JP2006187084A - 直流電動機駆動用フィルタ - Google Patents

直流電動機駆動用フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 チョッパ動作時に発生するサージ電圧を低減し、電動機コイルの絶縁劣化を抑制し、破壊を未然に回避することにある。
【解決手段】 スイッチング素子3aa,3ab,…で構成されるチョッパ回路3を用いて、直流電源電圧をチョッパ制御し、直流電動機5の電機子電流を制御する電動機駆動装置でって、チョッパ回路3の一方出力端に接続された直流リアクトル11と、この直流リアクトルの他端部と前記チョッパ回路の他方出力端との間に直列接続された平滑コンデンサ12及びダンピング抵抗13とを有し、チョッパ回路から出力される電圧を平滑する共振フィルタ回路10と、チョッパ回路3から出力される電圧に含まれる高周波のサージ電圧を吸収する高周波コンデンサ14とを設けた電動機駆動用フィルタである。
【選択図】図1

Description

本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を使用した直流チョッパ制御により直流電動機を駆動する際に発生する電圧サージを抑制し、電動機コイルの絶縁劣化を防ぐ直流電動機駆動用フィルタに関する。
現在のエレベータシステムでは、昇降駆動用の大型直流電動機はほとんど新規に採用されておらず、専ら三相交流誘導電動機,永久磁石電動機等が採用されている。しかしながら、既に設置済みの直流電動機をそのまま使用している物件が多数存在し、中には既に20年以上も稼動し続け、かなり老朽化が進んでいるものもある。
そこで、このようなエレベータシステムにおいては、これからリニューアル化が実施されつつあるが、予算、工事期間,撤去スペース等の問題から、システム全体をリニューアルせず、直流電動機をそのまま生かし、電動機駆動系だけを交換する制御リニューアル工法がとられている。
一方、現在のエレベータシステムでは、専ら交流電動機が採用され、かつ交流電動機を駆動するためにコンバータ及びインバータによるPWM制御が主流となっている。そのため、既設の直流電動機をそのまま生かし、電動機駆動系のみをリニューアルする制御リニューアル工法においては、新しい電動機駆動系に用いられる電力変換装置を構成するインバータを直流チョッパ回路とし、直流電動機を駆動可能にする構成が採用されている。
図9は従来の直流電動機を駆動する駆動装置を示す構成図である。同図において、1は客先電源の交流電源を直流電力に変換するコンバータ回路、2は直流電力を平滑化する平滑コンデンサ、3はシリアル接続されたスイッチング素子3aa,3abと同じくシリアル接続されたスイッチング素子3ba,3bbとを平滑コンデンサ2に並列接続してなるチョッパ回路、4は共振フィルタ回路、5は負荷となる既設の直流電動機である。共振フィルタ回路4は、チョッパ回路3で変換された直流電力を平滑する直流リアクトル6、ダンピング抵抗7及びフィルタコンデンサ8によって構成されている。
ところで、チョッパ回路3を用いて既設の直流電動機5を駆動する電動機駆動装置では、外部からのチョッパ制御信号のもとにチョッパ回路3を構成するスイッチング素子3aa,3ab,…をチョッパ制御した場合、各組のスイッチング素子(3aa,3ab)、(3ba,3bb)に設けられるスナバ回路(図示せず)やチョッパ回路3と直流電動機5の間の配線インピーダンス、浮遊容量に基づくLC共振回路によって共振現象が発生し、直流電源電圧Vpnの最大2倍の電圧が発生し、この2倍の電圧が直流電動機5のコイル(図示せず)に印加する。また、共振現象による共振電流の周波数が高く、直流電動機5の端子間に現れるサージ電圧も急峻である。この急峻なサージ電圧が直流電動機5の端子間,すなわち電動機コイルの入力端に集中して印加することから、入力端側の電動機コイルが絶縁破壊を招く恐れがある。
そこで、従来の電動機駆動装置は、図9に示すようにチョッパ回路3の出力側に直流リアクトル6,ダンピング抵抗7及びフィルタコンデンサ8等からなる共振フィルタ回路4を設け、急峻な電圧の立ち上がりを遅くするとともにサージ電圧を抑制している。
しかしながら、以上のような電動機駆動装置では、次のような問題が指摘されている。
(1) 従来の電動機駆動装置は、高速でスイッチング素子3ab,3ab,…をチョッパ制御した場合、直流電動機5の騒音が減衰するが、直流リアクトル6の巻線間に生じる浮遊容量によってインピーダンスが零に近づいていき、いわゆる高周波に対して短絡状態となる。その結果、高周波のサージ電圧は直流リアクトル6をそのまま抜けていき、直流電動機5の図示しないコイルを絶縁破壊させる恐れがある。
(2) また、電源回生用コンバータ回路1は、通常,客先電源200(V)の受電に基づいて直流電圧350(V)前後、客先電源400(V)の受電に基づいて直流電圧650(V)前後まで昇圧した後、チョッパ回路3に印加する。チョッパ回路3は、図示しない制御部からのスイッチング素子3ab,3ab,…のチョッパ制御により、最大,直流電圧350(V)又は650(V)のチョッパ電圧を出力し、直流電動機5に印加する。
しかし、直流電動機5は、200(V)〜400(V)の定格電圧のものが多く、かつ電動機5内のコイルの絶縁電圧も300(V)〜600(V)程度である。しかも、現状の電動機コイルの絶縁材と異なり、IGBT等のスイッチング素子の高周波スイッチングに適用させるように製造されていない。その結果、定格電圧を越える電圧が直流電動機5に印加された場合、電動機コイルの絶縁の劣化を促進させる可能性がある。
(3) さらに、電動機駆動装置の一相(一線)のみに直流リアクトル6を設けた場合、チョッパ回路3と直流電動機5の電動機端子との線間インピーダンスがP,Nラインで異なる為、共振フィルタ回路端となる電動機コイル端で反射現象が発生し、ますますサージ電圧が高くなり、電動機コイルの絶縁の劣化を促進させる可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高速スイッチング素子によるチョッパ制御時に発生するサージ電圧や共振フィルタ回路端となる電動機コイル端からの反射によるサージ電圧を低減し、直流電動機コイルの絶縁劣化を抑制し、絶縁破壊を未然に回避する電動機駆動用フィルタを提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、スイッチング素子で構成されるチョッパ回路を用いて、直流電源電圧をチョッパ制御し、直流電動機の電機子電流を制御する電動機駆動装置において、前記チョッパ回路の一方出力端に接続された直流リアクトルと、この直流リアクトルの他端部と前記チョッパ回路の他方出力端との間に直列接続された平滑コンデンサ及びダンピング抵抗とを有し、前記チョッパ制御により前記チョッパ回路から出力される電圧を平滑する共振フィルタ回路と、直列接続された平滑コンデンサ及びダンピング抵抗に対して並列接続され、前記チョッパ回路の周辺回路や当該チョッパ回路から前記直流電動機の電機子コイルに至る配線等から生じるLC共振現象により発生する高周波のサージ電圧を吸収する高周波コンデンサとを設けた直流電動機駆動用フィルタである。
この発明は以上のような構成とすることにより、共振フィルタ回路によりチョッパ回路から出力されるチョッパ電圧を平滑し、また高周波コンデンサによって高周波のサージ電圧を吸収でき、よって電動機コイルの絶縁劣化を抑制でき、絶縁破壊を未然に防止することが可能となる。
(2) 以上のような直流電動機駆動用フィルタの構成において、前記チョッパ回路の各出力端の各相(各線)の電線ラインにそれぞれ直流リアクトルを接続し、前記各相(各線)の電線ラインの電線インピーダンスを等しくする構成とすることにより、直流電動機の電機子コイル端部から反射されるサージ電圧を低減化することが可能となる。
また、前記(2)の直流電動機駆動用フィルタの構成において、前記両電線ラインのインピーダンスを同一にすることによって当該両電線ラインに生じる共振周期と波動速度とから共振周波数を求めるとともに、当該共振周波数における特性インピーダンスと負荷インピーダンスとから反射電圧降下を求めた後、前記直流電源電圧の2倍の電圧から前記反射電圧降下分を減算することにより、前記直流電動機の電機子コイル端からの反射によって発生するサージ電圧を低減化できる。
(3) また、前述するチョッパ回路を含む電動機駆動用フィルタの構成を直流電動機の界磁コイルに適用することで、界磁チョッパ制御にも絶縁破壊を防止できる。
本発明によれば、チョッパ回路の高速スイッチング素子によるチョッパ制御時に発生するサージ電圧や電動機コイル端からの反射によるサージ電圧を低減でき、よって直流電動機コイルの絶縁劣化を抑制でき、絶縁破壊を未然に回避できる電動機駆動用フィルタを提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る電動機駆動装置の実施形態を示す構成図である。同図において、1は客先電源(図示せず)から受電される交流電力を直流電力に変換する例えばコンバータ回路、2はコンバータ回路1によって変換された直流電力を平滑化する平滑コンデンサである。3は制御部(図示せず)から出力されるチョッパ制御信号に基づいてチョッパ制御を行うチョッパ回路であって、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子3aa,3ab,3ba,3bbによって構成され、具体的にはシリアル接続されたスイッチング素子3aa,3abとスイッチング素子3ba,3bbとがそれぞれ平滑コンデンサ2に並列接続されている。5は駆動対象となる直流電動機であって、制御リニューアルにおいては既設の直流電動機となる。
また、本発明に係る直流電動機駆動用フィルタとしては、チョッパ回路3と直流電動機5との間に新規な共振フィルタ回路10が設けられている。共振フィルタ回路10は、チョッパ回路3の一方出力端側に接続され、チョッパ回路3のチョッパ動作により出力されるチョッパ電圧を平滑する直流リアクトル11と、この直流リアクトル11の出力端とチョッパ回路3の他方出力端との間にシリアル接続されるダンピング抵抗12及びフィルタコンデンサ13とで構成されている。この共振フィルタ回路10の出力側には高周波特性の良い高周波コンデンサ14が接続されている。ダンピング抵抗12は、急峻な電圧の振幅を低減する作用をもっている。フィルタコンデンサ13は、チョッパ電圧を平滑化するものであって、ダンピング抵抗12とフィルタコンデンサ13との間で共振しない範囲となる例えば5μF以上のコンデンサが使用される。また、高周波コンデンサ14は、比較的入手容易であり、かつ共振しない範囲を考慮し、使用周波数領域10MHz〜150MHzで使用可能な1000PF以上のコンデンサが使用される。
次に、以上のような電動機駆動用フィルタの動作について図2を参照して説明する。
客先電源から受電された交流電圧は、コンバータ回路1によって直流電圧に変換され、さらに平滑コンデンサ2で平滑され、チョッパ回路3の直流電源電圧として印加される。この状態において、図示しない制御部からチョッパ回路3を構成するスイッチング素子3aa,3ab,…をチョッパ制御すると、図2(a)に示すように矩形波16のチョッパ電圧が出力される。このとき、矩形波16の立ち上がり時、チョッパ回路3を構成するスイッチング素子(3aa,3ab)、(3ba,3bb)に付加されるスナバ回路(図示せず)やチョッパ回路3のP,Nラインの配線インピーダンス、浮遊容量などのLC共振回路に基づく共振現象の発生によるdv/dtの急峻なサージ電圧17が含まれている。急峻なサージ電圧17を含んだ矩形波16は、共振フィルタ回路10を構成するダンピング抵抗12で急峻な振幅を抑制し、かつ直流リアクトル11及びフィルタコンデンサ13で平滑し、図2(b)に示すような平滑波形18が得られる。平滑波形18は、直流電動機5の定格電圧に近い値に落ちつくが、未だdv/dtの急峻なサージ電圧17が残っているが、高周波特性に良好な高周波コンデンサ14により、急峻なサージ電圧を吸収し、図2(c)に示すような平滑波形19とした後、直流電動機5に印加する。
従って、以上のような実施の形態によれば、チョッパ回路3のチョッパ制御によって出力される矩形波16は、直流リアクトル12,フィルタコンデンサ13等によって平滑されるが、矩形波16に含まれるチョッパ回路3周辺回路及び出力ラインの配線等に基づくLC共振回路の共振現象によって発生する急峻なサージ電圧17が依然として残っている。つまり、スイッチング素子3aa,3ab,…等を高速スイッチングしたとき、直流リアクトル12の巻線間の浮遊容量によるインピーダンスの零化に基づき、高周波のサージ電圧17がそのまま抜け出て直流電動機5に入っていく可能性があるが、かかる急峻なサージ電圧17を高周波コンデンサ14で吸収することにより、急峻なサージ電圧17が電動機コイルの入力端に集中的に印加されることがなくなり、電動機コイルの絶縁劣化を抑え、ひいては電動機コイルの破壊を未然に防止できる。
(第2の実施の形態)
図3は本発明に係る電動機駆動用フィルタの他の実施形態を示す構成図である。
電動機駆動装置は、図1とほぼ同様な構成であるので、ここで同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に異なるフィルタ部分について説明する。
この実施の形態においては、チョッパ回路3を構成するシリアル接続されたスイッチング素子3aa,3ab及びスイッチング素子3ba,3bbの各出力ラインP,Nにそれぞれ共振フィルタ回路10を構成する直流リアクトル11p,11nを個別に接続した構成である。すなわち、共振フィルタ回路10としては、チョッパ回路3の各出力端であるP,Nラインに接続される直流リアクトル11p,11nと、これら直流リアクトル11p,11nの出力端間にシリアル接続されるダンピング抵抗12及びフィルタコンデンサ13とで構成される。なお、同図において、5a,5bは直流電動機5の電機子コイル端子である。
次に、以上のような電動機駆動用フィルタの動作について図4及び図5を参照して説明する。図4は第1の実施の形態における電動機駆動装置の一部を含むフィルタの等価回路図、図5は本実施の形態における電動機駆動装置の一部を含むフィルタの等価回路図である。
今、電機子コイル端による反射発生時の電圧について各等価回路図から解析し説明する。図4,図5において、21aは電線抵抗(以下、必要に応じて電線R1,R2と呼ぶ)、21bは電線インダクタンス(以下、必要に応じて電線インダクタンスL1,L2と呼ぶ)、21cは電線間の漏れコンダクタンス(以下、必要に応じて漏れコンダクタンスG1,G2と呼ぶ)、21dは電線間の浮遊容量(以下、浮遊容量C1,C2と呼ぶ)である。22は直流電動機5には負荷インピーダンス(以下、Z1と呼ぶ)である。負荷インピーダンスZ1としては、抵抗分Rz:0.067(Ω)、インダクタンス分Lz:8.5×103(H)なる定数とする。
ところで、図4に示す回路において、電動機コイル端の反射時の減衰を考えた場合、Pライン入力端が図示(イ)のごとく短絡されたとき、Nラインが伝送ラインとなり、直流リアクトル11のインダクタンスを含まない無損失回路となる。一方、図5の回路においては、Pライン,Nラインとも同一インピーダンスとなり、PNラインとも同一周期で共振する為、無損失回路とならない。
ここでは、具体的には図4に示す1個の直流リアクトル11で構成された場合と、図5に示すように2個の直流リアクトル11p,11nで構成された場合における反射電圧について計算し、比較検討する。
一般に、インピーダンス分の存在しない無損失回路では、当該無損失回路に電圧を加えたとき、最大2倍の電圧が発生する。また、電動機コイル端などの反射による共振について計算すると、図6に示すように、{4×(伝播距離l)/波動速度Ws}の周期tで発生する。なお、図6に記載する入力端はチョッパ回路3の出力端、出力端は電動機コイル端を意味する。また、同図において実線ラインの上位枠に記述される図示右方向矢印は進行波の方向、点線ラインの上位枠に記述される図示左方向矢印は電動機コイル端などの反射波の進行方向、実線ラインの下位枠の図示右方向矢印はチョッパ回路3の出力端によって再度反射した反射波の進行方向を示している。
ところで、反射による波動速度Wsは、無損失回路では、波動速度は光速とほぼ等しい。よって、
Ws=1/√LC=3×108[m/s]
となる。上式を満たすためのL,Cとしては、L=0.1[μH]、C=100[pF]となり、定数としてモデル化できる。
今、例えば伝播距離l=15[m]とした場合、この時の反射による共振周期tは、
t=4l/Ws=(4×15)/(3×108)=20×10-8=0.2×10-6[s]
=200[ns]
となる。よって、無損失回路では5MHzの共振波が発生する。
そこで、図4に示す等価回路図である1個の直流リアクトル11を設けた場合の反射時の電圧を計算する為、次のようにして共振周波数を求める。ここでは、直流電源電圧Vpn:360[V]、直流リアクトル11のインダクタンスL:1.6[mH]とすると、反射周期は、Pライン,Nラインのインピーダンスが異なるので、PラインとNラインとの各共振波形とを重ね合わせた出力端電圧が発生する。Nラインは無損失回路となる。
今、高周波帯では、負荷インピーダンスZ1及び当該Z1の中のインダクタンス分Lzが50%程度低下すると仮定し、さらに電線インダクタンスL1《Lの関係にあることから、L1+L=L1と近似して計算した場合、
波動速度Ws1=1/√{(L1+L)+C}
=1/√(1.6×10-3×0.5×100×10-12
=3.5×106[m/s]
共振周期T1=4l/Ws1=(4×15)/(3.5×10-6)=17.1×10-6[μs]
となる。よって、
共振周波数f1=58[KHz]
となる。よって、1個の直流リアクトル11の共振周波数は、前述するNラインの無損失回路の共振周波数が5[MHz]であるので、Pラインの58[KHz]とNラインの5[MHz]の共振周波数が重畳された高周波波形となる。
次に、反射波が電動機コイル端で反射した場合の減衰率を計算する。
先ず、特性インピーダンスZ0=√{(R+jωL)/(G+jωC)}
となる。Z0=R0+jX0とすると、R0,0は下記式で表せる。
Figure 2006187084
ここで、R1,G1,C1,L1の定数を次のようにモデル化する。
R1=3×10-4[Ω/m]、G1=1.6×10-9[Ω/m]、C1=100×10-12[F/m]、L1=0.11×10-6[H/m]とし、このとき、R1《ωL1、G1《ωC1の関係が成立するので、
Figure 2006187084
そこで、上式から58[KHz]における特性インピーダンスZ01は、
Figure 2006187084
となる。また、58[KHz]における負荷インピーダンスZl1は、
Zl1=0.067+j2πfL
=0.067+j2π×58×103[Hz]×8.5×10-3[H]×0.5
=0.067+j1548
|Zl1|=1548
従って、特性インピーダンスの回路部での反射電圧降下は、{105/(105+1548)}×360×2=46[V]となる。
よって、電動機コイル端等の反射発生時のサージ電圧は、720−46=674[V]
となる。但し、当該式の[720]は直流電源電圧360(V)の2倍の電圧を意味する。なお、5[MHz]における反射電圧降下は小さいので無視できる。
次に、図5に示す等価回路図である2個の直流リアクトル11p,11nを設けた場合の反射時の電圧を計算する為、共振周波数を求める。
今、直流リアクトル11p,11nの各インダクタンスLp,Ln:0.8[mH]とすると、反射周期は、Pライン,Nラインとも同一インピーダンスとなるので、P,Nラインとも同一周期で共振する。この時の波動速度Ws2と周期T2は次のようになる。
波動速度Ws2==1/√(0.8×10-3×0.5×100×10-12
=5.0×106[m/s]
共振周期T2=4l/Ws2=(4×15)/(5×10-6)=12[μs]
となる。よって、
共振周波数f2=83[KHz]
となる。
一方、反射時の減衰率は、P,Nラインとも同一インピーダンスであり、何れのラインの特性インピーダンスを求めることで算出可能である。電線抵抗R2は、直流リアクトル11p,11nが追加されているので、これらリアクトル11p,11nの抵抗分を0.01[Ω]とすると、
R2/L2={(R1+0.01)/(L1+0.8×10-3)}=25
G2/C2=G1/C1=16
となる。ここで、共振周波数f2=83[KHz]における特性インピーダンスZ02は、
02=√{(0.8×10-3×0.5)/(100×10-12){1−j(1/2ω)}(25−16)}=√{(4×106)}×(1−j8.6×10-6)=2000−j0.017
|Z02|=2000
となる。よって、共振周波数f2=83[KHz]での負荷インピーダンスZl2は、
Zl2=0.067+j2πf2L2
=0.067+j×2π×83×10-3[Hz]×8.5×10-3×0.5[H]
=0.067+j2216
|Zl2|=2216
従って、特性インピーダンスの回路部での反射電圧降下は、{2000/(2000+2216)}×360×2=342[V]となる。
よって、電動機コイル端の反射発生時のサージ電圧は、720−342=378[V]
となる。
従って、以上のような実施の形態によれば、反射によって反射するサージ電圧は、2個の直流リアクトル11p,11nで構成された電動機駆動用フィルタの方がほぼ1/2と小さくなり、電動機コイルの絶縁材を劣化させたり、絶縁破壊を起すことが無くなり、直流電動機5を長期にわたって安定に駆動できる。
(第3の実施の形態)
図7は本発明に係る電動機駆動用フィルタの第3の実施形態を示す構成図である。
電動機駆動装置は、図1,図2とほぼ同様な構成であるので、ここで同一部分には同一符号を付して説明を省略し、特に異なる部分について説明する。
同図において、31は直流電動機5の界磁コイル、32は平滑コンデンサ2の両端間に並列に接続される2つのスイッチング素子で構成される界磁チョッパ回路であって、当該界磁チョッパ回路32のチョッパ制御によるチョッパ出力が界磁コイル31に印加される。この界磁コイル31には界磁用共振フィルタ回路33が接続されている。界磁用共振フィルタ回路33は、界磁コイル31の一方端側に接続される界磁用直流リアクトル34と、当該界磁用直流リアクトル34と界磁コイル31の他端側との間にシリアル接続される界磁用ダンピング抵抗35及び界磁用フィルタコンデンサ36とで構成されている。さらに、界磁用ダンピング抵抗35及び界磁用フィルタコンデンサ36に並列に高周波特性の良い界磁用高周波コンデンサ37が接続されている。
この実施の形態では、先の実施形態において適用した電動機5の電機子コイルのフィルタ構成であるが、同様の構成のフィルタを界磁コイル31に適用したものであり、その作用効果は先の第1,第2の実施の形態と同様であるので、これらの実施形態の説明に譲る。
また、図8は、界磁コイル31の両端,つまり各相(各線)にそれぞれ界磁用直流リアクトル34p,34nを接続した構成であって、回路端での反射電圧が抑制されることは第2の実施形態で説明した通りである。
以上の実施の形態においては、界磁用チョッパ回路32のチョッパ動作出力を直流電動機5の界磁コイル31に印加する場合、界磁用コイル31に対して、界磁用直列リアクトル34を直列に接続し、かつフィルタコンデンサ36及び高周波コンデンサ37をそれぞれ並列に接続した構成したことにより、チョッパ回路32から出力される矩形波16(図2(a)参照)が界磁用直列リアクトル34及びフィルタコンデンサ36により平滑され、かつ高周波コンデンサ37によってサージ電圧17を抑制してなる平滑波形19を界磁コイル31に印加することにより、急峻なサージ電圧17が高周波コンデンサ37によって吸収するので、界磁コイル31の入力端に集中的に印加されることがなく、界磁コイル31の絶縁材が劣化せず、また絶縁破壊させる心配がなくなり、直流電動機5を長期にわたって安定に駆動できる。
また、界磁コイル31と界磁チョッパ回路32との間にフィルタを挿入することにより、界磁コイル31の各相(各線)に直流リアクトル34,34p、34nを接続することにより、回路端に生じる反射によりサージ電圧17を低減でき、直流電動機5における界磁コイル31の絶縁材が劣化せず、また破壊させる心配がなくなり、直流電動機5を長期にわたって安定に駆動できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば上記実施の形態のうち、図1及び図3は直流電動機5の電機子コイル側に本発明に係る電動機駆動用フィルタを適用し、また図7及び図8では直流電動機5の電機子コイル及び界磁コイル31側に本発明に係る電動機駆動用フィルタを適用したが、例えば界磁コイル31側だけに適用してもよく、それぞれの適用の効果が得られる。
本発明に係る電動機駆動用フィルタを組み込んだ電動機駆動装置の一実施の形態を示す構成図。 図1によるチョッパ回路によるチョッパ動作出力に対するフィルタの作用を説明する図。 電動機駆動用フィルタに2個の直流リアクトルを用いた電動機駆動装置の他の実施形態を示す構成図。 図1に示すチョッパ回路出力側の等価回路図。 図3に示すチョッパ回路出力側の等価回路図。 反射波と周期との関係を示す図。 電動機駆動用フィルタを界磁コイル側に組み込んだ電動機駆動装置の一実施の形態を示す構成図。 界磁コイル側に2個の直流リアクトルを用いた電動機駆動装置の他の実施形態を示す構成図。 従来の電動機駆動用フィルタを組み込んだ電動機駆動装置の構成図。
符号の説明
1…コンバータ回路、2…平滑コンデンサ、3…チョッパ回路、5…直流電動機,10,33…共振フィルタ回路、11,11p,11n,34,34p,34n…直流リアクトル、12,35…ダンピング抵抗、13,36…フィルタコンデンサ、14,37…高周波コンデンサ、16…矩形波、17…サージ電圧、18,19…平滑波形、31…界磁コイル、32…界磁チョッパ回路。

Claims (4)

  1. スイッチング素子で構成されるチョッパ回路を用いて、直流電源電圧をチョッパ制御し、直流電動機の電機子電流を制御する電動機駆動装置において、
    前記チョッパ回路の一方出力端に接続された直流リアクトルと、この直流リアクトルの他端部と前記チョッパ回路の他方出力端との間に直列接続された平滑コンデンサ及びダンピング抵抗とを有し、前記チョッパ制御により前記チョッパ回路から出力される電圧を平滑するフィルタ回路と、
    前記直列接続された平滑コンデンサ及びダンピング抵抗に対して並列接続され、前記チョッパ回路の周辺回路や当該チョッパ回路から前記直流電動機の電機子コイルに至る配線に関連して生じるLC共振現象により発生する高周波のサージ電圧を吸収する高周波コンデンサと
    を備えたことを特徴とする直流電動機駆動用フィルタ。
  2. 請求項1に記載する直流電動機駆動用フィルタにおいて、
    前記チョッパ回路の各出力端の各相(各線)の電線ラインにそれぞれ直流リアクトルを接続し、前記各相(各線)の電線ラインの電線インピーダンスを等しくし、前記直流電動機の電機子コイル端部から反射されるサージ電圧を低減することを特徴とする直流電動機駆動用フィルタ。
  3. 請求項2に記載する直流電動機駆動用フィルタにおいて、
    前記両電線ラインのインピーダンスを同一とすることによって当該両電線ラインに生じる共振周期と波動速度とから共振周波数を求めるとともに、当該共振周波数における特性インピーダンスと負荷インピーダンスとから反射電圧降下を求めた後、前記直流電源電圧の2倍の電圧から前記反射電圧降下分を減算し、前記直流電動機の電機子コイル端からの反射により発生するサージ電圧を低減することを特徴とする直流電動機駆動用フィルタ。
  4. 請求項1又は請求項2に記載するチョッパ回路を含む電動機駆動用フィルタの構成を、前記直流電動機の界磁コイル側、または電機子コイル側及び界磁コイル側の両方に組み込むことを特徴とする直流電動機駆動用フィルタ。
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