JP2006184399A - 露光マスク用ブランク及びその製造方法並びに露光マスク、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法及び液晶表示装置用カラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶表示装置用カラーフィルタの柱状スペーサーとオーバーコート層を一括形成するための露光マスク用ブランクであって、ガラス基板上に紫外線透過率制御機能を有する半透過膜と紫外線遮蔽効果を有する遮光膜とが形成されており、前記半透過膜の紫外光に対する透過率は、波長300nmで5%以下、波長380nmでは45%以上であり、前記半透過膜は酸化インジウムと酸化錫との化合物膜からなるITO膜からなり、前記酸化錫が原子数比で10%以下含有されている。
【選択図】図1
Description
このため、従来の球状スペーサーの限界が指摘され、定位置への配置形成が可能な柱状スペーサーを用いた液晶表示装置用カラーフィルタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
更に、この柱状スペーサーに加えカラーフィルタに付与されるオーバーコート層とは、液晶表示装置の広視野角化に対応するため平坦化、イオンバリアを目的とした保護層である。
このオーバーコート層と柱状スペーサーは、まず、オーバーコート層73を形成した後に柱状スペーサー74が形成される。
このように、現状ではオーバーコート層と柱状スペーサーは、個別の材料と個別のプロセスを経て作製されている。そのため、装置コストを圧迫し、カラーフィルタの製造原価に大きく影響を与えている。
図1は、露光マスクを作製するための本発明の露光マスク用ブランクの構成例を、図2は、液晶表示装置用カラーフィルタの柱状スペーサーとオーバーコート層を一括形成するための本発明の露光マスクの構成例を、図3は、本発明の露光マスクを用いて柱状スペーサーとオーバーコート層を一括形成した本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの構成例をそれぞれ示す。
この半透過膜21のパターン露光における作用効果について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。
図4(a)に示すガラス基板11上に波長300nmで5%以下、波長380nmでは45%以上の透過率特性を有する半透過膜21とCr膜等からなる遮光膜31とが形成された本発明の露光マスク用ブランク10をパターニング処理して、マスクパターンP1及びマスクパターンP2が形成された露光マスク10bを用いて、ガラス基板51上に形成されたネガレジスト72をパターン露光し(図4(b)参照)、現像処理して、ネガレジスト72の膜厚と同等でパターン化されたレジストパターン72aとネガレジスト72の膜厚よりも膜減りしたレジストパターン72bが得られる。
このことから、本発明の露光用マスクを用いて一括露光することにより、1枚の露光マスクで高さの異なるレジストパターンを同時に得ることができる。
請求項4に係る露光マスク用ブランク10の製造方法は、まず、ガラス基板11上に、キャリアガスとしてArガスを用いたAr、O2の混合ガス雰囲気にて、InとSnの合金ターゲットを用いた反応性スパッターにてITO膜からなる半透過膜21を成膜する。
図5に、ArとO2の総流量に対してO2流量を0%から4%まで変化させて成膜した時の半透過膜21の分光透過率データを示す。図5で、波長380nmでの分光透過率は、T1:18.2%、T2:41.8%、T3:53.8%、T4:62.4%、T5:63.2%となり、番号が大きくなるほど、O2流量を高めて成膜した膜である。一方、波長300nmでの透過率は全て5%以下を満足している。この結果から、T3以上でほぼ所望の分光透過率特性が得られるが、これはほぼ0.6%以上のO2流量で作製した膜である。
さらに、その上にCr膜等からなる遮光膜31を形成して、本発明の液晶表示素子製造用の露光マスク用ブランク10を得る。半透過膜21と遮光膜31の膜厚はそれぞれ2500Å、1000Å程度であり、遮光膜31は金属Cr膜の上に酸化Cr膜を積層した2層構成が一般的である。
図6(a)〜(e)及び図7(f)〜(h)に本発明の液晶表示素子製造用の露光マスク用ブランクを用いて本発明の露光マスクを作成する製造方法の一例を示す。
まず、透明基板11上に、キャリアガスとしてArガスを用い、O2の割合が総流量に対して0.6%のAr、O2の混合ガス雰囲気にて、InとSnの合金ターゲットを用いた反応性スパッターにて、波長300nmで5%以下、波長380nmでは45%以上の透過率特性を有するITO膜からなる半透過膜21を成膜し、さらにその上にCr及び酸化Cr膜からなる遮光膜31を形成して露光マスク用ブランク10を作製する(図6(a)参照)。
ここで、半透過膜21の膜厚は2000〜3000Å程度、遮光膜31は1000Å前後である。
次に、電子ビーム露光装置にてパターン描画を行い、現像処理して、完全にレジストを除去した開口部42と、露光ドーズ量を調整して一部レジストを残したレジストパターン41aを形成する(図6(c)参照)。
ここで、遮光膜31のエッチャントとしては、[硝酸第2セリウムアンモニウム]+HClO4+H2OからなるCrエッチャントを、半透過膜21のエッチャントとしては、FeCl3+HCl(FeCl3:HCl=1:3)をそれぞれ用いる。
このとき、レジストパターン41a以外のレジストは残すため、オーバー露光にならないように注意する。
次に、レジストパターン41bをマスクにして上記Crエッチャントにて遮光膜31をエッチングにて除去する(図7(g)参照)。
ここで、露光マスク10aのマスクパターン21a、開口部22及び遮光パターン31aは、開口部22が柱状スペーサー形成用のパターンとして、マスクパターン21aがオーバーコート層形成用のパターンとして、遮光パターン31aがオーバーコート層のパターニング用として作用する。
図8(a)〜(e)及び図9(f)〜(h)は液晶表示装置用カラーフィルタの製造工程の一例を示す部分構成断面図である。
まず、ガラス基板51の裏面に裏ITO52を形成する(図8(a)参照)。
次に、カーボンブラック等の遮光剤を分散した黒色の感光性樹脂層を形成し、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、ガラス基板51上の所定位置にブラックマトリックス53を形成する(図8(b)参照)。
ここで、裏ITO52としては酸化インジウム系の透明導電膜が一般的である。
また、遮光材としては、カーボンブラックの他に酸化チタン、四酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉及び赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。
上記赤色、緑色、青色の有機顔料としてはフタロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドンアントラキノン系、ペリレン系及びペリノン系等が使用される。
感光性樹脂層71の膜厚は、柱状スペーサーの高さによって設定される。
感光性樹脂層71の膜厚は、柱状スペーサーの高さによって設定される。
この露光処理は感光性樹脂層71に柱状スペーサー及びオーバーコート層のパターン潜像を形成するためのものである。
また、遮光パターン31aは、液晶表示装置用カラーフィルタ周辺部のオーバーコート層を除去するためのものである。
このように、本発明の露光マスク10aを用いることにより、1回の露光で高さの異なる柱状スペーサー71a及びオーバーコート層71bを形成することができ、液晶表示装置用カラーフィルタの製造工程の簡略化及び液晶表示装置用カラーフィルタの製造コストの低減につなげることができる。
ここで、柱状スペーサー71aはブラックマトリックス53上に形成され、高さ5μm前後の柱状が一般的である。オーバーコート層71bは赤色、緑色及び青色カラーフィルタ上に形成され、高さ1.5μm前後の膜厚が一般的である。
また、液晶表示装置用カラーフィルタ100は横電界方式の液晶表示装置に組み込まれ、視野角の広いカラー液晶ディスプレイとして展開されている。
のAr、O2の混合ガス雰囲気にて、O2の割合が総流量に対して0.6%のAr、O2の混合ガス雰囲気にて、InとSnの合金ターゲットを用いた反応性スパッターにて膜厚2500Åの波長300nmで5%以下、波長380nmでは45%以上の透過率特性を有するITO膜からなる半透過膜21を形成した。
さらに、その上にCr及び酸化Cr膜からなる膜厚1000Åの遮光膜31をスパッターにて形成して露光マスク用ブランク10を作製した(図1参照)
次に、電子ビーム露光装置にてパターン描画を行い、現像処理して、完全にレジストを除去した開口部42と、露光ドーズ量を調整して一部レジストを残したレジストパターン41aを形成した(図6(c)参照)
次に、レジストパターン41aをマスクにして開口部42の遮光膜31を[硝酸第2セリウムアンモニウム]+HClO4+H2OからなるCrエッチャントを用いてエッチングした(図6(d)参照)。
さらに、FeCl3+HCl(FeCl3:HCl=1:3)からなるエッチャントを用いて、半透過膜21のエッチングを行なった(図6(e)参照)。
次に、レジストパターン41bをマスクにして[硝酸第2セリウムアンモニウム]+HClO4+H2OからなるCrエッチャントにて遮光膜31をエッチングにて除去した(図7(g)参照)。
次に、ガラス基板51上にアクリル系樹脂にカーボンブラックを分散した黒色の感光性樹脂溶液をスピンナーで塗布し、黒色感光性樹脂層を形成し、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、幅14μm、高さ1.3μmのブラックマトリクス53を形成した(図8(b)参照)。
mの青色カラーフィルタ63Bを形成した(図8(e)参照)。
10a、10b……露光マスク
11、51……ガラス基板
21……半透過膜
21a……マスクパターン
22……開口部
31……遮光膜
31a……遮光パターン
41……レジスト
41a、41b……レジストパターン
42……開口部
52……裏ITO
53……ブラックマトリクス
61R……赤色フィルタ
62G……緑色フィルタ
63B……青色フィルタ
71……感光性樹脂層
71a……柱状スペーサー
71b……オーバーコート層
72……ネガレジスト
72a、72b……レジストパターン
73……オーバーコート層
74……柱状スペーサー
P1、P2……マスクパターン
Claims (7)
- 液晶表示装置用カラーフィルタの柱状スペーサーとオーバーコート層を一括形成するための露光マスク用ブランクであって、ガラス基板上に紫外線透過率制御機能を有する半透過膜と紫外線遮蔽効果を有する遮光膜とが形成されていることを特徴とする露光マスク用ブランク。
- 前記半透過膜の紫外光に対する透過率は、波長300nmで5%以下、波長380nmでは45%以上であることを特徴とする請求項1に記載の露光マスク用ブランク。
- 前記半透過膜は酸化インジウムと酸化錫との化合物膜からなるITO膜からなり、前記酸化錫が原子数比で10%以下含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の露光マスク用ブランク。
- 前記半透過膜は、キャリアガスと酸素ガスを用いた反応性スパッタリングにより成膜され、前記酸素ガス流量の割合が総流量に対して0.6%以上になっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の露光マスク用ブランクの製造方法。
- 請求項1乃至3に記載の露光マスク用ブランクを用いて作製したことを特徴とする露光マスク。
- ガラス基板上に少なくともブラックマトリクス、赤色フィルタ、青色フィルタ、緑色フィルタ、オーバーコート層、柱状スペーサーが形成されてなる液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法において、請求項5に記載の露光マスクを用いて柱状スペーサーとオーバーコート層を一括露光にて形成することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 請求項6に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法にて作製されたことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
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