JP2006188743A - 有機物被覆層の形成方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性支持体あるいは無機蒸着膜上に、分子量600以上の有機物を原料とすることが可能で、しかも架橋度を上げることにより、酸素バリア性と擦傷耐性に優れた有機物被覆層を形成する方法および製造装置を提供する。
【解決手段】
真空中で単官能あるいは2官能の(メタ)アクリル基を持つ分子量600以下又はそれ以上の有機物および/または1,3,5−トリアジン誘導体をプラズマを照射させて活性化させた後に電子銃を用いて、完全に硬化させることで被覆層形成時に発生する収縮を低減させ、支持体等との密着性と耐擦傷性を付与する。
【選択図】図2

Description

本発明は熱可塑性支持体や無機蒸着膜上に有機物被覆層を連続的に形成する方法と装置に関するものである。より詳しくは、分子量600以上の有機物を原料とすることが可能で、しかも架橋度を上げることにより、酸素バリア性と擦傷耐性に優れた有機物被覆層を形成する方法および製造装置に関する。
(1)先行技術1
有機物被覆層の形成方法は通常、真空チャンバー内で電子ビームを照射して、有機物等の蒸発材料を溶融・蒸発させ、連続走行するウェブ状基材に蒸発材料が蒸着される。そして、冷却された有機物被覆層の表面が凝縮・固化されている。また、液状の有機物を蒸発温度以上、分解温度以下に加熱された基板上に噴霧することで瞬時に気化させ、次いで冷却された被覆物表面に凝縮・固化させる、いわゆるフラッシュ蒸着法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この成膜法は、図3に示すようにタンク111に供給したスピニングディスク115によりバンドヒーター117に向けて流体の微細小滴を遠心力によって射出する。そして、微細小滴は、加熱板表面に接触するとフラッシュ蒸発し、それによって蒸気と蒸気圧が共に増大して、基材112上で凝縮のためにガス状の気体を、ノズル開口部114を通して吐き出すことにより、均一に、高純度の成膜ができる極めて有望な方法の一つである。
(2)先行技術2
有機膜を成膜する別手法としては真空環境下で1,3,5−トリアジン誘導体を加熱/昇華させることで有機物蒸発体を形成し、次いで冷却された被被覆物表面に凝集・固化させる蒸着法が開示されている。(特許文献2参照。)
この成膜法は図4に示すように開口スリットを有するノズル120に、有機物蒸発材料を封入し、蒸発温度以上に加熱することでノズル120内部が飽和蒸気圧になるまで随時昇華され、それにより蒸気と蒸気圧が共に増大することで、ノズル開口部122を通して有機物蒸発体が吐き出され、次いで冷却された被被覆物表面に凝集・固化させる。
基材121上で凝縮のためにガス状の気体を、ノズル開口部122を通し吐き出すことにより、均一に、高純度の成膜ができる方法の一つである。
以下に先行技術文献を示す。
特許第2530350号公報 WO99/66097
(1)先行技術1について
先行技術1では、加熱板表面で有機物等の液体が重合せずに瞬時に蒸発し、且つ、原料の有機物は分子量が小さい600以下の単官能もしくは2官能の(メタ)アクリル材料でなければ用いることができないという問題がある。
また、成膜された膜は架橋密度が低いために擦傷耐性が劣るという問題がある。さらに、架橋時に生じる収縮力が内在するために、酸化アルミニウム膜や酸化ケイ素膜などの場合、密着力が弱く使用目的に耐えられないという問題がある。
また、原料として分子量の小さい有機物を使用した場合、有機物被覆層の表面が冷却される際に、凝集されにくく、真空チャンバー内に飛散し、チャンバー内壁や成膜作業環境を汚染し、他の成膜プロセスに悪影響を及ぼす問題がある。
(2)先行技術2について
先行技術2で形成された、1,3,5−トリアジン誘導体蒸着膜は誘導体同士が分子間力のみで配列しているために、凝集力が弱いと同時に結晶性が強く透明性も乏しい。そのため単純に昇華および凝集工程を用いた蒸着手法では擦傷耐性が劣るばかりでなく、基材や、酸化アルミニウム膜や酸化ケイ素膜などの場合、密着力が弱く使用目的に耐えられないという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、次のような有機物被覆層の形成方法および製造装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第1の目的は、単官能もしくは2官能の(メタ)アクリル基を持つ化合物であって、分子量が600以下、あるいは、それ以上の分子量の有機物も使用することができる装置と方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、架橋度を上げ完全に硬化させることにより、擦傷耐性を向上させることができる装置と方法を提供することである。
また、本発明の第3の目的は、熱可塑性支持体あるいは熱可塑性支持体上に形成されている無機蒸着膜上に膜を形成する前に、予め分子レベルで重合反応を開始させ、膜形成時に発生する収縮を低減させ、密着力を付与させることができる装置と方法を提供することである。
また、本発明の第4の目的は、1,3,5−トリアジン誘導体をプラズマ雰囲気下で蒸発させることにより、蒸発体を活性化させることで基材や、酸化アルミニウム膜や酸化ケイ素膜上への密着力を付与する装置と方法を提供することである。
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に有機物被覆層を形成する以下の一連の工程を具備する方法である。
1)支持体もしくは無機蒸着膜の表面温度を−20℃〜20℃の範囲に制御する工程
2)1×103Pa以下の減圧環境下において1,3,5−トリアジン誘導体および/または有機物モノマーもしくはオリゴマーを蒸発温度以上・分解温度以下に加熱された熱板上に接触させて有機蒸発体を生成する工程
3)支持体表面近傍に設置された放電電極から放出された有機蒸発体を活性化された熱電子およびイオン、および/または、紫外線に接触させ、有機蒸発体の一部を凝集・活性化させる工程
4)前記活性化された有機蒸発体を前記支持体表面もしくは無機蒸着膜上に析出・付着させる工程
5)前記有機蒸発体を放射線を用いて真空中で活性化もしくは架橋させ有機物被覆層を形成する工程
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に有機物被覆層を形成する以下の一連の工程を具備する装置である。
1)支持体もしくは無機蒸着膜表面温度を−20℃〜20℃の範囲に制御する工程
2)1×103Pa以下の減圧環境下において、1,3,5−トリアジン誘導体および/または有機物モノマーもしくはオリゴマーを蒸発温度以上・分解温度以下に加熱された熱
板上に接触させて有機蒸発体を生成する工程
3)支持体表面近傍に設置された放電電極から放出された有機蒸発体を活性化された熱電子およびイオン、および/または、紫外線に接触させ、有機蒸発体の一部を凝集・活性化させる工程
4)前記活性化された有機蒸発体を前記支持体表面もしくは無機蒸着膜上に析出・付着させる工程
5)前記有機蒸発体を放射線を用いて真空中で活性化もしくは架橋させ有機物層を形成する工程
本発明の有機物被覆層の形成方法および製造装置は単官能もしくは2官能の(メタ)アクリル基を持つ化合物であって、分子量が600以下、あるいはそれ以上の分子量の有機物を使用することができる。
さらに、完全に架橋させることにより擦傷耐性が向上する。また、熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に膜を形成する前に予め分子レベルで重合反応ができるために、膜形成時に発生する収縮が低減し、且つ密着力を付与させることができる。
さらに、1,3,5−トリアジン誘導体蒸発体、および/または単官能もしくは2官能の(メタ)アクリル基を有する有機物蒸発体を原料の有機物として、プラズマ雰囲気下で蒸発・昇華させることで蒸発体を活性化させ、熱可塑性支持体もしくは酸化アルミニウム膜や酸化ケイ素膜などの無機蒸着膜上へ瞬時に凝集・付着させることで密着力を付与させることができる。
本発明の有機物被覆層の形成方法および製造装置を実施の形態に沿って、図面を参照にしながら詳細に説明する。
図1は本発明の有機物被覆層を形成する製造装置の一実施例の概略を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の有機物被覆層を形成する製造装置15は減圧下で攪拌・脱泡され、余分なガスが取り除かれた液状の有機物を圧送する定量ポンプ1と、液状の有機物にレイリー分裂(液体が表面張力を越えて分裂を繰り返す現象…微粒化現象)を引き起こし、微小な液滴状の有機物を微粒化形成するための、制御装置5および液体噴射装置4と、微粒化された有機物を蒸発体に形成し、真空中に飛散させる加熱ノズル7と、熱可塑性支持体あるいは無機蒸着膜上に飛散された蒸発体を析出・付着させる真空チャンバー14から形成されている。そして、定量ポンプ1で圧送される有機物の異物を除去するためのフイルター3と流量を調整するニードルバルブ2が定量ポンプ1と液体噴射装置4の間に設けられている。
また、真空チャンバー14内には、熱可塑性支持体等を移送し、且つ蒸発体を析出・付着し、凝集を促進させるための冷却ドラム装置10と、付着した蒸発体を硬化させる電子線照射装置11が設けられている。
前記、冷却ドラム装置10は支持体あるいは無機蒸着膜の表面温度を−20℃〜20℃の範囲に制御するために図には示していないが冷却ドラム装置10の温度を制御する制御部が形成されている。
次に、図2は図1に示す装置の要部を拡大して示す説明図である。
図2に示すように、定量ポンプ1などの圧送源により、減圧下で攪拌・脱泡された液状の有機物材料はニードルバルブ2およびフィルタ3を介して、尖塔状の噴射口16が設けられている電磁弁17を内蔵している液体噴射装置4に送られる。そして、制御装置からの信号により、電磁バルブが毎秒1〜500回の周期的な開閉により、液状の有機物はレイリー分裂を引き起こし、微小な液滴状の有機物が微粒化形成される。
前記、電磁弁17の一方に設けられている噴射口16は加熱ノズル装置7の内側に形成されている。また、加熱ノズル装置7内には、噴射口16の下部方向に加熱基板6と冷却ドラム装置方向に放電電極8、さらに、冷却ドラム装置の反対方向内側端面近傍に不活性ガスを供給するガス供給部が形成されている。そして、真空中に飛散された微粒化有機物は加熱基板6に接触・飛散させることで有機物蒸発体が形成される。
また、前記有機物材料が1,3,5−トリアジン誘導体などの材料の場合には、前記加熱ノズル装置7内部に設置された坩堝18に前記材料を充填し、前記加熱ノズルを昇温させることで有機物蒸発体を形成することができる。
さらに、有機物蒸発体はガス供給部13からの不活性ガスにより加熱ノズル7内部が凝集温度以上・蒸発温度以下に加熱される。そして、放電電極8から放出される活性化された、熱電子およびイオン、または紫外線などにより、有機物蒸発体の一部を活性化・凝集させる。次に、こうして活性化・凝集された有機蒸発体を、冷却ドラム装置10上を走行している熱可塑性支持体9等に向けて吹付ける。有機蒸発体は、この支持体9により冷却されることで凝集され、支持体9上に析出・付着される。
そして、電子線照射装置11により、完全に硬化され、有機物被覆層12が形成される。
また、前記放電電極8はアルミニウム・クロム・銅・ニッケル・ステンレス・鉄等の導電体を用いることができる。
また、放電は直流放電あるいは交流放電のいずれでもよい。また、加熱ノズル内を1×103Pa以下の低圧力環境下において、安定した放電を行うためには、電極8の周りに、永久磁石を形成すことが望ましい。
しかし、永久磁石特性を保持し、且つ、電極に有機物が凝集しないためには冷却構造が必要となるが、冷却構造を設けず、電極の温度を凝集温度以上、分解温度以下に制御することにより安定した放電を持続できる。また、対極はノズル内壁に設ける。
また、本発明の有機物被覆層の形成方法および製造装置は、原料の有機物として、単官能もしくは2官能の(メタ)アクリル基を持つ化合物であって、分子量が600以下、あるいはそれ以上の分子量の有機物も使用することができる。そして、完全に架橋させることができるために擦傷耐性が向上する。さらに有機物発体を活性化させることで、熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に膜を形成する前に予め分子レベルで重合反応が促進され、密着力が付与された有機物被覆層を安定して形成することができる。
前記有機物は、溶剤を含まず真空中で有機樹脂層を形成でき、硬化速度が速く、生産性に優れた放射線硬化型樹脂であるアクリレートやメタクリレートからなるモノマーおよび/またはオリゴマーの混合物を指す。
前記アクリレートモノマーの単官能アクリレートとしては、例えば、イソアミルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール、メトキシ−トリエチレンクリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレンングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フフェトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、デトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロビルアクリレート等が例示できる。
また、二官能アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1.6ヘキサンジオールジアクリレート、1.9−ノナンジオールジアクリレート等が例示できる。
また、本発明の有機物被覆層の形成方法および製造装置は、原料の有機物として、1,3,5−トリアジン誘導体を使用することもできる。1,3,5−トリアジン誘導体としては、例えば、メラミン(Melamine)、アンメリン(Ammeline)、アンメリド(Ammelide)、シアヌリック酸(Cyanuric acid)等が例示できる。
また、前記熱可塑性支持体は蒸着膜の透明性を活かすために透明なフィルム基材が好ましいが、必ずしも透明に限定されるものではない。基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリエーテルスルフォンフィルム(PES)、ポリイミドフィルム(PI)等が例示できる。基材は、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。この中で、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。またこの基材の蒸着層が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。尚プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
また、前記蒸着膜は酸化アルミもしくは酸化ケイ素等により成膜される。そして、膜の厚さは一般的に、5〜300nm位が好ましいが使用される目的等により、膜の厚さは適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。また、酸化アルミ層を熱可塑性支持体に形成する方法としては多くの方法があるが、通常、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などが用いられる。生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。
有機物被覆物層の膜厚は、一般的には100〜5000nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が100nm未満であると機械的および化学的な損傷により保護機能が十分ではなくなる場合がある。また膜厚が2000nmを越える場合は高い蒸発レートおよび可撓性が必要となり、酸化アルミニウムもしくは酸化ケイ素膜とインラインにて積層することが困難になる。また、有機物被覆物層が1,3,5−トリアジン誘導体などの結晶性の強い材料の場合には、膜自体の透明性も阻害される。生産性・機能性を考慮すると、より好ましくは、200〜1000nmの範囲内にあることである。
上記の本発明について以下実施例を拳げて更に具体的に説明する。
<実施例1>
基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、図1及び図2に示す装置を使用し、電子線加熱による反応蒸着方式で、酸化アルミを、また、フラッシュ蒸着方式で1.6ヘキサンジオールジアクリレートを、放電電極8による放電で発生したプラズマにより反応蒸着させ基材方向から酸化アルミ層:10nm、有機物被覆層:0.6μmとなるような構造を持つバリアフィルムを作成した。
<比較例1>
プラズマによる反応蒸着を用いず、それ以外は、実施例1と同様な方法でバリアフィルムを作成した。
<比較例2>
プラズマによる反応蒸着を用いず、それ以外は、実施例2と同様な方法でバリアフィルムを作成した。
上記、実施例1〜3および比較例1〜2でえられたバリアフィルムを下記の評価方法で評価した。その結果を表1に示す。
<評価>
・ 酸化アルミ/有機物被覆層の密着性:
JIS K5400(8.5.3)により規定されるクロスカット試験により評価した。
・ 酸素透過率:モダンコントロール社製酸素透過度測定器(MOCON OXTRAN)用いて40℃―90%RH雰囲気下にて印刷後のフィルムを測定した。
・ 酸化アルミ/有機物被覆物層の擦傷性:
耐擦傷性:#0000のスチールウールにより、ハードコート膜の表面を400gの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無、および傷の程度を目視により観察し、以下の判定基準に従って評価した。
A:傷の発生が全く認められない。
B:数本の細い傷が認められる。
C:無数の傷が認められる。
有機物被覆層の形成方法および製造装置は包装材料の形成方法および製造等に利用できることはもとより、電子部材等の形成方法および製造装置にも利用できるなど、広い分野に利用できる。
本発明の有機物被覆層を形成する製造装置の一実施例の概略を示す概略図である。 図1の要部を拡大して示す説明図である。 従来の有機物被覆層を形成する製造装置を説明する説明図である。 従来の有機物被覆層を形成する製造装置を説明する説明図である。
符号の説明
1…定量ポンプ
2…ニードルバルブ
3…フィルター
4…液体噴射装置
5…制御装置
6…加熱基板
7…加熱ノズル
8…放電電極
9…熱可塑性支持体
10…冷却ドラム装置
11…電子線硬化装置
12…有機物被覆層
13…ガス供給部
14…真空チャンバー
15…本発明の製造装置
16…噴射口
17…電磁弁
18…坩堝

Claims (2)

  1. 以下の一連の工程よりなる、熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に有機物被覆層を連続的に形成することを特徴とした有機物被覆層の形成方法
    1)支持体もしくは無機蒸着膜の表面温度を−20℃〜20℃の範囲に制御する工程
    2)1×103Pa以下の減圧環境下において、1,3,5−トリアジン誘導体および/または有機物モノマーもしくはオリゴマーを蒸発温度以上・分解温度以下に加熱された熱板上に接触させて有機蒸発体を生成する工程
    3)支持体表面近傍に設置された放電電極から放出された有機蒸発体を活性化された熱電子およびイオン、および/または、紫外線に接触させ、有機蒸発体の一部を凝集・活性化させる工程
    4)前記活性化された有機蒸発体を前記支持体表面もしくは無機蒸着膜上に析出・付着させる工程
    5)前記有機蒸発体を放射線を用いて真空中で活性化もしくは架橋させ有機物被覆層を形成する工程
  2. 熱可塑性支持体もしくは無機蒸着膜上に有機物被覆層を形成する以下の一連の工程を具備していることを特徴とした有機物被覆層の製造装置
    1)支持体もしくは無機蒸着膜表面温度を−20℃〜20℃の範囲に制御する工程
    2)1×103Pa以下の減圧環境下において、1,3,5−トリアジン誘導体および/または有機物モノマーもしくはオリゴマーを蒸発温度以上・分解温度以下に加熱された熱板上に接触させて有機蒸発体を生成する工程
    3)支持体表面近傍に設置された放電電極から放出された有機蒸発体を活性化された熱電子およびイオン、および/または、紫外線に接触させ、有機蒸発体の一部を凝集・活性化させる工程
    4)前記活性化された有機蒸発体を前記支持体表面もしくは無機蒸着膜上に析出・付着させる工程
    5)前記有機蒸発体を放射線を用いて真空中で活性化もしくは架橋させ有機物層を形成する工程
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