JP2006186186A - シリコン窒化物層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緻密性の高いシリコン窒化物層を高速で形成することができるシリコン窒化物層の形成方法を提供する。
【解決手段】 大気圧または大気圧近傍の圧力下で電極とシリコンウエハの表面との間に流入させた窒素含有ガスのプラズマを生成し、シリコンウエハの表面から底面にかけて温度勾配を形成した状態でプラズマをシリコンウエハの表面と接触させることによりシリコン窒化物層を形成するシリコン窒化物層の形成方法である。ここで、窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスと水素ガスとの混合ガス、またはアンモニアガスと希ガスと水素ガスとの混合ガスであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明はシリコン窒化物層の形成方法に関し、特に緻密性の高いシリコン窒化物層を高速で形成することができるシリコン窒化物層の形成方法に関する。
半導体デバイスにおいて、ゲート絶縁膜は半導体デバイスの性能、品質および信頼性に大きな影響を与える重要な因子の一つである。特に、シリコン(Si)ウエハを用いた半導体デバイスにおいてはゲート絶縁膜にシリコン酸化物層(SiO2層)が主に用いられている。近年、半導体デバイスのサイズの縮小により、シリコン酸化物層の薄膜化が進んでおり、薄膜化による不純物の拡散が問題視されるようになっている。さらにはトンネル現象が懸念される膜厚(3nm以下)に迫るまで薄膜化は進んできている。
このようなシリコン酸化物層が抱える問題に対し、Hf、Zr、La等の酸化物層が、薄膜化しても比較的高い誘電率を保つことから、高誘電率のゲート絶縁膜の有力候補として注目を集めている。しかし、比較的低温で結晶化しやすいことや、また物性的にも不明な点が多く残されていることから、まだ実用化には至っていないのが現状である。
そこで、バルク状のSiを直接窒化し、シリコン酸化物層よりも比誘電率が高いシリコン窒化物層をゲート絶縁膜として用いることに期待が集まっている。シリコン窒化物層はシリコン酸化物層と同程度の抵抗率、絶縁破壊強度を有している。また、シリコン酸化物層の比誘電率が3.9であるのに対し、シリコン窒化物層の比誘電率は7.5と高いため、シリコン窒化物層は有力なゲート絶縁膜となる。
シリコン窒化物層については様々な形成方法が提案されている。ここで、シリコン窒化物層の形成方法は大きく分けて2種類あり、一つはシリコンウエハ表面を窒化することによりシリコン窒化物層を形成する方法であり、もう一つはシリコンウエハ表面にシリコン窒化物を堆積させることによりシリコン窒化物層を形成する方法である。
シリコンウエハの表面を窒化することによってシリコン窒化物層を形成する方法としては、シリコンウエハを窒素などのガス雰囲気中で高温に加熱し、シリコンウエハの表面を窒化させる熱窒化法がある。しかしながら、この方法においては、シリコンウエハを高温に保持する必要があるため、シリコンウエハ中の不純物が拡散し、設計した不純物プロファイルの実現が困難であるという問題があった。
また、シリコン窒化物層を形成する方法としては、低圧下で窒素(N2)ガスやアンモニア(NH3)ガスなどのガスと希ガスとの混合ガス雰囲気中でプラズマを生成し、生成したプラズマ中の窒素ラジカルをシリコンウエハの表面に作用させてシリコン窒化物層を形成する低圧プラズマを用いた方法がある。上記の熱窒化法よりも低温でシリコン窒化物層を形成することができるものの、一般には数百℃程度のシリコンウエハの加熱を要し、また、シリコン窒化物層の形成速度においても十分と言えるレベルではない。また、低圧プラズマを用いた方法においては、プラズマ中の原子や分子が少ないため、プラズマ中のイオンが直接シリコンウエハに衝突してシリコンウエハがダメージを受け、その結果、シリコン窒化物層の品質に悪影響を及ぼしてしまう。
また、上記の低圧プラズマを用いた方法に対して、大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマを生成する大気圧プラズマを利用した技術が盛んに研究されており、シリコン窒化物層の形成に関しても大気圧プラズマを利用した試みがなされている。大気圧プラズマを用いた場合には、シリコン窒化物層の形成に寄与する活性種の絶対数が多くなるため、シリコン窒化物層の形成速度を向上させることができる。また、大気圧プラズマ中には多数の原子や分子などが存在することから、大気圧プラズマ中のイオンが直接シリコンウエハの表面に衝突することが少なくなるため、シリコンウエハの表面のダメージが低減されて高品質のシリコン窒化物層を形成することができる。また、大気圧プラズマを用いた場合には、低圧下の雰囲気を形成するのに必要な強固な真空容器や大掛かりな排気装置が不要となる。
また、大気圧プラズマは低圧プラズマと比較して雰囲気圧力が2桁以上異なることからその性質は大きく異なり、プラズマ生成技術、プラズマ生成装置および適用可能な処理など、低圧プラズマの単なる延長線上の技術として扱うことができない。
たとえば特許文献1の段落[0047]〜[0049]には、大気圧近傍の圧力下で窒素ガスを用いてパルス電界を印加してプラズマを生成し、400℃に保持されたシリコンウエハの表面を窒化してシリコン窒化物層を形成する方法が記載されている。
特開2002−324795号公報
しかしながら、シリコンウエハを用いた半導体デバイスにおいては緻密性の高いシリコン窒化物層を形成することが要求されるが、大気圧プラズマを用いた場合にはこのような要求を満たすシリコン窒化物層を形成することができていない。それゆえ、上記のような大気圧プラズマを用いたシリコン窒化物層の形成方法は、シリコンウエハを用いた半導体デバイスにおいては実用化されていない。また、シリコン窒化物層の形成速度は非常に遅いため、プロセス時間の短縮のためにシリコン窒化物層を高速に形成する技術の開発が必要である。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、緻密性の高い高品質のシリコン窒化物層を高速に形成することができるシリコン窒化物層の形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、緻密性の高いシリコン窒化物層を高速で形成することができるシリコン窒化物層の形成方法を提供することにある。
本発明は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で電極とシリコンウエハの表面との間に流入させた窒素含有ガスのプラズマを生成し、シリコンウエハの表面から底面にかけて温度勾配を形成した状態でプラズマをシリコンウエハの表面と接触させることによりシリコン窒化物層を形成するシリコン窒化物層の形成方法である。
ここで、本発明のシリコン窒化物層の形成方法において、窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスとの混合ガスであり得る。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法において、窒素含有ガスは、アンモニアガスと希ガスとの混合ガスであり得る。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法において、窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスと水素ガスとの混合ガス、またはアンモニアガスと希ガスと水素ガスとの混合ガスであることが好ましい。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法においては、シリコンウエハがプラズマ以外の熱源から加熱されなくてもよい。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法において、シリコンウエハがプラズマ以外の熱源から加熱されている場合であってもその加熱温度が300℃以下であることが好ましい。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法においては、電極をシリコンウエハの表面に対して平行方向に相対的に移動させながら、プラズマをシリコンウエハの表面と接触させ得る。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法においては、電極とシリコンウエハの表面との間の距離が一定に保たれ得る。
また、本発明のシリコン窒化物層の形成方法においては、電極がシリコンウエハの表面と平行な回転軸を有しており、電極が回転し得る。
本発明によれば、緻密性の高いシリコン窒化物層を高速で形成することができるシリコン窒化物層の形成方法を提供することができる。また、本発明によれば、シリコン層とシリコン窒化物層との界面を急峻にすることができるシリコン窒化物層の形成方法を提供することができる。
また、大気圧プラズマ中のイオンは、シリコンウエハに衝突する前に何らかの分子や原子と衝突することが多くなって、シリコンウエハに直接衝突することが低減されるため、形成されるシリコン窒化物層の品質を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、低圧プラズマで必要とされるような強度を有する反応容器や強力な排気システムなどが必要でなくなり、装置コストを低下させることができるので、最終製品のコストダウンを図ることもできる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1(a)は本発明に用いられるシリコン窒化物層の形成装置の好ましい一例の模式的な側面透視図であり、図1(b)は図1(a)に示す装置の一部を示す模式的な斜視図である。
この装置は、図1(a)に示すように、シリコンウエハの窒化処理の反応場となる内部空間が設けられた反応容器1を有しており、この反応容器1はその内部空間に反応容器1の底面に対して水平に設けられた基板ステージ4と、この基板ステージ4の上方に回転軸3が基板ステージ4に対して平行になるように設けられた円筒型回転電極2と、を含んでいる。
円筒型回転電極2の回転軸3には、反応容器1の外部に設けられた高周波電源7が、回転軸3の回転を阻害することなく接続されている。基板ステージ4は反応容器1の外部において接地されており、基板ステージ4の内部には基板ステージ4上に載置されるシリコンウエハ6を加熱するためのヒータ5を内蔵している。
基板ステージ4は、図1(a)の矢印Aで示されているように水平方向にスライド可能に構成されているとともに、上下方向にも移動可能に構成されている。そして、基板ステージ4が上下方向に移動することにより、上方の円筒型回転電極2との距離を適宜変更することができる。また、基板ステージ4には、基板ステージ4上に載置されるシリコンウエハ6を吸着固定するための真空チャック(図示せず)が設けられており、基板ステージ4の移動によって、窒化処理中のシリコンウエハ6が載置位置からずれないように固定されている。
反応容器1の一方の側部には、窒素含有ガスを導入するためのガス導入ライン8が設けられており、このガス導入ライン8はガスを供給するガスボンベなど(図示せず)に接続されている。反応容器1の他方の側部には、反応容器1内のガスを排出するためのガス排気ライン9が設けられている。ガス排気ライン9は、反応器1の外部にガス(図示せず)を吸引するためのポンプ(図示せず)に接続されている。
このような構成の装置を用いてシリコンウエハ6の表面の窒化処理を行なってシリコン窒化物層を形成する方法の一例について以下に説明する。まず、反応容器1の内部のガスをガス排気ライン9によって十分に排気した後、ガス導入ライン8から窒素含有ガスを反応容器1の内部に導入する。
ここで、反応容器1の内部の圧力は大気圧または大気圧近傍の圧力とされる。そして、窒素含有ガスを反応容器1の内部に導入した後には、所定の条件(円筒型回転電極2の回転速度、円筒型回転電極2と基板ステージ4上に載置されたシリコンウエハ6との間の距離、基板ステージ4のスライド方向およびスライド速度、シリコンウエハ6を加熱する場合のヒータ5の温度など)が設定される。
そして、反応容器1の外部に設けられた高周波電源7から高周波電力を回転軸3を介して円筒型回転電極2に印加する。この高周波電力が円筒型回転電極2に印加されると、円筒型回転電極2と基板ステージ4との間に電場が生じる。
円筒型回転電極2と基板ステージ4との間に形成された電場は、円筒型回転電極2とシリコンウエハ6の表面との間に供給された窒素含有ガスを分解および励起して、円筒型回転電極2とシリコンウエハ6の表面との間にプラズマ13を形成する。このプラズマ13がシリコンウエハ6の表面に接触し、プラズマ13から活性種がシリコンウエハ6の表面に拡散することによって窒化処理が行なわれて、シリコンウエハ6の表面にシリコン窒化物層(図示せず)が形成される。
ここで、シリコンウエハ6の表面には高温のプラズマ13が接触しているため、シリコンウエハ6の表面から底面にかけて温度が低下する温度勾配が形成されている。このような温度勾配が形成された状態のシリコンウエハ6の表面には圧縮応力場が形成されている。このような圧縮応力場が形成された状態でシリコンウエハ6にプラズマ13から活性種が拡散した場合には、活性種が拡散して形成されたSi−N結合は強固なものとなって緻密性の高い高品質のシリコン窒化物層が形成される。
また、シリコンウエハ6がある温度に均一に加熱された場合には、プラズマ13からの活性種の拡散によりシリコン層とシリコン窒化物層との界面にいわゆるダレ(シリコン層とシリコン窒化物層との境界が明確でない状態)が形成されるが、本発明のようにシリコンウエハ6の表面から底面にかけて温度が低下する温度勾配が形成されている場合には、シリコンウエハ6の底面方向へ活性種が拡散しにくくなるためシリコン層とシリコン窒化物層との界面を急峻なものとするのに有利であると考えられる。
また、シリコンウエハ6の表面から底面にかけて温度が低下する温度勾配を大きくする観点からは、シリコンウエハ6がプラズマ13以外の熱源から加熱されていないことが当然に好ましい。しかしながら、プラズマ13の温度を考慮すると、仮にシリコンウエハ6がプラズマ13以外の熱源から加熱されている場合であってもその加熱温度が300℃以下であれば、シリコンウエハ6の表面から底面にかけて温度が低下する温度勾配を形成することができるものと考えられる。また、このようにシリコンウエハ6をプラズマ13以外の熱源から加熱した場合には、シリコン窒化物層の形成速度を向上させることができる。
また、円筒型回転電極2は、図1(b)に示すように高速回転していることから、円筒型回転電極2の表面と窒素含有ガスとの間の粘性によって、窒素含有ガスが回転する円筒型回転電極2の表面とともに移動して、プラズマ13に均一に供給される。その結果、大気圧下でプラズマ13による窒化処理を行う場合であっても、シリコンウエハ6の表面の窒化処理を高速化できるとともに、窒化処理によって形成されるシリコン窒化物層の品質を向上させることができる。
さらに、シリコンウエハ6が載置された基板ステージ4を所定のスライド方向に所定の速度でスライドさせることによって、円筒型回転電極2をシリコンウエハ6の表面に対して平行方向に相対的に移動させながら、プラズマ13をシリコンウエハ6と接触させることもできる。円筒型回転電極2をシリコンウエハ6の表面に対して平行方向に相対的に移動させることによって、シリコンウエハ6の表面が大きい場合でもシリコンウエハ6の表面全体にシリコン窒化物層を形成することができる。なお、円筒型回転電極2をシリコンウエハ6の表面に対して相対的に移動させる方法としては、上記のようにシリコンウエハ6のみを移動させてもよく、シリコンウエハ6を固定した状態で円筒型回転電極2のみを移動させてもよい。また、シリコンウエハ6と円筒型回転電極2の双方を移動させて、円筒型回転電極2をシリコンウエハ6の表面に対して相対的に移動させてもよい。
また、円筒型回転電極2とシリコンウエハ6の表面との間の距離を一定とした状態で、円筒型回転電極2をシリコンウエハ6の表面に対して平行方向に相対的に移動させることが好ましい。この場合には、シリコンウエハ6の表面に形成されるシリコン窒化物層の品質や厚みのばらつきを低減することができる。
なお、本発明において用いられる窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスとの混合ガス、アンモニアガスと希ガスとの混合ガス、窒素ガスと希ガスと水素ガスとの混合ガスまたはアンモニアガスと希ガスと水素ガスとの混合ガスなどが挙げられる。ここで、希ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスまたはキセノンガスのいずれか1種または複数種を用いることができる。
また、本発明において反応容器1の内部の圧力は特に大気圧において最もその効果を発揮するものであるが、本発明においては100Torr〜2気圧を好適な圧力範囲とし、適用可能な圧力範囲としてはたとえば10Torr〜5気圧が挙げられる。
(実施例1)
図1(a)に示す装置の反応容器1の内部に1体積%のアンモニアガスと99体積%のヘリウムガスとからなる混合ガスを導入し、反応容器1の内部の圧力を1気圧とした。円筒型回転電極2とシリコンウエハ6との間の距離を600μmに設定し、円筒型回転電極2の回転速度を15.7m/sに設定した。
そして、反応容器1の外部に設けられた高周波電源7から高周波電力を電力密度1800W/cm3で回転軸3を介して円筒型回転電極2に印加することによって、円筒型回転電極2とシリコンウエハ6との間にプラズマ13を形成した。そして、ヒータ5により300℃に加熱されたシリコンウエハ6の表面にプラズマ13を30分間接触させることによってシリコン窒化物層を形成した。
図2に、実施例1におけるシリコン窒化物層形成後のシリコンウエハ6の赤外吸収分光法(FTIR)による赤外吸収特性を示す。図2に示すように、波数900cm-1の近傍にSi−N伸縮モードに起因するピークが観察された。
また、エリプソメータで実施例1のシリコン窒化物層の膜厚と屈折率を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1のシリコン窒化物層の膜厚は9.72nmであって、屈折率は2.231であった。さらに、表1に示すように、実施例1のシリコン窒化物層の形成速度は0.324nm/minであった。
(実施例2)
図1(a)に示す装置の反応容器1の内部に1体積%のアンモニアガスと10体積%の水素ガスと89体積%のヘリウムガスとからなる混合ガスを導入したこと以外は実施例1と同様にしてシリコン窒化物層を形成した。
図2に、実施例2におけるシリコン窒化物層形成後のシリコンウエハ6の赤外吸収分光法(FTIR)による赤外吸収特性を示す。図2に示すように、波数850〜900cm-1にSi−N伸縮モードに起因するピークが観察された。
また、エリプソメータで実施例2のシリコン窒化物層の膜厚と屈折率を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、実施例2のシリコン窒化物層の膜厚は10.8nmであって、屈折率は1.980であった。さらに、表1に示すように、実施例2のシリコン窒化物層の形成速度は0.360nm/minであった。
(実施例3)
図1(a)に示す装置の反応容器1の内部に1体積%のアンモニアガスと10体積%の水素ガスと89体積%のヘリウムガスとからなる混合ガスを導入したことおよびシリコンウエハの加熱を行わなかったこと以外は実施例2と同様にしてシリコン窒化物層を形成した。
図3に、実施例2と実施例3のシリコン窒化物層形成後のシリコンウエハ6の赤外吸収分光法(FTIR)による赤外吸収特性を比較した図を示す。図3に示すように、実施例2のシリコン窒化物層においては波数850〜900cm-1にSi−N伸縮モードに起因するピークが観察されたが、実施例3のシリコン窒化物層においては波数800〜850cm-1にSi−N伸縮モードに起因するピークが観察された。
また、エリプソメータで実施例3のシリコン窒化物層の膜厚と屈折率を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、実施例3のシリコン窒化物層の膜厚は4.85nmであって、屈折率は2.500であった。さらに、表1に示すように、実施例3のシリコン窒化物層の形成速度は0.162nm/minであった。
Figure 2006186186
(考察)
実施例1と実施例2とを比較すると、窒素含有ガスが水素ガスを含有していた実施例2の場合の方が窒素含有ガスが水素ガスを含有していない実施例1の場合よりもシリコン窒化物層の形成速度が向上していた。これは、窒素含有ガスが水素ガスを含有している場合には、気相中においてアンモニアガスの分解が促進し、シリコンウエハの表面により多くの窒素活性種を到達させることができることから、シリコンウエハの表面に到達した窒素活性種の拡散が促進したことによるものと考えられる。よって、窒素含有ガスが水素ガスを含有していた実施例2の場合には、水素ガスを含有していない実施例1の場合に比べてシリコン窒化物層の形成速度が向上し、また[N(窒素)/Si(シリコン)]比が大きくなるためシリコン窒化物層の屈折率が小さくなったと考えられる。
また、図2からもわかるように、窒素含有ガスが水素ガスを含有していた実施例2の場合の方が窒素含有ガスが水素ガスを含有していない実施例1の場合よりも、Si−N結合に起因するピークが非常に急峻になっていた。シリコン窒化物層とシリコンとの界面が急峻である場合には、Si−N結合は一様な結合距離を有しているため、赤外吸収特性では急峻なピークを示す。しかしながら、急峻な界面ではない、いわゆるダレが生じている界面では、Si−N結合の結合距離が一様ではなく、ある程度のばらつきがあるため、ブロードなピークを示す。したがって、窒素含有ガスが水素ガスを含有していた実施例2の場合の方が実施例1の場合よりも急峻なシリコン窒化物層とシリコンとの界面を持つと考えられる。
このような上記の結果を勘案すると、水素ガスを含有する窒素含有ガスを用いてシリコン窒化物層を形成することが好ましい。
また、実施例2と実施例3とを比較すると、シリコンウエハの加熱を行なった実施例2の場合の方が、シリコンウエハの加熱を行なっていない実施例3の場合と比べて、シリコン窒化物層の形成速度が大きく向上していた。また、シリコンウエハの加熱を行なった実施例2の場合の方が、シリコンウエハの加熱を行なっていない実施例3の場合と比べて、N/Si比が大きくなり、シリコン窒化物層の屈折率が小さくなっていた。
窒素含有ガスに含有される水素ガス濃度が同程度であっても、シリコンウエハの温度差によって窒化の程度に大きな差が出ていた。ある程度シリコンウエハを加熱し、熱エネルギによるアシストをした方が、窒化を促進させるには有利であるが、シリコンウエハを加熱せずとも、シリコンウエハを窒化できることは明らかである。
また、上記の特許文献1の段落[0049]においては、シリコンウエハの表面におけるシリコン窒化物層の形成速度が40分で1nm、すなわち0.025nm/minであることが記載されており、本実施例はその約6〜14倍の高速形成を実現している。高速形成のみを追求するのであれば、さらにシリコンウエハの加熱温度を高く設定すれば、シリコンウエハの表面に到達した活性種がシリコンウエハの内部へ拡散するのが促進され、シリコン窒化物層の形成速度をさらに向上させることができると容易に想像できる。したがって、シリコン窒化物層の形成速度はまだ向上の余地がある。しかしながら、シリコンウエハの表面と底面との間に温度勾配を形成するためには、プラズマの温度を考慮すると、シリコンウエハの加熱温度は300℃以下にすることが好ましいと考えられる。
シリコンウエハの表面と底面との間に温度勾配を形成する理由を以下に説明する。実施例2において、シリコンウエハはヒータにより全体的に加熱されているが、シリコンウエハの表面は少なくとも300℃よりは高温であるプラズマに接触しておりプラズマにより加熱されているため、シリコンウエハの底面はシリコンウエハの表面よりも温度が低く、シリコンウエハの厚み方向に温度が低下する温度勾配が存在する。すなわち、シリコンウエハの表面には圧縮応力場が形成されている。このような圧縮応力場において、シリコンウエハの表面に到達した活性種はシリコンウエハの内部に拡散しにくいものであると考えられるが、内部に拡散した活性種により形成されるSi−N結合は強固となり緻密性が高くなって高品質のシリコン窒化物層を形成する。
また、実施例3においては、シリコンウエハはヒータにより加熱されていないため、シリコンウエハの厚み方向の温度勾配が実施例2の場合よりも急になり、シリコンウエハの表面には実施例2の場合よりも大きな圧縮応力場が形成される。このような大きな圧縮応力場において形成されるSi−N結合は非常に強固となるため、より緻密性が高くなって高品質のシリコン窒化物層を形成する。
また、シリコンウエハにおける温度勾配は、シリコン窒化物層とシリコンとの界面特性にも影響を与えると考えられる。すなわち、活性種が厚さ深く拡散するにしたがってシリコンウエハの温度が低下するという本発明の場合においては、急峻な界面を形成するのに有利であると考えられる。また、水素ガスを含有した窒素含有ガスを用いることによって、より急峻な界面を形成することができる。
つまり、高品質のシリコン窒化物層の低温かつ高速形成を実現するための重要なポイントは、シリコンウエハの表面から底面にかけて温度が低下するという温度勾配を意図的に作り、シリコンウエハの表面に圧縮応力場を形成することであるということができ、これは水素ガスを含有した窒素含有ガスを用いるとさらに効果的である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明により形成されるシリコン窒化物層は、シリコンウエハを用いた半導体デバイスにおけるゲート絶縁膜として好適に利用される。
(a)は本発明に用いられるシリコン窒化物層の形成装置の好ましい一例の模式的な側面透視図であり、(b)は(a)に示す装置の一部を示す模式的な斜視図である。 実施例1および実施例2において形成されたシリコン窒化物層形成後のシリコンウエハの赤外吸収分光法(FTIR)による赤外吸収特性を示した図である。 実施例2および実施例3において形成されたシリコン窒化物層形成後のシリコンウエハの赤外吸収分光法(FTIR)による赤外吸収特性を示した図である。
符号の説明
1 反応容器、2 円筒型回転電極、3 回転軸、4 基板ステージ、5 ヒータ、6 シリコンウエハ、7 高周波電源、8 ガス導入ライン、9 ガス排気ライン、13 プラズマ。

Claims (9)

  1. 大気圧または大気圧近傍の圧力下で電極とシリコンウエハの表面との間に流入させた窒素含有ガスのプラズマを生成し、前記シリコンウエハの表面から底面にかけて温度勾配を形成した状態で前記プラズマを前記シリコンウエハの表面と接触させることによりシリコン窒化物層を形成することを特徴とする、シリコン窒化物層の形成方法。
  2. 前記窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスとの混合ガスであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  3. 前記窒素含有ガスは、アンモニアガスと希ガスとの混合ガスであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  4. 前記窒素含有ガスは、窒素ガスと希ガスと水素ガスとの混合ガス、またはアンモニアガスと希ガスと水素ガスとの混合ガスであることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  5. 前記シリコンウエハが前記プラズマ以外の熱源から加熱されていないことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  6. 前記シリコンウエハが前記プラズマ以外の熱源から加熱されている場合であってもその加熱温度が300℃以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  7. 前記電極を前記シリコンウエハの表面に対して平行方向に相対的に移動させながら、前記プラズマを前記シリコンウエハの表面と接触させることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  8. 前記電極と前記シリコンウエハの表面との間の距離が一定に保たれていることを特徴とする、請求項7に記載のシリコン窒化物層の形成方法。
  9. 前記電極が前記シリコンウエハの表面と平行な回転軸を有しており、前記電極が回転することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のシリコン窒化物層の形成方法。
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