JP2006189348A - 表面検査方法および表面検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に皮膜層がコーティングされた基材において、皮膜層が基材表面全体に形成されていることを簡易にかつ精度よく判別可能な検査方法を提供すること。
【解決手段】基材本体と、この基材本体の表面に形成された皮膜層とからなる基材に対して、皮膜層が形成された面の検査領域に、所定の検査液を付着させる検査液付着させて、その検査液を付着させた前記検査領域に光を照射し、その検査領域各部で反射または透過した光の光量の違いを検出することで、基材への検査液の付着度合いを測定し、基材本体に形成された皮膜層の有無を判別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に皮膜層がコーティングされた基材の表面検査方法に関するものである。
従来、金属表面にほどこされる防錆用のメッキ層や、板材表面にほどこされる光沢維持用の樹脂層、あるいはプラスチック等の樹脂成形品にほどこされる酸素遮断用の薄膜などのように、基材本体の表面にごく薄い皮膜層をコーティングした基材を構成する技術がさまざまな分野において用いられている。
例えば、PETボトル等の樹脂成形品にほどこされる皮膜層は、プラズマCVD等の手法でSi、SiO、SiO等を樹脂成形品表面に堆積させるものであり、通常厚さ数十nm〜数μmオーダーの薄膜に形成される(例えば特許文献1)。
しかしながら、このような皮膜層は、膜厚が極めて小さいことに加えて透明な性質を有することから、皮膜層が全体に亘ってコーティングされているか否かを簡単に判別することは極めて難しい。
もちろん、大がかりな分析装置や顕微鏡等を用いて、しかも時間をかければ、その検査は可能であろうが、PETボトル等の大量生産品で全数検査をするとなると、時間がかかりすぎるといった点や、形状が複雑なものや大きいものは検査が難しいなどの点から、そのような手法を採用することはできない。
また、有色の皮膜層に限れば、反射光の色濃度に基づいて前記皮膜層の検査を行うといった測定方法がある(例えば特許文献2)ものの、皮膜層が無色透明であると検査できないという致命的な欠点がある。
こういったことから、簡単かつ迅速に皮膜層の有無を判別できる表面検査方法が従来切望されている。
特開2004−137419号公報 特開2003−4648号公報
そこで本発明は、従来のように皮膜層そのものを検出するという発想から完全に脱却し、基材表面に水等の検査液を付着させると、皮膜層が形成されている部位と、基材本体が露出している部位とでは、検査液の付着態様が異なることに着目して初めてなされたものであって、表面に皮膜層がコーティングされた基材において、皮膜層が基材表面全体に形成されていることを簡易にかつ精度よく判別可能な表面検査方法等を提供することをその主たる所期課題としたものである。
すなわち本発明にかかる表面検査方法は、基材本体とその表面に形成した透明皮膜層とからなる基材の表面所定検査領域に検査液を付着させる検査液付着工程と、検査液が付着した前記検査領域に光を照射する光照射工程と、前記検査領域に光が照射されて生じる反射又は透過光の光量を検出する光量検出工程と、前記反射又は透過光の光量に基づいて、当該検査領域での皮膜層の有無を判別する判別工程と、を有していることを特徴とする。
このようなものであれば、例えばペットボトルの容器のように、基材本体と皮膜層とが共に無色透明で、皮膜層の有無を検知するのが難しい場合であっても、皮膜層が形成された側の基材表面上に、検査液を付着させることにより、皮膜層の形成されていない部分と形成されている部分との間で、検査液の付着状態の差異に起因して光の散乱度に違いが生じるため、基材に照射した光の反射光または透過光の強度を検出するだけで、皮膜層の状態を迅速、簡易かつ正確に検査することができる。ここで反射光とは、正反射した光又は乱反射した光のことであり、透過光についても同様である。
また、前記検査領域全体に亘って簡易な方法で一様に検査液を付着させ、検査の確実性を向上させるには、前記検査液付着工程において、前記検査液を気化させた雰囲気中に、その雰囲気よりも低い温度に保った基材を接触させ、そのときの凝結現象を利用して当該検査領域に検査液を付着させるようにすればよい。このような方法を用いることで、基材の形状が容器形状等の複雑なものであっても、その表面(内面)に対して簡単に検査液を付着させることも可能となる。
その他の検査液付着工程の一例としては、例えば前記検査液付着工程において、霧状にした検査液を前記検査領域に吹き付けて付着させることが挙げられる。
散乱度の違いが反射又は透過光の強度の違いに顕著に現れるようにし、検査の確実性をより向上させるには、前記光照射工程において、前記検査領域に対し、平行光に近い光を、前記光量検出工程における反射又は透過光の検出方向と同一方向又は異なった方向から照射することが望ましい。
前記検査液に水を用いるようにすれば、水は極めて入手容易でかつ安価であることから、基材が大量生産される製品の場合、基材の表面検査を低コストで行うことができるという効果を得られる。また、大気中に含まれる水分を利用することもできるため、検査液を保存・管理するための設備等が不要となり、簡単な設備で検査を行うことが可能となる。ここでいう水とは、厳密な意味での純水である必要性はなく、工業用・家庭用で用いられるような、ある程度の純度が保たれたものであればよい。
本発明を適用して顕著な効果を得られる具体的な基材の例としては、前記基材本体が酸素または二酸化炭素の少なくともいずれか一方のガスを透過し、前記皮膜層が前記基材を透過するガスを透過しない材料から構成されているもの、例えば、基材本体が酸素や二酸化炭素を透過するPET等の樹脂成形品で、皮膜層が例えばSi、SiO、SiO等で構成されているものを挙げることができる。
さらに、このような基材が、食品用容器を構成していてもよい。この場合、例えば水等の無害な液体を検査に用いることで、食品用容器のような衛生上極めて注意を払う必要がある基材についても、検査の後に特別な洗浄等を行う必要がなくなるため、より簡単かつ迅速に検査を行うことができる。なお、このような食品用容器の一例として、表面に皮膜処理が施されたプラスチック製のトレイ、食品を収容するためのプラスチックケース、飲料水等のペットボトル、食品包装用の樹脂フィルム、プラスチック製や紙製の食器等が挙げられる。
本発明に係る表面検査方法を具現化する装置としては、基材本体及びその表面に形成した透明皮膜層からなる基材の表面所定検査領域に検査液を付着させる検査液付着装置と、前記検査領域に光を照射する光照射装置と、前記検査領域に光が照射されて生じる反射又は透過光の光量を検知し、検知した光量を示す光量信号を送信する光量検出装置と、前記光量信号を受信し、その光量信号の示す値に基づいて皮膜層の有無を判別する情報処理装置とを有しているものを挙げることができる。
前記情報処理装置のより具体的な実施態様としては、前記情報処理装置が、前記光量信号を受信し、その値をメモリの所定領域に設定された光量信号格納部に格納する光量信号受信部と、前記光量信号格納部に格納された光量信号の値を読み出し、その値が基準値と比べて所定以上の差を有するか否かを判別する判別部と、前記判別部において、所定以上の差を有すると判別された場合に、少なくとも前記検査領域内に皮膜層の無い部分が存在する旨を出力する出力部とを備えているものが考えられる。
オペレータによる視覚確認を容易にするには、前記光量検出装置が、検査領域各部での反射又は透過光の光量の値を示す光量信号を画像データとして送信するものであることが望ましい。
検査液の付着を容易にするとともに、反射光又は透過光の検出の際に周囲の迷光が極力入り込まないようにするには、ほぼ密閉可能な検査室を更に備え、その検査室内部に搬送された基材に対し、その検査領域に検査液を付着させ、光を照射するようにしたものであって、前記検査空間を形成する壁部材が、前記検査領域からの反射又は透過光を外部へ導出するための窓部を有し、その導出された反射又は透過光の光量を前記光量検出装置で検出するようにしているものが好ましい。
上述のように、本発明に係る表面検査方法によれば、表面に透明な皮膜層がコーティングされた基材において、皮膜層が基材表面全体に形成されているか否かを簡易にかつ正確に判別することが可能となる。
以下、本願発明の第一の実施形態について、図1から図4を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る表面検査装置1は、例えばペットボトル10の表面皮膜層14が正しく形成されているか否かを検査するものであり、皮膜層14の一部欠落した不良品を排除するために用いられる。
まず最初に、ペットボトル10の構造について説明しておくと、図1に示すように、ペットボトル10は周知の如く、中空ボディ11に蓋(図示しない)を取り付けたものである。ボディ11は、薄い透明な基材12から構成されていて、この基材12は、図2(a)にその断面を示すように、PETを素材とする基材本体13と、その基材本体13の内側の表面(内面)をコーティングする皮膜層14とからなる。皮膜層14は、厚さ数十nm〜数μmオーダーの非常に薄いもので、Si、SiO、SiO等を素材とする。この皮膜層14には、酸素及び二酸化炭素を通さない性質の素材が選ばれており、PETが酸素及び二酸化炭素を通過させる性質を有している点を補完して、ボディ11の内部に収容する飲料水やジュースなどが酸化等により変質するのを防止する役割を果たしている。ところで、同図(b)に示すように、皮膜層14が部分的に形成されていない不良な皮膜状態の場合は、基材本体11aが内面に露出し、外気に含まれる酸素や二酸化炭素等が基材本体11aを介してペットボトル10の内部に導通されるため、そのペットボトル10を不良品として排除する必要が生じる。
しかしてこの表面検査装置1は、図1に概略的に示すように、ペットボトル10を搬送する搬送装置20と、このペットボトル10が所定位置に搬送されたことを検知する位置検出センサ21と、前記所定位置に搬送されたペットボトル10の内部に検査液である水を付着させる検査液付着装置30と、ペットボトル10の所定検査領域に対して可視光Lを照射する光照射装置40と、その検査領域に光Lが照射されて生じる主として乱反射光の光量を検出する光量検出装置50と、さらにそれら各装置類の制御や情報収集等を行う情報処理装置60とを備えている。
搬送装置20は、例えばベルトコンベア等を利用したもので、多数のペットボトルを起立させた状態で、図1の紙面に直交する方向に、次々と搬送するように構成されている。
位置検出センサ21には、超音波センサや光センサなどの非接触タイプのものを用いており、後に詳述するが、検査液である水(湯)をペットボトル10の内部に注入する検査液注入位置と、その後、ペットボトル10に光を照射して表面検査を行う位置である表面検査位置とに、当該ペットボトル10が来たことをそれぞれ検知し、その旨を示す第1位置検出信号及び第2位置検出信号をそれぞれ出力する。
検査液付着装置30は、詳細に関しては図示を省略するが、例えば、検査液である高温(例えば80℃〜100℃)の水を貯蔵するタンクと、そのタンクに配管を介して接続されたノズルと、ノズルを開閉するためのバルブとを備えており、前記検査液注入位置に来たペットボトル10に、前記ノズルから高温液体状態にした水を一定量注入し、当該ペットボトル10内で湯気を発生させ、その内面に一様に水を付着させるものである。
光照射装置40は、詳細に関しては図示を省略するが、例えば配線基板と、その配線基板に直線状に1乃至数列並べたLEDと、それらを保持するケーシングとを備えたものであり、前記表面検査位置にあるペットボトル10の検査領域10a(ここではペットボトルの起立面)に対して約45度の角度で平行光に近い光Lを照射するように配置してある。
光検出装置50は、例えば、CCDカメラ等のエリアイメージセンサを備えたもので、その撮像面を前記起立面に対向させて配置してある。そして、光Lを照射されたペットボトル10の検査領域10a各部からの光量を検知し、それらの値を示す光量信号をそれぞれ出力する。ここでは、それら光量信号は画像データ形式で、後述する情報処理装置60に送信されるようにしている。
情報処理装置60は、構造的には図3に示すように、CPU60a、メモリ60b、ディスプレイ60e、入力手段(マウスやキーボード)60c、通信インタフェース60d等を備えた汎用乃至専用のコンピュータであり、前記メモリ60bに記憶させたプログラムにしたがってCPU60aやその周辺機器が協働して動作することにより、図4に示すように、前記各位置検出信号や光量信号を受信する受信部62、前記検査液付着装置30等を制御する制御部63、受信した光量信号の値が基準値に比べて所定以上離れているか否かを判別する判別部64等としての機能を発揮する。
次に、このような構成の表面検査装置1を用いてペットボトル10の皮膜層14の有無を検出する工程について以下に説明する。
ペットボトル10は、蓋がついていない状態で前記搬送装置20により、次々搬送され、全て同様に検査されるが、ここではある一つのペットボトル10に着目して説明する。
ペットボトル10が前記検査液注入位置に至ると、位置検出センサ21がこれを検知し(ステップS1)、その旨を知らせる第1位置検出信号を送信する。
これを情報処理装置60の受信部62が受信すると、制御部63から検査液付着装置30に検査液注入信号が発される。
この検査液注入信号を検査液付着装置30が受け取ると、バルブが一定時間開成し、水(湯)が所定量、ノズルから当該ペットボトル10に注入される。このことにより湯気(気化した水W)が発生し、前記表面検査位置に搬送されるまでの一定時間の間に、湯気がペットボトル10の内面に触れて結露し、均一に拡散してペットボトル10の内面全体に亘って水が付着する(ステップS2)。
このときの付着態様を図5に示す。同図(a)は、良好な皮膜層14の場合を示しており、結露した水Wは均一薄層をなして基材の表面に広がっている。同図(b)は、皮膜層14が一部欠落した不良品を示している。水Wは皮膜層14上では均一な薄層を形成するが、基材本体11a上では充分に拡がらず、その表面張力によって細かな水滴となって付着する。このように水Wの付着態様が異なるのは、皮膜層14と基材本体13との素材の違いや、表面荒さの微妙な違いが影響しているのではないかと考えられている。
次に表面検査位置にペットボトル10が来ると、それを位置検出センサ21が検知し(ステップS3)、その旨を知らせる第2位置検出信号を送信する。そしてこの第2位置検出信号を情報処理装置60の受信部62が受信し、そのときに光検出装置50から送信されてくる光量信号をメモリ60bの所定領域内に設定した光量信号格納部61にラッチする(ステップS4)。
この表面検査位置にあるときのペットボトル10の状態を示しているのが図6である。この位置では、ペットボトル10に光照射装置40からの光Lが照射されている。同図(a)に示すように、もし皮膜層14が正しく形成されている場合は、水Wは層状をなして基材12の表面に付着するため、基材12の表面に対してローアングル(入射角約45度)で照射された光Lは、乱反射することなく、対称に正反射または透過する。したがって、基材Wの表面と垂直な方向、すなわち光検出装置50の方向に向かう反射光はほとんど発生しない。一方、同図(b)に示すように、皮膜層14の形成されていない欠落箇所が検査領域10aに存在した場合、欠落箇所では水Wが滴状になって離散しているため、その部分で乱反射が生じ、光検出装置50の方向に向かう反射光が発生することとなる。したがって、ラッチされた光量信号の値が、基準値に比べて所定以上高い場合は、乱反射が生じているのであるから皮膜層14に異常が有り、そうでない場合は正常であると判断できる。
すなわち、次に判別部64が、前記光量信号格納部61から光量信号を取得し、それら各光量信号の値と予め設定された基準値とを比較する(ステップS5)。そして、光量信号の値が基準値に比べて所定以上離れているか否かをそれぞれ判別し(ステップS6)、例えば、所定以上高い場合は皮膜層14に異常有り、そうでない場合は正常、という2値を示す判別結果データを生成する(ステップS7、S8)。
そして、その判別結果データ内に、異常データが含まれていた場合には、ディスプレイ60eを有する出力部65が、皮膜層14に異常が有る旨をディスプレイ60eに表示し、そうでない場合は、異常なしの旨をディスプレイ60eに表示する(ステップS8)。また、例えば前記判別結果データを二値化画像データとしてディスプレイ60eに出力し、異常部分の場所のみを別色(例えば周りが黒でその部分のみを白にする等)にして表示するようにしてもよい。
その後、次に搬送されてくるペットボトル10があれば、もう一度ステップS1に戻ってそのペットボトル10の検査を行う。なお、異常があると判断されたペットボトル10は別途廃棄するようにする。
このように、上記実施形態によれば、ペットボトル10の内部に形成されている皮膜層14そのものを検知するのではなく、皮膜層14の形成されていない部分と形成されている部分との間で生じる水の付着状態の相違を、照射した光Lが水(検査液)で反射又は透過する際の散乱度合いから検出するようにしているため、無色透明で厚さが極めて小さい皮膜層14の状態を簡易にかつ正確に検査することができる。
また、検査液として水を用いているため、飲料用に用いるペットボトル内部の皮膜層14に対して付着させても、衛生上問題が生じにくく、検査後に洗浄等を施す必要がない。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
例えば、光量検出装置を用いず、目視による検査を行うようにしてもよい。前記実施形態の場合であれば、目視した場合には、皮膜層の欠落部分は、他の部位に比べ明るく見えることとなる。また高温の水の注入も手動で行って構わない。このようにすれば装置を非常に簡単なものにできる。
さらに、光検出装置で検出した光量検出信号そのもの(撮像した画像)を、そのまま撮像画像としてディスプレイに表示させてもよい。こうすることで、検査者は検査対象のペットボトルの状態をより明確に知ることが可能になる。
また、基材本体に形成された皮膜層の良否を判断する手法は、予め記憶した基準値との比較によって行うものに限定されるものではない。例えば、全数検査を行った後、その平均値を求め、その平均値を基準値として皮膜層の良否を判断してもよい。このようにすると、同一の検査条件で得られた光量に基づいて皮膜層の良否が判断可能となるため、予め定められた基準値を用いた場合と比して、気温や湿度といった検査条件の影響を受けにくくなるという効果がある。
加えて、この表面検査装置に、ほぼ密閉された検査室を設けて、その内部で検査を行うようにしてもよい、このようにすれば外部からの迷光等によるノイズをカットできる上、室内を一定環境に保って水の付着等を確実に行うことができるため、精度及び確実性の高い検査が可能になる。
その検査室の一例を図8に示す。なお、同図において、前記実施形態に対応する要素については同じ符号を付している。この検査室100は、内面を光を反射させない黒色等でコーティングされた壁110で形成したものであり、略密閉された空間を形成する。そして壁110の一部には、ペットボトル搬出入のための図示しない出入口が設けられているとともに、窓110aが設けられていて、この窓110aの外側に光検出装置50が設置されている。
また検査液付着装置は、搬入されたペットボトルを冷却すべくこの検査室内を冷却する冷却器120と、冷却されたペットボトル10の内部に、図示しない空気源より外部大気温程度に保たれた空気を所定量供給する空気供給部130とから構成している。このような構成でも、ペットボトルの内面に結露により検査液である水を付着させることができる。その他に関しては、前記実施形態同様である。
また、前記図示例の場合、空気供給部130から供給される空気は、冷却部120によるペットボトル10の冷却度合いにもよるが、水蒸気を多く含む空気、すなわち高湿度であることが好ましい。これによって、ペットボトル10の内部に確実に水を凝結(結露)させることが可能となる。
その他、例えば、検査対象は、ペットボトルを構成するものに限定されるものではなく、皮膜層を備えた基材本体からなる基材で形成されている部材、例えば防錆用のメッキ層が形成された金属製品、表面に光沢維持用の樹脂層が形成された板材、反射防止膜等が形成されたガラス材等であってもよく、また、検査液についても水に限定されるものではなく、基材に含まれる皮膜層の種類や性質によって、適宜選択し得るものである。特に基材本体と皮膜層とにそれぞれ検査液を付着させた場合に、表面張力等により付着態様がそれぞれで異なって光の散乱態様が顕著に変化すれば、本発明の適用が可能となる。
また検査液付着装置は、基材と周囲温度との差を利用して凝結により検査液を基材表面に付着させるものに限られず、噴霧器を利用して、霧状の検査液を基材表面に直接吹き付けるようにしたものでも構わない。
また、光照射装置として上記実施形態ではLEDを用いているが、その他の光源、すなわち蛍光灯や白熱灯、レーザー光源等を用いることもできる。なお、このような光照射部から照射される光の波長は、特に限定されるものではなく、可視光領域以外の光でも構わない。
加えて、前述した光検出装置も、検査領域で乱反射した光(前記実施形態では垂直な方向)を検出するように設置されることに限られない。例えば、正反射した光や、基材を透過した光を検出するように設置しても構わない。この場合、散乱した部分の光量が減るため、前記実施形態のようにペットボトルに水を付着させるような場合には、所定以上光量が大きい場合に異常と判断するのではなく、所定以上光量が小さい場合に異常と判断することとなる。
その他、本発明は上述した図示例、説明の一部を適宜組み合わせることはもちろん可能であるし、それらに限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態における表面検査装置の全体を概略的に示す概略図。 図1におけるA部拡大部分断面図。 同実施形態におけるペットボトルの内面に水が付着した際の態様を示す部分断面図。 同実施形態における情報処理装置の模式的構造図。 同実施形態における情報処理装置の機能ブロック図。 図3において光を照射した際の様子を示す部分断面図。 同実施形態における表面検査方法を示すフローチャート。 本発明の他の実施形態に係る表面検査装置を概略的に示す概略図。
符号の説明
1 ・・・表面検査装置
10 ・・・ペットボトル
12 ・・・基材
13 ・・・基材本体
14 ・・・皮膜層
20 ・・・搬送装置
21 ・・・位置検出センサ
30 ・・・検査液付着装置
40 ・・・光照射装置
50 ・・・光検出装置
60 ・・・情報処理装置
100 ・・・検査室
110・・・壁
110a・・・窓
W ・・・水

Claims (14)

  1. 基材本体とその表面に形成した透明皮膜層とからなる基材の表面所定検査領域に検査液を付着させる検査液付着工程と、
    検査液が付着した前記検査領域に光を照射する光照射工程と、
    前記検査領域に光が照射されて生じる反射又は透過光の光量を検出する光量検出工程と、
    前記反射又は透過光の光量に基づいて、当該検査領域での皮膜層の有無を判別する判別工程と、を有していることを特徴とする表面検査方法。
  2. 前記検査液付着工程において、前記検査液を気化させた雰囲気中に、その雰囲気よりも低い温度に保った基材を接触させ、そのときの凝結現象を利用して当該検査領域に検査液を付着させるようにしている請求項1記載の表面検査方法。
  3. 前記検査液付着工程において、霧状にした検査液を前記検査領域に吹き付けて付着させるようにしている請求項1記載の表面検査方法。
  4. 前記光照射工程において、前記検査領域に対し、平行光に近い光を、前記光量検出工程における反射又は透過光の検出方向と同一方向又は異なった方向から照射するようにしている請求項1から3のいずれかに記載の表面検査方法。
  5. 前記検査液が水である請求項1から4のいずれかに記載の表面検査方法。
  6. 前記基材本体が酸素または二酸化炭素の少なくともいずれか一方のガスを透過し、前記皮膜層が前記基材本体を透過するガスを透過しない材料から構成されている請求項1から5のいずれかに記載の表面検査方法。
  7. 前記基材本体が樹脂を素材とするものである請求項1から6のいずれかに記載の表面検査方法。
  8. 前記基材本体がPETを素材とするものである請求項1から7のいずれかに記載の表面検査方法。
  9. 前記基材が、食品用容器を構成するものである請求項1から8のいずれかに記載の表面検査方法。
  10. 基材本体とその表面に形成した透明皮膜層とからなる基材の表面所定検査領域に検査液を付着させる検査液付着装置と、
    前記検査領域に光を照射する光照射装置と、
    前記検査領域に光が照射されて生じる反射又は透過光の光量を検知し、検知した光量を示す光量信号を送信する光量検出装置と、
    前記光量信号を受信し、その光量信号の示す値に基づいて皮膜層の有無を判別する情報処理装置とを有していることを特徴とする表面検査装置。
  11. 前記情報処理装置が、
    前記光量信号を受信し、その値をメモリの所定領域に設定された光量信号格納部に格納する光量信号受信部と、
    前記光量信号格納部に格納された光量信号の値を読み出し、その値が基準値と比べて所定以上の差を有するか否かを判別する判別部と、
    前記判別部において、所定以上の差を有すると判別された場合に、前記検査領域内に皮膜層の無い部分が存在する旨を出力する出力部とを備えている請求項10記載の表面検査装置。
  12. 前記光量検出装置が、検査領域各部での反射又は透過光の光量の値を示す光量信号を画像データとして送信するものである請求項11記載の表面検査装置。
  13. 前記光照射装置が、1又は複数のLEDを有したものであって、前記光量検出装置による反射又は透過光の検出方向と同一方向又は異なった方向から、平行光に近い光を前記検査領域に照射するように配置されている請求項10から12のいずれかに記載の表面検査装置。
  14. 検査室を更に備え、その検査室内部に搬送された基材に対し、その検査領域に検査液を付着させ、光を照射するようにしたものであって、前記検査空間を形成する壁に、前記検査領域からの反射又は透過光を外部へ導出するための窓部を設けている請求項10から13のいずれかに記載の表面検査装置。
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