JP2006188561A - 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重合転化率が高く、かつ安定した物性の重合体が得られるMTF類の重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物の含有量が500ppm以下である1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法。前記の1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物が、シクロペンタジエン類とインデン類を縮合して得られたものであるときに好適である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法に関し、詳しくは、重合転化率が高く、かつ安定した物性の重合体が得られる1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法に関する。
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下「MTF」と略す場合がある。)及びMTF構造を有する化合物(本発明では、MTF及びMTF構造を有する化合物を総称して、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類(以下「MTF類」と略す場合がある。)という。)を重合してなる重合体は、耐熱性、機械強度、透明性に優れており、光学材料として用いられている。
特許文献1には、MTF類とエチレンを付加共重合する重合体の製造方法が開示されている。
特許文献2には、MTF類を開環重合する重合体の製造方法が開示されている。
特開平5−97719号公報 WO99/09085
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の製造方法で、MTF類の重合体を製造すると、重合が途中で停止し、重合転化率が上がらなかったり、安定した物性の重合体が得られないことがあった。重合転化率が低い製造方法によって得られる重合体からなる成形体は、未反応のMTF類が含有しており、アウトガス量が多く、医療用器材や電子部品処理用器材に用いることができないという問題がある。また、安定した物性の重合体が得られない製造方法によって得られる重合体からなる成形体は、ガラス転移温度や流動性にばらつきがあるため精密成形が必要とされる光学部品に用いることができないという問題がある。
従って、本発明の課題は、重合転化率が高く、かつ安定した物性の重合体が得られるMTF類の重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、工業的に入手可能なMTF類は、製造上の理由から、水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物(以下、「水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物」を「化合物X」と略す場合がある。)を含有する組成物であり、この化合物Xが、MTF類の重合反応において悪影響を与えていることを突き止めた。更に、本発明者らは、重合に用いるMTF類の組成物中の、化合物Xの含有量を特定の値以下とすることによって、高重合転化率のMTF類の重合体が安定して得られることを見出し本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物の含有量が500ppm以下である1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法が提供される。
前記の製造方法は、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物が、シクロペンタジエン類とインデン類を縮合して得られたものであるときに好適である。
また、前記の製造方法によって得られる重合体、その重合体を含有してなる樹脂組成物、及びその樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。
本発明の1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法は、重合転化率が高く、かつ安定した物性の重合体が得られる。
本発明の重合体の製造方法は、水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物の含有量が500ppm以下である1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を用いることを特徴とする。
本発明において、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類(以下「MTF類」と略す場合がある)とは、下記式〔I〕
Figure 2006188561
で表される1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下「MTF」と略す場合がある)及びMTF構造を有する化合物を総称したものである。
MTF構造を有する化合物としては、MTFに置換基を有する置換体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ、前記置換体は、これらを2種以上有していてもよい。
本発明において、MTF類の組成物とは、MTF類を含有する組成物であって、MTF類の他に、MTF類の製造の際に用いられる、原料及び原料中に含まれる不純物、並びに溶媒、MTF類の製造の際の副生成物などを含む組成物である。
一般に、MTF類は、シクロペンタジエン類とインデン類を縮合して得られる。
本発明において、シクロペンタジエン類とは、シクロペンタジエン及びそれに置換基を有する置換体であり、インデン類とは、インデン及びそれに置換基を有する置換体である。
また、一般に、インデン類は、コールタールや石油蒸留残渣を蒸留することによって製造されている。従って、インデン類は、そのインデン類と近似する沸点成分、例えば、フェノール類、アルキルピリジン類、ベンゾニトリル、ウンデカン、アルキルベンゼン類などが含まれる留分として得られる。
その為、工業的にMTF類として入手することができるものは、前記のような不純物が多く含まれる組成物である。また、コールタールや石油の産地や生産時期により不純物の量は変動し、前記のMTF類の組成物中の不純物含有量も変動する。
例えば、工業的に入手可能なインデン留分には、o−クレゾールが0.5〜2重量%程度、フェノールが0.2〜1重量%程度含有しており、インデン留分とジシクロペンタジエンから製造される、工業的に入手可能なMTFの組成物には、o−クレゾールが500〜1,000ppm程度、フェノールが200〜1,000ppm程度含有している。
(MTF類の組成物)
本発明の、重合体を製造する方法に用いるMTF類の組成物は、化合物Xの含有量が500ppm以下である。中でも、化合物Xの含有量が300ppm以下であると好ましく、100ppm以下であるとより好ましい。また、MTF類の組成物の生産性の点から、化合物Xの含有量が1ppb以上であると好ましく、1ppm以上であるとより好ましく、10ppm以上であると特に好ましく、50ppm以上であると最も好ましい。
本発明において、化合物Xとは、o−クレゾールや、フェノール、1,2−ジヒドロキシインダン等の水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基及び芳香環を有する化合物である。
なお、本発明において、化合物Xには、水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合していない水酸基含有芳香族化合物、例えばジ−tert−ブチルフェノールなどは含まない。この様な水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合していない水酸基含有芳香族化合物は、立体障害が大きいため、重合の反応性に与える影響は少ない。
化合物Xの含有量が前記範囲にあるMTF類の組成物を得る方法は特に限定されないが、化合物Xを多く含むMTF類の組成物を、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液で洗浄し、次いで蒸留する方法、精密蒸留する方法などが挙げられる。
又、インデン類の製造の際に、水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで蒸留することによって、o−クレゾールや、フェノール等の一部を除去することができるが、インデンが酸化された1,2−ジヒドロキシインダンのように、インデン類由来の、化合物Xは、MTF類の組成物中に僅かに含まれるインデン類によっても生成するので、MTF類の製造後に、酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで蒸留するなどの処理をおこなうことが好ましい。
(MTF類の組成物を重合する重合体の製造方法)
本発明の、MTF類の組成物を重合して重合体を製造する方法においては、前述の、化合物Xの含有量が500ppm以下であるMTF類の組成物を用いる。
重合の態様は特に限定されず、開環重合、付加重合のいずれでもよく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合のいずれでもよい。また、バッチ法でも連続法でもよい。
(開環重合)
重合反応が、開環重合である場合には、前記のMTF類の組成物を公知の開環重合触媒の存在下で重合することができる。
開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩、またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系;チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、及びモリブデンから選ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、助触媒の有機アルミニウム化合物とからなる触媒系;あるいは、特開平7−179575号公報、J.Am.Chem.Soc.,1986,108,733、J.Am.Chem.Soc.,1993,115,9858、及びJ.Am.Chem.Soc.,1996,118,100などに開示されている公知のシュロック型やグラッブス型のリビング開環メタセシス触媒などが挙げられる。
これらの触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。触媒の使用量は、重合条件等により適宜選択されればよいが、全単量体量に対するモル比で、通常1/1,000,000〜1/10、好ましくは、1/100,000〜1/100である。
また、開環重合の際には、MTF類と、それと開環共重合可能な単量体とを重合することができる。
MTF類と開環共重合可能な単量体としては、MTF類を除くノルボルネン系単量体、単環の環状オレフィンなどが挙げられる。
本発明においてノルボルネン系単量体とは、ノルボルネン構造を有する化合物であり、具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。
単環の環状オレフィンとしては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどが挙げられる。
重合温度は、通常、−50℃〜200℃、好ましくは−30℃〜180℃、より好ましくは−20℃〜150℃の範囲であり、重合圧力は、通常、0〜50kgf/cm、好ましくは0〜20kgf/cmの範囲である。重合時間は、重合条件により適宜選択されるが、通常30分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲である。
本発明においては、連鎖移動剤を用いることが好ましい。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ドデセン、等のα―オレフィン類;1、4−ヘキサジエンなどが挙げられ、中でもα―オレフィン類等が好ましく、1―ヘキセンがより好ましい。連鎖移動剤を用いると重合体の重量平均分子量及び数平均分子量の調整を行うことができる。α―オレフィンの添加量は、重合触媒種、重合触媒量、単量体種、単量体量、α―オレフィン種など種種の条件によって適宜調節するが、一般に添加量が多いと、重量平均分子量、数平均分子量とも小さくなり、逆に添加量が少ないと、重量平均分子量、数平均分子量とも大きくなる。
連鎖移動剤の添加方法としては、所望の分子量を有する重合体を安定的に得るためには、高精度で反応系に添加することが好ましい。例えば、反応溶剤等で連鎖移動剤を予め希釈して用いたり、計量精度の高い装置を用いて秤量し、添加することが好ましい。秤量の精度としては、連鎖移動剤の必要添加量の、通常3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下のときに、最適な分子量の重合体が得られる。
(付加重合)
重合反応が、付加重合体である場合には、前記のMTF類の組成物を公知の付加重合触媒の存在下で重合することができる。
付加重合触媒としては、チーグラー触媒やメタロセン触媒などが挙げられる。
チーグラー触媒としては、バナジウム系化合物とアルキルアルミニウム系化合物のような還元剤とよりなる触媒が挙げられる。具体的には可溶性のバナジウム化合物、及び有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いて製造する。バナジウム化合物の具体例として、VOCl,VO(OC)Cl,VO(OCCl,VO(O−iso−C)Cl,VO(O−n−C)Cl,VO(OC,VOBr,VCl,VOCl,及びVO(O−n−Cなどがある。これらのバナジウム化合物は単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
メタロセン触媒としては、通常、メタロセン(遷移金属成分)に加え、有機アルミニウム化合物もしくは特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号、特開2004−155989などに記載された、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどのルイス酸、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン性化合物、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレートなどのボラン化合物およびカルボラン化合物などから選ばれる助触媒成分を加えることで形成される触媒を用いて製造する。メタロセンの遷移金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、及びタンタル等が挙げられ、好ましくはジルコニウム及びハフニウムであり、より好ましくはジルコニウムを用いると、触媒の活性の制御を行いやすく、好適である。助触媒成分としては好ましくは有機アルミニウム化合物、ルイス酸、イオン性化合物であり、より好ましくは有機アルミニウム化合物、イオン性化合物を用いると重合活性の制御の点から好適である。
メタロセンしては、rac−ジメチルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルゲルミル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−フェニルメチルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−フェニルビニルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、1−シラシクロブチル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリル−ビス(1−インデニル)ハフニウムジクロリド、rac−フェニルメチルシリル−ビス(1−インデニル)ハフニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、イソプロピレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、rac−ジメチルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−フェニルメチルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−フェニルビニルシリル−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジフェニルシリル−ビス(1−インデニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、またはイソプロピレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドが挙げられる。これらのメタロセンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
チーグラー触媒とメタロセン触媒に用いられる有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウムセスキアルコキシド、部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドのように部分的に水素化されたアルキルアルミニウムならびに部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム、アルミノキサンなどが挙げられる。これらの中では、特にアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウム、アルミノキサンを用いるのが好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、付加重合の際には、MTF類とこれと付加重合可能な単量体とを共重合することができる。
MTF類と付加重合体可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これらの、MTF類と付加重合体可能な単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。MTF類とこれと付加重合体可能な単量体とを付加共重合する場合は、付加共重合体中のMTF類の構造単位と共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
重合が溶液重合である場合、溶媒としては、特に限定されないが、炭化水素系溶媒が好ましい。炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素; シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂肪族脂環炭化水素;などが挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素、脂肪族脂環炭化水素であり、その中でもトルエン、シクロヘキサン、シクロオクタンなどがより好ましく、最も好ましくはトルエン、シクロヘキサンである。これらの炭化水素系溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
開環重合や付加重合によって得られるMTF類の重合体(以下、MTF類重合体と略す場合がある)の重合転化率は、95重量%以上であると好ましく、97重量%以上であるとより好ましく、99重量%以上であると特に好ましい。重合転化率が高いと、放出有機物量の少ない成形体が得られるので好ましい。
本発明において、重合転化率は、用いた単量体の重量から未反応の単量体の重量を引いた値を、用いた単量体の重量で除した値である。
本発明のMTF類の組成物を重合して重合体を製造する方法は、重合転化率が高く、かつ安定した物性の重合体が得られる。
従って、本発明の製造方法によって得られる重合体は、種々の用途に使用できる。
(水素添加反応)
また、本発明の製造方法によって得られるMTF類重合体は、重合反応後に、環や主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化することができる。
MTF類重合体の水素化物は、該重合体の水素化物中の全炭素−炭素結合数に対する炭素−炭素二重結合数の割合が、0.15%以下であると好ましく、0.07%以下であるとより好ましく、0.02%以下であると特に好ましい。炭素−炭素二重結合数の割合が少ないと、放出有機物量の少ない成形体が得られるので好ましい。
本発明の製造方法によって得られるMTF類重合体には、不純物として含まれる有機硫黄化合物が少ないので、水素添加反応に用いる水素添加触媒を被毒しずらい。従って該MTF類重合体は、MTF類重合体の水素化物の原料として好適である。
水素添加触媒としては、特開昭58−43412号公報、特開昭60−26024号公報、特開昭64−24826号公報、特開平1−138257号公報、特開平7−41550号公報等に記載されているものを使用することができ、均一系触媒でも不均一系触媒でもよい。均一系触媒は、水素添加反応液中で分散しやすいので添加量が少なくてよく、また、高活性を有するので、少量の触媒で短時間に水素添加することができる。不均一触媒は、高温高圧にすることで高活性となり、短時間で水添でき、さらに除去が容易である等の生産効率に優れる。
均一系触媒としては、ウィルキンソン錯体、すなわち、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I);遷移金属化合物とアルキル金属化合物の組み合わせからなる触媒、具体的には、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウム等の組み合わせが挙げられる。
不均一系触媒としては、Ni、Pd等の水素添加触媒金属を担体に担持させたものなどが挙げられ、担持される水素添加触媒金属としては活性や水素添加効率の観点からNiを用いることが好ましい。担体としては、不純物等の混入が少ないほど好ましい場合は、アルミナやケイソウ土等の吸着剤を用いることが好ましい。
水素添加反応は、通常、有機溶媒中で実施する。有機溶媒としては、触媒に不活性なものであれば格別な限定はないが、生成する水素添加物の溶解性に優れていることから、通常は炭化水素系溶媒が用いられる。
炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素類;などを挙げることができ、これらの中でも、環状の芳香族炭化水素類や脂環族炭化水素類が好ましい。
これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水素添加反応は、常法に従って行うことができるが、水素添加触媒の種類や反応温度によって水素添加率が変わる。
反応温度は、通常200℃以下、好ましくは195℃以下、最も好ましくは190℃以下で行われる。
反応温度は、100〜200℃の範囲が好ましく、130〜195℃の範囲がより好ましい。200℃を越える温度で水素添加反応を行うと、重合体の各繰り返し単位中で異性化反応が起こりやすくなり、水素添加反応が進行するにつれて得られるノルボルネン系重合体の耐熱性が経時的に低下する。
水素圧は、通常、0.1〜100kgf/cm、好ましくは0.5〜60kgf/cm、さらに好ましくは1〜50kgf/cmとする。
水素添加反応終了後の触媒の除去は、遠心、ろ過等の常法に従って行えばよい。
必要に応じて、水やアルコール等の触媒不活性化剤を利用したり、活性白土やアルミナ等の吸着剤を添加したりしてもよい。
医療用器材等、残留した遷移金属が溶出するのが好ましくない用途では、実質的に遷移金属が残留しないことが好ましいが、そのような重合体水素添加物を得るためには、特開平5−317411号公報などで開示されているような、特定の細孔容積と比表面積を持ったアルミナ類等の吸着剤を用いたり、樹脂溶液を酸性水と純水で洗浄したりすることが好ましい。
遠心方法やろ過方法は、用いた触媒が除去できる条件であれば、特に限定されない。
ろ過による除去は、簡便かつ効率的であるので好ましい。ろ過する場合、加圧ろ過しても、吸引ろ過してもよく、また、効率の点から、ケイソウ土、パーライト等のろ過助剤を用いることが好ましい。
本発明のMTF類重合体及びその水素化物は、必要に応じて各種配合剤を配合して樹脂組成物とした後、各種成形体に成形して使用することもできる。配合剤としては、格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、低吸水性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による成形物の着色や強度低下を防止できる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、MTF類重合体またはその水素化物100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
MTF類重合体またはその水素化物に上記配合剤を均一に分散する方法は、たとえば、配合剤を適当な溶剤に溶解してMTF類重合体またはその水素化物の溶液に添加した後、溶媒を除去して配合剤を含むMTF類重合体またはその水素化物の樹脂組成物を得る方法、ミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機等でMTF類重合体またはその水素化物を溶融状態にして配合剤を混練する方法等が挙げられる。
以上の方法により得られた樹脂組成物は、各種成形体に成形して各種用途に使用することができる。成形方法としては格別な限定はないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等に優れた成形物を得るためには、溶融成形法を用いるのが好ましい。溶融成形法としては、射出成形法、射出圧縮成形法、押出し成形法、押出し延伸成形法、多層押出し成形法、プレス成形法、ブロー成形法、射出ブロー成形法、インフレーション成形法等が挙げられるが、低複屈折性、寸法安定性等の観点から、射出成形法及び押出し成形法が好ましい。
成形条件は、使用目的や成形方法により適宜選択される。たとえば、射出成形法による場合は、樹脂温度が、通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃、より好ましくは230〜280℃の範囲で適宜選択される。樹脂温度が過度に低いと流動性が悪化し、成形品にヒケやひずみを生じ、樹脂温度が過度に高いと樹脂の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成形物が黄変する等の成形不良が発生するおそれがある。
成形体の形状は特に限定されず、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、レンズ状、フィルム又はシート形状等種々の形状とすることができる。
(用途)
本発明の成形体は、各種成形体として広範な分野において有用である。
成形体の用途としては、光ディスク、光学レンズ、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学部品;
液体、粉体、または固体薬品の容器(注射用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリング容器(血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具(注射器等)、医療器具等の滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ用、コンタクトレンズ用等)、実験・分析器具(ビーカー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用光学部品(医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材料(医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等)、人工臓器やその部品義(歯床、人工心臓、人造歯根等)等の医療用器材;
処理用または移送用容器(タンク、トレイ、キャリア、ケース等)、保護材(キャリアテープ、セパレーション・フィルム等)、配管類(パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等)、液体用容器類(サンプリング容器、ボトル、アンプルバッグ等)の電子部品処理用器材;
被覆材(電線用、ケーブル用等)、民生用・産業用電子機器匡体(複写機、コンピューター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、ビデオカメラ等)、構造部材(パラボラアンテナ構造部材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部材等)等の電気絶縁材料;
一般回路基板(硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等)、高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等)等の回路基板;
透明導電性フィルム(液晶基板、光メモリー、面発熱体等)の基材;半導体封止材(トランジスタ封止材、IC封止材、LSI封止材、LED封止材等)、電気・電子部品の封止材(モーター封止材、コンデンサー封止材、スイッチ封止材、センサー封止材等)の封止材;
ルームミラーやメーター類のカバーなど自動車用内装材料;
ドアミラー、フェンダーミラー、ビーム用レンズ、ライト・カバーなど自動車用外装材料;等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、部及び%は重量基準、圧力はゲージ圧である。実施例及び比較例における物性の測定方法は、以下のとおりである。
(1)MTF類の組成物中の各成分の含有量
ガスクロマトグラフィー(GC)により測定した。
(2)分子量
重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)はテトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリスチレン換算値として測定した。また、分子量分布(MWD)は、前記の重量平均分子量を数平均分子量で割った値(Mw/Mn)である。
(3)重合転化率
重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより算出した。
(4)重合体の組成
重合体の組成比はH−NMRより算出した。
[製造例1]
攪拌機付オートクレーブ内に、タール系重質軽油からのインデン留分(インデン92%、o−クレゾール0.8%、フェノール0.36%、1,2−ジヒドロキシインダン0.05%)100部およびジシクロペンタジエン(純度94%)230部を入れ、窒素置換したのち、攪拌しながら180℃で6時間反応をおこなった。反応生成物を0.07kPaおよび還流比10の条件下で蒸留精製し、88〜92℃の留分として1,4−メタノー1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFという)の組成物(A)125部を得た。ガスクロマトグラフィーにより測定した、この組成物におけるMTFの純度は99.4%であり、o−クレゾール500ppm、フェノール180ppm、1,2−ジヒドロキシインダン20ppmが含まれていた。
[製造例2]
製造例1で得られたMTFの組成物(A)100部を規定度0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液100部で1回洗浄後、有機層を単蒸留してMTFの組成物(B)92部を得た。ガスクロマトグラフィーにより測定した、この組成物におけるMTFの純度は99.4%であり、o−クレゾール400ppm、フェノール135ppm、1,2−ジヒドロキシインダン18ppmが含まれていた。
[製造例3]
還流比を15にする以外は製造例1と同様の操作を行い、MTFの組成物(C)100部を得た。ガスクロマトグラフィーにより測定した、この組成物におけるMTFの純度は99.4%であり、o−クレゾール280ppm、フェノール105ppm、1,2−ジヒドロキシインダン15ppmが含まれていた。
[製造例4]
タール系重質軽油からのインデン留分をヘリパックを充填した蒸留塔を用い、還流比15で減圧蒸留を行い、1.3kPaの減圧下で沸点60.0〜63.0℃の留分を得た。GC分析の結果、この留分にはインデン99.0%およびのほかにo−クレゾール40ppm、フェノール17ppm、1,2−ジヒドロキシインダン5ppmが含まれていた。
このインデン留分を用いる以外は製造例1と同様の操作をして、MTFの組成物(D)125部を得た。
ガスクロマトグラフィーにより測定した、この組成物におけるMTFの純度は99.4%であり、o−クレゾール15ppm、フェノール7ppm、1,2−ジヒドロキシインダン2ppmが含まれていた。
[実施例1]
乾燥し窒素置換した重合反応器に、MTFの組成物(C)を10部、脱水したシクロヘキサン300部、分子量調節剤として1−ヘキセン0.80部、ジイソプロピルエ-テル0.2部、イソブチルアルコール0.18部、トリイソブチルアルミニウム0.48部及び六塩化タングステン0.7重量%トルエン溶液6部を入れ、50℃で10分間攪拌した。その後、直ちに攪拌しながら前記重合反応器中に前記組成物90部と六塩化タングステン0.7重量%トルエン溶液10部を2時間かけて連続的に滴下し、さらに滴下終了後30分間攪拌した後にイソプロピルアルコール0.5部を添加して重合反応を停止させた。
ガスクロマトグラフィーによって重合反応溶液を測定したしたところ、MTFの転化率は99.9%であった。また、得られた開環重合体の分子量はMw=32,000、MWD=1.79であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(D)を用いた以外は実施例1と同様にして、開環重合体を得た。MTFの転化率は99.9%、得られた開環重合体の分子量はMw=32,000、MWD=1.78であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
窒素置換した反応容器に、MTFの組成物(C)100部およびトルエン300部を入れ、5分間攪拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウム0.15部を添加した。続いて、攪拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とし、オートクレーブの内温を60℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で0.6MPaとなるように加圧した。10分間攪拌した後、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドの5%トルエン溶液0.5部、およびメチルアルモキサンの10%トルエン溶液5部を系内に添加することによって、重合反応を開始させた。エチレンを連続供給し、系内のエチレン圧を0.6MPaに保持したまま、温度60℃で1時間反応させた。反応後、重合反応をイソプロピルアルコールの添加により停止した。
反応で得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで測定したところ、MTFの転化率は99.0%であった。得られた付加型重合体の組成はMTF/エチレン=31/69(モル/モル)であり、分子量はMw=210,000、MWD=2.00であった。結果を表2に示す。
[実施例4]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(D)を用いた以外は実施例3と同様にして、付加型共重合体を得た。MTFのポリマーへの転化率は99.1%、得られた付加型重合体の組成はMTF/エチレン=31/69(モル/モル)であり、分子量はMw=208,000、MWD=2.01であった。結果を表2に示す。
[比較例1]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(A)を用いた以外は実施例1と同様にして、開環重合体を得た。MTFの転化率は60.0%、得られた開環重合体の分子量はMw=58,000、MWD=3.20であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(B)を用いた以外は実施例1と同様にして、開環重合体を得た。MTFの転化率は78.0%、得られた開環重合体の分子量はMw=25,000、MWD=1.73であった。結果を表1に示す。
[比較例3]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(A)を用いた以外は実施例3と同様にして、付加型共重合体を得た。MTFの転化率は50.0%、得られた付加型重合体の組成はMTF/エチレン=30/70(モル/モル)であり、分子量はMw=98,000、MWD=2.20であった。結果を表2に示す。
[比較例4]
MTFの組成物(C)の代わりにMTFの組成物(B)を用いた以外は実施例1と同様にして、付加型共重合体を得た。MTFの転化率は80.0%、得られた付加型重合体の組成はMTF/エチレン=30/70(モル/モル)であり、分子量はMw=145,000、MWD=2.10であった。結果を表2に示す。
Figure 2006188561
表1から以下の事がわかる。
化合物Xの含有量が500ppm以下であるMTF類の組成物を重合して重合体を製造する方法によって得られる重合体は、転化率が高く、Mw及びMWDが一定であり、生産安定性に優れる(実施例1及び2)。
それに対して、化合物Xの含有量が500ppmより多いMTF類の組成物を重合して重合体を製造する方法によって得られる重合体は、転化率が低く、同様の触媒量を用いてもMw及びMWDが大きく異なり、物性の安定性に劣る。(比較例1及び2)。
Figure 2006188561
表2から以下の事がわかる。
化合物Xの含有量が500ppm以下であるMTF類の組成物を用いる重合体の製造方法によって得られる重合体は、転化率が高く、Mw及びMWDがほぼ一定であり、生産安定性に優れる(実施例3及び4)。
それに対して、化合物Xの含有量が500ppmより多いMTF類の組成物を用いる重合体の製造方法によって得られる重合体は、転化率が低く、同様の触媒量を用いてもMw及びMWDが大きく異なり、物性の安定性に劣る。(比較例3及び4)。

Claims (5)

  1. 水酸基が結合した炭素に隣接する炭素に水素原子が結合している水酸基含有芳香族化合物の含有量が500ppm以下である1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物を重合して重合体を製造する方法。
  2. 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン類の組成物が、シクロペンタジエン類とインデン類を縮合して得られたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られる重合体。
  4. 請求項3に記載の重合体を含有してなる樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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