JP2006187855A - フイルム切断装置及びフイルム切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フイルムを切断する切断刃の刃こぼれを抑える。
【解決手段】フイルム製造ラインのテンタ式乾燥装置の下流側に、フイルム82の耳部82aを切断して、フイルム82を所定幅に加工する耳切装置50を配置する。耳切装置50を、溝付きローラ100と、この溝付きローラ100との間でフイルム82を挟み込むように配置され、フイルム82の図中左右の耳部82aをそれぞれ切断する2枚の回転式切断刃102,103とから構成する。各回転式切断刃102,103を、高靭性を有する超微粒子超硬から形成するとともに、その刃116a,116bの先端側の刃先角度が根元側よりも大きくなるように2段加工したので、回転式切断刃102,103の刃116a,116bの刃こぼれを抑えることができる。
【選択図】図3
【解決手段】フイルム製造ラインのテンタ式乾燥装置の下流側に、フイルム82の耳部82aを切断して、フイルム82を所定幅に加工する耳切装置50を配置する。耳切装置50を、溝付きローラ100と、この溝付きローラ100との間でフイルム82を挟み込むように配置され、フイルム82の図中左右の耳部82aをそれぞれ切断する2枚の回転式切断刃102,103とから構成する。各回転式切断刃102,103を、高靭性を有する超微粒子超硬から形成するとともに、その刃116a,116bの先端側の刃先角度が根元側よりも大きくなるように2段加工したので、回転式切断刃102,103の刃116a,116bの刃こぼれを抑えることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、連続搬送されるフイルムを切断するフイルム切断装置及びフイルム切断方法に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)用偏光板保護フイルムなどに用いられるプラスチックフイルムは、一般に溶液製膜法により製造されている。この溶液製膜法を用いてプラスチックフイルムを製膜するフイルム製造設備では、例えば、トリアセチルセルロース等のポリマーを、適宜各種添加剤を加えた溶媒に溶解してドープにしたあと、エンドレスの無端支持体である金属製ドラムまたはバンドへ流延し、自己支持性をもったところで剥離ロール等を用いて剥離する。この無端支持体から剥離された帯状の湿潤フイルムは、テンター装置でフイルムの両側縁部を把持しながら搬送されて、乾燥及びその幅方向に延伸される。そして、このフイルムの両側縁部(耳部)は把持されて変形しているので、テンター装置の下流側に配置された耳切装置で耳部を切断して、フイルムを所定幅に加工している。
この際に、フイルムの切断性が悪いと切り粉や切り屑等の異物が発生し、これらがフイルムに付着して製品故障を引き起こしたり、フイルムが途中で切れて搬送不良を起こしたりするおそれがある。特に延伸されたフイルムは加工硬化により脆くなり、裁断性が悪化するために、異物付着による製品故障や、フイルム切断による搬送不良が発生する可能性が高くなる。さらに、延伸されたフイルムは延伸されていないものと比較して硬いため、装置の切断刃が刃こぼれし易い。その結果、異物が発生したり、切断面がヒゲ状になって切断不良が発生したりするおそれもある。そこで、例えば、特許文献1〜3に記載されているように、フイルムを切断する際にその切断部分を局部的に加熱することで、切り粉や切り屑の発生を抑え、且つ良好な切断面が得られるようにした方法が良く知られている。
特開2003−089093号公報(第3〜4頁)
特開平9−85680号公報(第3頁)
特開平1−281896号公報(第2〜3頁)
ところで、前記特許文献1〜3に記載されているように、フイルムの切断部分を局部的に加熱するためには、フイルムの切断部分に高温熱風を吹きつけて加熱する加熱器等をフイルム搬送経路上に配置する必要があるので、装置の部品数が増えて製造コストが高くなるという問題がある。さらに、加熱器を設置するスペースも必要なるため、装置の小型化が難しくなるという問題もある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、切断刃を刃こぼれし難くすることで、切断刃の寿命を延ばすとともに、切り粉や切り屑の発生を抑え、且つ良好な切断面が得られるようにしたフイルム切断装置及びフイルム切断方法を提供することを目的とする。
本発明は、連続搬送されるフイルムを切断刃で切断するフイルム切断装置において、前記切断刃を、その刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも大きくなるように形成したことを特徴とする。
また、前記先端側の刃先角度が20°以上であることが好ましい。さらに、前記根元側の前記刃先角度が15°以上であることが好ましい。
また、前記切断刃を高靭性材料で形成することが好ましい。また、前記高靭性材料の破壊靭性が20MN/m3/2 以上であることが好ましい。さらに、前記切断刃は、前記フイルムをその両側縁部を把持しながら搬送して延伸するテンター装置の搬送方向下流側に配置され、前記テンター装置により把持された前記フイルムの側縁部を切断して、前記フイルムを所定幅に加工することが好ましい。
また、前記切断刃を略円盤状に形成し、前記切断刃と対向する位置に、前記フイルムを支持搬送するローラを配置して、前記フイルムを前記切断刃と前記ローラとの間に挟みこむように搬送しながら、前記切断刃を回転させることで、前記フイルムの側縁部を切断することが好ましい。また、前記ローラの外周面には、前記フイルムの前記側縁部と製品部との境界線に接する位置に、前記切断刃の刃が入り込む溝が形成されていることが好ましい。さらに、前記切断刃の回転速度が、前記フイルムの搬送速度に応じた回転速度の5〜30%であることが好ましい。
また、本発明は、長尺のフイルムをその両側縁部を把持しながら搬送して延伸するテンター装置の搬送方向下流側に配置され、前記把持された前記フイルムの前記両側縁部を切断刃で切断して、前記フイルムを所定幅に加工するフイルム切断方法において、高靭性の素材からなり、刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも小さく形成された前記切断刃で前記フイルムの前記両側縁部を切断することを特徴とする。
本発明のフイルム切断装置は、フイルムを切断する切断刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも大きく形成されるようにしたので、延伸された硬いフイルムを切断した場合でも刃こぼれが抑えられる。これにより、切断時に切り粉や切り屑等の異物が発生したり、フイルムが切断されて搬送不良が発生したり、前記フイルムの切断面がヒゲ状になったりすることが防止される。さらに、刃こぼれが抑えられるため、前記切断刃の寿命を延ばすことができ、これらの交換頻度を少なくして生産コストを低く抑えることができる。また、前記特許文献1〜3に記載されているように、前記フイルムの切断部分を加熱する加熱器を設ける必要がないので、装置を低コスト且つ小型に製造することができる。
また、前記切断刃を高靭性材料で形成したので、刃こぼれが少なくなり、切断刃の寿命を延ばすことができる。
また、本発明のフイルム切断方法は、テンター装置で把持されたフイルムの前記両側縁部を、高靭性の素材からなり、その刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも大きくなるように形成された切断刃で切断するようにしたので、延伸された硬いフイルムを切断した時に切断刃が刃こぼれして異物が生じたり、切断面がヒゲ状になったりすることが防止される。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(1)〜(3)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(1)〜(3)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。また、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(1) 2.5≦A+B≦3.0
(2) 0≦A≦3.0
(3) 0≦B≦2.9
ただし、本発明に用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
本実施形態においては、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(1)〜(3)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(1)〜(3)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。また、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(1) 2.5≦A+B≦3.0
(2) 0≦A≦3.0
(3) 0≦B≦2.9
ただし、本発明に用いられるポリマーはセルロースアシレートに限定されるものではない。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマーを溶媒に溶解または分散して得られるポリマー溶液、分散液を意味している。
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度など及びフイルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル、アセトン、エタノール、n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−、−CO−、−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープ製造方法]
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1にドープ製造ライン10を示す。ドープ製造ライン10には、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどとを混合するための溶解タンク12と、TACを供給するためのホッパ13と、添加剤を貯留するための添加剤タンク14とが備えられている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置15と、調製されたドープの温度を調整する温調機16と、濾過装置17とを備えている。加えて、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置30、濾過装置31なども備えられている。また、溶媒を回収するための回収装置32と、回収された溶媒を再生するための再生装置33とが備えられている。そして、このドープ製造ライン10は、ストックタンク41を介してフイルム製造ライン40と接続されている。
上記原料を用いて、まずドープを製造する。図1にドープ製造ライン10を示す。ドープ製造ライン10には、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどとを混合するための溶解タンク12と、TACを供給するためのホッパ13と、添加剤を貯留するための添加剤タンク14とが備えられている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置15と、調製されたドープの温度を調整する温調機16と、濾過装置17とを備えている。加えて、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置30、濾過装置31なども備えられている。また、溶媒を回収するための回収装置32と、回収された溶媒を再生するための再生装置33とが備えられている。そして、このドープ製造ライン10は、ストックタンク41を介してフイルム製造ライン40と接続されている。
上記ドープ製造ライン10を用いて以下の方法でドープが製造される。まず始めに、バルブ18が開かれて、溶媒が溶媒タンク11から溶解タンク12に送られる。次にホッパ13に入れられているTACが、計量されながら溶解タンク12に送り込まれる。また、添加剤溶液は、バルブ19の開閉操作により必要量が添加剤タンク14から溶解タンク12に送り込まれる。
添加剤は、溶液として送り込む方法の他に、例えば添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク12に送り込むことが可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパなどを用いて溶解タンク12に送り込む方法も可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク14の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。または、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク12に送り込むこともできる。
前述した説明においては、溶解タンク12に入れる順番が、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンク12に送り込んだ後に、好ましい量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク12に予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物(以下、これらの混合物もドープと称する場合がある)に混合させることもできる。
溶解タンク12には、図1に示すようにその外面を包み込むジャケット20と、モータ21により回転する第1攪拌機22とが備えられている。さらに、図1に示すように溶解タンク12には、モータ23により回転する第2攪拌機24が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌機22は、アンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機24は、ディゾルバータイプの偏芯型撹拌機であることが好ましい。そして、溶解タンク12は、ジャケット20の内部に伝熱媒体を流すことにより温度調整されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃の範囲である。第1攪拌機22,第2攪拌機24のタイプを適宜選択して使用することにより、TACが溶媒中で膨潤した膨潤液25を得る。
次に、膨潤液25は、ポンプ26により加熱装置15に送られる。加熱装置15は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液25を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置15を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液25中の固形分を溶解させてドープ27を得る。以下、この方法を加熱溶解法と称する。この場合に膨潤液25の温度は、50℃〜120℃であることが好ましい。また、膨潤液25を−100℃〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことでTACを溶媒に充分溶解させることが可能となる。ドープ27を温調機16により略室温とした後に、濾過装置17により濾過してドープ27中に含まれる不純物を取り除く。濾過装置17に使用される濾過フィルタは、その平均孔径が100μm以下であることが好ましい。なお、濾過流量は、50L/時以上であることが好ましい。濾過後のドープ27は、バルブ28を介してフイルム製造ライン40中のストックタンク41に送られここに貯留される。
ところで、上記のように、一旦膨潤液25を調製し、その後にこの膨潤液25をドープ27とする方法は、TACの濃度を上昇させるほど要する時間が長くなり、製造コストの点で問題となる場合がある。その場合には、目的とする濃度よりも低濃度のドープを調製し、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うことが好ましい。このような方法を用いる際には、濾過装置17で濾過されたドープ27を、バルブ28を介してフラッシュ装置30に送り、このフラッシュ装置30内でドープ中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液体となり回収装置32により回収される。回収された溶媒は再生装置33によりドープ調製用の溶媒として再生されて再利用される。この再利用はコストの点で効果がある。
また、濃縮されたドープ27は、ポンプ34によりフラッシュ装置30から抜き出される。さらに、ドープ27に発生した気泡を抜くために泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ27は続いて濾過装置31に送られて、異物が除去される。なお、濾過の際のドープ27の温度は、0℃〜200℃であることが好ましい。そしてドープ27はストックタンク41に送られ、貯蔵される。
以上の方法により、TAC濃度が5質量%〜40質量%であるドープ27を製造することができる。より好ましくはTAC濃度が15質量%以上30質量%以下であり、最も好ましくは17質量%以上25質量%以下の範囲とすることである。また、添加剤(主には可塑剤である)の濃度は、ドープ中の固形分全体を100質量%とした場合に1質量%以上20質量%以下の範囲とすることが好ましい。なお、TACフイルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
次に、上記で得られたドープ27を用いてフイルムを製造する方法を説明する。図2はフイルム製造ライン40を示す概略図である。ただし、本発明は、図2に示すようなフイルム製造ラインに限定されるものではない。フイルム製造ライン40には、ストックタンク41、濾過装置42、流延ダイ43、回転ローラ44,45に掛け渡された流延バンド46及びテンター式乾燥装置(以下、単にテンター装置という)47、耳切装置50、乾燥装置51、冷却装置52及びフイルム巻取装置53などが配置されている。
次に、上記で得られたドープ27を用いてフイルムを製造する方法を説明する。図2はフイルム製造ライン40を示す概略図である。ただし、本発明は、図2に示すようなフイルム製造ラインに限定されるものではない。フイルム製造ライン40には、ストックタンク41、濾過装置42、流延ダイ43、回転ローラ44,45に掛け渡された流延バンド46及びテンター式乾燥装置(以下、単にテンター装置という)47、耳切装置50、乾燥装置51、冷却装置52及びフイルム巻取装置53などが配置されている。
ストックタンク41には、モータ60で回転する攪拌機61が取り付けられている。そして、ストックタンク41は、ポンプ62及び濾過装置42を介して流延ダイ43と接続している。
流延ダイ43の材質としては、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10-5(℃-1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものも、この流延ダイ43の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものを用いる。さらに、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して流延ダイ43を作製することが好ましい。これにより流延ダイ43内をドープ27が一様に流れ、後述する流延膜にスジなどが生じることが防止される。流延ダイ43の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。流延ダイ43のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ43のリップ先端の接液部の角部分について、そのRは全巾にわたり50μm以下とされている。なお、流延ダイ43内部における剪断速度が1(1/秒)〜5000(1/秒)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ43の幅は、特に限定されるものではないが、最終製品となるフイルムの幅の1.01倍〜1.3倍であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ43に温調機を取り付けることが好ましい。流延ダイ43にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ43の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ43に備えられていることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)62の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。なお、フイルム製造ライン40中に図示しない厚み計(例えば、赤外線厚み計)のプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行っても良い。流延エッジ部を除いて製品フイルムの幅方向の任意の2点の厚み差は1μm以内に調整し、幅方向厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、2μm以下に調整することがより好ましい。厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ43のリップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良く、かつ流延ダイ43と密着性が良く、ドープとの密着性がないものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC)、Al2 O3 、TiN、Cr2 O3 などが挙げられるが、なかでも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
流延ダイ43のスリット端に流出するドープが、局所的に乾燥固化することを防止するために溶媒供給装置(図示しない)をスリット端に取り付けることが好ましい。この場合には、ドープを可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部、アセトン13質量部、n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)を流延ビードの両端部、ダイスリット端部及び外気が形成する三相接触線の周辺部付近に供給することが好ましい。また、端部の片側それぞれに0.1mL/分〜1.0mL/分で供給することが、流延膜中への異物混合を防止するために好ましい。なお、この液を供給するポンプとしては、脈動率が5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ43の下方には、回転ローラ44,45に掛け渡された流延バンド46が設けられている。回転ローラ44,45は図示しない駆動装置により回転し、この回転に伴い流延バンド46は無端で走行する。流延バンド46は、その移動速度、すなわち流延速度が10m/分〜200m/分で移動できるものであることが好ましい。また、流延バンド46の表面温度を所定の値にするために、回転ローラ44,45に伝熱媒体循環装置63が取り付けられていることが好ましい。流延バンド46は、その表面温度が−20℃〜40℃に調整可能なものであることが好ましい。本実施形態において用いられている回転ローラ44,45内には伝熱媒体流路(図示しない)が形成されており、その中を所定の温度に保持されている伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ44,45の温度を所定の値に保持されるものとなっている。
流延バンド46の幅は特に限定されるものではないが、ドープ27の流延幅の1.05倍〜1.5倍の範囲のものを用いることが好ましい。また、長さは50m〜150m、厚みは1mm〜5mmであり、表面粗さは0.05μm以下となるように研磨されていることが好ましい。流延バンド46は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。なお、流延バンド46の全体の厚みムラは0.5%以下のものを用いることが好ましい。
なお、回転ローラ44,45を直接支持体として用いることも可能である。この場合には、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転できるものであることが好ましく、また、回転ローラ44,45の表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。そこで、回転ローラの表面にクロムメッキ処理などを行い、十分な硬度と耐久性を持たせる。また、支持体(流延バンド46や回転ローラ44,45)の表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m2 以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m2 以下であることが好ましい。
流延ダイ43、流延バンド46などは流延室64に収められている。流延室64には、その内部温度を所定の値に保つための温調設備65と、揮発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)66とが設けられている。そして、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置67が流延室64の外部に設けられている。また、流延ダイ43から流延バンド46にかけて形成される流延ビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ68が配されていることが好ましく、本実施形態においてもこれを使用している。
流延膜69中の溶媒を蒸発させるため送風口70,71,72が流延バンド46の周面近くに設けられている。また、流延直後の流延膜69に乾燥風が吹き付けられることによる流延膜69の面状変動を抑制するため流延ダイ43近傍の送風口70には遮風板73が設けられていることが好ましい。
流延バンド46から剥ぎ取られた湿潤フイルム74は、渡り部80を経てテンター装置47に送られる。この渡り部80には、送風機81が備えられており、搬送される湿潤フイルム74の乾燥を進行させる。
テンター装置47では、湿潤フイルム74はテンタークリップ(図示せず)等でその両側縁部を把持されながら搬送されて、乾燥及びその幅方向に延伸される。テンタークリップは、コントローラ(図示せず)により開閉を自動制御され、この開閉により湿潤フイルム74の保持と保持解除とを行う。湿潤フイルム74を保持したテンタークリップは、装置内部を走行し、その出口付近の所定の保持解除点に到達すると湿潤フイルム74の保持を解除するように自動制御される。テンター装置47で乾燥・延伸された湿潤フイルム74は、フイルム82として下流側の耳切装置50に送られる。
耳切装置50は本発明を実施したものであり、詳しくは後述するがテンタークリップにより把持されて変形したフイルム82の両側縁部(耳部)82a(図3参照)を切断して、フイルム82を所定幅に加工する。また、この耳切装置50には、切り取られたフイルム82の耳部82aを細かく切断処理するためのクラッシャ90が接続されている。この耳切装置50で耳部82aが切断されたフイルム82は乾燥装置51に送られる。
乾燥装置51には、多数のローラ91が備えられており、蒸発して発生した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置92が取り付けられている。図2においては、乾燥装置51の下流に冷却装置52が設けられているが、乾燥装置51と冷却装置52との間に調湿室(図示しない)を設けても良い。冷却装置52の下流には、フイルム82の帯電圧が所定の範囲(例えば、−2kV〜+2kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)93が設けられている。図2においては、強制除電装置93は、冷却装置52の下流側とされているが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態においては、フイルム82の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ94が強制除電装置93の下流に適宜設けられる。
ナーリング付与ローラ94の下流には耳切装置95が配置され、ナーリングが付与されたフイルム82の両縁の余分な部分を切断除去する。なお、この耳切装置95も上述の耳切装置50と基本的に同一構造である。そして、この耳切装置95にも上述のクラッシャ90が接続されているが、図面の煩雑化を防ぐため図示は省略している。また、フイルム巻取装置53は、連続搬送されてくるフイルム82をロール状のフイルムロール98に巻き取る。本実施形態では、このフイルム巻取装置53として、連続的に搬送されてくるフイルムを連続巻き取りできるように2軸ターレット方式の巻取装置が用いられている。
次に、以上のようなフイルム製造ライン40を使用してフイルム82を製造する方法の一例を以下に説明する。ドープ27は、攪拌機61の回転により常に均一化されている。ドープ27には、この攪拌の際にも可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤を混合させることもできる。
ドープ27は、ポンプ62により濾過装置42に送られてここで濾過された後に、流延ダイ43から流延バンド46上に流延される。回転ローラ44,45の駆動は、流延バンド46に生じるテンションが104 N/m〜105 N/mとなるように調整されることが好ましい。また、流延バンド46と回転ローラ44,45との相対速度差は、0.01m/分以下となるように調整する。流延バンド46の速度変動を0.5%以下とし、流延バンド46が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は1.5mm以下とすることが好ましい。この蛇行を制御するために流延バンド46の両端の位置を検出する検出器(図示しない)を設け、その測定値に基づき流延バンド46の位置制御機(図示しない)にフィードバック制御を行い、流延バンド46の位置の調整を行うことがより好ましい。さらに、流延ダイ43直下における流延バンド46について、回転ローラ55の回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるように調整することが好ましい。流延室64の温度は、温調設備65により−10℃〜57℃とされていることが好ましい。なお、流延室64の内部で蒸発した溶媒は回収装置67により回収された後に、再生させてドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ダイ43から流延バンド46にかけては流延ビードが形成され、流延バンド46上には流延膜69が形成される。流延時のドープ27の温度は、−10℃〜57℃であることが好ましい。また、流延ビードを安定させるために、この流延ビードの背面が減圧チャンバ68により所望の圧力値に制御されることが好ましい。ビード背面は、前面よりも−2000Pa〜−10Paの範囲で減圧することが好ましい。さらに、減圧チャンバ68にはジャケット(図示しない)を取り付けて、内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。減圧チャンバ68の温度は特に限定されるものではないが、用いられている有機溶媒の凝縮点以上にすることが好ましい。なお、流延ビードの形状を所望のものに保つために流延ダイ43のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。このエッジ吸引風量は、1L/分〜100L/分の範囲であることが好ましい。
流延膜69は、流延バンド46の走行とともに移動し、このときに送風口70,71,72により流延膜69に乾燥風があてられて溶媒の蒸発が促進される。そして、この乾燥風の吹き付けにより流延膜69の面状が変動することがあるが、遮風板73がこの変動を抑制している。なお、流延バンド46の表面温度は、−20℃〜40℃であることが好ましい。
流延膜69は、自己支持性を有するものとなった後に、湿潤フイルム74として剥取ローラ75で支持されながら流延バンド46から剥ぎ取られる。剥ぎ取り時の残留溶媒量は、固形分基準で20質量%〜250質量%であることが好ましい。その後に多数のローラが設けられている渡り部80を搬送させて、テンター装置47に湿潤フイルム74を送り込む。渡り部80では、送風機81から所望の温度の乾燥風を送風することで湿潤フイルム74の乾燥を進行させる。このとき乾燥風の温度が、20℃〜250℃であることが好ましい。なお、渡り部80では下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることで、湿潤フイルム74にドローテンションを付与させることも可能である。
テンター装置47に送られた湿潤フイルム74は、両側縁部がテンタークリップで把持されながら搬送される。これにより、湿潤フイルム74が、乾燥且つその幅方向に延伸される。この際には、テンター装置47の内部を温度ゾーンに区画分割して、その区画毎に乾燥条件を適宜調整することが好ましい。このように、渡り部80及び/またはテンター装置47で湿潤フイルム74の流延方向と幅方向との少なくとも1方向を0.5%〜300%延伸することが好ましい。
湿潤フイルム74は、テンター装置47で所定の残留溶媒量まで乾燥された後、フイルム82として下流側に送り出される。上述したように、テンタークリップで把持されて変形したフイルム82の耳部82a(図3参照)は、後述する耳切装置50により切断される。切断された耳部82aは、図示しないカッターブロワによりクラッシャ90に送られ、そこで粉砕されてチップとなる。このチップはドープ調製用に再利用されるので、この方法はコストの点において有効である。なお、このフイルム両側端部の切断工程については省略することもできるが、前記流延工程から前記フイルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
耳部82aが切断除去されたフイルム82は、乾燥装置51に送られ、さらに乾燥される。乾燥装置51内の温度は、特に限定されるものではないが、50℃〜160℃の範囲であることが好ましい。この乾燥装置51内でフイルム82は、ローラ91に巻き掛けられながら搬送されており、ここで蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置92により吸着回収される。溶媒成分が除去された空気は、乾燥装置51の内部に乾燥風として再度送風される。なお、乾燥装置51は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、耳切装置50と乾燥装置51との間に予備乾燥室(図示しない)を設けてフイルム82を予備乾燥すると、乾燥装置51においてフイルム温度が急激に上昇することが防止されるので、フイルム82の形状変化をより抑制することができる。
フイルム82は、冷却装置52で略室温まで冷却される。なお、乾燥装置51と冷却装置52との間に調湿室(図示しない)を設けても良く、この調湿室でフイルム82に対して、所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けられることが好ましい。これにより、フイルム82のカールの発生や巻き取る際の巻き取り不良の発生を抑制することができる。
また、強制除電装置(除電バー)93により、フイルム82が搬送されている間の帯電電位が所定の範囲(例えば、−2kV〜+2kV)とされる。さらに、フイルム82は、ナーリング付与ローラ94により、その両縁にエンボス加工でナーリングが付与される。なお、ナーリングされた箇所の凹凸が、1μm〜200μmであることが好ましい。そして、ナーリングが付与されたフイルム82の両縁の余分な部分は耳切装置95により切断除去される。
最後に、フイルム82をフイルム巻取装置53によりロール状に巻き取る。この際に、巻き取られるフイルム82は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フイルム82の幅が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上1800mm以下であることがより好ましい。ただし、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果がある。フイルム82の厚みが15μm以上100μm以下の薄いフイルムを製造する際にも本発明は適用される。
本発明の溶液製膜方法において、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させることもできる。さらに両共流延を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フイルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに前記セルロースアシレートフイルムをベースフイルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1mg/m2 〜1000mg/m2 含有することが好ましい。また、前記機能性層が、少なくとも一種の滑り剤を0.1mg/m2 〜1000mg/m2 含有することが好ましい。さらに、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1mg/m2 〜1000mg/m2 含有することが好ましい。さらには、前記機能性層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1mg/m2 〜1000mg/m2 含有することが好ましい。セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
(用途)
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号公報(例えば、[1088]段落から[1265]段落)には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフイルムとして光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号公報(例えば、[1088]段落から[1265]段落)には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフイルムとして光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフイルム(TACフイルム)を得ることができる。前記TACフイルムは、偏光板保護フイルムや写真感光材料のベースフイルムとして用いることができる。
次に、本発明を実施した耳切装置50について図3を用いて説明する。ここで、図3は耳切装置50をフイルム82の搬送方向下流側から見た正面図である。なお、上述の耳切装置95も基本的には耳切装置50と同一の構造であるため、ここでは説明を省略する。
図3に示すように、耳切装置50は大別して、連続搬送されるフイルム82を支持しながら回転駆動される溝付きローラ100と、この溝付きローラ100との間でフイルム82を挟み込むように配置され、フイルム82の図中左右の耳部82aをそれぞれ切断する2枚の回転式切断刃102,103と、両回転式切断刃102,103を同時に回転させるための回転軸105と、回転軸105及び溝付きローラ100のローラ軸107を、それぞれ、軸受け108,109を介して保持する側板110と、図示は省略するが回転軸105を回転させて両回転式切断刃102,103を回転させる切断刃回転用モータと、溝付きローラ100を回転させる搬送用モータとから構成される。
溝付きローラ100は、フイルム82を支持するローラ本体112と、上述のローラ軸107とから構成される。ローラ本体112としては、フイルム82を傷付けなければゴム、樹脂、金属などの各種材料から形成されたものを用いてもよい。また、このローラ本体102の外周面には、支持搬送されるフイルム82の耳部82aと製品部82bとの境界になる切断部分に接する位置に、後述する回転式切断刃102,103の刃116a,116bが入り込む溝部114a,114bがそれぞれ形成されている。
回転式切断刃102,103は、直径がφ60〜80mmの円盤状とされており、その周上にはそれぞれ刃116a,116bが形成されている。そして、各回転式切断刃102,103は、その刃116a,116bが上述の溝付きローラ100の溝部114a,114bとそれぞれ対向するように回転軸107に固定されている。さらに、本実施形態では、回転軸107を側板110に取り付ける位置を調整して、回転式切断刃102,103の刃116a,116bが上述の溝付きローラ100の溝部114a,114bに所定量(例えば1mm)だけ入り込むようにしている。
耳部82a切断時には、回転式切断刃102,103を溝付きローラ100と逆方向に回転させる。これにより、各回転式切断刃102,103の刃116a,116bが、それぞれ溝部114a,114bに入り込みながら回転されるため、溝付きローラ100により支持搬送されるフイルム82の耳部82aを連続的に切断することができる。なお、本実施形態では、各回転式切断刃102,103をフイルム82の搬送速度に応じた回転速度の5〜30%の回転速度で回転させている。このように、各解回転式切断刃102,103の回転速度を遅くさせることで、耳部82aを切断するときの切れ味が良くなるため、良好な切断面が得られる。
この際に、フイルム82は、テンター装置47でその幅方向に延伸されているので、延伸されていないフイルムと比較して硬くなっている。従って、短期間の使用で刃116a,116bがこぼれて(チッピングが発生して)フイルム82の裁断性が悪くなり、切り粉や切り屑等の異物が発生したり、フイルム82が途中で切れて搬送不良が発生したり、切断面がヒゲ状になったりするおそれがある。これを防止するために、回転式切断刃102,103を定期的に交換する必要があるが、交換頻度が多いと生産コストが高くなってしまう。また、フイルム82の耳部82aを局所的に加熱して耳部82aを除去する方法もあるが、この場合には上述したように、耳切装置50の製造コストが高くなり、装置の小型化も難しくなってしまう。そこで、本実施形態では両回転式切断刃102,103を刃こぼれし難い高靭性材料より形成するとともに、その刃116a,116bの刃先の形状を刃こぼれし難い形状に形成する。
回転式切断刃102,103を形成する高靭性材料としては、その破壊靭性が20MN/m3/2 以上であれば特に限定はされない。そして、本実施形態では、破壊靭性が20MN/m3/2 以上の高靭性材料として、例えば、超微粒子超硬KX063(京セラ株式会社製)を用いる。超微粒子超硬は、高強度・高硬度で、且つ高い耐衝撃性を有するが、さらに、KX063は高い靭性を有するため、刃116a,116bの刃こぼれを抑えることができる。これにより、切断刃の寿命を延ばすことができる。なお、この比較結果については、後述するのでここでは説明を省略する。
また、本実施形態では、回転式切断刃102,103の刃116a,116bの寿命を延ばすため、各刃116a,116bの刃先を従来のものよりも大きく形成している。具体的には従来の回転式切断刃の刃先角度が20°未満であるのに対して、本実施形態では、図4に示すように、回転式切断刃102の刃116aの先端側の刃先角度θ1を20°以上、より好ましくは22°〜35°にしている。ここで、図4は回転式切断刃102の断面図を示したものである。なお、回転式切断刃103は、回転式切断刃102と同一形状であるため、説明は省略する。
ここで、刃116aの全体の刃先角度が20°以上に形成されていると、耳部82aを切断する際に刃116aとフイルム82との接面が大きくなってしまう。そのため、本実施形態では、刃116aの根元側の刃先角度θ2を刃先角度θ1よりも小さくする。例えば、刃116a全体の高さL1を3.46mmとし、耳部82a切断時に溝部114a(図3参照)に入り込ませる刃116aの長さL2を0.7〜1.0mmとしたときに、刃先角度をθ1に形成する先端部分の高さL3を0.5mmとして、残りの部分の刃先角度がθ2(例えば15°)になるように形成する。このように、刃116aの刃先角度を2段に変化させて、刃116aを2段加工することで、刃116aの刃こぼれを抑えるのと同時に、刃116とフイルム82との接面を小さくすることができる。なお,刃116aの刃先角度θ1が鋭角に形成された従来の切断刃との比較結果は、後述するのでここでは説明を省略する。
以上のように、回転式切断刃102,103を高靭性材料から形成するとともに、各刃116a,116bをその先端側の刃先角度θ1が大きくなるように2段加工することで、延伸された硬いフイルム82を切断した場合でも、刃116a,116bの刃こぼれを抑えることができる。その結果、切り粉や切り屑等の異物の発生やフイルム82が切断されて搬送不良が発生するのを抑えることができる。また、本実施形態では、前記特許文献1〜3に記載されているように、フイルム82の切断部分(耳部82a)を加熱する加熱器を設ける必要がないので、耳切装置50を低コスト且つ小型に製造することができる。さらに、本実施形態では、刃116a,116bの刃こぼれを抑えることで、回転式切断刃102,103の寿命を延ばすことができるので、これらの交換頻度を少なくして生産コストを低く抑えることができる。
なお、本実施形態では、回転式切断刃102,103の刃116a,116bを可能な限りこぼれ難くするため、回転式切断刃102,103を高靭性の超微粒子超硬より形成するとともに、各刃116a,116bをその先端側の刃先角度θ1が大きくなるように2段加工しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、高靭性を有さない超微粒子超硬や耐磨耗超硬などで回転式切断刃102,103を形成してもよい。この場合には、刃116a,116bが多少は刃こぼれし易くなるが、回転式切断刃102,103の製造コストを低く抑えられるという利点がある。
また、本実施形態では回転式切断刃102,103の刃116a,116bは略V字型に形成されているが、本発明これ限定されるものではなく、略レの字型に形成されたものを用いてもよい。この場合には、溝付きローラ100を配置する代わりに、各回転式切断刃102,103とそれぞれ対になる回転式切断刃を配置して、2つの切断刃の間にフイルム82を送り込むことで、フイルム82の耳部82aを切断するようにしてもよい。
なお、本発明は、トリアセチルセルロースフイルムを製膜するフイルム製造ライン40の耳切装置50に限定されるものではなく、例えば、LCD以外のディスプレイに用いられる保護フイルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フイルム、磁気記録テープ、写真フイルム、接着剤テープ等などの各種フイルムを切断する切断刃を有する各種フイルム切断装置に適用することができる。また、この場合には、必ずしも切断刃を円盤状に形成する必要はない。
次に、本発明の効果を明確にするために、耳切装置50の回転式切断刃102,103を通常の超微粒子超硬から形成した「比較例」と、回転式切断刃102,103をその先端側の刃先角度θ1が大きくなるように2段加工した(以下、単に2段加工したという)「第1実施例」と、回転式切断刃102,103を高靭性の超微粒子超硬から形成した「第2実施例」と、回転式切断刃102,103を高靭性の超微粒子超硬から形成するとともに、その刃116a,116bを2段加工した「第3実施例」とにおいて、刃こぼれ(チッピング)の発生数と、フイルム82の切断面がヒゲ状になるか否かと、回転式切断刃102,103の寿命(使用可能日数)とをそれぞれ評価して比較を行った。
[比較例]
「比較例」では回転式切断刃102,103として、高靭性を有さない超微粒子超硬FW25(京セラ株式会社製)より形成されたものを用いた。この比較例の回転式切断刃102,103は、下記表1の「パラメータ」欄の各欄に示すように、刃先角度θ1が20°、破壊靭性が10.3MN/m3/2 、ビッカース硬度が1700(kg/mm2 )、粒子の粒径が0.6μmである。
「比較例」では回転式切断刃102,103として、高靭性を有さない超微粒子超硬FW25(京セラ株式会社製)より形成されたものを用いた。この比較例の回転式切断刃102,103は、下記表1の「パラメータ」欄の各欄に示すように、刃先角度θ1が20°、破壊靭性が10.3MN/m3/2 、ビッカース硬度が1700(kg/mm2 )、粒子の粒径が0.6μmである。
「第1実施例」では、刃116a,116bを2段加工した効果を明確にするため、
回転式切断刃102,103を、「比較例」と同様の高靭性を有さないFW25(京セラ株式会社製)より形成し、さらに、その刃116a,116bを2段加工した。そして、この第1実施例の回転式切断刃102,103は、下記表1の「パラメータ」欄の各欄に示すように、2段加工された刃116a,116bの刃先角度θ1が25°、刃先角度θ2が15°とされている以外は、「比較例」と同様である。
回転式切断刃102,103を、「比較例」と同様の高靭性を有さないFW25(京セラ株式会社製)より形成し、さらに、その刃116a,116bを2段加工した。そして、この第1実施例の回転式切断刃102,103は、下記表1の「パラメータ」欄の各欄に示すように、2段加工された刃116a,116bの刃先角度θ1が25°、刃先角度θ2が15°とされている以外は、「比較例」と同様である。
「第2実施例」では、回転式切断刃102,103を高靭性材料より形成した効果を明確にするため、回転式切断刃102,103として、高靭性を有する超微粒子超硬KX063(京セラ株式会社製)から形成されたものを用いた。この第2実施例の回転式切断刃102,103は、下記表1の「パラメータ」欄に示すように、刃先角度θ1が20°、破壊靭性が20.0MN/m3/2 、ビッカース硬度が1200(kg/mm2 )、粒子の粒径が0.6μmである。
「第3実施例」では、回転式切断刃102,103を高靭性材料より形成し、さらに、その刃116a,116bを2段加工した効果を明確にするため、回転式切断刃102,103を、「第2実施例」と同様にKX063(京セラ株式会社製)より形成し、さらに、その刃116a,116bを2段加工した。そして、この第3実施例の回転式切断刃102,103も、下記表1の「パラメータ」欄に示すように、2段加工された刃116a,116bの刃先角度θ1が25°、刃先角度θ2が15°とされている以外は、「第2実施例」と同様である。
「比較例」と「第1〜第3実施例」との比較に使用されるフイルム82は、上述のフイルム製造ライン40の流延バンド46から剥ぎ取られ、渡り部80を経てテンター装置47にて乾燥・延伸されたものを使用する。このフイルム82は、厚み80μm、幅1300mmであり、耳切装置50でその両縁の耳部82aを30mm切断した。本比較では、「比較例」と「第1〜第3実施例」との例毎に回転式切断刃102,103をそれぞれ10枚ずつ、合わせて20枚用意して、チッピング発生、フイルム82の切断面がヒゲ状になるか否か、使用可能日数の計3項目に関して評価を行った。
チッピング発生の評価では、例毎に20枚ずつ用意された回転式切断刃102,103を用いて、フイルム82の耳部82aを80時間切断した後のチッピングの発生数をカウントした。具体的には、例毎に20枚の回転式切断刃102,103に発生したチッピングの数を、その大きさが所定の規格を超えてしまうもの(大)と、規格内に収まるもの(小)とに分けて目視でカウントした。そして、20枚のチッピング発生数の平均を、その大・小別に下記表1の「評価項目」欄の「チッピング数」欄に記載した。
フイルム82の切断面がヒゲ状になるか否かの評価では、各例に対して20枚ずつ用意された回転式切断刃102,103を用いて、フイルム82の耳部82aを80時間切断した後のフイルム82の切断面がヒゲ状になっているか否かを目視或いは光学顕微鏡で確認した。そして、フイルム82の切断面がヒゲ状になっているときは「あり」、ヒゲ状になっていないときは「なし」を下記表1の「評価項目」欄の「ヒゲ状」欄に記載した。
使用可能日数の評価では、例毎に20枚ずつ用意された回転式切断刃102,103を用いてフイルム82の耳部82aを連続して切断したときに、各刃116a,116bのチッピングの数または大きさが所定の規格を超える日数、或いはフイルム82の切断面がヒゲ状になってしまう日数を確認した。そして、20枚毎の使用可能日数の平均を下記表1の「評価項目」欄の「使用日数」欄に記載した。
上記表1に示すように、回転式切断刃102,103の刃116a,116bの刃先角度θ1を大きくすることで、若干はチッピングが発生して、切断面もヒゲ状になってしまうが、回転式切断刃102,103の使用可能日数を3倍(3日)に延ばせることが確認された。また、回転式切断刃102,103を高靭性材料より形成することで、3日使用してもチッピングの発生を抑えられることが確認された。さらに、回転式切断刃102,103を高靭性材料より形成し、その刃116a,116bの刃先角度θ1を大きくすることで、チッピングの発生数をより低下させ、且つ使用可能日数を延ばせることが確認された。
40 フイルム製造ライン
47 テンター装置
50 耳切装置
82 フイルム
82a 耳部
100 溝付きローラ
102,103 回転式切断刃
116a,116b 刃
47 テンター装置
50 耳切装置
82 フイルム
82a 耳部
100 溝付きローラ
102,103 回転式切断刃
116a,116b 刃
Claims (10)
- 連続搬送されるフイルムを切断刃で切断するフイルム切断装置において、
前記切断刃を、その刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも大きくなるように形成したことを特徴とするフイルム切断装置。 - 前記先端側の刃先角度が20°以上であることを特徴とする請求項1記載のフイルム切断装置。
- 前記根元側の前記刃先角度が15°以上であることを特徴とする請求項1または2記載のフイルム切断装置。
- 前記切断刃を高靭性材料で形成したことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のフイルム切断装置。
- 前記高靭性材料の破壊靭性が20MN/m3/2 以上であることを特徴とする請求項4記載のフイルム切断装置。
- 前記切断刃は、前記フイルムをその両側縁部を把持しながら搬送して延伸するテンター装置の搬送方向下流側に配置され、前記テンター装置により把持された前記フイルムの側縁部を切断して、前記フイルムを所定幅に加工することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のフイルム切断装置。
- 前記切断刃を略円盤状に形成し、
前記切断刃と対向する位置に、前記フイルムを支持搬送するローラを配置して、
前記フイルムを前記切断刃と前記ローラとの間に挟みこむように搬送しながら、前記切断刃を回転させることで、前記フイルムの側縁部を切断することを特徴とする請求項6記載のフイルム切断装置。 - 前記ローラの外周面には、前記フイルムの前記側縁部と製品部との境界線に接する位置に、前記切断刃の刃が入り込む溝が形成されていることを特徴とする請求項7記載のフイルム切断装置。
- 前記切断刃の回転速度が、前記フイルムの搬送速度に応じた回転速度の5〜30%であることを特徴とする請求項7または8記載のフイルム切断装置。
- 長尺のフイルムをその両側縁部を把持しながら搬送して延伸するテンター装置の搬送方向下流側に配置され、前記把持された前記フイルムの前記両側縁部を切断刃で切断して、前記フイルムを所定幅に加工するフイルム切断方法において、
高靭性の素材からなり、刃の先端側の刃先角度が根元側の前記刃先角度よりも小さく形成された前記切断刃で前記フイルムの前記両側縁部を切断することを特徴とするフイルム切断方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005346641A patent/JP2006187855A/ja active Pending
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