管造影カテーテル、PTCA用カテーテルダイレーター、イントロデューサー、血管用超音波プローブなどの血管内挿入ないし留置用のカテーテル類。あるいは、これらカテーテル類に使用されるガイドワイヤやスタイレット等の外表面。
6)各種器管内挿入用内視鏡の外表面など挿入時、摺動時または体内留置時等低い摩擦抵抗を要求されるガイドワイヤの表面。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。前記のとおり、体内に挿入し、目的部位まで移動操作するガイドワイヤの実施態様を挙げ、本発明の効果を例証する。
樹脂被覆は以下のように形成した。アジピン酸2塩化物72.3gに50℃でトリエチレングリコール29.7gを滴下した後、50℃で3時間塩酸を減圧除去して得られたオリゴエステル22.5gにメチルエチルケトン4.5gを加え水酸化ナトリウム5g、31%過酸化水素6.93g、界面活性剤ジオクチルフォスフェート0.44g、水120gよりなる溶液に滴下し、−5℃で20分間反応させた。反応生成物を水洗、メタノール洗浄を繰り返した後、乾燥させて分子内に複数のパーオキサイド基を有するポリ過酸化物を得た。このポリ過酸化物を開始剤として0.5g、グリシジルメタクリレート(GMA)9.5gを、ベンゼン30gを溶媒として、80℃、2時間減圧下で撹拌しながら重合した。反応生成物は貧溶媒をジエチルエーテル、良溶媒をテトラヒドロフランとして精製し、分子内に複数のパーオキサイド基を有するポリグリシジルメタアクリレート(PPO−GMA)を得た。続いてPPO−GMA1.0gをジメチルアクリルアミド9.0g、溶媒としてジメチルスルフォキシド90gを仕込み、減圧で密閉にした後、80℃に加熱して18時間重合反応を行なった。反応後、貧溶媒をジエチルエーテル、良溶媒をテトラヒドロフランとして精製し、分子内にエポキシ基材を有する湿潤時に潤滑性を発現するブロックポリマーを得た。本ポリマーはNMRおよびIR測定により、分子内にエポキシ基の存在が確認できた。
上記ブロックポリマーを重量比で2%、クロロホルムに溶解させ、ピリジンを適量加えたものに、外径0.6mmのNi−Ti製芯金に熱可塑性ポリウレタン樹脂をコートし外径0.89mmとしたガイドワイヤを数秒浸漬させ、常温乾燥させた。さらにコーティングしたガイドワイヤを60〜100℃で加熱乾燥して、全面を潤滑性処理したガイドワイヤを得た。また、上記ブロックポリマーの溶液中に溶解させたブロックポリマーの重量比2%のものに対し、1.5%・1%・0.5%・0.4%・0.3%・0.16%・0.08%のブロックポリマー溶解液それぞれによって、全面を同様な方法でコートしたガイドワイヤを作製した。
図1に示される、テルモ社製カテーテル「ハートキャス」5Frに上記の方法で得られた各ガイドワイヤを挿入し、それぞれの最大抵抗値を引っ張り試験器(島津オートグラフ AGS-100D 島津製作所製)にて測定した。この際、カテーテル内には水道水を満たし、挿入速度は500mm/minとした。結果をもとに得られた累乗近似曲線を図2に示す。図2に示される結果から、湿潤時にのみ潤滑性を示す被覆樹脂のコート濃度により挿入抵抗が変わることがわかる。このコート濃度は、被覆後のガイドワイヤ表面においては樹脂の密度として現れる。
そこで、図3に示すように、全長150cmのガイドワイヤ1の基端側(50〜100cm)の部分には0.6%の濃度の潤滑性樹脂被覆5を施し、先端側には2%の濃度の潤滑性樹脂被覆6を行ったところ、操作性はきわめて良好なものとなった。また、2%の濃度の潤滑性樹脂被覆と0.6%の濃度の潤滑性樹脂被覆の境に濃度勾配をつけると、外径や摩擦抵抗に段差もなくスムーズに移行し、より操作性は良好なものとなった。なお、ガイドワイヤとしては、外径0.6mmのNi−Ti製芯金2に熱可塑性ポリウレタン樹脂3をコートし外径0.89mmとしたもので、先端部は芯金をテーパ状に細径化し柔軟化した上にX線造影マーカとしてPt、Au等のコイル4を巻いた。ポリウレタン樹脂の被覆層は先端部においても外径が一定であるものとした。
図4は本発明を適用した他の実施例を示すものである。先端部は表面にシリコンを被覆したプラチナ(Pt)製のコイル8がNi−Ti製芯金9の先端細径部30cmの部分に巻かれており、芯金9の他の部分は熱可塑性ポリウレタン樹脂7によりコートされている。また、芯金9のコイル8の基端から約50-100cmは上記実施例と同様の潤滑性樹脂による濃度1.6%の潤滑性樹脂被覆10を施し、その基端側40-90cmには濃度0.4%の潤滑性樹脂被覆11を施した。最も基端側の10cmは、潤滑性樹脂被覆を行わなかった。先端のコイル8は先端部の形状付け(リシェイプ)を可能とし、基端の潤滑性樹脂被覆を行わなかった部分は、カテーテル等への挿入の際には摩擦抵抗が阻害とならない程に短く、かつ術者の取り扱いをより容易とするために設けられている。
図5は本発明を適用した第三の実施例を示すものである。本願は先端側のNi−Ti製芯金12と基端側のスレンレス製芯金13をステンレス製パイプ14により接続したものである。芯金12の先端部は図3に示した実施例と同様テーパー化された上にPt製コイル17が設けられ、全体を熱可塑性ポリウレタン樹脂16によりコートされている。また、パイプ14には樹脂のコートがなされておらず、先端側の芯金12との接続をスムーズに移行させるために螺旋状の切れ込み18が入れられている。芯金12、13とパイプ14の接続はハンダ等によりなされる。芯金13の表面は先端部と同様のポリウレタン樹脂15によりコートされている。潤滑性樹脂被覆は、パイプ14を境界に先端側が2.0%の潤滑性樹脂被覆19、基端側が0.6%の滑性樹脂被覆20をされている。このような構成により、先端部は弾性が高く、基端部はコシの強い、操作性に優れたガイドワイヤを得ることが出来る。
上記各実施例はガイドワイヤについてのものであるが、既に述べているように、カテーテルへの応用も可能である。
また、上述した実施例はいずれも、潤滑性被覆の摩擦抵抗の変化させるために、被覆した樹脂溶液の濃度を変えているが、先端側と基端側とで、異なる潤滑性樹脂を被覆することにより行っても良い。
また、上記3つの実施例における潤滑性被覆の基端部と先端部との摩擦抵抗の大きさの比は、図2の摺動値の大きさから明らかなように、基端:先端が1:2程度である。この比は、操作性やカテーテル内の摺動性を考慮すると、1:1.2乃至1:20の範囲内であることが好ましく、最も好ましくは、1:1.5乃至1:4.5程度、すなわち、潤滑性樹脂被覆の基端部の摩擦抵抗が、先端部の摩擦抵抗の1.5倍以上かつ4.5倍以下の大きさであることが好ましい。これによって、操作性が高く、かつ摺動性の高い、本発明の効果をより顕著に示すガイドワイヤを実現することができる。
本発明の効果を確認するための挿入抵抗の試験法を示す正面図である。 ブロックポリマー濃度を重量比で変えた場合の摺動抵抗値とブロックポリマー濃度の累乗近似曲線を示す。 本発明の実施例1であるガイドワイヤを示す断面図である。 本発明の実施例2であるガイドワイヤを示す断面図である。 本発明の実施例3であるガイドワイヤを示す断面図である。
符号の説明
1:ガイドワイヤ、2:芯金、3:ポリウレタン樹脂、4:コイル、5・6:潤滑性樹脂被覆。

Claims (4)

  1. 先端側及び基端側を有するガイドワイヤであって、該先端側には潤滑性樹脂被覆を被覆してなり、該基端側には該先端側潤滑性樹脂被覆とは異なる潤滑性樹脂被覆を被覆してなり、
    該先端側潤滑性樹脂被覆の該ガイドワイヤ上における基端側と先端側とは摩擦抵抗が異なり、該先端側潤滑性樹脂被覆には該基端側から該先端側にかけて摩擦抵抗が小さくなるように前記潤滑性樹脂の密度勾配を有することを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 該先端側に先端側芯金を有し、該基端側には基端側芯金を有し、該先端側芯金と該基端側芯金は接続してなる請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 該先端側芯金と該基端側芯金をパイプにて接続した請求項2に記載のガイドワイヤ。
  4. 該潤滑性樹脂被覆は該基端側から該先端側にかけて段階的に摩擦抵抗が小さくなる請求項1に記載のガイドワイヤ。
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