JP2006183611A - 2次空気供給装置の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常を正確に診断可能な2次空気供給装置の異常診断装置を提供する。
【解決手段】 2次空気供給装置200は、触媒112の上流側に設けられ、ASV214が開状態のときに、エアポンプ210から圧送された2次空気を2次空気通路(第1空気通路212および第2空気通路220)を通じてエキゾーストマニホールド110に供給する。ECU300は、エキゾーストマニホールド110内の背圧が相対的に大きいときにプレッシャセンサ306で検出される2次空気通路圧力と、背圧が相対的に小さいときに検出される2次空気通路圧力との圧力差が所定の圧力差以下であることに基づいて、2次空気供給装置200を異常と診断する。これにより、高負荷の運転条件時に起こり得る誤診断が回避される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、2次空気供給装置の異常診断装置に関し、特に、2次空気供給装置の異常を正確に診断可能な2次空気供給装置の異常診断装置に関する。
従来より、エンジンのエキゾーストマニホールドに、エアポンプから圧送された2次空気を供給して排気ガス中のCOおよびHCを燃やし、COおよびHOに化学変化させる2次空気供給装置が知られている。
具体的には、2次空気供給装置は、エアポンプを備え、三元触媒の配置位置の上流側において排気管に接続された2次空気通路を介して排気通路にエアを供給するとともに、2次空気通路に設けられ、2次空気通路を連通または遮断する開閉弁を介してエア供給を制御している。
このような2次空気供給装置においては、エアポンプや開閉弁に故障が生じると、排気ガスの浄化効率が低下することから、その異常を検出する必要がある。そこで、2次空気供給装置の異常診断手段として、たとえば特許文献1は、エアポンプと開閉弁との間に設けられ、2次空気通路の圧力を検出する圧力検出手段と、エアポンプの作動状態と圧力検出手段の出力とに基づいて、エアポンプおよび開閉弁の少なくともいずれかの異常を検出する異常検出手段とを備える2次空気供給系の異常検出装置を開示する。
これによれば、異常検出手段は、エアポンプを作動させたときの2次空気通路の圧力の検出値が、開閉弁の開弁圧力より高い第1の圧力以上のときにおいて、開閉弁の異常を検出する。また、エアポンプを作動させたときの2次空気通路の圧力の検出値が、開閉弁の開弁圧力よりも低い第2の圧力以下のときにおいて、エアポンプの異常を検出する。
また、特許文献2は、排気通路内の圧力(背圧)とエアポンプの吐出圧とによって定まる締切背圧に着目し、締切背圧近傍で流れる小流量の2次空気を検出することにより、2次空気の供給不能状態と2次空気の供給能力低下状態との双方を検知することができる2次空気供給装置を開示する。
これによれば、エアポンプから2次空気を吐出させたときに小流量の2次空気が流れる所定の背圧範囲内に診断領域を設定し、この診断領域に運転条件が適合したときにおいて、エアポンプから2次空気を吐出せしめ、排気通路内で2次空気が検出されるか否かにより、2次空気の供給不能状態と2次空気の供給能力低下状態とを検知する。
特開平9−21312号公報 特開平8−312337号公報
上述した従来の2次空気供給装置の異常診断手段は、いずれも、2次空気通路圧力に基づいて2次空気供給系の異常を診断するものである。
しかしながら、エンジンの運転条件や2次空気供給装置の構成部品の仕様によっては、2次空気供給系が正常であるときと、2次空気供給系が異常であるときとで、2次空気通路圧力が近似する場合がある。このような場合は、検出された2次空気通路圧力に基づいて、2次空気供給系の異常を正確に診断することが困難となり、誤診断が生じるおそれがある。
たとえば、エアポンプが正常に作動し、かつ開閉弁が開状態(正常状態に相当)であるときには、エンジンの運転条件が高負荷になるに従って、検出される2次空気通路圧力は、通常の検出値よりも相対的に大きくなる傾向を示す。
一方、エアポンプが作動状態であって、かつ開閉弁が閉故障しているときには、通常検出される2次空気通路圧力は、相対的に大きい値を示す。
したがって、運転条件が高負荷であるときにおいては、2次空気供給系の正常時と異常時とのいずれにおいても、2次空気通路圧力が相対的に大きいことから、2次空気供給系が故障しているか否かの判別が難しくなる。
詳細には、特許文献1に開示される異常検出手段によれば、2次空気通路圧力が第1の圧力以上であることに基づいて開閉弁の異常が検出されるが、運転条件が高負荷のときには、正常時であっても2次空気通路圧力が大きくなることから、正確に開閉弁の異常を検出することが困難となる。
また、特許文献2に開示される異常診断手段によれば、診断領域が相対的に低い排圧範囲内に設定されているため、背圧が増加する高負荷の運転条件においては、故障診断を行なうことができないという問題が生じる。
それゆえ、この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異常を正確に診断可能な2次空気供給装置の異常診断装置を提供することである。
この発明のある局面によれば、内燃機関の排気浄化装置の上流側に配され、内燃機関の排気系に2次空気を供給する2次空気供給装置の異常診断装置であって、2次空気供給装置は、作動状態において、2次空気を圧送する空気ポンプと、空気ポンプと排気系との間に配設され、圧送された2次空気を排気系に供給する2次空気通路と、2次空気通路を開閉する開閉弁とを有する。2次空気供給装置の異常診断装置は、空気ポンプと開閉弁との間に配され、2次空気通路の圧力を検出する圧力検出手段と、排気系の圧力を検出する背圧検出手段と、検出された2次空気通路の圧力と排気系の圧力とに基づいて、2次空気供給装置の異常診断を行なう異常診断手段とを備える。異常診断手段は、排気系が高圧力のときの2次空気通路の圧力と、排気系が低圧力のときの2次空気通路の圧力との圧力差が所定の圧力差以下となることに基づいて、2次空気供給装置を故障と診断する。
好ましくは、背圧検出手段は、排気系の圧力を計測する背圧計測手段および内燃機関の運転条件に基づいて、排気系の圧力を推定する背圧推定手段の少なくとも一方を含む。
好ましくは、異常診断手段は、排気系の圧力が第1の所定値を上回るときの第1の2次空気通路の圧力を記憶する第1の記憶手段と、排気系の圧力が第1の所定値よりも小さい第2の所定値を下回るときの第2の2次空気通路の圧力を記憶する第2の記憶手段とを含み、第1の2次空気通路の圧力と、第2の2次空気通路の圧力との圧力差が所定の圧力差以下となることに基づいて、2次空気供給装置を故障と診断する。
好ましくは、第1および第2の所定値は、運転条件が高負荷および低負荷のときにおいて、それぞれ、背圧計測手段および背圧推定手段の少なくとも一方を用いて得られる排気系の圧力である。
この発明によれば、異なる運転条件における2次空気通路圧力の圧力差に基づいて、2次空気供給装置の異常診断を行なうことから、異常診断が困難となる高負荷の運転条件においても、2次空気供給装置の異常を正確に診断することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態による2次空気供給装置の異常診断装置が搭載された車両の概略ブロック図である。
図1を参照して、車両には、エンジン100と、2次空気供給装置200と、ECU(Electrical Control Unit)とが搭載される。
エアクリーナ102から吸入された空気は、吸気管104およびインテークマニホールド106を介してエンジン100に導入される。さらに、空気は、インテークマニホールド106から4つの気筒108の各々の燃焼室内に、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料とともに導入される。
各気筒108に導入された空気と燃料との混合気は、図示しない点火プラグにより点火されて燃焼する。これにより、エンジン100は駆動力を発生する。燃焼後の混合気である排気ガスは、気筒108に接続されるエキゾーストマニホールド110に導かれ、触媒112によって浄化された後、車外に排出される。なお、エンジン100に導入される空気の量は、スロットルバルブ120により制御される。スロットルバルブ120の開度は、アクチュエータ122により制御される。
触媒112の冷間時には、触媒112は、排気ガスの浄化作用を十分に発揮することができない。そこで、排気ガスの浄化を促進するために、エキゾーストマニホールド110には、2次空気が供給される。供給された2次空気により、排気ガス中のCOおよびHCが燃焼され、COおよびHOに化学変化される。
本実施の形態において、2次空気には、エンジンルーム内の空気が用いられる。2次空気供給装置200は、エアポンプ210と、ASV(Air Switching Valve)214と、2次空気通路(第1空気通路212および第2空気通路220)とを備える。
エアポンプ210は、オン(作動)状態において、エンジンルーム内の空気を第1空気通路212に圧送する。
第1空気通路212上には、エアポンプ210の下流にASV214が設けられる。
ASV214は、ECU300から出力される制御信号に応じて、開状態と閉状態とを選択的に切換える。これにより、ASV214は、第1空気通路212を開閉することができる。第1空気通路212は、ASV214の下流で第2空気通路220に接続される。
第2次空気通路220は、一方端が第1空気通路212に接続され、他方端がエキゾーストマニホールド110に接続される。エキゾーストマニホールド110において、第2空気通路220の他方端は、各気筒108の排気側に接続される。
エアフローメータ302は、吸気管104に配され、エンジン100に導入される空気量(以下、吸入空気量とも称する)を検出する。
スロットル開度センサ304は、スロットルバルブ120の開度を検出する。プレッシャセンサ306は、エアポンプ210とASV214との間に設けられ、第1空気通路212内の圧力(以下、2次空気通路圧力とも称する)を検出する。
車速センサ308は、図示しない車輪の回転数を検出する。クランクポジションセンサ310は、エンジン100のクランクシャフト(図示せず)の回転数、すなわちエンジン回転数を検出する。水温センサ312は、エンジン100の冷却水の温度を検出する。
ECU300は、エアフローメータ302、スロットル開度センサ304、プレッシャセンサ306、車速センサ308、クランクポジションセンサ310および水温センサ312の各々から検出結果を示す信号を受ける。そして、ECU300は、これらのセンサの検出結果とメモリ320に記憶されたプログラムおよびマップとに基づいて、演算処理を実行する。これにより、ECU300は、車両が所望の状態となるように、車両に搭載された機器類を制御する。
さらに、本実施の形態において、ECU300は、2次空気供給装置200の異常診断を行なう異常診断装置を構成する。ECU300は、以下に示す方法に従って、2次空気供給装置200の異常を診断する。
最初に、本実施の形態に係る2次空気供給装置の異常診断装置が実行する異常診断方法の原理について説明する。
図2は、吸入空気量と2次空気通路圧力との関係を示すタイミングチャートである。詳細には、図2の左側は、2次空気供給装置200の正常作動時における関係を示し、図2の右側は、2次空気供給装置200の異常時(ASV閉故障時)における関係を示す。また、いずれの関係においても、2次空気通路圧力は、瞬時値と、瞬時値から高周波成分を除去したフィルタ値とで表わされる。なお、以下において、2次空気通路圧力の瞬時値の変動幅を、2次空気通路圧力の圧力脈動とも称する。また、2次空気通路圧力のフィルタ値を、単に2次空気通路圧力とも称する。
図2を参照して、2次空気供給装置200が正常に作動しているとき、すなわち、エアポンプ210がオンされ、かつASV214が開状態のときには、2次空気通路圧力は、吸入空気量の増加に従って、上昇する。また、2次空気通路圧力は、その瞬時値の波形から明らかなように、圧力脈動が大きいことが分かる。
ここで、ASV214が開状態において、吸入空気量の増加に伴なって2次空気通路圧力が上昇するのは、吸入空気量が多いとき、すなわちエンジン100が高負荷運転をしているときには、第1空気通路212と連通状態にある第2空気通路220に接続されるエキゾーストマニホールド110内の圧力(以下、背圧とも称する)が上昇することによる。なお、2次空気通路圧力の圧力脈動は、エンジン100の高負荷運転時における背圧の圧力脈動の大きさを反映している。
一方、2次空気供給装置200が異常のとき、すなわち、エアポンプ210がオンされ、かつASV214が閉故障しているときには、2次空気通路圧力は、吸入空気量の増加とは無関係に、略一定値を維持する。そして、このときの2次空気通路圧力の圧力脈動は小さい。ここで、2次空気通路圧力が略一定値でかつ圧力脈動が小さいことは、ASV214が閉状態であることによって、第1空気通路212と第2空気通路220とが遮断状態となり、背圧の影響を受けないことによる。
図2から明らかなように、2次空気供給装置200が正常時と異常時とでは、吸入空気量の増加に対する2次空気通路圧力の波形に大きな差が生じる。
しかしながら、両者の波形において、吸入空気量が大きいとき、すなわち、運転条件が高負荷のときの2次空気通路圧力を比較すると、正常時と異常時とでは、略同等レベルの2次空気通路圧力を示すことが分かる。結果として、運転条件が高負荷のときには、2次空気通路圧力の大きさに基づいて、2次空気供給装置200が異常か否かを判断することが困難となり、本来正常であるにも関わらず、故障と誤診断してしまうおそれがある。
なお、2次空気供給装置200においては、エミッション向上の要求を受けて、より広い運転条件における2次空気の供給が求められている。2次空気が供給される運転条件が今後更に高負荷域にまで及ぶことを考慮すれば、上述した誤診断の問題は、益々顕著となることが予想される。
そこで、本実施の形態では、このような誤診断を回避する方法として、以下に示すように、エンジン100の運転条件と2次空気通路圧力との関係に基づいて、2次空気供給装置200の異常診断を行なう構成とする。これによれば、これまで異常診断が困難であった高負荷の運転条件においても、2次空気供給装置200の異常を正確に診断することができる。以下に、この発明の実施の形態による2次空気供給装置の異常診断方法について説明する。
図2を参照して、2次空気供給装置200が正常に作動しているとき、すなわち、エアポンプ210がオンされ、かつASV214が開状態のときには、2次空気通路圧力は、吸入空気量の増加に従って上昇する。
これは、先述のように、エンジン100が高負荷運転をしているときには、吸入空気量の増加とともに、エキゾーストマニホールド110内の背圧が増加し、さらに、ASV214が正常時(開状態)においては、背圧の増加に伴なって、エキゾーストマニホールド110に接続される第2空気通路220と連通する第1空気通路212の圧力が上昇することによる。
一方、2次空気供給装置200が故障しているとき、すなわち、エアポンプ210がオンされ、かつASV214が閉故障のときには、2次空気通路圧力は、背圧の増加とは無関係に略一定値を維持する。
そこで、本実施の形態では、上記の背圧と2次空気通路圧力との関係に基づいて、ASV214が閉故障か否かを診断する。詳細には、圧力レベルが互いに異なる2つの背圧について、それぞれの背圧時における2次空気通路圧力を検出する。
このとき、背圧が相対的に高いときに検出される2次空気通路圧力をPAI1とし、背圧が相対的に低いときに検出される2次空気通路圧力をPAI2とすると、ASV214が正常であれば、PAI1とPAI2との間には、PAI1>PAI2の関係が成立する。一方、ASV214が閉故障していれば、PAI1とPAI2とは略等しいことから、上記の関係が成り立たない。すなわち、PAI1とPAI2との間に上記の関係が成り立つか否かによって、ASV214が故障しているか否かを診断することができる。
なお、背圧の大きさについては、ECU300がエキゾーストマニホールド110内に設けた背圧計測手段(図示せず)から計測結果を受けることによって得ることができる。もしくは、エアフローメータ302で検出される吸入空気量、またはスロットル開度センサ304で検出されるスロットルバルブ120の開度およびクランクポジションセンサ310で検出されるエンジン回転数などで指示されるエンジン100の運転条件に基づいて、ECU300が背圧を推定する構成としても良い。
図3は、この発明の実施の形態による2次空気供給装置の異常診断装置が実行する異常診断動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下に示す2次空気供給装置200の異常診断は、ECU300がメモリ320に予め記憶されるプログラムを実行することによって行なわれる。
図3を参照して、ECU300は、最初に、ON時実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS10)。ON時実行条件とは、ECU300がエアポンプ210をオンして作動状態とし、かつASV214を開状態として、2次空気をエアポンプ210で圧送して各気筒108の排気側に供給するための条件であり、エンジン100が始動してからの経過時間およびエンジン100に導入される空気量などに関する条件が含まれる。
そして、ECU300は、ON時実行条件が成立したと判定すると、2次空気供給装置200の異常診断を開始する。詳細には、まず、現時点の運転条件における背圧が所定値Pβよりも大きいか否かを判定する(ステップS11)。なお、所定値Pβは、エンジン100が高負荷運転をしているときに、上記の背圧計測手段もしくは背圧推定手段によって得られる背圧であって、相対的に高い圧力レベルに設定される。
そして、ECU300は、背圧が所定値Pβよりも大きいと判定すると、フラグF1をセットし、このときプレッシャセンサ306にて検出される2次空気通路圧力のフィルタ値をPAI1としてフラグF1に記憶する(ステップS12)。
一方、ECU300は、背圧が所定値Pβ以下であると判定すると、さらに、背圧が所定値Pγよりも小さいか否かを判定する(ステップS13)。このときの所定値Pγは、エンジン100が低負荷運転をしているときに、上記の背圧計測手段もしくは背圧推定手段によって得られる背圧であって、相対的に低い圧力レベルに設定される。
そして、ECU300は、背圧が所定値Pγよりも小さいと判定すると、フラグF2をセットし、このときプレッシャセンサ306にて検出される2次空気通路圧力のフィルタ値をPAI2としてフラグF2に記憶する(ステップS14)。
次に、ECU300は、フラグF1およびフラグF2の各々に、2次空気通路圧力のフィルタ値PAI1,PAI2がセットされているか否かを判断する(ステップS15,S16)。そして、ECU300は、フラグF1,F2のいずれもがセットされていると判断すると、PAI1とPAI2との間に上記の関係が成り立つか否かに基づいて、2次空気供給装置200が故障しているか否かを診断する。
詳細には、ECU300は、2次空気通路圧力PAI1とPAI2との圧力差(=PAI1−PAI2)が所定の圧力差ΔPAI0よりも大きいか否かを判定する(ステップS17)。このときの所定の圧力差ΔPAI0は、ASV214が正常であるときに、背圧Pβ,Pγの違いに応じて2次空気通路圧力に現われる圧力差の実測値に相当する。
そして、ECU300は、PAI1とPAI2との圧力差が所定の圧力差ΔPAI0よりも大きいと判定すると、2次空気供給装置200が正常であると判断する(ステップS18)。一方、PAI1とPAI2との圧力差が所定の圧力差ΔPAI0以下であると判定すると、2次空気供給装置200が故障であると判断する(ステップS19)。なお、フラグF1,F2のいずれもがセットされていないときには、ECU300は、上記の異常診断を行なわない。
以上のように、この発明の実施の形態によれば、背圧と2次空気通路圧力との関係に基づいて2次空気供給装置の故障を診断することにより、これまで異常診断が困難であった高負荷の運転条件においても、正確に異常を診断することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、2次空気供給装置の異常診断装置およびそれを搭載した車両に適用することができる。
この発明の実施の形態による2次空気供給装置の異常診断装置が搭載された車両の概略ブロック図である。 吸入空気量と2次空気通路圧力との関係を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態による2次空気供給装置の異常診断装置が実行する異常診断動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 エンジン、102 エアクリーナ、104 吸気管、106 インテークマニホールド、108 気筒、110 エキゾーストマニホールド、112 触媒、120 スロットルバルブ、200 2次空気供給装置、210 エアポンプ、212 第1空気通路、214 ASV、220 第2空気通路、300 ECU、302 エアフローメータ、304 スロットル開度センサ、306 プレッシャセンサ、308 車速センサ、310 クランクポジションセンサ、312 水温センサ、320 メモリ。

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気浄化装置の上流側に配され、前記内燃機関の排気系に2次空気を供給する2次空気供給装置の異常診断装置であって、
    前記2次空気供給装置は、
    作動状態において、前記2次空気を圧送する空気ポンプと、
    前記空気ポンプと前記排気系との間に配設され、前記圧送された前記2次空気を前記排気系に供給する2次空気通路と、
    前記2次空気通路を開閉する開閉弁とを有し、
    前記空気ポンプと前記開閉弁との間に配され、前記2次空気通路の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記排気系の圧力を検出する背圧検出手段と、
    前記検出された前記2次空気通路の圧力と前記排気系の圧力とに基づいて、前記2次空気供給装置の異常診断を行なう異常診断手段とを備え、
    前記異常診断手段は、
    前記排気系が高圧力のときの前記2次空気通路の圧力と、前記排気系が低圧力のときの前記2次空気通路の圧力との圧力差が所定の圧力差以下となることに基づいて、前記2次空気供給装置を故障と診断する、2次空気供給装置の異常診断装置。
  2. 前記背圧検出手段は、前記排気系の圧力を計測する背圧計測手段および前記内燃機関の運転条件に基づいて、前記排気系の圧力を推定する背圧推定手段の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の2次空気供給装置の異常診断装置。
  3. 前記異常診断手段は、
    前記排気系の圧力が第1の所定値を上回るときの第1の前記2次空気通路の圧力を記憶する第1の記憶手段と、
    前記排気系の圧力が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値を下回るときの第2の前記2次空気通路の圧力を記憶する第2の記憶手段とを含み、
    前記第1の2次空気通路の圧力と、前記第2の2次空気通路の圧力との圧力差が前記所定の圧力差以下となることに基づいて、前記2次空気供給装置を故障と診断する、請求項2に記載の2次空気供給装置の異常診断装置。
  4. 前記第1および第2の所定値は、前記運転条件が高負荷および低負荷のときにおいて、それぞれ、前記背圧計測手段および前記背圧推定手段の少なくとも一方を用いて得られる前記排気系の圧力である、請求項3に記載の2次空気供給装置の異常診断装置。
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