JP2020105332A - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を形成可能な樹脂組成物を提供する。【解決手段】炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体A、および、ノルボルネン系重合体B、を含む、樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物、および当該樹脂組成物の成形体に関するものである。
近年、樹脂組成物からなる成形体の材料として、ノルボルネン骨格を有する単量体(以下、「ノルボルネン類」と称する。)由来の構造単位を含む重合体が注目されている。
例えば、特許文献1には、エチレンに由来する構造単位と、所定の化学構造を有するノルボルネン類に由来する構造単位を含み、且つ、分子量分布およびガラス転移温度がそれぞれ所定の範囲内である共重合体が記載されている。そして、特許文献1によれば、上記共重合体を含む樹脂組成物を延伸することで、優れた複屈折、面内位相差、および透明性を有する光学フィルムを得ることができる。
ここで、近年、ノルボルネン類由来の構造単位を含む重合体を用いて得られる成形体には、大きな位相差などの優れた性質を発揮するのみならず、当該優れた性質を、高温条件下に曝された後でも十分に保持すること(即ち、耐熱性に優れること)が求められている。
しかし、上記従来の共重合体を含む樹脂組成物を成形しても、大きな位相差と、優れた耐熱性とが両立した成形体を得ることができなかった。
そこで、本発明は、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を形成可能な樹脂組成物の提供を目的とする。
また、本発明は、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を目的とする。
また、本発明は、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体と、ノルボルネン類由来の構造単位を含有する重合体を含む樹脂組成物を用いれば、大きな位相差を有すると共に、高温条件下に曝された後でも、大きな位相差を十分に維持可能な成形体を製造し得ることを新たに見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の樹脂組成物は、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体A、および、ノルボルネン系重合体Bを含む、ことを特徴とする。このように、上記所定の構造単位2種を少なくとも含有する共重合体Aと、ノルボルネン系重合体Bとを含む樹脂組成物を用いれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を得ることができる。
なお、本発明において、「ノルボルネン系重合体」とは、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上である重合体またはその水素化物を意味する。そして、本発明において、「構造単位の含有割合」は、1H−NMRや13C−NMRなどの核磁気共鳴(NMR)法を用いて測定することができる。
なお、本発明において、「ノルボルネン系重合体」とは、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上である重合体またはその水素化物を意味する。そして、本発明において、「構造単位の含有割合」は、1H−NMRや13C−NMRなどの核磁気共鳴(NMR)法を用いて測定することができる。
ここで、本発明の樹脂組成物は、前記共重合体A中の、前記シクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合が10モル%以上50モル%以下であることが好ましい。共重合体A中に占める、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合が上記範囲内であれば、共重合体Aの重合容易性が確保されると共に、樹脂組成物を用いて得られる成形体の透明性が確保される。更には、樹脂組成物を用いて得られる成形体の、大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
そして、本発明の樹脂組成物は、ガラス転移温度が95℃以上であることが好ましい。樹脂組成物のガラス転移温度が上記値以上であれば、当該樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができる。
なお、本発明において、「ガラス転移温度」は、示差走査熱量分析計を使用し、JIS K6911に準拠して測定することができる。
なお、本発明において、「ガラス転移温度」は、示差走査熱量分析計を使用し、JIS K6911に準拠して測定することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記シクロオレフィン類の環を構成する炭素の数が、4以上20以下であることが好ましい。共重合体Aが、環を構成する炭素の数が4〜20であるシクロオレフィン類由来の構造単位を含有すれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の、大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
そして、本発明の樹脂組成物は、前記共重合体Aの含有量と、前記ノルボルネン系重合体Bの含有量の合計中に占める前記共重合体Aの含有量の割合が、10質量%以上85質量%以下であることが好ましい。共重合体Aとノルボルネン系重合体Bとの合計中に占める共重合体Aの割合が上記範囲内であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の、大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の成形体は、上述した何れかの樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。上述した樹脂組成物の何れを成形してなる成形体は、大きな位相差を有すると共に、耐熱性に優れる。
そして、本発明の成形体は、光学フィルムとして有利に使用することができる。
そして、本発明の成形体は、光学フィルムとして有利に使用することができる。
本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を形成可能な樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を提供することができる。
また、本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の樹脂組成物は、少なくとも2種の、所定の重合体を含む樹脂組成物である。そして、本発明の樹脂組成物は、例えば本発明の成形体の材料として好適に用いることができる。
ここで、本発明の樹脂組成物は、少なくとも2種の、所定の重合体を含む樹脂組成物である。そして、本発明の樹脂組成物は、例えば本発明の成形体の材料として好適に用いることができる。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体A、および、ノルボルネン系重合体Bを含有し、任意に、共重合体Aおよびノルボルネン系重合体B以外の成分(以下、「その他の成分」と称する。)を更に含有する。
そして、本発明の樹脂組成物は、上述した構造単位を含有する共重合体Aと、ノルボルネン系重合体Bの双方を含有しているため、当該樹脂組成物を成形することで、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体A、および、ノルボルネン系重合体Bを含有し、任意に、共重合体Aおよびノルボルネン系重合体B以外の成分(以下、「その他の成分」と称する。)を更に含有する。
そして、本発明の樹脂組成物は、上述した構造単位を含有する共重合体Aと、ノルボルネン系重合体Bの双方を含有しているため、当該樹脂組成物を成形することで、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を得ることができる。
<共重合体A>
共重合体Aは、上述した通り、炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類(本明細書において、単に「シクロオレフィン類」と略記する場合がある。)に由来する構造単位を含有する。ここで、共重合体Aは、炭素数2以上20以下のα−オレフィンと、シクロオレフィン類以外の化合物(その他の化合物)に由来する構造単位(その他の構造単位)を含んでいてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物は、共重合体Aを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
共重合体Aは、上述した通り、炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類(本明細書において、単に「シクロオレフィン類」と略記する場合がある。)に由来する構造単位を含有する。ここで、共重合体Aは、炭素数2以上20以下のα−オレフィンと、シクロオレフィン類以外の化合物(その他の化合物)に由来する構造単位(その他の構造単位)を含んでいてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物は、共重合体Aを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
[炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位]
炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位を形成しうる、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、特に限定されることなく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。これらの中でも、共重合体Aの重合容易性を確保する観点から、エチレンが好ましい。
なお、炭素数2以上20以下のα−オレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位を形成しうる、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、特に限定されることなく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。これらの中でも、共重合体Aの重合容易性を確保する観点から、エチレンが好ましい。
なお、炭素数2以上20以下のα−オレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そして、共重合体A中の、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位の含有割合は、50モル%以上であることが好ましく、90モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましく、60モル%以下であることが更に好ましい。炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位の含有割合が50モル%以上であれば、共重合体Aの重合容易性を確保することができる。一方、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位の含有割合が90モル%以下であれば、共重合体Aがノルボルネン系重合体Bと良好に混和し、樹脂組成物を用いて得られる成形体の透明性が確保される。そして、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
[ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位]
ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位を形成しうる、シクロオレフィン類としては、ノルボルネン類に該当しなければ、特に限定されない。このようなノルボルネン類を除くシクロオレフィン類としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4−エン(トリシクロウンデセン)、およびこれらの誘導体が挙げられる。ここで、シクロオレフィン類における「誘導体」とは、環(オレフィン環)に置換基を有するものを意味する。このような置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基が挙げられる。そして、「誘導体」の環は、これら置換基を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
なお、シクロオレフィン類は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位を形成しうる、シクロオレフィン類としては、ノルボルネン類に該当しなければ、特に限定されない。このようなノルボルネン類を除くシクロオレフィン類としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4−エン(トリシクロウンデセン)、およびこれらの誘導体が挙げられる。ここで、シクロオレフィン類における「誘導体」とは、環(オレフィン環)に置換基を有するものを意味する。このような置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基が挙げられる。そして、「誘導体」の環は、これら置換基を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
なお、シクロオレフィン類は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、シクロオレフィン類の環(オレフィン環)を構成する炭素の数は、4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、6以上であることが更に好ましく、20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、12以下であることが更に好ましく、8以下であることが特に好ましい。
シクロオレフィン類の環を構成する炭素の数が上述した範囲内であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
シクロオレフィン類の環を構成する炭素の数が上述した範囲内であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。
ここで、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立する観点から、シクロオレフィン類としては、シクロオクテン、シクロヘプテン、およびそれらの誘導体が好ましく、シクロオクテンおよびその誘導体がより好ましく、シクロオクテンが更に好ましい。
そして、共重合体A中の、シクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合は、10モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましく、40モル%以上であることが更に好ましく、50モル%以下であることが好ましい。シクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合が10モル%以上であれば、共重合体Aがノルボルネン系重合体Bと良好に混和し、樹脂組成物を用いて得られる成形体の透明性が確保される。そして、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。一方、シクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合が50モル%以下であれば、共重合体Aの重合容易性を確保することができる。
[その他の構造単位]
その他の構造単位を形成しうる、その他の化合物としては、特に限定されることなく、例えば、「ノルボルネン系重合体B」の項で後述するノルボルネン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の構造単位を形成しうる、その他の化合物としては、特に限定されることなく、例えば、「ノルボルネン系重合体B」の項で後述するノルボルネン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そして、共重合体A中の、その他の構造単位は、通常20モル%未満であり、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることが更に好ましく、0モル%である(即ち、共重合体Aはその他の構造単位を含まない)ことが特に好ましい。
[共重合体Aの性状]
共重合体Aのガラス転移温度は、−10℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが更に好ましく、40℃以上であることが特に好ましい。共重合体Aのガラス転移温度が−10℃以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができる。なお、共重合体Aのガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、180℃以下とすることができる。
共重合体Aのガラス転移温度は、−10℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが更に好ましく、40℃以上であることが特に好ましい。共重合体Aのガラス転移温度が−10℃以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができる。なお、共重合体Aのガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、180℃以下とすることができる。
[共重合体Aの調製方法]
上述した共重合体Aは、例えば、炭化水素溶媒中において、触媒の存在下で、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位を形成し得るα−オレフィンと、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位を形成し得るシクロオレフィン類とを含み、任意にその他の構造体単位を形成し得るその他の化合物を更に含む単量体組成物を共重合(付加重合)させることによって製造することができる。なお、共重合は、有機アルミニウム化合物の存在下で行ってもよい。
上述した共重合体Aは、例えば、炭化水素溶媒中において、触媒の存在下で、炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位を形成し得るα−オレフィンと、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位を形成し得るシクロオレフィン類とを含み、任意にその他の構造体単位を形成し得るその他の化合物を更に含む単量体組成物を共重合(付加重合)させることによって製造することができる。なお、共重合は、有機アルミニウム化合物の存在下で行ってもよい。
ここで、炭化水素溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;並びに、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体(例えば、クロロベンゼンなど);などを使用し得る。これらの炭化水素溶媒は、混合して用いてもよい。
また、触媒としては、CpTi((t−Bu)2C=N)Cl2、Cp*Ti((t−Bu)2C=N)Cl2、1,3−Me2CpTi((t−Bu)2C=N)Cl2および1,3−Me2CpTi((Me3Si)(t−Bu)C=N)Cl2等を例示することが出来る。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。ここで、「Cp」はシクロペンタジエニル基を表し、「Cp*」はη5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基を表し、「t−Bu」はtert−ブチル基を表し、「Me」はメチル基を表す。なお、触媒は、炭化水素溶媒に溶解させた触媒溶液の状態で重合系に供給し得る。
ここで、上述した触媒は、例えば、(A)遷移金属化合物と、(B)アルキルアルミニウムオキシ化合物および有機ホウ素化合物からなる群より選ばれる1種以上の活性化剤とを任意の順序で、且つ、任意の方法で組み合わせることによって、製造し得る。
なお、アルキルアルミニウムオキシ化合物としては、従来公知のアルミノキサンや、特開平2−78687号公報に例示されているものなどを使用し得る。ここで、アルキルアルミニウムオキシ化合物には、その合成原料として使用された、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物が不純物として含まれていてもよい。
また、有機ホウ素化合物としては、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを使用し得る。中でも、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好適に使用できる。これらの有機ホウ素化合物は、混合して用いてもよい。
そして、触媒を調製する際に使用する(A)遷移金属化合物および(B)活性化剤の量の比率は、モル比(遷移金属化合物:活性化剤)で、好ましくは1:0.01〜1:10000であり、より好ましくは1:100〜1:3000である。
なお、触媒の調製は、(1)窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、溶媒中で(A)遷移金属化合物および(B)活性化剤を混合することにより行ってもよいし、(2)単量体が共存する反応器内に(A)遷移金属化合物および(B)活性化を別々に投入することにより反応器内で行ってもよい。ここで、触媒を調製する際の温度は、−20℃以上150℃以下であることが好ましい。また、溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族化合物を用いることができる。そして、使用する溶媒は、前処理において水分等を除去しておくことが好ましい。
なお、アルキルアルミニウムオキシ化合物としては、従来公知のアルミノキサンや、特開平2−78687号公報に例示されているものなどを使用し得る。ここで、アルキルアルミニウムオキシ化合物には、その合成原料として使用された、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物が不純物として含まれていてもよい。
また、有機ホウ素化合物としては、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを使用し得る。中でも、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好適に使用できる。これらの有機ホウ素化合物は、混合して用いてもよい。
そして、触媒を調製する際に使用する(A)遷移金属化合物および(B)活性化剤の量の比率は、モル比(遷移金属化合物:活性化剤)で、好ましくは1:0.01〜1:10000であり、より好ましくは1:100〜1:3000である。
なお、触媒の調製は、(1)窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、溶媒中で(A)遷移金属化合物および(B)活性化剤を混合することにより行ってもよいし、(2)単量体が共存する反応器内に(A)遷移金属化合物および(B)活性化を別々に投入することにより反応器内で行ってもよい。ここで、触媒を調製する際の温度は、−20℃以上150℃以下であることが好ましい。また、溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族化合物を用いることができる。そして、使用する溶媒は、前処理において水分等を除去しておくことが好ましい。
更に、共重合の際に使用し得る有機アルミニウム化合物としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサンおよびメチルイソブチルアルミノキサンなどが挙げられる。中でも、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンが好適に使用できる。これらの有機アルミニウム化合物は、混合して用いてもよい。
共重合は、減圧、大気圧、加圧のいずれかの条件下、バルク重合、溶液重合、スラリー重合のいずれの方法でも行うことができる。
そして、共重合を行う温度は、好ましくは−30℃以上260℃以下であり、より好ましくは0℃以上200℃以下である。
また、共重合は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、オレフィン(例えば、エチレン等)などの単量体をガス状態で供給する場合には、当該単量体のガス雰囲気下や、不活性ガスと単量体のガスとの混合雰囲気下で行ってもよい。
更に、上記の雰囲気ガスには、分子量調節のために水素を共存させてもよい。また、触媒成分は、アルミナ、塩化マグネシウム、シリカ等の担体に担持させて用いてもよい。
そして、共重合を行う温度は、好ましくは−30℃以上260℃以下であり、より好ましくは0℃以上200℃以下である。
また、共重合は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、オレフィン(例えば、エチレン等)などの単量体をガス状態で供給する場合には、当該単量体のガス雰囲気下や、不活性ガスと単量体のガスとの混合雰囲気下で行ってもよい。
更に、上記の雰囲気ガスには、分子量調節のために水素を共存させてもよい。また、触媒成分は、アルミナ、塩化マグネシウム、シリカ等の担体に担持させて用いてもよい。
そして、共重合の際に使用する触媒量は、好ましくは、触媒1モルに対し、生成する共重合体が10kg以上1000000kg以下となる量である。共重合後に得られる共重合体の分離・回収方法としては、例えば、(1)反応液にアセトン、或いは、酸またはアルカリを混合したアルコール等の貧溶媒となる極性溶媒を加えて共重合体を沈澱させ、回収する方法、(2)反応液を撹拌下、熱湯中に投入した後、溶媒と共に蒸留回収する方法、または、(3)反応液を直接加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
<ノルボルネン系重合体B>
ノルボルネン系重合体Bは、上述した通り、ノルボルネン類に由来する構造単位を20モル%以上含有する重合体、またはその水素化物である。ここで、ノルボルネン系重合体Bは、ノルボルネン類以外の化合物(その他の化合物)に由来する構造単位(その他の構造単位)を含んでいてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物は、ノルボルネン系重合体Bを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
ノルボルネン系重合体Bは、上述した通り、ノルボルネン類に由来する構造単位を20モル%以上含有する重合体、またはその水素化物である。ここで、ノルボルネン系重合体Bは、ノルボルネン類以外の化合物(その他の化合物)に由来する構造単位(その他の構造単位)を含んでいてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物は、ノルボルネン系重合体Bを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
[ノルボルネン類由来の構造単位]
ノルボルネン類由来の構造単位を形成しうる、ノルボルネン類としては、特に限定されることなく、例えば、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、ジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン)、メタノテトラヒドロフルオレン(1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン)、および、テトラシクロドデセン(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン)並びにこれらの誘導体が挙げられる。
ノルボルネン類由来の構造単位を形成しうる、ノルボルネン類としては、特に限定されることなく、例えば、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、ジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン)、メタノテトラヒドロフルオレン(1,4−メタノ−1,4,4a−9a−テトラヒドロフルオレン)、および、テトラシクロドデセン(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン)並びにこれらの誘導体が挙げられる。
なお、ノルボルネン類における「誘導体」とは、環に置換基を有するものを意味する。このような置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基が挙げられる。そして、上記「誘導体」の環は、これら置換基を1種有していてもよく、2種以上有していてもよい。
このような置換基を有する(即ち、誘導体としての)ノルボルネン類としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(エチリデンテトラシクロドデセン)が挙げられる。
なお、ノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような置換基を有する(即ち、誘導体としての)ノルボルネン類としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(エチリデンテトラシクロドデセン)が挙げられる。
なお、ノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、ノルボルネン系重合体Bとしては、上述したノルボルネン類由来の構造単位を20モル%以上含有する重合体またはその水素化物であれば特に限定されず、例えば、ノルボルネン類由来の構造単位を含有する付加重合体およびその水素化物(以下、「ノルボルネン系付加重合体」と称する。)、並びに、ノルボルネン類由来の構造単位を含有する開環重合体およびその水素化物(以下、「ノルボルネン系開環重合体」と称する。)を用いることができる。
[ノルボルネン系付加重合体]
ノルボルネン系付加重合体としては、ノルボルネン類の付加重合体、ノルボルネン類とこれと付加共重合可能なその他の化合物(単量体)との付加重合体、または、これらの水素化物を用いることができる。
ノルボルネン系付加重合体としては、ノルボルネン類の付加重合体、ノルボルネン類とこれと付加共重合可能なその他の化合物(単量体)との付加重合体、または、これらの水素化物を用いることができる。
−ノルボルネン類−
ノルボルネン系付加重合体の調製に用いうるノルボルネン類としては、特に限定されることなく、「ノルボルネン類由来の構造単位」の項で上述したノルボルネン類を用いることができる。これらのノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらのノルボルネン類の中でも、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立する観点からは、メタノテトラヒドロフルオレン、テトラシクロドデセン、およびこれらの誘導体が好ましく、メタノテトラヒドロフルオレンおよびテトラシクロドデセンがより好ましい。
ノルボルネン系付加重合体の調製に用いうるノルボルネン類としては、特に限定されることなく、「ノルボルネン類由来の構造単位」の項で上述したノルボルネン類を用いることができる。これらのノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらのノルボルネン類の中でも、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立する観点からは、メタノテトラヒドロフルオレン、テトラシクロドデセン、およびこれらの誘導体が好ましく、メタノテトラヒドロフルオレンおよびテトラシクロドデセンがより好ましい。
−その他の化合物−
ノルボルネン系付加重合体の調製に用いうるその他の化合物としては、ノルボルネン類と付加共重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、「共重合体A」の項で上述した炭素数2以上20以下のα−オレフィン、「共重合体A」の項で上述したシクロオレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系付加重合体の重合容易性の観点から、炭素数2以上20以下のα−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン系付加重合体の調製に用いうるその他の化合物としては、ノルボルネン類と付加共重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、「共重合体A」の項で上述した炭素数2以上20以下のα−オレフィン、「共重合体A」の項で上述したシクロオレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系付加重合体の重合容易性の観点から、炭素数2以上20以下のα−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−ノルボルネン系付加重合体中のノルボルネン類由来の構造単位の含有割合−
そして、ノルボルネン系付加重合体中の、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合は、20モル%以上であることが必要であり、25モル%以上であることがより好ましく、28モル%以上であることが更に好ましく、30モル%以上であることが特に好ましく、99モル%以下であることが好ましく、90モル%以下であることがより好ましく、80モル%以下であることが更に好ましく、70モル%以下であることがより一層好ましく、60モル%以下であることが特に好ましい。ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上であることで、樹脂組成物を用いて得られる成形体の透明性を向上させつつ、当該成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。一方、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が99モル%以下であれば、ノルボルネン系付加重合体の調製が容易となる。
そして、ノルボルネン系付加重合体中の、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合は、20モル%以上であることが必要であり、25モル%以上であることがより好ましく、28モル%以上であることが更に好ましく、30モル%以上であることが特に好ましく、99モル%以下であることが好ましく、90モル%以下であることがより好ましく、80モル%以下であることが更に好ましく、70モル%以下であることがより一層好ましく、60モル%以下であることが特に好ましい。ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上であることで、樹脂組成物を用いて得られる成形体の透明性を向上させつつ、当該成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。一方、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が99モル%以下であれば、ノルボルネン系付加重合体の調製が容易となる。
−ノルボルネン系付加重合体の調製方法−
ノルボルネン系付加重合体を調製する方法は、特に限定されず、上述したノルボルネン類、および任意にその他の化合物を含む単量体組成物を付加重合し、更に必要に応じて水素添加を行うことで、得ることができる。なお、付加重合および水素添加は、何れも既知の方法を用いて行うことができる。例えば、付加重合は、特開2008−144013号公報に記載の方法を用いて行うことができる。
ノルボルネン系付加重合体を調製する方法は、特に限定されず、上述したノルボルネン類、および任意にその他の化合物を含む単量体組成物を付加重合し、更に必要に応じて水素添加を行うことで、得ることができる。なお、付加重合および水素添加は、何れも既知の方法を用いて行うことができる。例えば、付加重合は、特開2008−144013号公報に記載の方法を用いて行うことができる。
[ノルボルネン系開環重合体]
ノルボルネン系開環重合体としては、ノルボルネン類の開環重合体、ノルボルネン類とこれと開環共重合可能なその他の化合物(単量体)との開環重合体、または、これらの水素化物を用いることができる。
ノルボルネン系開環重合体としては、ノルボルネン類の開環重合体、ノルボルネン類とこれと開環共重合可能なその他の化合物(単量体)との開環重合体、または、これらの水素化物を用いることができる。
−ノルボルネン類−
ノルボルネン系開環重合体の調製に用いうるノルボルネン類としては、特に限定されることなく、「ノルボルネン類由来の構造単位」の項で上述したノルボルネン類を用いることができる。これらのノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらのノルボルネン類の中でも、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立する観点からは、テトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、およびそれらの誘導体が好ましく、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、およびジシクロペンタジエンがより好ましい。
ノルボルネン系開環重合体の調製に用いうるノルボルネン類としては、特に限定されることなく、「ノルボルネン類由来の構造単位」の項で上述したノルボルネン類を用いることができる。これらのノルボルネン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらのノルボルネン類の中でも、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立する観点からは、テトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、およびそれらの誘導体が好ましく、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、およびジシクロペンタジエンがより好ましい。
−その他の化合物−
ノルボルネン系開環重合体の調製に用いうるその他の化合物としては、ノルボルネン類と開環共重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、「共重合体A」の項で上述したシクロオレフィン類が挙げられる。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン系開環重合体の調製に用いうるその他の化合物としては、ノルボルネン類と開環共重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、「共重合体A」の項で上述したシクロオレフィン類が挙げられる。
なお、その他の化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−ノルボルネン系開環重合体中のノルボルネン類由来の構造単位の含有割合−
そして、ノルボルネン系開環重合体中の、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合は、20モル%以上であることが必要であり、50モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上であることで、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。一方、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合の上限値は特に限定されず、100モル%以下とすることができる。
そして、ノルボルネン系開環重合体中の、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合は、20モル%以上であることが必要であり、50モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合が20モル%以上であることで、樹脂組成物を用いて得られる成形体の大きな位相差と優れた耐熱性とを一層高いレベルで両立することができる。一方、ノルボルネン類由来の構造単位の含有割合の上限値は特に限定されず、100モル%以下とすることができる。
−ノルボルネン系開環重合体の調製方法−
ノルボルネン系開環重合体を調製する方法は、特に限定されず、上述したノルボルネン類、および任意にその他の化合物を含む単量体組成物を開環重合し、任意に水素添加を行うことで、得ることができる。なお、開環重合および水素添加は、何れも既知の方法を用いて行うことができる。例えば、開環重合および水素添加は、特開2017−179001号公報に記載の方法を用いて行うことができる。
ノルボルネン系開環重合体を調製する方法は、特に限定されず、上述したノルボルネン類、および任意にその他の化合物を含む単量体組成物を開環重合し、任意に水素添加を行うことで、得ることができる。なお、開環重合および水素添加は、何れも既知の方法を用いて行うことができる。例えば、開環重合および水素添加は、特開2017−179001号公報に記載の方法を用いて行うことができる。
[ノルボルネン系重合体Bの性状]
ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが更に好ましく、220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることが更に好ましい。ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度が100℃以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができ、220℃以下であれば、樹脂組成物の成形性を確保することができる。
ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが更に好ましく、220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることが更に好ましい。ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度が100℃以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができ、220℃以下であれば、樹脂組成物の成形性を確保することができる。
<共重合体Aとノルボルネン系重合体Bの含有量比>
本発明の樹脂組成物において、共重合体Aの含有量と、ノルボルネン系重合体Bの含有量の合計中に占める共重合体Aの含有量の割合は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましく、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。共重合体Aとノルボルネン系重合体Bの合計中に占める共重合体Aの割合が10質量%以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の位相差をより大きくすることができる。一方、共重合体Aとノルボルネン系重合体Bの合計中に占める共重合体Aの割合が85質量%以下であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができる。
本発明の樹脂組成物において、共重合体Aの含有量と、ノルボルネン系重合体Bの含有量の合計中に占める共重合体Aの含有量の割合は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましく、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。共重合体Aとノルボルネン系重合体Bの合計中に占める共重合体Aの割合が10質量%以上であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の位相差をより大きくすることができる。一方、共重合体Aとノルボルネン系重合体Bの合計中に占める共重合体Aの割合が85質量%以下であれば、樹脂組成物を用いて得られる成形体の耐熱性を更に向上させることができる。
<その他の成分>
樹脂組成物が任意に含み得るその他の成分としては、特に限定されず、既知の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、染料や顔料などの着色剤、帯電防止剤が挙げられる。これらその他の成分は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。そして、樹脂組成物中におけるその他の成分の含有量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択することができる。
樹脂組成物が任意に含み得るその他の成分としては、特に限定されず、既知の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、染料や顔料などの着色剤、帯電防止剤が挙げられる。これらその他の成分は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。そして、樹脂組成物中におけるその他の成分の含有量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択することができる。
<樹脂組成物の調製方法>
共重合体Aと、ノルボルネン系重合体Bと、任意にその他の成分を含む本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、上述した各成分を溶融状態で混練した後、ペレット状の樹脂組成物として得る方法を好適に挙げることができる。溶融および混練に用いる装置としては、開放型のミキシングロールや非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等の公知のものを使用することができる。
共重合体Aと、ノルボルネン系重合体Bと、任意にその他の成分を含む本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、上述した各成分を溶融状態で混練した後、ペレット状の樹脂組成物として得る方法を好適に挙げることができる。溶融および混練に用いる装置としては、開放型のミキシングロールや非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等の公知のものを使用することができる。
(成形体)
本発明の成形体は、上述した本発明の樹脂組成物を成形してなる。そして、本発明の成形体は、上述した本発明の樹脂組成物を成形してなり、上述した共重合体Aとノルボルネン系重合体Bとを含んでいるので、大きな位相差と優れた耐熱性とを備える。そのため、本発明の成形体は、例えば、光学フィルムとして有利に使用することができる。以下、本発明の成形体を、当該成形体が光学フィルムである場合を例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の成形体は、上述した本発明の樹脂組成物を成形してなる。そして、本発明の成形体は、上述した本発明の樹脂組成物を成形してなり、上述した共重合体Aとノルボルネン系重合体Bとを含んでいるので、大きな位相差と優れた耐熱性とを備える。そのため、本発明の成形体は、例えば、光学フィルムとして有利に使用することができる。以下、本発明の成形体を、当該成形体が光学フィルムである場合を例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
<光学フィルム>
本発明の成形体としての光学フィルムの平均厚みは、特に限定されず、例えば、10μm以上100μm以下とすることができる。
なお、本発明において、フィルムの「平均厚み」は、当該フィルムの任意の5箇所の平均値として算出することができる。
そして、本発明の成形体としての光学フィルムの製造方法は、本発明の樹脂組成物をフィルム状に成形することができれば特に限定されず、既知の方法を採用することができる。このような方法としては、例えば、国際公開第2016/060070号に記載されたものを用いることができる。
本発明の成形体としての光学フィルムの平均厚みは、特に限定されず、例えば、10μm以上100μm以下とすることができる。
なお、本発明において、フィルムの「平均厚み」は、当該フィルムの任意の5箇所の平均値として算出することができる。
そして、本発明の成形体としての光学フィルムの製造方法は、本発明の樹脂組成物をフィルム状に成形することができれば特に限定されず、既知の方法を採用することができる。このような方法としては、例えば、国際公開第2016/060070号に記載されたものを用いることができる。
<その他の用途>
なお、本発明の成形体の用途は、上述した通り、光学フィルムに限定されない。例えば、本発明の成形体は、フィルム状とした場合に、高い酸素透過率を有する一方、水蒸気バリア性および強度に優れるので、医療用包材といった医療分野の用途にも有利に使用することができる。なお、成形体としてのフィルムを医療用包材として用いる場合、その平均厚みは特に限定されず、例えば、1μm以上500μm以下とすることができる。
また、例えば、本発明の成形体は、上述した光学フィルムや医療用包材以外にも、食品分野、エネルギー分野、電気電子分野、通信分野、自動車分野、民生分野、土木建築分野等の多岐の用途で利用することができる。中でも、食品分野、エネルギー分野等の用途に適している。
食品分野では、例えば、ラップフィルム、シュリンクフィルム、ブリスター・パッケージ用フィルム等として使用できる。このようなフィルムを使用する対象の食品は、特に限定されないが、ハム、ソーセージ、レトルト食品、冷凍食品、乾燥食品、特定保険食品、米飯、菓子、食肉などが挙げられる。
エネルギー分野では、例えば、太陽光発電システム周辺部材、燃料電池周辺部材、アルコール含有燃料系統部材、及びそれらの包装フィルム等として使用できる。
なお、本発明の成形体の用途は、上述した通り、光学フィルムに限定されない。例えば、本発明の成形体は、フィルム状とした場合に、高い酸素透過率を有する一方、水蒸気バリア性および強度に優れるので、医療用包材といった医療分野の用途にも有利に使用することができる。なお、成形体としてのフィルムを医療用包材として用いる場合、その平均厚みは特に限定されず、例えば、1μm以上500μm以下とすることができる。
また、例えば、本発明の成形体は、上述した光学フィルムや医療用包材以外にも、食品分野、エネルギー分野、電気電子分野、通信分野、自動車分野、民生分野、土木建築分野等の多岐の用途で利用することができる。中でも、食品分野、エネルギー分野等の用途に適している。
食品分野では、例えば、ラップフィルム、シュリンクフィルム、ブリスター・パッケージ用フィルム等として使用できる。このようなフィルムを使用する対象の食品は、特に限定されないが、ハム、ソーセージ、レトルト食品、冷凍食品、乾燥食品、特定保険食品、米飯、菓子、食肉などが挙げられる。
エネルギー分野では、例えば、太陽光発電システム周辺部材、燃料電池周辺部材、アルコール含有燃料系統部材、及びそれらの包装フィルム等として使用できる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における測定や評価は、以下の方法により行った。また、以下の説明において、量を表す「部」および「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
なお、各例における測定や評価は、以下の方法により行った。また、以下の説明において、量を表す「部」および「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
(1)ガラス転移温度
重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製、製品名「DSC6220SII」)を用いて、JIS K6911に基づき、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(2)重合体の組成
付加重合体に含まれている構造単位の割合は、1H−NMRにより測定した。
(3)フィルムの平均厚み
膜厚計(明産社製、製品名「RC−1 ROTARY CALIPER」)を用いて、フィルムの幅方向に等間隔で5か所の厚さを測定し、その平均値を算出した。
(4)フィルムの面内のレターデーション(Re)値
位相差計(王子計測機器社製、製品名「KOBRA−21ADH」)を用いて、波長590nmで、フィルムの幅方向に等間隔で5か所の面内のレターデーション値を測定し、その平均値を算出した。この平均値が大きいほど、フィルムが大きい位相差を有することを意味する。
(5)フィルムの耐熱性
フィルムを5cm角に切り出し、測定試料とした。この測定試料について、位相差計(王子計測機器社製、製品名「KOBRA−21ADH」)を用いて、波長590nmで面内のレターデーション値(Re0)を測定した。その後、測定試料をオーブン中(オーブン内雰囲気温度:80℃)で100時間保管し、上記と同様の手順で面内のレターデーション値(Re1)を測定した。そして、以下の式を用いて、Re値保持率(%)を算出した。このRe値保持率の値が大きいほど、フィルムが耐熱性に優れることを意味する。
Re値保持率(%)=Re1/Re0×100
重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製、製品名「DSC6220SII」)を用いて、JIS K6911に基づき、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
(2)重合体の組成
付加重合体に含まれている構造単位の割合は、1H−NMRにより測定した。
(3)フィルムの平均厚み
膜厚計(明産社製、製品名「RC−1 ROTARY CALIPER」)を用いて、フィルムの幅方向に等間隔で5か所の厚さを測定し、その平均値を算出した。
(4)フィルムの面内のレターデーション(Re)値
位相差計(王子計測機器社製、製品名「KOBRA−21ADH」)を用いて、波長590nmで、フィルムの幅方向に等間隔で5か所の面内のレターデーション値を測定し、その平均値を算出した。この平均値が大きいほど、フィルムが大きい位相差を有することを意味する。
(5)フィルムの耐熱性
フィルムを5cm角に切り出し、測定試料とした。この測定試料について、位相差計(王子計測機器社製、製品名「KOBRA−21ADH」)を用いて、波長590nmで面内のレターデーション値(Re0)を測定した。その後、測定試料をオーブン中(オーブン内雰囲気温度:80℃)で100時間保管し、上記と同様の手順で面内のレターデーション値(Re1)を測定した。そして、以下の式を用いて、Re値保持率(%)を算出した。このRe値保持率の値が大きいほど、フィルムが耐熱性に優れることを意味する。
Re値保持率(%)=Re1/Re0×100
(実施例1)
<共重合体Aの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、シクロオレフィン類としてのシクロオクテン220部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら、25℃を維持した。メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ)8.5部を添加した後、触媒溶液(触媒としてのCpTi((t−Bu)2C=N)Cl2を0.25μmol含有するトルエン溶液)100mLを添加した。触媒溶液の添加後、直ちに、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしてのエチレンのガスを圧力が0.1MPaになるように導入し、付加重合反応を開始させた。そして、反応器内の温度とエチレン圧を保ちながら4時間付加重合反応を行った。脱圧後、反応器の内容物を大量の塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄して共重合体Aを得た。
そして、共重合体A100部に、酸化防止剤であるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、共重合体A含有組成物を得た。得られた共重合体A含有組成物を用いて、共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、ノルボルネン類としてのメタノテトラヒドロフルオレン220部、及び1−ヘキセン0.166部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を40℃に昇温した。トルエン23.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.044部、メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液6.22部をガラス容器にて混合して触媒を得た。反応器中の溶媒温度が40℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、その後直ちに0.08MPaのエチレンガスを液相に導入し、重合を開始した。30分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液を濾過助剤(製品名「ラジオライト(登録商標)#800」)で濾過し、塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:230℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:200℃、Tダイ温度:200℃、キャストロール温度:80℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、クリーンルーム内に設置された縦一軸延伸機(ロール間の周速の差を利用して一軸延伸する)に供給し、加熱ロールにて122℃(Tg+10℃)に加熱した。次いで、回転速度の異なる第一ロール、第二ロールの順に通過させながら、フィルムを押出方向に1.5倍の延伸倍率で、延伸速度(引っ張り速度):40mm/秒にて一軸延伸した。延伸されたフィルムは、冷却ロールにて35℃にまで冷却した後、巻き取り回収した。得られた延伸フィルム(光学フィルム)の平均厚みは61μmであった。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、シクロオレフィン類としてのシクロオクテン220部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら、25℃を維持した。メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液(東ソー・ファインケム株式会社製:TMAO−200シリーズ)8.5部を添加した後、触媒溶液(触媒としてのCpTi((t−Bu)2C=N)Cl2を0.25μmol含有するトルエン溶液)100mLを添加した。触媒溶液の添加後、直ちに、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしてのエチレンのガスを圧力が0.1MPaになるように導入し、付加重合反応を開始させた。そして、反応器内の温度とエチレン圧を保ちながら4時間付加重合反応を行った。脱圧後、反応器の内容物を大量の塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄して共重合体Aを得た。
そして、共重合体A100部に、酸化防止剤であるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、共重合体A含有組成物を得た。得られた共重合体A含有組成物を用いて、共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、ノルボルネン類としてのメタノテトラヒドロフルオレン220部、及び1−ヘキセン0.166部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を40℃に昇温した。トルエン23.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.044部、メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液6.22部をガラス容器にて混合して触媒を得た。反応器中の溶媒温度が40℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、その後直ちに0.08MPaのエチレンガスを液相に導入し、重合を開始した。30分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液を濾過助剤(製品名「ラジオライト(登録商標)#800」)で濾過し、塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:230℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:200℃、Tダイ温度:200℃、キャストロール温度:80℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、クリーンルーム内に設置された縦一軸延伸機(ロール間の周速の差を利用して一軸延伸する)に供給し、加熱ロールにて122℃(Tg+10℃)に加熱した。次いで、回転速度の異なる第一ロール、第二ロールの順に通過させながら、フィルムを押出方向に1.5倍の延伸倍率で、延伸速度(引っ張り速度):40mm/秒にて一軸延伸した。延伸されたフィルムは、冷却ロールにて35℃にまで冷却した後、巻き取り回収した。得られた延伸フィルム(光学フィルム)の平均厚みは61μmであった。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、ノルボルネン類としてのテトラシクロドデセン180部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を70℃に昇温した。トルエン23.5部、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.05部、メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液6.22部をガラス容器にて混合して触媒を得た。反応器中の溶媒温度が70℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、その後直ちに0.08MPaのエチレンガスを液相に導入し、重合を開始した。20分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液を濾過助剤(製品名「ラジオライト(登録商標)#800」)で濾過し、塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を110℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、トルエン960部、ノルボルネン類としてのテトラシクロドデセン180部を仕込み、回転数300〜350rpmで攪拌しながら溶媒温度を70℃に昇温した。トルエン23.5部、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.05部、メチルアルミノキサン9.0%トルエン溶液6.22部をガラス容器にて混合して触媒を得た。反応器中の溶媒温度が70℃に達したところで、前記触媒を反応器に添加し、その後直ちに0.08MPaのエチレンガスを液相に導入し、重合を開始した。20分間経過した後、エチレンガスの導入を停止し、脱圧し、次いでメタノール5部を添加し重合反応を停止させた。この溶液を濾過助剤(製品名「ラジオライト(登録商標)#800」)で濾過し、塩酸酸性2−プロパノール中に移し、付加重合体を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、150℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を110℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
<共重合体Aおよびノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物、並びに、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が60:40となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を109℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aおよびノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物、並びに、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が60:40となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を109℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
<共重合体Aの調製>
シクロオレフィン類として、シクロオクテンに替えてシクロヘプテンを用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。そして、得られた共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を115℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
シクロオレフィン類として、シクロオクテンに替えてシクロヘプテンを用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。そして、得られた共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が50:50となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を115℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
<共重合体Aの調製>
シクロアルケン類としてのシクロオクテンの量を220部から180部に変更し、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしてのエチレンのガスを導入する際の圧力を0.1MPaから0.15MPaに変更した以外は、実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。そして、得られた共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が40:60となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を112℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
シクロアルケン類としてのシクロオクテンの量を220部から180部に変更し、炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしてのエチレンのガスを導入する際の圧力を0.1MPaから0.15MPaに変更した以外は、実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。そして、得られた共重合体Aの組成およびガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が40:60となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を112℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:63μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。
<ノルボルネン系重合体B(ノルボルネン系開環重合体)の調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、ノルボルネン類としてのテトラシクロドデセン40モル%、エチリデンテトラシクロドデセン40モル%、およびジシクロペンタジエン20モル%からなる単量体混合物7部;脱水シクロヘキサン1600部;分子量調節剤としての1−ヘキセン0.6部、ジイソプロピルエーテル1.3部、およびイソブチルアルコール0.33部;助触媒としてのトリイソブチルアルミニウム0.84部;ならびに開環重合触媒としての六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液30部を入れ、55℃で10分間攪拌した。
次に、反応系を55℃に保持し、攪拌しながら、反応器中に、上述した単量体混合物と同じ組成の単量体混合物693部と、開環重合触媒としての六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液72部とを各々150分間に亘って連続的に滴下し、さらに滴下終了後30分間攪拌した。
次いで、重合停止剤としてのイソプロピルアルコール1.0部を添加し、重合反応を停止させて、開環重合体(開環メタセシス重合体)を含む重合体溶液を得た。得られた開環重合体100部を含有する重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送した後、重合体溶液に対して、水素化触媒として、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製、製品名「T8400RL」、ニッケル担持率:57%)2.0部を加えた。その後、重合体溶液を水素により4.5MPaに加圧して撹拌しながら温度190℃まで加温し、8時間、水素化反応を行った。これにより、開環重合体水素化物(開環メタセシス重合体水素化物)を含む反応溶液を得た。
得られた反応溶液を、「ラジオライト#500」を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダバックフィルター」)することで水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。得られた溶液を、大量のイソプロパノール中に注ぎ、開環重合体水素化物を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、200℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が20:80となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を132℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:61μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体A、および共重合体A含有組成物を調製した。
<ノルボルネン系重合体B(ノルボルネン系開環重合体)の調製>
内容積1.0Lの攪拌機付槽型反応器を十分に窒素置換した。この反応器に、ノルボルネン類としてのテトラシクロドデセン40モル%、エチリデンテトラシクロドデセン40モル%、およびジシクロペンタジエン20モル%からなる単量体混合物7部;脱水シクロヘキサン1600部;分子量調節剤としての1−ヘキセン0.6部、ジイソプロピルエーテル1.3部、およびイソブチルアルコール0.33部;助触媒としてのトリイソブチルアルミニウム0.84部;ならびに開環重合触媒としての六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液30部を入れ、55℃で10分間攪拌した。
次に、反応系を55℃に保持し、攪拌しながら、反応器中に、上述した単量体混合物と同じ組成の単量体混合物693部と、開環重合触媒としての六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液72部とを各々150分間に亘って連続的に滴下し、さらに滴下終了後30分間攪拌した。
次いで、重合停止剤としてのイソプロピルアルコール1.0部を添加し、重合反応を停止させて、開環重合体(開環メタセシス重合体)を含む重合体溶液を得た。得られた開環重合体100部を含有する重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送した後、重合体溶液に対して、水素化触媒として、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製、製品名「T8400RL」、ニッケル担持率:57%)2.0部を加えた。その後、重合体溶液を水素により4.5MPaに加圧して撹拌しながら温度190℃まで加温し、8時間、水素化反応を行った。これにより、開環重合体水素化物(開環メタセシス重合体水素化物)を含む反応溶液を得た。
得られた反応溶液を、「ラジオライト#500」を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダバックフィルター」)することで水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。得られた溶液を、大量のイソプロパノール中に注ぎ、開環重合体水素化物を析出させた。析出した重合体を分取、洗浄してノルボルネン系重合体Bを得た。
そして、ノルボルネン系重合体B100部に、酸化防止剤(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加した。次いで、200℃で15時間減圧乾燥して、ノルボルネン系重合体B含有組成物を得た。得られたノルボルネン系重合体B含有組成物を用いて、ノルボルネン系重合体Bのガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が20:80となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:220℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
上記ペレット状の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を132℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:61μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
<共重合体Aおよびノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物、並びに、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が80:20となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:180℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:160℃、Tダイ温度:160℃、キャストロール温度:45℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を85℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aおよびノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物、並びに、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物とノルボルネン系重合体B含有組成物とを、共重合体A:ノルボルネン系重合体Bの質量比が80:20となるようにブレンダーで混合した。得られた混合物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:180℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:160℃、Tダイ温度:160℃、キャストロール温度:45℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を85℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:160℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:150℃、Tダイ温度:150℃、キャストロール温度:25℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を60℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<共重合体Aの調製>
実施例1と同様にして、共重合体Aおよび共重合体A含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られた共重合体A含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:160℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:150℃、Tダイ温度:150℃、キャストロール温度:25℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を60℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られたノルボルネン系重合体B含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:290℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:280℃、Tダイ温度:280℃、キャストロール温度:140℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を183℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例1と同様にして、ノルボルネン系重合体Bおよびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られたノルボルネン系重合体B含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:290℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:280℃、Tダイ温度:280℃、キャストロール温度:140℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を183℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例6と同様にして、ノルボルネン系重合体B、およびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られたノルボルネン系重合体B含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:260℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:225℃、Tダイ温度:225℃、キャストロール温度:105℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を150℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
<ノルボルネン系重合体Bの調製>
実施例6と同様にして、ノルボルネン系重合体B、およびノルボルネン系重合体B含有組成物を調製した。
<樹脂組成物の調製>
上述のようにして得られたノルボルネン系重合体B含有組成物について、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM−35B」)を用いて、スクリュー回転数:250rpm、樹脂温度:260℃、フィードレート:15kg/時間の条件で混練・押出しの操作を行い、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
<光学フィルムの製造>
ペレット状の樹脂組成物に、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて、70℃で4時間加熱処理を行った。加熱処理により溶存空気を除去した樹脂組成物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅:300mm)、キャストロール、およびフィルム引き取り装置を備えた押出しフィルム成形機を使用して、溶融樹脂温度:225℃、Tダイ温度:225℃、キャストロール温度:105℃の成形条件にて押出し成形し、延伸はせずに冷却し、樹脂組成物からなる未延伸フィルム(平均厚み:100μm、幅:230mm)を成形した。
巻き取り回収した未延伸フィルムを、加熱ロールの温度を150℃(Tg+10℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして、延伸フィルム(光学フィルム、平均厚み:60μm)を得た。そして、得られた延伸フィルムの面内のレターデーション(Re)値および耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
なお、以下に示す表1中、
「エチレン単位」は、エチレン由来の構造単位を示し、
「シクロオクテン単位」は、シクロオクテン由来の構造単位を示し、
「シクロヘプテン単位」は、シクロヘプテン由来の構造単位を示し、
「MTF単位」は、メタノテトラヒドロフルオレン由来の構造単位を示し、
「TCD単位」は、テトラシクロドデセン由来の構造単位を示し、
「ETD単位」は、エチリデンテトラシクロドデセン由来の構造単位を示し、
「DCPD単位」は、ジシクロペンタジエン由来の構造単位を示す。
「エチレン単位」は、エチレン由来の構造単位を示し、
「シクロオクテン単位」は、シクロオクテン由来の構造単位を示し、
「シクロヘプテン単位」は、シクロヘプテン由来の構造単位を示し、
「MTF単位」は、メタノテトラヒドロフルオレン由来の構造単位を示し、
「TCD単位」は、テトラシクロドデセン由来の構造単位を示し、
「ETD単位」は、エチリデンテトラシクロドデセン由来の構造単位を示し、
「DCPD単位」は、ジシクロペンタジエン由来の構造単位を示す。
表1より、共重合体Aおよびノルボルネン系重合体Bを含む実施例1〜7の樹脂組成物を用いて作製した光学フィルムは、大きな位相差を有すると共に、耐熱性にも優れることが分かる。
一方、共重合体Aを含むがノルボルネン系重合体Bを含まない比較例1の樹脂組成物を用いて作製した光学フィルムは、大きな位相差を有する一方で、耐熱性に劣ることが分かる。
また、ノルボルネン系重合体Bを含むが共重合体Aを含まない比較例2および3の樹脂組成物を用いて作製した光学フィルムは、耐熱性には優れるが、位相差が小さいことが分かる。
一方、共重合体Aを含むがノルボルネン系重合体Bを含まない比較例1の樹脂組成物を用いて作製した光学フィルムは、大きな位相差を有する一方で、耐熱性に劣ることが分かる。
また、ノルボルネン系重合体Bを含むが共重合体Aを含まない比較例2および3の樹脂組成物を用いて作製した光学フィルムは、耐熱性には優れるが、位相差が小さいことが分かる。
本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体を形成可能な樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を提供することができる。
また、本発明によれば、大きな位相差と優れた耐熱性とを両立した成形体の提供を提供することができる。
Claims (7)
- 炭素数2以上20以下のα−オレフィン由来の構造単位と、ノルボルネン類を除くシクロオレフィン類由来の構造単位とを含有する共重合体A、および、
ノルボルネン系重合体B、
を含む、樹脂組成物。 - 前記共重合体A中の、前記シクロオレフィン類由来の構造単位の含有割合が10モル%以上50モル%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- ガラス転移温度が95℃以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記シクロオレフィン類の環を構成する炭素の数が、4以上20以下である、請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記共重合体Aの含有量と、前記ノルボルネン系重合体Bの含有量の合計中に占める前記共重合体Aの含有量の割合が、10質量%以上85質量%以下である、請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物を成形してなる、成形体。
- 光学フィルムである、請求項6に記載の成形体。
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JP2020196835A (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 三井化学株式会社 | 成形体および医療用容器 |
-
2018
- 2018-12-27 JP JP2018244531A patent/JP2020105332A/ja active Pending
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JP2020196835A (ja) * | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 三井化学株式会社 | 成形体および医療用容器 |
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