JP2006190690A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量で、かつサイクル特性が優れた非水二次電池を提供する。
【解決手段】 正極、負極およびセパレータを積層または巻回した電極積層体と電解質を有し、前記電極積層体の単位体積当たりの放電容量が140mAh/cm以上の非水二次電池において、正極集電材として、厚みが15μm以下で、アルミニウムを主成分とし、鉄を0.5〜2.0質量%含み、かつシリコンを0.05〜1.0質量%含み、伸びが2%以上で、かつ引張り強度が150N/mm以上である金属箔を用いる。
前記セパレータとして厚みが20μm以下のポリオレフィン系セパレータを用いることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水二次電池に関するものであり、さらに詳しくは、高容量で、かつサイクル特性が優れた非水二次電池に関するものである。
リチウムイオン電池に代表される非水二次電池は、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密度、高出力であることから、ますます需要が増える傾向にある。
しかしながら、本発明者らが上記非水二次電池のさらなる高容量化を目指して検討を進めているうちに、この非水二次電池では、電池の容量が増加するにつれてサイクル特性が低下する傾向があり、特に電極積層体単位面積当たりの放電容量が130mAh/cm以上の高容量になると、所望のサイクル特性が得られなくなることが判明した。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、電極積層体単位体積当たりの放電容量が130mAh/cm以上、とりわけ、140mAh/cm以上という高容量の非水二次電池においても、所望のサイクル特性が得られるようにし、高容量で、かつサイクル特性が優れた非水二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極集電材として、厚みが15μm以下で、アルミニウムを主成分とし、鉄を0.5〜2.0質量%含み、かつシリコンを0.05〜1.0質量%含み、伸びが2%以上で、かつ引張り強度が150N/mm以上である金属箔を用いることによって、電極積層体の単位面積当たりの放電容量が140mAh/cm以上という高容量の非水二次電池においても、良好なサイクル特性を得ることができ、上記課題を解決できることを見出したものである。
本発明によれば、電極積層体単位体積当たりの放電容量が140mAh/cm以上という高容量で、かつサイクル特性が良好な非水二次電池を提供することができる。
本発明において用いる正極集電材は、アルミニウムを主成分とする金属箔であるが、その純度はアルミニウムが98質量%以上99.9質量%未満であることが好ましい。通常のリチウムイオン電池では一般に純度が99.9質量%以上のアルミニウム箔が正極集電材として用いられているが、本発明においては、正極集電材として厚みが15μm以下の薄い金属箔を使用するので、薄くても使用に耐え得る強度にする必要があり、そのため、純度は99.9質量%(以下、特に断らない場合、%は質量%を示す)未満にして強度を高めるようにすることが好ましい。添加する金属元素は、鉄とシリコンである。鉄は0.5%以上が必要であり、好ましくは0.7%以上である。ただし、鉄が多くなりすぎると鉄イオンが溶出するようになるおそれがあるので、鉄は2%以下が必要であり、好ましくは1.3%以下である。シリコンは、0.05%以上が必要であり、好ましくは0.2%以上である。ただし、シリコンが多くなりすぎると圧延むらやピンホールなどが生じやすくなるおそれがあるので、シリコンは、1.0%以下が必要であり、好ましくは0.3%以下である。なお、これらの鉄やシリコンはアルミニウムと合金化していることが必要であり、アルミニウム中に不純物として存在するものではない。
そして、正極集電材の引張り強度としては、150N/mm以上が必要であり、好ましくは180N/mm以上である。また、本発明において用いる正極集電材は、伸びが2%以上であることが必要であり、好ましくは3%以上である。これは、電極積層体単位体積当たりの放電容量が大きくなるにつれて電極合剤層の充電時の膨張が大きくなるため、その膨張によって正極集電材に応力が発生し、それによって、正極集電材に亀裂や切断などが発生しやすくなるが、正極集電材の伸びを大きくしておくと、その伸びによって応力を緩和し、正極集電材の亀裂や切断などを防止できるようになるからである。
本発明においては、上記のように、正極集電材として厚みが15μm以下のアルミニウムを主成分とする金属箔を用いるが、この正極集電材の厚みが15μm以下であることを必要としているのは、厚みが15μmより厚くなると、そのぶん、正極活物質を減らさなければならず、その結果、電池の容量が低下するからであり、厚みが薄いほど電池の高容量化には好都合であるが、あまりにも薄くなりすぎると、製造時に正極集電材の強度不足による切断などが生じるおそれがあるため、正極集電材の厚みとしては、上記のように15μm以下であって5μm以上、特に8μm以上が実用上適している。
本発明において、電極積層体体積とは、正極、負極およびセパレータを積層したものまたは正極、負極およびセパレータを巻回したものの電池内における嵩体積であって、後者のように巻回したものにあっては、巻回に際して使用した巻き軸に基づく巻回体中心部の透孔などは体積として含まない。要は正極、負極、セパレータが占める嵩体積を合計したものである。これら正極、負極、セパレータの3つの体積は電池の容量を決定する重要な因子であり、電池の大きさに拘わらず、電極積層体の単位体積当たりの放電容量(放電容量/電極積層体体積)を計算することによって、電池の容量密度を比較することができる。また、ここでいう放電容量とは、その電池の標準使用条件で充放電させた場合の放電容量である。本発明においては、電極積層体単位体積当たりの放電容量が140mAh/cm以上の非水二次電池を対象としており、高容量化という観点からは、電極積層体単位体積当たりの放電容量が150mAh/cm以上であることが好ましい。
また、正極集電材の表面は片面が粗面化していることが好ましい。そして、粗な面が巻回体、すなわち、正極、負極およびセパレータを巻回した巻回構造の電極積層体の外側にあることが好ましい。これは、上記巻回体の場合、外側の面が巻回中心部ほど対向する負極が多く存在しているので正極が劣化しやすいため、外側に粗な面を用いて接着性を高めることにより電極の劣化を低減できるからである。粗な面の好ましい平均粗度はRaで0.1〜0.5μmであり、より好ましくは0.2〜0.3μmである。そして、光沢面の好ましい平均粗度はRaで0.2μm以下で、より好ましくは0.1μm以下である。
また、正極集電材の濡れ性が悪い場合、電池をサイクルさせた場合にサイクルの劣化が生じやすい傾向にある。そのような場合は濡れ性が37dyne/cm以上であることが好ましい。
本発明において、正極活物質としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物、LiMn24などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物が用いられ、特にLiNiO2、LiCoO2、LiMn24などの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いる場合には、高エネルギー密度で高容量が得られるので好ましい。とりわけ、LiNiO2は最も高容量が得られるので特に好ましい。
正極は、例えば、上記正極活物質に、必要に応じて、鱗片状黒鉛などの導電助剤やポリフッ化ビニリデンなどのバインダを加え、混合して正極合剤を調製し、それを溶剤で分散させてペーストにし(バインダはあらかじめ溶剤に溶解させてから正極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤ペーストを厚みが15μm以下のアルミニウムを主成分とする金属箔からなる正極集電材に塗布し、乾燥して、正極集電材の少なくとも一方の面に正極合剤層を形成することによって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
本発明において、負極活物質としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、そのような負極活物質の具体例としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料が挙げられるが、特に2000℃以上で焼成した炭素材料は、充放電に伴う体積変化が大きく本発明の効果を発現しやすい。また、Si、Sn、Inなどの合金あるいはLiに近い低電圧で充放電できる酸化物などの化合物なども負極活物質として用いることができる。
負極活物質として炭素材料を用いる場合、該炭素材料は下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、そのX線回折での(002)面の層間距離d002に関しては、3.5Å以下が好ましく、より好ましくは3.45Å以下、さらに好ましくは3.4Å以下である。また、c軸方向の結晶子の大きさLcは30Å以上が好ましく、より好ましくは80Å以上、さらに好ましくは250Å以上である。そして、上記炭素材料の平均粒径は8〜15μm、特に10〜13μmが好ましく、純度は99.9%以上が好ましい。
負極は、例えば、上記負極活物質に、必要に応じ、正極の場合と同様の導電助剤やバインダなどを加え、混合して負極合剤を調製し、それを溶剤に分散させてペーストにし(バインダはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤ペーストを銅箔などからなる集電材に塗布し、乾燥して、集電材の少なくとも一方の面に負極合剤層を形成することによって作製される。ただし、負極の作製方法は上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
上記負極集電材としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス鋼箔などの金属箔や、それらの金属を網状にしたものなどが用いられるが、特に銅箔が適している。
本発明において、電解質としては、通常、有機溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの溶質を溶解させることによって調製した非水溶媒系の液状電解質が用いられる。その液状電解質の溶媒成分としては鎖状エステルが粘度が低くリチウムイオンが移動しやすいことから、よく用いられる。特によく用いられる鎖状エステルは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒である。
また、上記鎖状エステルに下記の誘電率が高いエステル(誘電率30以上)を混合して用いると、高伝導度や優れた電池特性が得られるので、特に好ましい。そのような誘電率が高いエステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ガンマーブチロラクトン(γ−BL)、エチレングリコールサルファイト(EGS)などが挙げられる。特に環状構造のものが好ましく、エチレンカーボネート(EC)が最も好ましい。
上記誘電率の高いエステルの電解質の全溶媒中で占める量としては、上記エステルが多くなりすぎると粘度が高くなり、リチウムイオンの移動が妨げられるおそれがあるので、40体積%未満が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。そして、これら誘電率の高いエステルによる電池特性などの向上は、上記エステルが電解質の全溶媒中で10体積%以上になると顕著になり、20体積%に達するとさらに向上が見られるようになる。
上記エステル以外に併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジオキソラン(DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2Me−THF)、ジエチルエーテル(DEE)などが挙げられる。そのほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
電解質の溶質としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCn2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO22〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用いられる。特にLiPF6や炭素数が2以上のフルオロアルキル基を有するリチウム塩などが好ましい。液状電解質中における溶質の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度を1mol/l以上の多めにすると安全性が良くなるので好ましく、1.2mol/l以上がより好ましい。また、1.7mol/lより少ないと電気特性が良くなるので好ましく、1.5mol/lより少ないとより好ましい。
セパレータとしては、特に限定されることはないが、例えば、厚みが20μm以下の微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどのポリオレフィン系セパレータは、薄くても充分な強度を有しているので、正極活物質や負極活物質などの充填量を高めることができるとともに、熱伝導性が改善され、電池内部の発熱に対しても放熱を促進するので、本発明において好適に使用される。特に電極積層体と電池ケースとの間にセパレータが介在する場合は電池内部の熱を放熱する効果が大きい。
つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
メチルエチルカーボネートとエチレンカーボネートとを体積比75:25で混合し、この混合溶媒にLiPF6を1.4モル/リットル溶解させて、組成が1.4mol/lLiPF6/EC:MEC(25:75体積比)で示される液状電解質を調製した。
上記液状電解質におけるECはエチレンカーボネートの略称であり、MECはメチルエチルカーボネートの略称である。従って、上記液状電解質を示す1.4mol/lLiPF6/EC:MEC(25:75体積比)は、メチルエチルカーボネート75体積%とエチレンカーボネート25体積%との混合溶媒にLiPF6を1.4mol/lを溶解させたものであることを示している。
上記とは別に、LiCoO2に導電助剤として鱗片状黒鉛を重量比100:4.9で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混合してペースト状にした。このポリフッ化ビニリデンの量はLiCoO2に対して重量比で100:3.8(LiCoO2100重量部に対してポリフッ化ビニリデン3.8重量部)であった。この正極合剤ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミニウムを主成分とする金属箔からなる正極集電材の両面に塗布量が24.8mg/cm(ただし、乾燥後の正極合剤重量)となるように均一に塗布して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
上記正極集電材として用いたアルミニウムを主成分とする金属箔は、鉄を1%、シリコンを0.15%含んでおり、純度は98.8%であった。また、正極集電材として用いたアルミニウムを主成分とする金属箔の引っ張り強度は185N/mmであり、粗面の平均粗度Raは0.2μmで、光沢面の平均粗度Raは0.04μmであった。そして、上記正極集電材として用いたアルミニウムを主成分とする金属箔の濡れ性は38dyne/cmで、伸びは3%であった。
つぎに、黒鉛系炭素材料〔ただし、(002)面の層間距離d002=3.37Å、c軸方向の結晶子の大きさLc=950Å、平均粒径15μm、純度99.9%以上という特性を持つ黒鉛化炭素材料〕を、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と混合してペースト状にした。このポリフッ化ビニリデンの量は黒鉛系炭素材料に対して重量比で90:10(黒鉛系炭素材料100重量部に対してポリフッ化ビニリデン11.1重量部)であった。この負極合剤ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ10μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に12.1mg/cm(ただし、乾燥後の負極合剤重量)となるように均一に塗布して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形し、切断した後、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
前記帯状の正極を厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを介して上記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状巻回構造の電極積層体とした。この電極積層体の体積は10.86cmであった。その後、この電極積層体を外径18mmの有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極のリード体の溶接を行った。
つぎに、上記液状電解質を電池ケース内に注入し、液状電解質がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予備充電、エイジングを行い、図1の模式図に示すような構造の筒形の非水二次電池を作製した。
図1に示す電池について説明すると、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただし、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用された集電材などは図示していない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、渦巻状巻回構造の電極積層体として上記の液状電解質4と共に電池ケース5内に収容されている。
電池ケース5は前記のようにステンレス鋼製で、その底部には上記渦巻状巻回構造の電極積層体の挿入に先立って、ポリプロピレンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7はアルミニウム製で、円板状をしていて、中央部に薄肉部7aを厚み方向の両端面より内部側に設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成している。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとの溶接部分11も、図面上での理解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示している。
端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この端子板8にはガス排出孔8aが設けられている。防爆弁9は、アルミニウム製で、円板状をしており、その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で、環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から液状電解質が漏れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケット12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状巻回構造の電極積層体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続されている。
実施例2
正極合剤の塗布量を23.9mg/cm(ただし、乾燥後の正極合剤層量)とし、負極合剤の塗布量を11.6mg/cm(ただし、乾燥後の負極合剤層量)とし、セパレータとして従来と同様の厚さ25μmの微孔性ポリエチレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に非水二次電池を作製した。
比較例1
正極集電材として厚みが20μm(従来の正極集電材と同じ厚み)のアルミニウムを主成分とする金属箔を用いた。このアルミニウムを主成分とする金属箔は、鉄を0.03%、シリコンを0.02%含んでおり、純度は99.94%であった。また、上記正極集電材としてのアルミニウムを主成分とする金属箔の引っ張り強度は140N/mm(15μm換算値)であり、両面光沢面であって、その平均粗度Raは0.04μmであった。そして、濡れ性は36dyne/cmで、伸びは3%であった。
上記正極集電材に実施例1と同様の正極合剤ペーストを23.9mg/cm(ただし、乾燥後の正極合剤重量)となるように均一に塗布して乾燥し、その後、ローラプレス機により圧縮成形し、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。また、負極は、負極合剤の塗布量を11.18mg/cm(ただし、乾燥後の負極合剤重量)とした以外は、実施例2と同様に作製し、それらの正極と負極を用いた以外は、実施例2と同様に筒形の非水二次電池を作製した。
上記実施例1〜2および比較例1の電池を、1600mA(1C)で2.75Vまで放電した後1600mAで充電し、4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧に保つ条件で2時間半の充電を行った。その後、電池を1600mAで2.75Vまで放電し、その充放電を繰り返し、その50サイクルでの1サイクル目に対する容量保持率を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2006190690
表1に示すように、比較例1の電池では、50サイクル後の容量保持率が80%近くまで低下したのに対して、実施例1〜2の電池は、95%以上の容量保持率を有していて、サイクル特性が良好であった。また、実施例1〜2の電池は、電極積層体単位体積当たりの放電容量が147mAh/cm以上と高容量であり、特にセパレータを薄くして正極合剤や負極合剤の量を多くした実施例1の電池は放電容量が大きかった。
本発明に係る非水二次電池の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解質

Claims (6)

  1. 正極、負極およびセパレータを積層または巻回した電極積層体と電解質を有し、前記電極積層体の単位体積当たりの放電容量が140mAh/cm以上の非水二次電池において、正極集電材として、厚みが15μm以下で、アルミニウムを主成分とし、鉄を0.5〜2.0質量%含み、かつシリコンを0.05〜1.0質量%含み、伸びが2%以上で、かつ、引張り強度が150N/mm以上である金属箔を用いたことを特徴とする非水二次電池。
  2. セパレータとして厚みが20μm以下のポリオレフィン系セパレータを用いた請求項1記載の非水二次電池。
  3. 正極集電材が粗な面と光沢面を有しており、前記粗な面の平均粗度がRaで0.1〜0.5μmであり、前記光沢面の平均粗度がRaで0.2μm以下である請求項1または2記載の非水二次電池。
  4. 電極積層体が正極、負極およびセパレータを巻回した巻回体からなり、正極集電材の粗な面が前記巻回体の外側にある請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
  5. 正極集電材の濡れ性が37dyne/cm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の非水二次電池。
  6. 負極の負極活物質として、X線回折での(002)面の層間距離d002が3.4Å以下で、c軸方向の結晶子の大きさLcが250Å以上である炭素材料を用いた請求項1〜5のいずれかに記載の非水二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010086911A1 (ja) * 2009-01-29 2010-08-05 パナソニック株式会社 非水電解質二次電池及びその製造方法
US20110136010A1 (en) * 2008-09-09 2011-06-09 Yoshiyuki Muraoka Nonaqueous electrolyte secondary battery and method for manufacturing the same

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