JP2006183699A - ボールねじ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】
円滑な動作を確保しつつも摩耗を抑えることができるボールねじ機構を提供する。
【解決手段】
連結部材4の球面4dとナット2の球面2aとに挟持され、それらに係合する球体3が設けられているので、連結部材4からナット2に押圧力が付与された場合に、球面4d、2aと球体3との間に面接触が生じ面圧が低減され、連結部材4やナット2の摩耗を回避することができる。
【選択図】 図3
円滑な動作を確保しつつも摩耗を抑えることができるボールねじ機構を提供する。
【解決手段】
連結部材4の球面4dとナット2の球面2aとに挟持され、それらに係合する球体3が設けられているので、連結部材4からナット2に押圧力が付与された場合に、球面4d、2aと球体3との間に面接触が生じ面圧が低減され、連結部材4やナット2の摩耗を回避することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、一般産業用機械に組付けられたり、或いは自動車に使用されたりするボールねじ機構に関するものである。
近年、車両等の省力化が進み、例えば自動車のトランスミッションやパーキングブレーキなどを手動でなく、電動モータの力により行うシステムが開発されている。そのような用途に用いる電動アクチュエータには、電動モータから伝達される回転運動を高効率で軸線方向運動に変換するために、ボールねじ機構が用いられる場合がある。
しかるに、例えば特許文献1に記載のごとき内燃機関の可変動弁機構を駆動するためにボールねじ機構を用いる場合、ナットの移動方向に対して傾いたリンクを用いて、駆動軸を回転駆動させることがあるが、かかるリンクは、駆動軸の回転に応じて揺動する。従って、ナットとリンクとを揺動可能に連結する必要がある。このような用途に用いることができるボールねじ機構が、特許文献2に開示されている。
特開2002−155716号公報
特開2004−169713号公報
ここで、特許文献2に開示されたボールねじ機構は、それぞれ90度以下の皿もみ穴を有する連結部品及びナットの間にボールを挟持しており、ボールと皿もみ穴との係合によって調心性を持たせている。ところが、かかる構成ではボールと皿もみ穴とが線接触するため、軸線直交方向に付勢力が作用した場合など、面圧が高くなり接触部の摩耗を引き起こす恐れがある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、円滑な動作を確保しつつも摩耗を抑えることができるボールねじ機構を提供することを目的とする。
本発明のボールねじ機構は、
凹状の球面を有する連結部材と、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成し、外周面に凹状の球面を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、
前記連結部材の球面と前記ナットの球面とに挟持され、それらに係合する球体とを有することを特徴とする。
凹状の球面を有する連結部材と、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成し、外周面に凹状の球面を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、
前記連結部材の球面と前記ナットの球面とに挟持され、それらに係合する球体とを有することを特徴とする。
本発明のボールねじ機構によれば、前記連結部材の球面と前記ナットの球面とに挟持され、それらに係合する球体を有するので、前記連結部材から前記ナットに押圧力が付与された場合に、前記球面と前記球体との間に面接触が生じるため面圧が低減され、それにより前記連結部材や前記ナットの摩耗を回避することができる。
前記球面の半径をRとし、前記球体の直径をDとしたときに、0<R−D/2≦0.02mmが成立すると、前記球面と前記球体との間に潤滑剤を付与した場合に、それら表面に潤滑剤の薄膜が形成されることで、より摩耗を低減することができる。
前記球面の内周面と前記球体の外周面の少なくとも一方に、複数の微細な凹部が形成されていると、前記凹部内によって潤滑剤が保持され、長期間にわたって安定した潤滑性を維持することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態であるボールねじ機構の上面図であり、ハウジング等を断面で示し、ねじ軸を部分的に簡略化して図示している。図2は、図1の構成を矢印II方向に見た図であり、図3は、図1の構成をIII-III線で切断して矢印方向に見た図であり、図4は、図2の構成の矢印IV部を拡大して示す図である。
図1において、ハウジングHの円筒孔Haと同軸に、ねじ軸1が配置されている。円筒孔Haに対して軸受6により回転自在に支持されたねじ軸1の一端(図で左端)は、不図示のモータにカップリングCを介して連結されている。軸受6は、ねじ軸1の丸軸部1bに嵌合しており、周溝1cに装着されたコッタ部材7によってねじ軸1に対して固定されている。リングを二分割してなるコッタ部材7は、周溝1cに装着された後に、それを外方から覆うようしてフランジ部材8が丸軸部1bに係合させられており、これを止め輪9で押さえる構成となっている。従って、ねじ軸1は、ハウジングHの円筒孔Haに対して軸線方向に移動不能且つ回転のみ可能に支持されていることとなる。
ねじ軸1の外周面には、雄ねじ溝1aが形成されている。円筒状のナット2は、ねじ軸1を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝(不図示)を形成している。複数のボール(不図示)が、対向する両ねじ溝間に形成された螺旋状の転走路内を転動自在となるように配置されている。尚、コ字状に曲げられたチューブ(循環部材)5がナット2の外周に取り付けられている。チューブ5は、ボールねじ機構の動作時に、ねじ溝間に形成された螺旋状の転走路の一端から他端へと、ボールを戻すために用いられる。
ナット2には連結部材4が取り付けられている。連結部材4は、ナット2の軸線に直交する方向に延在する円管状の本体4aと、本体4aの両端から延在する一対のアーム4b、4bと、アーム4b、4bの先端にそれぞれ取り付けられ互いに対向配置された球面座4c、4cとからなる。本体4aは、例えば不図示の可変動弁機構の駆動軸S(図3参照)などに連結されているものとする。
図4に示すように、各球面座4cは、その対向面に球面4dを形成している。一対の球面座4cに対向して、ナット2の外周面には、一対の球面2aが形成されている。球面4d、2aの間には、球体3が配置されている。本体4aと、一対のアーム4b、4bとは不図示のボルトを介して固定されている。従って、組み付け時には、まず球面4d、2aの間に球体3を配置するようにして、アーム4b、4bをナット2の両側に配置し、その状態でアーム4b、4bの端部を本体4aにボルト止めすることで、連結部材4とナット2との連結が可能となる。
ここで、球面4d、2aの半径をRとし、球体3の直径をDとしたときに、0<R−D/2≦0.02mmが成立するようになっている。このスキマを利用して、球面4d、2aと球体3との間に潤滑剤の薄膜を介在させることで、両者の摺動時の摩耗を低減している。
本実施の形態の動作を説明すると、不図示のモータによりカップリングCを介してねじ軸1が回転駆動されると、転走路を転動し且つチューブ5を介して転走路の一端から他端へと循環するボールにより、かかる回転運動がナット2の軸線方向運動に効率よく変換される。このとき図3(a)に示すように、ナット2が軸線方向右方に移動すると、連結部材4が駆動軸Sを時計回りに回転させる。一方、図3(b)に示すように、ナット2が軸線方向左方に移動すると、連結部材4が駆動軸Sを反時計回りに回転させる。それにより不図示の可変動弁機構を駆動することができる。
本実施の形態のボールねじ機構によれば、連結部材4の球面4dとナット2の球面2aとに挟持され、それらに係合する球体3が設けられているので、連結部材4からナット2に押圧力(図2で上下方向)が付与された場合に、球面4d、2aと球体3との間に面接触が生じ面圧が低減され、連結部材4やナット2の摩耗を回避することができる。
尚、球面4d、2aと球体3の表面の少なくとも一方に、ディンプル加工などで微細な複数の凹部を形成すれば、潤滑剤の保持性が高まり、より摩耗を低減することができる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。循環部材は、チューブに限らずコマのようなものでも良い。
1 ねじ軸
1a ねじ溝
1b 丸軸部
1c 周溝
2 ナット
2a 球面
3 球体
4 連結部材
4a 本体
4b アーム
4c 球面座
4d 球面
5 チューブ
6 軸受
7 コッタ部材
8 フランジ部材
9 止め輪
C カップリング
H ハウジング
Ha 円筒孔
1a ねじ溝
1b 丸軸部
1c 周溝
2 ナット
2a 球面
3 球体
4 連結部材
4a 本体
4b アーム
4c 球面座
4d 球面
5 チューブ
6 軸受
7 コッタ部材
8 フランジ部材
9 止め輪
C カップリング
H ハウジング
Ha 円筒孔
Claims (3)
- 凹状の球面を有する連結部材と、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成し、外周面に凹状の球面を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、
前記連結部材の球面と前記ナットの球面とに挟持され、それらに係合する球体とを有することを特徴とするボールねじ機構。 - 前記球面の半径をRとし、前記球体の直径をDとしたときに、0<R−D/2≦0.02mmが成立することを特徴とする請求項1に記載のボールねじ機構。
- 前記球面の内周面と前記球体の外周面の少なくとも一方に、複数の微細な凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004375261A JP2006183699A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | ボールねじ機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004375261A JP2006183699A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | ボールねじ機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006183699A true JP2006183699A (ja) | 2006-07-13 |
Family
ID=36736957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004375261A Pending JP2006183699A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | ボールねじ機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006183699A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008095744A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
-
2004
- 2004-12-27 JP JP2004375261A patent/JP2006183699A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008095744A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
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