JP2006186177A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 露光量及び焦点位置の変動を定量的に評価することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 露光条件を評価するため半導体ウエハの主面に形成する評価パターンは、残しパターンからなる第1評価パターンと、露光装置の光軸方向において第1評価パターンよりも低い位置に形成される残しパターンからなる第2評価パターンとで構成されている。第1の半導体ウエハの主面に露光量及び焦点位置をそれぞれに変化させた複数の露光条件を用いて複数の第1評価パターン及び第2の評価パターンを形成するステップと、第1評価パターン及び第2評価パターンの寸法を測定するステップと、同一の露光量及び同一の焦点位置で形成された第1評価パターンの測定寸法と第2評価パターンの測定寸法との間で第1寸法差及び第1平均値を計算するステップと、第1寸法差及び第1平均値を基に露光条件に対する基礎データを作成するステップとを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、特に、半導体ウエハの主面に所定の評価パターンを形成することにより露光条件を評価することが可能な半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造におけるホトリソグラフィー工程では、半導体ウエハ上に感光性樹脂、いわゆるフォトレジストを塗布した後、フォトマスクに形成された回路パターンを縮小投影露光装置や走査型縮小投影露光装置(以下、露光装置)を用いて半導体ウエハ上に転写し、レジストパターンを形成する。
近年、半導体装置の高集積化、微細化の進展に伴い、ホトリソグラフィーによって形成されるレジストパターンの高品質化が重要な課題となっている。通常レジストパターンの品質は、形成したレジストパターンの仕上がり寸法、特にボトム寸法と、レジストパターンの形状とによって良否判定が行われる。良好なレジストパターンを形成するためには、露光条件の安定化、すなわち、露光量及び焦点位置(フォーカス)の安定化が不可欠である。そのため、露光条件の変動を定量的に評価することが必要とされている。
ところで、通常のホトリソグラフィー工程では、所望の目標寸法が得られるように予め評価し設定された最適とされる露光条件を用いて製品ウエハの露光処理が行われる。しかしながら、上述したように、露光処理中の装置変動や環境変動、例えば、装置自体が持つ不安定さや、装置を取り巻く温度、湿度などの変動により、最適とされる露光条件を使用した場合でも全てのパターンが必ずしも所望の目標寸法に仕上がるわけではない。そのため、実際の製品ウエハ着工時には、製品ロットの全ウエハを処理する前に、例えば、1枚もしくは数枚のウエハを先行処理して露光条件を確認することがある。この露光条件の変動確認には、チップごとに集積回路本体の回路パターンとは別に形成される所定の露光条件評価用パターンを用いる。確認方法としては、最適とされる露光条件で処理した先行処理ウエハの露光条件評価用パターンの寸法測定を行い、目標寸法とのずれ量を調べることで露光条件を評価する。そして、目標寸法とのずれ量が大きい場合には、露光量もしくは焦点位置を変更することになる。この時、露光量の変更に関しては、露光量とパターン寸法との関係が一般に線形性を示すため、目標寸法と実測寸法との間のずれ量が分かれば変更すべき露光量を割り出すことは可能である。しかしながら、焦点位置の変更に関しては、焦点位置とパターン寸法との関係は一般に最適焦点位置を極値とした略二次曲線となるため、特定のパターン寸法に対応する焦点位置が2つ検出されることになり、焦点位置が+側にずれたのか−側にずれたのかを判断することはできない。そのため、通常は露光量の変更だけで寸法調整が行われる。
露光条件の評価及び調整を行う半導体装置の製造方法に関する発明が、例えば、特許文献1乃至3に記載されている。
特許文献1に記載の発明は、角部が対向する一対の抜きパターン及び一対の残しパターンを半導体ウエハの段差上及び段差下にそれぞれ形成し、段差上の残しパターンの角部の距離HA及び抜きパターンの角部の距離HBと、段差下の残しパターンの角部の距離LA及び抜きパターンの角部の距離Lとを測定し、HA+LA−HB−LBの値により露光量を評価し、HA+HB−LA−LBの値により焦点位置を評価する。これにより、半導体ウエハの露光処理における露光量及び焦点位置が最適化どうかを定量的に判定している。
特許文献2に記載の発明は、3つの露光条件評価用パターン、すなわち、円形の第1パターンと、第1パターンとは形成される高さ位置が異なり形状及び寸法が同一の第2パターンと、第1パターンとは形成される高さ位置が異なり形状が同一で寸法が異なる第3パターンとを用いて露光条件を評価している。第1パターン及び第2パターンの寸法は、露光工程において想定される焦点位置のずれにより影響を受けない程度に設定されており、第3パターンの寸法は、露光工程において想定される焦点位置のずれにより影響を受ける程度に設定されている。そして、露光条件の評価及び調整については、第1乃至3パターンそれぞれを形成する時の寸法と露光量の関係を示すデータ、及び寸法と焦点位置の関係を示すデータを予め準備し、それらのデータと、実際の製造工程で形成された第1乃至3パターンの寸法測定データとを用いて、露光量の変化量、焦点位置の変化量及び焦点位置の変化方向を推定することにより、次回の露光処理における露光量及び焦点位置を適切に調整している。
特許文献3に記載の発明は、一般的な統計的手法である応答曲面法(RSM:Response Surface Method)を用いた露光条件の調整方法である。まず、フォーカス、露光量、マスクパターン形状及び露光装置の機差(収差他)等のような転写されるパターンの寸法への影響要因を考慮して、ベストフォーカスシフト等、露光条件の応答パターン依存性を評価する。続いて、パターン差、装置の機差を含む応答モデルを作成し、複数の応答モデルを用いた露光条件の推定の可否、性能を評価する。続いて、評価結果が良くないときには、条件出し時に制御を考慮した最適化(パターンの選択等)を行う。一方、評価結果が良いときには、フィードバック制御にデバイス寸法検査データを使用する。続いて、複数の実デバイス寸法の検査から各々の応答モデルを用いた着工時の露光条件を推定し、着工時に露光条件の変動を補正している。
特開平8−264409(第7−8頁、第1図) 特開2003−168641号公報(第4−8頁、第1、2、6図) 特開2004−103674号公報(第9−20頁、第31図)
露光量の変更だけで寸法調整を行う場合、焦点位置の変動に起因する寸法ずれに対しても露光量を変更して対応することになるため、焦点位置の変動の影響をさらに悪化させる虞がある。なぜならば、焦点位置の変動の影響は、単に寸法を増減するだけではなく、露光量の変化に対するパターン寸法の変化を敏感にし、寸法バラツキを増大させるからである。従って、露光量の変動だけでなく、焦点位置の変動も適切に評価して調整できる方法が必要となる。
特許文献1に記載の発明は、露光量及び焦点位置の変動を評価し調整する方法ではあるが、段差の上下にそれぞれ残しパターン及び抜きパターンを必要とするため、露光条件評価用パターンの占有面積が大きくなる虞がある。
特許文献2に記載の発明は、露光量及び焦点位置の変動を評価し調整する方法ではあるが、露光条件評価用パターンのサイズに制約が存在する。すなわち、第1パターン及び第2パターンの寸法は焦点位置のずれにより影響を受けない程度に設定される必要があり、また、第3パターンの寸法は焦点位置のずれにより影響を受ける程度に設定される必要がある。一般に、露光条件の微妙な変動を検出するためには、露光条件評価用パターンのサイズは小さい方が望ましい。しかしながら、本発明の第1パターン及び第2パターンの寸法は、焦点位置のずれにより影響を受けない程度の寸法、例えば、0.5μmで形成する必要があり、それよりも小さくすると焦点深度が小さくなり、第1パターンと第2パターンとの間で焦点位置のずれを受けやすくなるものと思われる。
特許文献3に記載の発明は、露光量及び焦点位置の変動を評価し調整する方法ではあるが、統計的手法である応答曲面法(RSM)を用いて露光条件を評価及び補正しているため、複雑な解析手法が必要とされ、実施の簡便性に欠けるものと思われる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウエハの主面に所定の評価パターンを形成することにより露光条件を評価することが可能な半導体装置の製造方法であって、評価パターンは、残しパターンからなる第1評価パターンと、露光装置の光軸方向において第1評価パターンよりも低い位置に形成される残しパターンからなる第2評価パターンとで構成されている。そして、準備のためのステップとして、第1の半導体ウエハの主面に露光量及び焦点位置をそれぞれに変化させた複数の露光条件を用いて複数の第1評価パターン及び第2の評価パターンを形成するステップと、第1評価パターン及び第2評価パターンの寸法を測定するステップと、同一の露光量及び同一の焦点位置で形成された第1評価パターンの測定寸法と第2評価パターンの測定寸法との間で第1寸法差及び第1平均値を計算するステップと、第1寸法差及び第1平均値を基に露光条件に対する基礎データを作成するステップと、を含んでいる。そして、実際の半導体装置の製造のためのステップとして、第2の半導体ウエハの主面に所定の露光量及び焦点位置を用いて第1評価パターン及び第2評価パターンを形成するステップと、第1評価パターン及び第2評価パターンの寸法を測定するステップと、第1評価パターンの測定寸法と第2評価パターンの測定寸法との間で第2寸法差及び第2平均値を計算するステップと、第2寸法差及び第2平均値を基礎データに代入して実際の露光量及び焦点位置を算出して露光条件を評価するステップと、を含んでいる。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、例えば、(第1)半導体ウエハのショットごとに露光量及び焦点位置を変化させて形成した配置高さの異なる2種の評価パターン、すなわち、第1評価パターンと、第1評価パターンよりも低い位置に形成される第2評価パターンとを用い、第1評価パターンの線幅寸法と、第2評価パターンの線幅寸法との間で(第1)寸法差及び(第1)平均値を測定し、これらの測定値を基に基礎データを取得する。そして、製品ロットの全ウエハを処理する前に、例えば、最適とされる所定の露光条件を用いて先行処理した(第2)半導体ウエハの寸法測定結果、すなわち、第1評価パターンの線幅寸法と、第2評価パターンの線幅寸法との間の(第2)寸法差及び(第2)平均値の測定結果を基礎データに代入することにより、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて変動した実際の露光条件を逆算することができる。言い換えると、第1評価パターンの線幅寸法及び第2評価パターンの線幅寸法のずれ量から、実際の露光条件を算出して評価することが可能となる。
(1)第1実施形態
〔露光条件評価用パターン〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法で使用する露光条件評価用パターン100の構造図である。図1(a)は上方からの平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’における断面図である。
露光条件評価用パターン100は、等間隔に略矩形の複数の線状パターン101aが配置された残しパターン101と、等間隔に略矩形複数の線状パターン102aが配置された残しパターン102とを備えている。残しパターン101と残しパターン102とは同一形状のパターンであり、残しパターン101における線状パターン101aの線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの線幅寸法とは設計上同一寸法となっている。本実施形態では、線状パターン101aの短方向の線幅寸法、及び線状パターン102aの短方向の線幅寸法を、例えば、共に0.16μmとしている。また、図1(b)に示すように、残しパターン101の下方には、例えば、50〜100nmの高さを有する段差パターン103が形成されており、残しパターン101は残しパターン102に比べて段差パターン103の高さ分だけ高い位置に配置されている。段差パターン103は、被加工膜104を形成する直前の成膜工程で形成され、その材料は評価対象となるデバイスの構造や工程によって異なる。例えば、被加工膜104を金属配線膜とすれば、段差パターン103は下層の層間絶縁膜であるシリコン酸化膜などで形成される。なお、残しパターン101及び残しパターン102は共にレジストパターンであり、被加工膜104を形成した後、ホトリソグラフィーにより被加工膜104の表面に同時に形成される。なお、本実施形態では、線状パターン101aの短方向の線幅寸法、及び線状パターン102aの短方向の線幅寸法を共に0.16μmとしているが、この寸法は使用する寸法測定機の測定精度に応じて適宜設定することは可能である。
〔基礎データの取得〕
以下に説明する基礎データの取得は、基本的に各ホトリソグラフィー工程に対して行うが、下地構造が同一で、かつパターンが同一のレイアウトルールの下に形成される場合には、いくつかのホトリソグラフィー工程で共通の基礎データを使用することができる。また、同一製品ウエハ、すなわち、同一のデバイス構造を有するウエハに対しては、一度取得した基礎データを共通に使用することができる。
図2は、半導体装置を形成する半導体ウエハ105のショットレイアウト図である。半導体ウエハ105は、その主面に、例えば、7×7のショットレイアウトを持つものとする。半導体ウエハ105の各ショット、すなわち、各チップには、トランジスタなどの半導体素子によって集積回路が形成される。また、半導体ウエハ105の各チップには、ホトリソグラフィーにより、集積回路の本体である回路パターン以外に露光条件評価用パターン100(図1)が所定位置、例えば、他のプロセス評価用TEG(Test Element Group)パターンが形成される領域などに形成される。なお、図2において、露光条件評価用パターン100が各ショットの中央部に大きく描かれているが、これは実際のレイアウトを示すものではない。また、半導体ウエハ105のショットレイアウトは7×7に限るものではない。
まず、製品ウエハ着工時の露光量及び焦点位置を算出するための基礎データを取得するため、製品ロットの中から1枚または複数枚の半導体ウエハ105を評価用ウエハとして取り出し、半導体ウエハ105の各ショットに対して異なる露光条件でレジストパターン、すなわち、集積回路の本体である回路パターンと露光条件評価用パターン100とを同時に形成する。この時の露光条件は、例えば、図2に示すように、半導体ウエハ105のショットレイアウトのX方向に焦点位置を変化させ、半導体ウエハ105のショットレイアウトのY方向に露光量を変化させる。図2においては、例えば、X方向に焦点位置を−0.3/−0.2/−0.1/0/0.1/0.2/0.3μmの7段階で変化させ、Y方向に露光量を40/42/44/46/48/50/52mJ/cm2の7段階で変化させている。
次に、露光条件を変化させて形成した各ショットの露光条件評価用パターン100の寸法、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法とを測定する。図3は、各露光量における焦点位置と残しパターン101の線幅寸法、すなわち、線状パターン101aの短方向の線幅寸法との関係を示している。図3に示すように、焦点位置と残しパターン101の線幅寸法との関係は、焦点位置0μmを極値とする略二次曲線となることがわかる。図4は、各露光量における焦点位置と残しパターン102の線幅寸法、すなわち、線状パターン102aの短方向の線幅寸法との関係を示している。図4に示すように、焦点位置と残しパターン102の線幅寸法との関係は、極値が焦点位置0μmからマイナス方向にずれた略二次曲線となることがわかる。この焦点位置の極値のずれは、残しパターン101と残しパターン102との配置高さの違いによるものである。
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン101の線幅寸法(図3)と残しパターン102の線幅寸法(図4)との間で寸法差を計算する。すなわち、寸法差=(残しパターン101の線幅寸法)−(残しパターン102の線幅寸法)を計算する。図5は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、各露光量における焦点位置と寸法差との関係を示している。
次に、図5の結果において1次近似を行い、露光量ごとに近似式(1)を求める。なお、近似式(1)において、変数yは寸法差であり、変数xは焦点位置である。
y(寸法差)=a11*x(焦点位置)+b11 ・・・(1)
図6は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量ごとに求められた近似式(1)と、その係数a11及びb11の値を示している。
次に、図6の結果から、露光量と係数a11との関係、及び露光量と係数b11との関係をそれぞれ求める。図7は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量と係数a11との関係を示している。また、図8は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量と係数b11との関係を示している。
次に、図7の結果において1次近似を行い、係数a11に対する近似式(2)を求める。また、図8の結果において1次近似を行い、係数b11に対する近似式(3)を求める。なお、近似式(2)において、変数yは係数a11であり、変数xは露光量である。また、近似式(3)において、変数yは係数b11であり、変数xは露光量である。
y(a11)=a12*x(露光量)+b12 ・・・(2)
y(b11)=a13*x(露光量)+b13 ・・・(3)
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン101の線幅寸法(図3)と残しパターン102の線幅寸法(図4)との間で平均値を計算する。すなわち、平均値=((残しパターン101の線幅寸法)+(残しパターン102の線幅寸法))/2を計算する。図9は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、各焦点位置における露光量と平均値との関係を示している。
次に、図9の結果において1次近似を行い、焦点位置ごとに近似式(4)を求める。なお、近似式(4)において、変数yは平均値であり、変数xは露光量である。
y(平均値)=a14*x(露光量)+b14 ・・・(4)
図10は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置ごとに求めた近似式(4)と、その係数a14及びb14の値を示している。
次に、図10の結果から、焦点位置と係数a14との関係、及び焦点位置と係数b14との関係をそれぞれ求める。図11は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置と係数a14との関係を示している。また、図12は、図2に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置と係数b14との関係を示している。
次に、図11の結果において2次近似を行い、係数a14に対する近似式(5)を求める。また、図12の結果において2次近似を行い、係数b14に対する近似式(6)を求める。なお、近似式(5)において、変数yは係数a14であり、変数xは焦点位置である。また、近似式(6)において、変数yは係数b14であり、変数xは焦点位置である。
y(a14)=a15*x(焦点位置)+b15*x(焦点位置)+c15
・・・(5)
y(b14)=a16*x(焦点位置)+b16*x(焦点位置)+c16
・・・(6)
以上の近似式(2)、(3)、(5)及び(6)を基礎データとし、製品着工時の露光量及び焦点位置を算出して評価する。
〔露光条件の算出〕
通常、製品ウエハ着工時には、所望の目標寸法が得られるように予め露光処理の条件出しによって設定された最適とされる露光条件を用いて処理が行われる。しかしながら、露光処理中の装置変動や環境変動、例えば、装置自体が持つ不安定さや、装置を取り巻く温度、湿度などの変動により、最適とされる露光条件を使用した場合でも全てのパターンが必ずしも所望の目標寸法に仕上がるわけではない。そのため、実際の製品ウエハ着工時には、製品ロットの全ウエハを処理する前に1枚もしくは数枚のウエハを先行処理して露光条件を確認することがある。この時、近似式(2)、(3)、(5)及び(6)の基礎データを用いて露光条件の変動を算出して評価する。
まず、近似式(2)及び(3)のx(露光量)に、先行処理において使用した露光量、すなわち、その時に最適とされる露光量を仮の露光量として代入する。この結果として、係数y(a11)及びy(b11)が得られる。この係数y(a11)及びy(b11)は、それぞれ近似式(1)における係数a11及びb11として使用される。これにより、近似式(1)は式(7)のようになる。
y(寸法差)=y(a11)*x(焦点位置)+y(b11) ・・・(7)
さらに、式(7)を変形すると式(8)のようになる。
x(焦点位置)=(y(寸法差)−y(b11))/y(a11) ・・・(8)
式(8)において、変数yは寸法差であり、変数xは焦点位置であるため、実際に先行処理したウエハでの寸法測定、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法との寸法測定により得られた寸法差を、式(8)のy(寸法差)に代入することで実際の焦点位置が算出できる。
次に、式(8)で得られた焦点位置を近似式(5)及び(6)のx(焦点位置)に代入する。この結果として、係数y(a14)及びy(b14)が得られる。この係数y(a14)及びy(b14)は、それぞれ近似式(4)における係数a14及びb14として使用される。これにより、近似式(4)は式(9)のようになる。
y(平均値)=y(a14)*x(露光量)+y(b14) ・・・(9)
さらに、式(9)を変形すると式(10)のようになる。
x(露光量)=(y(平均値)−y(b14))/y(a14) ・・・(10)
式(10)において、変数yは平均値であり、変数xは露光量であるため、実際に先行処理したウエハでの寸法測定、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法との寸法測定により得られた平均値を、式(10)のy(平均値)に代入することで実際の露光量が算出できる。
〔実例〕
以下に、本実施形態における露光条件の算出及び評価の実例を示す。
基礎データの取得
まず、製品ウエハ着工時の露光量及び焦点位置を算出するための基礎データを取得するため、製品ロットの中から1枚または複数枚の半導体ウエハ105を評価用ウエハとして取り出し、図2に示す露光条件でレジストパターン、すなわち、露光条件評価用パターン100を形成する。
次に、露光条件を変化させて形成した各ショットの露光条件評価用パターン100の寸法、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法とを測定する。図3は、各露光量における焦点位置と残しパターン101の線幅寸法との関係を示している。また、図4は、各露光量における焦点位置と残しパターン102の線幅寸法との関係を示している。
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン101の線幅寸法(図3)と残しパターン102の線幅寸法(図4)との間で寸法差を計算する。図5は、各露光量における焦点位置と寸法差との関係を示している。
次に、図5の結果において1次近似を行い、露光量ごとに近似式(1)を求め、それぞれの係数a11及びb11の値を求める。図6は、露光量ごとに求められた近似式(1)と、その係数a11及びb11の値を示している。
次に、図6の結果から、露光量と係数a11との関係、及び露光量と係数b11との関係をそれぞれ求める。図7は、露光量と係数a11との関係を示している。また、図8は、露光量と係数b11との関係を示している。
次に、図7の結果において1次近似を行い、係数a11に対する近似式(2)’を求める。また、図8の結果において1次近似を行い、係数b11に対する近似式(3)’を求める。
y(a11)=0.002064*x(露光量)−0.053719・・・(2)’
y(b11)=0.000043*x(露光量)−0.000643・・・(3)’
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン101の線幅寸法(図3)と残しパターン102の線幅寸法(図4)との間で平均値を計算する。図9は、各焦点位置における露光量と平均値との関係を示している。
次に、図9の結果において1次近似を行い、焦点位置ごとに近似式(4)を求め、それぞれの係数a14及びb14の値を求める。図10は、焦点位置ごとに求めた近似式(4)と、その係数a14及びb14の値を示している。
次に、図10の結果から、焦点位置と係数a14との関係、及び焦点位置と係数b14との関係をそれぞれ求める。図11は、焦点位置と係数a14との関係を示している。また、図12は、焦点位置と係数b14との関係を示している。
次に、図11の結果において2次近似を行い、係数a14に対する近似式(5)’を求める。また、図12の結果において2次近似を行い、係数b14に対する近似式(6)’を求める。
y(a14)=−0.010098*x(焦点位置)−0.000496*x(焦点位置)−0.003067 ・・・(5)’
y(b14)=0.261998*x(焦点位置)+0.005681*x(焦点位置)+0.302368 ・・・(6)’
以上の近似式(2)’、(3)’、(5)’及び(6’)を基礎データとし、製品着工時の露光量及び焦点位置を算出して評価する。
露光条件の算出
図13は、最適とされる露光条件で先行処理した半導体ウエハ105における寸法測定結果、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法(上段)と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法(下段)との測定結果を示している。なお、ここでの寸法測定は、7×7のショットレイアウトを持つ半導体ウエハ105の中で、図13に示す5ショットに対して寸法測定を行ったものである。また、図14は、図13の測定結果を基に、残しパターン101の線幅寸法と残しパターン102の線幅寸法との間で算出した寸法差(上段)及び平均値(下段)を示している。
ここでは、半導体ウエハ105の中心ショットに対して露光条件を算出してみる。図13から、半導体ウエハ105の中心ショットにおける残しパターン101の線幅寸法は0.164μm、残しパターン102の線幅寸法は0.160μmである。また、図14から、残しパターン101の線幅寸法と残しパターン102の線幅寸法との間の寸法差は0.004μm、平均値は0.162μmである。そして、この先行処理時の露光条件は、露光量が44.0mJ/cmで、焦点位置が+0.05μmであったとする。
まず、近似式(2)’及び(3)’のx(露光量)に、先行処理において使用した露光量44.0mJ/cmを仮の露光量(以下、露光量(仮)と称す)として代入する。この結果として、係数a11及びb11が次のように求められる。
係数a11=0.002064*44.0−0.053719=0.037097
係数b11=0.000043*44.0−0.000643=0.001249
次に、これらの係数a11及びb11を焦点位置を求める近似式(8)のy(a11)及びy(b11)にそれぞれ代入する。また、近似式(8)のy(寸法差)に0.004μmを代入する。この結果として、仮の焦点位置(以下、焦点位置(仮)と称す)が次のように求められる。
焦点位置(仮)=(0.004−0.001249)/0.037097=+0.074μm
次に、この焦点位置(仮)を近似式(5)’及び(6)’のx(焦点位置)に代入する。この結果として、係数a14及びb14が次のように求められる。
係数a14=−0.010098*0.074−0.000496*0.0074−0.003067=−0.003159
係数b14=0.261998*0.074+0.005681*0.074+0.302368=0.304223
次に、これらの係数a14及びb14を露光量を求める近似式(10)のy(a14)及びy(b14)にそれぞれ代入する。また、近似式(10)のy(平均値)に0.162μmを代入する。この結果として、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて条件変動した実際の露光量(以下、露光量(実)と称す)が次のように求められる。
露光量(実)=(0.162−0.304223)/(−0.003159)=45.0mJ/cm
ここで、既に算出した焦点位置(仮)は露光量(仮)を用いて計算した値であるため、露光量(実)を用いて条件変動した実際の焦点位置(以下、焦点位置(実)称す)を再度算出する。近似式(2)’及び(3)’のx(露光量)に、露光量(新)45.0mJ/cmを代入すると、係数a11及びb11が次のように求められる。
係数a11=0.002064*45.0−0.053719=0.039161
係数b11=0.000043*45.0−0.000643=0.001292
これらの係数a11及びb11を焦点位置を求める近似式(8)のy(a11)及びy(b11)にそれぞれ代入する。また、近似式(8)のy(寸法差)に0.004μmを代入する。この結果として、焦点位置(実)が次のように求められる。
焦点位置(実)=(0.004−0.001292)/0.039161=+0.069μm
このように、最適とされる露光条件、すなわち、露光量44.0mJ/cm、焦点位置+0.05μmで形成された残しパターン101の線幅寸法及び残しパターン102の線幅寸法を測定し、それらの寸法差及び平均値を算出して基礎データの近似式(2)’、(3)’、(5)’及び(6’)に代入することにより、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて変動した実際の露光条件、すなわち、露光量(実)45.0mJ/cm、焦点位置(実)+0.069μmを逆算することができる。言い換えると、残しパターン101の線幅寸法及び残しパターン102の線幅寸法のずれ量から、実際の露光条件を算出することが可能となる。
ここまでは、半導体ウエハ105の中心ショットに対して条件変動した実際の露光条件を算出した。同様の方法を用いて、図13に示す5ショットに対して実際の露光条件を算出した結果を図15に示す。図15(a)は、上段に5ショットのそれぞれに対して算出した露光量(実)を、下段に5ショットのそれぞれに対して算出した焦点位置(実)を示している。図15(a)の結果から、露光量(実)に対して5ショットの平均を求めると43.5mJ/cmとなり、焦点位置(実)に対して5ショットの平均を求めると+0.025μmとなることが分かる。これらの算出結果は、例えば、次のように利用することができる。第1に、半導体ウエハ105の面内平均として算出した実際の露光量及び焦点位置を用いて露光条件を微調整することにより、製品ウエハ着工時にパターン寸法を目標寸法により近い寸法に形成することができる。第2に、半導体ウエハ105の各ショット、例えば、図13に示す5ショットに対して算出した実際の露光量及び焦点位置を用いてウエハ面内での露光条件のバラツキ傾向を評価することにより、露光装置の安定性を評価することができ、また、露光装置自体の調整や補正を行うことができる。
〔作用効果〕
本発明の第1実施形態によれば、半導体ウエハ105のショットごとに露光量及び焦点位置を変化させて形成した配置高さの異なる2種のレジストパターン、すなわち、段差パターン103上に配置される残しパターン101と、残しパターン101よりも段差パターン103の分だけ低い位置に配置される残しパターン102とを用い、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法との間で寸法差及び平均値を測定し、これらの測定値を基に基礎データを取得する。そして、製品ロットの全ウエハを処理する前に、最適とされる露光条件を用いて先行処理した半導体ウエハ105の寸法測定結果、すなわち、残しパターン101における線状パターン101aの短方向の線幅寸法と、残しパターン102における線状パターン102aの短方向の線幅寸法との間の寸法差及び平均値の測定結果を基礎データの近似式に代入することにより、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて変動した実際の露光条件を逆算することができる。言い換えると、残しパターン101の線幅寸法及び残しパターン102の線幅寸法のずれ量から、実際の露光条件を算出して評価することが可能となる。
(2)第2実施形態
〔露光条件評価用パターン〕
図16は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法で使用する露光条件評価用パターン200の構造図である。図16(a)は上方からの平面図であり、図16(b)は図16(a)のA−A’における断面図である。
露光条件評価用パターン200は、等間隔に略矩形の複数の線状パターン201a及び201bが配置された残しパターン201と、等間隔に略矩形の複数の線状パターン202a及び202bが配置された残しパターン202とを備えている。線状パターン201aと201bとは配置方向が90度異なっており、線状パターン201aはX方向、線状パターン201bはY方向に配置されている。同様に、線状パターン202aと202bとは配置方向が90度異なっており、線状パターン202aはX方向、線状パターン202bはY方向に配置されている。また、線状パターン201aと線状パターン202aとは平行に対向しており、線状パターン201bと線状パターン202bとは平行に対向している。残しパターン201と残しパターン202とは同一形状のパターンであり、残しパターン201における線状パターン201a及び201bの線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202a及び202bの線幅寸法とは設計上同一寸法となっている。本実施形態では、線状パターン201a及び201bの短方向の線幅を、例えば、0.16μmとし、長方向の線幅を、例えば、2μmとしている。同様に、線状パターン202a及び202bの短方向の線幅を、例えば、0.16μmとし、長方向の線幅を、例えば、2μmとしている。また、図16(b)に示すように、残しパターン201の下方には、例えば、50〜100nmの高さを有する段差パターン203が形成されており、残しパターン201は残しパターン202に比べて段差パターン203の高さ分だけ高い位置に配置されている。段差パターン203は、被加工膜204を形成する直前の成膜工程で形成され、その材料は評価対象となるデバイスの構造や工程によって異なる。例えば、被加工膜204を金属配線膜とすれば、段差パターン203は下層の層間絶縁膜であるシリコン酸化膜などで形成される。なお、残しパターン201及び残しパターン202は共にレジストパターンであり、被加工膜204を形成した後、ホトリソグラフィーにより被加工膜204の表面に同時に形成される。
本実施形態では、後述するように、線状パターン201a及び201bの長方向の線幅寸法、並びに線状パターン202a及び202bの長方向の線幅寸法を測定する。長方向の寸法変化は短方向の寸法変化よりも敏感であることから、長方向の寸法測定を行う場合には、通常の寸法測定に使用するSEM(Scanning Electron Microscope)型寸法測定機以外の光学式寸法測定機などを使用することが可能となる。光学式寸法測定機は、SEM型寸法測定機に比べて解像度は劣るものの、安価で測定時間が短く完全自動での寸法測定が可能であるため、光学式寸法測定機が使用できることは寸法測定の簡略化という点で大きな利点となる。また、残しパターン201における線状パターン201bと、残しパターン202における線状パターン202bとを用いることでX方向の寸法測定が可能であり、残しパターン201における線状パターン201aと、残しパターン202における線状パターン202aとを用いることでY方向の寸法測定が可能であるため、露光条件の評価をX方向、Y方向で個別に行うことができる。なお、本実施形態では、線状パターン201a及び201bの長方向の線幅寸法、並びに線状パターン202a及び202bの長方向の線幅寸法をいずれも2μmとしているが、この寸法は使用する寸法測定機の測定精度に適宜設定することは可能である。
〔基礎データの取得〕
以下に説明する基礎データの取得は、基本的に各ホトリソグラフィー工程に対して行うが、下地構造が同一で、かつパターンが同一のレイアウトルールの下に形成される場合には、いくつかのホトリソグラフィー工程で共通の基礎データを使用することができる。また、同一製品ウエハ、すなわち、同一のデバイス構造を有するウエハに対しては、一度取得した基礎データを共通に使用することができる。
図17は、半導体装置を形成する半導体ウエハ205のショットレイアウト図である。半導体ウエハ205は、その主面に、例えば、7×7のショットレイアウトを持つものとする。半導体ウエハ205の各ショット、すなわち、各チップには、トランジスタなどの半導体素子によって集積回路が形成される。また、半導体ウエハ205の各チップには、ホトリソグラフィーにより、集積回路の本体である回路パターン以外に露光条件評価用パターン200(図16)が所定位置、例えば、他のプロセス評価用TEGパターンが形成される領域などに形成される。なお、図17において、露光条件評価用パターン200が各ショットの中央部に大きく描かれているが、これは実際のレイアウトを示すものではない。また、半導体ウエハ205のショットレイアウトは7×7に限るものではない。
まず、製品ウエハ着工時の露光量及び焦点位置を算出するための基礎データを取得するため、製品ロットの中から1枚または複数枚の半導体ウエハ205を評価用ウエハとして取り出し、半導体ウエハ205の各ショットに対して異なる露光条件でレジストパターン、すなわち、集積回路の本体である回路パターンと露光条件評価用パターン200とを同時に形成する。この時の露光条件は、例えば、図17に示すように、半導体ウエハ205のショットレイアウトのX方向に焦点位置を変化させ、半導体ウエハ205のショットレイアウトのY方向に露光量を変化させる。図17においては、例えば、X方向に焦点位置を−0.3/−0.2/−0.1/0/0.1/0.2/0.3μmの7段階で変化させ、Y方向に露光量を40/42/44/46/48/50/52mJ/cm2の7段階で変化させている。
次に、露光条件を変化させて形成した各ショットの露光条件評価用パターン200の寸法、すなわち、残しパターン201における線状パターン201a及び201bの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202a及び202bの長方向の線幅寸法とを測定する。ここでの寸法測定は、残しパターン201における線状パターン201bと、残しパターン202における線状パターン202bとを用いることでX方向の寸法測定が可能である。また、残しパターン201における線状パターン201aと、残しパターン202における線状パターン202aとを用いることでY方向の寸法測定が可能である。以下、X方向の寸法測定を例に説明を進めるが、Y方向の寸法測定も同様に行うことができる。
図18は、各露光量における焦点位置と残しパターン201の線幅寸法、すなわち、線状パターン201bの長方向の線幅寸法との関係を示している。図18に示すように、焦点位置と残しパターン201の線幅寸法との関係は、焦点位置0μmを極値とする略二次曲線となることがわかる。図19は、各露光量における焦点位置と残しパターン202の線幅寸法、すなわち、線状パターン202bの長方向の線幅寸法との関係を示している。図19に示すように、焦点位置と残しパターン202の線幅寸法との関係は、極値が焦点位置0μmからマイナス方向にずれた略二次曲線となることがわかる。この焦点位置の極値のずれは、残しパターン201と残しパターン202との配置高さの違いによるものである。
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン201の線幅寸法(図18)と残しパターン202の線幅寸法(図19)との間で寸法差を計算する。すなわち、寸法差=(残しパターン201の線幅寸法)−(残しパターン202の線幅寸法)を計算する。図20は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、各露光量における焦点位置と寸法差との関係を示している。
次に、図20の結果において1次近似を行い、露光量ごとに近似式(11)を求める。なお、近似式(11)において、変数yは寸法差であり、変数xは焦点位置である。
y(寸法差)=a21*x(焦点位置)+b21 ・・・(11)
図21は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量ごとに求められた近似式(11)と、その係数a21及びb21の値を示している。
次に、図21の結果から、露光量と係数a21との関係、及び露光量と係数b21との関係をそれぞれ求める。図22は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量と係数a21との関係を示している。また、図23は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、露光量と係数b21との関係を示している。
次に、図22の結果において1次近似を行い、係数a21に対する近似式(12)を求める。また、図23の結果において1次近似を行い、係数b21に対する近似式(13)を求める。なお、近似式(12)において、変数yは係数a21であり、変数xは露光量である。また、近似式(13)において、変数yは係数b21であり、変数xは露光量である。
y(a21)=a22*x(露光量)+b22 ・・・(12)
y(b21)=a23*x(露光量)+b23 ・・・(13)
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン201の線幅寸法(図18)と残しパターン202の線幅寸法(図19)との間で平均値を計算する。すなわち、平均値=((残しパターン201の線幅寸法)+(残しパターン202の線幅寸法))/2を計算する。図24は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、各焦点位置における露光量と平均値との関係を示している。
次に、図24の結果において1次近似を行い、焦点位置ごとに近似式(14)を求める。なお、近似式(14)において、変数yは平均値であり、変数xは露光量である。
y(平均値)=a24*x(露光量)+b24 ・・・(14)
図25は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置ごとに求めた近似式(14)と、その係数a24及びb24の値を示している。
次に、図25の結果から、焦点位置と係数a24との関係、及び焦点位置と係数b24との関係をそれぞれ求める。図26は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置と係数a24との関係を示している。また、図27は、図17に示す露光条件で処理した場合を一例に、焦点位置と係数b24との関係を示している。
次に、図26の結果において2次近似を行い、係数a24に対する近似式(15)を求める。また、図27の結果において2次近似を行い、係数b24に対する近似式(16)を求める。なお、近似式(15)において、変数yは係数a24であり、変数xは焦点位置である。また、近似式(16)において、変数yは係数b24であり、変数xは焦点位置である。
y(a24)=a25*x(焦点位置)+b25*x(焦点位置)+c25
・・・(15)
y(b24)=a26*x(焦点位置)+b26*x(焦点位置)+c26
・・・(16)
以上の近似式(12)、(13)、(15)及び(16)を基礎データとし、製品着工時の露光量及び焦点位置を算出して評価する。
〔露光条件の算出〕
通常、製品ウエハ着工時には、所望の目標寸法が得られるように予め露光処理の条件出しによって設定された最適とされる露光条件を用いて処理が行われる。しかしながら、露光処理中の装置変動や環境変動、例えば、装置自体が持つ不安定さや、装置を取り巻く温度、湿度などの変動により、最適とされる露光条件を使用した場合でも全てのパターンが必ずしも所望の目標寸法に仕上がるわけではない。そのため、実際の製品ウエハ着工時には、例えば、製品ロットの全ウエハを処理する前に、1枚もしくは数枚のウエハを先行処理して露光条件を確認することがある。この時、近似式(12)、(13)、(15)及び(16)の基礎データを用いて露光条件の変動を算出して評価する。
まず、近似式(12)及び(13)のx(露光量)に、先行処理において使用した露光量、すなわち、その時に最適とされる露光量を仮の露光量として代入する。この結果として、係数y(a21)及びy(b21)が得られる。この係数y(a21)及びy(b21)は、それぞれ近似式(11)における係数a21及びb21として使用される。これにより、近似式(11)は式(17)のようになる。
y(寸法差)=y(a21)*x(焦点位置)+y(b21) ・・・(17)
さらに、式(17)を変形すると式(18)のようになる。
x(焦点位置)=(y(寸法差)−y(b21))/y(a21)・・・(18)
式(18)において、変数yは寸法差であり、変数xは焦点位置であるため、実際に先行処理したウエハでの寸法測定、すなわち、残しパターン201における線状パターン201bの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202bの長方向の線幅寸法との寸法測定により得られた寸法差を、式(18)のy(寸法差)に代入することで実際の焦点位置が算出できる。
次に、式(18)で得られた焦点位置を近似式(15)及び(16)のx(焦点位置)に代入する。この結果として、係数y(a24)及びy(b24)が得られる。この係数y(a24)及びy(b24)は、それぞれ近似式(14)における係数a24及びb24として使用される。これにより、近似式(14)は式(19)のようになる。
y(平均値)=y(a24)*x(露光量)+y(b24) ・・・(19)
さらに、式(19)を変形すると式(20)のようになる。
x(露光量)=(y(平均値)−y(b24))/y(a24) ・・・(20)
式(20)において、変数yは平均値であり、変数xは露光量であるため、実際に先行処理したウエハでの寸法測定、すなわち、残しパターン201における線状パターン201bの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202bの長方向の線幅寸法との寸法測定により得られた平均値を、式(20)のy(平均値)に代入することで実際の露光量が算出できる。
〔実例〕
以下に、本実施形態における露光条件の算出及び評価の実例を示す。
基礎データの取得
まず、製品ウエハ着工時の露光量及び焦点位置を算出するための基礎データを取得するため、製品ロットの中から1枚または複数枚の半導体ウエハ205を評価用ウエハとして取り出し、図17に示す露光条件でレジストパターン、すなわち、露光条件評価用パターン200を形成する。
次に、露光条件を変化させて形成した各ショットの露光条件評価用パターン200の寸法を測定する。ここでは、X方向の寸法測定、すなわち、残しパターン201における線状パターン201bと、残しパターン202における線状パターン202bとを用いて寸法測定を行っている。図18は、各露光量における焦点位置と残しパターン201の線幅寸法との関係を示している。また、図19は、各露光量における焦点位置と残しパターン202の線幅寸法との関係を示している。
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン201の線幅寸法(図18)と残しパターン202の線幅寸法(図19)との間で寸法差を計算する。図20は、各露光量における焦点位置と寸法差との関係を示している。
次に、図20の結果において1次近似を行い、露光量ごとに近似式(11)を求め、それぞれの係数a21及びb21の値を求める。図21は、露光量ごとに求められた近似式(11)と、その係数a21及びb21の値を示している。
次に、図21の結果から、露光量と係数a21との関係、及び露光量と係数b21との関係をそれぞれ求める。図22は、露光量と係数a21との関係を示している。また、図23は、露光量と係数b21との関係を示している。
次に、図22の結果において1次近似を行い、係数a21に対する近似式(12)’を求める。また、図23の結果において1次近似を行い、係数b21に対する近似式(13)’を求める。
y(a21)=0.020638*x(露光量)−0.537194
・・・(12)’
y(b21)=0.000431*x(露光量)−0.006415
・・・(13)’
次に、同一の露光量及び同一の焦点位置に対し、残しパターン201の線幅寸法(図18)と残しパターン202の線幅寸法(図19)との間で平均値を計算する。図24は、各焦点位置における露光量と平均値との関係を示している。
次に、図24の結果において1次近似を行い、焦点位置ごとに近似式(14)を求め、それぞれの係数a24及びb24の値を求める。図25は、焦点位置ごとに求めた近似式(14)と、その係数a24及びb24の値を示している。
次に、図25の結果から、焦点位置と係数a24との関係、及び焦点位置と係数b24との関係をそれぞれ求める。図26は、焦点位置と係数a24との関係を示している。また、図27は、焦点位置と係数b24との関係を示している。
次に、図26の結果において2次近似を行い、係数a24に対する近似式(15)’を求める。また、図27の結果において2次近似を行い、係数b24に対する近似式(16)’を求める。
y(a24)=−0.100978*x(焦点位置)−0.004962*x(焦点位置)−0.030670 ・・・(15)’
y(b24)=2.619982*x(焦点位置)+0.056811*x(焦点位置)+3.423680 ・・・(16)’
以上の近似式(12)’、(13)’、(15)’及び(16’)を基礎データとし、製品着工時の露光量及び焦点位置を算出して評価する。
露光条件の算出
図28は、最適とされる露光条件で先行処理した半導体ウエハ205における寸法測定結果、すなわち、残しパターン201における線状パターン201bの長方向の線幅寸法(上段)と、残しパターン202における線状パターン202bの長方向の線幅寸法(下段)との測定結果を示している。なお、ここでの寸法測定は、7×7のショットレイアウトを持つ半導体ウエハ205の中で、図28に示す5ショットに対して寸法測定を行ったものである。また、図29は、図28の測定結果を基に、残しパターン201の線幅寸法と残しパターン202の線幅寸法との間で算出した寸法差(上段)及び平均値(下段)を示している。
ここでは、半導体ウエハ205の中心ショットに対して露光条件を算出してみる。図28から、半導体ウエハ205の中心ショットにおける残しパターン201の線幅寸法は0.2040μm、残しパターン102の線幅寸法は2.003μmである。また、図29から、残しパターン201の線幅寸法と残しパターン202の線幅寸法の間の寸法差は0.037μm、平均値は2.022μmである。そして、この先行処理時の露光条件は、露光量が44.0mJ/cmで、焦点位置が+0.05μmであったとする。
まず、近似式(12)’及び(13)’のx(露光量)に、先行処理において使用した露光量44.0mJ/cmを仮の露光量(以下、露光量(仮)と称す)として代入する。この結果として、係数a21及びb21が次のように求められる。
係数a21=0.020638*44.0−0.537194=0.370878
係数b21=0.000431*44.0−0.006415=0.012549
次に、これらの係数a21及びb21を焦点位置を求める近似式(18)のy(a21)及びy(b21)にそれぞれ代入する。また、近似式(18)のy(寸法差)に0.037μmを代入する。この結果として、仮の焦点位置(以下、焦点位置(仮)と称す)が次のように求められる。
焦点位置(仮)=(0.037−0.012549)/0.370878=+0.066μm
次に、この焦点位置(仮)を近似式(15)’及び(16)’のx(焦点位置)に代入する。この結果として、係数a24及びb24が次のように求められる。
係数a24=−0.100978*0.066−0.004962*0.066−0.030670=−0.031437
係数b24=2.619982*0.066+0.056811*0.066+3.423680 =3.438842
次に、これらの係数a24及びb24を露光量を求める近似式(20)のy(a24)及びy(b24)にそれぞれ代入する。また、近似式(20)のy(平均値)に2.022μmを代入する。この結果として、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて条件変動した実際の露光量(以下、露光量(実)と称す)が次のように求められる。
露光量(実)=(2.022−3.438842)/(−0.031437)=45.1mJ/cm
ここで、既に算出した焦点位置(仮)は露光量(仮)を用いて計算した値であるため、露光量(実)を用いて条件変動した実際の焦点位置(以下、焦点位置(実)称す)を再度算出する。近似式(12)’及び(13)’のx(露光量)に、露光量(実)45.1mJ/cmを代入すると、係数a21及びb21が次のように求められる。
係数a21=0.020638*45.1−0.537194=0.393580
係数b21=0.000431*45.1−0.006415=0.013023
これらの係数a21及びb21を焦点位置を求める近似式(18)のy(a21)及びy(b21)にそれぞれ代入する。また、近似式(18)のy(寸法差)に0.037μmを代入する。この結果として、焦点位置(実)が次のように求められる。
焦点位置(実)=(0.037−0.013023)/0.393580=+0.061μm
このように、最適とされる露光条件、すなわち、露光量44.0mJ/cm、焦点位置+0.05μmで形成された残しパターン201の線幅寸法及び残しパターン202の線幅寸法を測定し、それらの寸法差及び平均値を算出して基礎データの近似式(12)’、(13)’、(15)’及び(16’)に代入することにより、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて変動した実際の露光条件、すなわち、露光量(実)45.1mJ/cm、焦点位置(実)+0.061μmを逆算することができる。言い換えると、残しパターン201の線幅寸法及び残しパターン202の線幅寸法のずれ量から、実際の露光条件を算出することが可能となる。
ここまでは、半導体ウエハ205の中心ショットに対して条件変動した実際の露光条件を算出した。同様の方法を用いて、図28に示す5ショットに対して実際の露光条件を算出した結果を図30に示す。図30(a)は、上段に5ショットのそれぞれに対して算出した露光量(実)を、下段に5ショットのそれぞれに対して算出した焦点位置(実)を示している。図30(a)の結果から、露光量(実)に対して5ショットの平均を求めると42.4mJ/cmとなり、焦点位置(実)に対して5ショットの平均を求めると+0.010μmとなることが分かる。これらの算出結果は、例えば、次のように利用することができる。第1に、半導体ウエハ205の面内平均として算出した実際の露光量及び焦点位置を用いて露光条件を微調整することにより、製品ウエハ着工時にパターン寸法を目標寸法により近い寸法に形成することができる。第2に、半導体ウエハ205の各ショット、例えば、図28に示す5ショットに対して算出した実際の露光量及び焦点位置を用いてウエハ面内での露光条件のバラツキ傾向を評価することにより、露光装置の安定性を評価することができ、また、露光装置自体の調整や補正を行うことができる。
〔作用効果〕
本発明の第2実施形態によれば、半導体ウエハ205のショットごとに露光量及び焦点位置を変化させて形成した配置高さの異なる2種のレジストパターン、すなわち、段差パターン203上に配置される残しパターン201と、残しパターン201よりも段差パターン203の分だけ低い位置に配置される残しパターン202とを用い、残しパターン201における線状パターン201aの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202aの長方向の線幅寸法との間、または、残しパターン201における線状パターン201bの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202bの長方向の線幅寸法との間で寸法差及び平均値を測定し、これらの測定値を基に基礎データを取得する。そして、製品ロットの全ウエハを処理する前に、最適とされる露光条件を用いて先行処理した半導体ウエハ205の寸法測定結果、すなわち、残しパターン201における線状パターン201aの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202aの長方向の線幅寸法との間、または、残しパターン201における線状パターン201bの長方向の線幅寸法と、残しパターン202における線状パターン202bの長方向の線幅寸法との間の寸法差及び平均値の測定結果を基礎データの近似式に代入することにより、様々な変動要因、例えば、装置変動や環境変動を受けて変動した実際の露光条件を逆算することができる。言い換えると、残しパターン201の線幅寸法及び残しパターン202の線幅寸法のずれ量から、実際の露光条件を算出して評価することが可能となる。また、寸法測定において、残しパターン201の長方向の線幅寸法、及び残しパターン202長方向の線幅寸法を測定することで、光学式寸法測定機を用いても高感度に評価を行うことが可能となる。また、残しパターン201における線状パターン201aと201bとは90度異なった方向に配置され、同様に残しパターン202における線状パターン202aと202bとは90度異なった方向に配置されているため、線状パターン201aと線状パターン202aとを用いることで、例えば、Y方向の寸法測定が可能であり、線状パターン201bと線状パターン202bとを用いることで、例えば、X方向の寸法測定が可能となる。これにより、露光条件の評価を2つの方向(X方向、Y方向)で個別に行うことができるため、より詳細に露光条件の評価を行うことが可能となる。
第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの構造図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンを備える半導体ウエハのショットレイアウト図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と残しパターンの線幅寸法との関係を示す図(その1)。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と残しパターンの線幅寸法との関係を示す図(その2)。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置とパターン寸法差との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置とパターン寸法差との関係を示す1次近似式とその係数(a11,b11)を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量と係数a11との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量と係数b11との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量とパターン平均値との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量とパターン平均値との関係を示す1次近似式とその係数(a14,b14)を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と係数a14との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と係数b14との関係を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの寸法測定結果を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの寸法差と平均値の測定結果を示す図。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法により算出された実際の露光条件を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの構造図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンを備える半導体ウエハのショットレイアウト図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と残しパターンの線幅寸法との関係を示す図(その1)。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と残しパターンの線幅寸法との関係を示す図(その2)。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置とパターン寸法差との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置とパターン寸法差との関係を示す1次近似式とその係数(a21,b21)を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量と係数a21との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量と係数b21との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量とパターン平均値との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における露光量とパターン平均値との関係を示す1次近似式とその係数(a24,b24)を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と係数a24との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法における焦点位置と係数b24との関係を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの寸法測定結果を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる露光条件評価用パターンの寸法差と平均値の測定結果を示す図。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法により算出された実際の露光条件を示す図。
符号の説明
100、200・・・露光条件評価用パターン
101、102、201、202・・・残しパターン
101a、102a、201a、201b、202a、202b・・・線状パターン
103、203・・・段差パターン
104、204・・・被加工膜
105、205・・・半導体ウエハ

Claims (15)

  1. 半導体ウエハの主面に所定の評価パターンを形成することにより露光条件を評価することが可能な半導体装置の製造方法であって、
    前記評価パターンは、残しパターンからなる第1評価パターンと、露光装置の光軸方向において前記第1評価パターンよりも低い位置に形成される残しパターンからなる第2評価パターンとで構成されることを前提とし、
    準備のためのステップとして、
    第1の半導体ウエハの主面に露光量及び焦点位置をそれぞれに変化させた複数の露光条件を用いて複数の前記第1評価パターン及び前記第2の評価パターンを形成するステップと、
    前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法を測定するステップと、
    同一の露光量及び同一の焦点位置で形成された前記第1評価パターンの測定寸法と前記第2評価パターンの測定寸法との間で第1寸法差及び第1平均値を計算するステップと、
    前記第1寸法差及び前記第1平均値を基に露光条件に対する基礎データを作成するステップと、
    を含み、
    実際の半導体装置の製造のためのステップとして、
    第2の半導体ウエハの主面に所定の露光量及び焦点位置を用いて前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンを形成するステップと、
    前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法を測定するステップと、
    前記第1評価パターンの測定寸法と前記第2評価パターンの測定寸法との間で第2寸法差及び第2平均値を計算するステップと、
    前記第2寸法差及び前記第2平均値を前記基礎データに代入して実際の露光量及び焦点位置を算出して露光条件を評価するステップと、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンは、それぞれ略矩形の複数の線状パターンを備え、前記第1評価パターンと前記第2評価パターンとは同一形状のパターンであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法測定は、前記線状パターンの短方向の線幅寸法を測定することを特徴とする、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1評価パターンは、略矩形の複数の線状パターンを有する第3評価パターンと、前記第3評価パターンに対して略直角に配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第4評価パターンとを備え、
    前記第2評価パターンは、前記第3評価パターンに対して略平行に対向して配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第5評価パターンと、前記第4評価パターンに対して略平行に対向して配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第6評価パターンとを備え、
    前記第3評価パターン及び前記第4評価パターンと、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンとは同一形状のパターンであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法測定は、前記第3評価パターンと前記第5評価パターンとにより第1の方向に対しての寸法測定を行い、前記第4評価パターンと前記第6パターンとにより前記第1の方向に直交する第2の方向に対しての寸法測定を行うことを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第3評価パターン、前記第4評価パターン、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンの寸法測定は、前記線状パターンの長方向の線幅寸法を測定することを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第3評価パターン、前記第4評価パターン、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンの寸法測定は、光学式寸法測定機を使用することを特徴とする、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記基礎データを作成するステップは、
    露光量ごとに焦点位置の変化に対する前記第1寸法差の変化を1次近似で数式化して第1係数及び第2係数を備える第1基本式を作成するステップと、
    露光量の変化に対する前記第1係数の変化を1次近似で数式化して第2基本式を作成するステップと、
    露光量の変化に対する前記第2係数の変化を1次近似で数式化して第3基本式を作成するステップと、
    焦点位置ごとに露光量の変化に対する前記第1平均値の変化を1次近似で数式化して第3係数及び第4係数を備える第4基本式を作成するステップと、
    焦点位置の変化に対する前記第3係数の変化を2次近似で数式化して第5基本式を作成するステップと、
    焦点位置の変化に対する前記第4係数の変化を2次近似で数式化して第6基本式を作成するステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記露光条件を評価するステップは、
    前記所定の露光量を前記第2基本式に代入して前記第1係数の第1の値を求めるステップと、
    前記所定の露光量を前記第3基本式に代入して前記第2係数の第2の値を求めるステップと、
    前記第1基本式の前記第1寸法差として前記第2寸法差を代入し、前記第1基本式の前記第1係数に前記第1の値を代入し、前記第1基本式の前記第2係数に前記第2の値を代入して実際の焦点位置を算出するステップと、
    前記実際の焦点位置を前記第5基本式に代入して前記第3係数の第3の値を求めるステップと、
    前記実際の焦点位置を前記第6基本式に代入して前記第4係数の第4の値を求めるステップと、
    前記第4基本式の前記第1平均値として前記第2平均値を代入し、前記第4基本式の前記第3係数に前記第3の値を代入し、前記第4基本式の前記第4係数に前記第4の値を代入して実際の露光量を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンは、それぞれ略矩形の複数の線状パターンを備え、前記第1評価パターンと前記第2評価パターンとは同一形状のパターンであることを特徴とする、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法測定は、前記線状パターンの短方向の線幅寸法を測定することを特徴とする、請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1評価パターンは、略矩形の複数の線状パターンを有する第3評価パターンと、前記第3評価パターンに対して略直角に配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第4評価パターンとを備え、
    前記第2評価パターンは、前記第3評価パターンに対して略平行に対向して配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第5評価パターンと、前記第4評価パターンに対して略平行に対向して配置される略矩形の複数の線状パターンを有する第6評価パターンとを備え、
    前記第3評価パターン及び前記第4評価パターンと、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンとは同一形状のパターンであることを特徴とする、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1評価パターン及び前記第2評価パターンの寸法測定は、前記第3評価パターンと前記第5評価パターンとにより第1の方向に対しての寸法測定を行い、前記第4評価パターンと前記第6パターンとにより前記第1の方向に直交する第2の方向に対しての寸法測定を行うことを特徴とする、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第3評価パターン、前記第4評価パターン、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンの寸法測定は、前記線状パターンの長方向の線幅寸法を測定することを特徴とする、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第3評価パターン、前記第4評価パターン、前記第5評価パターン及び前記第6評価パターンの寸法測定は、光学式寸法測定機を使用することを特徴とする、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
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